○小野
参考人 御
質問の御趣旨ごもっともだと思います。私
どもといたしましてもこのまま推移をいたしますと、協会といたしまして当然果たして参らなければならない良質の
放送を、全国津々浦々あまねくこれを
放送して参らなければならないわけでございますが、そういう面におけるいわゆる財源調達の面に非常な支障を来たすわけでありますし、目下真剣にこれが原因と、これに対する
対策を考究しつつありますし、現にその一部のものにつきましてはいろいろと
努力をいたしておるわけでございます。
廃止の原因につきましては、
テレビの
普及につれて、
テレビを備えつけたからラジオは要らないというような
理由で解消をされるのが最も多いようで、それに次ぎまして、機械の故障であるとか、現在聞けないから、従って金は払わないというような
理由になっておりますが、そういう点につきまして、根本にさかのぼって、現在の
放送法の
契約の仕方等につきましても、まだ十分に了解をされておらないような面もありますので、こういう面も、ラジオ
放送、
テレビ放送、その他印刷物等を通じまして、
放送法に規定してありますような、いわゆる
契約義務の状況をPRをいたしておるようなわけでありますし、また一面には、トランジスターのラジオには
契約をせぬでもいいのだ、料金を払わなくてもいいのだという気持も、ばく然とながら行き渡っておるようでございます。こういった面につきましても、そうではないので、ラジオの受信
契約は一個々々ではなくて、世帯単位ではありますが、その世帯に、そういったトランジスターでないラジオを備えつけてあれば、これは一個の
契約でいいわけでありますけれ
ども、そういうものなしで、トランジスターのあの小型のものだけしか持っておらない場合には、これについても
契約をしていただかなければならないのだということで、いろいろお願いをいたしておるようなわけであります。さらにまた、自動車に取りつけたラジオにつきましても、これはすぐ
契約をしなければならないというような気持も十分行き渡っておりませんようで、この点につきましても、いろいろPRに努めております。と同時に、解約の仕方につきましても、電話一本というような、これはいろいろな要員等の
関係でそこまで簡素化いたして参ったわけでありますが、この点につきましても、ある一定の様式を備えて申し出をしてもらうという
契約の廃止方法の改正を試みますとか、あるいは本年度成立予算を差し繰りまして、この方面に相当な金額をつぎ込みまして、できるだけそういった
減少を防ぐような
方向に、あるいは臨時の人の面で、あるいはラジオ商その他のいろんな組織を通じまして
努力をいたしておるようなわけでございまして、廃止の申し出がありましても、はい、そうでございますかで、すぐそれを廃止の欄に記載しないで、現実にお宅を訪問して懇願をいたしておるようなわけでございます。その成果は、現在のところでは大体当たりました件数の二割は継続が可能だ
——全体の二割でございますから、成果としては十分でありません。
現状をもって決して満足いたしておるわけではございませんが、着々とそのような手を打ちつつありますし、さらにもう一そう有効な
措置について、いろいろほんとうの原因と、それに対する適切な方法を真剣に検討を続けて参らなければならないと思っております。かような
努力を現在いたしつつあるわけでございます。