○池田国務
大臣 昨日長谷川
委員の御
質問に対しまして貿易自由化の方向に向かって進んで参ります。これが貿易
政策の根本であるということを
お話し申し上げました。私はできるだけ早い機会にヨーロッパ並みに自由化いたしたい。しかしそれには順序がございます。国内産業に及ぼす
影響をできるだけ少なくいたし、しかもまた片っ方ではなるべく早く、たくさんやっていく、こういう間にはさまって、いろいろ研究いたしておるのであります。時あたかもガット総会が
東京において開かれております。私はこの機会に、やはりガットに対してのわれわれの
立場を明らかにする上からいたしましても、最近考えておることをここで
一つ申し上げたいと思います。
昨日
お話し申し上げました中で、第一の今の対ドル地域に対する
制限十品日中、昨日は銅合金くず、ラワン材、この二つのものを一月からAA制にする、こう申しておりましたが、昨日
検討の結果、銅合金くず、ラワン材の二
品目だけでなしに、石こう、アバカ繊維、これも来年の一月からAAにいたしたい。なお残りの六
品目につきましても、これは昨日申し上げましたように国内法の整備、そして産業界の
準備等を考えまして三十五年度できるだけ早い機会にAA制に移行したいということで、
準備を進めております。対ドル地域の十
品目以外にさらにほかのものにつきましても
検討を続けまして、今後随時AA制にいきたいと思っております。大体従来特別外貨資金割当としておりました
品目のうち、これは百五、六十あったと思いまするが、そのうちココア・バター等約六十五
品目は、来年の一月からAA制に移るということを発表いたしたいと思っております。またバーター輸入
品目のうち、これは主として中華料理の原材料でございますが、これを十五
品目、これもまた一月からAA制にいたしたい。また機械の輸入につきましては、申請があれば無
制限に割り当てる制度、こういう制度を設けたいと思います。
種類は事務用機械等でございますが、今まで押えておりましたが、相当の
品目を無
制限に許す。AA制に移すというのと、無
制限に移すというのとどこが違うかと申しますと、一応はAA制の格好をとると申しましても、すぐそれに移っていくのがまだ不安な点がございますので、一応申請はさせますが、申請があった場合には無
制限に認める。毎日きてもいけませんから、一週間に一ぺんとか、あるいは月に一ぺんくらい申請してもらいまして、それを見まして、出たものは一応無
制限に許す。AA制ではないが、実質上はAA制というような格好に、機械も持っていきたいと考えております。また
消費財につきましても、
わが国におきましても相当
競争力ができてきておりますので、国民生活の向上の見地からも、さしあたり一月から楽器とか運動具等三十五
品目につきまして、AA制ではございませんが、今申し上げました無
制限割当制というものをやっていきたい。またテレビとかほしブドウ、ウイスキー、菓子、繊維製品の一部等、従来協定
関係に限って輸入しておったのでございまするが、これを協定
関係の国のみならず、ある
程度のものを他の地域、いわゆるグローバル式にやっていきたい、こういう考えを持っておるのでございます。また万年筆とか双眼鏡というのを、従来輸入禁止しておったのでございまするが、一定
制限のもとに輸入を認めていきたい、こういう従来よりも相当進んだ考え方で、AA制に移行することにいたしておるのでございます。これは、先ほど申し上げました
ごとく、ガット総会が開かれておりまするから、今明日中にガットの方へ申し出るつもりでございます。