○
松本(七)
委員 私
ども政府の
資料に基づいて、この
賠償の実体、本質というものを明らかにするために、いろいろわれわれ
自身できる限りの努力はしてきたのです。けれ
ども、
先ほどからずいぶん長い間
質疑応答の中に明らかになりましたように、
資料自身がはなはだ不備だ。
損害の
基礎一つにしても、
政府からちゃんとしたものが出てきませんので、私
自身それから
調査を開始して、そしてやっと、さっきごらんいただいたかどうか、
——あすこに掲げておりますので、あれをちょっと見て下さい。あれを作るのにずいぶん時間もかかっております。時間もかかっておるし、そして非常な努力をして、われわれ少数の者であれだけのものをやった。今お手元にあれの詳細の説明の方も回ったと思いますけれ
ども、そういうふうにして私
どもはこの問題の多い
ベトナムの
賠償の本質なり
問題点を明らかにしていきたいという考えで、真剣に取り組んでおるのでございますから、
政府も今後この
審議期間中になるべく、
調査のできるものならさらに
調査をする、
資料もわれわれが満足いくようなものを提出していただく。またこれからまだわが党にはいろいろな問題についての
質問予定者がたくさん控えておるわけです。来週に入りましてからも、
一つできるだけ
岸総理みずから出ていただいて、
質疑に応じていただきたい。このことは特にお願いいたしておきたいのです。
今軍事的な性格の問題、経済協力あるいは技術協力の名の
もとに行なわれておることが、
先ほど東洋精機の問題ではっきりしたように、軍事的性格を持っておるということになりますと、もっともっと私
どもは、それの背景をなしておる
南ベトナムの今日の軍事基地の拡充を中心にした軍事力の強化、この点についてもメスを入れて検討をしなければならない、その任務が一そう増加してきたと言わざるを得ないと思うのです。先般のこの
委員会におきましても、この軍事力、特にアメリカが
南ベトナムに対してどのような軍事援助を与えておるか、これについて
穗積委員から
政府に
答弁を求めたのでございまするが、これは軍機に属するということで、その御
答弁が全然なかった。はたしてどの程度軍機に属するものかどうか、私
どもも、われわれの力で及ぶ限りは、そういう面についても
調査いたしました。けれ
ども、これもわれわれの力ではなかなか及ばない点がある。そこでやはり
政府の機関なり御努力をかりて、私
どもの
調査の足りないところは
一つ政府の
調査と相待って、
南ベトナムの
実情を正しくつかみたい。これはお互いにわれわれは協力すべき問題だと思います。隠しだてをするべきではない。特に
岸首相は安保の改正を大きな問題として取り組んでおられる。それは、私
どもは全面的にこれは反対です。しかし、もしも安保の改正がどういう理由で必要か、一貫した積極的な
政府の
方針なり説明が打ち出されれば、それは私
ども反対の
立場におるものでも、一応筋の通った説明ならば、あなた方の主張なり
立場はそれなりにわかる。けれ
ども、一方では世界の緊張は緩和しつつある、平和共存に向かいつつある、こう言いながら、なお力を背景にしたところの侵略の危険もないことはないというようなことで、説明が一貫しないあいまいな
態度を続けてきておられると、国民はあなたの
ほんとうに考えておられる、ねらっておられる
政策の方向というものがわかりにくい。私
どもはあらゆる問題についてこれをはっきり明確に打ち出すということが、国民にとっては親切な
態度ではなかろうかと思うのです。あなたは国際的な侵略の危険はまだあると言われる以上は、そしてしかるがゆえに自分のできる限りの力で防衛については協力する、それは憲法の範囲であろうが何であろうがやられるというこの
立場をとられる限りは、やはり
日本の近隣諸国、特にアジアの諸国における軍事基地の問題、これが平和の維持に役立つか、戦争の方に進んでいっておるかという評価は別問題として、どのような
実情になっておるかということをもっともっと正しくつかんで国民の前に明らかにして、その事実の上に立って国民が
判断できるようにする必要があると私
どもは思うのです。従って、私
どもの今まで
調査したところでは、
ベトナム賠償は、さっきはたった
一つ東洋精機の問題がここで明らかになっただけではございまするけれ
ども、やはりSEATOとの結びつき、反共軍事体制の実質的な結びつき、また現在
南ベトナムで進んでおる軍事力強化と切っても切れない
関係にある。安保の改定とは、本質的には同じ問題だ、こういうふうに私
どもは
実情から結論づけざるを得ない。もしも岸さんがこれを否定されるのならば、やはりそれに反証できるだけの具体的な
材料をもって私
どもを説得する努力をしていただかなければならないと思うのです。こういう
意味で、この前
穗積委員からも軍事援助の問題が出たのですが、
政府は全然これには触れられない。はたして
岸首相はアメリカの
ベトナムに対する軍事援助額、これらを御存じであるけれ
ども軍機上これは言えないとおっしゃるのか、あるいはそういう点についての
調査は全然されておらないで、
材料がないためにお答えができないのか、この点についてまず御返事をいただきたい。