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1959-06-25 第32回国会 参議院 本会議 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十四年六月二十五日(木曜日) ○開 会 式 午前十時五十七分
参議院議長
、
衆議院参議院
の副
議長
、
常任委員長
及び
議員
、
内閣総理大臣
その他の
国務大臣
、
最高裁判所長官
及び
会計検査院長
は、
式場
に入り、所定の位置に着いた。 午前十一時
天皇陛下
は
衆議院議長
の前行で
式場
に出御、玉座に着かせられた。 〔
諸員敬礼
〕 午前十一時一分
衆議院議長加藤鐐五郎
君は
式場
の
中央
に進み、次の
式辞
を述べた。 式 辞
天皇陛下
の御臨席を仰ぎ、第三十二回
国会
の
開会式
をあげるにあたり、
衆議院
及び
参議院
を代表して、
式辞
を申し述べます。 去る六月二日
参議院議員
の
通常選挙
が行われ、六月二十二日をもって
臨時国会
が召集されたのでありますが、われわれは新たなる構成のもとに、
現下内外
の諸
情勢
に対処し、当面する諸問題を慎重に審議する態勢を整うべきであります。 ここに、
開会式
を行うにあたり、われわれに負荷された
使命達成
のために最善を尽し、もって
国民
の委託に応えようとするものであります。 次いで
侍従長
は
御言葉書
を
天皇陛下
に奉り、
天皇陛下
は次の御言葉を賜わった。 御 言 葉 本日、第三十二回
国会
の
開会式
に臨み、
参議院通常選挙
による新
議員
を迎え、全
国民
を代表する
諸君
と親しく一堂に会することは、わたくしの深く
喜び
とするところであります。 ここに、
国会
が、国権の
最高機関
として、決意を新たにし、
国運
のいつそうの
発展
を期するとともに、世界平和の
達成
に寄与するため、その
使命
を遺憾なく果し、
国民
の信託にこたえることを切に望みます。 〔
諸員敬礼
〕
衆議院議長
は御前に参進して、
御言葉書
を拝受した。
天皇陛下
は
参議院議長
の前行で入御。 次いで諸員は
式場
を出た。 午前十一時六分式終る ─────・─────
昭和
三十四年六月二十五日(木曜日) 午後二時三十五分
開議
———
—————
—————
議事日程
第三号
昭和
三十四年六月二十五日 午後二時
開議
第一
常任委員
の
選任
第二
常任委員長
の
選挙
第三
国務大臣
の
演説
に関する件 ———
—————
—————
松野鶴平
1
○
議長
(
松野鶴平
君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
—————
・
—————
松野鶴平
2
○
議長
(
松野鶴平
君) これより本日の
会議
を開きます。 この際、お諮りいたします。
赤間文三
君から、病気のため、会期中
請暇
の申し出がございました。これを許可することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松野鶴平
3
○
議長
(
松野鶴平
君) 御
異議
ないと認めます。よって許可することに決しました。
—————
・
—————
松野鶴平
4
○
議長
(
松野鶴平
君) この際、
日程
第一、
常任委員
の
選任
及び
日程
第二、
常任委員長
の
選挙
をあとに回したいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松野鶴平
5
○
議長
(
松野鶴平
君) 御
異議
ないと認めます。
—————
・
—————
松野鶴平
6
○
議長
(
松野鶴平
君)
日程
第三、
大臣
の
演説
に関する件。
内閣総理大臣
から
所信
について
発言
を求められております。これより
発言
を許します。
岸内閣総理大臣
。 〔
国務大臣岸信介
君登壇、
拍手
]
岸信介
7
○
国務大臣
(
岸信介
君) このたびの
参議院議員通常選挙
と、それに先だつ
地方選挙
の結果、
政府
並びに
与党
の
政策
が
国民
多数の深い
理解
と力強い支持を得ましたことは、私の大きな
喜び
とするところであります。 私は、
国民諸君
の信頼と期待とにこたえ、さらに
国運
の隆昌と民生の
安定向上
とをはかるため、この際、
内閣
の改造と
与党人事
の一新をはかり、相携えて
内外
にわたる
重要政策
を強力に推し進めることといたしたのであります。 最近の
国際情勢
において最も注目すべき
東西外相会議
は、過般来ジュネーヴにおいて開催され、一カ月余にわたる討議を嘱ね、このほど休会に入りました。この
会議
におきましては、
東西双方
の主張は依然として根本的に対立し、果して本
会議
が
巨頭会談
への橋渡しとしての役割を果し得るかいなか、いまだ断じ得ない
現状
であります。
政府
は、深い関心をもってその成り行きを注目するとともに、
東西
間の緊張が緩和されることを切に望むものであります。 このような
国際情勢裏
にあって、
政府
は、世界平和の
維持達成
と
わが国
を含む
