運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1959-12-23 第33回国会 衆議院 建設委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年十二月二十三日(水曜日)     午前十時四十九分開議  出席委員    委員長 羽田武嗣郎君    理事 井原 岸高君 理事 木村 守江君    理事 二階堂 進君 理事 堀川 恭平君    理事 南  好雄君 理事 中島  巖君    理事 山中 吾郎君       逢澤  寛君    川崎五郎君       砂原  格君    徳安 實藏君       橋本 正之君    堀内 一雄君       石川 次夫君    兒玉 末男君       東海林 稔君    三鍋 義三君       塚本 三郎君  出席国務大臣         建 設 大 臣 村上  勇君  出席政府委員         建 設 技 官         (道路局長)  佐藤 寛政君  委員外出席者         運輸事務官         (自動車局参事          官)      坂本 祐一君         運輸事務官         (自動車局自動         車道課長)   安富由理男君         建設事務次官  柴田 達夫君         建 設 技 官         (道路局高速道         路課長)    斎藤 義治君         専  門  員 山口 乾治君     ――――――――――――― 十二月十七日  委員服部安司辞任につき、その補欠として川  島正次郎君が議長指名委員に選任された。 同月二十一日  委員楯次郎辞任につき、その補欠として河  上丈太郎君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 十二月十七日  北海道道神恵内、入航、古平線を二級国道に指  定の請願高田富與紹介)(第二〇四一号)  寝屋川水系改修事業促進に関する請願外十六  件(大矢省三紹介)(第二〇四二号)  同外十六件(西尾末廣君紹介)(第二〇四三  号)  同外六件(中山マサ紹介)(第二〇五九号)  淀川大和改修事業促進に関する請願外三  件(西村榮一紹介)(第二〇六〇号)  同外三件(大倉三郎紹介)(第二〇七四号)  同外三件(小西寅松紹介)(第二〇九五号)  東北高速自動車道早期建設に関する請願(三  浦一雄君外六名紹介)(第二〇六一号)  山田、入来停車場線県道編入に関する請願(  池田清志紹介)(第二〇九四号)  西大阪地盤沈下対策に関する請願外六件(小西  寅松紹介)(第二〇九六号)  一級国道二十八号線改良に関する請願永田亮  一君紹介)(第二〇九七号)  淀川及び木津川堤防改修に関する請願川崎  末五郎紹介)(第二〇九八号) 同月十八日  米子市彦名地区護岸工事促進に関する請願(  足鹿覺紹介)(第二一四二号)  西大阪地盤沈下対策に関する請願外七件(井岡  大治君紹介)(第二一四三号)  淀川大和改修事業促進に関する請願(久  保田鶴松紹介)(第二一四四号)  同(阪上安太郎紹介)(第二一四五号) 同月二十一日  東海道第二国道建設に関する請願外一件(中垣  國男君紹介)(第二三二二号)  同(鈴木正吾紹介)(第二三六二号)  同(江崎真澄紹介)(第二五五二号)  同(勝澤芳雄紹介)(第二五五三号)  同(勝間田清一紹介)(第二五五四号)  淀川大和改修事業促進に関する請願外三  件(高碕達之助紹介)(第二三六三号)  寝屋川水系改修事業促進に関する請願外十六  件(高碕達之助紹介)(第二三六四号)  阿賀野川堤防の一部を県道に指定の請願(高橋  清一郎君紹介)(第二四一七号)  鶴田ダム建設促進に関する請願池田清志君紹  介)(第二四六〇号) 同月二十二日  道路整備促進等に関する請願久野忠治君紹  介)(第二五七八号)  東海道高速自動車道建設促進に関する請願(西  村直己紹介)(第二六〇一号)  建設業法施行令の一部改正に関する請願(中原  健次君紹介)(第二六四七号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 十二月十八日  水戸市、宇都宮市間県道首都圏における重要  幹線道路整備計画加入等に関する請願(久保  三郎紹介)(第二三三号) は去る十一月十日内閣委員会に付託されたが、こ れを変更して本委員会に付託された。 十二月二十二日  高尾野町の防災ため池建設に関する請願池田  清志紹介)(第一五四三号) は農林水産委員会に付託替された。     ――――――――――――― 十二月二十一日  治水事業促進に関する陳情書  (第八八六号)  災害予防のため私有地の形状変更制限措置に関  する陳情書(第  八九六号)  災害復旧対策に関する陳情書  (第九〇二号)  中小河川早期完全改修等に関する陳情書  (第九五〇号)  同(第九  五一号)  道路整備促進等に関する陳情書  (第九五四号)  同(第九  五五号)  中央自動車道東京小牧間建設促進に関する陳  情書(第九五六  号)  同(第九五  七号)  道路整備五箇年計画に基く土地区画整理事業促  進に関する陳情書(第九  五八号)  宅地造成促進に関する陳情書  (第九五九号)  治水事業特別会計創設等に関する陳情書  (第九九八号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  道路に関する件      ――――◇―――――
  2. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 これより会議を開きます。  道路河川及び住宅に関する件につきまして調査を進めます。質疑の通告がありますからこれを許します。中島巖君。
  3. 中島巖

    中島(巖)委員 中央道のことについて、ちょうど幸い大臣も本日御出席になりましたので、十分お聞きいたしましたり、今後の御方針もお伺いいたしたいと思うのでありますが、実は最近朝日その他の一流新聞で、建設省小牧—東京間の中央自動車道調査結果の発表がたびたび載せられておるわけであります。ところが、去る十六日だと思いましたけれども、十八日の日に——ちょうど事務次官も御出席願いましたので、お忙しいと思いますので、この問題を先に取り上げまして、事務次官に帰っていただきたいと思うのでありますが、十八日に、建設事務次官名によって、審議委員に対しまして、説明会をするからというので、招集通知状があったのでありますが、これは、この会議の目的並びにどんな人に通知状を出したのか、この件について事務次官にお伺いいたしたいと思います。
  4. 柴田達夫

