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1959-07-03 第32回国会 参議院 内閣委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年七月三日(金曜日)    午前十一時十二分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     中野 文門君    理事            増原 恵吉君            村山 道雄君            伊藤 顕道君            横川 正市君    委員            伊能繁次郎君            大谷 瑩潤君            小柳 牧衞君            下條 康麿君            下村  定君            松村 秀逸君            永岡 光治君            矢嶋 三義君            辻  政信君   国務大臣    国 務 大 臣 赤城 宗徳君   政府委員    防衛政務次官  小幡 治和君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君   説明員    国防会議事務局    長       廣岡 謙二君    防衛庁防衛局長 加藤 陽三君    防衛庁装備局長 小山 雄二君    人事院総裁   淺井  清君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○軍人恩給加算制復元に関する請願  (第一一号) ○軍人恩給是正に関する請願(第二〇  号)(第二二号) ○国立病院等医師待遇改善に関す  る請願(第二一号) ○委員派遣承認要求の件 ○国の防衛に関する調査の件(航空自  衛隊次期主力戦闘機機種選定に  関する件) ○国家公務員制度及び恩給に関する調  査の件(人事院公務員給与に関す  る報告等に関する件)   —————————————
  2. 中野文門

    委員長中野文門君) これより内閣委員会開会いたします。  まず、今期国会において本委員会に付託されました請願第十一号軍人恩給加算制復元に関する請願外三件の審査を行います。  速記をとめて。    〔速記中止
  3. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記をつけて。  それではただいまの御協議に基きまして、請願第十一号、第二十号、第二十二号軍人恩給是正関係請願及び第二十一号国立病院等医師待遇改善に関する請願、以上四件は、いずれも議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものと決定して御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 中野文門

    委員長中野文門君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。   —————————————
  5. 中野文門

    委員長中野文門君) 次に、委員派遣の件についてお諮りいたします。  閉会中における諸調査のための委員派遣につきましては、その後理事会において協議いたしました結果、計画案といたしまして、北海道地区及び北九州地区を選び、以上二班総員八名程度といたし、派遣の時期は、いずれも八月上旬とすることに意見の一致を見たのでありますが、以上の計画案に従い、各委員の御希望をしんしゃくすることとして、口後の手続は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 中野文門

    委員長中野文門君) 御異議ないと認め、さよう取り計らうことにいたします。
  7. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 先ほど採択されました請願、賛成でありますが、ただ、国立病院等医師待遇改憲に関する請願の点については、いろいろな重要な点について政府委員にただしたい点があるわけですが、本日は委員会の運営の関係質疑を保留いたしまして、適当な機会に、この件については政府委員出席を求めて調査することを保留いたしておきたいと思います。
  8. 中野文門

    委員長中野文門君) 暫時休憩いたします。    午前十一時十九分休憩    ——————————    午後一時三十分開会
  9. 中野文門

    委員長中野文門君) 委員会を再開いたします。  昨日調査承認要求書を提出いたしました国家行政組織に関する調分外二件の調査につきましては、議長において即日これを承認せられました。  以上御報告申し上げます。   —————————————
  10. 中野文門

    委員長中野文門君) この際、赤城防衛庁長官及び小幡防衛政務次官からごあいさつがございます。(拍手
  11. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 一言ごあいさつを申し上げます。  私、このたび、言葉通り、はからずも防衛庁長官に就任することに相なりました。私から申し上げるのもおこがましいことでありますが、御承知のように、自衛隊は、自衛隊法その他によりましてもおわかりの通りわが国の平和と独立を守っていくという重大な任務をになっておりまするので、私としても、いよいよその職責の重大であることを痛感しておる次第でございます。  申すまでもなく、世界の情勢が、各国とも緊張緩和に非常な努力を払っておるにもかかわりませず、まだその対立が解消するに至っていないということは、まことに残念に存じております。わが国防衛につきましても、このような国際情勢を背景といたしまして、さきに決定を見ました国防基本方針、この方針は、私は非常によくできていると思っておりますが、この方針に基きまして、漸進的に、国力、国情に即応した防衛力の増強をはかって参りたいと、こう考えております。なお、最近の科学技術の急速な発達に伴いまして、技術研究開発には特に重点を置き、装備近代化教育訓練の強化に努めて、自衛隊任務の達成に遺憾なきを期したいと考えております。  さらに、自衛隊といたしましては、自衛隊必要性といいますか、その点で、国民生活水準の向上、また生活水準が上れば、自衛隊としての責任が広く国民各堀にもよく理解をしていただき得ると思っております。そこで、広く国民各層理解支持を得たいと考えています。国民各層理解支持なくしては、とうていその任務を達することは困難であると、こう考えておりますが、幸いに各位の御協力によりまして、自衛隊に対する正しい理解と認識が次第に深まって参っておりますることは、感謝にたえないところであります。  私、微力でありますが、国民信頼支持を受けるにふさわしい自衛隊の育成のために最善を尽す所存でございます。今後、防衛庁としても、私としても、最も関係の深い当委員会におきましては、何かと御指導、御鞭撻、御注意を賜わることが多かろうと存じておりますが、至らない点につきましては、一段の御鞭撻をお願いいたします。各般にわたりまして何とぞよろしくお願い申し上げる次第であります。(拍手
  12. 小幡治和

    政府委員小幡治和君) 今回、はからずも防衛政務次官を拝命いたしました小幡でございます。全くのずぶのしろうとでございまして、浅学非才でございますが、皆さんの御指導、御鞭撻のもとに勉強さしていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いをいたします。(拍手)   —————————————
  13. 中野文門

    委員長中野文門君) それでは、これより国の防衛に関する調査及び国家公務員制度及び恩給に関する調査を議題として調査を進めます。  ただいま政府側の御出席の方々は、赤城防衛庁長官小幡防衛政務次官加藤防衛局長丸山調達庁長官佐々木原子力局長、法貴原子力局次長緒方大学学術局長であります。  御質疑のおありの力は、順次御発言を願います。
  14. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 新防衛庁長官を迎えていろいろ承わりたい点があるわけでありますが、参議院の予算委員会の関連があるようですから、単刀直入に数点について、当面きわめて緊急で重要な点について承わりたい。  その一つは、六月十五日の国防会議で、従来非常に論議を呼びましたところのFX、すなわち主力戦闘機種の問題について、昨年日月十二日の国防会議内定の線を白紙に返した、こういうことが報道されております。その新聞の伝えるところによりますと、六月十五日の国防会議白紙化文章と、その後閣議が了承したところの文章とでは、若干の修正がなされておりますが、承わりたい点は、調査団派遣するということが条件で白紙になったのか、調査団派遣というのは今後の検討次第で、派遣する場合もあれば派遣しない場合もあるというのか、いずれか承わりたい。
  15. 赤城宗徳

