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須賀政府委員 今
年産大豆の
農産物価格安定法によりまする
支持価格を
決定する時期に相なっておりまするので、過半来鋭意検討を進めて参ったのでございます。
例年通り今月の終わりまでに
決定をいたしたいと
考えまして、
目下政府部内それぞれの方と打ち合わせ中でございますが、今
年産価格の
考え方につきましてあらまし申し上げたいと思います。
大豆の
支持価格は、すでに御
承知のように、
安定法政令附録の
算式によりまして
算定をいたしました
価格をそれぞれ参酌をして参るわけでございますが、今年の場合について
考えますと、
大豆の作柄は昨年に比較いたしましてやや上回っておるようでございます。昨年は
北海道、都府県を通じまして三十九万一千トンの
収穫高であったのでございますが、本年度の作況は、
統計調査部が
北海道につきましては九月一日現在によりまして
調査いたしたところによりますと、四十三万七千四百トンの
収穫予想に相なっております。前年度を約四万六千トン程度上回る見込みに相なっております。それから、
輸入面につきましては、今年度の場合は
輸入予定数量が九十八万八千トンでございまして、前年度に比較いたしましてこれも約三万トンばかり上回るのでございます。それらの要素を取り入れまして
政令附録の
算式で
算定をいたしますと、今年度は
パリティ価格が若干前三カ年に比較いたしまして下がっておりますことと、
供給量が前年度に比較いたしまして上回りますことが反映いたしまして、参酌されます
価格は前年度よりやや下回って出て参るようでございます。その他の参酌すべき
価格といたしましては、前年度の
価格を前年と今年の
パリティによりまして引き直してみた場合の
価格がございますが、これは、現在の時点の
パリティがごくわずか上回っておりますので、ごくわずかではございますが、前年度より
パリティ価格は若干上回るようでございます。その他粗収入との見合いにおきまして検討してみました
数字等は、それほどの従来との開きもございませんので、総合的に判断をいたしまして今年度の場合は前年度の
決定価格に据え置きたい、前年度の
決定価格を今年度の場合も用いることにいたしたいという
考え方を持って、
目下準備を進めておる次第でございます。具体的に申しますと、
基準価格は六十キログラム
当たり裸で二千九百十円、それから、包装代は、かます入り二重包装で九十五円、合わせまして三千五円が
決定価格と
考えておる次第でございます。ただいま申し上げましたような
考え方をもちまして、目下
関係当局と話し合いを進めておる次第でございます。話がととのい次第、できるだけ早く
決定をするようにいたしたいと存じます。
それから、米の配給改善につきまして十一月一日から実施をすることにいたしておる
措置につきまして簡単に御
説明を申し上げたいと思います。
米の
配給制度の改善につきましては、最近の米の需給の実際の動き等種種勘案をいたしまして、去る八月以来
農林省に臨時の協議会といたしまして米の
配給制度改善協議会を設けまして、約四回にわたり検討を重ねて参ったのでございます。その結果、われわれといたしましてその協議会に提案をいたしましたのは、前年度からの米の増配、生産県を中心といたしましての米の傾斜配給、それから外食券制度の
改正、普通外米の割当配給の廃止、流通組織の若干の手直し、その他二、三の
項目につきまして意見を聞いたのでございますが、その意見をいろいろ聴取をいたしました結果、現在私どもが新年度から実施したいと
考えておりまする事柄は以下申し上げる事柄でございます。
第一は、新年度からの内地米の増配でございますが、これは、一般配給は従来一カ月内地米を十五日分配給いたしておったのでございますが、新年度からは、約一日半分、こまかく申し上げますと一・四日分増配をいたしたいと
考えておるのでございます。こういう端数になりましたのは、同時に、従来の一日当りグラム建を一人一カ月当りのキロ建に改めたいと
考えたのでございます。従来は内地米につきましては一日一人三百六十五グラムを配給いたしておったのでありますが、今回これをキロ建にして一カ月六キロということに改めたいと
考えておるわけでございます。そういたしました結果、日数計算いたしますと、十六・四日ということになるわけです。キロ建配給の方が、配給を実際やっておりますものの側からも、また受配者の側からもいろいろ便利な点がございますので、キロ建配給に改めて参りたいと
考えておるわけでございます。
同時に、
業務用米を若干増配をいたしたいと
考えております。これは、御
承知のように、特に大都市におきます
