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小沢(貞)
委員 これに要約されていることについて具体的に
質問をいたしたいと思うわけです。これは問題が新潟県の青海という人口一万七千ばかりの町に起こったということなんです。私が最初聞いたのは、こういうパンフレットが私の机の上にあったので、これは一体何だろうと思ったけれ
ども忙しがって見ないでおったのですが、党本部の方から労働問題だから行って見てこいというので出かけていったのです。なかなか奥が深くて、これは通産省
関係、
自治庁、国家公安
委員会、あるいは法務省、農林省等々広範な問題になっておるわけです。そこできょうは法務省、
自治庁、それから国家公安
委員会、これに若干の御
質問をいたしたいと思うわけです。
その経過その他については日本経済等の全国版にもすでに出ておりますし、十二月八日付の日刊工業
新聞の全国版にも出ておりますし、また毎日の新潟県の
地方版をにぎわしておりますので、あるいは内容は御存じかとも思いますけれ
ども、これを
説明し出せば大
へん長くなるわけです。それで要点だけをお尋ねをいたしたいと思うわけですが、事の起こりは、電気化学工業株式会社の青海工場、こういう工場が青海町にあるわけです。青海町というのは、この工場が発展したために発展していった町であるわけです。最初は人口三千の町でしたが、今は一万七千の町になったわけです。その町に明星セメントというセメント会社が入ってきて、セメント工場を作ろう、実はこういうことになったわけです。いわば資本家対資本家のけんかでもあり、それに労働組合対労働組合のけんかが結びついたというような格好にもなっておるわけですが、私は、その労働組合対労働組合の問題とか、資本家対資本家の問題等ということとは
関係なくお尋ねをいたしたいと思うわけです。
会社に協力をするところの組合が二人、三人の従業員の首を切った。組合が組合員の首を切る、これはユニオン・ショップというのを
運用したような形ですが、そういうようなことから事が起こってきたわけです。そこで行って調べてみますと、実はことしの四月ですか、
地方選挙があった。そのときにその会社が——電化々々と地元の人は呼んでおりますが、電化がほかの工場に来てもらわないように、来てもらいたくないということで、
地方選挙に非常に力を入れたわけです。そこで選挙の結果を見ますと、定員二十四名ですか六名ですか、そのうち一位から十五位までがそこの会社の工場次長とか課長とかいう人がずらずらっと当選をしておるわけです。そのうちにたった一人だけその会社に出入りしておるところの、やはり会社の自由になる下請の小野貫一という人が入っておるだけで、あとはずっと一番から十五番目まで工場の偉い順序に、工場次長とかいうような順序にちゃんと当選をしておるということになっておるわけです。そこで選挙のやり方については公職選挙法違反等こまかい問題がたくさんありますから、後ほど聞きたいと思いますが、そういうことになって、たとえば工場誘致
条例等も電化という工場の有機合成
関係の工場の招致のときに作ったわけなんですけれ
ども、それをあとから入っていった工場には
適用をしないというような問題が起こってみたり、あるいはまたこの九ページに「町費で永久橋に」という題名で写真まで出ておりますが、御幸橋というものを作ったわけです。地元の人は、こんな不便なところになぜ橋ができるか、いぶかっていたわけなんですが、橋ができていよいよ使うことになったら、セメント工場を新しく新設するということになって、その工場のためにやったというようなことが出てきてみたり、あるいはまた宝の山といわれているところの黒姫山、これは標高千二百何メートルだそうですが、これは全山日本有数の石灰石の山なんです。それが町有地か何かよくわかりませんけれ
ども、それを日セルにやるとかどこかにやるというようなことで、鉱業権、租鉱権というような問題で工場が非常にもうかるような工合にして、町の方に当然もっと金が入るべきようなものを入れないようにするとか、そういうことがたくさんあるわけです。端的にいえば、いわば一工場が
地方自治体を完全に支配しているという格好だと思います。警察のことはあとで聞きますけれ
ども、警察権はやはりその工場の私警察にひとしいものだ、こういうような格好に見えるわけです。このことについては、先般十一月十三日の社会労働
委員会に
自治庁関係の方も呼び出されていろいろ答弁しているようなんですが、警察も私警察のごとき観を呈しているというような工合に、極端に言うと一工場の何々課、何々事務部門というようなことと同じように、町が
一つの部門のように実はなっているわけです。町
議会の方は、先ほど言ったように過半数を制しておるので、工場次長という人が代々町
議会の
議長をやるのだというような不文律にもなっておるそうですし、町長はその会社の元従業員であるというようなことですし、会社に出入りしている者が四人ほど当選しているわけでありますから、定員二十六名中十八、九名は完全に会社の言うなりになっておる。こういうような格好になっておるので、幾多の問題がそこに出てきておるわけです。
地方自治法を制定するときには、そういうことはおそらく予想しておらなかったと思います。全国の中にも、この小林
委員の
質問によると若干そういう町があるそうですが、今私が申し上げたようなトラブルは起こっておりませんし、恐怖の町と呼ばれるような実態は起こっておらないと思います。おそらくこの町だけであろう。全国初めてのケースであろうというように
考えておるわけですが、こういうようなことになったのでは、一管理部門のごとき町政あるいは村政というようなことで、まことに嘆かわしい次第だというように
考えるわけです。これは
自治法の制定当時こういうことを予想しておらなかったことなんだから、端的に結論から
質問しますが、
自治法を
一つ再検討していただくなり何なりしていただかなければならないのではないかというように
考えるわけですが、そういうここについては
自治庁長官の立場からどういうようにお
考えでしょうか。