    小組大臣赤城宗徳君) 今のお尋ねでありますが、昨年の四月十二日の国防会議における内定を一応白紙に返しました。白紙に返して新たにあらゆる観点から機種選定の方法をとろう、そのために調査団派遣する、その調査団調査の結果を重要な参考意見として機種決定をはかっていきたい、こういうことでありますので、調査団派遣を前提として白紙に返したのじゃなくて、白紙に返してこれからきめようとすることについて調査団派遣して、その調査の結果を重要な参考資料としてきめていきたい、こういうことであります。
  16. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 必ず調査団派遣するのですね。
  17. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 必ず調査団派遣する予定であります。
  18. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その構成はどういう構成をされるのですか、長官みずから団長になるとか伝えられておりますが、どうですか。
  19. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 調査団構成については、目下人員派遣の時期、人の選考等について検討しているところであります。また私が直接調査団長になって行くということは考えておりません。
  20. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この調査団構成はきわめて注目されているところですが、あなたはどういう調査団構成するお考えか、概略をお示し願いたい。
  21. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) まだ具体的に取り進めておりませんから、具体的には申し上げられませんが、調査団は権威のあるものというか、すべてに片寄らずに、技術的の観点から、あるいは操縦者操縦性といいますか、そういう点から、その他、価格財政等については、それほど専門的に調査をしなくても大体できると思いますが、要は、公正な、そして国民に納得できるような調査の結果が得られるような構成にしていきたい、こう考えております。
  22. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 かつては永盛調査団、あるいは佐藤空幕長等調査に行かれたわけですが、それだけの調査では不十分だという結論国防会議では到達した、かように了承してよろしゅうございますか。
  23. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 前の永盛調査団等調査が不十分だ、こういうふうに考えておるわけではございません。昨年の四月十二日に内定したときには、まだ現在のような機種ができておりませんでした。矢嶋委員もたびたび本委員会等で御質疑になりましたが、そのときに内定したグラマン系機種等につきましても、その後、エンジンを、エンジン・7ですか、それに改装した98J—11というのが一機できて飛んでおります。それからロッキードの方のF—104Cも非常に開発されて、これも飛んでおりますし、また西ドイツで採用しているということもあります。あるいはまたノースロップT—38、これも初飛行をしている。現在におきましても、カナダとかスイスなどがアメリカ調査団を出して検討している、こういう事情もあります。でありますので、昨年の内定のときよりも事情が変っておりますので、さらに現状において調査をする必要がある、こういうことでありますので、前の調査団調査が不的確だというような、あるいは不適当だったというようなことではありませんで、事情が変っておりますので、現在の段階における調査をして、その上で決定していきたい、こういうことであります。
  24. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その調査団は、パイロット整備補給関係技術者は少くとも包含される、かように了承してよろしいですか。
  25. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) そのすべてを含むかどうかということは、人数の関係その他もありますが、私今言い切るわけではありませんが、そういう技術的なパイロットとか、補給とか、整備とか、パイロットはもちろんでありますが、そういう面もぜひ入れたいとは考えておりますが、まだそういう面で最終的な結論を出すまでに調査団構成がいっておりませんので、言い切るわけには参りませんけれども、そういうことも考慮して調査団構成を作っていきたい、こう思っております。
  26. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は根本的な点についてあなたの御意見を承わり、私の意見も述べたいわけですけれども、時間がございませんから、今ワク内でしぼって若干の点を伺っているわけですが、私は当然。パイロットを何人か連れていって調査してみるならば、搭乗さすべきだと思います。それから整備補給技術者も、必ず調査団構成するならば、その中に私は包含さすべきものであると、かような意見を持っております。これに対するあなたの見解と、それからこれはいつ派遣して、期間は二カ月とか三カ月とかいわれているのですが、どの程度期間調査に当らせるつもりであるか、お考えを承わりたいと思います。
  27. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) ただいまの矢嶋委員考え方といいますか、パイロットとか、あるいは整備補給、そういう人も、操縦者はもちろん行って乗ってもらわなければならぬのですが、その点につきましても考えています。考えていますが、それをどうということを今きめてはおりません。その点はまだ申し上げかねますが、御意見点等は、強く考慮していきたいと思います。時期等につきましても、なるべく早くと、こう考えておりますが、いつごろということはまだきめておりません。  それから操縦士も、聞くところによりまするというと、向うのジェット機に乗るのに、そう簡単ではないので、向うへ行って相当練習といいますか、こういうこともしなくちゃならないというふうに聞いております。こういう点は、やはり向うとも相談して、操縦試験をしてみるのにどれくらいの期間が必要かということも、アメリカ側とも協議の上で決定いたしたいと存じますが、要は、調査目的が十分に果せるような構成あるいは期間考え派遣したい、こう考えております。
  28. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 伝えられる岸首相の言われる政治的理由とか政治的情勢によって云々ということはどういうことを意味するか。あなたも官房長官でもあられたし、岸首相の気持は十分わかっていると思います。政治的理由とか、政治的情勢というのはどういうことか、お示し願いたい。
  29. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 伝えられておる政治的情勢というようなものにつきましては、私も官房長官としておりましたが、聞いておりませんし、岸首相から、特に何か政治的理由でどうこうというようなことも聞いておりません。政治的ということがありとすれば、これはやはり財政的な問題とか、そういうような機種そのもの以外の問題も、これはやはり国防会議できめるということになってきておりますから、そういう面からは、財政の問題とか価格の問題ということも、これは一つのファクターになるかもしれませんが、政治的といえば、そういうこと以外の政治的ということにつきましては、私は聞いてもおりませんし、承知いたしておりません。
  30. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 じっくり今後、きょうも時間の許す限りこれは究明して参りますが、この問題くらい理解に苦しむ問題はないわけです。政治的理由とか政治的情勢ということから云々ということは、財政的な理由云々ということはあとで専門局長から伺いますが、私は理由にならない。どういうことなのか、もうちょっと伺って質問に帰りましょう。今度検討するのは、グラマンロッキードを中心に調査するということが伝えられているんですけれども、よもや私はそうじゃないと思う。今まで問題になりましたグラマン、それからロッキードノースロップ、それからノースアメリカンコンベア、これはここ二、三年来この五機種が候補に上っておりますが、この五機種を並列的に調査することを目的とするところの調査団であろう、私はそう考えるんですが、しかし、識者は、グラマンロッキード、これを主に調査するらしい。特にグラマン白紙に返して、ロッキード採用に踏み切るために、ロッキード重点を置いての調査団に実際上なる可能性が強い。またそういう団の構成がなされるであろう、かように識者は伝えているんですが、きわめて重大なことだと思う。明確に一つお答え願いたい。
  31. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) その識者というものがどういうものか私もわかりませんが、そういう意図ではありません。先ほどから申し上げておりますように、白紙に返って日本航空自衛隊として最も適当なもの、そういうものを選定したいということで、今のお話しのように、識者とか何とかということですが、識者がどういう識者か存じませんが、私の方ではそういういわゆる今お話しのような、識者のような考え方ではありません。その点は御了承願いたいと思います。
  32. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 内閣担当並び防衛庁担当の新聞品者諸君は皆そう言っているのですがね。これは相当僕はうがった見方だと思うのですがね。さらに突っ込んで言えば、グラマンの場合は主契約は新三菱さんでしたね。それからついで、従契約、副契約川崎さん。ロッキードならば、今までT—33、あるいはP2V対潜哨戒機、これらを川崎航空さんでやっておったのですから、ロッキードならば、川崎航空さんが主契約者になるということは常識になっておった。今までも、防衛庁当局は、そういう答弁を、その線に沿ったものをして参っております。で、今度何ですか、もし、ロッキードになったとすれば、今までわれわれがここで承わったように、主契約はやはり川崎航空さんにいくのですか。それともグラマンを昨年四月十二日に内定をして、四月十五日に新三菱に内示を与えております。その結果、新三菱アメリカに社の費用で調査団派遣して準備態勢を整えたという経緯がある。だから、ロッキードに変るならばけしからぬといって、新三菱さんは川島さんとか、岸さんのところに抗議を申し込んでおる。これは私確たる情報が入っておる。従って、そういう点については、とやかく言われておるので、非常に疑惑に包まれているのですが、もし何ですか、グラマン白紙になってロッキードになった場合は、主契約はどちらの方に回るのですか、承わりたい。
  33. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 機種決定と主契約者との関係は、全然別個の問題であります。でありまするから、どの機種決定したらばどの主契約者契約するかという問題は、これは通産省の方でもって国内航空生産立場からきめることになると思います。でありますので、今お話しのような、どの機種決定したら、あらかじめどの契約者契約するのだというようなことを考えておりません。まず、私の方といたしましては、機種決定が先決である。そのために調査団を出して、国民理解を得られるような立場決定していきたい、こう考えております。
  34. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 まず確認しておきますが、調査団派遣されるということは事実だとすれば、グラマンロッキード、それからノースロップノースアメリカンコンベア、その五機種を並列的にアメリカにおいて二カ月なら二カ月、三カ月なら三カ月間調査する、その目的調査団派遣されるのだ、これは確認してよろしゅうございますね。
  35. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 五機種にするか、三機種ぐらいにするか、この点につきましてはまだはっきりきめておりません。もうすでにこちらでいろいろ検討してみて、実際に乗ってみたり、技術的に検討するもなかろうと思うようなものもないわけではありませんが、これは技術的に、あるいはまた操縦して必要みるものから見てどういうものかということからきめていきたいと思いますが、五機極になるか、三機種になるか、その点まだきめておりませんが、お話しのように、先入主をもってそれをきめるために調査にいくのでは、調査の意味をなしません。並列的に調査する、こういう方針です。
  36. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私のアンテナに入ったのでは、その三機種ロッキードグラマンノースロップだと、そういううわさ相当の根拠をもってなされておる。この問題くらい不明確なものはないのです。赤城さん、私は時間がないから次のことについてあなたの答弁を承わりますがね。グラマンは旧海軍派空幕にはこっちの方が多いわけです。ロッキードは昔の陸軍派ですね。そうして、政治家も海と陸に若干支持者が分れておる。そして、グラマンの方には新三菱さん、それからロッキードの方は川崎さん、そして、業者としてはグラマンには伊藤さん、ロッキードの方は第一物産であったが、この人が気に入れられなくて、丸紅さんになっている。そうして政界では、これも多くの新聞記者諸君、それからこの問題に関心を持っている人の意見の一致したところでは、岸さん並びに川島さんはともかく新三菱さんに主契約がいけばいいんですよ。飛行機の性能には問題ないのですよ。それから河野一郎さんはロッキードという飛行機が採用されればいいんです。だから私は予言しておきますよ。こういうことになったら非常に遺憾だと思う。グラマン白紙になってロッキードになって、そうしてロッキードの方は川崎航空さんにいかないで新三菱さんの方が主契約になる。それでロッキードになったところで、そうして主契約の方は新三菱さんになる、こういうふうなクロスの結果が出てくる可能性がきわめて大きい。これは、次は、私は信頼性の確率を二分の一につかんでいるのですが、うわさでは、今度の都知事選挙の数億の金は、これはロッキードから出たというのが世上もつ。ばらのうわさ、それは私は、その信憑性は二分の一くらいにしかおいておりません。それからまたあなたは、先ほどはからずも防衛庁長官になられたと言われましたが、私は日本の自由民主党という保守党で、赤城さんという人は尊敬すべき優秀な政治家だと平素から思っている。あなたが岸内閣国務大臣として残るであろうとは、私も十分推察いたしておりましたが、私もあなたが防衛庁長官になったのは、ほんとうにはからずも防衛庁長官に迎えた。非常にあなたには失礼だけれども、内閣記者室、それから防衛庁関係記者諸君、それからこういう問題に関心を持った人は、グラマン白紙にして、ロッキードになるまで赤城さんは防衛庁長官になるのだ、その使命を持っているのだということが、こういうことが大新聞に堂々と書かれているのですからね。これは国民に大きな影響を与えると思う。先般私のところに、一パイロットからといって投書がきたのですがね。ほんとうパイロットが書いたのか、ほかの人が一パイロットよりという偽名を使って寄こしたのか知らんけれども、一パイロット投書なんですけれども、その投書によると、どうも政治家はわれわれの命のことはあまり考えてくれておらん。飛行機は何になってもいいという考えじゃないのか、われわれの命も考えてもらいたいという、一パイロットからという投書が来たのです。一人の人から来た投書だけれども私熟読すべき書面面だと思ったわけです。こういう疑惑は一矢嶋だけじゃないですよ。これに関心を持っている人はこれほど疑惑に包まれている問題はないわけですが、昨年の四月十二日に内定したけれども白紙に返したとしたならば、専門的な立場からの理由は後刻私は局長の方に伺ってみたい。従来の速記録もありますから、その点はあなたに伺いませんが、この矢嶋並び国民相当数の人が持っている疑惑赤城防衛庁長官としてはいかに答えようとするのか、御所信を伺いたい。
  37. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 矢嶋委員からのお話し、あるいはその他にもそういう疑惑とか疑いを持っている人がないとは考えておりません。そういうものもあると思います。しかし、人命を専有する点においては、これは私どもといたしましても人後に落ちませんし、また国民としても、人命を尊重しなければならんと思う。パイロットとしてもそういう投書があったかどうかは知りませんが、重要なパイロットでありまするから、パイロット人命を失うようなことはしたくないと思います。そういうことですから、現地について、実際に操縦もし、そういう結果によってきめていきたい、こう考えておるのでありますから、どういう態度で臨むかといえば、国民の納得のできるような、あるいは議会において了承できるような結果に導いていきたい。それが疑惑を解く点だと思いますので、ここでいかに宣伝してみたってしょうがないんですから、結果において疑惑が解けるような結果を出したい、こう考えております。