    柴田説明員 ただいま中島先生から、十二月十八日に御案内を申し上げました会につきましてのお尋ねがございました。お答えを申し上げます。十二月十八日には、縦貫道審議会としてではなくて、かねて東京—小牧間のいわゆる中央自動車道調査をいたして参りました結果が、大体におきまして取りまとまりましたので、少しでも早く縦貫道審議会委員方々にも御説明を申し上げたいという趣旨で、審議会の正式の開催ということではなくして、説明会ということで、御案内事務次官名をもちまして申し上げた次第でございます。なお縦貫道調査の結果を十八日の閣議報告をする、従いまして、十七日には次官会議にも報告が出ておりますので、一日も早く非公式にも御説明を申し上げておく必要がある、かように考えまして御案内を申し上げたような次第でございます。
  5. 中島巖

    中島(巖)委員 それにもう一つ、いかなる委員通知状を出したのか、全部に通知状を出したのか、その点を……。
  6. 柴田達夫

    柴田説明員 審議会委員方々のうち、当日閣議にも報告をいたしておりますので、閣僚である委員の方を除きまして、それ以外の委員方々に御案内を申し上げた次第でございます。
  7. 中島巖

    中島(巖)委員 そこで、もう一つ重ねてお尋ねするが、事務次官中央道——略して申しますが、中央道審議会幹事になっているわけです。幹事各省次官並びに建設省道路局長、運輸省の自動車局長と十三名が幹事になっておるわけです。従って、この審議会性質からいけば、事務次官は、この十三人のうちの一人の幹事であるわけです。その事務次官が、どういう権限で、どういうわけでこういう招集通知状を出したのか。それから、さらにこの招集通知状を出す二日ばかり前に私のところへ持ってきました資料は、国土開発縦貫自動車道建設審議会中島委員殿、こういう資料を持ってきまして、この会合には、この資料を持って出るようにという話であった。だから、僕は当然正式の建設審議会であると了解いたしておって、通知状を見ると、建設事務次官名になって、衆議院議員中島巖殿、こういう通知状なんです。まあ首尾一貫しないといいますか、通知状に載ってきたものと内容が違っておる。ただいま申し上げましたように、幹事は十三人ある、その中で建設事務次官だけで説明をする、こういうことは、どういう意図でもって説明されたか、その点を重ねてお尋ねいたしたいと思います。
  8. 柴田達夫

    柴田説明員 お答え申し上げます。審議会としてはこれは会長が正式には招集するものでございます。審議会の方は、その他の案件等がございまして、年末多忙の際、一月にあらためて開く方がいいということで、審議会としては開かずに、御説明を申し上げる会として御案内したことは、先ほどお答え申し上げました通りでございます。  それから、建設事務次官幹事であることは、お話通りでございます。そのほか、各省多数の幹事がおることも、お話通りでございます。この審議会庶務は、建設省道路局でやるということになっておりまして、会長総理大臣でございます。民間の方が会長になっておられるわけでもございませんので、御説明を申し上げたいということを行ないます場合にどうすればいいか、やはり庶務を担当しておりますのは建設省道路局でございますけれども道路局を所管しております事務当局といたしまして、事務的なことで説明会でございますので、大臣名っをもちませんで、通常の御案内等の方式によりまして、大へん僣越ではありますけれども事務次官の名前をもちまして御案内を申し上げた。審議会招集をいたしたわけではございません。それから、その日に閣議に出ますので、前日に次官会議にかかりますと、次官会議事項発表いたしましたりいたしますような関係がございますので、前日にあらかじめ、翌日説明会に御案内をいたした方々に、資料を持参していただくよう、お渡し申し上げておくようにということに手配いたしました。また翌日の説明会にも、前の日から資料をごらんいただくひまがないかもしれませんが、ごらんをいただいておけば、一そう説明が行き届くと思いまして、資料をお届け申し上げたような次第でございます。資料をお届けいたします際に、あるいは委員殿と書きましたり、あるいは御案内状の方に、衆議院議員どなた様というふうに書きましたかもしれませんが、いずれにいたしましても、これは非公式の説明会のつもりでございますので、いろいろ一貫しない、行き届かない点はあったかもしれませんが、全くさようなつもりで、ただいま申し上げましたような趣旨で御案内を申し上げた次第でございます。
  9. 中島巖

    中島(巖)委員 これは、私が申し上げるまでもなく御承知だと思いますが、この国土開発縦貫自動車道建設審議会には、内部に路線部会資金部会と二つあるのです。そうしてその路線部会は、すでに三回か四回委員会を開いておるわけです。ここに第一回の路線部会議事録がありますけれども、長くなるから、最後だけちょっと読みますと、この会合あとに、「ついで、岸委員から」この岸委員というのは、公団総裁岸道三君ですが、「岸委員から「会議は公開かどうか。」との発言があり、富樫幹事から、これは前の道路局長でありますが、「「議事は非公開にしたい。」旨説明し、続いて、村上委員から「発表建設大臣が行い、ほかの方は決定されるまでは沈黙を守るように決定されたい。」旨の発言があり、南条会長代理からは「本審議会は私が発言して、部会の場合は、道路局長発表してはどうか。」との発言があり、次に金子部会長から「路線部会発表道路局長が行う。」ことを諮り、全会一致の賛成を得て閉会した。」こういうふうに、はっきりと議事録にもありますように、これは秘密会議性質のものであって、秘密会にするということを提案したのは、前の道路局長、現在の富樫技監なんです。こういうふうにはっきりとなっておる。そうして審議会機構のことについて今お尋ねすると、先に説明した方がいいから説明したというような話でありますけれども、これは当然縦貫道審議会路線部会があるのだから、路線部会へ諮って、しかる後発表すべきものだ、こういうように私は考えわけでありますが、ちょうど会長代理である建設大臣もお見えでありますから、建設大臣の御所見を承りたいと思います。
  10. 村上勇