業務用米がやみを消費地に誘因いたします要素になっておりますので、
業務用米をやみに対する
対策の一環といたしましても増量いたしたいと
考えております。従来年間十三万トン
業務用米の配給をいたしておったのでありますが、これを七万トン増加して年間二十万トンにいたしたいと
考えております。
次に、生産県におきます傾斜配給でございますが、傾斜配給と申しますのははなはだ妙な言葉でございますが、従来傾斜配給という言われ方をいたしておりますので、便宜この言葉を使っております。これは、最近の実際の生産県におきます配給米操作の
状況から見ますと、生産県の中の人口が集中をいたしております地帯と郡部あたりとでかなり配給米の受配の
状況が変わっておるわけです。そういう場合、郡部においてある程度受配されません分を、その県内の受配率の高い地区に回しまして、六キロ以上に増配をいたそう。傾斜配給の
限度は八キロと
考えておりまして、そういう地帯につきましては二キロだけ一般の配給よりも増加いたしまして受配ができることになるわけです。どうしてこういうことをするかと申しますと、
一つは、やはり農家の販売可能な米をできるだけ
政府のルートを通じまして集荷をいたしたい、いわゆる完全集荷の
考え方からいたしまして、こういう地帯におきましては、受配率の高いところに正規のルートで米を流しますことの方が、結果において
政府の集荷量を高めることになるわけでございます。また、そうなりますと、東京とか大阪とかいうような一般消費地帯につきましても、あるいは特配その他の形におきまして六キロ以上に配給をいたします余力等も出て参るわけでございますので、生産県におきましてこういう操作をいたしまして、できるだけ
政府の集荷量を高めるごとにいたしたいと
考えておるわけであります。また、一面、従来この傾斜配給的操作は一部の府県において行われておったのが実情でございますが、これは厳格に申しますと現在の食管法の配給
関係とは一致しない操作でもありますし、また、その結果
価格等につきましても必ずしも明朗でない面がございます。一たん米屋さんの受け取った米が生産県の中の人口の多いところへ回されましてこれが
部分的には公定
価格でないやみの
価格あるいはその中間の
価格等で売られておったというような実情も実際にはあるのでございまして、今回、傾斜配給を制度として開いて参りますと、そういう点もはっきりいたして参りますので、そういう角度からもこういう
措置をとって参りたいと
考えた次第であります。
次は外食券制度でございますが、外食券制度につきましては、最近の
状況を申し上げますと、外食券が実際に使われております数量のうち約七割は入院患者の病院の中におきます給食用に使われておったのでございます。病院に入院いたしますときに、病院では米の現物を取り
扱いませんで、外食券を持ってくるようにというふうにしておったのが一般の病院の最近までの
扱い方でございまして、これが外食券利用の約七割を占めておったわけでございます。それで、今回は、この病院の入院患者につきましては、病院からの申請によりまして患者給食用の米を一般配給の
価格で特配をすることにいたしまして、外食券を利用しないで入院患者は給食を受けられるように改めたいと
考えておるわけであります。そういたしますと、外食券の七割は実際には必要がないという状態になるわけでございます。残ります問題は、特に東京におきましてあるいは民生食堂でありますとか、あるいは学校の学生の食堂でありますとか、そういうところにおきまして、外食券を持って参りますと、以前から東京都庁が行政指導をいたしております
価格で米飯の給食が受けられるというような実態になっております。それで、こういう外食券の実際の効用が残っております地区につきまして外食券を廃止いたしますと、このような利用者に対してなお不便をかける心配がございますので、こういう地区につきましては外食券制度を一部残したいと
考えております。実際の
状況を見ますと、東京都のただいま申しましたような例を除きまして、なおさきに申し上げました入院患者の給食用として使われているものを除きましては、外食券は最近はほとんど使われておらない実情でございます。それで、今回の
改正の仕方は、先ほど申し上げましたような東京都のような場合につきまして、都道府県知事からなお外食券を引き続き発行して参りたいという申請があります場合は引き続き外食券を発行していく、もうこの外食券制度は私の県は制度としても要りませんということがはっきりいたした県につきましては、外食券制度を制度としてやめていく、都道府県知事の判断によりましてそこの選択をきめて参りたい、さように
考えているわけでございます。いささかでも消費者に不便をかけるようなところにつきましては、外食券制度をこの際廃止する
