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石谷憲男君
公共割引の
制度というものが現に持っておりまするきわめて
重要性にかんがみまして、当
委員会におきましてもしばしばの機会に慎重な審議がされ、さらに過去二回にわたりまして
決議が行われましたことは、
関係大臣よく御
承知と思います。そこで、
一体、この
公共政策割引というものは、少くとも
農林物資に関します限りにおいては、その
生産の実情なり、あるいは流通の
実態というものから見ましてあくまでもこれは
現状のままで据え置いてもらわなければ、かりに、それが二十億である、あるいは二十億の内輪の数字であるとかということによってそれを取り去られることによってもたらす
影響が非常に広範深刻である、こういう
意味で、当
委員会におきましても問題を重要視して取り上げておりますることは、御
承知の
通りであります。しかるところが、昨日来、またすでに先般来の
議論をいろいろ要約してみまするというと、このようなあくまでも産業政策的な、従いまして、
農林政策的な
見地からこの
制度の存続を強く望んでおりまする当
委員会の
考え方に基きまする
議論、それに対しまする昨日の
国鉄の
営業局長並びに
総裁のなさっておりまする
答弁というものは、根本的に食い違っているじゃな
いか。
国鉄当局はあくまでも
国鉄当局なるもの
自体の
立場から、
独立採算制の建前を堅持する
意味において、あらゆる
国鉄内部の
合理化をはかる一環として
運賃体系の
整備というものをすみやかにいたしたい、その中の問題としてこれを取り上げるんだ、こういうことであります。現に
国鉄というものがわが国の
経済に持っておりまするあのきわめて大きな役割というものを
考えました場合におきまして、そういう
立場だけから一挙にこれを取り上げて問題を一方的に進めてい
いかということにつきましては、これはもちろん、進められてはならないという
結論が、だれに聞いてもこれは出てくると思うわけであります。そこで、過去において、
国鉄の
主張されたごとく、これはいわば
国鉄の
経理内部における
サービスであったということを言わんとされておるのでございますが、そこで、
一体、こういう
サービスが今までの
国鉄の
経営内部においてできたからやってきたということになるのじゃな
いかと思われるのであります。ところが、昨今の状況から見ますと、これができなくなった。そこで、
一つ荷主さんに勉強してもらわなければならないのだ、こういうきわめて、何と申しますか、一方的な
考え方の上に立つと言いながら、
国鉄当局の
内部におきましてもやむにやまれぬ問題があればこそ、この問題につきましてあくまで当
委員会の意思に対して
国鉄側は強い抗弁をしておられる、かように私は
考えるわけであります。そこで、先ほどの質疑の中にもございましたけれ
ども、昨日の
国鉄総裁の
お話を聞いておりまするというと、大体この
政策割引によって減額をしておる金額というものは、
農林水産物資を合せて二十億、こういうことでございます。そのうちの半分は
荷主さんに直接負担してもらう、その半分は国の
財政で負担してもらうというような
考え方で今後の問題を
処理するということでございますが、しかし、半分なんという
見当、これもおそらく何ら科学的な基礎の上に根ざさない目の子の
見当じゃな
いかと思うわけであります。十億ぐらいは何とかなるだろうというような、きわめてせっぱ詰まったお
考えがあればこそ、これだけ
熱意のある当
委員会の
主張に対しましても、なかなか誠意のある御
回答が得られない、私はそのようなふうに感じるわけでございます。そこで、
一体、
考え方の上において大いに食い違った問題というのは、なかなか根本的に
調整できるものじゃない。これを根本的に
調整しようとするならば、これは単なる今までの
議論の問題として
考えないで、何か別途に、たとえば
公共政策割引というものによって確かに減額されておるものが、とうてい現在の
国鉄の負担にたえられないものであるならば、なぜ全額それを一般
財政の負担にするというような
考え方で抜本的な問題の
処理を
考えられないのか、
一体、そういう問題につきまして
運輸省当局はどういうふうにお
考えになっておるのか、これを一点御
答弁をいただきたいと思うわけであります。
それからもう一点でございますが、先ほど来すでに問題は事務
当局間の折衝に入っておるということでございますけれ
ども、われわれが仄聞いたしますところによりまするというと、ただいま
農林大臣が、何とか八月までには問題を求めるように御
努力相なるということでございますけれ
ども、しかし、しかく簡単に問題は双方の話し合いがつくように思えないのでございます。もちろん、非常に多数の品目があるわけでございまして、一点品目ごとにそのもたらす
影響というものを慎重に考慮いたしまして、少くとも、その
影響というものが十二分に吸収し得るという対象の
物資でなければそれはやめられないということに相なることは当然だと思うのであります。ところで、
一体、
運賃体系の
合理化という名前のもとにおやりになっております性質の仕事でございますが、かりに一点ずつ、話し合いがついたものからこれをやって参るというわけには
いかない。これはまことに理論的にも不合理なことであります。そこで、現在提示されておりまする全品目について両
当局者の間に十二分なる話し合いがついた上でこれが行われなきゃならぬということは、従来の経緯から
考えて当然でございます。少くとも、当初
農林大臣がおっしゃったように、一方的に押し切ってやるべき性質のものじゃないと確信をしておられる以上は、これはあくまでもそのようにやらなければならないわけであります。今まで好むか好まぬか知らぬけれ
どもやってきたという事実に基いて、現に安定しておる事態というものが非常に混乱するという相手方があるわけでございまするから、その混乱がないようにその問題を片づけて
いかなければならぬということは当然のことでございます。そうなるというと、ただいま申し上げるように、全品目につきまして少くとも両当事者間の話し合いというものが完全につき得たときに初めてこれが
実施されるということに相ならなければならないということは、当然私はここで
議論する余地のない問題だと思うわけであります。八月末と申しますと、もうすでにきょうは十一日でございまするから、
あと二十日でございます。当
委員会はもう来月におきましては十日と十一日に開かれる予定でございまして、八月中には
委員会がないわけです。どう
考えましても、良心的に問題を
処理しようといたしまするならば、八月一ぱいで問題が片づくなんということはこれはうその骨頂でございまして、絶対に片づくものでないという前提に立って慎重にやるべきものだ。私はかように確信いたすのでございまするが、そう申し上げましても、あくまで八月末日までにこの問題は何とかまとめるのだという御
答弁しかいただけないが、いま少しく誠意をもって事の
重要性をお
考えいただきまして、とにかく無理はしない、あくまでも十二分なる話し合いのついた上でやるんだ、少くともこれくらいなお
考えははっきりと表明していただかなければわれわれの従来の
主張というものは許さないと思うわけであります。その点、
一つ明確に御
答弁をお願いいたします。