  38. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 たった一年なんですね、昨年の四月十二日の国防会議内定後、せんだっての国会まで、防衛庁の小山局長加藤局長ともどもグラマンが絶対いいのだ、あらゆるファクターからいって絶対いいのだという答弁をしておったわけで、その当時私たちはこの日進月歩のときに、グラマンは今から着手したって昭和三十九年くらいにしか一番機ができてこない。果してそのときに三百機のグラマンほんとう日本防衛のために役に立つかどうか疑問がある。ことに、全世界ミサイル化の傾向をたどっているときに、御承知の通りアメリカはすでにミサイル時代に入って、人の乗る戦闘機というものは従的な立場になってきておるわけです。そういうときに、これから三百機も生産計画を立てて、そうして千数百億の金を費して、そうして昭和三十九年ごろに一番機ができるような、そういう防衛計画でよろしいのかという立場から私は追及したわけです。しかしその当時グラマンが最も妥当だ、ところが一年もたたずして、やはりもう一ぺん非常に開発されたから検討しなければならぬという結果が出てきたわけでしょう。これはしかし時の流れとともに当然あることで、そのことを私は責めるつもりはない。伺いたい点は、時間があれば後刻伺いますが、第二次長期防衛計画を昭和三十六年から六カ年計画であなた方は今作業されているわけですけれども、これほど無理をして、またいずれが適当かということはなかなか判断しかねるのに、無理をして強行してロッキードグラマンかにきめて生産段階に入らなければならんということは、私はわかりかねるのですがね、この今の世界の情勢、それからこの兵器の発達、そういう点から考えて、主力戦闘機そのものを根本から僕は考えたらどうかと思う。次期主力戦闘機グラマンロッキードにするという大前提のもとに調査するのでなくて、こういう状況下に主力戦闘機の国産計画に入ることが妥当かどうかという、その根本を、私は高い広い視野から、日本人の英知をしぼって検討すべきではないか、あまりにもそれを気にして、ワクに入ってき過ぎているのじゃないかと思いますが、いかがなものでしょうか。
  39. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) ただいまの御意見も私ども謹聴しているわけでありまするし、防衛庁内部におきましても、お説のような観点からいろいろ検討を加えてきているわけであります。お話しのように、SAM、地対空のミサイルの進歩に伴いまして、これがだんだん有人戦闘機から地対空のSAMに変ってくる。これが世界の情勢でもあり、また日本でもそういうようなことに対処していかなければならぬかと、こう考えております。でありますが、じゃ全然有人戦闘機は無用かということにつきましても検討を加えたのでありますが、大体次のような点でまだ有人戦闘機が必要だということに相なっているわけであります。すなわち、有人戦闘機は敵兵力の規模とか、それから爆撃機の型式等を目で視覚的に識別し、判断を加えて攻撃することができるのでありますけれども、SAMにはその能力がなくて、敵の欺騙等にも惑わされることがある。こういう点が一点。  第二といたしましては、有人戦闘機は戦闘の状況の変転に応じて基地から基地へ移動することが可能でありますが、SAMですと発射地点は固定性を帯びている、こういう点が第二点として考えられるわけであります。  第三点は、SAMだけでやるためには、これまた莫大な経費を要しますので、経済的に防空をやるためには機動力のある戦闘機、空対空ですか、AMミサイル、空対空のミサイルを搭載して、これとSAMとを併用することが適当であろう、こういうような第三の理由もあります。  第四としては、陸海自衛隊の作戦に協力すため及び領空侵犯に対する措置のためには、どうしても人が乗っている有人機が必要だ、こういう理由などからして、有人機を全然なくするというようなことにはまだ踏み切れない、有人戦闘機も依然として必要である、こういうふうに客観的に考えているのが今の段階でございます。
  40. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は有人戦闘機を否定しているのじゃないのです。否定しているわけではない。たとえばあなたの今の主張からいえば、ようやく日本航空自衛隊パイロットが乗りこなせるようになった、あなたの立場からいえばF—86Fにサイドワインダーぐらいつけていけば、十分私は門に合うと思う。そうして世界の兵器の発達工合をにらみ合してきめればいいので、何も今のような情勢下にロッキードグラマンノースロップ、しかもノースロップはずっと頭をもたげている、安いので。この五月に一番機ができたので、あなたの、岸内閣のある大臣はそれを強力に押している、こういうものが頭をもたげてきている。こういう状況下で主力戦闘機の問題をどれかにきめなければならぬという必要はどうしても了解できない。防衛庁はミサイルの開発もやっているわけですが、かりにあなたのように有人戦闘機が云々という場合でも、今のF—86をそういう形で使えばそれで私は適当じゃないか、かように考えて先ほど承わっている、重ねて伺います。
  41. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 国防整備、計画から申し上げても、飛行機千三百機という目標を持っております。いま少し減らすことになっております。そういう関係でありますから、そういう計画のもとに飛行機あるいは戦闘機が必要だということでありますならば、やはり今のF—86より機能もいいもの、そういうものにサイドワインダーつけて、今のお話しのようにけっこうだと思います。より機能のいい、日本防衛により以上役に立つものを、そういう飛行機を必要とするならば選択していきたい、こういうことでありまするから、そういう計画に基いて戦闘機を選ぶということになると、よりいいものを、進歩したものを選びたいと、こういう観点から戦闘機種決定も慎重を期しながら進めていきたい、こう考えておるわけであります。
  42. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 関連。今、矢嶋委員の問題に関連してちょっとお伺いしたいと思いますが、この次期主力戦闘機決定はだいぶおくれておるわけです。幸か不幸か、このおくれに関連して防衛庁は最近、ミサイル装備に非常に執心を示しておるようであります。そこでお伺いしたいのは、今後、戦闘機よりもミサイル装備重点を移そうとするのかどうか。この同順はやはり、グラマンロッキードか、どちらが優劣かという問題を越えた、非常に根本的な問題であるので、この際明確に伺っておきたいと思います。
  43. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) この戦闘機種決定がおくれてるために、ミサイルで装備しようというような考えは持っておりません。ただ、今お話しのように、ミサイル時代になってますので、ミサイルの研究開発は、この機種決定がおくれてるからということとは関係なしに研究開発はしたいということで、その方針で進めております。
  44. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 矢嶋委員も指摘されたように、内外の軍事情勢から見て、果して次期主力戦闘機、まあグラマンにしろロッキードにしろ、そういうものが必要であるかどうか、こういう点疑惑を私ども持ってますが、もしかりに必要であるという断定に立っても、そうであるならば一体どのくらい、そしてこれは買うだけで済むのか、あるいは国産化しなければならないのか、こういう関連の重要な問題があまり明確に論議されないで今日まで来ておるわけです。この点をこの際明確にすべきではなかろうか、こういうふうに思うのです。この点どうですか。
  45. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) どれくらいを必要とするか、次期戦闘機FXの機数でありますが、これは初め三百機ほどという予定をいたしておったわけでありますが、現在のところでは二百機という予定を持っております。それから、これは買った方がいいのか、あるいはまた国内生産ということに持っていった万がいいのかということでありますが、これはいろいろ検討しなくちゃならぬと思いますが、西ドイツあたりではある程度、九十五機ぐらい買って、あとは国内生産ということのように聞いてます。日本で今買うということになりますると、いろいろ長く申し上げていると相当時間を取りますが、あるいはまた事務当局から御説明申し上げてもいいのでありますが、結論的に申し上げますと、経費が相当巨額になってくるということ。しかし、経費が巨額になっても、予算措置ができてから発注をするために時日を相当要しますが、テスト完了までには、サンプル機の購入期間に三年ぐらいの長期間を要する、その後に買うということになりますから、非常に長くなる。それから、いろいろテストするのに、まだ日本内地においては十分なテストができないのじゃないかという点もあります。でありますので、現地でこれはテストした方が非常に便宜であるという点なども考えまして、結論的に見れば、相当買っていくということについては買う準備のための時日を要するということと、価格相当多額になるであろうということでありますので、現地でテスト調査をしまして、国内生産に向けたいと、こういう方針というか、考えを持っております。
  46. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 いま一つ、今の御答弁の中で、当初三百機を計画したけれども二百機と、そういうふうに変更したとおっしゃったわけですが、これはやはり先ほど私が指摘した、いわゆるミサイル装備を最近防衛庁は非常に重視してきた、こういうことが考慮されて、当初三百機の計画を二百とした、そういうふうに当然考えられるわけです。この点を明確にお答えいただきたい。
  47. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) ただいまお話しのように防空整備体系の全般から考えまして、ミサイルの研究開発をいたしておりますから、そういう点で二百機が適当でないか、こういう計画上から、前の計画を変更してあるわけであります。
  48. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 さっきのに、返りますが、防衛庁長官、あなた当時官房長官ですがね、ロッキードが約七十五万ドルでできるというデータを出したときに、われわれこの委員会で追及したときには、防衛庁政府委員は、どうも各社から出る資料はあまり信用できぬ。そんなに安くできるとは思わぬという答弁速記録に残しておるのです。その当時グラマンは九十八万、ドルということだった。ところが今度は、あとでも伺いますが、あなたさっき経済的理由と言ったが、ロッキードがやはり安くできるというのが白紙にしたという一つ理由だと言っておる。ところがノースロップN—156は七十五万ドル程度よりまだ安くできるということがわかってきたようです。しかもノースロップの副社長は元国務次官をした人で、今の岸内閣の重要閣僚と比較的懇意な人です。そういうルートから、ノースロップは時間の経過とともに着々と上ってきておるわけです。これでまた今度はノースロップだ、やれグラマンだ、やれロッキードだ、そういう形で、パイロットの生命にも関係があり、手数百億の血税を使い、そうして今後の兵器の進歩とにらみ合せて妥当かどうかという問題を、早急に強引にきめるということは私は適当でないと思う。そこで私はあえて要請を含んで問いを発しますが、先ほど申しましたように、私はF—86F、これはパイロットも乗りこなせるようになったのだから、これにあなた方の立場からいうならば、サイドワインダーをつけて乗りこなせるように訓練をしておって、この際主力戦闘機をいずれにきめるというようなそういう結論を急ぐというような態度を岸内閣としてやめていただきたい。これは私は要請を含んでの質問です。その理由は、アメリカの上院の外交委員会では、対外援助計画というものを再検討すると言っておる。御承知だと思います。相互安全保障法、いわゆるMSAの改正をして、軍事援助というものを削減していく、あまりにも軍事援助をやり過ぎておったから、援助を受ける国は経済力が乏しいにもかかわらずそれを受ける。受ける結果その国の負担が多くなって、結局経済再建と防衛関係がびっこになって、後進国でありながらびっこになって経済発展ができぬ。これではほんとう国防にならないという反省から、相互安全保障法を改めて対外援助の軍事援助の重点を切りかえようというのがアメリカの上院外交委員会におけるもうほとんど決定になっておることです。従ってグラマンロッキードになってもあなた方が当初二分の一折半負担という形というものは私は絶対にあり得ないと思う。それともグラマンからロッキードに変れば折半で済みそうだという新しい情報が入っておるのかどうか、そういう見通しはどうか、それも合せてお答え願うと同時に、第一点の要請をつけての質問にお答え願いたいと思います。
  49. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) アメリカ側がどれくらい負担するかということについては、別にどの機種決定するからというので新しい情報とか何とかは入っておりません。これは今後の交渉の結果によろうかと思います。  それから、第一点の、現在のF—86Fでいいんじゃないかと、こういうことにつきましては、先ほども申し上げましたように、やはり戦闘機としてより効果的ないいものを入れるのが、日本の防空対策からいっても適当であると、こういう観点から選びたい、こう考えておるわけであります。  それから、なおつけ加えて申し上げまするならば、この機種その他につきましては、すでにできているもので、日本パイロット永盛調査団なんかのときに乗ったものもありますので、新たに開発されたもの等につきまして調査をなお進めたい。しかし、現地におきましてその他のものも調査するというようなことも、これはあり得ると思います。  以上申し上げておきます。
  50. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その、より効果的というのが、防衛庁長官、わからんのですよ。より効果的というのは、そういう言葉では済まされんと思う。  それでは、将来のことを伺っておきましょう。私は、きょうは岸さんがおいでにならんから遺憾ですが、岸さんに、佐藤防衛庁長官のときも、六カ月ごとに防衛庁長官がかわるのは好ましくないといって質問したら、その通りだと言った。それから伊能さんになられて、伊能さんは若くてお元気なんだから、御熱心にやっているのだから、六カ月交代にはかえられないようにしていただきたいという希望を含めて伺った。そうしたら、もうかわったわけですね。そうして、失礼だけれども、主力戦闘機の問題が片づくまでの長官だろうという評判なんですよ、赤城さんあなたは。主力戦闘機の問題だけじゃなくて、ほんとうにあなたは防衛庁長官としてずっとおやりになる決意でおられるのかどうか。主力戦闘機の問題が片づいてさっとやめられるのだったら、これはわれわれは歯ぎしりしてもたえがたきものがありますよ。六カ月ごとに防衛庁長官がかわるなんということは、私はまことにふらちだと思うのだ。あなたは岸内閣のバック・ボーンとでもいうべき政治家ですが、どういう御見解か。それから、今後のあなたがほんとう防衛庁長官として勤務されるに当っての決意というものを承わっておきたい。より効果的なんというようなことで、主力戦闘機の問題だけを片づけて、さっさとほかのポストにかわられるようなことがあっては、私は立法府として許すことができないと思うのですよ。だから、前もってくぎをさしておきます。
  51. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 主力戦闘機の御質問であったものですから、主力戦闘機の御答弁を申し上げておったのですが、ただいまのお話しのように、これは一国の防衛を担当する重大な責任を持つ防衛庁長官というものは、短期間に交代すべきものではないと、私も強く考えております。私自身、まあ内閣の都合等によりましていろいろなことがあるかもしれませんが、私はこういう職責というものは、長く担当して、ほんとうに国家の、国民の安全と平和のために尽すべきだと、仕事の点におきましても非常に重大だと思いますので、私自身としては、こういう問題が解決すれば、それで御用済みだということにはされたくないと思っております。長く責任を持ってやっていきたいと、こう思っております。
  52. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 さっきのお答えに次いで反問いたしますが、日活会館、帝国ホテルに五社の、さっき言ったグラマンロッキードノースアメリカン等、この五社の副社長あるいは代理人から技術者も一ぱい泊っていますよ。そういう人が、きょう、私とあなたの質問を注目して聞いているのですよ。だから、私はあえてお伺いしますが、永盛団長アメリカへ行ったときに乗った飛行機があるというのは、どの飛行機ですか。それから、今度の調査団を出して、乗ってみるつもりであるという飛行機は、どの飛行機とどの飛行機に乗ってみるつもりなのか、具体的にお答え願いたい。
  53. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 防衛局長から答弁いたさせますが、その帝国ホテルとか日活会館なんということは、私は念頭にも置いていませんし、そういうことは全然問題にしていません。そのことだけ申し上げておきます。
  54. 加藤陽三

