○川村
説明員 お答えいたします。今次の
伊勢湾台風によりまして非常に
伊勢湾方面に災害を受けたのでございますが、それと同じ程度の
台風が、たとえば
東京とか
大阪に襲ってきたらどうなるかということで、われわれの方といたしましては
計画を
検討しておりまして、一応現在の段階におきましては、概算でございますが数字をはじいたわけであります。
東京高潮といたしましては、三十三年から三十七年までの治山治水の五カ年
計画におきましては、当初
計画として二十六億の
江東地区の
隅田川の左岸
堤防だけを考えておったわけでありますが、今次の
伊勢湾台風のような
台風が来ますと、どうしても
計画を改訂する必要がありまして、左
右岸ともやらざるを得ないという状態になりまして、一応当初
計画の二十六億に対しまして左岸の方の追加が十七億という数字を入れておりますし、それに対して
右岸の銀座の方に面します方面に対しまして三十億という数字を入れ、合計して五カ年
計画といたしましては四十七億の事業量を追加しておるのでありますが、これだけでは足りませんで、大体
隅田川の岩渕水門まで全部
高潮が行くという
計画になりますので、三十八年度以降七十七億という膨大な数字を追加いたしませんと
隅田川の
高潮対策が十分できない、こういう結果になるわけでございます。従ってわれわれの方といたしましては、三十五年度の
予算要求をこれから大蔵に追加要求をいたしまして、総ワクといたしまして三十五年度は十八億くらい要求したい、こういうふうに目下省議で一応
了解済みでございます。
堤防の高さの問題を申し上げますと、現在
計画といたしましては相生橋から上流が
建設省所管の
堤防でございますが、それが五メートル五十から隅田水門まで五メートルにいくという
計画になっておりましたが、今回
計画を改訂いたしまして相生橋から上流六メートル五十、一メートル上げるわけでありまして、それから五メートル五十というふうになるわけで、非常に
工事量が増加するわけでありまして、五カ年
計画といたしましては当初
計画の五メートル五十ないし五メートルの線で仕事をいたしまして、逐次あと
工事のできるような
構造で仕事をしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
それから、先ほど
天野先生から第二点の、
隅田川に逆流を防ぐような、
高潮を防ぐような水門
構造ができぬかという御
質問に対してお答えいたします。
われわれの方といたしましては、
隅田川の
江東地区の外郭
堤防を作る場合の
計画といたしまして、当初永代橋の下方にそういう水門を作る
計画を一応
検討したわけでございますが、
隅田川につきましては、
荒川の放水路の流量は、水門から上、四千百六十立米という
計画高水流量がありまして、そのうち
荒川から
隅田川に八百三十立米入るという
計画に相なりまして、それに新河岸川の百七十立米を入れますと、
隅田川に千立米流れるという
計画に相なっておるわけでございます。そのほかに、石神井川とか神田川とか、そういう
河川の水が
隅田川に流れ込みまして、非常に流量はふえるわけでございまして、これだけの流量に対して河道の調節能力があるかどうか、貯溜量があるかということについて
検討したわけでございますが、現在の段階では水門は作ることが無理じゃないかという
資料が出ております。それでやむを得ず水門案を放棄したわけでございます。
申し忘れましたが、それと
荒川の放水路の
関係でございますが、現在の
荒川の放水路の高さが五メートル八十しかないので、
伊勢湾台風のような
高潮が来た場合には、当然
荒川放水路の方も
計画を
検討しなければならぬということで、
荒川放水路の方も
堤防を上げることに相なっておるわけでございます。大体
計画といたしましては、
荒川の放水路は、河口から大体堀切橋の付近まで、八メートルから七メートル五十
堤防を
かさ上げしていきたい、こういうふうに考えておりますが、そのうち五カ年
計画としては河口の方を六メートル五十に上げていく、こういう費用を五カ年
計画で十二億追加しております。総事業費としては、五十億くらいかかるわけでございます。以上、簡単でありますが…。