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説明員(
横田信夫君) お
手元に、「
伊勢湾台風による
電気通信関係の
被害状況ならびに
復旧状況について」という冊子を差し上げてありますので、これを一々やると相当長くかかると思いますので、これでごらん願うとともに、二、三申し上げたいと思います。
先ほどから
郵政政務次官、
事務次官からもいろいろ
お話がありました。われわれの方の問題についても
お話があったわけでありますが、重複を避けて御
報告させていただきたいと思います。
その調書の一番
最後の表の二枚、これは十月七日ですからちょっと前になっておりますが、その後これよりなお
復旧数は多くなっております。この表をごらん願いましてもおわかりのごとく、
市外電話回線、
電信回線、
市内電話回線、これを分けてみまして、この
市外電話回線で
障害のあったところは
全国的にわたっておりますが、今まだ残っておりますのは
東海、
近畿、それから
関東の一部、これは主として
山梨県であります。前の
被害の
完全修理ができないうちにまたやられたというような
関係で
関東に残っております。それから
近畿の方は、これは
奈良県であります。
奈良県の山の奥が相当やられております。これは
一般の
復旧とともにこれから
措置が講ぜられるのでありまして、一挙にはなかなかむずかしい問題が残っております。
電信回線におきましても、残っておりますのは
東海と
近畿、これは
近畿もごくわずかでありますが、主として
東海、それから
市内電話回線も大きいものはこれは
東海でありまして、
東海が
岐阜、
三重、
愛知三県にわたっております。この
被害の
完全回復というものは相当時期がかかるのじゃないかと思っております。
以上のような
状況でありますが、この
市外の方も
全国にわたる
幹線につきましては、あの
台風のありました翌朝、午前中に大体おもなる
幹線につきましては
措置が講ぜられまして、
マイクロウエーブも一部三時間ぐらい停止したところがありますが、そのもとの長さには
回復いたしております。ただ、
市外の
幹線の大きなところで残ったのは、現在も実は残っておるのでありますが、
名古屋から
三重県を通って
大阪の方へ抜けている、これがまだ
完全修理ができておりません。これは
搬送ケーブルでありますが、この
搬送ケーブルの
名古屋から出ていっているのが
弥富の
中継所というところへ出ておりますが、この
弥富の
中継所が、まだこの辺が私の背よりもまだ高く、六尺ぐらい水がたまっております。従いまして、
弥富の
中継所の中も
浸水いたしまして、電源は完全にいかれておりますし、窓ももちろんあけることができない。これの
応急措置といたしましては、水がたまっておりますが、そこへ
土のうをつけて、特別な
ケーブルの出口だけ
土のうを両側から積んで、その中の水をかい出して、その
中継所のまあ
建物がないと同じような、要するに
建物の中の
中継機あたりは生かすのに相当長くかかりますので、その外の
ケーブルをつないでいく、従って完全な
修理はできませんが、それによって
障害になったもののうちの百二十
回線ぐらいは今ようやくどうにかこうにか、ちょっと質が悪いけれども直して、その
土のうの外はまだ水が六尺ぐらいたまっておる、こういうような非常な困難な
作業を
現地の
従業員はやってくれております。もちろんこれは
組合の方から申し入れがありましたが、あまり無理な
作業をやらしてくれるな、こういう申し合せがあったのでありますが、われわれとしてもそういうつもりで、これは
長期戦になるものですから、そう無理な
作業をするなということでやっておりますが、むしろ
従業員が自主的にほんとうに働いてくれているという
状況であります。なお、こういう
作業につきまして、
全国の各
通信局から約数百名にわたる
応援隊が今
東海地区へ行っておりますが、これは非常におもしろい現象
——おもしろいと言っては何でありますが、非常にわれわれとしても感銘深い現象と思っておりますが、各
通信局から行った
応援隊は、やはり自分の
通信局はほかの
通信局には負けないんだというくらいのつもりで、非常に
作業をしてくれている。われわれとしても、自主的なそういう努力をしてもらっているので、非常にありがたいことだと思っております。しかしそれにいたしましても、
長期戦でありますので、あまり無理はしないということについては相当にわれわれも配慮している、管理者側の方でも配慮しているというのが現状であります。
そういうようなわけで、今の
弥富の
中継所はそういう近辺の応急
修理ができませんが、そのほか
三重県の方に全般に行っておりましたロード・
ケーブルと言っておりますが、ロード・
ケーブル、この
ケーブルがやはりあれは何とか橋という橋、並びにその辺の堤防と一緒に全部持っていかれた。そのために
三重県へ行く
幹線ケーブルがいかれたままで、