    説明員加藤陽三君) お答えいたします。  永盛調査団のときに、複座の100に乗っております。それから、最近聞きましたところでは、航空自衛隊の方でF—100には乗った者がおるという話を承知いたしております。で、残りは102と、それからノースロップグラマンロッキードでございますが、グラマンにつきましては、昨年の秋にエンジンをJ79—GE—7に換装したものが一機できております。F—104につきましても、F—104Cというものができております。これには乗ったことはまだありません。F—102につきましても、乗った者はないかと存じます。
  55. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは、加藤さんに伺いますが、永盛さんが行ったときに、F11F—1Fというのは二機だけできておったわけですね。それから、あなた方が採用を内定した98J—11というのは、これは一機もできていなかったわけでしょう。乗ってみた飛行機よりはまだできていない飛行機の方がよいという判断のもとに、昨年の四月十二日に内定したと、こういうことですか。
  56. 加藤陽三

    説明員加藤陽三君) 事実は、その通りでございます。ただ、私ども技術的な見地から申し上げまして、大体飛行機の調進を決定いたします際には、専門家の立場からいたしますれば、詳細な設計等を見ますれば、原型の飛行機がございますれば、ある程度見当はつくのでございます。現に、日本航空が買おうとしておるDC—8という飛行機、これはジェットの輸送機でございますが、これはまだできておらない飛行機日本航空が発注しておる。F11F—1Fは、当時二機できておったのでありますが、これをエンジンを換装いたしまして、若干日本向きな飛行機に改装したものをわれわれは希望しておったわけであります。私は、技術的な立場から申しまして、それがそう間違いでなしに、実際その後去年の秋にエンジンを換装したものが飛びまして、その後の実験の結果等を聞いてみましても、私どもの技術者考えておりましたのと大して変っておりません。その点は、私は技術的な立場から検討して、間違いはなかったのではないかと考えております。
  57. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 長官、大体あなたは賢明な人だから、何でも知っていらっしゃると思うのですがね。天川勇という人が、グラマン内定するときに相当関係した人でしょう。この天川勇さんは、ノースアメリカン支持しておった人なんです。あの人には秘書が三人おったのですが、一人仲間割れをしてやめた人があったのです。私が確実な筋から聞いたところによれば、天川がノースアメリカン支持だったのが、グラマン支持の資料を書くのに非常に苦労したというのです。ところが、グラマン支持意見を書いて、その意見防衛庁関係者にも、あるいは国防会議関係者にも述べた、そういう経緯がある。これは、天川さんにごく近い人から直接聞いたことがある。それを、今度ロッキードがよいという作文を書かなければならぬという段階に来ておるというのですね。そういうことが耳に入ってくるのは、遺憾千万ですよ。そういうようなことで、この機械の問題が右に左にと転々とするようなことは、断じてあるべきでない。従って、私は、さっき申し上げたように、当面はF—86Fに、御希望ならばサイドワインダーを、まだアメリカから入っていないようですが、そういうものをつけて訓練をしておって、そうして、新主力戦闘機種決定なんというのは、今後の兵器の進歩、それから世界情勢の変化、そういうものとにらみ合せてやって、私は決しておそくないのみならず、それが国のためにも、国民の希望に沿うものだと思うのですが、そのところから一つ再出発をして検討していただきたいと思うのですが、長官いかがですか。
  58. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 天川勇という人のいろいろな動き等につきましても、耳にしないわけではありませんが、国防会議その他につきまして天川勇氏が機種決定に関与したということはありません。国防会議等におきまして調査を委託したことはありますが、これは御承知だろうと思いますが、それは日本で使うものとしていろいろな機種の標準をそろえてみるというようなことの意見を聞いたことはあるようです。しかし、機種決定について、うわさされているような重要な役割というか、その人一人によって左右したというような事実はございません。これはやはり防衛庁として、あるいは国防会議として槙重に検討を加えてきたわけであります。  それから第二のお話しの、ミサイル時期になりますので、そういう点もよく検討してみろ、こういうお話しであります。その点につきましては、私どももかねて御高見も聞いておりまするし、また、防衛庁内におきましても、そういうことにつきましては重大関心を持って検討を続けている次第でございます。
  59. 中野文門

    委員長中野文門君) ちょっと速記をやめて。    〔速記中止
  60. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記を起して。
  61. 横川正市