    村上国務大臣 中央道予定路線を定める法律案通常国会に提出するようにいたしておりますが、いずれ法案内容となる予定路線審議会にお諮りする際に、調査の結果につきまして説明する考えであります。しかしながら、この調査の結果につきましては、各方面から早急な発表を要望されておった次第でありまして、この道路の実態を技術的に調査した結果を予定路線法律案の提出と別個に公表いたしましても、私どもとしては、別段不当であるとは考えていなかったのであります。
  11. 中島巖

    中島(巖)委員 大臣の御意見はますます私の立場からすればけしからぬ。なぜなら、建設審議会にただいま申しましたような道路部会資金部会とあるのだから、当然建設審議会道路部会を開いて、そうして、それに対して発表して、しかる後に各方面発表することは一向差しつかえないと思う。それを、道路部会も開かずにおいて新聞発表したり、そうして十二人のうちの一幹事である——それは建設事務次官という立場はあるでしょうが、国土開発縦貫自動車道建設法において定められたるところの審議会があって、その審議会におのおのの機構があるとすれば、結局この問題は国土開発縦貫自動車道建設審議会の中の権限に属するものである。その権限というものは機構の上からいっても、総理大臣会長であって、建設大臣運輸大臣が副会長だ。その下に委員があって、その下の事務当局として幹事があるのです。その十三人の機構の中の幹事の一人が建設事務次官だ。従って、建設省所管事項ではあるけれども、これは審議会所管事項だ。従って、その中の一幹事が勝手に通知状を出して、審議委員招集してこれを説明するとか、あるいは新聞発表するということは僕は許されぬことだと思う。かつての路線部会議事録を読んでいただけばわかるけれども建設省自体秘密会にしてくれと頼んでおるじゃないか。その意を体して、僕らは反対したのだけれども秘密会にしてしまった。そうしておいて、新聞発表を勝手にやったり、路線部会を開かずにおいて、直ちに一幹事である建設省事務次官が、正式な委員会であるかないかわけのわからぬようなものを招集する、実際これはもってのほかだと思うのです。そこで、さらに重ねて、今大臣から御所信の発表があったのですが、見解の相違でありますから、納得はできませんけれども、これ以上私も追及はいたしません。十二月十八日の報告会の前の十二月八日に、朝日新聞に大きな記事が出ておる。この記事はどこから出たかということは、おそらくあなたたちならおわかりだと思う。それについて、これは道路局長でもよろしいが、お答え願いたい。
  12. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 私どもといたしましては、この中央自動車道調査の結果が発表前に漏れることに対しましては、非常に注意いたしておりまして、諸般の取り扱いには十分慎重を期して参った次第でございます。ところがただいまお話しのように、十二月八日の朝日新聞にその一部が漏れてしまいました。実は私は、それを見て非常に驚いたような次第でございまして、十分注意しておったにもかかわらず、そういうことがどういうふうにしてこの新聞記事に漏れたか、その後調査をしているのでございます。私どもとしては、慎重に漏洩を防止いたしておったような次第でございまして、どういう経過を経て漏れたかということは、まだただいまわかるに至っておりませんが、これについては調査をいたしております。
  13. 中島巖

    中島(巖)委員 そればかりではなくして、十二月十八日には、この説明会のある日の朝すでに一斉に各新聞に出ておった。あとで聞いてみると、十二月十七日に、各新聞社に対して、建設省では資料を全部配付したということを聞いておるんだが、そういう事実がありますかどうか、それをお伺いしたい。
  14. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 この点につきましては、調査結果がようやくまとまりましたので、できるだけすみやかに必要方面発表し御説明を申し上げたいと考えておった次第でございます。そこで、御承知のように正式な審議会ではございませんが、審議会委員先生方に御説明を申し上げるために、十八口に説明会を開かしていただくように御案内申し上げた次第でございます。そういうふうにいたしまして、先ほどもお話がございましたように、その前日に、この報告書の書類を各委員一の方々にお配りいたした次第でございます。ところが、その間に同時に次官会議に御説明申し上げ、また翌日は、閣議に御説明いたすという手配にいたしておった次第であります。ところで、そういうふうにいろいろ資料必要部分にお送りいたしております間に、非常に注意いたしておったのでありますが、これがやはり漏洩するに至りまして、実はあるところから私のところへ、こういうものが出ておるが、一体どうかというふうな話が参ったような次第であります。そこで、私どもといたしましては、いろいろな誤解を各方面に与えることは不適当であると考えまして、十七日の午後に新聞発表いたした次第でございます。
  15. 中島巖

