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中村(梅)
議員 竹谷さんのお説のように、将来発展して参りまする各種産業を、あるいは山間部に、あるいは内陸地帯にできるだけ適切に分布をはかっていくということは、私
ども同感でございます。しかしながら、目下想定されておりまするところだけでも、十年以内に臨海性を持った
工業用地として六千万坪は必要である、こういうわけでありまして、もちろん、この
立法が行なわれ、
臨海地帯の
開発に努力いたしましても、六千万坪ということはなかなか容易でないことでありまして、私
どもは、かりにその二割として、千二百万坪にいたしましても、今から相当に総合的な
企画を持って進んでいかなければ至難であろうと思うのであります。それともう
一つ切実に
考えますることは、現在は
臨海地帯の
開発というものが、五十町歩未満の
範囲におきましては、
都道府県知事の認可にゆだねられまして、これによって各企業会社等が権利を獲得して進行いたしておるわけでございますが、五十町歩未満という
一つの制限はありましても、やろうといたしまするならば、こまかく切って幾らでもできるわけであります。かように各企業会社が採算主義によって、
埋め立てが数地点において、国内においても行なわれておるわけでありまして、これらの
埋め立ては、たとえば防災の面からいいましても、何メートルの高さでなければいけない、どれだけの護岸をしなければいけないという制限なしに行なわれておりまするから、せっかくそれができましても、一たび何事か起これば、非常な
災害を惹起するというような危険性もございます。また同時に、それらの
埋め立て、
開発等が行なわれましても、それに伴う
工業用水とか、あるいは人口の度合いとか、交通
関係とか、運搬
関係とかいうことが考慮を払われないで進行いたしまするために、将来を
考えますると、非常に憂慮にたえない点があると思うのです。一例を
工業用水について
考えましても、
埋め立てて
開発をされて、そこに工場ができますと、近来の工場は非常に水量を要しまするので、地下水を吸収する。その結果、せっかくできた
土地というものがまた沈下をして、どうしても国家、公共の手によって何とか処置をしてやらなければならぬというような事態も、まことに憂慮されるのであります。その他、ただいま申しましたように、
関連いたしました諸施設というものの
総合性なしに行なわれつつある地帯が、
全国におきましても、
埋め立て採算ということが非常に有利である
地域においては、相当に行なわれております。これを放置しておくということは、非常に将来のために容易でないことであると思いますので、この
基本的な
立法を行ないまして、まず、すみやかにこういうところを
指定地域として、そして
総合性を付加し、今後、国家的な見地に立って、心配のないような
開発が進められるようにいたなさければならない。あわせて、それらの
地域のほかに、今後臨海性を持って発展をして参りまする
工業の立地等につきましては、
全国に適当に分布されることが必要であるしいたしますから、この
基本的な制度を作りまして、
審議会に対して各方面から、あるいは各
都道府県知事等から
要望等を受けて、さらに
検討しながら追加
指定をしていくというようなことが、私
どもとしては非常に焦眉の急務のように
考えるのであります。全体ということももちろん非常に大事でありますが、当面いたしておりますそういうような企業採算主義で、悪く言えば、一面から言えば、利権的に
埋め立て、
開発が行なわれておる
地域が、御承知の通りございますので、これらに対して、相当の
企画性、
総合性を与えていく。また、場合によっては、そういう企業会社の事業実施では適当でない場合においては、特殊
機関を設けまして、採算のとれるところと、とれないところを総合して行ないますとか、あるいは
関連施設についても相当の投資を行なってその充実をはかっていくようにいたしますとかして参ります必要が非常に私はあると思いまして、かような緊急性といいますか、事柄を考慮いたしまして、この
立法を
企画いたしたようなわけでございます。
提案の趣旨のようなこととあわせまして、ただいまの御
質問に的確な
お答えになるかどうかわかりませんが、私
どもの
考え方を実は率直に申し上げたようなわけであります。