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辻原委員 育英
資金については、私学も国公立も差がなく
措置がとられておる。その中で、従来受けておった者すべてが貧困家庭の子弟ではありませんけれ
ども、おおむね貧困家庭の子弟に育英
資金というものが向けられておる。ところが、さらにその貧困度合いを
災害のために非常に増した。ところがすでに受けておるということで、受けられない。これは非常に機械的な、取り扱いじゃないか。だから今お話のごとく、その貸付金のワクをふやしていくという
措置がとられるのなら、はなはだけっこうだと思う。しかし、あなたが今言われたように、高等学校の場合に
——大学の場合もそうでありますけれ
ども、
授業料の免除とあわせてその救済
措置がとられるという場合に、また私立がひっかかってくるのです。文部省がやる政策にすべて一貫性があるならば、あなた方がやろうという
一つの救済
措置、
援護措置というものは完全なものになる。ところが、率直に言って、どこかに穴があいておる。そういうことになりますと、あなた方が
授業料の免除ということと、あわせてそれが公平に行なわれるということは、国公立の場合には言えても、私学については言えないということになる。育英
資金においても平等な
措置がとられる。すでに学生、生徒、児童に対する問題である
授業料の免除についてのみは、これは私学に対してはとられない。そのとられない
理由は、私学と国公立は建前が違うからというのは、私はいささか筋が通らぬし、一貫性がないと思う。やるなら育英
資金においても、
授業料免除においても、国公、私立あわせて平等の
措置をとれと私は言っている。ですから文部省は、あるセクションにおいては、
授業料の免除とあわせて育英
資金の効果を期待しておる、こういうふうに
考えておる。ところが、必ずしもそれは、全部が全部そういうことにはなっていない。ここに問題があると思う。こういうふうに、特に苦学をしている学生などがたまたま
私立学校に行っておる、従来育英
資金をもらっておった、ところが今度の
特別措置では、育英
資金は二重になるからというのでくれない。せめて
授業料の免除くらいは期待しておっても、その経営主体である
私立学校は、
災害が非常に大きかったために、なかなかその
措置がとれない。あるいはたまたま
災害と
関係のない
地域の大学に行っておった、わずかの人数だからそれでいいじゃないか、借りるといってもつなぎ
資金だけなんだから、借りれば利子も払わなければいかぬし、期間もせいぜい一カ年だからというので
私立学校はやらない、こういう現状が私は生まれてくると思う。従って、あくまでも育英
資金、
授業料免除、こういうものは国公、私立合わせて、そうしてこれら学生、生徒に対する
援護のものが、一体となって、すべての学生に働くように
措置してこそ、完全な
措置と言える。しかし現状においては、これははなはだしく
——あるいは見方によっては、他の大きい問題に比べると小さい問題かもしれませんけれ
ども、しかし、とりようによっては、根本的な問題だと思う。もう少しこれは文部省等においても総合的に、積極的に、この種の
措置は
考えてもらわなければ困ると思うのです。ただ今度の
災害のときにぽっと出てきた問題なら、私は申しません。そうじゃない、これは毎年やっている問題であります。しかも免除に対する
基準なんというものは、三十三年度に作った
基準でもって国立もやる、公立もやる、今度の場合もそれに準拠してやっておる。おそらく来年もこの
措置が行なわれるでありましょう。しかし国立の場合には、
予算上、約五%のものがそういう
一つの歳入欠陥になるだろうというので毎年次予定している。そういう毎年々々起こる問題であり、特に今度のような
災害の場合には必要な
措置でありながら、それに対する基本的な方針というもの、平等な
措置というものがとられていないところに重大な欠陥があると私は言うのです。もう少しそういう点について、怠慢だとは申しませんが、積極的に
一つやってもらいたい。今までの
授業料免除に対する文部省の、私学に関する限りの
措置については、私の了解するところまでは参りません。しかしこれは幾ら申しましても、やっていない
措置なんだから、これは問題になりません。従って、私の質問は以上にとどめておきます。