    中島(巖)委員 私は、国会が始まっておるし、来年度の予算編成期にもなっておるし、大臣総理大臣は非常に忙しいから、正式の審議会はなかなか困難だろうと思うのです。ところがこの審議会は、たしか二月十六日に開いたまま開かれておらぬ。そして、その下にあるところの路線部会は、金子源一郎君が会長であって、金子君の御都合でもっていつでも路線部会は開かれる。だから、この路線部会に諮っておいて、新聞発表するとかその他の処置をとるなら、僕はそれでよろしいと思う。ところが路線部会も開かずに、何ら諮らずにおいて新聞発表したり、一幹事であるところの建設事務次官が、審議会か何かわけのわからぬようなものを招集したり、そういう審議会をほとんど無視したような行動をしておる。どういう意図があって建設省はそういう行動をするのか、全く私にはわからぬ。これは、この法案が作られたときにも、建設省は、東海道案があって、中央道に反対だということがしばしばいわれて非常に難航したものだ。それで、建設省中央道のこの調査をするについては、おそらくとんでもない調査結果が出て、中央道はつぶすであろうということを異口同音に言っておったものだ。これは、先月十一月に、三県の中央道推進大会共済会館において千数百名集まってやったのですが、そのときに山梨県の一部の人が、前の道路局長をしておった現在の富樫技監佐藤道路局長のおる限りは、この中央道はできぬのだ、だから、この両君の罷免要求決議案を上程して総理大臣に迫ろうじゃないかという声さえあったのです。そういうことをしてはいけないということで、僕らはそれをとめる役になってやったのですが、そういうような事情もある。大体建設省が反対しておるということは、異口同音に言っておった。従って、こういうものは慎重にやることは当然なんで、道路部会を開いて、それへかけてから、そのあとこういう発表をすればいいじゃないですか。やり方がどうかと思うのですよ。それから、これは一月四日の産経新聞ですが、岸道路公団総裁の談として、「東海道は明年着工」とありまして、その中にこういうことを言っておるのです。「神戸—名古屋間は順調にいっているので、三十七年度中には完成する予定である。また東京—名古屋間の方は、いま三本の路線が研究されている。一つ中央道と称するもので、国土開発縦貫自動車道法案で決められた路線東京から富士五湖を通って赤石山系南アルプスから中津川に出て小牧に行く。もう一つ建設省案東海道のちょっと山の方を通るもの。それともう一本は、松永安左エ門さんが提唱されている東京からなるべく海岸沿いに行く路線、この三つの案がある。三十三年度は建設省中央道調査を行い、三十四年度には東海道海岸道についてある程度調査をやることになっている。そして二十五年くらいには、一番経済的な路線はどれであるかを決定し工事にかかる。」上こういうふうに、つまり建設省東海道案の山の手を持っておる、国土開発縦貫自動車道法でいうと中央道を持っておる、それから松永安左エ門さんの海岸線三つある、この三線を研究して経済的なものをとって着工する、こういうことを言っておるのです。そこで、大臣にお尋ねするのは、国土開発縦貫自動車道法法律できまっているのでしょう。従って、この三つ調査して経済的のものから着工するというような道路公団岸総裁言たるや、ただいま私が質問した経緯から見て、実にこれはこの国会でこしらえた法律審議会というものを建設省並びに道路公団がほとんど無視しておる、こうとしか思えぬのです。そこで、この岸道路公団総裁談話なるものは、建設大臣、あなたは公団監督者でございましょう、従って、これに対してどういう御意見だか承りたい。
  16. 村上勇

    村上国務大臣 ただいまの岸道路公団総裁の本年一月かの談話につきましては、その岸総裁気持は私にはわかりませんが、ともかくも私としては、個人的な意見になりますが、しかし、私も数年前から、どうしても中央自動車道路というものはほんとうに必要なものだという気持に立っておりますし、今日でもそういう考えでおります。ただ東海道輸送関係の非常に輻湊しておるところから見ますと、これをどういうふうに緩和していくかということについては、また別途な考えも研究して、それぞれの立場から意見があろうと思います。私ども立場からはもちろんこの中央自動車道路というものは、法律によってきめられておるのですから、あらゆる審議会等の段階を踏んで、そしてこの法律の意思を十分生かしていくようになることを私も希望いたしております。ただ今日、この中央自動車道というものが、建設省調査したところによると、相当な、多額な費用を要する。しかし、多額な費用を費するから捨てておくというものじゃないのですが、かりに、昭和四十年なら四十年に、東海道輸送状態がもう非常に輻湊してくるというようなことから考えれば、それをほっておくわけにはいかぬというようなことで、あらゆる角度から検討していかなければならぬことは当然であります。今、松永案とか何案とか、三つも四つもあるそうですが、しかし、そういうようなこともあっても差しつかえないと思います。しかしながら、これらの案は、まだ法律によって何ら一つの約束ができているものでないのですが、ただ必要に応じては、あるいはバイパスにするか、あるいは何にするかということも放置しておくわけにいかないことであります。しかし、中央道に関しては、法律によってきめられておるのでありますから、どういうような結果になろうとも、一応審議会等の議を経て、国の財政の許す範囲において、私はその命ぜられたことについては積極的に私どもが推進していかなければならないということだけは十分考えておる次第であります。
  17. 中島巖

    中島(巖)委員 建設事務次官、帰られてよろしい。今、大臣の答弁を聞いておりますと、どこが重要だとか、あるいは東海道がどうとかいうような、私はそういうことを質問したのじゃない。国の外郭団体である道路公団総裁が、この三つの線を調査して、一番経済的の路線を決定して工事に着手するというような、こういう談話発表するということに対して、監督者立場にあるところの建設大臣として、この公団総裁の言に対して、どういうお考えがあるかという点をお伺いしたのです。
  18. 村上勇

    村上国務大臣 道路公団総裁が、経済的な線から着工するというようなことを言うのは言い過ぎではないか。どこを着工するとか、あるいはどの線を選ぶかということは、建設省当局として十分検討した上できめるべきことでありまして、とにかく、公団総裁のそういう談話によって、それに従って私どもは左右されるものでない、これははっきり申し上げていいと思います。
  19. 中島巖

