○
横川正市君 先ほどの
総裁の
答弁なんですが、私の
考えているような
方法もあるので、
人事院の
考えているような
方法もあるのだと、こういうことなんですが、あなたの方から出された
資料を見てみても、
民間給与の全体
比較を職業別に総合してみると、
公務員の
給与が
民間の
給与に五・七%下回っているという
数字が出ているわけですね。その五・七%は今度の実際の
資料では七
等級と五、六
等級のクロスしている六、七階級のところに当てはめて、あとはこう全部山のすそのように低めているわけですよ。もちろんこれは前回の
勧告は八
等級にある
程度厚くしたから、それから結果的に格差、上下の
等級格差がこれが出ておつたんで中だるみが出て、その中だるみを
是正するのだということで、ここに
民間給与との差の五・七%を当てはめたと、こういうことで、一応つじつまは合
つているわけなんです。しかし、実際上はこの
民間給与との
賃金差というのは、これは何もここの一
部分にだけ差があったのではなしに、全体にあるわけですね。だから、これは
資料上明確なんですから、全体にあると、これはもうはつまりお認めになると思うのです。それからもう
一つは、最近の国民生活の消費
水準というのがずっと上ってきているわけです。それに対して戦前、昭和九十一年ごろのべ
ースと比べてみましても、これは当時を一〇〇にいたすと最近は七〇から八〇の線でとま
つているわけなんです。そういう戦前の
状況から比べてみて、現在のやつはとま
つている。それに対して現在消費生活が非常に
上昇してきている。これはもう一般の風潮ですから、たとえば
地域給を制定したときは、農村は文化費は必要でないが、
都市は文化費が必要だから
地域給をつけると、こういう理論があった。そうすると、一般の
公務外の消費生活が高ま
つてきているのに、
公務員だけがその生活を戦前以下に押えていって、そしてそれでがまんをしなさいと、今の消費生活の
上昇度合いから見ると無理だということが出てくるわけです。しかも、その消費生活も全体的にこれは当
つてくるわけですよ。一級だから当らない。八級だから当るというわけではないわけですね。そういう点からいうと、私はやはり一律のある
程度の床上げをして、その上で重点的
是正を行なっていくというのが、これは当然のべ
ース・アップの形態として当面とるべき手段じゃないか、こういうように私は思っているわけなんです。ただ、
人事院のような方式もあるというけれども、
人事院はなぜ当面これだけの要請をされるような事情がたくさんあるのに、
人事院の
考えていることを正しいとして打ち出されたのか。この点が私の
考えと
人事院の
考えとは違うわけですから、私は私の言つたような方式をとるのが当面非常に、ぜひ必要だと、こう思っているし、
人事院は、いや、
人事院の方式もあるという方式でこれは
勧告を行
なつたわけで、その方式をとられた理由というのは私はあると思うのだ。ただ、先ほどあなたが言つたように、当面経済も安定しているから、安定の中ではこういう方式の方が正しいと思いましたと言うけれども、私はそうではなしに、この国民の消費
水準がずっと上つたということは、これは
公務員の生活なんというのは、あるいは質金というのは、安定どころか非常に不安定になってきている。今はちょうど戦後のあのインフレどきのベ
ース・アップには見合いませんけれども、ある意味ではそれに匹敵するくらいの不安定な
賃金差というものがあると思うのです。ことにあなたの方の出されたこの
資料を見ると、成年男子の一ヵ月の
生計費を見てみますと、これなんか食費は一食四十円ですよ、
とつているのは。一日の食費が百二十一円です。それから光熱費、被服費、住民費、雑費なんというような中で、この住居費の千三百七十円というのは、一体これは何を基準にしてこれはとられたのか。今どき
東京の住いの中に畳一枚借りても千円取られるのに、そういう中で
独身成年男子の住居費、光熱費合せて千三百七十円だなんという
数字は一体どこから出されたのか。それからこの被服費にしても、その他まあ雑費にしても一日六、七十円です。こういうことが
一つの基準になって今回のこの
是正並び
にべース・アップが行われたということになると、どうも私はつじつまが合わない
内容だと思う。もう少しこれはやはり私たちにも納得のいくように、たとえば食費一食ライスカレー一ぱい食べても六十円とか八十円、あるいは夜の食事は百二十円とか。少くとも四十円で三食まかなうなんといっても、これはおそらく朝はコッぺパン一箇に牛乳一ぱい、昼めしはラーメン一ぱい、夜はライスカレーでも食べるというようなことで、何のうまみもない食費になっているわけです。ことに畳一枚借りても千円するという
東京の住居で光熱費まで入って千三百円というようなことはこれはどういうことですか。雑居ですか。そんなことで私は
生計費を出して、それを基準として
上昇率を先ほど言つたように全体的には五・七%上っているのに、ひどいところは一・一%、九千八百五十円で一・一%というところは、ちようどこれは嫁さんをもら
つて子供一人ぐらいいる人もいるわけです、この中に。そういうような
段階のところまで、この一・一%でおさえてしまう。これは私は少し
勧告それ自体に
説明のできない、非常に無理、不合理があるような気がするのです。だからそういう点から
人事院がなぜこういう方式が正しいと思われたか。その点を明快に
一つ説明していただきたい。