    ○横川正市君 今の問題とは関係ない点でありますが、調進庁の定員削減について、防衛庁長官出席しておりますから、二点だけお伺いしておきます。これは、前防衛庁長官からの答弁によりますと、たとえば防衛庁の機構改革によりまして昨年の八月の一日にそれぞれ防衛庁の所管の、防衛庁の中に調達庁が統合されてきた。ところが、現在に至ってもなお調達庁業務というのは在来の調達庁の業務と何ら変っておらないで、防衛庁の一環としての新しい構想というものが生れてきておらないということが言われておるわけであります。きょう、この国会で定員法が通過いたしますが、その定員法が現在まで成立しておらなかったという過程でそういうふうな新しい構想が生れなかったのかどうか、その点を一つ一点明らかにしていただきたい。  それからもう一つは、今度の定員法の中には三百二十名程度の削減が行われております。それを、百名は年金業務、それから二百名は防衛庁本庁の業務に切りかえる。こういうふうに大体まあその内容が説明されているわけでありますが、これについて事務上の取り運びは一体現在どうなっているのか。  それからこれと関連をいたすわけですが、逐次、この調達庁の現機構における、しかも現状のままでの調達業務というものは逐次これは減少していく。同時に、定員の削減というものが起ってくる。これをそのままこうやくばかりのように、起ってきたら何とか考えてあっちへ入れようこっちへ入れよう。こういうことでなしに、当然ある程度見通しを立てて、これに対する解決策というものを半面に作っておくということが、私は当然起り得る結果を予想しての当然のことだろうと思うのです。この点について長官から答弁をいただいておきたいと思います。
  62. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) ただいまお話し通りに駐留軍も減ってきておりまするし、今六万くらいです。基地等の返還も相当多くなっていますので、調達庁の調達業務の仕事が次第に縮小されつつあることはお話し通りであります。で、今年度におきましても、お話し通り三百数名を減らすことになっておりますが、ただ漫然と減らすというわけには参りませんので、今お話しのように二百名ほどは防衛庁の方の事務の方に入れることになって、この準備は進めておりますから、きょう定員法の改正が通過すれば急速にこれはできると思います。なお百数名は、これは厚生省の方の国民年金の方へ振りかえる、こういうことになって、三百数名の行く先といいますか、この措置は急速にとれることに相なっております。きょう定員法の改正が出されなくてもそういう準備を進めておったんですが、幸いに定員法の改正が通過いたしますならば、これは急速に措置がとれると思います。なお、その後の調達庁の事務の縮小に伴っての整理等につきましても計画を立てまして、漫然とやめたままになるということにならないように、計画を今立てつつあります。そういう措置をとるつもりでおります。
  63. 永岡光治

    ○永岡光治君 今の横川君の方から質問がありました問題について、関連しまして御質問申し上げます。過ぐる通常国会におきまして、特に今後残された調進庁の機構のあり方、特にこれを根本的に、どこかに吸収するということでなくて、その組織を維持しつつなお仕事を拡張さしていくような存置の方法はないものか。その点について責任ある、これはきょうは防衛庁長官国務大臣としては責任ある地位にあるわけでありますから考えていただきたい。しかもちょうど時期が、三十五年度の予算案もおいおい各省が検討を始める段階になっておりますので、またぞろ三十五年度の予算案で減員が起るというようなことでは困るのだ。だからその意味でも機構の抜本的なあり方というものについて検討してもらいたい。これは何も特別に内閣に設置法に基く委員会を作るとかいうことでなしに、防衛庁なり調達庁のそれぞれの責任者が集まって、はっきりした一つ案を作ってもらいたい。少くとも三十五年度についてはそういう減員の方法のないようにしてもらいたいということを話したところが、その答弁に当られました防衛庁長官は、それは定員を減員しない。三十五年度はおそらくないだろう。その意味でまた抜本的にその機構のあり方については検討いたしておりますと、こういうような答弁であったわけですが、私は、前国会でそういう答弁があったということを頭に置きつつ重ねて念を押したいのでありますが、今、計画はどの程度進んでおるのか。そうして三十五年度の場合には、この減員という問題は起らないというふうに今でも考えられるのかどうか、その点を一つ明確にしてもらいたい。
  64. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 御趣旨の点は、私もよくわかります。ただ、三十五年度に定員を減少することになるかならないかということにつきましては、まだ結論は得ていませんが、私といたしましては、減員を極力したくない。機構の改革に伴ってそういう方面へ向わしたいという考えを持っておりますが、しかし、機構の改革等につきまして、まだ目下検討中です。防衛庁内にも調達実施本部というようなものもありまするし、どういうところに、どういうふうにするかというようなことについては、私もまだ就任早々で、検討中だということを聞いていますが、どういう方向でどの程度までいっているということはまだ詳しく聞いておりませんが、御趣旨の点はよく頭に入れて検討いたしたいと、こう考えております。
  65. 永岡光治

    ○永岡光治君 それでは、予算委員会関係がありますので、最後に一つだけ念を押しておきたいと思います。努力目標としていつごろを目途にして結論を得るように作表を進めておるか、この点を一つお尋ねをいたしたいと思います。
  66. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) やはりこれは当然、予算の編成前に結論を下さなければならぬ問題だと思います。そういうのをめどにしてやっております。
  67. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記をやめて下さい。    〔速記中止
  68. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記を起して下さい。
  69. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 加藤防衛川長に伺いますが、加藤さんあるいは小山装備局長どちらでもいいですが、六月十五日に、昨年の四月十二日の国防会議内定白紙になったのですが、これはあなた方喜んでおられるかどうか伺いたいと思います。
  70. 加藤陽三

    説明員加藤陽三君) 喜んでおるとかどうとかということは申し上げがたいのであります。私どもは事実を事実のままに受け取っておるわけです。
  71. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 事務当局として専門的な立場から、防衛局長なんですから、いい結果が出たなというように思われたか、困ったなと思われたか、その感じをちょっと伺っておきたいと思って伺っておる。これは決して上司に対して賛成、反対を持ったからといって国家公務員法違反になりゃせんですよ。ただ担当者としてどういう感じを持ったかということを伺っておる、専門的な立場から、技術的な立場からお答えを願いたい。
  72. 加藤陽三

    説明員加藤陽三君) 六月の国防会議の御決定にありました通り白紙に還元されまして新たに調査団等を派遣して慎重に検討するということでございますので、私どもは慎重なる検討の結果最も適当な機種が選ばれることを希望しておるわけであります。
  73. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 なるほど、そうすると加藤さんは何ですね、専門的な立場から白紙還元になってもうちょっと検討した方がいいというので、そういう意見国防会議の事務当局、広岡さんの方に出しておったものと私は推察されるのですが、そうですか。
  74. 加藤陽三

    説明員加藤陽三君) 専務当局といたしましては、国防会議の方にそういう意見を出したということは、これはございません。
  75. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そうだと話がわからない。廣岡事務局長に伺いますが、国防会議は比較的にしろうとの人が多いわけですね、だから今までの答弁では、国防会議が開かれるときには常に資料を出されるということですが、その場合には国防庁の事務当局にも求めて資料を出されておったわけですが、六月十五日の白紙還元をした国防会議への質料は、あなたが作られたわけですか。
  76. 廣岡謙二

    説明員廣岡謙二君) 私の方へ出て参りまする資料は、全部防衛庁の提出にかかる資料でございます。
  77. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そうなると防衛庁の方からは資料を出さんと言えば、六月十五の国防会議白紙還元したときは、資料なくしてやったわけですか。どういう資料があったのか、資料を具体的にできればここに示してお答えを願いたい。
  78. 廣岡謙二

    説明員廣岡謙二君) 御承知のように六月の十五日に正式の国防会議が開催されましてああいうような決定になったわけでございまするが、あそこへ参ります前に三回でしたか、国防会議懇議会を設けまして、その席上でさらにその後防衛庁において正確に検討されまして集められた資料を防衛庁当局から、その懇談会の席上において詳細に説明が行われております。またこれも新聞紙上で御承知のように、実際パイロットとしての立場から所見を聞くということで、源田空将をどの回でございましたか、一回呼びまして、源田空将からも詳細な説明があったわけであります。そういうような所見を総合いたしまして、先ほど防衛庁長官からお答えがあったと思いまするが、六月の十五日にああいうような決定になったという順序です。
  79. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 先国会でここで質疑応答をやりましたね。あれ以後の国防会議に出された資料で、この前の国会でわれわれが質疑応答したあの当時出された資料と著しく違った、新しい資料が出たとすれば、どういう内容の資料が出ましたか。この問題については廣岡さんも専門家ぐらいに詳しいわけですから、その後われわれが知っていないような資料でどういう新しい資料が出たか、お答えを願いたい。
  80. 廣岡謙二

    説明員廣岡謙二君) その際に防衛庁側から通知されました資料は、防衛庁がチャートにいたしまして、昨年ここでお話がありました資料と、その後にわかりました性能、それから価格の問題、そういうことの資料を精密に防衛庁側から説明があらたわけであります。
  81. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私らが承わった以外に、その後にわかった性能費料というものは、どういうものかお聞かせを願いたい。あなたでなかったら、防衛局長からでも。
  82. 加藤陽三

    説明員加藤陽三君) これは矢嶋委員御承知の通り、先ほどおっしゃいましたが、98J—11というものは当時できていなかったわけですが、これは昨年の秋だったと思いますが、飛び始めたわけです。実際飛びましたことに基きまする正確なる数字等が出て参ったわけでございます。
  83. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 どういう数字でしょうか、お答えを願いたい。その数字は昭和三十三年十月八日防衛庁からちゃんと数字をもらっていますわ、どういう数字ですか。
  84. 加藤陽三

    説明員加藤陽三君) その後の数字でございまして、これはちょっとここで御説明をするのには準備が、要ると思いますので、またこの次の機会にでも、どの程度まで説明できるか、考えさせていただきたいと思います。
  85. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは防御局長、この十月八日防衛庁からいただいた「機種別一覧表」というこの資料ですね、98J—11、F11FもF—104AもF—104C、コンベアも全部あるわけですがね、98J—Hはこれよりは数字が、悪くなって、F—104Cはこれよりもいい数字が出てきたと、こういうことですか。安全性なんか非常によくなったんでしょうね、どうですか。この前の説明ではF—104Cは非常に不安定で危険でしょうがないという説明があった。……ちょっと加藤さんもこれは答弁苦しんでいるようですが、それで時間かかると気の毒だから、今答弁できればしてもらう、できなければ資料として出していただくが、特に僕はピック・アップして伺います。安全性はどうなんですか、今までの説明ではF104Cは安全度が低い。ことに沈下が当時の速記録によると毎分四千二百フィート、危険だ。それから滑走路が当時の私の速記録によると七千七百フィート以上を要する、狭い日本の国土に適しない。事故が非常に多い。それでF—86Fに乗れるパイロットグラマンに乗れるように訓練するのは、相当訓練が要るが、それ以上にロッキードに乗れるようにするには非常な再訓練を要するという資料が出ているのですが。F11F—1Fの方に比べますと、ロッキードに乗れるように再訓練するのには数カ月増加する必要がある。そしてF11F—1Fに比してより優秀なものがロッキードの場合には要求される、こういうわれわれの要求に対する資料として出ているのですがね、こういう点は何ですか、解消されたわけですか。
  86. 加藤陽三

