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1959-10-15 第32回国会 参議院 内閣委員会 閉会後第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年十月十五日(木曜日)    午前十時二十七分開会   —————————————   委員の異動 十月九日委員横川正市君辞任につき、 その補欠として山田節男君を議長にお いて指名した。 本日委員山田節男辞任につき、その 補欠として横川正市君を議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     中野 文門君    理事            増原 恵吉君            村山 道雄君            伊藤 顕道君            横川 正市君    委員            伊能繁次郎君            大谷 瑩潤君            木村篤太郎君            小柳 牧衞君            下村  定君            一松 定吉君            鶴園 哲夫君            永岡 光治君            松本治一郎君            矢嶋 三義君            山本伊三郎君            辻  政信君   国務大臣    国 務 大 臣 赤城 宗徳君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君   説明員    内閣官房長官  椎名悦三郎君    防衛庁長官官房    長       門叶 宗雄君    防衛庁防衛局長 加藤 陽三君    調達庁次長   真子 伝次君    大蔵政務次官  前田佳都男君    大蔵省主計局給    与課長     船後 正道君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選 ○国の防衛に関する調査の件  (国の防衛に関する件)  (自衛隊災害派遣に関する件)  (進駐軍及び駐留軍による損害に対  する補償に関する件)  (板付基地周辺騒音防止対策に関  する件) ○国家公務員制度及び恩給に関する調  査の件  (国家公務員共済組合法施行状況  に関する件)  (組合専従制限に関する件) ○国家行政組織に関する調査の件  (調達庁機構に関する件)   —————————————
  2. 中野文門

    委員長中野文門君) これより内閣委員会を開会いたします。  まず、理事補欠互選の件についてお諮りいたします。去る十月九日横川正市君が委員辞任されました結果、理事に欠員を生じているのでありますが、本日横川君が再び委員に復帰されましたので、この際、横川君を再び理事に選任することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 中野文門

    委員長中野文門君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。   —————————————
  4. 中野文門

    委員長中野文門君) それでは次に、国の防衛に関する調査を議題として議事を進めます。政府側出席の方々は、ただいま既存、赤城防衛庁長官門叶官房長、以上両氏でございます。さよう御了承願います。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  5. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は、自衛隊災害用動派遣に関しての自衛隊の性格問題と、それから日本自衛隊整備増強計画の一般について質疑を申し上げたいと思います。時間が制約されていますから、私も簡単に伺いますが、お答えも簡単明瞭に願いたいと思います。  このたびの第十五号台風災害に対しての自衛隊災害派遣状況並びにそれに対してどういう反省を持たれておりますか。お答え願いたいと思います。
  6. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 国の災害につきましては、極力出動して、災害の防除、救助等に努めるということに対しましては、特に力を入れていきたいと考えておったときでありますので、今回の災害につきましても、最大限の人員を投入し、機械力も投入して救助に当っている。私どもといたしましては、最善を尽して今度の災害に対して対処していく、こう考えております。
  7. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 現在何名派遣されており、今後どの期間ぐらい派遣される予定でおられるか、数字をもってお答え願いたい。
  8. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 官房長から御答弁いたします。
  9. 門叶宗雄

    説明員門叶宗雄君) 私から、数字でございますので、お答え申し上げます。現在私の手元にある資料が十月十三日に相なっておりますので、その後若干の変更があろうかと思いますが、それはいずれ補足御説明さしていただきたいと思います。  十三日現在陸の人員が一万四百十人、車両が千六百六十両、航空機が十三。海は千七十七人、航空機が三機、艦艇等が四十四隻。空は人員が二百八十一、航空機が三機、通計いたしまして人員が一万一千七百六十八、一両が千六百六十、航空機が十九、艦艇等が四十四隻ということに相なっております。
  10. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 今後の見通しは。
  11. 門叶宗雄

    説明員門叶宗雄君) 防衛庁といたしましては、必要に応じて、今後といえども随時部隊その他を増減しようと考えております。
  12. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大臣に伺いますが、毎度の災害の場合ですね、自衛隊派遣について、常に土建業者との関係で、民業を圧迫して云々というようなことで非常にちゅうちょする向きがある。従って、出動の時期を逸する場合が狩野川台風の場合にもあったし、このたびの場合もあります。これについては、どういう反省を持たれておられるのか。私は若干意見をつけ加えますが、本年度の自衛隊訓練計画に若干の支障が起ろうが、また、予算面演習関係予算に若干食い込もうが、それは将来別の角度から処理するとして、当面のところ、訓練計画に若干の影響があっても、私は当分の期間ですね、派遣して災害復旧に尽力すべきものだと思いますが、いかがでありますか。
  13. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) お話しの通り、今度の出動にいたしましても、演習訓練等を振りかえたという形で、それをやめにいたしまして、そうして災害のために出動をいたしているわけであります。そこで、業者とのフリクションというような問題はどうかということでありますが、災害自衛隊出動する場合は、大体におきまして、災害の最中に人命財産等救助し、あるいはまた応急的な措置をしますので、建設業者とはあまり摩擦はないのであります。建設業者は、そういうことが済んだ後で、復興の工事等を請け負うということが多いので、あまりフリクションはありませんが、かりにあったといたしましても、私どもは応急的になすべきことをなすということでやっています。従って、今度の災害におきましても、最近におきまして、東海道の旧国道に沿うたところを潮止めすることが現在一番大事な仕事になっています。これを自衛隊要請してきておりますので、建設省あるいは海上保安庁等と協力いたしまして、旧東海道国道潮止め工事を引き受けて、全力をあげて、人員を投入してやっております。でありますので、これが十月十一日に要請をして参りまして、約一カ月かかります。ですから十一月末ごろまでいろいろな問題で仕事があると思いますので、全力をあげて自衛隊をその方面に出動し、担当させる、こういう方針であります。
  14. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 きょう実は総理大臣出席を願ったわけなんですが、おいでにならないので、その質疑は他日に回しますが、赤城さんに伺いたい点は、私は、自衛隊改正をやって、自衛隊の性格というものを再検討すべきである。自衛隊法の第三条に目的があるわけなんですが、この目的の中に防災に働くというそういう内密のものを私は付加すべきだと思うのです。そのいかんによって自衛隊編制、それから装備、具体的にはその器材の内容、そういうものが変ってくると思う。それからまた災害が起った場合、起りそうな場合の出動の時期、それから質、量、そういうものも変ってくると思うのです。今のままでは、どうしても私は国民期待に沿い得ないと思う。第一防衛出動、それから治安出動となっておるが、災害災害派遣となっておる。私はこれは防災出動とすべきだと思う。それから第三条に防災関係目的の中に入れるべきだと思う。今の自衛隊法でいいますと、災害派遣というのは何かアルバイトみたいな、きわめて事務的なお手伝いをするのだというようなニュアンスが強いわけですね。そこに台風来たるの情報があっても、地方自治体の長官から要求がなければ出ないというので待っておる。狩野川台風のときもおくれた。そうして後には南の方から上陸して逆行したわけですが、このたびでも守山付近部隊が待っていた。ところが一ぺんに交通が途絶してしまった。そこで自治体の首長からの要求がなかなか届かない。それから災害状況もわからない。こういう事態があることは、まことに遺憾千万だと思う。警察の今の通信設備というものは不十分だという問題もある。これは将来解決しなければならないが、自衛隊無線機をたくさん持っておるのですから、そういう点で早くキャッチしてやや事前に出動するくらいの心がけでなければならない。それが現在できなければ、それができるように解決することこそ、国民期待に沿い得るものだと思う。多く申し上げませんが、伺いたい点は、第三条は、これは直接侵略間接侵略とだけうたってあるわけですが、年々歳々日本台風に襲われる、こういう地理的宿命を持っておるわけでありますが、防災出動国土防衛というようなものにその任務を果すという内容の字句をここに挿入すること、それから防衛出動それから治安出動、それから災害出動というものを並列する、こういう災害関係だけを災害派遣というような非常に軽く扱ったような表現というものを改める。でないから第八十三条の二項によって、この前のようなときには、当然出動してしかるべきなのを待っておる。私は現在、また過去においても、自衛隊の諸君がああいう災害のときに非常に苦難な状況下に働かれた過去の実績を高く評価いたします。現在働いていただいておることに対して感謝の気持で私はおるものなんですが、しかし、法の不備から、さらに運用不備の上から、十分に国民期待に沿い得ていないということは私はゆゆしき問題だと思う。よく指摘されておるように、今年度の河川治水は約三百五十億程度しかないわけですね。専門家に聞けば、至るところその危険な河川があるということです。ところが、防衛関係は御承知のごとく自衛隊だけで千三百六十億、防衛分担金を合せて千五百億前後の防衛関係費を使っておるわけです。国民の心を心としてこういう点、私は再検討さるべきだと思う。これは赤城さんが決意すればできると思う。赤城さん、この岸内閣なんかというのは、赤城さんで持っているようなものだと私は前からそう思っておるわけです。伴睦さんでなくして赤城が持っているんで、河野さんとか川島さんなんかは、川の岸を洗うくらいのことであって、ほんとうに岸内閣をささえてやっているのはあなただ。だからあなた認められて防衛庁長官になれておるわけです。この赤城防衛庁長官の時代にぜひとも私はそういう改正をしていただきたい、すべきだと、かように考えるんですが、一つお答え願いたいと思います。
  15. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 御趣旨の点、非常に啓発されるものがあるのでありますが、ただ、現存のままでも、私は運用によって十二分に災害救助等に働けるんじゃないかと、こういうふうに考えています。というのはやはり自衛隊の主旨的、主なる目的は、直接侵略及び間接侵略に対しましてわが国を防備することであり、必要に応じて公共秩序維持に当るということは、これはやはり主旨的、主たる任務はそこにあると思うのであります。しかしながら、やはり国土の保全ということも、これは広い意味におきまして日本の安全に必要なことでありますから、災害ばかりでなく、平時におきましても、建設部隊施設部隊等によって国土開発等に努めるべき部隊も置いてあるのであります。  なお、災害等におきましては、第三条の任務にはそういうことは書いてありませんが、矢嶋委員も御承知通り防衛庁設置法の第五条の十六にも「天災地変その他の災害に際して、人命又は財産の保護のため必要がある場合において行動すること。」これが防衛庁権限にはっきりうたわれておるはかりでなく、今御指摘自衛隊法の八十三条におきましても災害派遣を規定され、その第二項におきましては、要請がなくてもこれは出ることに相なっておるわけであります。でありますので、このたびの経験あるいは前の経験等も生かしまして、この八十三条第二項によって要請がなくてもできるようなことに運用上進めていくつもりでおります。そういうことで災害出動等も十二分に自衛隊としてはやるべきだ、こう考えておるわけであります。でありますので、先ほど申し上げましたように演習その他等も中止しまして、災害出動に振りかえ、あるいはまたその他の資材等につきましても災害の方へ何して、あるいは食糧等も回して救済しておるということを現実にやっております。これは運用上そういうふうに続けていきたい。御趣旨でもありますが、法律の改正というものはしなくても、運営上十二分に災害に対する救助の機能を果せる、果したい、こう考えております。
  16. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私はそれを了としません。私は日本には、この防災活動を主とする組織機構があってしかるべきだと思う。そういう統一されたものはないんですよ。そこに年々歳々多数の人命を失うとともに、二千四、五百億の富を失っておる原因がある。で、自衛隊法の三条に「必要に応じ、公共秩序維持に当るものとする。」ということを末尾に書いてあるのですね。こういうところにこの防災関係のことを私は入れてしかるべきだと、少しも私は差しつかえないと思う。重ねてこの点を伺うのと、それとこのたびはやはり災害が、台風が大きかった関係もありましょうが、連絡等が不十分で、出動の時期等が適当でなかったということはお認めになれると思う。今後の反省としてお認めになれるかどうかですね。私は新聞テレビ注意して見ておったのですが、九月二十九日現在、自衛隊は五千五百四十一人出動している。そうしてこのころはテレビなんかで見るというと、全部いかだですよ、名古屋南部地区なんかアナウンサーの報道では、まだ自衛隊の姿は全然見えておりませんということを言っておる。林統幕議長は十月三日九州に旅行して、こういう談話を発表している。水につかっておるからどうにもならない、水が引いたら、普通科部隊もどしどし派遣するつもりだ、こういう談話を発表している。ところが、九月の三十日ごろから救援の手を差し伸べて、現地の高等学校生徒が、テレビにも出たように上のうを盛んにかついで、締め切り工事に働らいているのです。十月三日ごろになって、水が引いたら普通科部隊をやる、今やってもすることがないというようなことを、統幕議長九州を視察して談話を発表しているという各新聞記事を見て、私は非常に憤慨した。こういうのは非常に情勢把握を間違っていると思う。高等学校生徒すら土のうをかついで、仮締め切りに努力しているので、こういう点について一つ、私は防衛庁長官の見解を承わっておきたい。
  17. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) ちょうど災害の当日は夜中でありまして、総合的な被害につきましての調査といいますか、報告を聞くべく自衛隊といたしましても、全国自衛隊が待機して、いつでも出動できるような状態になっておったわけであります。
  18. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それは認める、しかし動かない。
  19. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) でありますから、部分的には出動をしたところもあるのでありますが、名古屋地方は、何にいたせ非常に大きな災害でありましたので、総合的な計画の上で、出た方がよかろうということで一、二日おくれた、こういうふうに私は承知しておりますが、でありますので、土のうの件もありましたが、ああいう大きい災害でありますから、やはり当初は人命救助とか避難救助、こういうのが任務であろう、こういうことでその任務を達成すべく待機し、またそういうことに機を逸せす出たわけでありますが、少しはおくれたというような御批判はあるかと思います。  それからまた、災害に対しての国としての救助、あるいは対策をする総合的な機関がないではないか、そういう関係からいっても、自衛隊がそういうことを担当すべきではないかというような御意見のように拝聴いたしたのでありますが、総合的にはありませんが、あるいは警察とか、あるいは建設省とか、あるいは農林省とか、それぞれの分野に応じて権限を持っているのであります。でありますので、自衛隊がそれらの権限の総合した上に立って、いろいろ災害に対する全般的なことをやるというのはいかがかと思います。そういう点におきまして、私どもといたしましては、災害時に機を逸せず災害救助に当り、また、応急的な災害復旧工事等に当るのが適当でないかと、こう考えております。そういう点におきまして、現在の自衛隊法、あるいは防衛庁設置法のもとにおいて、経験にかんがみまして十二分な活動をいたすつもりでありまするし、またさせたいと、こう考えております。
  20. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この項に関してもう一点伺います。もしそういう考えだったら、自衛隊編制装備訓練というものも、それに即応してこなければならぬ。私は、毎年申し上げていることなんですが、そういう面に考慮を払ってほしいというのですが、若干払って参りましたけれども、われわれの期待に沿わないのです。この前出していただいたヘリコプターにしても、全国で六十機しかないでしょう。それで九州のあの災害襲地帯に対してヘリコプター三機しかない。舟艇でも不十分です。今度の災害あたりでも、全部いかだでやっています。だから、こういうヘリコプターとか舟艇をふやすとか、常に私は要請している。だいぶんふえて参りましたが、同じ自衛隊の中の施設隊、これを二県に少くとも一つくらい、欲を言えば、一県に一つくらい置く。それからその訓練にしても、二年前のあの九州災害のときに、動脈である鹿児島本線が一週間ばかりストップしたのに、自衛隊隊員は全然それに使えない。ほんのちょっとかりには使えるけれども、本格的には全く使えない。これは、鉄道当局責任者から僕は聞いたことなんです。このたびの堤防にしても、ただ仮締め切りだけでなくて、本格的な堤防復旧もできるくらいな訓練施設隊あたりにやらしておかなければ、それに必要な機材というものも平素から装備しておかなければ、口に言うだけで実際には役に立たない。そういう点について、あなたはどういう反省と構想を持っておられるか、お答えを願いたい。
  21. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 御趣旨通りでございます。でありますので、再々矢嶋委員からも本委員会を通じてそういう御注意もありまして、相当装備をいたしておったわけでありますが、まだ足らない点が十分あります。でありますので、このたびの災害にもかんがみまして、装備とか訓練には十分力を尽していきたい。こう考えております。  なお、御指摘施設部隊等でありますが、これも、今の御注意のようなこともありますので、来年度の予算におきましては、大体一県に一つ施設部隊が置かれるように、今までは、部隊の数も、一部隊地区施設隊は六十数名くらいで、非常に少い数であったのですが、これも人数をふやし、各県に行き渡るようにしていきたい。建設部隊も増強していきたい。そうして、ヘリコプターとか舟艇とか、そういう装備、あるいはまた訓練ということもやっていきたいと思います。今度の災害等におきましても、そういう訓練ということも考えておりますので、全国部隊を動員いたしまして、九州から北海道までの部隊をやはり導入して、これも一つ訓練にもなる、こういう考え方で、全国部隊中部地区へ投入したというのも、そういう趣旨も含まれておるのであります。でありますので、御趣旨の点につきましては、十二分に私どもも検討いたしまして、装備訓練、あるいは施設隊増強等をいたしまして、常に災守に対処できるようなことにいたしたい。こう考えております。
  22. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 時間がありませんから、次に防衛計画の一環としてのサイドワインダーの導入FXの問題について、ごく簡単に伺っておきたいと思う。  この質問をする前に、災害関係については後日さらにただしたいと思いますが、現存被災地で働いている隊員たちには、十分な給与をしていただきたい。それから任務終了後には、休養の期間も与えて、隊員の労に報いるようにしていただきたい。これは私として要望申し上げておきます。  そこで、防衛計画の一端についてお伺いするのですが、その前に、赤城防衛庁長官に承わりたいのは、フルシチョフとアイクの相互訪問以来の国際情勢ですね。今後の軍事情勢の動向をどういうふうにお考えになっておられるか。特に、フルシチョフ首相国連で四年以内の全面軍縮提案をやられた。そうしてけさの放送によりますと、国連におけるアメリカロッジ代表は、フルシチョフ提案を歓迎する、真剣にこれを検討するといったような相当具体的な演説をした旨放送されております。こういう動く世界情勢下に、あなたはどういう将来の見通しを持っておられるか。これは大きな前提となりますので、この際承わりたい。  それと関連して、九月二十四日に、再びマケルロイ米国防長官が来日されて、あなた方、岸さんもお会いになっている。昨年もおいでになりました。あの方がおいでになったときには、何も話がなかったというが、お帰りになった後に、予算編成期になると、新しい事態が生れてくるわけですが、どういう事柄をマケルロイ米国防長官とお話し合いになったのか。特にナイキの導入について、積極的にあなたの方から要請されたということが伝えられているわけですが、そういう点についてもお答え願いたい。
  23. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 東西陣営緊張緩和等につきまして、フルシチョフソ連首相アメリカを訪問いたしまして、アイゼンハワー大統領と会見されました。それについての所見ということでありますが、非常にむずかしいことだと思います。私どもも、東西陣営緊張緩和されるということにつきまして、期待とまた熱意を持っておるわけであります。軍紀等につきましても、ソ連立場あるいはアメリカ立場等がよく了解できる気がいたします。ただ、その方法論として、これはあまり立ち入るのはどうかと思いますが、会談等によりますると、初め兵力の削減、第二は基地、第三段階として原水爆、こういうような段階を踏んで軍縮をしようじゃないかというふうに話し合ったように聞いておりますが、これは少し逆じゃないか。そういうようなことだと、なかなかむずかしいじゃないか。むしろ、原水爆のほうをやめ、それから基地占領区域をやめ、そうして兵力ということなら、非常に実際的じゃないかと思うのですが、両方の話し合いが、もしも、兵力を先に減らしていく、その次には基地をなくしていく、こういうふうな段階はどうか。これは私個人として考えておりますが、しかしもっとなお具体的に話し合いがあったり、またあるのだろうと思います。なお、非常に希望が持てますのは、ソ連におきましても、査察制度あるいは監視機関を設けるということに非常に乗り気であるようでありまするから、そういう点で、両陣営軍縮の問題も相当軌道に乗るのじゃないか。今までは、査察あるいは監視機関を設けることにつきまして、非常にジュネーブ会議などでも議論があったようであります。まだ意見がまとまらなかったようでありますが、そういうことがまとまってくれば、東西陣営緩和に貢献するところがあるだろう、こういうふうに考えております。  第二に、マケルロイ国防長官が来たときに、どういう話し合いをしたかということであります。これは、一つは、アメリカ国会等におきまして、軍事的援助の費用が減ってきております。国会において減らされておるようであります。そういうような関係から、日本のいろいろな計画も、従来ある程度軍事援助というものを見越して計画がされておりますので、これは急激に援助関係が減らされるということになりまするというと、計画にそごを来たす、そういう点についてアメリカ側の意向を聞いたわけであります。アメリカ側といたしましては、無償援助というようなことは、アメリカ国会もうるさいので、アメリカの税金でそういうふうに東南アジアあるいは日本等を援助する必要はないじゃないかという議論が非常に強いので、無償援助というものはだんだん減していきたい、そうして有償援助といいますか、費用分担主義といいますか、コスト・シェアリングというような一つの法則を立てて、お互いに費用を分担しながら援助をするというような形にしたいというような話しであったのであります。そういう話しでありますけれども日本といたしましても、そういう点につきましては十二分に調査をして、なお事務的にも検討させますが、急激な変更というものにつきましては、十二分に考慮してもらわなければ困るという話をしたのが二点であります。  それからナイキの問題のお話がありましたが、日本の防空といいますか、制空権を確保するといいますか、防御的な意味におきます制空におきましては、戦闘機だけではもちろん十分というわけには参りません。また、世界的の傾向からいたしましても、非常に高速の飛行機ができてきておりますので、ミサイル対防空ミサイルというようなものが必要になってきているのは、御承知通りだと思います。そういう点でミサイルの導入ということにつきまして、来年の計画の中にミサイルの訓練のために、アメリカ派遣したいという、訓練のための計画を持っております。でありまするから、正式にマケルロイ・アメリカ国防長官に話はいたしませんが、そういうようなことも考えておるというようなことは話し、あらかじめ了承しておいてもらいたいと、いずれ正式にそういうことを依頼することもあるだろうという話をしておいたのであります。大体御質問の点はそういうことであります。  なお、隊員に対しまして、冒頭御懇篤な激励と非常な思いやりのあるお言葉を賜わりまして、隊員を代表いたしまして、出動している人々を代表いたしまして、厚く感謝をいたすと同時に、御趣旨の意に沿うて、活動した部隊あるいは人々に対しまして十二分に慰労をするといいますか、したいと、こう考えております。
  24. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は最近の激しく動いている国際情勢から、今のわが国の防衛計画というものは再検討すべき段階に来ているし、内容を多分に持っていると思う。それは時間がありませんから、きょうはそういう原則論は割愛いたしますが、具体的に伺いたい点は、三十年度の事業計画に入っておりますサイドワインダー十四発は近く入荷するということですが、すでにもう積み出されているのかどうか。いつ国内に到着する予定か。それからそれはどこに配置するお考えか。林統幕議長九州における談話を見ますと、宮崎県の新田原にF—86Fの基地を作る、どうもあの付近が僕はサイドワインダーの訓練地域になるのじゃないかというような予感がするわけですが、どういう計画を持たれておられるのか。私は積み出しが行われていなかったら、十三年度並びに三十四年度の事業計画に入っておるサイドワインダーの積み出しを断わったがいいと思う。その理由はもう時間がないから申しあげませんが、断わった方がよろしい、かように思うのですが、いかようなお考えでおられるか。三十四年度に九十発が事業計画に入っておったと思うのですが、予算化されておると思うのですが、これらも追って日本に到着するのかどうか、それらの点についてお答え願いたい。
  25. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) お話しのようにサイドワインダーにつきましては、三十三年の五月でしたか、閣議におきまして、サイドワインダー十四発及び関連機材をアメリカから有償軍事援助によって破り受けるということが決定されたわけであります。防衛庁といたしましては、発注の引き合いを送ったのでありますが、一部手続の改訂等のため、ことしの一月に再引き合いを送って、その後アメリカから、正式に発注に応ずる旨の何等があったので、四月の二日に発注を終ったわけであります。納期につきましては、非常におくれる見込みでありまして、最近におきまして、事務当局が向うの顧問団等と打ち合せしております。近く日本に送るということになっております。ただ、時期等につきましてまだはっきりいたしておりません。まだ積み込みもしておりませんが、今月の末あたりに積み込んでこちらへ届けるというような話になっておりますが、じゃ何日に積み込んで何日に着くかというところまで、まだわかっておりません。今月の末ごろに積み込んで日本へ届けるだろう、こういうことに相なっておりますので、はっきりした積み込みの円と到着の日はまだ判明いたしません。それからどこでこれを装備するかということでありますが、申すまでもなく実験用のサイドワインダーでありまするから、小牧か岐阜あたりに入れることに相なるかと思います。これもまだはっきり確定しておりませんけれども、大体そういう見当であります。
  26. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 加藤局長に伺いますが、今、核弾頭は小型化の研究が非常に盛んになり、進歩しつつあるということを認めますか認めませんか。いかがですか。
  27. 加藤陽三