    中島(巖)委員 私もその通りだと思うのです。だから、あなたたち——大臣に言っても無理でしょうが、事務当局なんかにそういう考えがあるから、公然とこういうばかなことを発言するのであって、監督者立場にある大臣は、岸総裁に対して一応の警告をしてもらわなければならぬと思う。(「新聞の報道だけじゃわからないよ」と呼ぶ者あり)もし、君たちがそう言うなら、総裁をすぐ要求して呼んでくれたまえ。それから次に、東京—小牧間の調査年次表が建設省から前に発表されてあったわけです。これは建設省道路局昭和三十二年五月七日に出したものでありますが、昭和三十二年度に計画調査として四千三百万円計上しました。三十三年度には計画調査で一億五十五万に一億二百三十六万ですか、実地調査、そして三十四年度に五千百十八万計上いたしまして、合計で一億四千五百五十九万という数字になって、三十四年度で計画調査まで完了、こういう数字をあなたの方で発表しておるわけです。おそらくあなたの方は、たしか一億六千万くらい費用を使ったと思いますけれども、運輸省と共同調査になっておりますから、両方の合計で一億四千五百五十九万という数字になるのじゃないか、こういうように考えるのだが、この大体の内容について、そこに数字のおっ持ち合わせがなければお考えだけでもいいから、道路局長にお聞きしたい。
  20. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 建設省におきまして調査いたしました調査費の規模並びに内容は、昭和三十二年度には四千二百万円でございます。これで八王子—小牧間の沿道地域のまず空中写真測量による五千分の一の地形図を作った次第でございます。御承知のように、この区間は、従来精密な図面がございませんでしたので、まず第一に、五千分の一の地形図を作りまして、計画調査を三十二年度に開始いたしました。次には三十二年度でございますが、三十三年度におきましては五千万円をいただきまして、八王子—新宿間及び比較線の沿道地域の空中写真測量をいたしまして、やはりその区間の五千分の一の地形図を作成いたしました。同時に全線につきまして、計画線の選定とか、それから概算建設費の積算を行なったわけでございます。一方それと並行いたしまして、地質調査、気象調査、交通量調査及び交通輸送の需要調査を行なった次第でございます。それから昭和三十四年度、本年度におきましては、七千三十万円の調査費をいただきまして、前年度各種調査を継続いたしますと同時に、長大トンネル及び長大橋梁の一部につきまして概略設計をやって、概算建設費の積算をいたした次第でございます。それからまたこの比較線のうち、大きな比較線といたしまして、東京—富士吉田間に道志川を通るという路線がございますが、この路線につきまして、空中写真測量による地図を作成いたしますと同時に、計画線の選定とか建設費の概算等を行なったわけでございます。従いましてこの三十二、三十三、三十四年の三カ年におきまして、建設省といたしましては一億六千三百三十万円の調査費をもって一応の基礎調査を完了いたした、こういう次第でございます。
  21. 中島巖

    中島(巖)委員 運輸省の方も見えておるようでありますが、運輸省の調査費、それからどういう調査をしたか、概要の説明をお願いしたいと思います。
  22. 安富由理男

    ○安富説明員 運輸省におきましては、三十二年度から経済調査をやって参りました。三十二年度におきましては、約五百万円の予算でございます。三十三年度におきましては約四百七十五万円、三十四年度におきましては二百二十一万円、合計約千二百万円でございます。
  23. 中島巖

    中島(巖)委員 重ねてお伺いしますが、運輸省は、その調査結果の発表というようなことをしておりますか。
  24. 安富由理男

    ○安富説明員 私の方は、目下最終的な計数の整理をやっておりまして、運輸省といたしましての最終的な案はまだ出ておりません。近く運輸省としての案がきまると思います。それから発表の問題でございますが、これにつきましては、まだ上司にはかっておりませんので、私といたしましては、今のところ何ともお答え申し上げられません。
  25. 中島巖

    中島(巖)委員 この縦貫道法案には、建設省ということをいっていないで、政府はということをいっておる。この政府ということは、建設省並びに運輸省はというように僕らは読みかえをしておるわけなんです。そこで、ただいま運輸省は、調査をして資料は持っておるけれども、まだ上司の裁可も経ておらないので発表はできない、こういうお答えです。ところが、この国土開発縦貫自動車道、つまり中央道は、建設省一本のものでなくて、運輸省と建設省との調査が相待って行なわるべきものである。従って、調査結果が出たから新聞発表したというように道路局長は言っておりますが、建設省と運輸省とは打ち合わせをしたのかどうか。今の運輸省からの話を聞けば、何ら打ち合わせをしておらないように思えるのであるけれども、運輸省の調査などはどうでもよくて、建設省調査単独で独走して発表するのか、この点をはっきりしていただきたい。
  26. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 建設省調査結果を発表いたしますにつきましては、関係方面にはいろいろ御連絡をいたしまして、ただ、できるならば、関係方面調査を全体的に取りまとめましたのを待って一ぺんに発表することが望ましいのでございますが、私どもの方は、気象関係、地質関係、それから建設関係、これらは運輸省ともいろいろ御連絡はいたしますが、建設省関係が主として調査取りまとめに当たったわけであります。それから経済開発関係は、これは各省いろいろつながり関係がございまして、実は発表の際にもお断わり申しましたように、この関係はなお各省とも御連絡して、今後適当な機会に御説明することにいたしたいということで、今回発表いたしたものからは除外してございます。こういうふうなわけでございまして、この中央道の問題は、いろいろ各方面に誤解を与えて、先ほども御質問がございましたように、十二月初めにはもうすでに一部の新聞には漏れておるというようなことで、非常に誤解を与えるに至りましたので、審議会委員方々に御説明をいたすと同時に、誤解のないところを発表することにいたそうと考えまして実施いたした次第であります。
  27. 中島巖

