○足立
委員 横路君の御質問の中にあった
回送費の問題について、少し突っ込んで伺ってみたいと思うのですが、今
総裁が御
説明になった
方法で
整備をおやりになって、かりに
北海道の
製塩事業というものが全部なくなってしまうという事態を考えてみますと、一番コストの安い地帯が
製塩事業が残ることになるわけでありますから、主産地は先ほど
お話があった
通り中国沿岸ということになろうかと思います。そうなると、
北海道へ供給する塩というものは、そういう事態のもとにおいては、ほとんど大部分が中国地方から貨車へ乗り、船へ乗り、
北海道まで送りつけられるといたしますと、
北海道の八万五千
トンの
回送費というものが現在以上になって、非常に高い塩になるということになろうかと思います。先ほど
塩脳部長の御
説明で、現在
トン当り二千円という
お話がございましたが、これはもちろん米と同じでフール計算であると思いますので、現在でも
北海道で
製塩しているもので足りない塩は、主として中国地方あたりから送られておると思うのでありますが、これはおそらく平均
回送費の何倍かになっておるのではないかと想像するのであります。そうなると、
公社自体のコスト・ダウンということを考えますと、なるほど画一的にやらないと収拾がつかないという御心配のある点は私どもよくわかります。
製塩工場を生かすか殺すかというときに、ものさしを変えて、お前のところはこの
基準だ、お前のところはこの
基準だということで差をつけてやれば、これはなかなかおさまるものではない。いかに国家的な大きな見地からものを言いましても、個々の産業について見れば、
自分が生きるか死ぬかでありますから、そういう表面的に不公平な
基準ではかられるということになると、必ずその問題に食い下がってきて、
公社としても押えがきかなくなる心配があるということはよくわかるのでありますが、今度は
公社自体のコスト・ダウンという点を考えていきますと、今申し上げたように、逆に
製塩の
整備によってコストが上がってくる。少くとも
回送費あたりは明らかに上がってくることが私は実証されると思うのでありますから、そういう点も御考慮になれば、私はこれに対して
公社自体としてもある程度感覚を変えてお考えになる必要があるのではなかろうか。そうだからといって、
北海道の問題だけについて非常に甘い
基準をとれば、北の場合その他いろいろ
お話がありましたが、そういうおそれもあるわけでありますから、少くとも今回の
整備は一つの
基準でやる。そして将来にわたって
北海道の
製塩事業があらゆる努力をして生き延びた場合に、この
北海道に対する特殊な事情というものを考慮されまして、将来において考える余地はないものかどうか。私も現地に参ったことがあるのでありますが、八月の報告ではそこまで突っ込んで
お話を伺わなかったわけであります。どうも今質疑応答を伺っておりますと、
公社自体として、いかにも画一的に、きわめてしゃくし定木にお考えになっておられるので
——それはごもっともでよくわかるのでありますが、それでは何となく私どもは割り切れない面が出てくるように思う。同時に、
公社自体のコスト・ダウンという点も、もっと真剣にお考えになれば、同時に塩の
価格も安くし得るわけでありますから、こういう点も含めてお考えになって下さったらどうかと思うわけであります。