    説明員(加藤陽三君) これは矢嶋委員も御承知と思いますが、核弾頭の小型化の問題につきましては、非常に米国が熱心であったのであります。戦術的な使用ということで考えておったのでありますが、最近におきましては、ソ連の方でも小型化の研究が非常に進んでおるように思いまして、戦術用の兵器にも取り入れられておる段階に来ておるのじゃないかと思いまして、核弾頭の小型化の研究は東西陣営を通じて共通の現象であると思います。
  28. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そのことは、今サイドワインダーは核弾頭をつけられない云々というようなことを、三十三年以来からもあなた方も言われておりますけれども、これらのミサイルというものは小型化が非常に進歩して来ている、それから研究されているということが、いかなるミサイルにも小型核弾頭がつけられるように、大戦争はともかくも、局地戦争にそういう小型兵器が役に立つようにという立場から研究が進められておるわけで、核武装をしないという方針からいくならば、私はこういうサイドワインダーの国内持ち入れというものは再検討されたらよろしい。ましてや月ロケット、それから宇宙ステーションというものが逐次成功しつつありますが、このことはもう地球上のいかなる地点にも、核攻撃が正確に自由自在にできるということを立証するものだと思う。こういう情勢下に、私はサイドワインダーを三十三年、三十四年の事業計画に沿って国内に持ち込むということは了解いたしかねます。これを再検討してもらいたい、それが一つと、それからナイキの問題でありますが、ナイキは近く沖縄の海域で、米軍が相当大がかりな実験演習を初めてやるようです。これは日本の協定区域には関係ないのかどうか。それからまた、この演習には、日本自衛隊から若干人が参加するやに私は承わっておるんですが、それは事実かどうかということと、それからもう一つ最後に承わりたい点は、近く源田調査団長が帰られるようですが、この次期主力戦闘機種の問題も、私は調査団の報告は報告として受けて、再検討してもらいたいと思う。最近の世界の軍事情勢それから急速に進展しつつある科学の進歩に伴う兵器の革新、向上、そういう角度から今、次期主力戦闘機を直ちに決定して、この生産段階に入るということは、きわめて私は慎重な態度をもって臨まなくちゃならぬと思う。ところが、先般小山装備局長が中小企業庁長官に転出したですね。このことは赤城防衛庁長官が相当腹をきめて、事前に小山装備局長を中小企業庁長官に転出させたものと私は推察邪推しておるわけです。私は実は小山さんの速記録を調べて待機しておったわけなんですが、肩すかしを食わされたような具合で、源田さんが帰ってくる前に、装備局長が中小企業庁長官に転出されたことは、私はなかなか深く沈んでいると思うわけなんですが、以上の点について防衛庁長官お答えを願います。
  29. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 沖縄地区においてナイキのアメリカ演習があるんじゃないかということでありますが、私ども正式に聞いておりません。その地域が共同使用区域といいますか、日本の何か権限を侵すような所ではないかというような点も承知しておりませんからお答えできませんが、侵すようなことはないと思っております。また、自衛隊が参加するというようなことは全然ございません。  それからサイドワインダーとか、あるいは戦闘機種等につきましても、国際情勢その他によってやめたらどうかということでありますが、日本自衛隊装備というものは非常におくれているわけであります。でありますので、日本の地理的な状況等からいいましても、やはり戦闘機あるいは防空ミサイル、こういうものを備えていくことは、ほかの国よりもおくれている日本といたしましては、それでもほかよりもずっとうしろの方にいるというようなことで、世界の緊張緩和ということがあるといたしましても、そうその戦闘機あるいは、ミサイルをやめるというようなことに考えなくても、日本としては差しつかえない、こういうふうに考えております。  それから小山装備局長が中小企業庁長官に転出したのは、何か戦闘機種の選定等についての非常に読みの深い私のやり方ではないかというようなことでありますが、別に読みが深いわけでも何でもありません。小山局長は通産省から私の方へ来ておったのでありますが、もう一年前、もっと前から通産省の方へ返してくれ返してくれという通産省からの要求が非常に強かったのであります。ところが、せっかく私の方でいろいろ仕事をして働いているので、だんだんにおくれてしまいましたところ、やはり官庁というのはいろいろな習慣があると見えまして、同じ卒業年度ぐらいのもので、あまりおくれて行くと局長には戻れない。どうしても中小企業庁長官ぐらいの上の方へ戻らなければもう場所がないというような形になって、それの時期を過ぎると今度は戻ってもいすがないというような形になると、こういうような話しでありますから、せっかく有能な人ですから、向うで中小企業庁長官ですか、そういうポストをあけて待っているのだから返してくれと、こういうことでありますので、私の方といたしましても、本人の事情と通産省の関係考えまして転出を承諾した、こういうことで、決して戦闘機の問題との関連とか、読みの深い態度なんということではないので、率直にその通りのことをしたということでありますから、御了承を願いたいと思います。
  30. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 他に質問者がありますから、一応終ります。
  31. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 自衛隊災害派遣について二、三お伺いいたしますが、その前に今矢嶋委員から質問のサイドワインダーに関連して、一つだけお伺いしておきます。これは言うまでもなくアメリカの秘密兵器になっているわけであります。前にはエリコン、今度はサイドワインダー、次にはと、次々と計画しておられるようですが、秘密兵器だから、業者を通さないで米軍から直接自衛隊に引き渡されると思う。そういうことに関連して、防衛庁では現在軍機秘密保護法を検討しておられると思う。これはいつごろ出されるようなことなのか。それともそういうものについては現在全然考えていたい、そういうものは出す意思がないのか。そういう態度についてこの際明確にしておきたいと思う。この点を伺います。
  32. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) この武器等の秘密保護という必要は、私どもといたしましても感じております。感じておりますので、研究はさしております。研究はさしておりますが、まだ結論は得ておりません。でありますので、この次の通常国会等に出すというような意図は持っておりません。
  33. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 伊勢湾台風災害に対して、関係各当局のとったいわゆる無為無策については、国民が強い憤満を持っているわけです。そういう中で自衛隊活動したということは認められるわけですが、その活動についても多くの問題点があろうと、先ほど矢嶋委員から数々指摘があったわけてすが、たとえばこの台風の襲来のあったのは二十六日の夜半であったわけです。ところが、実際に自衛隊活動したのははるかにおくれている。台風の襲来と同事に即刻活動がどうしてできなかったのか。この点については警報なり予報があらかじめあったわけです。こういう点がどうにも私ども納得できないわけですが、その点をまずお伺いしたい。
  34. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 私の方としては全力を尽してやったつもりでありますが、いろいろの御批判があると思います。なお、その当時の出動の模様その他につきましては防衛局長から答弁いたさせます。
  35. 加藤陽三

    説明員(加藤陽三君) この際台風の襲来の当時におきまする自衛隊の行動につきまして御説明しておきたいといます。  先ほど長官がおっしゃいましたごとく、台風の襲来を予報いたしますると、関係部隊全員に対しまして、営内の待機を命じております。防衛庁自体としても、いつでも行動できる態勢に置いたのでございます。二十六日以来、第三管区総監部、これは伊丹でございます、及び第十混成団、これは守山でございます、第一管区総監部、東京、これらの部隊は、それぞれの府県庁に連絡員を出しておりまして、いつでもこれは携帯無電機を持って行っておりまして、さらに私どもの方といたしましては、警察局及び気象台等にもそれぞれ携帯無電機を持たして連絡に出しておったのでございます。そうして逐一県の方等との情報と総合いたしまして、いつでも出れる態勢にありますものから、要請に応じて逐次出ております。  二十六日当日は、約三百二十名出ておるのであります。これは兵庫県に六十名、京都府に二十二名、奈良県に六十名、愛知県に六十名、それから山梨県に六十名、約三百二十名が二十六日に出動しております。  二十七日になりましてから、大規模な出動が始まったのでございまして、二十七日には、陸といたしましては、東京で、荒川方面に堤防補強等のために二百名、山梨県に二百六十名、それから第三管区総監部といたしましては、奈良、京都、大阪、滋賀等に千二百二十名、第十混成団は千四百名、それから第九混成団が青森県の堤川の堤防の補強、福島県の会津若松の堤防の補強等にそれぞれ百名及び二百三十名など、合計三千四百六十名というものが二十七日には出ておるのでございます。同日に、飛行機十二機、車両三百十五両、舟艇一隻、これは二十七日に舞鶴から兵庫県の豊岡に一万食の糧食を運びました。  二十八日になりますと、さらにその後の状況が判明するにつれまして、逐次必要なる物資装備等を増強して参りました。もっとも、二十八日になりますると、京都、大阪方面は、淀川の堤防の補強が成功いたしまして、幸いにいたしまして溢水いたしませんでしたので、これらの部隊は引き揚げておりますが、総計といたしましては、二千五十名ぐらいになっておりますが、車両の数は三百三十五両、飛行数は、ヘリコプターを含めまして二十二機、二十九日には、また人数をふやしまして、四千二百名、飛行機二十八機、舟艇十一隻、車両三百三十五両というふうに逐次増強して参っておるのでございます。  で、自衛隊出動がおそかったという点でございますが、私どもは、今の段階自衛隊の体制、組織、何と申しますか、自衛隊法上の建前からいたしますると、あれよりもっといい手段がとり得たかと申しますると、なかなかむずかしかったであろうと思います。しかしながら、災害復旧人命救助とは、私は分けて考えなければならぬと思う。災害復旧は県なり建設省なりの全体の計画にマッチしてやらなければなりませんが、人命救助は、これは一刻を争うものでございます。今後何とかして幾らかでも早く人命救助出動できるようにしなければいけない。そういう点については、さらに今までの教訓を参考にいたしましてよく検討してみよう、こういうふうに考えておる次第でございます。
  36. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 災害台風の襲来したのは、今申し上げたように二十六日の夜半ですが、赤城長官出動部隊の総指揮官等を帯同して立川を出発されたのは十日一日、台風襲来からすでに五日もたっておる。まあ長官としてはとにもかくにも、出動部隊の総指揮官が台風襲来から五日もたって指揮の任に当るということについては、どうも準備がはなはだ悪かったのではないか。総指揮官がいないで、どうして手が打てようか。しかも、五日も経過しておる。しかもなおかつ警報、予報については事前にもうわかっておる。こういうことで、今防衛局長からも説明がございましたけれども、まだまだ準備態勢が非常に遺憾であったのじゃないか。こういうふうに私どもとしてはとっておるわけであります。その点を一つ
  37. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 災害がやってきましてから、刻々と現地の情勢を聞き、またこれに対処しておったのでありますが、なかなか広範にわたっておるということでありますので、今まで現地の近くの部隊だけで災害救助に当っておったのでありますが、それでは総合性も欠けるということで、海の方も空の方も統合して陸海空と、この部隊を統合するものを作って、その指揮を陸幕の副長に指名しまして、そうして現地に対策の本部を設けることにいたしたのであります。それが二十九日でしたか、三十日であったかと思いましたが、そういうことで、今のお話しのように、そういう点では少しおくれたかと思います。そういう点がありましたので、また全体的に現地にも踏み込めるという情報がありましたので、私も一口に行きまして、現地におりまして、自衛隊を激励したり、被災者に被災の慰労といいますか、そういうことに出かけたわけであります。そういう点におきまして、いささかおくれたきみもありますが、おくれを取り戻して、その後の活動はまたできるだけやっておるつもりでございます。そういう点もお含みの上御了承願いたいと思います。
  38. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 自衛隊法の第三条で、災害出動が従たる建前にあるということは、よくわかりますが、この自然災害日本地理的宿命だということになれば、これは、この災害出動をどうしても主たる目的に加えるべきであるし、また、当然そうなければならぬと思う。これは毎年々々繰り返され、程度の差こそあれ、日本というこういう地理的な条件から、必ず将来あるということに備えるためには、この災害出動も主たるものに変えべきである、そういうふうに痛感するわけでありますが、この点いかがですか。
  39. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 自衛隊の存在、あるいは構成、そういう点から申し上げまするならば、やはり自衛隊としては、直接及び間接の侵略に対処し、必要に応じて公共秩序を守るという第三条の任務が主任務だと思います。しかし、先ほどからお話しもありましたように、年々歳々災害のある日本であります。また、自衛隊法あるいは防衛庁設置法等につきましても、災害救助等のために出動するということが、派遣という名前でありますが、きまっておりますので、これは再々申し上げまするように、運営上十二分にその機能を果すようにいたしたいと思います。でありまするので、それに対処するためには、先ほど矢嶋委員からも御指摘がありましたように、自衛隊装備あるいは訓練出動時の態勢等につきましても、いつでも出られるような態勢をとる。出た以上は、十二分に機能が果せるようなことにしていきたいと思います。この問題も私は自衛隊内部に指示しておいたのですが、どこに災害があったときには、どれだけの部隊を、どういうような機材をどういうような輸送でできるかというようなこともあらかじめ作っておいたのであります。東京地区に起きたときにはどう、九州地区に起きたときにはどう、いつでも出られるようなものを十二分に作っておくようにということを命じておいたのであります。御趣旨の点は、運営の点におきまして十二分に果していきたい、こう考えております。
  40. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 運営の面で幾らでもカバーできると、そういうような意味の御意見だったと思いますが、これはやはり言うべくしてなかなかむずかしいと思うのです。で、はっきり主たる目的に入れておいて、そうして常時徹底的に待機の姿勢にあり、事前に計画を立て、災害に先立ってこれを開始する、こういうことの方が筋も通るし、また多くの人命財産にかかわる重大な問題であるから、ぜひそういう点について再検討する必要があろうと思います。ここで、それでは主たる目的に入れますと、そういうことは言えないと思いますが、今後十分課題として検討の要はあると思いますが、その点いかがですか。
  41. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) お話しの点は、なお検討いたしたいと思いますが、現存のところでは、建前からいって、法の建前、あるいは自衛隊の建前からいって申し上げますならば、現在の方が筋は通っておる。しかし事実上は、やはり災害につきまして、どうしても出動して救助に当るということは、年々歳々当然行わなければならない、また行うべきだと、こういうように考えております。御趣旨の点は、なおよく検討いたしたいと思います。
  42. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 今度の救助活動については、ヘリコプターとか舟艇が非常に重要な役割を果しておるわけです。それをたくさん持っておるのは、自衛隊だけなわけです。そこで、毎年この災害のつどアメリカ軍の救助を承認願っておるわけですが、この際自衛隊ヘリコプターとか、舟艇を十分充実して、いつまでもアメリカ軍にたよらないで、自衛隊独自でりっぱに国民要請にこたえ得るように態勢を整えるべきであると思う。この点はどうですか。
  43. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) そういたしたいと思っております。
  44. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 赤城防衛庁長官自衛隊に関するきわめて具体的な問題で一点だけこの際質問しておきたいと思います。九月の下旬から十月の上旬にかけて、院の出張ではないのですが、奄美大島を私町村の財政状態を調べに回ったのですが、その際に向うに行ってみますと、この海上自衛隊基地の問題で相当村民が騒いでおるのを聞いた。幸い私、内閣委員関係がありますので、財政問題よりもその問題の質問に実は忙殺されたような状態です。と申しますのは、実は九月の七日でございますか、新聞をここに持って帰っておりますか、奄美大島の各地方紙にひとしくこの問題で記事が載っておりますが、九月七日に自衛隊が名瀬に着いて、安藤平八郎という総監ですが、その人が実は大島支庁で発表しているのですが、記事をちょっと読んでみますと、「海上自衛隊は奄美大島本島に四十人程度が駐留する補給基地とレーダーを設ける計画をもっており、先に下調査がおこなわれたか、安藤総監はこれについて候補地を視察し、地元の声をきく目的で来島したもので、大島支庁でつぎのように語った。まだきまっていないか、三十六年度予算で飛行機や自衛艦の補給基地を設けたい」、こういう趣旨のことを発表しておるのです。それで私ちょっと回りましたが、特に古仁屋地方に参りますと、前に海軍の基地があって、また、陸軍の弾薬庫があって、しかも土地を接収され、収用されてしまって非常に苦しんだ経験があるので、ことに、向うは御存じのように、カツオのえさ場が多いのです。漁民はもう戦々きょうきょうとしておるのです。こういうことを安藤総監ですか、そういう人が言われておるのですか、この事実について、防衛庁責任者としてはっきりとここでお答えいただきたい。そういう計画があるのかどうか、この点を一つはっきりしていただきたいのです。
  45. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 奄美大島の古仁屋地区方面から、ぜひ海上自衛隊基地を設けてほしいという要望が、ずっと前から相当強い要望がありましたので、安藤総監が視察に行くということを、私九州の鹿屋に視察に行ったときに、安藤総監と一緒になりましたときに、安藤総監から聞きました。それで適地がどこかということを視察に行くということでありましたから、今お話しのように視察に行ったと思います。防衛庁といたしましては、非常に地元の要望もあり、また必要なものだというふうに考えて、三十五年度の予算に、奄美大畠に海上自衛隊基地を置くことを要求すべく準備を進めておるわけであります。今のお話しのように、漁民の方に戦々きょうきょうたることがあるというお話しでありますが、もしも設けるということに確定いたしました場合には、そういう点には十二分に注意いたしたいと思います。また、その漁民の話は今初めて聞いた話なので、私も承知しておりませんので、設けてくれ設けてくれという方のお話だけは聞いておりました。よく検討の上に、やるならばやるということにいたしたいと、こう思っております。
  46. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 今の、防衛庁長官が非常に設けてくれという要望があると言われましたが、私ちょうど行ったときに、瀬戸内町の町議会が開かれておったのです。議長にもお話をしたけれども、全然そういうことを言っておらない。しかも、私は古仁屋地区も視察いたしましたが、漁民に会いました。会ったけれども、そういうことはもうまっぴらだという声を聞いてきたのです。事実、約十日ほど前に帰ったところなんですが、防衛庁長官はそういうことがあるということを聞いておられるか知りませんが、瀬戸内町の町長は病気で休んでおりましたが、庶務課長とも会いましたが、私はそういうことは一向聞いておりません、私の前でそう言っておるのです。従って瀬戸内町に属しておるのですから、そういう要望があるならば、町の議会なり、そういうところにいくのが当然だと思うのです。あるいはそういう要望があっても言わなかったのかもしれませんけれども、もしそういう要望があるならば、防衛局長もおられますから、どういう要望があったか、文書で示されたら示してもらいたい。
  47. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 詳しいことは防衛局長から御答弁申し上げます。
  48. 加藤陽三

    説明員(加藤陽三君) 奄美大島の件でございますが、二、三年前と思いますが、これは瀬戸内町ではなかったと思います。島内の名瀬方面の地域だったと思いますが、置いてもらいたいという要望がございました。それから当時奄美大島選出の代議士の方からも、そういう御希望があったのであります。私どもといたしましても、奄美大島は日本防衛上非常に大事な地域でございます。海上の防衛等を考えます場合におきましては、ぜひ前々から補給基地等を置きたいと思っておりましたので、いろいろ検討しておりましたが、いよいよ来年度あたり予算要求して実現をいたしたい、こういうふうに考えていた次第でございます。
  49. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 向うから出ておられる代議士とは保岡代議士のことだと思うのです。特別区から出ておられますが、私行きましたけれども、あの人がそこへ一回も来たことがないといっております。私住用村に行きましたけれども、どういう希望であると代議士が言われたか知りませんけれども、それはほんとうの住民の声でないと思うのです。ことに陸軍の弾薬庫を見ましたけれども、膨大な弾薬庫があります。あれがもう払い下げになってしまって、非常に住民もほっとしておる。その際に、そういう基地ができるということで、そういう形式的な希望とか、そういうものでなくして、ほんとに民主的なら、そこに住んでおる一人々々の意見というものを十分取り上げてもらいたい。しかも、自衛隊調査について支庁で尋ねたところ、もし、ここでそういう基地を作る場合には、反対闘争が起るかどうかということも聞いておるらしい。きわめて自信がない。従って、防衛庁として今重要な当地の必要なところと言われますけれども、私が回りましても、きわめて平和的なところで、隣りに沖縄が近い。与論島からわずか二時間で船が来るところです。そこにそういう海上の基地を作る。自衛隊基地を作ることは、今日、冷戦が雪解けだと言われておるのに、国際的にも刺激するのじゃないかと思う。二十七年に復帰した奄美大島は、きわめて平和的にやっておる。民度は低いです。政府の財政資金の投資が非常に少いから民度は低いけれども、平和的に復興しようという希望がきわめて強い。そこへそういう基地を持っていって刺激することは、私は反対であるし、そういう計画があるならば、もう少し住民の意向を聞き、具体的にこういうものがあるということを示してもらいたい。従って、今日は時間がないし、これ以上追及いたしませんが、そういうことは防衛庁長官はもっと根深くその点を考えてもらいたい。私は、反対でございます。
  50. 辻政信

    ○辻政信君 私は災害直後の名古屋を視察をいたして参りましたが、その体験から二、三質問したいと思いますが、きょうの質問の中で重点は総理大臣であります。委員長にまず申し上げますが、午後は万難を排して総理大臣をお呼びを願いたいと思います。関連しまして、赤城防衛庁長官に二、三の視察の結論からお伺いしたいと思います。結論を先に申しますと、出動した第一線の隊員は非常な困難な状況で、きわめて熱心にやって感謝をされております。これが結論であります。ただし、防衛庁の首脳部の準備、計画、指導において不十分な点が多々ある。これは免れない大きなミスであります。  まず最初にお伺いしたいことは、赤城防衛庁長官が、ある新聞によると、二十六日の夕方、川島幹事長、岸総理とともに相撲を見に行っておられるようであります。これは事実でありますか。
  51. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 相撲の終りころに十分ぐらいちょっと出ました。それは事実です。
  52. 辻政信