    中島(巖)委員 そこで、先ほども申しましたように、道路総裁の言といい、それからこの法案成立の経過といい、非常に建設省は反対しておるのだ、東海道がやりたくて東海道案を持っておる、こういうような誤解があるわけです。従って、こういうことは慎重にやらなければいけないと思う。運輸省のただいまの答弁にありましたこの予算も、国土開発縦貫自動車道の中央道調査のために予算項目に盛られてある予算でしょう。あなたの方もそうでしょう。そうして、この法律建設省じゃなくて、政府はということになっておるでしょう。従って、運輸省と建設省とちゃんと打ち合わせをして、調査結果というものをこしらえて、そうして縦貫道審議会道路部会にかけて、その後に発表しさえすれば、何もいろいろ問題が起きぬのじゃないですか。道路局長は、誤解があるといけないから、そう言っておって、誤解のあるようなことばかり自分でやっておるじゃないか。だれでも、建設省は反対しておるから、膨大な工事予算ということでもって巻き返して、この中央道をつぶして、宿願の東海道へ持っていく意図があるのだ、こういうようにだれもが考えておるさ中に、こういうような不始末をするから、ますますそういうように考えられるわけです。これだけ問題がこじれて、各方面で局長の罷免要求決議案まで出そうというような声が盛り上がってきておるこの際ですから、できることなら、これは、運輸省にも国鉄という相当の技術陣があるのであるから、これに対しましても実地調査をさしてみたらどうか、こういうように考えわけです。まあこれは、質問しても、おそらく大臣はよろしいとは言わないでしょうけれども、そういうようなことも御考慮に入れておいていただきたいと思います。以上申し上げまして、この審議会並びに最近の説明会なんかについての関係は打ち切ることにいたしまして、次に小牧—神戸間の件についてお伺いいたします。その前に、基本的の問題として道路整備五カ年計画によりまして、一兆億予算の中で有料道路予算二一千億、こう決定したわけです。その中に高速自動車国道五カ年計画事業の内容というものが、あなたの方から発表になっているわけです。これによりますと、小牧—西宮間が八百九十億二千七百万円、東京—小牧間が百二億四千万円となって、九百九十六億七千七百万円計上されておるわけです。道路整備五カ年計正面もすでに二カ年過ぎて、あと三カ年であります。おそらくこれは、年次計画があるだろうと思う。この五カ年間の年次計画内容の御発表を願いたい。
  28. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 ただいま日本道路公団におきまして建設推進にあたっております名神高速道路の建設でございますが、これは御指摘のようにただいま実施しております道路整備五カ年計画、この五カ年計画におきまして小牧—西宮間を完成させる予定でおります。すなわち昭和二十七年度にこの—部分の供用開始をはかるつもりで、ただいま工事を進めておるわけであります。予算の年次計画につきましては、そうした全線の工事を三十七年に完成させるということを目標にして工程を考えて、年々計上いたしておるのでございますが、従来までのところは、御承知のように、予定に比較いたしまして実際の進捗が相当おくれておるわけでございます。ことしの様子を申し上げますと、三十四年度予算として名神高速道路には百億ということになっておりまして、前年度の繰り越し約八十三億を含めまして合計百八十三億の事業を実施する予定でおるわけでございます。年度当初以来事業の進捗に大いに努力いたしておるのでございますが、用地補償等でなかなかむずかしい問題がございまして、ただいまのところでは、なかなか思うように進捗いたしませんで、ただいま本年度事業の予定を推測いたしますと、約七十億程度ではないかと思われるわけでございます。そういたしますと、百十億ほどの事業がいわば繰り越しになるということでございまして、私どもといたしましては、なるほど本年度は、そういうふうに予定に対して事業の量が残ることになりますが、ただいまの見通しでは用地等の問題も、過去二年間の努力によりまして大いに進捗して参りました。従いまして、来年度におきましては、建設事業が相当進められるものと思っております。従いまして、来年度に対しましては、やはり予定の線、つまり昭和三十七年度に小牧—西宮間の供用開始をはかるという予定の線に従いまして、必要な工程を実施するに必要な予算を要求いたしたい、こういうように考えておる次第であります。なお、ただいま私が、今年度の予定に対して繰り越しが多いというふうに申し上げましたが、これは、仕事の予定に対してはそうでございますが、一方経費の準備の方から申しますと、つまり収入の面から申しますと、財源として予定しておりました世銀からの借り入れ、これは八十九億と予定しておりましたが、こういうものが、ただいまのところ本年度の見通しといたしまして相当不明確な状態になっております。そのほかガソリン税の収入の予定が、当初より変わっておるというような関係もございまして、大体やはり百十億見当のものは、その収入財源の方からも調達が困難な事情にございまして、実際問題といたしましては、金を余して仕事を残しておる、こういう状態になることはなかろう、こういう見通しでおるわけであります。しかしながら、ただいまの見通しはそうでございますが、なお今後第四・四半期におきまして、できるだけ事業を促進させて、少しでも実績を上げるよう努力いたしたいと思っております。
  29. 中島巖

    中島(巖)委員 いろいろ局長から御説明がありましたが、私の質問いたしましたのは、そういうことでなくして、五カ年間に九百九十六億七千七百万円という道路整備五カ年計画国道事業があるのだから、これの年次計画ができておるのかできておらぬのか、年次計画があったら発表してもらいたい、これだけでいいのです。
  30. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 この九百九十六億につきましては、一応の年次計画は持っておりますが、これは、ただいま申しましたように、事業の進捗と財源調達の工合によりまして、必ずしもその通りいくというものじゃございませんが、しかし見通しとしては、そういうものを持っております。ただいまその数字は持ち合わせございませんが、後ほどごらんに入れるようにいたします。
  31. 中島巖

    中島(巖)委員 これは建設省道路局の三十二年五月七日発表の名古屋、神戸高速自動車国道計画概要書というものの四項にこう書いてある、この計画昭和三十二年度に着工し、昭和三十五年度に完成する。年度としては三十二年に三十四億、昭和三十三年に二百二十四億、昭和三十四年に二百九十億、昭和三十五年に百五十億、合計六百九十八億、こういうものが出ておるわけであります。しかし、これはその後国会の質問等において、まるきり今までの、昭和三十四年度までの数字が違ってきておるから、その計画はずれたと思っておる。従って、その計画の変更したのはいつ計画変更をしたのか、計画変更をしたときのおそらく年次計画というものは、今局長から説明のようで、変更する必要はあるだろうけれども、年次計画がないという理屈はないと思う。その年次計画をお見せ願いたいと、こういうように私要求いたしたわけであります。それで、ただいまの局長のお話では相当額、八十三億二千四百万円程度昨年度の繰り越しがあったわけですね。それで、本年度の予算が百億で、合計百八十三億二千四百六十三万六千円というものが本年度の実行予算になっておるわけです。これは、たしか昭和三十二年度だと思いましたが、この国土開発縦貫自動車道法が成立するときに、五月になりましてから、例の京都のバイパスの三十四億があって、どうしてもこれを使わなければならぬから、法律をすぐ実行できるように訂正してくれということで、私ども訂正したわけです。そうしますと、その予算がわずか二億幾ら、三億くらいで、一割しか使わなかった、次の年も百億繰り越した、両方で百億近いものが二十何億しか使えなかった。そうしてさらに本年度は、今局長の説明によると、百八十何億のうちで百十億も残る、こういう御説明なんです。これ、今まで幾らも金を使っておらぬ。そこで、お尋ねするのは、今まで三カ年間にどの程度の工事費が支出されておるか、この点を高速道路課長が見えておるようですが、高速道路課長でもよろしいです。
  32. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 ただいま御要求がございましたのは、名神高速の今までの事業に使った経費とか進捗状況ということかと思いますが、これは、ただいま手持ちの資料がございませんので、間違えるといけませんから、後ほど調べましてごらんに入れるようにいたしたいと思います。
  33. 中島巖

