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鈴木政府委員 今回の
伊勢湾台風による
消防関係の公務
災害の
状況は、前回もお話し申し上げましたように、十月二十八日言現在で、非常勤
消防団員の殉職者五十八名、協力者十四名という数字に上っております。何と申しましても
消防団員の活躍は、
災害発生直後から引き続き今日でもまだ
復旧作業に協力し努力いたしておるわけでございまして、この
消防団員の公務
災害の
状況等も、中央に対する
報告がどうしてもおくれまして、だんだんと日がたつに従って数が多くなる。当初私ども、従来の経験から予想いたしました公務
災害の死亡者は、大体三十名くらいという見当でおったのでございますが、だんだんと
報告が来るに従って増加いたしまして、十月二十八日現在で五十八名の非常勤
消防団員の殉職者、それに協力者が十四名ということになったわけでございます。今後も、あるいは少しこの関係で
報告漏れがあって、その後の調査で、公務によって殉職あるいは負傷した者の数が出てくるのじゃないかと思っておりますが、そういう次第で非常に
報告がおくれておりますために、これに対する処置が十分にとられなかった遺憾はあるわけでございますが、しかし先般も御説明申し上げましたように、今日までに
報告の来ております公務
災害の死亡者並びに負傷者等に対する損害補償の
総額を概算いたしますと、大体三千五、六百万と予想いたされます。これは死亡者に対する補償費、遺族に対する補償費一人当たり平均四十五万円程度になります。そのほか葬祭費とか、あるいは協力者に対する補償費等一切を入れまして、大体三千四、五百万と見当をつけております。現在、基金の預貯金として残っておりますのが七千二百八十万ございます。このうちの二千九百万は、従来からの積立金で繰り越してきたものでございますが、このうちから今回の臨時の補償費を出しますと、
残りが三千五、六百万になります。これを今後十月から来年の三月までの
災害補償に充てる費用を概算いたしますと、大体
年度末にとんとんになるのじゃないかというふうに予想いたしております。もしどうしても、今後予想できない
災害があって、その額で間に合わない場合には、場合によりますと、最後に借入金等によって一時補っていくという方法を講じなければならないと存ずるのでございます。いずれにいたしましても、大体今
年度一ぱいは現在持っております預貯金でまかない得るのではないかというふうに予想いたしております。そういうことで、当初今回の
災害による
補正予算を組む段階で折衝をいたしました時期には、はっきりした計数が出ておりませんでしたが、大体を予想いたしまして、二千万円程度の
補正予算を組んでもらいたいということを、大ざっぱな資料によって
大蔵省と折衝いたしたのでございますが、相当な死傷者が出たにしても、大体現在の保有の基金でまかなえるのじゃないか。そうすれば、今回の
災害では、国の
財政を洗いざらい出して、速急に救済なり
復旧作業をする時期であるから、一応間に合うのであればこれで間に合わせておいてもらいたいということで、ついに
補正予算に組むことができなかったわけでございます。それは
一つは今の理由と、確実な資料がまだ十分集まっておらなかったという二つの理由によりまして、
補正予算はついに組まれなかったのでございます。
ただそういう関係で、大体今
年度一ぱいで従来の積立金もすっかり使い果たすということが予想されましたので、その
補正予算は組まないけれども、来
年度の
予算の際には、現在出しております四千万円の
補助金の要求はぜひともいれてもらわないと困るということで、事務的にも折衝いたしましたし、また私も直接大蔵事務次官と話をいたしまして、とにかくその問題は来
年度予算のときに十分考慮するからということになっておる次第であります。四千万円要求いたしておりますが、ぜひともこの要求額は全額二十五
年度の
予算に
補助金として組んでもらいたいと、私どもは強く希望いたしておるわけでございますが、これが折衝は今後に残されておるわけであります。