    ○辻政信君 そういうことを取り上げてあげ足をとろうというのじゃない、私の質問は。ただ、これが二十六日の午後一時ラジオを聞いて驚いた。それは空前の台風が紀伊半島方面に上陸する。しかも、その中心示度が九百十ミリバール、半径四百キロ、風速六十メートル、こう申しますと、常識では今まであった台風のいずれよりも大きい。これか上陸した場合の惨害というものは、身の毛のよだつような結果が予想される。紀伊半島でなくて名古屋に上ったのでありますが、そういうことを御承知の上で、総理大臣以下相撲を見に行ったのだろうと思うが、それならば、なぜ相撲を見に行く前に、防衛庁の首脳部を集めて、この台風は容易ならぬぞ、全国的にこういう計画をせよという指示を与えたかどうか。
  53. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 御指摘されるまでもなく、十二分に指示を与えて、ちょっと二、三十分ばかりひまを見て行っただけですから、この点は御了承願いたい。
  54. 辻政信

    ○辻政信君 それで具体的な問題に入っていきます。これは読売新聞に出ておった、私も同じことを見ましたが、読売の記者の書いた中に、「隊員のつぶやき」というところで、「京都の施設部隊の一佐が泥まみれで働く一人の隊員をながめながらこうつぶやいた。「ふだんなまけ者の代表のようなあの男が人がかわったような働きぶりをしている。戦争を目標に鉄砲撃ちを習うより、気の毒な同胞を助ける方がどんなに楽しいのかもしれない。」と書いてある。まさにその通りであります。私は、名古屋で一番ひどかった南陽町、水びたしになった南陽町を、直後、小さなボートをこぎながら見たわけであります。人間と犬と鵜の死体がぶくぶく浮いておる。腐臭が立ちこもっておるのでありますが、その中に、守山部隊でありますか、隊長以下四十名くらいのものが、鉄舟二隻をもって樹林運搬、被災者の救護をやっております。そのときに考えたことは、もう少しあなたの方で、ふだんから災害指導の詳細具体的な計画があると、もっとできた。あの鉄舟に乗る兵隊さんは、鉄のびょうのついた皮ぐつをはいておる。これじゃ舟をこぐことはできません。なぜ、地下たびをはかぬか。それから鉄かぶとは要らぬ、たまは来ないから。重い鉄かぶとをかぶって、鉄のびょうのついたくつをはいて鉄舟をこいでおる。また、そこに死体がころがっておる。鼻をおおわなければならぬような腐臭がしております。そこに、だれが一体死体の始末をするかと見ておりましたら、飛び出していった高等学校の学生、まだ十七、八のかわいい少年たちが、そのふくれ上った死体を、ゴムの手袋をはめて、くさくないようにマスクをしてやっておるときに、残念ながら、川岸に待機しておった自衛隊は、たばこをふかして腰をおろしておった。これは一つの例であって、全般というのじゃありませんが、ああいうものは、むしろ、死傷が出る、その死傷者をまず大事に取り上げて、隊員みずからそれを始末するという気がまえ、これをもう一つ吹き込んでいただきたい、こういう感じがするのであります。そうしたところの心がまえの教育ができておらない。かわいそうに、学校を休んだ学生が、あのぶくぶく太ったやつを、手袋をして始末をしておる。そこに、たばこをのんで腰をおろして見ておる。これじゃいけない、こういう感じがするのであります。  もう一つお伺いしたいことは、あの時期に、海上自衛隊が太平洋で演習をしておる。これはどういうわけで、あの時期に太平洋で演習したか、それをまずお伺いしたい。
  55. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 前段、自衛隊員の災害等についての心がまえ等につきましての御注意は、まさにその通りで、注意いたしたいと思います。まだ日ごろのやはり心がまえという点に足らぬ点もあるのじゃないか、こう思っております。  第二の、海上自衛隊災害の時期に演習をしたのはどうかということであります。実は私もこの演習につきまして、海上幕僚長からどんなものだろうかということを話を聞きました。そこで、一体、海上自衛隊として災害出動しておるのはどれくらい出動しておるかということをよく聞いたのであります。海上自衛隊として、当時、艦艇といたしまして救援に出ておったのは、災害の性質上、被災者の輸送、それから交通連絡、物資輸絡、こういうのが中心でありましたので、揚陸艇、掃海艇、双発ヘリコプターが主体となって出ておったのであります。それらが横須賀を中心とする各地方隊練習群、第一掃海隊群を主といたしまして、アメリカ軍の協力も得ましたが、演習予定部隊の中からも艦艇二十五隻が災害救助に出ております。雑船を除いてそれだけ出ております。ヘリコプターも三機出ておりますし、人員も一千百名救援に出ております。救援の方におきましては、もう海上自衛隊としては、その程度が救援の限度であります。一方、この東京湾における演習は、船団護衛、防空訓練、港湾防備、通信演習等を主とした重要なもので、平常は個別的に訓練しておりましたが、総合的に仕上げる年一回の計画であったのであります。中部災定日対策本部とも連絡をとってみたのでありますが、演習もやはり一つ災害に対しての演習と関連をいたしまして、やはり災害出動してない者の演習というものは海上自衛隊のためにも計画としてやった方がいいのじゃないか、実は私がそういうことを言いましたので、海上幕僚長も迷っておったのでありますが、災害救助に行っておるものを除いて演習をやったわけであります。でありますので、災害の方は十二分に尽す。演習演習の方でやるという建前でやったのであります。ただ、今のお話しのように、感覚から見ますと、災害を一方でやっているのに、演習をしてのんきじゃないかというような御批判は、あるいは当たっておるというか、そういう点もあるかと私も考えました。しかし、計画したことでありますので、そういう御批判はあるかもしらぬが、救助の力にも差しつかえないように相当行っておるということであれば、演習も少い艦艇だけで、年に一回だからやっておくように、こういうふうに命令したわけでありますが、御注意の点はよく考えております。そういう関係もあって、よけいなことでありますが、十一月一日に、自衛隊の記念行事を毎年パレードを行って東京都内などを相当にぎやかにやることになっておるのでありますが、まだ部隊も十二月ぐらいまで出ておる、こういうことでありますので、今お話しのようにことしは中止する。それから大阪、名古屋の方も中止する。あとの部隊部隊ごとにやるように、こういうことに命令といいますか、措置をいたしております。いろいろの御注意の点もよく頭に置いているわけであります。御了承願いたいと思います。
  56. 辻政信

    ○辻政信君 海幕長でちゅうちょした方が、私は正しいと思う。それを決断を下した方が間違いである。それはなぜならば海上自衛隊から出動したのは、小型舟艇が四十四隻、人員にして下二、三百という程度であります。それだけでいいのかどうか。おそらく演習をやった駆逐艦は、警備艇はボートを持っておったのじゃないか。ボートをおろして演習はできないはずだ。この大海上自衛隊がほんとうに、災害者が何よりもほしい、船がないためにどういう事態が起っておるか、なぐり合いまでして船を奪い取る。またボートをつないでおくと盗まれるから、鎖でつないでおかなければならぬというようなさんたんたる状態であります。大海上自衛隊がボートから小型艦艇を集めて四十四隻とは何ごとだ。駆逐艦にボートを積まずに行ったのかどうか。演習をやる場合に、なぜボートをおろさない。もう一つは、人員の問題であります。私は災害地を視察して帰って、あなたに電話して申しあげたことは、この災害は容易ならぬことだ。二十五万の自衛隊のうち、十万くらいは動員しなさい。こういうことを電話で直接あなたに申し上げた。それは、この災害一つの戦争に比較して見るというと、ノモンハンで四カ月に出た死傷と、一晩のうちに出た死傷ととんとんであります。これぐらいの大災害、そういう気がまえがあるならば、海上自衛隊とか陸上とか空幕じゃない。二十五万のうちの十万も出動していない。そしてあの決壊堤防は人海戦術で埋めるのだ。高等学校の学生が学校を休んで土のうかつぎをやっている。それを一方自衛隊演習して涼しい顔をしている。災害出動は、海上幕僚の自衛隊任務でないという考えであったら、間違いである。なるほど駆逐艦は使わないでしょう。隊員数万のうちに、土のうかつぎさせてもいいはずだ。もう一つ言いたいことは、あの陸上自衛隊が一隻の鉄舟をこぐのに二十人使っている、しろうとだから。そうすると、船の余席がない。食糧を積んでいっても兵隊が多くて積めない。避難民が乗ろうにも兵隊が一ぱいで乗せられない。海上自衛隊専門家が行ったら、四人であの鉄のボートはこげるはずです。そういうところから見ましても、私はこの大災害に対しては、海も、空も、陸も、政府も民間も全力をあげ、やれ。大阪の消防隊と東京の消防自動車は自衛隊よりも早く出ておる、車両部隊よりも。これは何も政府が命令したのじゃない。地方の消防団でさえ大阪からかけずり回ってあの救助に協力をしている。そういう意味から申しますというと、私はすべての演習をストップして、留守隊だけを残して十万の者を出動させなさい。これからでも、あの跡始末は大へんですよ。それを単に一時の臨時の工事だけで、永久の工事には知らん顔をしておるというのじゃいけない。中共が准河の治水をやったときには、二百万の軍隊を動員しております。それが数百万の民衆とともに、あの歴史的な准河の治水工事を完成しておる。こういうところから見ると、今こそ自衛隊装備訓練すべての点において災害をいかにして守るかということに今努力を注ぐべきものだと思う。その決意はございませんか。
  57. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 先ほどから申し上げておりまするように、災害に対して十分の措置をとるべく活躍もしてきましたが、なお将来につきましても装備訓練等に力を十分い入れたいと、こう思っています。今お話しの十万ぐらいを投入したらどうかと、これはもう戦争の経験者である辻委員に申しあげてはどうかと思いますが、どうもノモンハンとあれとは違うと思うのです。死傷者は出たのですけれども、あとからあとから出るというわけじゃないので、それからまた災害個所も、あとからあとから広がるというわけでなくて、一定の個所であります。そういうとでありますので、一応私の方として対策本部というものも、政府の方で作っております。そうして、地元と一応話し合いもいたしまして、どことどこをせきとめすればいいとか、あるいは救助の方面はどういうふうに担当したらいいか、この検討をいたしました結果は、今、御承知のように一万数千人等で、私の方の受け持ち分担は相当やっていける。こういうことでありますので、せっかく御注意があって、私も十万ぐらい出せないかということでいろいろやってみたのですが、十万出したのでは、非常に余ってしまうといいますか、今のような人海戦術であの当時まだやれる段階ではなかったのであります、水をかぶっておりまして。そういうことでありますので、今の計画のようにいたしたのでありますが、お考えの点は、御趣旨の点は私どもよく参考といたしてこれからも対処していきたいと、こう考えております。
  58. 辻政信

    ○辻政信君 私が今、ノモンハン事件を出したということは、戦争と水害を比較したのじゃないのです。この大水害に対しての政府の考え方がなまぬるい、こういうことを言っておるのです。しかも、四カ月の死傷と同様のものが一夜にして出ているということは、容易ならぬことだ。工場がやられ、道もやられる、堤防は決壊しておる。なまやさしい対策じゃできない。だから常識論であなたと、議論しようとするのじゃない。ほんとうに非常事態だということの認識をもってやってもらいたい、こう思うのであります。十万を出動さして人が余るとおっしゃったのは、とんでもないことですよ。人が足らぬからこそ、高等学校生徒が学校をやめて、そして、何千人、何万人動員されておるのであります。土建屋は文句言います。土建屋はこのどさくさにもうけようとするのだから。それを国の費用でやる災害対策には、国の唯一の組織体であるところの自衛隊が、国の予算と一緒になってあすこの永久的な工事までやる。土建屋にもうけさす必要はないじゃないか。こういうことを実は申しあげたかったのであります。  それからその次に申し上げたいことは、この装備の問題、現在自衛隊が戦車をたくさん持っておるが、その戦車が部品がないために、こわれて動かないやつがあるはずだ。加藤君どのくらいありますか、えんこしておる戦車の数。
  59. 加藤陽三

    説明員(加藤陽三君) ただいま手元に資料を持っておりませんので、正確なことは申し上げかねますが、当初八百両余りあったわけです。それをM4というやつを廃棄処分にいたしまして、その部品を使うことにいたしまして現在は七百二十両ぐらいございます。当初八百余両ありましたときには五〇%ぐらいとまっておりました。今は廃棄した戦車の部品を使っておりますので、それは上っておるだろうと思います。ただいま正確なことは申し上げかねます。
  60. 辻政信

    ○辻政信君 私の調査したところじゃ少くもえんこしておる自動車が四、五百両と見ておる、使えないのが定数の半分とみておる。こいつを簡単にブルトーザーに改造することができるはずです。そうすると、五百台のこわれている戦車をブルトーザーにすると、一県当り十台のブルトーザーを配置することができる。現存自衛隊は、各県に作業隊を出そうとしても、わずかに装備数は五台しかない。あるいは六台、それじゃ足りません。こわれた戦車を雨ざらしにして、古鉄にしてさびさせるよりも、なぜあれを、五百両というものをブルトーザーに改造して、各県に十台というものを持っていけばできるのにやらないか。また、そういうものを直轄部隊に渡せば、復旧作業に十分に威力を発揮できる。これをやり出せば、ブルトーザーを作っている会社からあなた方に横やりが出ますが、これを廃棄して捨てているよりも、敢然と生かすことをなぜ考えないか。
  61. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) よく検討してみます。
  62. 辻政信

    ○辻政信君 検討ということは、その趣旨に沿うという意味で検討なされるのか。ただ調べてみるという程度では私はできないと思うのです。いかがですか。
  63. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) もちろん、その趣旨に沿うて検討するのでありますが、その検討ができるのかできないのか、結論はわかりません。検討する以上は、やってみたいという気持で検討するわけであります。
  64. 辻政信

    ○辻政信君 自衛隊の今後のあり方について、最後に簡単に。災害のたびに自衛隊の株が上っておる、こういわれております。これは裏通すというと、将来の自衛隊災害を救うように作ってほしいという世論であります。これが株が上ったという裏の見方であります。世界の情勢は、言うまでもなく武力戦の手段によらないで、経済戦とか心理戦で政治の目的を達成しよう、こういう方向に大きく動いている。これはだれが何と言っても、動かすことのできない動きであります。これを考えますと、二十五万の自衛隊、これこそそれに沿うように、世界のいずれの国にも先がけてこの国土を、天災から守る、そうして平素の産業開発に協力する。そういう方向に思いきって現在の編制装備訓練考え直す時期に来ておるのじゃないか。こういう感情を持つのは、おそらく社会党だけではあるまいと思います。私自身がそう思っております。近く源田空将が、ロッキードとグラマンの検討を終ってお帰りになります。しかし、お月様に正確にロケットを打ち込むような時代に、それを防ぐことのできないロッキード、グラマンに一千億かかるということを、一体国民が納得するかどうか。その一千億の金があるならば、なぜそれを大阪と名古屋と東京の重工業地帯を、いかなる風水害に対しても守り抜くという大工事ができないだろうか。これを一つ、いずれこれは臨時国会その他を通じて展開して参りますが、おそらく国民の大多数はそれを希望している。古い頭でなしに、世界の新しい動きをキャッチされて、日本が世界のどこの国よりも先に新しい性格のものに作りかえるということを、真剣に検討なさっていただきたい。こういうことを結論として、きょうの質問を終っておきます。  午後は、委員長に申し上げますが、ぜひとも総理を出していただいて、災害に対して総理の所信をただしたいと思います。
  65. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私の賛同した災害関係と、それから今の辻委員のに関連して、最後に若干意見を申し上げて伺いますが、どうもあなた方の認識は足りないと思うのです。自衛隊の下級隊員には、自分たちは土方じゃないぞという考えを持っている人が相当おるのです。直接僕が知っている下級の自衛隊員から話して聞いたのです。いつまでもああいうところに派遣させられることはいやだ、自分たちは土方じゃないんだ、こういう意識を持っている隊員はかなりおります。それから幹部の隊員も、自分らの訓練計画というのがあるから、でき得れば出したくない。要請があってやむを得なければだけれども、でき得れば出したくない、派遣したくないという、こういう気持を上級隊員は相当持っておるということを忘れてならない。それから、私もあの新聞を見て、海上自衛隊訓練は、相変らず自衛隊考え方を改めないなと思ったわけですが、ということは、数年前に日航の飛行機が駿河湾で遭難したときに、みんな一致して捜索しているときに、あそこで敵前上陸の演習をやった。そうして午前中海上自衛隊が敵前上陸の演習をやって、それを終って打ち切って、これから遭難捜索だといって切りかえた。その当時僕はこの委員会で、何ごとかと育ったんです。なぜその演習を直ちに日航機の捜索に向けぬか。一方で捜索しているのに、あそこで予定だといって敵前上陸の演習をやって、それが終ってから、これから遭難救済に協力するという命令を出している。そうだと、今度の海上自衛隊演習なんというものは、結局自衛隊法の三条からくると思うんです。だから午前中聞いたわけです。自分らは、でき得れば出したくない、自分らは十方でない。一方で飛行機が沈んでおっても、敵前上陸の演習をしている。先ほど辻委員が言ったように、予定通り海上自衛隊演習をした。これは自衛隊法の三条の任務からくる。だからあの任務の中に、間接侵略と直接侵略に対して防衛するということがあって、そのあとに緊急な治安維持というのがありますが、そこへ防災というようなことをどうしても入れる必要がある。辻委員の御意見もそうだと思う。それをうたわない限り、先ほど赤城さんはけっこうなことを言われておりますけれども運用面で絶対にいかないんだから、加藤さんの、自衛隊人命救助、復興云々というんですけれども、私はさっきあなたに伺った日本には防災体制いうものの統一されたものが必要だと言ったことを、ちょっと説明しますと、非常に能率の高い、直ちに動ける高能率の防災体制が絶対に必要です。具体的な例をあげると、消防なんかではできないわけですが、今度でもそうなんですが、たとえば例をあげると、十八年に九州に大災害があった。これの具体的な例をあげれば、熊本市に小飼橋というのがある。橋に橋脚があるから、材木がたくさん流れてきてそこでとまって、そこに堤防ができてしまう。そこへ水がどんどんくるわけです。これは危ないというので、はらはら思っているけれども、消防では爆破できない。地上の火事だったら、今の消防は廊下などは引き倒しますが、そのときにだれにその権限があるかわからないけれども、そういう対策が必要である。小飼橋を爆破すれば、一方はこわれない。ところが橋だけ残っている。一方は多くこわれて、そこから水がさっと入って、何百戸、何千戸というものがやられて、人命が失われる。去年の狩町川もそうです。長岡駅から長岡温泉に行く途中に材木が流れてきて、それがとまって堤防になった。橋は残ったが、土手がこわれてしまって、田畑と家屋と人命がやられてしまう。今度は大阪だって高潮が強かったから、材木の被害というものが大きい。そういうときの命令系統をはっきりすべきだ。この際この橋を爆破することによって、堤防の破壊が食いとめられるという場合に、爆破作業をやるという防災体制ができなければ、最近建設省で橋脚の少い橋を作るというように方針を変えているけれども、それだけでは救われないと思うんです。だから今の加藤さんの、人命救助だけで云々だというようなことでは、僕は不十分だと思います。そういう点で防災体制というものが必要である。それには装備訓練も要るであろう。その根本は、どうしても自衛隊法の三条というものにメスを入れなければ解決できない。こういう立場に立っているので、検討される用意があるかどうか。あなたが腰をきめて岸さんに言ったら、必ず岸さんはやると思う。それをやらない限り、自衛隊が愛されるということはない。私ども社会党が現地へ行って演説をじゃんじゃんぶってごらんなさい。岸さんとか赤城長官はけしからぬのだ、自分たちの税金をこんなにしておって、いつ役に立つかわからぬものにこんなに使っておって、われわれが救助費を百円に上げたような、一日の炊き出しの費用が七十五円、今度厚生省がようやくそれを二十五円引き上げて百円にしたが、そんなものを与えておったら栄養失調になるぞというんですけれども、そういう所に矢嶋が行って演説をやってごらんなさい。そうしたらなるほどそうだということになる。国民はその通りだと思います。だから僕は検討されるに位するものだと思いますが、もう一回お答え願って関連質問を終ります。
  66. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 自衛隊の下部の者が、土方扱いされるのをきらい、あるいはまた幹部の者が災害出動を避けるという傾向があるのじゃないか、こういうことであります。そういう傾向もあったと思います。まあ、自衛隊よけいなものだ、出しゃばって来てもよけいなやつらが出てきたというふうに、初めのころはかねがね言われておったものですから、そういう関係から何となく土方をやりたくなかったり、あるいは本来の仕事をしたいという気持があったかと思います。しかし、最近におきましては、矢嶋委員が非常に激励、また何といいますか感謝していただいておりますようなことになっておりますので、隊員としても土方だということでなく、やっぱり災害救助に当り得るのだ、当っておるという誇りと、また幹部といたしましても、この間の災害等につきましても、私毎日集めて報告などを聞いておったのですが、災害出動を避けるということでなくて、むしろ長期間にわたって災害復旧等にも当るという幹部の意気込みでありますので、今度も十二月くらいまではかかるだろうという予想のもとに出動しておるわけであります。それは決して自衛隊法の法律上の問題ではないと思います。でありますので、こういう議論を、隊員もきょうの委員会の議論のようなことを承われば、ますます気持をよくして助災等に出動する気持になりまするし、幹部もそういうことにつきましては、率先して派遣するというような気持に相なろうかと思います。そういう点で装備訓練等を充実して、いつでも万全を期するようなことにやっていきたいと思います。そういう事実が積み重なってきて、御趣旨のようなことにも、また考えるときがあると思いますが、現在の段階におきましては、やはり第三条に言っておりまするように、主任務というものは主任務としておいた方が、現存段階においては私はよかろうとこう考えておりまするが、御意見の点もいろいろありまするので、なおさらに深く考えてみたいと思います。
  67. 下村定