三重県下と
名古屋の
方面との通信は完全に途絶した。従ってその
三重県南部の方との通信連絡は
大阪を通じてやっておる、こういう
状況だったのであります。これも現在
回復いたしております。しかし
回復しておるとは申しましても、これも橋並びに堤防と一緒に持っていかれたものでありまして、その付近は今でも水が一ぱいであります。もちろん背は届きません。相当の急流です。従いましてその
復旧はどういうふうにしておるかと申しますと、その
復旧は、やはり途中のマンホールは抜いて、水に近いところでどうにか引き抜いて、マンホールを引き抜いて、その間は水の中に
ケーブルをなまのままぶち込んでいる。それで通信を
回復した、こういうような情勢です。従いまして、これも本格的な
復旧にはならない。これはどうしても水が全部なくなってからいよいよ本格的
復旧にかからなければならぬ、こういうような情勢でありますので、一応
復旧したとは申しましても、ほんとうの
復旧には相当の時日を要する。またそういうような応急的なままでほうり込んであるわけでありますので、ときどき途絶をするというようなことはやむを得ない。
障害が起るというようなことはやむを得ない場合もある。それは今の
市外の大きなまあ
全国的な
幹線ないしローカル
幹線の
状況としては今のようにして一応
復旧しておる。しかしそのほかの
市外の線、裸線等につきましては、もうこの
愛知、
三重、
岐阜三県に行ってみますと、電柱あたりはほとんどが傾いている、また倒れているのがある。それを全部直すのはとてもできないので、そのままの形で線を生かしておるというようなことで応急
復旧は一応済んでおりますが、そういう
程度の応急
復旧でありますので、それを本格的に直すのにはまた相当時日がかかるだろう。そういう応急
復旧だけは、どうにかこうにかこの個所を除いては今済んでおるというような
状況でございます。
それから市内の加入者の問題でありますが、この加入者の問題は、家が崩壊したもの、そのほかまだ水につかっておるものというような
関係でありまして、それが直らぬ限りにおいては直らないものと、それから
名古屋市内等における
障害の中には、実は
障害になったり、また聞えたり、また
障害になったりというのが相当あります。これはどういうことかと申しますと、
名古屋市内の架空の
ケーブルが、ほとんど風のために物が飛んでいる、それで
ケーブルにぶつかって、見たところはわからぬけれども、穴があっちこっちにできている。これを全面的に直すのにはやはり相当時日がかかるだろうと思います。そういうような
障害があるものですから、雨が降ると、雨が降って
ケーブルの中にずっと入っていくと
障害になる。乾いてくると通じておる、こういう個所がまだ相当多いのであります。これも漸次直していかなければならぬと思っておりますが、まだそれを全面的に架空
ケーブルを取りかえるという段階までにちょっと入りかねる問題でありますので、こういう点で御迷惑をかけたということと、今の水が引かないところの
措置が十分でないというようなことであります。
まあ今のようにいたしまして、
従業員は非常に士気は盛んで、一生懸命仕事をいたしてくれておりますが、なお
従業員の
被害状況等につきまして、その次の表にありますが、死傷
関係は、これは
東海のほかは
従業員といたしましてはありませんが、
東海において一人だけ
従業員の死傷があります。これは四十幾つの女子であります。婦人でありますが、一人
死亡をいたしております。あと負傷が三十一名、
家族については十二名の
死亡者があるわけであります。
なおこの罹災
家族といたしまして、
従業員で今住む家もないという人たちにつきましては、今
臨時にわれわれの
庁舎の利用できるもの、そのほかを動員いたしまして、一応全部を収容いたしております。
なお、私たちのこの
復旧とあわせまして、一番初めにわれわれが心配いたしたことは、赤痢、チフス、あるいはこの
作業中きたない水の中へ入るので破傷風、そういうような問題でありますが、これについては直ちに
東京方面からも応援が来ますし、医療品もできるだけ動員いたしまして、これについての万全の
措置もいたして参ったつもりであります。幸いにして今までに
従業員の中にそういう赤痢、チフス、破傷風というようなものの死傷というものはまだ出ておりません。幸いにそういう
状況であります。
なお、その
従業員につきまして、
共済組合の貸付あるいは給料の繰り上げ
支給、その他の
措置につきましては、ただいま
郵政次官から
お話がありましたのと大体同じような
措置を全部講じてきております。
なお
災害地における
罹災者の
電報の発信の無料扱いあるいは
電話料金についての支払いの時期の延期というようなことについても、それぞれ
措置を講じてきております。
まだ言い落したことがあるかもわかりませんが、一応
被害の概況
報告と、講じてきた
措置について御
説明申し上げます。以上でございます。