    説明員加藤陽三君) ただいまお述べになりました数字は大して違っておりません。それから沈下率の点も大体同様なものでございまして、F—104の方が大きいことは間違いないのでございます。安全性の点を前から問題にしておったわけでございますが、この点につきましては、一つ聞いておりますことは、その後着陸の際の着速を少くするためにドラッグ・シュートの幅を大きくしたという改善は一つ104についてしているようであります。しかしグラマンロッキードその点の問題についてだけ比較をいたしますれば、グラマンの方が容易であるということは今でも言えると思います。
  87. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その価格は何ですか、白紙還元するときの数字というのもロッキードの方は一機、二百機生産するとして七十五万ドルですか、これは幾らという数字で白紙還元したわけですが。
  88. 小山雄二

    説明員(小山雄二君) 価格は七十五万六千ドルという数字は会社がなまのまま出したものであります。これは三百機生産、それを二百機生産にしますと七十九万ドルという数字が出てくる。これを日本で国産化した場合の条件その他を各機種全部そろえました値段で計算しまして、これを国防会議懇談会で説明いたしました。
  89. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 二百機の場合ロッキードで七十九万ドル、グラマンノースロップは幾らという資料を出しましたか。
  90. 小山雄二

    説明員(小山雄二君) グラマンは三百機生産で九十八万一千ドルという数字、そこが基礎になります。
  91. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 二百機になれば。
  92. 小山雄二

    説明員(小山雄二君) 二百機の数字は出しておりません。二百四十機の数字を出しております。グラマンは三百機で、二百四十機の数字を出しております。それをやはり二百機に試算をいたしまして、いろいろ条件をそろえた値段で説明をしております。
  93. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 幾らですか。
  94. 小山雄二

    説明員(小山雄二君) この最終的な値段はちょっと国防会議でもって相談しまして、多少各機種同じ条件と申しますが、搭載品その他で多少差があるわけです。それを一々こまかい計算できませんので、搭載品その他で、ちょっと蛇足になって失礼でございますが、98J—Hというやつは国防会議内定して以来乗っけるものを空幕でしさいに検討しまして軍事顧問団と相談しながら、こういうものを乗っけるという検討をしさいにつめました数字でございます。104につきましてはそういう検討までまだ進んでおりませんので、大体向うの言う搭載品等を一々積み込んで、しさいの計算はしておりませんが、大体の計算のくるいはない、条件の差等がありますので数字そのもの、国防会議懇談会で説明しました数字につきましては、ちょっと内容につきましては相談しまして別の機会に言えるところまで説明さしていただきます。  それからノースロップにつきましては、三百機の場合は会社が出してきましたのが四十九万八千ドル、二百機の場合は五十九万一千ドルという数字を出しております。これをやはり先ほど申しましたような、同じ条件をそろえまして、これも微細なところまではそろっておりませんが、そろえまして出しました数字を説明しております。
  95. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 防衛政務次官に伺います。これは全部白紙還元は確かなんですよ。一体あなたは飛行機を比べるときに二百機ならば二百機、国内生産する場合と同じ線にそろえて、そうして、その機体をどうするか、火器はどういうものを乗せるか、ファィアー・コントロール、管制装置はどうするかというものを全部ファクターをそろえて幾らで、どっちがいいと、こうやらなければ、ある機種じゃ、火器は、グラマンの場合には火器は何を乗せるという考えでやったが、ロッキードについては何を乗せるかというようなことは、一切まだ検討していない。しかも値段もわからぬ。そんなあんためちゃくちゃな協議というものはありますか。今の飛行機というのは機体と火器とファィアー・コントロール施設、管制装置と、それが一緒になって能力というものがわかると言われている。特にスピードも大事だ、どういう火器を乗せて、その火器がどれだけの命中率を持ち、また相手、敵の飛行機をどれだけキャッチできる、しかも高度においてキャッチできるか。それによって性能をきめると言われている。そんな大事なものを何を、乗せるか、幾ら程度のものを乗せるかということを計算しないで、そうして、経済的な理由で高いとか安いとか論ずることは問題にならんじゃないですか。また、防衛庁長官予算委員会関係向うに行ったからやむを得ないが、先ほど防衛庁長官政治的理由とは何か、政治的情勢によるとは何かと言ったらば、経済的な理由がそれだということを答弁したでしょう。ところが、これはどっちが安いやら高いやらわからんじゃないですか。どうですか。装備局長防衛庁政務次官に……。全部完全白紙化、初め、データからやり直さなければ、それじゃあんた、六月十五日の国防会議には大したデータが出ていないと、私の判断では廣岡事務局長加藤局長答弁工合からして、データなく白紙還元、全く私はこういうことで血税を使ってもらうことは容赦できない。それから、またパイロットの諸君の生命はとうとい。投書がくるはずですよ。まず防衛政務次官、次に小山装備局長からお答え願います。
  96. 小山雄二

    説明員(小山雄二君) ただいま私が説明したの、少し誤解があるといけませんので申し上げますが、たとえば搭載の機器にしましても、火器やファィアー・コントロール・システムというものは、大事なところはこういうものでうめるか、たとえばグラマンは十三トンも積んでいます。それをロッキードで積めるかという、そういう大事なところはそろえています。たとえば敵、味方の識別機とか陸上の通信機といいましても、およそいろいろな型があるわけでありまして、そういう搭載品全部について一々値段を正確につけておらぬという面はあります。しかし大体の見当、これはスペックそのものをきめてかからないといけないわけですが、そういうこまかいところまでつめていない。そういう意味で申し上げたわけです。それをやりますためには、スペックを全部きめてかからなければいけない。そういうようなところまでは、微細な点まではやっておらないということを申し上げた次第でありまして、その値段の大体の検討はくるいはないと思います。
  97. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 装備局長専門的に勉強されているからおわかりだと思いますが、かりにグラマンとかロッキードは、二マッハから二・五マッハ程度飛行機ですが、これが三マッハから四マッハになっても、飛行機はただ早いだけでは何もならないでしょう。これを認めますか、どうですか。
  98. 小山雄二

    説明員(小山雄二君) だから言葉をかえて申しますと、性能を、説明しましたその性能を確保するだけのことは、ちゃんと計算してあります。ただ、その付属の通信だとかいろいろな機械はいろいろな型がありまして、具体的に会社の言っているのがいいのか、もうちょっと別の安いのがあるのか、いろいろ要するにアクセサリーみたいなものですから、そういうものまでつめておりません。こういうことを申し上げたのです。
  99. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 アクセサリーという言葉はけしからんですよ。私はしろうとですが、私が聞き、また本を読んだところによると、火器またはFCSですね、これは容積の大きいの、小さいの、それから重さの重いの、軽いのがある。それと性能とは相関関係があるわけですよ。だから今戦闘機等の設計に当っては、むしろこの重さのこういう容積の優秀な性能のものを載せて、そうして一・五マッハあるいは二マッハ程度のスピードを出すのには翼をどの程度にしたらいいか、こういうような機体の設計をやるのが最近の傾向だと聞いているのです。ただ早く飛べるようなのには、翼をどういう角度にして、どの大きさにしたらいいかということをきめて、その後にどれを載せるかというのではないのです。逆なんです。だから、確かにグラマンロッキードを比べた場合、翼等も違う。従って沈下速度も違う。滑走距離も違う。だからどの重さのどのボリュームの火器またはFCSを載せるか、その性能はどうか、これが一番問題なんです。それはグラマンに今載せようとするファイアー・コントロール・システムは何かというと、あなたの言われた通り、私もそういうように開いている。ところがロッキードの場合確定していない。値段が幾らかということも確定していない。そうして二百機なら二百機生産というときに、比べてみなさい。ノースロップにつきましては、さっきノースロップは二百機で五十九万ドルと言われましたが、最近私のところに入った情報によると、まだ安いのが出ている。岸内閣のある大臣はちゃんと知っている。どうも国防会議の資料というものは十分でない。そういうことで右に左に変更されるということは了解に苦しむ。
  100. 小山雄二

    説明員(小山雄二君) 今FCSのことを例に出されましたが、104にFCSを積みかえるとすれば、そのためにどれだけの経費が要るかということも全部つめまして積みかえなければいけない。従いまして、主要なというか、主要な装備につきまして、性能を確保するようなことにつきましては検討しております。
  101. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 三時半から本会議があるそうですから、質問をしぼって参ります。それから、小山さんと加藤さんに聞くのはほんとうは忍びないのです。矢嶋なるほどいい質問しおるというんで、腹の中で私と同じ意見だろうと思うのですが、(笑声)いずれは岸総理大臣に来てもらいます。そうして、速記録がありますから、あなた方がお答えになったのが。だから答弁次第では、ただでは済まされぬということを前もって予告申し上げておきますが、きょうのしぼりとして一つ伺いたい点は、加藤さんは先般今井さんとアメリカに行かれましたね。そうしてワシントン電の記事見たのですが、それによると、昭和三十六年から始まる第二次防衛計画について、今井さんとあなたは、マケルロイ国防長官に説明をされて、そうして援助要請をされたということが日本新聞に記事として報じられたのですが、概括的にどういう御説明をされたのですか、伺っておきたいと思います。
  102. 加藤陽三

    説明員加藤陽三君) その記事は正確でございません。マケルロイ国防長官にお目にかかりましたけれども、そういう話は一切いたしておりません。その後数日、国防省幹部と会いましたけれども、第二次防衛力整備計画の問題につきましては、今の計画以降のことを現在検討中であるということだけ話した記憶がございます。それ以外のことは一切いたしておりません。
  103. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 最後に、あなたにもう一問質問を発しますが、何ですか、先ほど触れましたように、米上院の外交委員会における対外援助計画は大きく転換するのは必至です。これはあなた方の防衛計画と不可分の関係ですが、昭和三十四年度においても四百六十五億四千万円という援助要請をしているのですがね、これらの見通しとの関係があって、そういう話をされないで、あなた方は昭和三十六年からの六カ年間の第二次長期防衛計画が立つ、そういう打診を含めておいでになったのじゃないですか。あなた方が聞かなければ向うから何かの暗示があったのじゃないですか、どうなんですか。
  104. 加藤陽三