    ○下村定君 本日は防衛庁長官以下、防衛庁のお方だけ御出席になっておりますので、自然に質問や御意見等が防衛庁関係のことに集中するのはやむを行ないと思います。ただ、私新米でございまして、こういう空気はまだ身にしみていないのでありますが、先ほどから拝聴しておりますと、災害出動についてのいろいろな欠陥が、本日のこの席では防衛庁にしわ寄せが来ておるような感じかいたします。これは私ははなはだ残念だと思います。いずれほかの委員会でも、それぞれの政府の方に向って御質問や御批判があると思うのでありますが、このままこれが巷間に伝わりますというと、自衛隊員があれほど困難を冒してやっておるのに、批判ばかりが出たということになっては、気の毒だと思います。そういう意味において一言述べさしていただきます。  先ほどから各委員の方からきわめて適切な具体的な御意見が出ております。私もその中にはうなづけることがたくさんあるのであります。自衛隊として大いに反省を要する点もありましょうし、また今後災害等の場合、あるいは平時の公共事業につきましても、自衛隊はもっともっと積極的に協力していただきたいという念願に私は燃えております。しかし、今度の災害で救護が行き届かなかった、あるいは処置がおくれたということは、私はこれは自衛隊だけを責めるべきものじゃないと思う。国家として、中央においても地方においても、こういう場合に対する総合的の計画と準備がなかった、これが私は根本だと思います。ぜひこの点は一つ将来これを契機として改善していただきたい。  同時に、自衛隊は、先ほどからお話しのありましたように、その目的に沿うために必要な編制装備を改善して、今後もしこういうことがありましたら、御批判のないようにりっぱに働いていただきたい。が、申すまでもなく、現在国際情勢緩和ということが伝わっておりますけれども、いかんせん、最小限の自衛力を持つということは、これは絶対必要です。その意味におきまして、自衛隊の使命、任務ということには、おのずから軽重本末があると考えるのです。今次災害につきまして、災害経験によって編制装備を改善し、さらにこういう方面の協力を進めるということは、もちろん私も念願するのでありますが、先ほどから一、二御意見の出ましたように、災害救助や、その他のために自衛隊が働くということが、これがもうそれだけの任務になっては、私ははなはだ本末転倒であると思います。どこまでもそれらの総合的な観念のもとに、自衛隊のあり方というものを考えていくべきだと思う。意見を申しまして、はなはだ相済みませんが、心づいたままに申し上げました。
  68. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 再々申し上げておりますように、今度の災害は私どもも十二分に協力したつもりでおるのでありますが、御批判があることにつきましては、私どももいろいろ反省いたしまして、今後そういうことのないようにいたしたいと思います。  それから今のお話しのように、自衛隊編制装備訓練、こういう点につきましても、災害に対処できるような編制装備訓練ということにも、すでにそういう方向に向けておるのでありますが、さらに一そう向けていきたい。一つの例が施設隊等の増強ということもそうであります。それからさっき矢嶋委員からちょっとお話がありまして、加藤防衛局長が人命救助だけで、あとのことはかまわないようなことを言ったのじゃないかというような御指摘がありましたが、そういう意味で申し上げたのじゃないと思います。人命救助が先決だ、しかしその後のやはり復旧工事等につきましても、建設部隊もありまするし、施設部隊もあるのですから、そういう方面は人命救助等が済んだあとでこれは協力する順序を申し上げたと思いますので、建設等につきまして、全然関心を持っていないということではないのでありますから、その点御了承願います。自衛隊任務等につきましても、今お話しのように私も考えておりまして、災害の防除等につきましては、やはり十二分に運営、運用面で期待に沿うようにいたしたい。国防の基本方針を決定されておりますが、その第二項にも民生を安定するということが言われておるのでありまして、そういう面からも十二分にやっていきたい、こう考えております。
  69. 加藤陽三

    説明員(加藤陽三君) ただいま大臣が仰せになりましたごとく、私は今度のような場合に、自衛隊活動を、人命救助とその他の項とに分けて考えることが必要じゃなかろうかという感じを持ったわけでございます。人命救助につきましては、もうできるだけどんどんやっていくということが必要だろうと思います。しかしながら、そのほかの堤防締め切りでございますとか、補強でありますとかいうことになりますと、堤防補強についても、どこをどういうふうにやればいいのかというふうなことは、やはり河川管理者の意見に従わなければいけない。また、今堤防復旧をやっておりますが、それをやるにいたしましても、たとえばその土地が要るわけであります。材料置場とか、あるいは車を交換する所とか、そういうところがやはり今の建前では、災害救助法では府県知事が土地を使用したり何かする権限を持っているわけでありまして、そういうものと連携なしにはできないわけであります。私どもも一々県の方と相談いたしまして、ここにこういう材料置場を県の方で取ってくれ、ここに車を交換する所を作ってくれ、それから材料の運搬をどういうふうにしてくれというふうに頼んでやっておるわけでありまして、そういうのはやはり自衛隊独自ではできないので、よく関係方面と連絡をとってやらなければできない。しかし、牛、人命救助に関する限りは、何事をおいてもやらなければならないという趣旨で申し上げたのであります。
  70. 中野文門

    委員長中野文門君) ちょっと速記をやめて。    〔速記中止〕
  71. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記をおこして。
  72. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 具体的なことは調達庁に伺いたいと思いますが、一言だけ所管国務大臣として赤城さんに伺っておきますが、ずっと本委員会で今まで問題になっておりました進駐軍による損害に対する補償ですね、これは平和条約の発効前と発効後に分けて、そのアンバランスを直すのと、未支給者に対する追加支給、それを次の国会で法律事項として立法提案されるときまったということを承わったのですが、それに相違ないかということ。それからその場合に沖縄の平和条約発効前に損害を受けた人、この人は日本人ですから、当然対象に入れられると思うが、相違ないか。その理由は、御承知通り平和条約発効後は、米軍と沖縄政府、琉球政府との問題で、不十分ながらも関係つけられているわけですが、平和条約発効前は米軍当局としては、これは日本政府が補償すべきものだといって、全部突っぱねているわけです。だから何らの補償を受けていないわけです。従って、今度法律を作る場合には、沖縄の人々に対しては適用されるべきものと思うのですが、それはどう考えておられるか、それともう一つは、安保条約の条文化は、もう終って修正ができぬやに僕は伝え開いているが、行政協定に関しては、まだ若干交渉中だというのですが、これはあなたが所管している調達庁に非常に関係が深いのみならず、国民生活に非常に影響が大きい。行政協定政事問題ですが、これについては調達庁関係の所管国務大臣として十分研究をされ、外交権の行使にその衝に当っている外務大臣等に、十分あなたの意向を伝えられ、努力をされているごとと思いますが、相違ないかどうか。これはいずれは成文化されて国会に出てくると思いますが、その場合には内容次第ではあなたの責任追及問題にもなって参りますので、所管国務大臣として十二分の関心を持ち、対処していただかなければならぬ。伝え聞くところによると、今のところでは非常に行政協定の交渉内容というものは、複雑なだけに不十分なものだということを私は聞いているわけなんですが、従って、あとになってとやかく言っても間に合わないから、事前に国務大臣のあなたに注意を喚起するとともに承わっておきたい。それだけできょうは私は終ります。
  73. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 占領期間中に占領軍による不法行為に基いて損傷を受けたものに対する対策、これにつきましては、毎々お話し申し上げましたように、調査ができ次第この対策をするということを答弁しております。また、私は官房長官時代にこれは立法化したい、こういうふうに申し上げておったのであります。大体調査も終了に近いので、次の通常国会に法律をもってこれを救済といいますか、アンバランス是正をしたいということで進めております。沖縄の平和発効前どうするかという問題につきましては、私詳しく聞いておりませんが、それは中で検討していると思います。これはまだ聞いておりませんが、検討していると思います。それから安全保障条約と関連した行政協定でありますが、この点につきましては、労務関係等につきまして非常に私の方に関係が深いことは御指摘通りであります。大体いろいろ話し合いはしたのでありますが、その後御承知のようにボン協定などができまして、行政協定の内容、西ドイツ政府等との話し合いにつきましてのいろいろ詳しい協定の内容等も私の方に来ておりますので、そういうものとにらみ合して、今までと、またより広範な範囲において労務関係で交渉すべきものを追加しながら、外務省を通じて交渉中であります。いずれ調達庁長官お呼び出しになってお聞きになると思いますけれども、そういうことで進めておりますことを申し上げたいと思います。
  74. 中野文門

    委員長中野文門君) 委員会を暫時休憩いたします。    午後零時二十九分休憩    —————・—————    午後二時三分開会
  75. 中野文門

    委員長中野文門君) ただいまより委員会を、再開いたします。  まず、国家公務員制度、及び恩給に関する調査のうち、公務員の共済年金に関する件を議題として調査を進めます。政府側出席の方は、前田大蔵政務次官及び船後主計局給与課長、以上であります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  76. 横川正市

    横川正市君 私はこれは国会の法案の議決の際に、とにかく法案の内容に盛られなかった点とか、あるいは盛る必要がないが、きわめてこれは大切だという点については、付帯決議事項で国会の意思を行政府へ明らかにしてその実施方を指示したわけですが、先般国家公務員共済組合法改正法案が本院を通過する場合にも、十項目にわたって付帯決議事項がつけられておったわけであります。その中の九項目の国家公務員共済組合審議会と、それから運営審議会、共済連合評議員会の運営については、とくとこれは最終段階でそれぞれ関係大臣、主計局長、給与課長、さらに連合会の役員の皆さんに配意ある取扱いを要請いたしておったのでありますが、この九項目を今十月一日からこの共済法が発足するに当りまして、どのように処置をされておるのか、その点を一つ付帯決議事項に関連をして、まずお答えをしていただきたいと思います。
  77. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) お答えを申し上げます。前国会におきまして、本委員会国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案を可決していただきまする際に、付帯決議がされましたことは、よく了承をいたしております。政府といたしましては、付帯決議の趣旨を十分尊重をいたしたいと考えまして、内容を検討いたしました結果、実行できるものから逐次実行して参った次第でございます。その詳細につきましては、船後主計局給与課長から御説明することにいたします。
  78. 船後正道

    説明員(船後正道君) 共済組合法等の一部改正法案が通過いたします際に、付帯決議が十項目ございまして、そのうち今政務次官から申し上げましたように、政府といたしましては、逐次これを具体化する努力をいたして参ったのであります。たとえば懲戒処分を受けた者に対する給付の制限、これらの点につきまして、すでに政令として処置いたしております。
  79. 横川正市

    横川正市君 各項でなく九項目についてだけ聞いているわけです。
  80. 船後正道

    説明員(船後正道君) 第九項目につきましては、共済組合の制度が職員の相互扶助の組織であることを考慮いたしまして、これが運営の万全を期して進めて参った次第でございます。
  81. 横川正市

    横川正市君 全部の十項目について満足だというわけじゃないですが、時間がありませんので九についてまずお伺いしたわけですが、大蔵省から二十四年の十月の六日に臨時代理の池田さんの名前で、長期給付の掛金率の改訂についてという文書が各単位組合の代表者に出されておるわけであります。さらに三十四年の十月の三日に同じ池田さんの名前で、各単位組合の代表者に、今度は定款の変更についての文書が出ております。これは共済組合法の百十六条の四一項でもって監督官庁である大蔵省が、大蔵大臣がその実施方について、これは監督命令を発するということで出されておるわけでありますが、この二つの文書を見ると、私はどうもこの九項目の運営について非常に相互扶助、社会保険的なこういう性格でもっとよく話し合って運営をしなければならないものと反している事態が起っておるやに見受けられるわけですが、これについて関係の向きではどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
  82. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) お答え申し上げます。ただいま横川委員から御指摘のこの付帯決議、この趣旨といたしまするところは、共済組合制度が相互扶助の組織であるという点を強調してございまして、官も組合もともどもに手をとって相談してそのことを進むべきであるという趣旨だと私は思うのでございます。そういう点からいたしまして、定款の変更等は、これは共済組合法の六条及び十条によりまして運営審議会を開かなければならないということは、これは当然だと思います。ただ私はこの際にこの点が問題になりますることは、共済の運営審議会を各単位組分で招集をいたしましても、その招集に組合側の力が応じてこないというような事態が起りましたので、運営審議会を開くことができない、定款変更ができないという事態に立ち至ったわけでございます。そういう事態に立ち至りました。ところが十月分の給料の支払日が近づいて参りまして、掛金の領収が不能にたるおそれがあるというふうなことで十月の三日に、池田大蔵大臣代理の名におきまして、至急に定款の変更手続をいたしまするように通知をしたのは御指摘通りでございます。さらにまた、十月の六日の閣議におきまして、十月の三日のこの大蔵大臣代理からの定款変更の、要求の指示、通達に関連をいたしまして、すでに各省の単位組合では定款変更中だとは思いまするけれども、何分この給料の支払い日が切迫して参りました。空白状態ができるおそれがありまするので、給与の支払い日までに間に合わない場合は千分の四十四で取り扱って、できるだけすみやかに定款変更するようにということを指示したわけでございます。これはわれわれの解釈では、別に監督命令ではございませんで、閣議の申し合せを、そのままこの文書にして出したというふうに考えておる次第でございます。
  83. 横川正市

    横川正市君 そうすると、これはあなたの方で運営審議会で定款を改正してスムーズな発足をしてほしいというのに対して、その発足をはばんでいる何らかの事態があるわけですね。それはどういうことですか。具体的に一つ説明していただきたいと思います。
  84. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) はばんでおる事実と申しまするか、運営審議会を開きましても、たびたび各組合では運営審議会の招集をいたしましても招集に応じて御出席にならないということが、その原因だというふうに考えている次第でございます。
  85. 横川正市

    横川正市君 出席できない理由は何ですか。
  86. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) どういう理由で御出席にならないか、私どもの方では臆測しかねるのでございます。
  87. 横川正市

    横川正市君 私は先ほど給与課長が九項目についての運用については十分考慮して、その必要な点には配慮を加えて運営をしている。これだけりっぱにおぜん立てしているのに、その単位組合の運営審議会が持たれておらない。これはどうも政府の気持を組合員の人たちは全然これはくみ取っておらないというふうにとれるのか、それともあなたの方で考慮して配意しておると思っておるけれども、これは事実と反しておって、そのなしたことについては参加できないと拒否されているのか、どういうことなのか、前者と後者に分けてどちらですか。
  88. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) 前者と後者というふうに分けてお答えせよということでございますが、とにかくお出ましにならないということでございます。
  89. 横川正市

    横川正市君 これはあれでないですか、たとえば農林大臣とか、あるいは外務大臣とかいう共済の代表者に、あなたの方から閣議の申し合せ事項を文書で通達した、こういうことだけで十月一日からの共済の、新共済制度の発足には支障がないのですか。
  90. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) 成規の手続といいまするか、運営審議会を開催いたしまして、その審議会で和気あいあい裏に定款の変更をやるということが最も理想的でございまして、ほんとうに望ましいことであります。しかしながら、残念ながらどうも十月分の給与の支払い日に間に合わない、空白状態が生ずるというようなことになりましては、これは大へんだということで、結局各省大臣は法の執行と組合経常の責任者であるという責任におきまして、この千分の四十四で給料掛金を控除する、そういうことにした次第であります。
  91. 横川正市

    横川正市君 少しそれはあなたの方では、事態をおかしく解釈しているのじゃないですか。この運営審議会を開かれない理由については全然わからない。しかし、運営審議会で定款改正をしなければ掛金率がきまらない。ところが、それができないから給料日がきたから、一足飛びにきまってない掛金を一方的に差し引く、こんなおかしな運営の仕方が、これが配意、考慮した運営の仕方ですかね。それはちょっと理屈に合わぬと思うのですが、もう少しやはりあなたの方で理由を説明していただきたいと思う。ただ私は、たまたま運営解議会の構成について各省のをずっと資料で見てみますと、たとえば総理府共済組合、これは長官が代表者になっていますわ、それから外務省の共済組合、これは次官が代表者になっております。それから法務省の共済組合、これも次官が代表者になっております。この共済組合の運営は相互扶助的社会保険制度だということから、職員代表というのが当然これは入らなければいけないのに、たとえば総理府の場合には、会計課の課長補佐、これは実務取扱者ですね、それから官内庁では総務課長補佐、科学技術庁では会計課長補佐、それから経済企画庁では課長補佐、恩給局の総務課長、総理府の会計課長、人事院の会計課長、開発庁の会計課長というのがこれが共済組合運営審議会の運営委員になっておるわけです。私はこれがいささか今言うスムーズに審議会の開かれない原因になっておるのじゃないかと思うのでありますが、そういう点については、全然御案内になっておらないのですか。外務省の場合にはアジア総務参事官、文書課長、参事官、経済局の総務参事官、外務職員の委員長が一人、それから文化局の文化課長、そのほか官房長、会計課長、人事課長、厚生管理官、こういうふうな人で構成しておる。それから法務省の場合には、東京地検会計課長、東京地検事務局長、人事課の補佐、公安調査庁総務部職員課長補佐、これと官房人事課長、経理部長、民事局第一課長、刑事局の総務課長、組合を代表するという、委員の資格にきわめて疑わしい人が職員側を代表し、当局の代表者は、これはまあそれぞれそこの責任者が行なっておりますが、私はこういうことは、この組合の審議会のときの審議にこういうばかげたことが起ってくるということは、一つ考えておらなかったのであります。もう少し民主的な組合の代表者というものが選ばれてきて、そうしてそれが組合の運営審議会に参画をするはずだと思っておったのですが、今言ったような各単位組合では組合の代表者ならざるものが組合の代表者になり、話し合いをしておる。これは非常にこの付帯決議をつけた趣旨と違うわけなんでありますが、先ほどの生かして考慮しながらこれを実施したということと食言になるのじゃないかと思うのですがね。その点一つ説明していただきたい。
  92. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) お答え申し上げます。運営審議会が開催されない理由の一つといたしまして、ただいま横川委員の御指摘の審議会の委員、メンバーに組合を代表するものがなっていないという御指摘でございました。私どういう構成でその委員を命令しておるかということを書きました規定がございますが、共済組合の第九条に「組合の業務その他組合員の福祉に関する事項について広い知識を有する者のうちから命ずるものとし、一部の者の利益に偏することのないように、相当の注意を払わなければならない。」もちろん、この第九条の精神に基きまして、各省大臣がこの委員を命令しておるものだと私は思っておるわけでございます。
  93. 横川正市

    横川正市君 その趣旨に反しているのじゃないですか、これは一部の者の代表者ばかりですよ。全体の代表者なら、このほかのたとえばあなたの所属しておる大蔵職組にしても、大蔵職員組合長、全国税の労働組合委員長、税関の委員長、全財の委員長と、職員側を代表する代表者が入っておる。ところがそうでないところは、これは省側の事務系統の中の事務係ですか、事務係が職員側の代表ということでやっておるのじゃ、九条違反だということは明らかじゃないですか、どうですか。
  94. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) ただいま横川委員の御指摘の点でございますが、なるほど外務省の共済組合では、アジア局総務参事官とか文書課長とか発令されております。ところがこれは全体の数と委員のメンバーを通覧してみますると、ごく、外務省であるとか、あるいはその他法務省であるとか、一部の役所で全部の役所ではないように私は思うのでございます。おそらくはこの役所におきましては、この第九条の精神に沿って、これが第九条の精神に沿うものだと思って、おそらく発令をされておるものだと、私は思っております。
  95. 横川正市

    横川正市君 思っておりますと言っても、これは代表していなければしょうがないのですね。これは事実上からいって、私はあなたが言っているように総理府、それから外務省、それから司法、裁判所の組合、それから会計検査院の共済組合、それから刑務共済組合というような、大部分にわたってどうもこの傾向は出ておるようで、一部分じゃないのです。ですからそういう点からいけば、私は少くともこの付帯決議事項の九をつけたときに、前任の岸本給与課長、それから現在の石原主計局長、大蔵大臣がここに列席をされて、運営については十分民主的に運営するという約束事を、再三再三これは確認をして、その確認の上に立って、この共済運営については了承するということになったわけなんであります。ですからこの委員会で審議をした結論と違った共済組合の運営がされておるということは、これはもうわれわれとしてはきわめて心外な出来事なんで、少くともこの九の趣旨に従って、あなたの方ではもっと適切な指示を与えていただきたいと思いますが、これはどうですか。
  96. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) お答え申し上げます。外務省は、私も実はこの外務省の運営委員をずっと見まして、これは全部組合側じゃないというふうに私も御指摘通り思ったのでありますが、ただいまこの外務省の共済組合の定款の第八条に、運営審議会の委員の任命の基準が出ております。それによりますると、第六号に「組合員を代表する者五人」ということに相なっております。おそらくこれらの委員は、組合員を代表する者五名という考えでこれは選出されたものだと私は考えます。
  97. 横川正市

    横川正市君 これはあなたの所属する政党が、最近各省に課長補佐まで組合に入れないという規定を作って、そうして全面的にこれは実施しておるのであります。私たちはそれに反対している。それなのに、今、今度はこれは課長なのに組合員の代表者になれるという資格に読みかえるというのは、少し勝手過ぎないですが。この点は少し、私はもっと原因があると思うのであります。なぜかというと、組合活動のできないように作られている官庁が、こういうことをやっておるのです。少くとも組合活動がやれるような官庁は、あなたの所属する大蔵省でも、職員組合の代表者が全部出ているのです。組合活動ができないように品もそれから何も封じてしまったところが、こういうばかげたことをやっておるわけです。そうしてこれが民主的に選ばれた職員の代表者だと報告をしている。けしからんですね、これは実際に。だからそういう関連性のある問題で、もう少し一つ大蔵省としては監督官庁の地位から、これらの組合から適当な組合代表者を選んでもらう、こういうことの努力をしてもらいたいと思うのです。  それからもう一つは、連合会の評議員会でありますが、これは私は大蔵大臣それから主計局長も、給与課長も、この選任その他については、相当幅のある決定をしようということを確認されて、この法律案を通したという経緯があるわけですが、実際にはこの連合会の評議員の選任された人、それから運営、それからそれに対して十分な運営がされているのかどうか、意見を付して一つ報告いただきたいと思うのです。
  98. 船後正道

    説明員(船後正道君) 連合会の評議員会につきましては、法の第三十五条に規定がございまして、「評議員会は、連合会加入組合を代表する組合員である評議員各一人をもって組織」いたしまして、その評議員は各省各庁の長が自分の組合組合員の中から任命する、こういうことに相なっております。
  99. 横川正市

    横川正市君 それは、任命された人数や何かわかりますか。
  100. 船後正道

    説明員(船後正道君) 連合会の加入組合は、十九組合がございまして、十九名の評議員が任命されております。
  101. 横川正市

    横川正市君 法三十五条の、組合代表者が単位共済組合から一名出されて、そうして各省庁、それが任命するということは、これは私も承知しているのですけれども、そうではなしに、この中に少なくとも民主的な運用を考慮して配意を加えるという方法として、少なくともこの組合から代表する者を十名程度入れるべきだとの意見については、十分これは大蔵省としても考えましょう、それから連合会の法でもこれは考えましょうということになっておるわけなんだが、私は、その法の建前でやられておりますから、間違いの運営はしておりませんというだけでは、ちょっとこれは説明にならないので、あなたは新任されたばかりですから、前回の引継ぎ事項その他おわかりにならないかと思いますが、そういう点を十分話し合いをした上で法律案を通したという経緯があるわけです。その経緯に従って、少くとも連合会の評議員会が私は運営されているものと理解をしておったわけですが、それがどうも今のような回答では、運営されておらないようなんですが、その点一つ、もう少し詳しく説明していただきたい。ことに組合を代表する単位組合の任命された者というのは、これは私は係の者が出て、少くとも係以外のいわゆる事務担当者以外の者が入って運営されておらないように思うのでありますが、その点はどうでしょうか。
  102. 船後正道

    説明員(船後正道君) ただいまの横川先生の御質問につきましては、先国会におきましても、そのような御討議がございましたことは、私承知いたしております。現在、評議員のメンバーにつきましては、私手元に資料持ち合せございませんが、いずれも第三十五条の趣旨によりまして、組合員を代表するものとして各省各庁の長が任命された方でございまして、連合会の評議員会におきましても、そういう各省各庁を代表された評議員ということで連合会の運営に参画しておられる、かように了解しております。
  103. 横川正市