考えは持っておりません。そのような
考え方で進めております。
それから、次は、普通外米の割当配給の廃止でございますが、現在、本年度までは普通外米は、——いわゆる普通外米と申しますのは、準内地米と称しております台湾米等を除きましたビルマ、タイ等の昔から言われておるいわゆる外米でございます。この普通外米が月に十五日分割当になっておるのでございますが、受配の実態はごくわずかしか取られておらないのであります。十五日分の
ワクになっておるのでございますけれども、実際に受配されております数量は平均をいたしまして月に〇・三日くらいにしかなっておらないのでございます。ほとんど一般には受配されておらない。特に割当配給という形において今後配給をして参るような実態になっておらないわけでございます。それで、新年度からは、普通外米につきましては、一般消費者は購入券によらないで買いたいだけの数量をどのお米屋さんからでも買うことができるということに改めたいと思うわけでございます。いわゆる割当配給という形でなくて、自分がほしいと思われる数量を、必ずしも自分が登録しておるお米屋さんでなくて、どのお米屋さんからでも買えるという形に改めたいと
考えておるわけでございます。その際、あるいは外米の
価格の問題でありますとか、あるいは外米の取り
扱いルートの問題でありますとか、そういう点につきましては、将来の問題は別といたしまして、さしあたりは従来
通りの
扱い方で進めて参りたいと
考えておるわけでございます。外米は、
政府から卸を
通りまして小売に売るという配給の系統は従来の系統で続けて参りたいと思います。
最後に、流通組織の整備の問題でございますが、これは、具体的に申し上げますと、小売と消費者との登録の問題、それから卸と小売との登録の問題があるわけでございますが、小売と消費者との間の登録の問題につきましては、かねてから、もっと簡易な
方法で——実際に登録がえをしたいと
考える者についてはもっと簡易な手続で登録ができるようにしてもらいたいという声が非常に強く上がっておったわけでございます。その要請を私どもも十分
考えまして、今後行なわれます消費者と小売との間の登録につきましては、そのやり方を改めたいと思うのでございます。その改めます要点は、従来は本人またはその家族が手続を区役所まで行ってやらなければできないというような手続になっておったのでございますが、そういうふうにいたしませんで、今後はその消費家庭の登録がえをしたいという意思がはっきり確認ができる
方法をつかみまして、具体的に申し上げますと、今大
部分の消費者はお米屋さんに通帳を預けておるわけでございますが、預けっぱなしにしておる家庭が大
部分でございますので、登録がえの時期にもとの米屋さんに行きまして、何日までの配給を受けておる、それから、今までの米代については滞りはございません、全部お金は払ってありますという二つの証明だけをもとの米屋さんに通帳の中へしてもらいまして、それを自分が新しく登録しようとする米屋さんに持って行く、そういたしますと新しい米屋さんが区役所との間の手続はするということにいたしたいと思っておるわけであります。消費者といたしましては古い米屋さんと新しい米屋さんの間を一往復していただければ、あとの手続は米屋さんがかわってやる、いわゆる代理で手続をするわけでございます。そういたしますれば、従来この手続が非常に実際的でなかったという非難は大
部分解消すると
考えまして、今後行なわれまする消費者と小売との登録につきましてはさように改めたいと
考えております。
それから、小売と卸との登録の問題でございますが、これは消費者と小売との
関係とは問題の性質がやや違いまして、卸と小売との
関係は、私から申し上げるまでもなく、これは企業間の問題でありますので、いろいろ複雑な事情があるわけでございます。しかしながら、相当長期間卸と小売との結びつきは固定をいたしておりまして、現行省令できめております制度も必ずしも適正に運営をされておる実態ではないということも私ども十分
承知をいたしておりますので、できるだけ早い
機会にこの卸と小売との間の登録の問題につきましても具体的な
改正案を検討いたしたいということで、目下鋭意検討いたしておる次第であります。
なお、協議会では、あるいはクーポン制の問題でありますとか、あるいは予約完了後の余剰米の問題でありますとか、あるいは消費者
価格に品質差に応じまして
価格差をつける問題でありますとか、それぞれきわめて重要なる問題が検討されたのでございますが、これらにつきましては、今日の
段階ではなお検討すべき問題が多いということで、問題を今後に残しまして、ただいま申し上げました三つの
事項につきまして新年度より実施することといたした次第でございます。
簡単でございますが……。