    説明員加藤陽三君) 今お話しになりました現在の計画以後の日本防衛整備をどうするかということは、まだわれわれのところの事務的段階において検討中でございまして、まだ長官の決裁も得ておりませんし、もちろん外国に対して交渉すべき筋合いのものではないのでございます。今度は米国防省の招待によりまして参りましたのでございまして、主たる任務は米国の軍事施設を視察するというのが主たる任務でございました。しかし、ワシントンに参りました際におきまして、軍事援助の問題につきまして、全然話が出なかったということはございません。しかし、次の計画については話をしておりません。   —————————————
  105. 永岡光治

    ○永岡光治君 浅井総裁にお尋ねいたします。もう、しばしば当委員会におきまして人事院の持つ性格なり使命ということは論議が尽されておりますから、私はあえて触れようといたしませんが、最近における公務員と人事院との関係を外で第三者に見ておりますと、どうもしっくりしていないきらいが非常に強うございまして、特に今月は七月であります。例年の例に従いまして勧告ないしは報告の時期に参っているのでございまして、従いまして人事院のそういう公務員の給与の問題についての使命といいましょうか、そういう問題について、深い関心を持っているわけでございます。特に最近はスト権を奪われた公務員が非常に苦しい立場にあることは御承知の通りでありますが、それだけにやはり給与の問題につきましては人事院に期待するところが非常に強いと思うのでございますが、そういう意味で公務員の諸君から、特に認められている組合、そういう組合の方がお目にかかりたいというようなときに、いさぎよくこれに会わずに逃げ回っているというような印象を受けたのです。私はこれは非常に不明朗きわまりない、時期が時期だけにそういう印象を受けたのですが、どうしてお会いにならないのですか。その点私はお伺いしておきたい。
  106. 淺井清

    説明員(淺井清君) まことにごもっともなお尋ねでございますが、私はただいまのところ、非常に忙しゅうございまして、御承知のように一年の期間はこの十六日で切れるわけでございます。ところが、予定よりおくれておりまして、ほとんど昼夜兼行でいろいろ準備をいたしておりますのに、非常に大勢の公務員がおいでになって、これに一日もかかるというような騒ぎでございますので、なかなか簡単にお会いすることができないのでございます。それで、実は一昨日私はお会いしておるのでございます。ところが、それではまだ足りない、まだ足りない、毎日になってはこれはとうていお会いしかねる、こういう状況でございますが、私どもとしては、決してそれは公務員諸君に対してすげない態度をとっているわけでもなんでもない。ただ問題は、われわれがいろいろ給与の報告及び勧告について考えなければならないので、その時間が非常に惜しいものでございますから、そこでそういう事態に相なっておるわけでございます。
  107. 永岡光治

    ○永岡光治君 人事院総裁のただいまの答弁を聞けばもっともなのでございますが、しかし、どうも私たちが第三者から見ておると、そういうものでもないように実は思うわけであります。特に承わりますと、先ほども触れて参りましたが、時期が勧告の時期に来ているわけでありますから、どういう勧告が出るかということについて重大な関心が払われるのは、これまた当然だと思います。そこでいろいろ予想される人事院が使っておられる資料について、やはり公務員として疑義を持つ場合には、お会いにならなければ質問状も当然出てくるわけでありますが、その際にもお答えが来るわけであります。そのお答えについてまた疑義が出てくるわけであります。その疑義についても、これは正しいということもあり得るわけでありますが、そういう疑義を出すことについて、逐一お答えになっているのでありましょうか。それとも何でもお答えは一回だけで、あとはお答えになっておらないように聞いておりますが、そういう事実があるのでしょうか、ないのでしょうか。
  108. 淺井清

    説明員(淺井清君) この点については、公務員の諸君の組合の方から公開質問状のようなものが出ております。これに対してはお答えを申し上げております。これは文書をもって出しておるわけでございます。それについてなお疑義があればこれは給与局長が質問を受け、給与局長が会いまして、きわめて技術的な問題でありますから、これは私も実はよくわかわない点もあるし、これは給与局長がお会いいたしておるのであります。もうそれでわれわれの方は尽きておる。さらにそれ以上の資料を出せ、あそこを出せ、こういうことになりますのみならず、この最近の三日間というものは、数百人の人たちが人事院に参りまして、ほとんどこれは半日から夜に及んでおる。昨夜のごときは、どうもこれはなんでございますけれども、午前一時ごろまでになっておる。こういう状態では、これは私どもも仕事はできませんから、これはお互いに一つ考えてみなければならぬことだと思っております。
  109. 永岡光治

    ○永岡光治君 深夜に及んで、そうして皆さんにお目にかかろうという、それほどの熱意を持っておる。また、おそらく公務員の諸君も、作業を急いでやらなければならぬということは十分理解していると思いますが、にもかかわらず、なおかつそういうことまでしてお目にかからなければならないという理由は一体どこにあるだろうか。これは私たちも心配するわけでありますが、おそらく要求といいましょうか、皆さんが使っておいでになる資料が、いわゆる公務員が要求する資料、従ってお使いになろうとしている資料に大きな疑義を公務員は持っておる。その疑義をたださないままの疑義をはらんだままの勧告については、それが不公正、これは疑問のある結論だ、勧告だということで大きな問題が起りそうでありますから、そういうことをなくして、人事院の持つ公平といいましょうか、第三者的といいましょうか、科学的な資料に基いて出すという、そういう点からも懸念をして私はそういう態度に出ておるのではないかと思います。しかし、これはここで時間がありませんから、あまり論議を進めてもしようがありませんが、どうせそういう疑問を持っておいでになるときには、それを解明をしていただいて、そういうだれしもが信じ得るような状態の中で勧告が出されるように、特に私要望をしておきたいと思うのでありますが、そこで、この勧告でありますが、十六日になりますか、十七日になりますか、近いと思いますが、今日の作業の状態はどの程度になっておりますか。
  110. 淺井清

    説明員(淺井清君) こういうことを申すとなんでございますが、御承知のようにあの勧告の資料集計などをいたしますのには、実は十八台の電気計算機が要るわけでありますが、それでさっきの公務員諸君が疑義を持っている、なるほど御指摘の通りでございましょう。だからまた、去年と同じ、つまりこれはもう私と永岡さんとの間でございまするから、率直に申しますけれども、去年の人事院の勧告にはインチキな方式でやっているじゃないか、従ってそういうインチキな方式でまたやる、これはわれわれにとって不利益だ、こういうことに尽きるんじゃないかと思いますが、この人事院方式というものは、ずっと人事院創立以来やっておりますので、細目は変りましたけれども、大綱は私はあれでいいと思っております。ただし、われわれは進歩ということは、これは考えなくちゃいかぬ。また公務員諸君に故意にそれは不利益をこうむらせるというようなことは避けなくちゃならぬ。従いまして組合に対する説明は、私はもう尽きていると思うんです。それから資料を出せということでございまするが、これはわれわれの出し得る資料は、もう内閣に対してもきまっております。決して全部出しておるわけではないのでございます。すでに人事院月報で発表いたしております資料しか内閣に何も出しておりません。しかしわれわれは、公務員諸君の方から出されておる疑義は、ただいま十分検討はいたしておるのでございます。
  111. 永岡光治

    ○永岡光治君 私がお尋ねしているのは、それはそれとして、作業の進捗状況はどうかということ。それからただいまお答えがありましたから、再度お尋ねするわけでありますが、実は去年報告と勧告がありましたが、その中にも、私たちはかなりその資料の作成なり、認定について疑問を持って御質問を申し上げたことは御承知だろうと思いますが、そういうこともからんで、何とはなしに政府に気がねする。絶えず繰り返す言葉でありますけれども、中正であるべきときに、また公務員という、罷業権を取られた公務員の待遇なり身分を保障する立場に立つ、そういう守るという立場に立つ、人事院のその役割から考えてみると、どうも少し公務員にとっては手ぬるいような印象を受けるわけです。特にベース・アップというような言葉を使わなかったり、同じ金額をかけても、それは給与改善というような言葉を使ってみたり、何とはなしに気がねをしているきらいが強い。だから疑心暗鬼を生ずるのは当然だと思いますが、それだけにあなた方がお使いになる資料というもの、それから立場というものも、やはり疑問を解明した上で、それはどうあろうと、その結論は別として、立場立場として、疑問を解いて、そうして勧告なり報告をするのが私は正しい、こういう認定を持っているわけです。ですから一つまだ期間もありましょうけれども、少しせっぱ詰った期間でありますけれども、できるだけその解明をして、疑問を解いてもらうように一つお願いしたいと思います。これは一つの要望です。  それから作業の進捗状況ですが、これはどういう程度になっておるか、御説明願いたいと思います。
  112. 淺井清

    説明員(淺井清君) 進捗状況でございまするが、何か二、三日中に人事院は報告とか勧告をするんじゃないか、このようなうわさもあるようにちょっと聞いておったが、とてもそのような状態に至っておりません。私はおそらく十六日でございますか、それに近いんじゃないかと思っております。とてもそのような進行状態になっておらぬ。ことに、こういうことを言うと公務員諸君に悪いんですけれども、最近非常に仕事が妨げられておりまして、これも朝から夜まで、日曜も出てやっておる次第でございます。われわれはそれは疑問を解くこともございまするが、われわれとしてはその点は十分考えて、公務員諸君の利益のために妥当な勧告をしたいと思っております。  それからベース・アップ云々のお言葉がございましたが、私は言葉はどうでもいいと思います。昨年初任給の改正をいたしましたが、これも実は下の方のベース・アップになっておるのでございます、でございますから、上から下まで一律の俸給表を改正することを従来ベース・アップといっておるのでございますから、必ずしも上から下まで一律の俸給表の改正も必要としないであろうと思っております。ただ、われわれは十分御指摘の点はよく考えて勧告したいと思っております。
  113. 永岡光治