    横川正市君 今の答弁は、審議過程と最終段階でいろいろ大蔵省の責任者と協議をして、その協議の結果に伴って、行われるべき民主的な運営のあり方を期待する私に対しては、きわめてこれは不満足な答弁です。ことにどういうような格好であるにせよ、私はやはり今あなたの方で問題が起っておらないと言いながら、実際上問題が起って、十月分の給与から掛金が引けないという事態に立ち至って非常手段を行おうという、そういう事態に立ち至った責任というのは、これは少くとも国会の審議の過程で民主的な運営を、あらゆる面からあなたの方に要請をして、それに対して一々うなづかれ、あるいは答えられて、そういたします、と約束したことを不履行している。ここに私は問題があるのじゃないかと思うのです。この点については時間がありませんから、この程度でとどめておきますが、少くとも議事録やら、それから当時の責任者と約束されたことについては、連合会とも話をされて、もう少しまじめに約束事を果されるように強く私は要求いたしておきたいと思います。そこで、前段に戻るわけですが、この池田大蔵大臣代理から出されている二つの文書を通じ、なおかつ運営審議会が開かれないで、しかも今千分の四十四という掛金を引かなければなければならない、こういう事態に立ち至っておるのでありますが、おそらく私は新聞その他で見ると、この千分の四十四というものにきわめて強い不満が組合員の中にあるのじゃないかと思うのです。これはあなたの方では、共済の成り立ちが、政府五十五、組合員四十五という比率に従って、それぞれ運営計画として立てられ、計算の結果として、千分の四十四の負担を組合員にこれはかけると、こういうことにしたのだろうと思うのですが、この点について納得のいくように説明をされたのですか。それとも説明をされないまま、これは今月分給料が百の前に来たから差し引こう、こういうことになっておるのですか。その事情を明らかにしていただきたい。
  104. 船後正道

    説明員(船後正道君) 十月一日から実施することになりますいわゆる非現業の一般職員の長期給付の掛金率につきましては、ただいまお話しのように、法の第九十九条の規定に基きまして、法定の計算方法で算出いたしましたるところ、掛金率が千分の四十四と相なったのでございますが、この点につきましては、九月の初め以来、しばしば数回にわたりまして、説明会を開催し、また労働組合の方々にも申し上げかつまた、各単位組合における運営審議会、あるいは運営審議会の予備会におきましても、十分説明をいたしたつもりでおります。
  105. 横川正市

    横川正市君 きょうはこの掛金率の問題をめぐって、裁判所に仮処分の申請が出されて、それは掛金徴収停止の仮処分と債務不存在本訴とが行われている。こういう紛争の事実というものが起っているということは、私はこれはあなたの方の説明が非常に一方的であって、職員側を納得せしめるような状態になかったのではないか、こういうように思うのでありますが、その説明をされたときに、職員側の代表者からの意見としてはどういうものが出ておったのか、それを一つ明らかにしていただきたい。
  106. 船後正道

    説明員(船後正道君) 説明会におきましては、千分の四十四を算出するに至りました計算過程を詳細に御説明いたしまして、それぞれ技術的な内等につきましては御納得いただいたと思うのでございますが、その後国公共闘合議の方で、本件につきましては、たとえば従来の旧恩給時代の追加費用の分を新共済年金の財源に繰り入れろあるいは自衛官、刑務職員等との計算が混同されているのではないかというような意味の御質問がございました。さらにはまた、この共済制度の給付内容を改善して、国府負担割合を引き上げろ、こういった意味の法律改正にかかわるような問題点の御質問あるいは御要求もございました。
  107. 横川正市

    横川正市君 その要求その他のまだ未解決事項については、どう処理されておりますか。
  108. 船後正道

    説明員(船後正道君) これらの要求のうち、たとえば国庫負担割合の引き上げ、それから資金運用部の預託の問題等につきましては、これはいずれも法律の問題でございますので、これを今直ちに実現するあるいは約束する、さようなわけには参りません。これはすでに今春の国会を通った法律の内容を適正に実施いたしますためには、このようなわけには参りませんという旨を御説明申し上げておりますし、さらに整理資源を財源に繰り入れる問題につきましては、これは旧恩給期間にかかわる追加費用はすべて国の負担におきまして毎年度予算において計上すべき問題でございまして、いずれも十月一日以降の千分の四十四の掛金率とは関係がございません旨、さらにまた自衛官、刑務職員等につきましては、これらは一般職員と給付内容も若干異なりますが、別々のグループといたしまして掛金率を算定し、経理の仕方も別にするという旨を説明いたしました。十分御納得いただいたものとわれわれは考えております。
  109. 横川正市

    横川正市君 納得しておらないから、今のような紛争が起って、あなたの方では非常に強い意思表示をしながら、今月分の給料から差し引こうとされているわけですね。それで私はこの千分の四十四という掛金率の算出について、ここでこまかく計数を聞くということは非常に困難なので、この点で二、三あなたの方に要請をいたしますが、ただ問題なのは、この運営審議会も聞かれない、それから評議員会も国会の審議過程において約束されたような状態には置かれておらない、こういうようなきわめて不満足な状態で、今月分の給料から勝手に千分の四十四を引くということは、これはどうも私は組合員それぞれに納得せしめることにはならぬと思うのですが、この紛争が解決をするということを第一の問題として、運営の民主的な仕方を作っていく、こういうことに努力してもらう。こういう点について、これはもう大蔵政務次官の所管の私は答弁だろうと思いますが、もう少し民主的によく話し合いをして、その上で納得をしてこれはきめていく、こういうふうにしてもらいたいという私は強い要望を持っているのでありますが、この点について一つ政務次官の意見を聞かせていただきたいと思います。
  110. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) 先刻来横川委員から、共済組合の運営はどうしても民主的でなければならぬという種々御指摘を受けたのでございますが、私も全くさような考えに同感でございます。ただこの問題は、千分の四十四という掛金率をめぐりまして、いろいろそれに関連をいたしましていろいろ話がまとまらないという状態でございますが、私は残念ながら前の内閣委員会のこの法律の審議の実態を知りませんけれども、千分の四十四につきましては、相当国会においても論議があって相当論議し尽されたというふうに私は解釈をしておるのであります。従いまして、この十月一日からこの法律の改正法を実施するということは、これはどうしても十月一日に何としても実施をいたしまして、十月分の給料から掛金を控除したい、するということは、これはもうわれわれ論議の余地はないというふうに私は考えておるわけであります。ことに、先ほど船後給与課長からも話をいたしましたように、千分の四十四の率につきましては、相当詳細に各組合に提示をいたしまして御説明を申したはずでございますので、われわれの措置を一つ御了承をいただきたいと思うのでございます。
  111. 横川正市

    横川正市君 それは非常に勝手な言い分だと思うのです。審議会が開かれないし、それから定款の改正も行われないのに、十月からどうしても法を施行される、それに伴って給料から強制的に一方的な差し引きを行うというのは、これはやはり運営上間違いがあると思うのです。ですからこれは組合側が了承をすれば遡及して引くということもあり得るわけですし、何も今月どうしても引いてしまわなければならぬものでも私はないと思う。そういう点で、たとえば千分の四十四はきわめて納得のいかない問題として、これは本法では幾らの率になるか明確にならないので附則事項でこれらがきめられていく過程に、この点は一体どういうふうに計算されたか、それを一つ計算の経過をお聞きしたいと思うのでありますが、それは長期給付と、それからそれに伴うところの付帯事業をこれを全体の総計でもって計算をして出して、そうしてそれによるところの負担率を四十五対五十五にする、四十五にすると全体の財源が、これが一人頭幾らになる、これを給料の割合にすると幾らになる、こういうふうにして計算をされていったものだろうと思うのです。その計算の結果出てきたのが千分の四十四だと、その場合当然考慮されなければいけないのは、たとえば公務災害に利用するところの資金が、戦前であれば一般公務員とそれから軍人の災害については、これは二十対八十ぐらいな比率で軍人の方がずっと多くなってきている、それから実際上の恩給を受給する比率はどうかといえば、これもその内容について非常に大きな開きがある、それはたしか百何十対何分というふうになると思うのでありますが、そういうような、これは人数にいたしますと百五十九万人に対して一万四千人、こういうような戦前の比率がありますが、戦後自衛隊の今の性格からいきましても、これだけの大きな開きがあるとは思われないけれども、やはりこれも年限それから掛金率、それから受給者の数、こういった点では私はそれぞれ一般の人たちとの違いが出てくるだろう、その違いを正当に評価されたかどうか、これは私は基礎の問題として非常に大切だと思うのであります。  それからもう一つは、これは現在の恩給受給者、既得権を持っておる者と年金受給者との問題であります。これも年金関係では大体積立金の総額ははっきりいたしておるようでありますが、恩給についてはこれがはっきりしない。その恩給のはっきりしないのは、これは今までの恩給局の取扱いそのものが、きわめてその年その年の計算になっておるから、今これを出すということは非常に困難だと、こういうことになると思うのでありますが、実際にこれは私は掛金の積立金の実数というものは出されるものだと思うのであります。その出されたものを先ほど言いましたように、政府がこれを毎年々々繰り込んでゆく、この繰り込んでゆく方法と合せて、実際にこれが納得される数字かどうか、これも計数上明確にしなければいかぬと思う。こういったものが全体的に運用されてきて、先ほどの千分の四十四が正しいのか、それとも千分の二十、現行恩給制度の千分の二十ないしは年金の千分の三十五プラスX、これが四十四になるのか、三十五になるのか、衆議院とそれから参議院は三十五ときめたというし、それから三公社五現業の中でも四十一のところもあるし、四十二のところもあるし、四十三のところもある、こういうふうにいろいろとその掛金率は違うのでありますから、そのプラスXは私はおのずと違ってこなければならない、その四十四にはおそらくならないんではないかという疑問を持っている方が、今までの説明では納得しないというところに問題があると思う。この点が十分できないまま、私は強制的に今度の月給から掛金の千分の四十四を引き去ってしまう、こういうことは非常にとるべき態度ではないと思うのですが、前段の説明とそれから後段の問題について再度御説明をいただきたいと思う。
  112. 船後正道

    説明員(船後正道君) ただいまの横川先生の御質問は、千分の四十四のまず計算方法にあったと思います。この点は先生がおっしゃいましたような方法でございまして、法の第九十九条とそれからそれを受けましたところの施行令の第十二条の規定に基きまして、十月一日以降の新制度の運用に要する費用を計算し、これに要する費用、負担金を計算いたしまして算出したものでございまして、その計算方法はすでに実施に相なっておりますところの三公社四現業の方法と全く同じでございます。従いましてこの千分の四十四はそういう保険数理に基いて算出されました数字でございます。  次に、自衛隊の問題でございますが、自衛隊につきましても給付内容、給付の条件が若干一般職員とは異なりまして違う面を持っておりますので、これらのものは別のグループといたしまして、一般公務員とは画然と切り離し、費用及び掛金等を計算いたしております。  それから旧恩給時代の積立金相当分がはっきりしていないが、あるんではないか、これを繰り入れてゆく方法はどうであろうかというお尋ねでございますが、御承知通り旧恩給の制度は、一方におきまして、職員の納金を歳入として上げまして、当該年度に要する給付金を歳出として計上いたしまして、この共済組合法におけるシステムのように完全な保険システムにはなっておらなかったのであります。今回の経過措置に伴いまして、国が第五十五条の規定によりまして、そういった旧恩給期間に見合う費用は全額国の負担において支払うものであるということをはっきり規定しておるわけでございます。この費用をどういう方法で予算に繰り入れてゆくかという点につきましては、政令でもって当該年度の予算でもってきめてゆくという仕組みになっております。で、この点は国の財政状況とそれから共済組合の収入支出の状況等を相互勘案いたしまして一定の方式でもって入れていきたいと考えております。
  113. 横川正市

    横川正市君 今の説明では、なるほど説明はその通りだと思うのです。ただ、たとえば掛金のうちからの三〇%の預金部資金への繰入金とか、それから全額国が負担をしなければならない整理資源のこの歳出が十月二百をもって固定化をして、その固定化に対してまあある程度の低利であっても利子をつけながら長期にわたって国が返還をしていくという場合に出てくる総額と運用利とは、おのずとこれは率を決定する場合のそこに入ってくるわけです。その点が明らかにされておらない。こういうところにまあいろいろ不満があろうかと思うので、この点の数字上の計算の結果を、一つこれは本委員会に明確に資料として提出していただきたいと思う。同時に、その内容については一つそれぞれの単位共済の代表者に十分説明をしてもらう。そして納得をしてもらう。その上に立って共済の掛金率を決定をして、そしてそれぞれの掛金の決定額を差し引くと、こういう順序で最も民主的な運営をはかっていただきたい、かように思うわけですが、この点一つお答えいただきたいと思うわけです。
  114. 船後正道

    説明員(船後正道君) 前段の旧恩給時代に見合う積立金相当額の問題について申し上げます。先ほども申し上げましたように、旧恩給時代におきましては、いわゆる積立金なるものがないわけでございます。ないわけでございますが、先生御指摘のように、十月一日でもって締め切りますると、そういうものは計算できないわけではございません。この点につきましては、しかしながら、九月三十日から十月一日にかけて在職する職員につきましてその前歴を調査いたしまして、その前歴を恩給適用部分、あるいは旧長期の適用部分、あるいは全然何の適用もなかった部分というようないろいろな仕分けをいたしました上で計算しなければならない問題でございまして、そのような計算をして得られるところの積立金相当部分がどの程度に上るかは、今直ちに資料をもってお示しするわけには参らない段階でございますので、御了承願いたいと存じます。ただ、その積立金相当分がかりにあるといたしましても、それから生まれてくる利子と申しますものは、これは施行法の五十五条にもあります通り、すべて旧恩給時代の費用に充てる分でございまして、新共済制度の実施に充てる費用ではございません。新共済制度の実施に充てる国の負担は、すべてこれ四十五対五十五の割合でもって分割されました国の負担部分だけでございます。
  115. 横川正市

    横川正市君 これは先ほどちょっとあなたも、言ったように、計算方式はすでに実施をみておるのです。三公社五現業とその内容を同じにして計算をいたしましたというならば、これは実際上はそれぞれの各官庁の持っております事情によっておのずと違ったものが出てくるのがほんとうだ、この点はどうだと言ったら、これは前国会でも認めておるわけですよ。少くとも次の地方公務員の共済法が出る場合にはそのことについては相当問題になるということは、大蔵省当局もおそらく知っているはずなんです。ですから、今ここに恩給公務員とそれから年金公務員との比率だけをとってみましても、三公社五現業と現行一般公務員とは相当大きな比率の違いがあるわけなんです。その点から言っても、少くとも千分の四十四の中には既得権として恩給や年金をもらっている者の分まで負担しなきゃいけないのかという非常に不合理な思想的なものの見方をやっぱりするわけですよその点を、少くとも千分の四十四かけなくても、三十何万かの共済連の運営は十分できて、その上になおかつ積立金というのは今までの例からいっても相当残っていくんですという実例を、あれこれの単位組合調査をした結果、知っているわけですね。そういう点をつき合わせながら、もう少しこの点については配意をしてもらいたい。ことに、私は、四十五対五十五という比率がきまっておるのでありますから、これを動かしてどうこうということを要求するのではなしに、四十五の占める職員側の負担率がこれらの基礎的な組合員の財産権とも言うべきものまてもこれを納得せしめない。だからごまかしていると、こういうふうに疑われながら、この千分の四十四を実施するということは、私は、これはやはり為政者としてとるべき手段じゃないと思う。その点をやはり十分に説明をした上で、これは四十五対五十五という比率について法律がきまったこの分については、私は、これ以上これを改正しない限り、それをどうこうというわけには参らないけれども、その掛金率の決定をする基礎をもう少し明確に説明をしてもらわなければいけない、こういうふうに考えるわけです。ことに、資料上明確にならない点が非常にたくさんあるわけです。これはまあ前回の共済組合法通過当時においても、資料はそう短期間にはとても明確にならない、だから大体三公社五現業の状況を把握をして、それを一つの基準にして一つの実施方式を出してきた。これにはいささか私は無理があると思う。その無理を、少くともたとえば現在時でそういうものが出ないならば将来これを修正をする、こういうくらいな寛容なあり方というものは、私はあるべきだと思う。こういう点で少くとも掛金は一人頭五百円、もう完全にこれは老後の安定のための積立金とはいいながら、ベース・ダウンになるわけであります。それだけ生活に響くという大切な問題なんでありますから、この点からも十分一つ配慮をしてもらいたい。  そこで一つお聞きしたいわけですが、十月一日の給料からどうしても掛金を引かなければならないという理由があるのかどうかですね。審議会を開いて定款の改正をしないで引かなければいけないというぐらい何かせっぱ詰まった考え方を持っておるようですが、この点私は少しふに落ちかねるので、その点をお聞きしたいと思います。ことに、何か実施をする一つの方法として、連合会の評議員会を開いて、きわめてこれは非民主的な選出方法によって作られた連合会の実議会、しかも、国会組合代表を十名程度入れてくれというそれも選出しないできめた運営委員会でこの委員の選出を行なった。その選出された委員が寄付率の権利を決定をする、いわゆる掛金の率を決定をする、そういう立場に立ってそうして千分の四十四をきわめて急速に引きたいという意思を表示したかのごとく私は聞いておるわけです。ことに、それは、連合会の組合の運営についての何条ですか、これを適用してそうしてこれをきめられたと、こういうふうに聞いておるわけであります。これは、私は連合会の定款をずっと見てみましたが、掛金率をきめるというのは、連合会ではなくて、これはたしか単位組合の運営委員会がきめるということになっておるので、連合会はこれはきめられないというふうに思うのです。それはまた当然だと思いますね。運営委員会というのは各単位組合責任者でありますから、その責任者意見を全然聞かずに連合会が頭から掛金率をきめるなんてばかな話は私はないと思う。そういうばかなことは取り入れないとは思うのでありますが、それをとったというのでありますから、これはまあ、うわさかどうかわかりませんが、とったとすれば、これは大へんな問題だと、こういうふうに思っておるので、この点についても一つ説明をしていただきたいと思う。
  116. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) ただいま横川委員から御指摘の、連合会の定款によりまして掛金率の変更をいたしたということは御指摘通りであります。この連合会に定款があるかどうかという問題は、私たちの方の解釈といたしましては、第百条に掛金の条項がございまして、この掛金の条項が、ことに百条の第二項が、たしか四十一条で、組合というのは連合会に読みかえるという規定がございまして、連合会が定款を持つと、その連合会の定款で掛金率の変更が行われるということになったわけでございます。  連合会の構成等につきまして、先ほどから種々御指摘通り、連合会が必ずしも公正な民主的なものじゃないんじゃないかという御指摘、その点は私この法案審議の当時、そういう議論があったかどうか残念ながら存じませんけれども、いずれにいたしましても、単位組合の定款の変更を行うことができなくて連合会で行なったということは、非常に私残念なことだと思っておりますが、これまたやむを得ない処置だと存ずる次第でございます。
  117. 横川正市

    横川正市君 十月の六日と十月の三日に、先ほどあなたの方では、これは閣議申し合せ事項を文書で通達したのだといっておりますが、末尾にこういうふうに出ている。国家公務員共済組合法第百十六条の四項の規定に基いて命令をするという命令文書が出ておる。それによると、可及的すみやかに定款の変更を実施し、その適用期日を本年十月一日とされたいという、この趣旨によって出されているわけなんです。それと百条の二項による「掛金は、大蔵省令で定めるところにより、組合員の俸給を標準として算定するものとし、その俸給と掛金との割合は、組合の定款で定める。」この組合を連合会と読みかえて実施をしたと言うのたけれども、実際にはこれは大蔵省から出された文書はそうではない。少くとも連合会の単位組合の共済運用審議会の議を経て定款を変更してこれを取ってくれと、これは二つの行き方をあなたの方でとっておるわけですね。法律というのは作られたら、あとで一人歩きするから、これは困るのだと私どもは常日ごろ考えている。しかし、少くとも連合会の、いわゆる百二条が単位組合の運営審議会の議を経て定めなければならない定款を上回って物事が決定されるというふうに考えるに至っては、これはもういささか私は法というものの正式な見解じゃないのじゃないのだろうか。これはさかさ読みしたのかどうかしれませんが、そういう無理をしてまで今これを実施しないで、しかも十一月、十二月と問題が起り、また、今全司法ではその仮処分の申請を行なって裁判ざたになっておる。こういうごたごたを全然解決しないで、しゃにむにこの掛金率を引き去ってしまうと、こういう無理をどうして行わなければならないのですか。その点についてもう少し私は納得のいくまで向いたい。先ほど言った各矛盾についてあなたの方にも質問書が出ておるようでありますが、それによく答えて、その答えで組合側が法律上どうしてもこれはそうかと、改正しなければならないのかと納得させて、その上で事実上の運営をはかると、こういうことがなせできないのですか。私は先ほど言っているように、国の犀川に伴う、いわゆる雇用者と被雇用者との関係でこれをやるべきものではなくて、少くとも相互扶助、社会保険的にこれは運営されるべき性格の共済年金である。そういうものを法律上大蔵大臣が所管するために、きわめて多くの権限を付与されておりますが、その権限を最大に行使をして、そうしてこの運営については全然幹部の意見を聞かないなんということは、これはまさに私はこの共済立法の運営の方法を間違っているのだと思うのです。しかもこれを間違えば、次には私は地方公務員の共済法と、今行われている法律に進歩的な一つの画期的な方法を行おうとしても、それを阻害する状態まで生むでありましょうし、同町にまた、これは現行なわれている共済法についても職員側から相当大きな非難と攻撃が加えられることは火を見るよりも明らかなんです。実施官庁としてそのくらいの配慮は私はあってしかるべきだと思うのでありますが、その点、どうもあまりしゃくし定子な返答ではなくて、もっと実のある運営をするためにはどうしたらいいか、この点であなたの御答弁を一ついただきたいと思うのであります。
  118. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) ただいま御指摘の点でございますが、この連合会の定款変更の件につきましては、これまた各単位組合に定款変更要請の通達を出しました。十月の三日には連合会にも定款変更の要請をいたしておるわけでございます。また、ただいま横川委員指摘のこの共済組合の建前から言いまして、きわめて遺憾な事態であると、いろいろスムーズにいかないと言いまするか、また円滑味を欠いて、いろいろ非難があるということは、私ほんとうに残念なことと思うのでございまするけれども、十月一日の法の実施という、先般国会で御審議をいただきました法を十月一日から実施するという、しゃくし定子かもしれませんけれども、その建前に立ちまして物事を処理しておるわけでございます。
  119. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 政務次官、あなたは事務当局でなくて政治家ですからね、一つ関連して伺いますから、私にお答え願いたいと思うのです。一番問題は、この法案は、あなたの省が所管省になって、内閣提出にかかわる法案だったわけです。で、私どもは限られた時間内に相当膨大な法律案でありましたけれども、所管局、課長並びに佐藤大蔵大臣の強い要請で、きわめてわれわれ協力的な態度で審議したわけです。ところが、この法が発効してみますと、非常に行政が独走して、しかも権力行政のにおいが出てきておる点は、私非常に遺憾に思うのですよ。この法案を審議するときも、佐藤さんも、公務員の喜ぶようなものを作りたい、だから決して無理なことはしない、こういうことを答弁されていた。特にわれわれから強く要求したのは、財源計算書と、そういう数字を的確にほしいということで資料を要求したわけですよ。あなたは千分の四十四についてはずいぶん論じ尽されたことだと思うと言われましたが、そう論じ尽されてないのです、これは資料が足りなくて。それで、そういう数字を見て採決をしたいと言ったわけなのですが、それは急にできないからというので、われわれの満足するような数字の資料が出ないまま、運用をしかるべく用心して、公務員が喜ぶようにやるからということで成立さしたわけですよ。そういうことで、われわれ若干時間の制約があって審議の不十分な点もあったと思うのですけれどもね。ところが、あとはそういうことも全く忘れちゃって独走しているところに、まあ不快さえ感ずるわけですがね。それで、あなたに伺いたい点は、先ほどから横川委員が繰り返し繰り返し何っているわけですが、私は関連して三つだけ伺いたいと思うのです。  まず第一番は、さっき横川委員指摘した通常審議会の構成を修正さしていただきたい。あなたが明言するというわけにもいくまいでしょうが、そういうことでなくて、あなたが所管している法律の運用ですから、これは国会でも議論があったが、好ましくないんじゃないか。もう少し納得できるような形に構成を変えてはどうかというようなサゼスチョンを与えてもらいたい。それは横川君から指摘したように、総理府共済組合、外務省共済組合、裁判所共済組合、法務省共済組合、少くとも拝見したところ、これらの四つというのは不合格ですよ、許されない。これはほんとにもう少し組合員の意向が反映するように構成を変えることが私は大切だと思う。その約束は私はできると思うのですが、政務次官、それをまずお答え願います。
  120. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) お答え申し上げます。ただいま矢嶋先生から御指摘の、どうも権力行政的な疑いがあるというふうな御指摘でございましたが、そういう不快な感じを起させるといいまするか、そういう感じを持っていただくことは、非常に……、われわれはほんとうの気持はそういう意味でやっておるのではございません。ただ、運営審議会が応じてくれないために、やむを得ざる措置でやっておるわけでございまして、その点、決して権力行政の気持をもってやっておるのではないということを一つ御了解いただきたいと思うのです。また、運営審議会の構成につきまして、先ほど横川先生からも、また今、矢嶋先生からも御指摘をいただいたのでありますが、何分、運営審議会の委員の任命は、各省庁並びに各省大臣がこれを命ずることになっておりまするので、私の方でとやかくこれを指図するということはむずかしいかと思いまするが、そういう民主化のためには、そういう御意見もあったということを伝えることは別に差しつかえないことで、伝えたいと思います。
  121. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それをまず、政務次官もそうでしょうが、所管課長から、これらの省には、それぞれあなたとちょうど相対的な立場に立つ所管課長がおられるはずですから、そういうふうに伝えていただきたい。その反応はどういう反応があったかということを、後日、本委員会に書面をもって報告していただきたい。課長、よろしゅうございますか。
  122. 船後正道