    中島(巖)委員 これは、三十三年度から五カ年計画で、昭和三十二年度に若干手をつけております。そのうちで、ただいま申し上げましたように、八百九十四億というのはこの名神国道の予算なんです。ところが、すでに半分の三カ年過ぎておるのに、おそらく百億程度しか僕は使っておらぬと思う。そうすると、あと八百億というような金が、あと二カ年しかないのだが、これが使えるか使えぬか。いつも、用地の買収がだいぶ進捗したから、ことしはそんな金は余さぬ、そういう説明をしておって、いつも二割か三割しか使わず、あとの金を残しておるというのが現在の状況なんです。自信をもってこの期間内にできるのであるか、これだけの予算を使ってしまえるのであるか、その点を一つ伺いたい。
  34. 村上勇

    村上国務大臣 私からお答えいたします。大体今までの金の使い方からすれば、今の残りの年数では、なかなか困難なような計算になりますが、私の調べておる範囲からお答えいたしますと、この春から非常に積極的に仕事をやり、また用地の問題も着々片づきつつありますので、今度は借入金等も来春までには決定するようですし、積極的に仕事をやりますので、私ども考えでは、今の残りの金だけでは、とてもまだ金が足りないのではないかというほど仕事が積極的に行なわれるということを私はつかんで参っておりますので、あとの残りの金を使えるかどうかという点については、決して御心配ないと思います。
  35. 中島巖

    中島(巖)委員 大臣は人がいいから、僕も追い詰める気にもなりませんけれども、この前も大臣は、大丈夫使えるということをこの席で答弁された。そうしたら今道路局長説明通り、百八十億のうち七十億しか使えなくて、百十億は繰り越しになっている。しかし、財源がこうだから、すべてはこれからだと言っておりますけれども大臣にこの前質問して、大丈夫使えるといったのが、こういう状況なんです。それじゃ具体的に質問いたしますが、この尼ケ崎—栗東間の用地買収は、七、八月で大体終わるということを僕に答弁しておるのです。それで、この年次表でいきますと、尼ケ崎—栗東間の用地は、昭和三十五年三月末で全部完了ということになっておる。従って尼ケ崎—栗東間の用地は、これは七十一キロ六メートルあるわけですが、このうち何キロメートル用地買収が現在決定しておるか、その点、一つお伺いしたい。
  36. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 ごく最近の資料は、公団からまだ聞いてはおりませんが、かねがね聞いておるところによりますと、やはり今年度末にはほとんど用地問題は完成すると見てよかろうかと思っております。それから今のところの進捗率は、大体七割程度に進んでおるというような様子かと存じます。
  37. 中島巖

    中島(巖)委員 それから西宮—尼ケ崎間、これはわずか六キロ三分三厘ですが、これも大体三十五年度に用地買収が終わる予定になっておる。これは、僕も現地を視察いたしましたけれども、人家のある非常に困難なところだと思う。この用地の買収は、どの程度進んでおるか。
  38. 佐藤寛政

    佐藤(寛)政府委員 ただいま御指摘がございましたが、この尼ケ崎—西宮地区は、御指摘のように非常に人家も稠密しておりますし、むずかしいところでございます。     〔委員長退席、堀川委員長代理着席〕 従来この部分の用地折衝が非常に難航をきわめておった次第でございますが、最近の情勢では、かなり話が進んで参りまして、私どもといたしましては、やはり年度末ごろまでにはまとまるものと見ておる次第でございます。
  39. 中島巖

    中島(巖)委員 いつも見込み見込みで、非常に工事が残ってしまっておるわけであります。これは、私は去年もことしも相当突っ込んでお伺いいたしておるのですが、常に、今はだめだけれども、これからは大丈夫の見込みだというお話で、残るところの予算の方が非常に大きい。本年度もこういう実情になっておるわけであります。そこで、最初この用地の買収費は、大体六十何億という予算だったわけなんです。それで、大体予定通りの予算でこの用地買収ができるのか、どういうお考えか、その点をお伺いしたい。
  40. 村上勇

    村上国務大臣 当初は九十億くらいの予定をしておったそうですが、どうもやはり売手と買手で、うまくいかないで、結局最後は金の問題になってきますので、百四、五十億くらいはかかるのじゃないかということであります。それから、ただいま中島さんから非常に仕事がおくれている。なるほどおくれておりますが、一つの事業というものは、五年なら五年の計画を立てて、その準備をする間は、年次に割り当てた金もなかなか使えない。これはどの事業をやっても困難ですが、一度準備ができましたら、ほんとうにもう二年あれば、あんな程度の仕事でしたら、必ず全部でき上がるというくらいに私どもは見ておりますが、仕事に全面的にかかりますと、非常に見違えるほど、びっくりするほど進んで参りますので、どの事業でも、かりに一年間の予定の事業でも、ほとんど三カ月も四カ月も準備をしておりますが、さてもう軌道に乗れば、これは必ずできる、ただ金にさえ制約されぬ限りは、これは必ずできます。でありますから、私は今までの状態から判断していくと、非常に不安に思われるのも当然だと思いますし、私自身もそう思いますが、もう用地問題等も片づき、全面的に着工すれば、これはもう相当見違えるような進捗ぶりを発揮するであろう、こう思っております。
  41. 中島巖