自由陣営
の結束を一そう強固にするための現実的な
施策
を進めることによって
わが国外交
の立場を着実に強化してゆきたいと
考え
ております。
安保条約
は、講和後の不安定な
世界情勢
において、
わが国
の安全を守るため重要な寄与をなし、われわれは、現在まで平和のうちに国家の再建をはかってきたのであります。しかし、その間、
わが国
の国力と
国際的地位
は著しく回復いたしましたことにもかんがみ、
安保条約改定
の問題は、
日米
間の最も重要な懸案として
国民
多数がその解決を望んできたところであります。
政府
は、かねてこの問題に対する世論の動きを十分尊重しつつ、いわゆる
中立主義
が真に
わが国
の平和を守るゆえんでないことを信じ、昨年秋以来
交渉
を重ね、また、機会あるごとに、その
方針
と
交渉
のいきさつを
国民
の前に明らかにして参ったのであります。ここに
条約改定
の
基本方針
を重ねて要約いたしますと、
国連憲章
との
関係
を明確にすること、
日米両国
間の
経済
上の
協力
を促進すること、米国の
日本防衛
の
義務
を明らかにすること、
条約
の運営における
わが国
の
発言権
を確立することなどを主たる眼目とするものであります。また、新
条約
においては、
わが国
の負うべき
義務
は、憲法の認める範囲内にとどまるものであることは当然であります。 幸いにして、
日米
間の
交渉
は、この
基本線
に沿い、順調に推移いたしているのであります。このことは、将来に向って
わが国
の安全を確保し、
日米両国
の
友好関係
をさらに強化する上に貢献すること大なるものがあると確信いたします。
ヴェトナム
との賠償問題につきましては、先般サイゴンにおいて協定の調印を終えたのであります。この結果、
両国
間の
経済協力関係
は一段と深められ、
ヴェトナム
の
経済的復興
が促進されることが期待されるのであります。 私は、このたび、招きを受けてイギリス、ドイツ、オーストリア、イタリア、ヴァチカン、フランスの
欧州諸国
並びにブラジル、アルゼンチン、チリ、ペルー、メキシコの
中南米諸国
を約一カ月の旅程をもって訪問することとなり、来たる七月十一日出発する予定であります。私は、親しくこれら
諸国
の要路と会見し、率直な
意見
の交換を行う
考え
でありますが、特に
欧州
におきましては、変転する
国際情勢
の今後の見通し、
欧州
の政治・
経済
の
実情等
を把握することに努め、もって今後の
わが国外交
の進路を定める上の参考といたしたいと思います。また、
中南米諸国
におきましては、特にこれら
諸国
の洋々たる将来性に注目し、
わが国
との
通商貿易
や
経済協力
の
可能性等
を
考え
ますとともに、あわせて
本邦移住者
の活躍の
現状
を視察いたしたいと
考え
ます。私は、今回の訪問が、これら
諸国
と
わが国
との
相互理解
と
友好関係
とをさらに一段と促進することをかたく信ずるのであります。
わが国経済
の体質を改善して
安定成長
の基調を
長期
にわたって確保し、もって
国民生活
の
向上
と雇用の増大とを着実に実現していくことは、つとに
政府
が
施策
の重点としてきたところであります。このため、最近における
わが国経済
の新しい
発展段階
に対処し、内にあってはさらに企業の
合理化
、
近代化
をはかり、
金融正常化
を推進するほか、外に対しては
為替貿易
の
自由化傾向等
に対応しつつ、輸出の振興と
経済協力
の推進に一そう力を注ぐ
考え
であります。
政府
は、
昭和
三十三年度から五年間にわたる
経済計画
を策定し、目標の
達成
に努力して参りましたが、今後の
長期
にわたる
経済
の
発展方向
を
考え
ますと、目ざましい
科学技術
の進歩や、これに伴う産業や消費の面におけるさまざまの変化などが予想されますので、このような新しい要素を織り込んだ
長期計画
を樹立し、
経済
の適切な
発展
と
国民福祉
の
向上
とをはかっていきたい
所存
であります。 最後に、過般行われた
中央
、
地方
の両
選挙
を通じて得られた経験にもかんがみ、真に公明にして合理的な
選挙
の実があがるようにすべきものと信じ、広く各界の
意見
を聞き、
現行選挙法
の検討を行いたい
所存
であります。 以上、
所信
の一端を申し述べたのでありますが、
国民諸君
の力強い支援を切に期待してやみません。(
拍手
)
松野鶴平
8
○
議長
(
松野鶴平
君) ただいまの
演説
に対し、質疑の通告がございますが、これを
次会
に譲り、本日はこれにて延会いたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松野鶴平
9
○
議長
(
松野鶴平
君) 御
異議
ないと認めます。
次会
は明日午前十時より開会いたします。
議事日程
は、決定次第、公報をもって御通知いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十二分散会
—————
・
—————
○本日の
会議
に付した案件 一、
請暇
の件 一、
日程
第三
国務大臣
の
演説
に関する件