    説明員(船後正道君) ただいま矢嶋先生から御指摘がございました共済組合を所管しておる庁に対しましては、御意見をお伝え申し上げます。
  123. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そして、その反応を後日、本委員会に書面をもって報告してもらいたい。よろしゅうございますね。
  124. 船後正道

    説明員(船後正道君) 各省庁から回答がございましたら、それをまとめて御報告申し上げます。
  125. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次に千分の四十四ですね、これは法案審議するときに、四十四という数字は出なかったのですよ。若干高くなるという、そのかわり、退職金の方も、給付も幾らかよくなる、年限は十七年から二十年になるということで、現行の千分の二十から千分の四十四になると、やっぱりびっくりすると思うのですよ。ことに若い人の初任給は、きょう論じないが、初任給は安いんだから、若い公務員の人がこれから二十年間計算した場合、がくっと来ると思うのですよ。ベース・アップも人事院は勧告しない。ささやかな勧告があっても、大蔵省の都合で、ささやかな人事院勧告すら、四月一日から実施しなければならないのに、品をつかっている。しかも、来年の四月一日からも、あのささやかな人事院勧告が行われるかどうかわからない。予算編成に苦慮されているということが伝えられている。そういうところに、一挙に千分の四十四となったら、びっくりするのは当然です。それで、どういうわけで千分の四十四にこうはね上ったかということを、干部から反問してくるのは自然だと思うのです。それが十分公務員を納得させるだけの数字がない。われわれ審議するときにもなかったわけです。その点をさっきから横川委員指摘しておるわけです。各組合出席しないと言っているけれども、みんな公僕であるし、みんな能力を持っているのだから、ああいう方々の了解できるように、数字をもって、こうこうこうなって、あなた方は決して、国会審議のときに言ったように、損にはならないのだ、こういうふうに公務員のサーバントとしての能率を上げるように、それから生活が保障されるように、安定するようにこうしたのだということを、数字をもって説明すれば、町のヨタモノとは追うから、りっぱな公務員の方ですから、了解しないけずはない。了解させる努力が足りないと思う。だから、組合側から要求されておる数字を提示をして話し合いをすること、これはお約束できますね、政務次官。
  126. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) この千分の四十四という掛金率につきましては、これまでも相当詳細に十分説明をしたつもりでございますが、さらにまた、必要に応じて……
  127. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 組合に通じていない。そこで動揺するわけです。われわれまで投書が来るのですが、なぜ、あんなことをしたか、困っておる。
  128. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) その点、とにかく組合員の方がやはり十分その事情を知るということは、これは必要でございます。それは矢嶋委員指摘通りでございまして、その点は私たちは相当詳細に説明をしたつもりでございますが、あるいは説明の不行き届きがあるのかもしれません。できる限り説明を補足的に続けてするということを、あらゆる機会を通じてやりたいと考えております。
  129. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 もう一点ですが、行政機構からいって、所管の局長とか課長は、法律が通れば、十月一日から行われていないということは、上司から悪く評価される、怒られるだろうというので、国家権力を背景に行政をやっておるわけですから、あらゆる法律を根拠に、場合には権力を発動してやるのは当然だと思うのです。だから、そういう事務当局の、あまりにも決まった忠誠心が強い独走を、大臣とか政務次官がセーブするところに、僕は行政の妙味があると思う。なぜ権力行政というかというと、ともかく十分納得ができない、話し合いの機会にも十分出られない雰囲気には、命令を出して強行する、なぜ、そんなにすぐ強行しなければ工合が悪いのか、その理由を示せと横川委員が言えば、はっきり指摘できない。十月一日にやるからというので強行して、そんな摩擦が起るのはばからしいじゃないですか。お互いにお役所同上で、それをすぐやらなければ、国家が転覆するとか、国家財政が破綻してしまう、そんなものではないでしょう。公務員であれば月給を払っていくのだから、後にまとまったときに、二カ月でもまとめて取ればいい、その方法はあるわけだから。今の命令件を出して強行するというところに、大臣の監督命令というものに、ほんとうに権力行政的なものが出ておる。事務当局から出ておるのなら幾らか了解するけれども大臣、政務次官からそれを指示してくるということは、私、法案を審議したときの経過からいって、佐藤さんがああいう答弁をしたところからいって、不快を感ずる。だから、着し合いをされて、大臣命今を出して強行するというような点を、少し弾力件を持たして円満に解決するように努力されたいと思う。これは課長じゃ答弁できないと思いますから、政務次官、お答え願いたい。
  130. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) 誤まれる忠誠心をもって決してわれわれ強制しておるわけではございませんで、できるだけ、できるだけじゃありません、そういうことをセーブするのが、もちろん、大臣並びにわれわれの仕事であることは、御指摘通りだと思います。ただ、こういう、まことに権力行政的なという御指摘を受けるような、快くないというような御指摘を受けるような、そういう措置をとらざるを得なかったということは、運営審議会を開催することができないというような事態、そういうような事態等もございまして、まことに残念でございますが、これはやむを得ざる措置だと思ってわれわれはとっておるわけてあります。その点あしからず御了承願いたいと思います。
  131. 中野文門

    委員長中野文門君) 矢嶋さん、よろしゅうございますか。
  132. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ええ。
  133. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 大蔵政務次官にちょっと法律的に一つ質問したいのですが、先ほど横川委員質疑に対して、いわゆる単位組合の運営審議会の権限を連合会の評議員会できめた。もうすでにきのうかきめられたらしい、強行して、そういうことを聞いておる。そこで先ほど四十一条の第一項カッコ内を適用して、組合を連合会と読みかえるということを説明された。条文は、われなかったけれども、そういうことを言われた。これは連合会の第二十四条のいわゆる定款を見ますると、掛金ということを一つもうたっていない。しからば第二十四条を改正しなければいけないと思う。その点どうなんです。
  134. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) その点につきましては、船後給与課長から評しく説明をさしていただきます。
  135. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 政務次官わからないですか。
  136. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) 船後君の方が明快に説明すると思いますので……。
  137. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 事務的な問題じゃないでしよう。
  138. 船後正道

    説明員(船後正道君) 第百条第二項の払金の算定方法でありますが、これの後攻に「その俸給と掛金との割合は、組合の定款で定める。」となっております。そこでただいま御指摘のように第四十一条には「組合(長期給付で連合会加入組合に係るものにあっては、連合会。以下この条」ずっと参りまして第百条第二項も入っております。この考え方は、長期給付に関する限りはプール計算でございますので、以下の規定のうち、組合とありますのは連合会と読みかえるという趣旨でありますので、第百条第二項をこれによって読みかえますと、その俸給と掛金との割合は、長期給付で連合会加入組合にかかるものにあっては連合会の定款で定める、こういうふうになるわけでございます。今御指摘の第二十四条には、連合会の定款事項を掲げておりますが、これは連合会が法人といたしましてその性格を明らかにするために、記載事項を列挙したわけでございますが、このうちには確かに掛金に関することというのがございませんが、第六項の「長期給付の決定及び支払に関する事項」及び第九項の「その他組織及び業務に関する重要事項」ということの中に当然含まれるのでありまして、掛金に関する事項も、連合会が対外的にその性格を明らかにするときには、定款をもって当然規定するということになると考えております。
  139. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それはきわめて牽強付会な解釈であって、少くともそういう掛金というのは、これは立法のときには保険システムでやるというようなことを言われておるのです。政府の答弁は、そういうものを……掛金を、その他の重要なものに包括的に含まれておるというようなことは、先ほどから横川委員あるいは矢嶋委員との間の質疑応答でわかっておるのだからもうやむを得ずこれを適用して、単位組合の運営審議会ではまとまらんので、とにかくこれを強行しようという非常手段をとられたと思う。法の精神はそうではないと思う。先ほどから言われたように、ほんとうは組合員が負担するんですよ。組合員の審議の過程を除外して、しかも連合会の評議員会でこれをきめるということは、大蔵省当局は民主主義の原則がわかっておるかどうか。負担するのは組合員でしょう。国はもちろん五十五の割合はとりますけれども組合が二倍以上の負担をするのにかかわらず、それを単位組合の運営審議会の意見も聞かず、それを評議員会で、連合会できめるということ、そういうことを政府がやるなら、われわれにも考えがある。要するに単位組合意見をもう少し聞いて、そして話がまとまってからいわゆる千分の四十四という率をきめてもらいたいと思う。そうでない限り、おそらく組合は納得しないと思う。組合だけでなくて組合員自体はおそらく非常手段をとってでも、政府が非常手段でこれを通せば、組合もこれを非常手段で納めないという手段も合法性があると思いますから、この点は十分大蔵省当局は考えてもらいたい。
  140. 中野文門

    委員長中野文門君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  141. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記を起して。
  142. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) ただいま山本先生から御指摘の、連合会の定款をもってこの掛金の変更を規定することは、異例の措置ではないかというふうな御指摘でございましたが、全く御指摘通り異例でございまして、その法律的説明といたしましては、ただいま船後給与課長から説明の通り、その他ということに入るわけでございまするけれども、実際はなるべく単位組合の運営審議会を尊重してやるというわれわれの意思が、残念ながらどうも実現することができなかったがために、まことにやむを得ざる措置といたしまして連合会の定款変更という措置をとったわけでございまして、その点先刻も申し上げましたけれども、あしからず御了承いただきたいと思うのでございます。
  143. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 了承はできません。従ってこの問題はそういう強行されるならば、われわれとしても納める人の立場というものを考えなくちゃいけませんので、この問題については法的な問題になると思いますけれども、私了承しろと言っても了承できないということだけ言っておきます。
  144. 横川正市

    横川正市君 これはこの連合会の定款の一項から九項までの中に掛金の決定についての項目というのは一字も入っていないのですよ。そうして単位組合の定款に、六条の一項の第六号によって、掛金、給付率、掛金率に関する事項というのが入っている。それから社会保険的に相互扶助で作られたその性格からいって、単位組合の意思を無視して、上部に便宜的に作られたという程度の連合会が、この重要事項についてもきめられるのだということ、これを決定したということは、もうさかしまも全くのさかしまだと思うのだが、だからやむを得ざる措置であっても、とれないものはとれない。そういう点でやはり事態の解決をしないと、無理をした結果、とんでもない間違いを起こしてしまったということでは、われわれは絶対これを納得しない。そこで先ほどから言われているような問題等も含めて、私はもう少し運営上の妙味を発揮して、納得づくでこの問題についての解決をするように、それはできるはずなんだ。四十五対三十五という比率があって、それのうちから出てくる千分の二十プラス・エックス、このエックスは幾らかというのを話し合いできめたらいいのじゃないか。できるように法律事項としてなっているが、話し合いをしないで連合会の定款を読みかえて、そういうばかげたことをやっているということは絶対に承服できない。その点についてもう一度答弁をいただいて、きょうは一つ私の質問は終ります。
  145. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) 連合会の定款の変更をもちまして各単位組合の定款変更にかえたということは、たびたび申し上げまするように、全く必要やむを得ざる措置といたしまして処置したのでありまして、今後でき得る限り、この共済組合の運営に当りましては、御指摘の点を十分加味いたしまして事態を処置いたしたいと考えております。
  146. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  147. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記を起して。
  148. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 先ほど次官はあらゆる機会を通じて国家公務員の組合の側の説得に当るというようなお話しでありました。今までもたびたび公務員の側は次官に会いたいということを言っておられる。本日も非常にせっぱ詰まった気持で、ぜひ一つ政務次官にお会いしていろいろと公務員側の考えていることもお話しをしたい、こう言っております。従いまして先ほどのお話しのように、本日来ているわけですから、ぜひ一つ本日中に会っていただく、こういうふうにお願いをしたいと思います。
  149. 前田佳都男

    説明員前田佳都男君) 実は私名古屋災害等関係がありまして、先般お出でになったときは、あるいは留守にしておったかもしれません。先ほど申しましたように、千分の四十四等の資料等につきましては、あらゆる機会を通してできるだけよくわかるようにするということはこれは必要でありまして、今後もまたよくそういう機会があるごとに御説明を申したい、そういうことを言っているわけでございます。
  150. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 ですから、非常に切迫した問題ですし、本日も朝から政務次官に会いたい、こういうことを言っておるわけですから、ぜひこの機会を利用して組合の側に納得できるように御説明をいただくということは、御趣旨に沿うのではないかというふうに思いますので、そういう意味の御努力を願いたいと思います。
  151. 中野文門

    委員長中野文門君) 本件に関し、他に御発言がなければ、本件はこの程度にとどめます。
  152. 中野文門

    委員長中野文門君) 次に、本日予定の残余の案件、すなわち駐留軍による損害に対する補償に関する件、調達庁機構改革に関する件、板付基地周辺の騒音防止策に関する件、組合専従制限に関する件等につきまして調査を進めることにいたします。政府側出席の方々は、椎名官房長官、小林行政管理庁管理官、真子調達庁次長、大石調達庁総務部長、高野調達庁不動産部次長、沼尻調達庁連絡調査官の方々であります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  153. 辻政信

    ○辻政信君 椎名官房長官に。私は一週間ほど前、当委員会委員部を通じて災害対策についての総理の所信をただしたいということを申し出ておきましたが、官房長官は総理の出席要求するということをいつお知りになったか、それをまずお伺いしたい。
  154. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 昨日だと思います。
  155. 辻政信

    ○辻政信君 昨日聞かれたのですか。委員部には一週間前に通じてありますが、昨日まで官房長官に連絡なさらなかったのですか。委員長、いかがです。
  156. 中野文門

    委員長中野文門君) 委員長に質問ですか。
  157. 辻政信

    ○辻政信君 いやいや、そうでない。委員部に一週間前から、この委員会に総理の出席要請しておいたが、官房長官はきのうそういうことを聞いたと言っておるから、私は当然これは、委員部を通じておるから、委員長も御承知のはずだとこう思うのです。
  158. 中野文門

    委員長中野文門君) 官房長官に質問して下さい。
  159. 辻政信

    ○辻政信君 官房長官がきのう聞いておると言うから、きのうではおそ過ぎるという……。
  160. 中野文門

    委員長中野文門君) だれに聞くのですか。
  161. 辻政信

    ○辻政信君 あなたは、通じておるから、委員長に聞く。当然委員部の仕事委員長が知っているはずです。委員長を通ぜずして委員部の者が勝手に官房長官に知らすはずがない。総理の出席をきのうということはけしからんですよ。一週間前から予定があるからと準備して通告しております。
  162. 中野文門

    委員長中野文門君) お答えいたします。委員部から、辻委員総理大臣に対する質疑の通告のあったことは、辻委員委員部に通知直後に委員部からこれを行なっております。以上。
  163. 辻政信

    ○辻政信君 それならば官房長官がきのう初めて聞いたというのはおかしいじゃありませんか。
  164. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 私の記憶ではきのう以前に聞いておりません。
  165. 辻政信

    ○辻政信君 では、きょうは総理大臣は現在どこで何をしておられますか。
  166. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 官邸の総理室におるはずであります。
  167. 辻政信

    ○辻政信君 それがなぜ出て来れない。
  168. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 前から予定されておったのでありまするが、重要なる、しかも緊急な会議をやっております。
  169. 辻政信

    ○辻政信君 重大な災害対策について質問しようとする当委員会要求よりも、さらに重大な会議内容とは何です。
  170. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 臨時国会に対する重要な案件のはずであります。
  171. 辻政信

    ○辻政信君 おそらく新聞によりますと、安保改正に対しての党内調整だと思います。その通りですか。
  172. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) そこまでは私はわかりません。
  173. 辻政信

    ○辻政信君 わからずになぜ重要な会議と言えるのてすか。何が重要なんです。
  174. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 重要だと私は考えておる。
  175. 辻政信

    ○辻政信君 内容もわからんくせに重要だとどうしてわかる。
  176. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 重要でないか重要であるかという二つの標準を大体考えてみまして、重要でない会議ではない。重要であると私は考えたわけであります。
  177. 辻政信

    ○辻政信君 国会の審議というものは、一番重要じゃないですか。今外国の使臣と会うとか、外交上の問題ならともかくですよ、私は少くとも一週間前から総理の出席要求しておる。手違いがあってあなたがきのう聞いたにしても、現在のっぴきならん用事があるからというが、のっぴきならん用事ということを説明せずに、いかなる会議かということも知らずに、ただ重要だろうという判断がどこから出る。国会以上の重要な問題が何がありますか。ふざけずに答えなさい。まじめに。
  178. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) まじめに答えております。総理の部屋にはたしか副総裁と党三役、それから外交調査委員会委員長、賀尾興宣氏が入っておると思っております。
  179. 辻政信

    ○辻政信君 それは自民党内のことです。自民党内の調整は夜でもできるじゃないですか。国会の審議は、自民党内のその調整よりも重要だと思わないですか、あなたは。
  180. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 重要でないとは考えません。
  181. 辻政信

    ○辻政信君 委員長は内閣委員長としての立場をよくお考え願いたい。今の通りの答弁であります。党内の調整が当委員会の召集よりも、呼び出しよりも重要だというセンスを持った官房長官はそこにおる。こういうような官房長官と総理大臣で当委員会の審議が将来スムーズにいくとお考えになるか。先ほど委員長は声を大にして国会第一ということをわれわれにはっきりおっしゃっておる。委員長立場を明示されておる。これでよろしゅうございますか、委員長
  182. 中野文門

    委員長中野文門君) 辻委員の発言、私に答弁ですか。
  183. 辻政信

    ○辻政信君 そうです。
  184. 中野文門

    委員長中野文門君) あなたの発言、十二分に参考にいたします。
  185. 辻政信

    ○辻政信君 参考にする、せんということではない。あなたは午前中私の質問に対しても、国会の審議は最も重要だとおっしゃっておる。今椎名君に聞きしますというと、党関係の者が集って重要会談を開いておるというが、おそらく新聞の報道では、安保改正に対する党内調整だと私は想像するのです。これは。そういたしますと正式の委員会に出るよりも、自分の党内のいざこざを調整する方が、総理大臣としては重要なのかということをはっきり答えてもらいたい。のらりくらり逃げずに。
  186. 中野文門

    委員長中野文門君) 辻委員、ただいまのは委員長に質問ですか。
  187. 辻政信

    ○辻政信君 いや、それは官房長官に。
  188. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) いずれも重要であるとは思いますが、前から約束した重要会議だそうでありますから、出席はできなかったのであります。
  189. 辻政信

    ○辻政信君 ふざけたことを言うな、君。
  190. 永岡光治

    ○永岡光治君 お尋ねいたしますが、椎名官房長官の答弁をもってすると、岸総理が出ておる会議内容はわからない。出ておるメンバーだけは知っておるけれども。しかしそのメンバーで見ると、どうやら重要らしいということでありますが、そういうふうにあなたはお伝えをして、災害問題その他緊急を要する当面の大きな問題当委員会で問題になったわけでありますが、それについて総理の呼び出しが出ておるから出てもらいたいということを伝えたにもかかわらず、いやそれよりもこれの方が重要だから出ないと言っておるのか、それともあなたが独断で、想像して重要だということで出ないのか。総理は知っているのか、知っていないのか、その点を私はまず確かめておきたいと思います。
  191. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 総理には伝えてあります。
  192. 永岡光治

    ○永岡光治君 伝えたにもかかわらず出ないと、こういうことをはっきり言っておるわけですか。だとすれば、これはわが委員会としてもちょっと重要な問題でありますから、私はそういうことであるなら、当面の災害問題はほったらかしておいてもよいという、そういう総理であるならば、これは重大な決意を固めなければならないと思いますが、重ねて一つはっきりとした御答弁をいただきたいと思います。
  193. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) もちろん急いで会議の終了しました次第にこっちへ参ると思いますが、まだその会議は続いておるようであります。
  194. 永岡光治

    ○永岡光治君 それなら会議が済んだならば出るということを約束しておるわけですか。
  195. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 出られるだろうと私は思います。それはまだわかりません、その点は……。
  196. 永岡光治

