○赤城国務
大臣 人が乗る飛行機が不要になるという御意見でございますが、それは御意見として承りますけれ
ども、私
どもの見解としては、やはり有人機は有人機としての機能がありますので、これは最終は
昭和四十年度になりますが、その間にもできてきますが、これが不要になるというふうには考えておりません。ただお話の
ように、有人機から無人機に移るという傾向はいなめないと思います。しかし有人機は有人機としての機能が十二分にあります。でありまするから、何も諸外国の例を引くまでもございませんが、西ドイツで有人機を生産することに決定したのもことしであります。カナダにおいても、あるいはスイス等においてもそうであります。
世界各国等におきましてそうでありまするし、
アメリカにおきましてもF1O8は一時中止しておる
ように聞きましたが、105とかあるいは今の102というのはやはり生産しております。でありますので、有人機が全然不必要になるということには私
ども考えておりませんが、だんだん、ミサイルに変わっていく、この傾向はいなめないし、これはそう相なると思います。
日本の自衛上の防空のためにも、私はやはり高射砲あるいは有人機あるいは空対空とか地対空の、ミサイルという
ようなものが総合されていくのじゃないか、こういうふうに考えておりますので、有人機が全然無用になるというふうには考えておりません。
ところで、これを全然やめてしまう
ような考えで国防
会議をリードすべきではなかったか、こういう御意見でございます。この戦闘機種の決定につきましては、もう数年来にわたっておったことも事実でございます。それから有人機が必要であるということも事実でございます。私の方ではそういうはっきりした見解をとっています。でありますので、そういう点から考えまするならば、今までと違って、非常に権威ある調査団を出して、その結果が出た以上は、これは早くきめたい。特に生産に入るのにいたしましても、直ちにできるというわけではございませんので、
昭和三十五年度の予算には頭を出す
ようにしたい。ところが御
承知の
ように予算の
要求をして、これが大体内定するのは十二月の二十日ごろというふうに私
ども予定しておるのであります。そういうことになりますると、その前に機種を決定いたしませんと、正確なるはっきりした価格が出てきません。契約をいたしますことによってはっきりした価格が出る。その価格を基礎として
アメリカの分担金もきめていかなければなりません。この交渉もいたさなくてはならないのであります。そういう点から考えますと、十一月のおそくとも十日までにはきめないと、私
どもの方としても非常に困る手続上の問題があります。そういう点がありますから、なるべく早くきめたい。しかし疑問があるならば、私
どもといたしましてもこれはなお慎重に
検討しなければなりませんが、調査団の報告が非常にはっきりしております。疑問の点の質問等に対しましても、明快なる回答を得られたわけでございます。そういうことになりますならば、やはり早くきめておきたい、こういうことです。
もう
一つ、
防衛庁がこの決定を国防
会議に押しつけた
ようじゃないか、
防衛庁の決定を承認するという
ような形で今度の決定になっておりますから、押しつけたのじゃないか、こういうふうな御意見でございます。この点につきましては、再々私
どもほかの
委員会その他でも私も
官房長官当時御意見を聞いたのでありますが、どの飛行機がいいかという種類をきめるのは、
防衛庁の責任においてきめるべきではないか。国防
会議においては財政やその他のこともあるから、どれくらいのことにするか、これは御
承知の
ように国防
会議法の中にも国防の大綱をきめるということになっておりますから、そういう機数とか財政上の問題は国防
会議の権限だけれ
ども、どういう飛行機を選ぶのか、どういうタンクを作るのか、どういう艦艇を作るのかということは、
防衛庁でやるべきではないかという御意見が相当あったのでございます。私といたしましても実はそれが筋が通っているのではないかと思う。しかし今度の問題は、とにかく国防の大綱を国防
会議にかけました際に、その中に戦闘機の三百機、こういう問題がありましたので、それではどういうものをきめていくのかということから国防
会議の議題に取り上げられて論議になったから、国防
会議において最終的な結論は出すべきだ、こういうことで国防
会議に出してきたわけであります。筋としては、やはりどういう飛行機を選ぶかということは
防衛庁できめるべきものだ、そういう意見が国防
会議にも出まして、今度の決定にあたりましては筋に戻そうではないか、だからどういう種類の飛行機を採択するかということは、
防衛庁の決定を承認するということが筋ではないか、そういうことで今度は
防衛庁の決定したF104—Jを国防
会議においては適当なものということで、承認するという形で決定されたわけでありますので、その点も御了承願いたいと思います。