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小林(進)
委員 その現行法律のもとにおいてこういう現象が起きるのは余儀ないという御答弁は、それはその通りなんです。私はそういうきまり切ったことをあなたにお尋ねしておるのではない。しかし、現行の自治法が初めて立法化されるときに、こういう一
企業体が自治体を支配する、独占するなどということを予想して私はこの法律が作られたのではないと
考えられる、こういうことなんです。これを作るときには、まさかこんなおかしな現象のものができ上がるなどということを予想した立法者はなかったのじゃないか、こういうことなんであって、今もお尋ねしますと、詳しいことはわからぬけれ
ども、固定資産税その他の関係からは、どうも一
企業会社が町政の大半をまかなっているという形ができるとおっしゃいましたが、お聞きすれば幾つもある。これはこの法律をそのままにしておけないが、やむを得ないだろうということで放任しておいたならば、そこの害が起きてくるのじゃないか。むしろこんなところが幾つもあるなら、もう少し精密に
調査をしていただいてその弊害が一体どんなに現われているか、長所がどんなに現われているか、だから法律はどのように修正しなくちゃならぬ、私はそろそろそういう作業に入っていただいてもいいんじゃないかと
考えるわけです。今お聞きしたら、私の電話で初めて気がついた。なるほどこれに近いものがあったという。これじゃどうも話がおそ過ぎますよ。おそ過ぎますが、それは
一つ結論にいたしまして、私は青海町の問題なんかあなた方どの
程度御存じか知りませんが、私の知っている
程度のことをあなたにお知らせをしながら私は御
質問をいたします。
そのほかに町
会議員なんかもその通りです。私は十四名と言ったが、そのほかに社員ではないけれ
ども、社宅の配給米を一手に扱っているというような商店から一名、それから工場内の粉末石炭の処理を一手に請け負わしている請負組合から一名、そういうのが入って、二十六名の町
会議員のうち十七名が電化の意のままで動く議員で構成せられているわけでございます。その結果、私
どもが
調査しただけでも、青海町に御幸橋という永久橋があるのですが、それを町費で建設した例を私は申し上げておきますが、町費でかけた。ところがそれは何か山の中へ行く県道でもなければ田道でもない、村道でもないところにそういう永久橋を作る。その近くには国道が走っているけれ
ども、国道の橋はまだ木造でがたがたしておるにもかかわらず、まるで行き詰まりのそういうところに町費でこういう永久橋がかけられる。町民は不思議でたまらない。たまらないでおりますけれ
ども、一年か一年半たつとその御幸橋の向こうの方に青海電化のセメントエ揚が設立をせられる、なるほどそれでわかった、こういうような形も現われている。何かこの橋が一千六百万円の町費でできたそうでございますが、そういう形のものが現われている。
それから青海町では工場誘致条例というものを三十四年の一月に施行しておるのでありますが、この青海電化の田海の有機合成工場を建設する際に、ちゃんとこういう誘致条例などというものを作って、そして青海電化の田海合成工場を新設するときにちゃんと
適用しておる。ところがこの工場誘致条例というものは、今度問題になっている明星セメントというものをその地区で設立しようというときには、こういう条例は
適用しない。だから町民に言わせると、何だ、これは青海電化の工場だけを誘致するための工場誘致条例であって他の工場に対しては不誘致条例じゃないか、こういうふうな形で現われておる。これはわれわれに言わせれば、そこで町政を独占しているからこういうことができ上がっている。条例を
適用したり不
適用したりしている。それから町民の黒姫山の地上権及び採掘権あたりを取得するにあたっても、非常に安い値段で手に入れている。それから
日本セルロイド
会社という他の
会社に対しては、そのうちのほんの九分の一か十分の一か、九牛の一毛というのですか、ほんの一部分の採掘権を五年間二千五百万円でこれを他の
会社に譲渡している。町議の
決定に基づいて、地上権や何かを安く獲得しておいて、それを他の
会社に、ほんの一部分を高々と譲渡している。法的には何か理屈があるそうでありますけれ
ども、町の財政それ自体から
考えていきますと、自治体というものは全く犠牲になって、自治体の決議に基づいて一
企業会社がすばらしいもうけをしている。町有財産をそういう形でもうけさしているという節がある。それから町の警察が、私
ども警察署長にお会いいたしました。
調査に行ったのでありますが、どうもこれは具体的にどういう例があるというわけにはいきませんし、一末端の警察署長あたりにそういう過重な負担をかけるということはお気の毒でありますから私は何も言いませんでしたが、総体的な感じから見て、まことに電化一辺倒という形が現われている。先ほ
ども申し上げましたけれ
ども、選挙なんかにも非常に露骨な、青海電化一本の選挙が行なわれているけれ
ども、警察というものはなかなか手も出せない。選挙の取り締まりもできない、そういう形が現われている。電化さんのおやりになることならば警察も黙って見ておる。そういう形をわれわれは看取せざるを得なかった。それからああいう電化工場、三千四、五百名から四千名近くの
労働者もおいでになっているのですが、その大きな電化工場の煤煙が町をおおい、農産物に対する被害というものも非常に大きい。町民は洗たく物もほしておけない。黒くなってしまう。夏も窓をあけておけない。そういうはなはだしい煤煙が出たり、町がまつ黒くなっているけれ
ども、電化さんのおやりになることに対してはものもしゃべれない。町会でもその不満は取り上げてもらえないし、泣き寝入りする以外にない、こういう形も現われている。電化工場の住宅の前を流れている川は、これは海に注いでおりますけれ
ども、その川に糞尿や汚物がそのまま放出せられて、臭気とその不衛生は常識以上のものがあるけれ
ども、町政の中においてもこれを論議すれば、禁ぜられているわけではありませんけれ
ども、どうも口に出して言うことができない、こういう実情だ。これは直接自治法との関係ではございませんけれ
ども、町の名前を勝手に、今までは固有の北斗通りという名前があったのを、電化さんの名前を永久に伝えるために電化通りという名前に変えられてしまった。商店ができるのを避ける
会社の方針で、物資の配給ルートを通じて商店を圧迫する。料理屋は工場の能率のためや家庭の円満のためによろしくないという理由で、青海の町には一軒も設立を許されない。映画館も電化さんの直営で、他の設立は許されないというふうに、有形無形の町の支配
状況というものは全くおそるべきものがある。こういう形が自治体に現われているわけでございますが、これも自治庁として、法律の建前上違法じゃないからそれはやむを得ないとおっしゃればそれきりでありますが、こういうことを今までお調べになりましたか、お知らせ願いたいと思います。