    ○永岡光治君 非常にそれは当面を糊塗して、何とか言いのがれをしようという官房長官の答弁に終始しているように私は思うのでありますが、この会議の重大な問題を伝えて、なおかつ出ないというのであるならば、私は先ほども申し上げましたように、これは国会でも重大な決意を固めなければならぬし、そうでなくて、重要であるがちょっと待ってくれ、すぐ行くということであるならば、それはまた当委員会考え直さなければいかぬと思うのですが、それは一つ官房長官から確かめていただきたいと思います。早急に。この委員会は進行することはけっこうでありますが、まずその点を早急に確かめていただきたいと思います。
  197. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 連絡してみます。
  198. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 官房長官、あなたは答弁があまり上手じゃないんだ、私の考えでは。あなたの人柄からやっぱりくると思う。私は根本は、国会、特に閉会中の正法府の審議に対して、行政府がどういう心がけで臨むかという基本的な考え方があると思う。その考え方を改めていただかなければならないと思う。私も委員部から通知があって、一週間、十日くらい前に九州から手紙を出して、赤い字まで書いて要望をしておったのですが、やっぱり出られない。きょうは、箱根かあるいは熱海に行っておるというなら問題になっておるかもしれぬけれども、総理官邸の中におるというなら、私が官房長官なら答弁としてはいろいろあると思う。外交交渉の準備をやっておるとか、災害予算の方針をきめておるとか、臨時国会を開かなければならぬその準備をしておるとか、あるいは外国の公館から非常に重要な請訓を受けたから協議している、総理官邸の中で協議をしている、それは逃げ方は幾らでもあるんですよ。しかしあなたは人柄からして非常に正直に言っているから、全く国会とまずい関係になって追及されているわけだが、一体に、根本的に岸さんにしても、あなたにしても、あとから出れると思ってはおらぬと思う。開会中もそうだ。特に閉会中の委員会には総理はもう出ない、それでいいんだという基本的な考え方を持っていると思う。官房長官並びに総理は……。それは私は改めていただかなければならぬことだと思う。先般の衆参の外務委員会に出たが、あれはまあ外国に旅行をした、その海外報告をするというから、それをやれば臨時国会要求をちょっとチェックできるというような計算であれは出た、平素大体出ない、この考え方を改めること。  それから私は内開委員として申しあげておきたい点は、あなた御承知通り閣僚の定員がある、あなたも福田さんも閣議の構成メンバーじゃないのです、発言権はありますけれども、採決権はない。閣議に提案する案件……、国会に出す法律案等の提案権もない。当委員会の所管事項の中には、総理大臣国務大臣として所管する案件がたくさんあるわけです。法律案なんか毎国会にたくさん出てくるわけです。だから、建前からいけば所管国務大臣が出てこない限りは提案理由も聞かない、審議に応じないとわれわれが言うたら、内閣提出の法律である、ないにかかわらず、私は何ともできないと思うのですよ。しかし若干われわれが協力して官房長官、あるいは総理府総務長官の提案理由でそれを認めたり、あるいは質疑をして採決なんかしている、ある場合には所管国務大臣である総理がおいでにならぬ場合でもわれわれは採決をしているわけだ。その点では他の委員会と違うのですよ、ここは。総理大臣の岸さんが所管である案件というものは、この委員会にたくさんあるのですよ。従って内閣委員会から要求されたならば出るというのは、普通の委員会以上の考えを持っておられなくちゃ困ると思う。他の委員会と同じように閉会中の委員会なんか適当に連結とったが、忙しいと言っていればいいわ、そのくらいでいいわというような考え方があると思う、これは間違いない、あなた方にそういう気持があると思う。これはあなた方の考え方を改めない限り、今後の内閣委員会の審議は、いかに委員長が努力したってうまくいきません。この矢嶋指摘するところに誤まりがあるかどうか、その点と、今後その誤まりを改めるお考えがあられるかどうかということ。  それから近く臨時国会が開かれるわけだ。臨時国会を開けば、私がさっきも、言ったのですが、四十日ぐらいでしょう、長くても五十日ぐらいになるのです、通常国会との関係で。そうなりますと、ベトナム賠償がありましょう、補正予算を中心とする予算委員会がある、それから少くとも二十数本の法律を立法しなくちゃならぬ、災害対策については衆参両院におそらく特別委員会ができましょう。そうすると、そこには当然総理はしょっちゅう出なくちゃならぬ、そうなると総理もお忙しいだろうという配慮のもとに、閉会中に少しでもやっておけば予算編成作業中でもあるから、行政府が助かるだろうというので、私はきょう御出席を願ったわけだ。しかし、岸総理と対決しよう、いじめようとかいうわけじゃなく、そういう行政府の臨時国会に対する国会対策というものも考え要請したわけなんです。ところが、案の定おいでにならないわけです。そうなれば、もしきょうおいでにならなければ、今度の臨時国会中でも委員長も努力されておるのだから、女房役としての官房長官としては、責任を持って岸総理を本委員会出席されるようにここでお約束いただかなければならぬと思う。それらの点についてお答え願いたい。
  199. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 私も決して委員会を軽視するような考えは持っておりませんし、また総理ももちろんそう思っておらぬと思いますが、ただ、できるだけ一つ今後勉強して委員会の御招請に応ずるように私も努めます。
  200. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そこではっきり言っておいて下さい。前段の誠意ある答弁は私は了とします。それで本日会議が終ればおいでになるとかいうが、見通しのないことを見通してあなた政治的な発言をしている、四時前ですから。きょうおいでになればそれはけっこう、で、きょうおいでにならなかったら、臨時国会には官房長官が責任を持って委員長要請にこたえる約束をしていただきたいと思う。総理が衆参どの委員会に出るか出ないかということは、官房長官の一つの手ですよ、一切官房長官がやってるわけだ。だからあなたのほんとうに今誠意ある答弁を百パーセント私は信用し、ほんとうに内閣委員長も努力しているから、臨時国会に四十日間あるいは五十日間に必要だけ何回か、毎日とはいいませんよ、何回か内閣委員会の審議に応ずるために総理大臣を私は責任を持って出席するように取り運びましょう、こういうことはあなたの権限であり、十分やれることなんです。そのお答えを私はお約束していただきたい。
  201. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) まあ権限とも考えておりませんが、とにかく御要望の点につきましては誠意を持って当るつもりでございます。
  202. 辻政信

    ○辻政信君 椎名さん、私はきょう総理大臣に質問したいと思ったことは、名古屋の現地を見ておりまして、そうしてあの悲惨な被災者が総理に対してどういう気持を持っておるか、そういうことを率直に伝えて、この審議を通じて国民に総理の熱意を反映させてやりたい。そうして希望を失った人たちに希望を与える糸口にしたい、こういう意味で質問を準備をしておる。それをあなたはわけのわからぬ会議をやっているんだ、重要じゃないから出ない、なんていうことは、これは災害対策というものを総理が真剣に考えておらぬというふうに国民はとりますよ。それでいいんですか。そういう意味で私はあなたに要求している。あなたは今までは資金局長、経団連のパイプを通じて政治資金を吸い上げる役目であった。今は官房長官として総理を補佐しなきゃならぬ女房役です。遺憾ながら今度の災害問題の総理の行動というのはよくない。それが国民の怒りを買っておる。そこで、私は総理にこの席上でその誤解を解くように特に質問を準備してきた。万難を排してきょうお呼びになるか、あるいはさらに数十分後に委員会を開き直すか、官房長官としてはどう考えておられますか。
  203. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) ただいま総理の都合を聞いておりますが、返事が来ましたならば、また申し上げます。
  204. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 私はこの前お伺いした専従について二、三官房長官にお伺いしますが、前回こういうことをお尋ねしたわけです。現在すでに批准済みのILO九十八号にしても内容を見ると、労使相互ともお互いの干渉から十分に守られる、そういう意味の条項があるわけです。そのことをお伺いしたのに対して、官房長官は十分検討してお答えすると、そういう意味のお答えがあった。そこでまずそのお答えをいただきたい。
  205. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 御質問の要点は、ILO八十七号条約の問題であったと思うのでありますが、さよう了承してよろしゅうございますか。
  206. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 八十七号についてもお尋ねしましたが、あなたに、この次検討の結果お答えするということについては九十八号です。従ってその九十八号についてお答えいただきたいと思います。検討されたと思いますが、この前の十日ですから。
  207. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) ILO九十八号条約はすでにわが国においても批准したのでありますが、それに違反しているというお説であったと思うのでありますが、それはジュネーブの会議におきましても、小委員会で違反の疑いがあるという発言はあったけれども、その上部委員会においてはこれを決定しなかった、総会においてもこの問題は日本政府の考えるような方針によって解決するのが妥当であろうという、いわば政治的な結論が出たように聞いておりますが、従って日本においてこの条約違反を行なっておるということは、まだ未定の段階だと考えております。
  208. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 専従制限を強行すれば、もうすでに批准済みのILO九十八号条約の精神に反する、そういうことをお尋ねしたわけです。そこでこの内容を見ますと、第二条の第一項に、こうあるわけです。「労働者団体及び使用者団体は、その設立、任務遂行又は管理に関して相互が直接に又は代理人若しくは構成員を通じて行う干渉に対して充分な保護を受ける。」特にここで注意しなければならないのは、任務遂行について労使相互の干渉があった場合は、労使とも十分な保護を受ける、任務遂行ということになりますと、専従の数を制限したり、その期間を制限したりということを意味するわけです。重大な関係がここに出てくるわけです。そこで官房長官としては、この条項に対してどう考えられるかということです。
  209. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) まだ十分に研究しておりません。
  210. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 もう大体最初から、九十八号について八十七号と間違ったり、そういうことから、研究してないことは、私にはわかったわけです。この前お伺いしたのは九月の十日です。本日は十月十五日ですね。もう一カ月を上回る五日も過ぎているわけです。その間全然検討されなかったということに対しては、非常に遺憾の意を表さざる得ないわけです。この次お答えするという意味のことがあったわけです。十分検討するというお言葉があった。この議事録を見ればはっきりいたしますが、このことについては、もう誠意のないということで尽きると思うのです。十分この点は改心していただきたい。時間の関係でこのことだけで、深く追及いたしませんが、今後十分誠意をもってお答えいただきたいということをまずお願いして、次にお尋ねしますが、この前のあの労働問題懇談会の答申を見ても、労使双方の不介入、そういうことが等申されているわけです。そこで今の九十八号は別としても、八十七号条約が、いずれこれは時間の問題であろうと思う、批准については。従ってこういう点からも、明らかに今文部省が強行しようとしている専従制限は、こういう法に反するということに対して、官房長官はどうお考えか。
  211. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 専従制限の問題といたしましては、制限する問題は八十七号の条約違反の疑いがあるというようなお話がありましたが、その点については、必ずしもお話しの通りども考えておりませんが、十分にこの点も研究してお答えいたします。
  212. 永岡光治

    ○永岡光治君 関連して、今検討するということになったわけですが、先ほどの伊藤委員の質問に対して、ILO九十八号条約の精神は、今労働組合の専従者について、数を制限したり、だれだれでなくちゃならぬというような、結局そういう首切られたものは専従役になってはいけないとか、いろいろ結果的には組合に干渉するようなことになってはいけないのだという精神だということを申し上げて、ILOの理事会では、あなたの言う条約適用委員会では、そういうものは論議された。されたけれどもそれは本会議には報告されなかった、こういうお話しでありますが、私の方は報告されたと記憶しているのであります。それは別として、だから本会議で取り上げられなかったから、私の方はこのままでいいのだと、こう考えているという説明であります。政府はそう考えているという説明であります。そこで、ここで念を押して確かめておきたいのは、ILOの理事会はまたこの十一月にありますが、そのときにおいて、この問題が再度取り上げられて、日本の政府が考えていることはいけないのだという結論が出た場合には、それに従うということを裏書きしていると解釈してよろしいか、明確にお答えいただきたいと思います。
  213. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 私はあまり深く研究いたしておりませんので、まことに申しわけありませんが、これが、もし日本政府の行なっておることが九十八号に違反しておるという事実があった場合にどうするかということにつきましては、明確にここで私からお答えするわけに参らぬのであります。
  214. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 現在特に専従制限について熱を上げておるのは、文部省のようですが、この九十八号は別にして、やがて八十七号条約が批准されるであろう、そういう情勢の中で、今ここに専従制限を強行しようとすることは、結局朝令暮改になるおそれが多分にある。八十七号がもし批准されれば、必ず、専従制限については全廃されなければならぬ。そういう情勢の中で、文部省が特に先走ってこれを制限しようとしておるということは、政府全体としてもあまりにも統一がなさ過ぎる。そういう点について官房長官としてはどう考えるか。
  215. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) ILOの条約は非常に難解な条約のようでございます。それでこれらの問題については、十分に人事委員会等におきまして考究中でございまして、ただいま何ともまだ結論が出ておりません。
  216. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 先ほど来お伺いしておる点に加えて、憲法二十八条を見ても、それから地公法、国公法、それから今論議の中心になっておる九十八号、さらに八十七号、こういうようなものを見ても、まさしく違反であると私どもは確信を持っておるわけであります。そういう点で一つこの際ぜひお伺いしたい点は、早急に政府の統一見解をもって明快な同等を与えるべき時期に来ておると思う。特に文部省が非常に強行しようとしておるようですが、このことは先言ったようないずれの条項からしてみても、まさしく違反でなければならぬ。もし違反でないとするなら、法的な根拠を示していただきたい。ところが根拠については、検討するとか、この次さらに研究するとか、そういうことでは答弁にならぬと思うのです。いやしくも官房長官の立場では、今問題になっている専従の内容について知らな過ぎるのじゃないか、誠意がなさ過ぎる、こういうように感ぜざるを得ない。この点何とか明確にお答え願いたい。
  217. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) よく研究いたしまして、なるべく統一見解を確定するようにいたします。
  218. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ただいまの伊藤委員質疑は、重大な問題でありますが、官房長官も研究されるということですし、時間がないので、本日提出されました調達庁関係質疑をします。答弁する人は官応長官並びに調達庁側であります。本日は調達庁長官は合同委員会出席で、次長がおいでになっておるのですが、長官にかわって責任ある答弁できますね。念のために伺います。
  219. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) できるつもりでおります。
  220. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 調達庁国会に提出する資料は、他の省庁に比べますと、常に資料提出が迅速であり、かつ明瞭適正なる資料を出される点は敬意を表します。これはおそらく米軍と常に関係があるから、そういう点は米軍の好影響を受けたのかと思いますが、資料提出については、非常によいということを是は是として私はここで申し上げておきます。官房長官、これはあなた聞いてもらいたいことなんです。他の省庁はいけないということなんです。そこでます、この委員会でかつて数回にわたって取りしげました板付飛行場周辺の騒音防止対策について伺いますが、この件については調達庁当局で、今までいろいろと御配慮いただいたわけで、本委員会の場合も相当やられたようであります。その点は多としますが、先般私ども国会から派遣されて視察をしたわけです。三年前に私も視察して二度目だったわけですがね。その当時質疑をやって、調達庁当局に、騒音防止対策の具体案を、資料として膨大なものを出していただきました。非常に詳細なものを出された。ところが、今度私視察してみますと、その計画通りいっていない。ずいぶんおくれていることに私は驚いたわけです。しかしたとえば筥松小学校のごときは、われわれさらに視察したのですが、りっぱな鉄筋コンクリートの校舎ができております。これはちょうどコースに乗っている学校なんですがね。そういうりっぱに建てられた学校もありましたけれども、取り残されている学校は非常に多い。こういう点を私は視察して参ったわけです。それを根拠にごく簡単に伺います。明確なお答えを願いたい。この資料として出していただいた、昭和二十九年度より昭和三十三年度までに実施済校とありますね。この中で、十七、蒲田小学校という学校は、騒音のため、他地区に移転するというわけで、他地区に移転した、完了となっていますね、この資料では。ところが蒲田小学校は、F—100が来る前に移転した。ところが、それは木造で、防音対策を一切しなかったから、作って半年くらいでF—100が来たところが、もう全く騒音がひどくて役をしないということになったわけなんですが、その後騒音対策は、あの木造にやったのかやらないのか、ただその土地から移しただけで済んだと資料の上に入れてあるのじゃないか。私はかように察するわけです。そうだとすると大へんなことだと思うのですね。あの移転した蒲田小学校の木造には、その後騒音対策をやったのか、やらないのか、お答えを願いたい。
  221. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) お尋ねの蒲田小学校の防音工事につきましては、昭和三十三年度木造永久防音工事で実施する予定でございましたが、その後いろいろ騒音を測定、研究いたしましたところ、鉄筋改築、防音工事の必要がある、そういった施工が必要であるということが認められましたので、一応木造の計画をとりやめまして、昭和三十五年度に実施するように計画中でございます。
  222. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その計画はよろしいです。そこでついでに伺いますが、この資料に基くと昭和三十五年度計画のものの中に、木造鉄筋コンクリート造りに改築というのが一校になっている。その一つが蒲田小学校というわけですね。他の一校はどこですか。
  223. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) 東吉塚小学校でございます。
  224. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そこで、昭和三十四年の計画に入りますが、前に私に出していただいた資料に基くと、もうこういう学校の防音対策は全部解消しているはずだ。ところができていなくて、昭和三十四年の計画の中に木造関係が五と、鉄筋コンクリートが七と、木造を鉄筋にかえるのが二と合計十四校がこの資料に出ていますが、この中の施工確定のものと、施工予定のものと二つに分けてあるが、どう違うのか。たとえば施工確定の中に月隈小学校、東光小学校とございますが、板付にきわめて近い、この前視察したときに早急にやってもらわなければ困るというのが、地元の教育委員長の意向でした。ところが工事を始めていない。昭和三十四年度の計画の中に載っている。施工確定のものはいつ始めていつ終るのか、施工予定のものというのが三校あるわけですが、これはいつ着工していつ完了するのか、その目途を明確にお答え願いたい。
  225. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) お手元に差し上げてございます資料中の、昭和三十四年度計画防音工事と題するものの施工確定のものと申しますのは、実施を内定してすでに通知をいたしておるものでございます。それから施工予定のものと申しますのは、十月以降実施することを調達庁で内定いたしておるものでございます。そういう区分けでございます。
  226. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 内定とか通知ということはけっこうなのですが、それだけでは仕事が始まらないのです。工事を始めてもらわなければ困る。もう第三・四半期に入っているのでしょう、冬になったらコンクリートは打てなくなるのですよ。だから早急にこれは着工して、昭和三十四学年度中に完了するようにやるべきであり、やってほしいと思うのですが、お約束できますか。
  227. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) お尋ねの通り、昭和三十四年度にこれの実地を終る所存でございます。
  228. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 三月ごろ私は視察に参りますから、現地にそういう訓令を出しておいていただきたい。それからもう一つ、あの当時からあれだけ汗が高くて七十ホンから場所によれば九十ホンくらいになる、従って一学級の編成を生徒数四十人にする必要があるということを文部省も認めたわけです。ところが、生徒数四十人の単級編成をしたのは箱崎中学校一校のみでありますが、これはどういうわけですか、昭和三十四年度において生徒数四十人の単級編成をする学校、木造で一校だけとしてありますが、あの当時ここで確認したことは、文部省も立ち会いの上で、生徒数五十人以上入れては無理だ。九人の専門の学者が研究した結果、いろいろ結論が出て、一学級級四十人にしろ、それに必要な教師も確保するように文部省も認める。また一学級四十人になれば、それだけ建坪数がよけいになるわけであるが、それに対しても調達庁と文部省でめんどう見るということをあのとき確認されたわけですが、いつわれわれに断わりなくこういう方針が変ったのか。現地に行ってびっくりしたが、資料として出した、過去において三十二年度に一校だけということですがこれはどういうわけですか、お答え願いたい。
  229. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) 板付基地周辺の教育施設に関する防音工事の昭和三十三年七月九日付で当内閣委員会に提出いたしました資料内容につきまして、その後の経過を全般的に申しあげまして御了解を得たいと思います。  お説の通り、一学級の生徒数を四十名程度に減じて教育効果の効率を増すための不足教室を増築する、こういうことの工事は、当初は吉塚小学校、月隈小学校、東吉塚小学校の三校であって、それを昭和三十三年度に実施する、こういう予定をして参っておったわけであります。ところが、今申しました三校は、騒音が非常に大きいということがわかり、鉄筋改築防音工事の必要があると、こういうように認められましたので、月隈小学校は昭和三十四年度中にこれを実施し、吉塚小学校と東吉塚小学校については、昭和三上五年度以降においてそれぞれ鉄筋改築防音事を実施する、こういう予定を組んでおる次第でございます。なお、昭和三十三年度において箱崎中学校の教育効果の効率を増すために必要な不足教室の増築工事を実施しまして、その後の教育効果について、目下福岡市当局に依頼、調査中でございます。その結果により対処したいと考えておる次第でございます。
  230. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そういうようにやって下さい。それを了とします。次に伺いますか、先般われわれ視察した場合、板付基地の米軍の好意によって視察さしていただいたわけです。総面積約九十万坪あるのですか、その大部分は民有地です。そのときに司令の言葉では、必要でない土地が若干あるので返還する考えだということでありました。そこで、あなたのところの出先機関に対しても、できるだけ早く話をまとめて、不必要な土地の返還が早く行われるようにという要望をして帰ったわけですが、その後いかようになっておるか、見通しを伺いたい。
  231. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) お尋ねの件につきましては、目下地域とか場所とか具体的に米側と打ち合せ中でございます。
  232. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それはいつごろ解決する予定ですか。必ず返還されるものでしょうれ。
  233. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) なるべく早く返還を実現したいのでございますが、目下のところその時期とかいうような点につきましては、明確なお答えができない段階でございます。
  234. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 もう少し明確な答弁ができるように出先機関と連絡をとっていただきたい。それからもう一件、今米軍が使っておる爆撃場、鳥島地方ですか、その爆撃場があるために漁業権が制限されておるのでぜひ移転してほしいという要望があり、当局では、かわりの適当な土地があればというようなことで、かえ地を研究中だということですが、その見通しはどうなのか、お答え願いたいと思います。
  235. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) まだ検討中でございます。
  236. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それはあまり検討していないということですが、現地に連絡して明確に答弁できるように準備しておいてもらいたい。  時間がないので次に伺いますが、調達庁から三百二十人の公務員が他の省庁に配置転換されることになっておったわけですが、そのうち約百人が厚生省に移管されることになっておったようですが、その後定員法が修正されましたので、厚生省に移りたいという人が多いので、この委員会でないが、当時の予算委員会で厚生大臣立会いの上で調達庁の公務員の人で希望があれば、定員法が修正されたから百人を上回って厚生省の方へ配置転換をしよう、その場合にはゴボウ抜きみたいなことをしないで、十分希望を聞いて、そうしてその配置転換をやるということを国会でお約束になっておったわけですが、いかように進捗しているか。果して調達庁の公務員の方々の要望を聞き入れて行われているかどうか。いかように認識しているか。その点をお答え願います。
  237. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) お説の御趣旨を守って配置転換を逐次進めつつあるところでございます。
  238. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その趣旨を尊重しているか知らぬが、実際はそういっておらぬと開いているのですがね。地域的にもいろいろ問題があって、さらには年令制限を加えたり、それから、採る方ではなるたけ等級の低い人というようなことで、七等級とか八等級ばかり採用して、そして係長級である五、六等級の方を採らないというので、非常にスムーズにいっていないということが私の耳に人ってきているわけです。もう時間がないから具体的な例あげませんがね。そういうことが実はあるのじゃないですか。  それと、官居長官に伺いますが、調査庁というのは、終戦後非常に米軍との関係仕事しづらかったでしょうが、非常な責任を果してこられた官庁です。そして、そこに勤めておった公務員の方が業務内容関係で配置転換するに当っては、先般の国会で法案を審議する場合に、決してまま子扱いにはしないと、かつての労には報いると、こういう原則は、これは予算委員会で岸さんも答弁したし、それから所管国務大臣である防衛庁長官も、調達庁長官はもちろんのこと、それから受け入れ側であるところの厚生大臣も、そういう答弁をされているわけです。だから、そういうふうに私は取り運ばれなくちゃならぬと思う。ところが、いよいよ法律が通った後には、受け入れる方が優位に立って、そして送り出す調達庁の意向が尊重されぬような私は行政運用では好ましくないと思うのです。だから、この点については、官房長官はどういうような見解でおられるか。また、私は、言うことを許していただくならば、閣議あたりで官房長官から特に発言を求めて、関係閣僚諸公に、こういうことになっているからこういう方針で取り運んでほしいという積極的な発言を、官房長官から閣議においてして閣議で了解を得ていただきたいと思うのです。お二人の方からお答えいただきたい。
  239. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 御趣旨は十分に実現できるようにいたしたいと思います。
  240. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) この三百二十名の整理に伴いまして、厚生省と防衛庁へそれぞれ百名と二百名を配置転換する、こういうことは、これはきまっておることでございますか、御承知通りのことでございまして、お説の通り厚生省にはどうしても高級者がとっていただけない、八等級を中心にする、これが一番よけい行く、こういうことになっております。われわれとしては、なるべく高級者も採っていただきたいということを念願いたしましてそのことをいろいろ、厚生省と絶えず折衝をいたしましたわけで、今後ともそういう話し合いは進めますが、いかんせん、厚生省の年金業務の性質が、若い層の俸給の段階の低い者で問に合う、そういう者を集めて仕事をする。課長のほかに、たとえば大都府県以外のところは、課長のほかに係長二人か三人といったようなことでございまして、係長と申します者が五等級でございます。課長が四等級でございます。そうすると、四等級というのは、厚生省はいろんな仕事を知っていなければならぬ。これまでに年金というものについて研究した相当のエキスパートじゃなければ勤まらないとか、こういったようなことでありまして、課長は受けられない。それから課長補佐も、課長補佐は二、三名であって、その課長補佐に当る人は、業務に精通した人でなければならぬとか、いろいろやむを得ない向うの事情もわかりまして、私ども、それ以上無理を言えませんので下級者がどうしても移って行くという結果になっておりまして、現在までに厚生省へ八十九名行っております。そこで調達庁としては、しかし高級者、四等級、九等級の行方を、いいところをどうしてもきめていただかなくちゃならぬ、こういう必要がございますので、いろいろ防衛本庁へ交渉いたしまして、防衛本庁では、できるだけこれを受け入れるということで非常に苦心してポストを作っていただきまして、着々進行いたしておりまして、厚生省へ振り向けられなかった相当高級者を防衛庁へ送り込むというようなふうにしてことを運んでおりまして、今日までのところ防衛庁へ五十七名行っております。全体で配置転換の終った者が百四十六名、こういうことになっておる次第でございます。
  241. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 官房長官に重ねて御要望申し上げておきたいと思うのですが、これは相当膨大な行政機構を持っているわけですから、だから誠意と神意を持って処すれば、調達庁の公務員の方々の不安動揺というものを払拭することができると思うのです。だから、今日は厚生大臣出席を願ったのですが、差しつかえがあったのでお見えになっておりませんが、厚生大臣とか、あるいは官房長官、そういう関係閣僚に閣議のときに長官から積極的に発言をしていただいて、そうして適材が適所に配置転換ができるように御配慮をいただきたいと思いますが、この処置をとっていただけるでしょうか。
  242. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 御趣旨の点はよく申し伝えして善処する次第であります。
  243. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そこで話を変えまして、調達庁の問題については、これは永岡さんが委員長時代から非常に取り上げて何べんも質疑をし、要請してあるわけですが、明確なものが出てこない。その問題は調達業務の今後の縮小によって、現在の調達庁という行政機構をいかように今後するか、何らか国の一つの行政機構として永久的なものとして残す。しかも、そこに勤められている公務員の方々は、それぞれ特殊技能を持っておられるのですから、それを生かす方法を研究するということを、調達庁長官も、それから所管の防衛長官もずっと答弁してきている。それから赤城さんが官房長官であった時代もそうでした。あなたが長官になられてからも、一度研究するということでしたが、通常国会もまじかにひかえておりますし、法案を提出するに当っては、少くとも十二月中には大体かたまってくると思います。だから、もう相当具体的な素案というものは出てきていると思いますが、一体、調達庁としてはどういう構想を持って行政監理庁なり、あるいは大臣を通じて閣議等に反映をしているか、どういう連絡をとっているか、また官房長官としてはどういうまとめ方をしているか、現段階におけるまとまったもの、今後の構想と見通しについて重点的にお答え願いたい。
  244. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 調達庁次長に答弁させます。
  245. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) 調達庁の将来の問題、機構問題につきましては、防衛本庁の幹部と調達庁の幹部とが連絡会議を設けまして、その会議においていろいろ検討をいたしておりますけれども、今日までのところ、まだ成案を見ておりません。事柄の性質が防衛庁設置法改正の必要を生ずる問題と思われることでございまして、私ども調達庁立場から、こういうふうに変えていただきたいといった、あるいはこういうふうにしていただきたいという要望はできますけれども防衛本庁の権限に属することでございまして、私からこれ以上お答えすることができない立場でございます。
  246. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 きょう防衛庁長官が差しつかえがあってこられなかったので、お尋ねすることができないのですが、官房長官はともかく赤城さんからバトン引き継ぎがあったと思うのですがね。調達庁の半永久的な今後の機構については、調達庁長官と十分連絡をとって、その意向を汲み入れて、あそこに勤めている公務員の将来について不安がないように、また、日本の行政事務の能率向上に資するような機構というものを、誠意をもって検討し、われわれに辞儀を仰ぐ私用意はあると思うのですが、あなたのお気持を承わっておきたいと思います。
  247. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 連絡協議会もできておりますので、そこで十分に研究いたしまして、不安を与えないような方法をとりたいと思います。
  248. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 もう二、三点伺いますがね。時期的な点は、今後臨時国会の終るころにはおおまかな答弁が具体的にできるように作業を続けていただきたい。官房長官におかれてもさように調整していただきたい、部内をね。それから調達庁の当局としても、行政管理庁あるいは防衛庁等と関係のある省庁と連絡をとって、臨時国会の終るころには、本委員会においておおまかな構想を答弁できるように準備していただきたいことを要望しておきます。そこで調達庁の方に伺うわけですがね。今安保条約の改定交渉が岸内閣の手で行われている。大体条文が成文化されたと承わっておる。それに伴って行政協定をどの程度に改変するかということはずいぶん問題になっていますが、しかし大幅に改正をするということを言われているわけですね。で、まあ新聞、ラジオ等を通じて、いろいろこの行政協定の改定が伝えられています。岸さん並びに藤山さんの基本方針というものが伝わっていますが、まあ具体的に言うならばNATO並みとか、あるいはボン協定並みにするというような事柄で表現されていますが、そういうふうに改定されるとすると、調達庁の業務というものは、今の業務量よりふえますか、減りますか。専門家としてどういうような見通しを持っておられるか。僕は相当に日本アメリカが独立国という立場において対等の立場で、ボン協定なりNATOの協定、実質的にあるいはあれ以上のものに改変するとすれば、今のこの日本が敗戦国として国会の批准も経ないで、岡崎外務大臣当時に結んだあの行政協定の業務量に比ぶれば、相当ふえるのじゃないか。またふえなければ実際やれないのじゃないか、日本立場が守られないのじゃないか、かようにまあ私は考える。岸構想の下に行政協定が改められた場合の業務量というものについてどういう予見をされておられるかお答え願いたいと思います。
  249. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) 行政協定が改定されますれば、調達庁の業務にも変化が起るということは、予想はされますけれども、私どももどういう事項についてどういうように改正されていくものかわかっておりませんし、また、これは対米交渉にかかわる事柄で、今日その予想といったようなものをここで申し上げることができない次第でございます。
  250. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それはおかしいと思う。私はそういう答弁はけしからぬと思いますよ。それは行政協定というのは一番国民の正常生活に密接な関係がありますよ。一体外国の駐留軍によっていかに日本国民が生命並びに財産をおびやかされたか。最近ロングプリー事件とか、いろいろな事件がありましたけれども、そういう場合の補償業務はどうだろう、裁定はどうだろう、ずいぶん問題がありますよ。河野一郎さんさえ全面的に改正しろと言って、徹底的に叫んでおられるじゃないですか。それをたとえばボン協定並みにして日本人の立場を守る、独立国日本の面子を保つていくとなれば、一体業務量はどうなるかというようなことを、調達庁長官とか、あるいは次長ともあろう人が把握していないということはあり得ないと思う。なぜ率直に言わないのですか。実際答弁ができないとなれば、私はその怠慢を責めます。たとえば今問題になっている労務調達にしても、直接調達を間接調達にするだけでずいぶん変ってくるでしょう。あるいは行政協定の十八条における補償の問題、その裁定をどう扱うかというようなことでも変ってくる。まだ駐留軍はずいぶん入国についても、勝手に入って脱税行為をやっているでしょう。やみドルなんかも犯している。そうして日本の金融財政をかき乱している。そういう通関、税関関係を厳正にしていくということに当っても、ずいぶん変ってくるわけです。また、施設やら提供区域についてもずいぶんと、かつて問題があったでしょう。これらの状況がどういうふうに維持されておるか、守られているかどうかということを検査するというようなことを考えても、ずいぶんと内容が変ってくるわけです。私はきょうは行政協定の問題について突っ込んでやりたいと思って、総理大臣と、あなたのところの長官と、それから赤城さんを呼んでおったわけですけれどもおいでになっていないし、時間がないから他日に譲りますけれども、相当の業務量はふえると思う、岸さんの構想で改定をしたならば。また、ふえるように改定しなければならぬと思う。われわれのところは全部これを廃止するというのですけれども、安保条約を。そこでそうなりますと、調達庁の業務というものは非常に複雑であるし、対外関係があるし、特殊技能と経験を要するわけです。そうなりますと、今の調達庁の公務員というのは、私は大事な公務員だと思う。だからちょっと今業務が少くなったからといって、分散しないで温存しておく、特殊技能と経験を持っているのですから。そうしてがっちりした機構を作ることを私は考えられてしかるべきだと思う。行政協定の改定の交渉をしながら、そういう点は全然交渉している外務大臣等にあなた方の方で助言していない、具申をしていないとなれば、それは怠慢を責められますよ。いかがです。
  251. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) 新しい協定ができます場合に、その協定の仕方によって、いろいろ変化が起るということは、ただいま起るだろうということを私は申し上げましたが、お話しのように、現在直接雇用になっているものを間接雇用にするとかいうようなことになりますれば、そういった面には若干調達庁職員のそれにかける人員というものが必要なわけでございますが、物事によっては規定を、非常に円滑な業務が運営できるように、詳細に、その権限等を明白にしておけば、簡素な業務運営ができるという面もあろうかと思われる次第でございます。御承知のように、行政協定を実施するに当っては、調達庁が管掌しておりますことは、関係部門だけでも、非常にこの協定の本文とか、あるいはこれに関連する国内法とか、そういったものが、われわれの仕事を運営する上からは、必ずしも便宜にできておらない点がございまして、折衝が非常にうるさく複雑なわけでございます。そうした面を簡素にできるようにすれば、人が少くて済むという面も現われてくることがあろうかと思われる次第でございまして、これらの点について、ああいった場合はこうなる、こういった場合はああなるというようなことを、われわれもできるだけ勉強し、研究はいたしておりますけれども、これらの関連事項は、すべて調達庁限りでできることでは全然ない面が大部分でありまして、私から大それた御答弁は申しかねる次第でございます。
  252. 永岡光治

