○高橋(清)委員 問題が漸次具体化されて参りました。私の本音でございますところの信越線の長岡と新潟間の
電化促進ということにつきまして、意のあるところを率直にこの際でございますので、
大臣を前にいたしまして説明させていただきたいと思うのでありますが、それに関しまして
大臣の率直な御感懐を承りたいという場面でございます。それは二つございまして、
一つは長岡—新潟間の現状と
電化の必要性ということ、二つ目は長岡と新潟間の
電化の効果ということに関連して説明させていただきたいと思うのであります。
信越線長岡—新潟間は、御存じのように肥沃な越後平野を縦断しております。沿線には御存じの
通り新潟県の主要都市が集中しておりまして、同区間の各駅に発着いたします旅客、貨物はきわめて多いのであります。またこの長岡—新潟間は、長岡で上越線と結んでこの首都
東京と新潟の最短ルートとなっております。近年このルートの客貨の増加は目ざましいものがあるといことは御存じの
通りであります。すなわち旅客について見ますならば、沿線産業の発展に伴う商用客の増加、新潟県の観光価値の認識に伴うところの観光客の増加などが顕著であります。貨物について見ましても、新潟港への入出貨物の増大と、豊富な電力を利則しましての各種産業の発展に伴う貨物の発着量の増加が、はっきり現われておるのであります。またこの区間は、羽越、北陸両線と結びまして、裏縦貫線の
中央部を形成いたしておるのであります。北海道、奥羽対関東の重要輸送路といたしまして、聞くところによりますならば、キロ
当たりの輸送量におきましては全国第五番目と聞いております。かようにいたしまして、輸送の実態に即して見ますならば、今や新潟、長岡、
東京、この間は一本のルートとしまして、一貫した輸送方式を打ち出して輸送の
整備をはかるべき
段階にきていると思われるのであります。この方策といたしましては、現在長岡で打ち切りとなっておりまする
電化区間を新潟まで延長するとともに、この上越線の複線化をもあわせ考えられるべきであると思うのであります。この中でも
電化工事につきましては、御存じの
通り比較的工事は容易でございます。経費の低廉等によりまして着手しやすいということでございましょう。それだけでも相当の効果を期待できると思われるのであります。ただいま申しましたのは
電化の必要性ということでございます。
次は
電化の効果でございます。新潟と長岡の
電化か実現いたしまするならばどのような効果をもたらすであろうかということについてであります。
一つはまずスピード・アップが可能となるということでございましょう。電気
機関車は蒸気
機関車に
比較いたしまして、その性能上牽引力が強くなり、スタート特性が良好なので全般的にスピード・アップが可能となって参ります。現行の運転時分に
比較いたしまして相当
程度の短縮を行なうことができるのであります。従来の
電化区間でありますが、
電化区間について見ますると、おおむね一〇%から一五%
程度のスピード・アップが行なわれておりまして、新潟県民が多年念願としていたこの上野—新潟間の急行五時間運転によりまする日帰り旅行も実現の可能性が強まってくるということでございましょう。二つには輸送力が増強してくるということでございます。引きます力、牽引トン数が多くなること、スピード・アップによりまして輸送力が増強されるのは、言うまでもないところでございます。現在新潟は新鉄管内でございますが、新鉄管内の滞貨が一日八万から六万トンあります。一日の輸送量が一万八千トン
程度でございますが、このための送り不足の肥料とか鉱石などの輸送緩和に役立つわけでございます。次は電車運転ができるということでございましょう。現在上野と新潟の間におきましては、運転されておりまする準急電車と申しますと「ゆきぐに」でございます。これが新潟乗り入れが可能になってくる。そのほかに上野—新潟間に直通電車を運転いたしまして、また長岡—新潟間、新津—新潟間と大幅にローカル電車の増発が可能となって参ります。
混雑も自然に緩和されて、無煙化の中に四季を通じて快適な旅行が可能となってくるということでございましょう。次は通勤輸送の緩和でございます。現在非常に
混雑しております通勤列車が輸送の面において緩和されます。電車の増発によりまして無用の待ち時間を減らしまして、通勤時間を短縮しますから、通勤範囲が拡大し、都市の郊外への発展を促し、農村対策の一環ともなり、都市、農村ともに大きな利益を得ることができるということでございます。最後には電力の有効利用ができるということであります。新潟県は発電県でありながら、その生産電力の大半を
東京地方に送電しておる状況でございますが、
東京近郊及び東海道の電気運転用電力も本新潟県内の千手、小千谷の両発電所の両電力をもってまかなわれておるのでありますが、この電力を一部地元で使用することは、自然電力の損失も少なく、深夜電力も利用できるなど、きわめて有効であると言えましょう。
私の如上申し上げましたその必要性並びに効果ということにつきまして、ひっきょうするにぜひこの実を結ぶことにつきましての親心の御発揮を賜わらなければならぬという内容のものでございますが、これに対する運輸
大臣の御
見解を承りたいということでございます。