    中島(巖)委員 ただいま大臣は、準備の期間が大事で、準備さえできれば、あと仕事が非常にできるものだ。まあ大臣は、そういうような事業家ですから、事業家の感覚でそういうことを言われたのだろうと思いますが、私もそう思います。あとでまた大臣に質問することがありますから、今お話しになったことを忘れぬようにしてもらいたいと思います。そこで、ちょっとこれは具体的にお尋ねいたしますが、尼崎—栗東間の用地の補償費は、四十二億が三十四年度支出の見込み額になっておるのですが、この用地関係の買収状況、そして予定通りの予算でもって買収できる一か、つまりあなたの方の一番重点を置いておる尼崎—栗東間は、おそらく用地が大部分買収できておるだろうと思うのです。これは、高速道路課長でけっこうですが、知っておる範囲内に一おいて御説明願いたいと思います。
  42. 斎藤義治

    ○斎藤説明員 ただいまの尼崎—栗東間につきましては、先ほど局長が申されましたように、約七〇%ぐらい進捗しているのではないかというふうにただいま考えておりますが、用地補償費につきまして、当初四十数億円ぐらいという見込みでありましたのですが、最近の値上り等がありまして、若干用地補償費を増額しなければならない、十数億ふえるような推計をただいまいたしております。
  43. 中島巖

    中島(巖)委員 それでは、これらの用地関係や、いろいろの最近の状況を一つあとで文書でいただきたいと思います。大臣も、来年度の予算閣議その他があってお忙しいようでありますので、なるべく早く私の質問を打ち切りたいと思いますけれども、そこで、最も基本的な問題で、たびたび大臣もこの委員会の席上におきましても、小牧—東京間の予定路線法律を次の通常国会に出す、こういうことを言明されたわけでありますが、その法律の提案は、いつごろになる御予定か、お伺いしたいと思います。
  44. 村上勇

    村上国務大臣 これは、もう審議会にもかけまして、そうして通常国会に必ず間に合うように出したいと思っております。また出すことにいたしております。  それから、ちょっと速記をとめて。
  45. 堀川恭平

    ○堀川委員長代理 速記をとめて。     〔速記中止〕     〔堀川委員長代理退席、委員長着席〕
  46. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 速記を始めて。
  47. 中島巖

    中島(巖)委員 そこで、今大臣は、通常国会中に必ず出す、こういうお話でありますけれども、この前の御答弁は、次の通常国会のなるべく早い時期に出すという御答弁でありました。また道路局長も同じような、なるべく早い時期に出す、こういうことを言われておったわけです。従って、先ほども調査費の予算表でお話しいたしましたように、もう調査はできておるわけなんだから、それで、どの時期に出せるかどうかという、これは予定路線法律で、別に金は要らぬのです。一つその点について。
  48. 村上勇

    村上国務大臣 通常国会の劈頭に出しても差しつかえはないと思います。なるたけ早い機会に出して、そうして御審議を願いたいと思っております。一応審議会の議を経て、その上で出すということが妥当であろうと思いますので、審議会が終わったらすぐ出せるような方法を講じたいと思っております。今月開きたかったのですが、先ほど申しましたような事情で、今月を一月に見送りましたので、明年一月中には審議会を開いて、そうして直ちに法案を出すように取り計らいたいと思っております。どうぞ一つ……。
  49. 中島巖

    中島(巖)委員 そこで、先ほど大臣は、非常に準備が大事だ、こういうお話でありました。私もそう思います。加うるに、例の名神国道の方が九百億からの予算で、三カ年で百億くらいしか使っておらない、こういう状況であるわけです。この中央道もそういう結果になるだろうと思うのです。建設省は、すでに基本計画調査まで、これに出ておる通りされておるわけです。全線にわたって基本計画というものはできないであろうけれども、その一部については、必ず基本計画がすぐできると思うのです。従って、私の希望は、すでに道路整備五カ年計画に百一億という金もあるのですし、それから神戸—小牧間の現在の事業の進捗状態がああいう状態であるのだから、予定路線法律を提出と同時に、一部の基本計画審議会にかけて、そして来年度その基本計画建設省でできる地域から、若干でも、十億でも二十億でも予算をつけることは、先ほど大臣の言われた、準備が大事だというその準備の第一段階に入るわけだから、そういうような御用意を切に私は希望するのであるが、これに対して、大臣の御所見はどうであるか、この点をお伺いしたいと思います。
  50. 村上勇

    村上国務大臣 予定路線を一応決定いたしまして、それから基本計画ということになりますが、大体全部の基本計画を一年くらいでやってしまうというくらい非常に熱意を持っている事務当局のようでありますが、私は、どうも一年で全部の基本計画ができるとは考えられません。従いまして、来年あたり精密な基本計画は、ある地点までの計画を立てて参りたいと思っております。それから、それでは、来年たとい十億でも二十億でも予算をつけてやったらどうだというような御意見でありますが、これは、まあ一つの基本計画を作って、そして審議会あるいはいろいろな関係方面とも相談して、どうするかということについては、私どももう少し考えさしていただきたいと思います。その上で、御希望に沿うようなことになれば非常にしあわせだと、こう思っておりますが、非常に大きな問題でありますから、一つこの準備に慎重を期していきたい、こう思っておりますので、その点、御了承願います。
  51. 中島巖

    中島(巖)委員 年末で、大臣も予算閣議で非常に忙しいところを、僕がきょう無理を言ってここに出席していただいたのは、ただいまの一点なんです。今までの質問も、最後のこの一点に尽きるわけだが、すでにまた休会になって、一月になって、予算編成がその間に終わってしまうでしょう。だから、私の希望することは、予定路線はもちろんでありますけれども、基本計画については、全線を出せといったって、これは無理でしょう。従って、すでに建設省で基本計画の立案のできるだけの資料を持っているところは、一緒に基本計画もこの審議会にかけていただいて、現在の小牧—神戸間がああいうような状態でありますし、またこの中央道に対しましても、百二億の五カ年計画の予算があるわけだから、来年度この中で二十億なり三十億なりの予算を回して、工事に着工するということは、先ほど大臣が多年の経験から言われた、準備を進めることになりますから、今大臣は非常なお含みのある、これをやるらしいような言葉を言われたけれども、ぜひこれを実現していただきたい、こういうことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
  52. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 次会は明後二十五日午前十時半より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時五分散会