    ○永岡光治君 関連……。この調達庁機構改革の問題は、今に始まったことではありませんで、この内閣委員会で問題になっても、もう三年越しにたしかなると思います。私の記憶だけでも。そのつど政府当局は、研究する、やれ次の国会までに間に合せるように、とにかく検討しますということで今日まできたと思うのですが、もうごまかしてもだめだと思うのです。いまだに大蔵省との予算折衝に頭を出さないで、この通常国会にあなた方間に合うと考えておりますかと、まず私はその点からただしていきたいと思います。お答え願います。私の質問の趣旨がわからなかったかと思うのですが……、わかりましたか。
  253. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) この点、さきにもお答え申し上げましたが、私どもとしては、できるだけ早急に、三十五年度から実施できるような、あるいは実施は三十六年度になっても、あるいは三十五年度の半ばになっても、法律では少くとも三十五年度から、今度の通常国会できめていただくようにということを希望して、日夜苦心努力を重ねておる次第でございます。
  254. 永岡光治

    ○永岡光治君 それならば、調達庁の方からは、私はもう案が出ておると思うのですよ。出ていなくて、この通常国会で法律をせめて成立してもらいたい希望を持っているなんということでは、答弁にならぬと思う。とにかく、ごまかしは私はいかぬと思うのです。一番私は不愉快です。だから、どの程度まで進んでおるのか、どこまで研究を進めておるのか、その大綱については、いろいろ案が考えられるだろうが、それは当委員会にも、経過的な段階でもけっこうだから、その内容を示してもらいたいということを何回も繰り返し繰り返しお願い申し上げておるわけでありますが、まだその内容すら発表することのできない、その程度の研究ですか。これは特に官房長官に私は聞きたいのですが、どの程度あなた方は誠意を持って研究をされているのですか。ただこの委員会で研究するとかという答弁に終始するのではなくて、ほんとうにどこまでこれを解決しようということで具体案を研究されているのか、具体的に一つ答弁してもらいたいと思うのです。
  255. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 行政協定との関連において、どういうふうにこの機構を運営するかという御質問ですか。
  256. 永岡光治

    ○永岡光治君 こういうことです。従来、当委員会では、このままの状態では、調達庁という機構は毎年々々減員されまして、職員はじっとして不安の情にかられておるのであるからして、抜本的にこの調達庁という職員を生かすような組織を考えてもらいたいということで、それは官房長官も、行政管理庁長官も、当委員会での答弁で、必ずそういうことに努力いたしますということをしばしば答弁されているわけです。この前の通常国会にもそれは間に合わなかった。そうして、減員という事態が起きました。その定員法を審議する過程におきましても、当委員会では、誠意を持ってその問題を解決するように努力をいたしますということを、これまた答弁しております。ところが、今話を聞きますと、もうきょうは十月の十五日であります。おそらく、今までに大蔵省各省と予算折衝の中で、あなた方がほんとうに誠意を持って研究しておるというのであれば、最終案がきまらないまでも、こういう機構改革のものが出るという程度のものができていなくて、どうして間に合いますかということを私は憂えるわけです。だから、もうすでにある程度のものが折衝して固まっていなければならぬと思うのです。予算的には最終的にどの程度の額になるかは別といたしましても、これは行政管理庁にいたしましても、防衛庁にいたしましても、あるいは総括的な責任者である官房長官にいたしましても、当然私はそのことを知っていなければならぬと思うのです。ところが、調達庁の人の話を聞くと、調達庁の方ではいろいろ研究しておりますが、私たちの言うのは要望だけでありまして、それはどういうことになるかわかりません、それは防衛庁の所管でありますと、こういう答弁です。官房長官の答弁では、十分研究いたしますと、こういう答弁です。それではこの三十五年度には間に合わないだろうと、こういうことを申し上げておるわけです。今調達庁のお話しでは、それは予算を伴うものでありますから、たとえ実施は三十六年度になりましょうとも、三十五年度にはその法律の改正が実現できるように努力したいという答弁でありますが、それさえも私たちは疑っているわけです、率直に言いまして。そこまでの誠意があるなら、もう相当の案があるはずだと、どの案にするかということはまとまらないにいたしましても、幾つかの案が出て、大体この案が中心になって進みそうだというくらいの答弁は、もう十月でありますから、来月は十一月であります、当然出てしかるべき段階ではないか。にもかかわらず、まだ研究々々ということでは、だめじゃないか。だから、大よその案は、こういう方向で行きたいというものは、おそらく調達庁の方にあるはずです。防衛庁の方でまだ発表できないというのは別でありますが、要望はどんどんしていいだろうと思う。それと関連して行政協定の問題が出てくると思うのですが、この行政協定は、これはあなた方関係ないと言う。ところが、相当大きな関係があると思うのです。今矢嶋委員からの質問のように、直接調達が間接調達になっただけで従来の例から申しまして相当増員になると思うのです。また、協定十八条の項目の問題にいたしましてもそうです。これは調達庁がそれを引き受けるということになれば、相当な人員がやはり要ると思うのであります。そういうものもやはり考えつつ、相当考慮して、減員は、この前の官房長官の答弁では、これもあなたはそういう答弁をしたことはないと言うかもしれませんが、私ははっきり覚えておりますが、減員はしないようにしますということをはっきり答弁しておりますから、三十五年度は調達庁の定員の減員はないと思いますけれども、それにいたしましても、毎年々々減るのでは困るのでありますから、もうここらあたりで、相当程度の案がまとまっておるべきはずだということを私は申し上げておるわけです。まだ研究中でわかりませんというのか、あるいは相当程度同まっているというのか、相当程度固まっているとするなら、ぜひその案をこの段階で示してもらいたい。きょう等分ができないならば、資料にしてでもけっこうでありますから、構想だけでも示してもらいたい、こういうことを私はお尋ねしておるわけです。
  257. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 防衛庁長官と十分に連絡をとって研究して参ります。
  258. 永岡光治

    ○永岡光治君 防衛庁長官と連絡をとることもけっこうでありますが、大体およそいつ程度くらいに、構想でけっこうでありますが、コンファームされたものでなくてもけっこうでありますから、一体どの程度のものに向って努力するかという構想くらい示してもらいたいと思います。それをいつごろお示し願えるかお尋ねいたします。
  259. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) よく御趣旨を体して、防衛庁長官と連絡をとりまして、できるだけ御希望に沿うようにいたしたいと思います。
  260. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) さきに永岡委員の御質問のお言葉の中に、私が三十六年度から実施されることを望んでおるとか、あるいはそれでよろしいとかいったような意味で御解釈のお言葉でございましたが、私の言葉が少し足りませんで、説明不十分な点があったと思いますが、私どもは三十五年度からこれを実施していただきたい。しかし、どうしても三十五年度でもできなければ、法律は三十五年度に作っておいて、そして三十六年度から少くとも実施するとか、とにかく三十五年度の、つまり今度の通常国会までにはこれを通すようにしていただきたいというのが、われわれの根本的な希望でございます。そういう意味で今努力いたしておる、こういうわけでございます。
  261. 永岡光治

    ○永岡光治君 ですから、そうなれば相当な案ができているはずだと思うのですが、それは一向に触れていない。これはきわめて不満なんです。しかし、これはこれ以上申し上げません。ただ、官房長官が永岡委員趣旨に沿うようにということでありますから、私の希望は、臨時国会の冒頭までにはこの委員会が開かれた際には案が示されるようにぜひお願いしておきます。その程度の約束はできるだろうと思いますがどうでしょうか。委員会が始まったその委員会の中で、できれば早急に委員会で、とにかく案を示してもらいたい。最終結論の案でなくてもけっこうですが、この程度進んで、こういう構想でいこうとしているという案でけっこうですから、そういう約束をしてもらえるかどうか。われわれは期待をしていいのじゃないかと思いますが、私の期待に沿うようにという、そういう希望を私は持っておるわけです。
  262. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 防衛庁長官とよく連絡をとりまして、なるべく御希望に沿うようにいたしたいと思います。
  263. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 本日の私の最後の質問として、次長にお答え願いたいのです。それは先般佐世保港外で米軍が演習して佐世保地域の漁民に損害を与えた。これは協定違反だから抗議をする、補償もするということです。これは金額にして幾らの補償を求めて、いかような経過をたどっているか。こんなのは半年も一年もたって補償してもらっても何にもならんのです。漁民は早く漁具を買わなければならんわけですかられ。だからその金額と、どういう交渉をしていかようになっているか、いつ解決するのか、それをお答え願うのと、もう一つは、さっきの協定に関連があるのですが、あなた方が実際事務されて、現行協定で仕事をされて非常に工合が悪かった、支障があった例が幾つかあると思うのです。そういう例が、今想起されるだけでどういう例があったかお答え願いたい。即座にお答えができなければ、後日書面によってもよろしゅうございます。必ずあなた方が運用するに当っていろいろとお苦しみになったケースがあると思う。それを私は参考に聞いておきたい。そのお答えをいただいて、私の本日の質問を終ります。
  264. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) 前回の当内閣委員会矢嶋先生から調達庁長官に、私の方の長官にお尋ねがありまして、それに対して丸山長官からお答えをいたしました次第でございますが、その後の経過を申し上げますと、その後の合同委員会におきまして、損害の補償を要求しまして、米側では損害があったら、個々別々に調べて知らせてもらいたい。それによって米側は検討するということを言っておるのでありまして、調達庁は、米側は損害があることが明確になれば補償してくるものと了解しております。そこで、私の方でも担当部局に命じて調査をいたしておる段階でございますが、まだ正式な申請が出ておりません。しかし、これまでわかっておりますところでは、局に口頭等で申し出てきておる、あるいはこちらで調査いたしましたところによりますと、被害総件数が二十六件、人員で二十七名、約四百五十万くらい、こういう数字が出ております。これがはっきりいたして参りますれば、正式に米側と個別的な折衝をして、その補償を考えるというつもりでございます。  それからもう一つ第二段の従来の行政協定で業務の運営上どういう点に差しつかえを生じたかどうか、これを明らかにしろということでございますが、これは非常に、私はここで即答いたしかねますので、後日調べまして、御要望に沿えるようにいたしたいと思います。
  265. 永岡光治

    ○永岡光治君 この際官房長官にお尋ねより、むしろ希望の方が強いわけでございますが、この前の委員会でお尋ねをいたしました案件の中で、公務員制度の改正について、今度の通常国会にそれを提案をされる用意があるのか、ないのかという質問をいたしましたところが、それまでには間に合わないであろう、こういう答弁でありました。その公務員制度改正というものは、従来からこの委員会で取り上げられたものは、特にその中の大きな問題の一つとして、非常勤職員をこの際思いきって定員化する。そういうものも検討するので、これは公務員制度改正と同時にやりたいということであったので、内容を相当監視いたしておったわけでございますが、これは出ないということになれば、この前の臨時国会では、通常国会で論議になりまして流れましたから臨時国会になりましたが、ある程度の定員法の改正はいたしましたが、まだこの非常勤ですが、相当程度の数が残っておるわけでございまして、これは当然この通常国会ないしは臨時国会に定員法の改正をしてそれを定員化する、定員化する措置が講ぜられるものと解釈していいのではないか、当然そうだろうと思いますが、周違いないかどうか、政府の一つ考えを承わりたいと思います。これで質問を終ります。
  266. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 公務員の定員法に関しましては、ただいま行管で研究中でございますので、それとの関連において、非常勤を定員化する問題が当然論議されるわけでありますから、さよう御了承を願います。
  267. 中野文門

    委員長中野文門君) 官房長行からさっきの総理大臣出席の件に関して発言があります。
  268. 椎名悦三郎

    説明員椎名悦三郎君) 会議がまだ継続中でございますので、きょうは出席いたしかねるのでよろしくお願いを申し上げます。
  269. 辻政信

    ○辻政信君 岸総理は災害対策よりも自民党内の派閥の調整にうき身をやつして国会の審議に出ない。はなはだ遺憾であるということを速記録にとどめて、質問は次の機会に譲ります。
  270. 中野文門

    委員長中野文門君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  271. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記を起して。  本日の委員会はこれをもって散会いたします。    午後五時一分散会