○三浦法制局参事 先ほど
野田委員から御
質問がございました点で、二点だけにつきまして、
提案者から
お答えがございましたが、純
法律的な
見地から、
審議の御参考までにちょっとつけ加えて申し上げておきたいと思います。
第一点は、第三条の三項の問題に
関連いたしまして、「都道府県知事の
意見を聞かなければならない。」、こういう点につきまして御
意見がございまして、ごもっともだと思っております。私は、それがいいとか悪いとかいう問題でありませんで、こういうようにいたしました
法律立案過程におきましての
考えをちょっと簡単に、要領だけ申し上げておきます。
この
建設大臣を通じまして
関係都道府県知事の
意見を聞くという問題につきましては、いろいろこの立案過程におきまして
意見がございまして、
関係各省の間におきましても、まあそれぞれの
意見があるわけでございます。しかしながら、いろいろな点を勘案いたしまして、結局、
法律的に
考えますと、現在この
法案で
考えておりまするところの
臨海地域の
開発という問題は、いわゆる国土
計画及び地方
計画の大きい一環の問題である、従いまして、それらの問題として
考えます場合におきましては、それをどこへやったがいいかという問題になりますが、御
承知の
通り、国家行政組織法におきまして、各省権限の分配がきまっておりまして、その
建設省設置法の中におきまして、国土
計画及び地方
計画の
調査、立案、こういう事項につきましては、本来的に
建設省がその権限を持っておる、こういうように規定してございますので、そういう点から
考えれば、
建設大臣を通じて
関係都道府県知事の
意見を聞く、こういうことが適当ではなかろうか、こういうように
考えておるわけでございます。
それからまた、その
立法例といたしましても、御
承知の国土
総合開発法に基づきまして、たとえば、特別
地域の
計画の場合、あるいは都府県
計画の場合におきまして、やはり地方の
意見を聞く場合の窓口といたしましては、
建設大臣を窓口としておる、こういう
立法例でありまして、その場合におきまして、
経済企画庁の長官は、各省のそれぞれの事項につきましての総合
調整をする、こういうような役割というか、
立法例においてもそういう形になっておりますので、そういう点から、こういうふうにいたしたわけでございます。
それから、次に第二点は、第六条の問題に
関連をいたしまして、公有水面
埋め立ての大臣の免許の問題につきまして、運輸大臣または
建設大臣の認可を受けるという問題でございますが、これは御
承知の
通り、元来、公有水面の
埋め立ては、すべて国有水面について免許という問題が起こるわけでございまして、国有水面についての
埋め立ての免許の問題でございますので、本来、これは国の権限として行なう事項であって、直接に
建設大臣あるいは運輸大臣自体が免許の権限を持ち、そうして、それで免許してもいいはずでございますが、
地域的に方々いろいろ公有水面
埋め立ての問題が起こったりいたしますので、それを全部掌握することはどうかということで、現在は、公有水面埋
立法の政令によりまして、特別の事項に限定いたしまして認可を受けさせる、こういうことになっておるわけでございます。従いまして、免許いたします場合におきましても、その権限は、都道府県知事が都道府県の自治体の
機関としてやるのではなくて、国家
機関として免許をやる、こういう建前になっておりますので、そういう点から申しまして、特定の
地域とか何とかに限りまして、全体の
臨海地域の
基本計画という観点から、それの円滑な実施等を考慮いたしまして、都道府県知事が直接免許するのではなくて、監督行政の
立場で認可をしてから免許するようにしなければならない、こういうようにいたしたわけであります。従って、免許の権限を奪ったわけではございませんので、どこまでも免許は都道府県知事が直接にやる、こういうことでございます。
それから、第十一条の
審議会のメンバーの問題に
関連いたしまして、今の問題ともなお
関連いたしますが、都道府県の代表等を入れたらどうかという
お話でございまして、最初の御
意見ごもっともなことでもございますが、私
どもも、との立案過程におきましてそういうことも
考えてみたわけでございます。しかし、この
法案におきましては、大体この
計画等の決定と、あるいは立案決定等に関しまして、大きい国土
計画の一環として、国の
基本的な
経済の
発展とかいうようなことから、国の責任において、あるいは国家的な
見地からやるという建前に立ってこの
法案が
考えられてございますので、そういう点から、各省の所管大臣のトップ・レベルと、それから、それと同数の民間の学識経験者と、こういう両者からなる
審議会において十分に検討した方がいいじゃないか、こういうことから、都道府県のあれを入れなかったわけでございます。なおまた、都道府県の
関係におきましては、先ほど申し上げましたが、
基本計画につきましては都道府県知事の
意見を聞くということになっておりまして、そういう面から、都道府県の
意見はある
意味において反映されるのではないか、こういうことも
考えたわけでございます。
なお、さらにもう一点といたしましては、この
地域が、どこが
指定されるか予定つきませんので、これがある
程度広範にあちこち
指定されることになりますとそのつど、その
関係の都道府県知事を任命しなければならぬことになりまして、たとえば、
東京湾にいたしましても、これは三県くらいに
関係いたすだろうと思いますし、そういうことからいたしまして、
地域ごとに、
指定があったたびに、そのところの
委員を任命するということになりますと、大へんな数にもなるし、
審議会の構成としてどうだろうかという点も
考えられますし、その場合に、臨時
委員としてそういう人を任命するということも一案でございますが、結局、この
審議会は
指定だけでなくて、
指定に伴いまして
計画を決定し、また、その
計画に伴いますところの
事業の推進をやる、こういうことにずっと
関連して参りますので、一度任命しました地方の
関係者を、かりに臨時
委員といたしましても、これがどこで臨時
委員としての職務がもう遂行されたものとして解任されていいかという限界が、なかなか事実問題としてつかないだろうと思いますので、それらの点を勘案いたしまして、こういう構想にいたしたわけであります。従いまして、私は、結果がどうということではございませんで、一応この
法案の構想といたしましては、先ほど御
質問のございました点で、特に
法律上の
関係について一応の
考えを申し述べまして、御参考にいたしたいと存ずる次第であります。