    ○永岡光治君 それではこの疑問の解明について、おそらく公務員の諸君が、また総裁なり、あるいは給与局長、そちらの関係の向きに会えると思うのですが、それは心よく会っていただけるのですか。何回も申し上げるわけですが、繰り返して申し上げますが、疑問を解明したいままで出される勧告というのは、勧告をしない方がましだ。そのくらいなら罷業権をよこしてくれ。正当な団体交渉でやって、負けようと勝とうと、力ずくでいこうじゃないかということになりがちなんです。最近の世相をながめておりますと、そういう傾向が強く出て参りますので、私たちはやはり正しいルールに従って勧告されるのが望ましいわけですから、その意味では疑問を解明されて、疑問を解明されてこうなったということならば納得しますが、その疑問が解明されないままに勧告して、それが国会の議題になっても、私たちは依然として疑問のある勧告だという、その前提に立って質問をし、審議をするということになって、また国会でも混乱を招かなければならないわけですから、その疑問を解明されるために、もとより作業の時間、その他もありましょうけれども、極力公務員と、そういう面で折衝の場面を持つことを御確約いただきたいと思います。
  114. 淺井清

    説明員(淺井清君) ただ、ここのところ数日はとてもだめだと思っております、実際問題として。非常に私はただいま根本的な本年度の報告また勧告をどういうふうな形にするかということを一生懸命やっているので、ここ数日はとてもそういう機会は持てないと思います。
  115. 永岡光治

    ○永岡光治君 総裁みずからが計算機を回すわけでもないと思う。朝お出になってから帰るまで、かなり時間もあよると思うのですが、やはりあなた方が逃げようとするから、よけいに事が大きくなってくるのであって、すなおに気持よく会うということになれば、そう時間を取らずに言わんとするところはわかっていただけると思うのですが、そういう方法をとらないのですか。給与局長自身も計算機回さんと思うのですよ。それ以下の方々が計算機回すわけですから。方針の問題についても、本年度に限って改めて方針をきめるということはないのであって、人事院立場は絶えずきまっておるわけですから、今年はこういう方向でいこう、今年はこういう変った方向でいこうという、そういう考えを打つから何かおかしいのじゃないか。そんな出たとこ勝負に考えるのではなしに、人事院というのは絶えず同じ方向で、それこそ公平無私に、科学的に、資料を検討して結論を出すということになるべきで、そういうことでなしに、改めて何か協議するということになると、またぞろおかしいことを考えておるのじゃないかという印象を受けるので、どうぞそういうことのないようにお願いしたいと思う。
  116. 淺井清

    説明員(淺井清君) 方式という言葉が悪かったかもしれませんが、それは公務員の給与を本年度はどういうふうに改善すれば一番よろしいかという方式の問題であります。
  117. 横川正市

    ○横川正市君 今の総裁の答弁なんですが、私は総裁は去年までの公務員関係を代表するものと、それから今年総裁に会いにいく公務員の代表との間で、何か違った内容を持っている、あるいは違った思想を持っておるというふうにお考えになっておるのですか。それとも、そうではなしに、今、大へんうるさくてお会いできないという言葉があったのですが、その点はどうなんですか。
  118. 淺井清

    説明員(淺井清君) 国家公務員の諸君は変らないわけです。人事院に正式に交渉権を持っておる。これはずっと前から同じでしょうが、今度は総評の形式になっていると思うのですよ。そこのところが違うと思っております。
  119. 横川正市

    ○横川正市君 私はまあ長いつき合いですからね、総裁とは。ですから、代表と会うということについてそう苦労しなくてもいいのじゃないか。その苦労される一番大きな問題は、今最後に答弁されたように、ことしの勧告をどのように出すか。方式においてはベース・アップ方式をとるか、あるいはその他別の方式を何か出されるのですか。これは私は経済信号によると思う。そこで、そういう方式をきめられることについて、私はやはり代表とも意見を十分交えてほしいし、それからもう一つは、昨年の情勢と今年の情勢とではどういうふうに違うのかという点についても、これはまた私は公平な資料の基礎と、それから結果というものについては、これは別に隠したり何かしなくていい問題だと思う。そういったことについて、相手側が納得するかしないか、人事院のきぜんたる態度というもので交渉されるについては、いささかも私は総裁としても迷惑だと感じなくていいんじゃないだろうかと思うのですが、その点はどうですか。
  120. 淺井清

    説明員(淺井清君) 別に迷惑とも何とも考えているわけじゃないのです。一昨日も私は会いましたけれども、もう大へんなことになりまして、私はちょっと部屋から出ることもできなくなったような状態もあるわけであります。ですからどうもなかなか会いにくいので、昨日のごときは、とうとう午前一時に及んでおる次第であります。それでそういう状態ではなかなかむずかしいと思っております。ことに実際問題として、ここ数日は非常に忙しいのであります。どこかへ逃げておるかと仰せられますけれども、これはどうも役所では仕事ができないものですから、これは別な場所でやっております。政府からも隔離されておるのですから、決して政府に気がねなどは絶対にいたしておりません。これは永岡さんの御質疑に追加してお答えする次第であります。
  121. 横川正市

    ○横川正市君 そうすると、去年とことしとの資料上の問題としての違いというのは、どういうところに出ているのですか。
  122. 淺井清

    説明員(淺井清君) 調査報告につきましては、これはもう公務員諸君も十分御承知であります。大網は変らないけれども、若干変ったところもある。ただ、問題は官民の較差を比較するところにしぼられておるのであります。ところが、この官民の較差を比較する方法というのは、何通りもあるわけなんです。その去年とった人事院方式の是非が問題になっておる。われわれとしてはもう説明尽きておるわけであります。われわれとしては、公務員諸君の言われることも、十分ただいま研究して作業を進めておる次第であります。
  123. 横川正市

    ○横川正市君 そうすると、私は一番大きな問題は、会見をされて、そうして何回か会見をされたあとで相手側が納得しない。納得しないから自然時間も長くなる。お互いにそのことによって仕事が阻害される。そういうことだから、一番根本問題は、そのお互いに了解できない点、これは一体何か、こうお聞きしたわけですが、今はっきりと民間との賃金較差がどのくらい出たか、この資料のとり方であるとか、ものの考え方であるとか、こういうことになるわけですね。その点について私はおそらくまあ資料の面では人事院が一番よくこれは整備をされているし、人の面でもよく配備されておる。そういうような完全に近いような資料を提示しても、なおかつその資料をどう使うかと、こういう点で迷ってくる。この二つの点で意見が一致しない、こう私は理解するわけですが、そういうことですか。
  124. 淺井清

    説明員(淺井清君) 御同感でございます。
  125. 横川正市

    ○横川正市君 そうすると、これは私は総裁はまあベテランですからね。政府に気がねもしない、それから現に、資料もはっきりと出てきた、こうなってくれば、これは私は相手側に納得させる意といいますか、そういったものが加わることによって、そう会見がごたごたするように思われないわけなんです。ただ、会見がごたごたするとすれば、それは資料をいかに使うか、ここに問題があると思うのですが、それはどうですか。
  126. 淺井清

    説明員(淺井清君) それはおっしゃるように、資料の使い方と申しますか、官民較差のとり方にあると思うのです。それもきわめて技術的な点にしぼられておるのです。
  127. 永岡光治

    ○永岡光治君 その資料のとり方の場合に、やっぱりあまり上るような結論が出ないような資料のとり方にするということに、非常に疑問が起きておると思うのです。それが多分にあると思う。去年の報告の場合もそうですよ。相当な開きがあるにもかかわらず、いやそうじゃないのだというような調子にとれる説明をしきりに資料にとっておりましたが、今度もやっぱりそういう疑問があるのじゃないですか。
  128. 淺井清

    説明員(淺井清君) 今度と仰せられるのは、本年度の勧告という意味でございますが、これはまだ出ていないのでございます。今一生懸命作業をやっておる。ただ問題は、去年のことについての問題、これは人事院側の立場はもう説明し尽しておるのでございます。数字も出すものは出しておる。それでもまだ足りないというのですが、その根本は今、永岡さんの言われたように、何か人事院があまり給与を上げない意図で低く見ておるのじゃないか、そうではないのです。ただ、この官民較差のとり方というものが、何方式もあるわけですから、そこでそういう疑問が出てくるのでありますから、われわれは一生懸命に、及ばずながら公務員の給与の改善をやっておる。昨年も上げるべきものは上げておる。またこれを政府をして実施せしめておるのでありますから、そういう疑いをされるのははなはだ心外である。しかも、公務員の諸君から見れば、それは政府と内通してわずかの上げ方しかしていない、そういうことなんでありますが、これは決して人事院は政府から干渉を受けていないのであります。これはいろいろ世上でうわさがありますが、それはちょっとおもしろ過ぎるのでありまして、そんなことは絶対ございません。現に今年度の勧告におきましても、大蔵省はワクをきめたとか何とか、われわれ及びもつかないことを公務員諸君の中から言われるので、われわれははなはだ心外に思っておる次第であります。
  129. 横川正市

    ○横川正市君 それで問題は、三公社五現業と業務上、性質上、幅、責任の度合、そういったものがあまり変らない職務であって、一般公務員と三公社五現業との間で給与差が出てくる。あるいは手当の差が出てくる。そういった条件の問題ですね、これは公務員側から申せば、団体交渉のできる立場とできない立場、こういうふうに言われておる。できない立場のものは、せっかく人事院を頼っているけれども、人事院はその面では頼りにならない。もっと腰を入れてというのが当面の問題としては大きな一つのファクターと思います。その点は今度は人事院としては団体交渉ができないという立場に立っておる者の考え方に対しては十分こたえる、こたえてやれる、こうお考えになっておりますか。それともそれも計数上のことですか。
  130. 淺井清

    説明員(淺井清君) それは結果を見ていただかなければしょうがないことでありまして、それに対する批判は、十分である、多過ぎるという見方もあるでしょうし、それじゃ足りない、これはいつの世にもあることであります。われわれとしては妥当な線でやりたいと思っております。しかし、二公社五現業の点は最も私ども頭を悩ましておる点であります。この間の仲裁ですか、裁定ですか、そういうこともわれわれ頭には決してのけて考えておりません。
  131. 永岡光治

    ○永岡光治君 今度はそうやってどうですか、政府が私どもに対する、に対する勧告で出しますか。
  132. 淺井清

    説明員(淺井清君) ちょっとここで責任のある答弁をせよと仰せられれば、ちょっと言いかねるのであります。しかしながらこれは報告にはとどまらないだろう、勧告を含むと御了承願いたい。
  133. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記をとめて    〔速記中止
  134. 中野文門

    委員長中野文門君) 他に御発言もなければ、この程度にとどめまして、本日の委員会はこれにて散会いたします。    午後三時三十五分散会