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1959-10-01 第32回国会 参議院 商工委員会 閉会後第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年十月一日(木曜日)    午前十時三十二分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山本 利壽君    理事            川上 為治君            斎藤  昇君            栗山 良夫君            大竹平八郎君    委員            井川 伊平君            岸田 幸雄君            小林 英三君            鈴木 万平君            高橋進太郎君            阿部 竹松君            岡  三郎君            近藤 信一君            島   清君            田畑 金光君            吉田 法晴君   国務大臣    大 蔵 大 臣    臨時代理通商産    業大臣     池田 勇人君    国 務 大 臣 菅野和太郎君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君   説明員    科学技術庁原子    力局長     佐々木義武君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○経済自立発展に関する調査の件  (原子炉に関する件)  (第十五号台風による被害状況並び  に対策に関する件)  (石炭産業不況対策に関する件)   —————————————
  2. 山本利壽

    委員長山本利壽君) これより商工委員会を開会いたします。  経済自立発展に関する調査議題とし、本日はまず原子炉に関する件を問題といたします。
  3. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 私は、三十二年の十一月ですかに設立をせられた日本原子力発電株式会社の問題を中心にまずお尋ねをいたしたいのでありますが、その第一点は、昭和三十三年の一月の初めだと思いますが、日本原子力発電株式会社幹部あるいは技術者英国に参りまして原子力発電に関する調査折衝を行い、当地において原子力発電に関する諸問題、たとえば一番重要な問題である安全の問題とかあるいは耐震の問題とか燃料、さらに経済の問題というようなことについて十分の検討討議をなされたように私どもは聞いておるのでございますが、その結果について当局といたしましてはどういう報告を受けておりますか。まずそれを伺いたい。
  4. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) ちょっと歯を抜いておりますのでお聞き苦しいと思いますが御了承願いたいと思います。  お話のように安川原電社長が団長になりまして、各界のその道の中心になるエキスパートの方たちを集めまして英国に参ったのは三十三年の初めでございます。その前に石川原子力委員中心になりましてその前年度に概略の調査を了しまして、その報告がなされたわけでございますが、その結果を基礎にいたしましてさらに詳細な調査をいたしたいというので、英国に参りましてただいまお話のありましたような安全性あるいは経済性燃料等の諸問題に関しまして各種の詳細な調査を了して、結論といたしましては、それまでの調査段階では安全あるいは経済性とも石川ミッションの際の報告と相違はない。そこで細部の検討を続けるため、できますれば早急に英国側との具体的な折衝に入るべきである、というふうなのが骨子であったというふうに記憶しております。
  5. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 英国出向中においてむろん一流の各メーカー折衝をされたことは当然だと思うのでありますが、従って各メーカーの方も相当競って見積書を出してそうしてこれが獲得に奔走されたことは大体想像ができるのでありますが、しかし結果において三メーカーだけにしぼられたというように聞いておるのでありますが、その三メーカーだけにしぼられたというのは、他のメーカーというものが自分から引いてしまったのか、あるいは各メーカー日本側との折衝の結果において、今申し上げました安全とか耐震とか経済とかという点において、自分たちがその線に沿わないのでみずから引いてそうして三メーカーだけが残ったのかどうかそのいきさつ一つ伺いた。
  6. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) 当時英国には御承知のように五つのメーカーグループがございまして、その二つ自分から入札をやめまして、こちらから入札を拒否したというわけでも何でもございません。その理由といたしますところは、おそらく英国あるいはイタリア等におきます建設事業手一ぱいでございますので、日本には応募するいとまがないというのが主たる根拠のように聞き及んでおります。
  7. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 そうすると全く先方自体の事情によって引いたと、こう解してよろしいのでございますね。  それからこの三メーカー見積価格審査の結果、結局まだ、これはこれからお尋ねをするのでありますが、GEC経済的に有利であるということに一応日本側としては内定したように聞いておるのでありますが、そして折衝の上その大綱を同社と四月三日に調印の運びに至ったといわれておりますが、この点に関して当局はどういうような処置をとられたのでありますか。
  8. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) 本年の二月にただいまお話のありました三つ英国メーカーグループから見積書が出て参りましたので、その結果を原子力発電会社がみずからの見解で十分検討いたしました結果、GECの方が技術も安心であるし、同時に経済的にも有利であるという観点からGECに決定いたしまして、そして四月三日に原子炉設置許可条件としまして、もし政府設置許可せぬ場合にはこの購入の、内示書でございますけれども内示書は無効であるという意味で、設置許可条件といたしまして、GEC原子力発電会社の間に原子炉購入レターオブ・インデント、発注内示書、本契約ではなくて予約書と申しますか、発注内示書を交換したわけでございます。
  9. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 そうしますると、また正式に会社側から電気事業許可申請書あるいは原子炉許可申請書というものは当局に出ていないのでありますか。
  10. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) そのレターオブインテントを出す直前三月の末と思いましたが、原子力委員会原子力局の方には正式な認可申請の手続は済んでおります。
  11. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 今審査中だと思うのですが、許可見通しは大体いつごろですか。
  12. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) ただいま安全審査部会という、原子力委員会下部機関を作りまして、申請書を受理以来現在まで九十数回会合を開きまして、各般の大家が、建築あるいは建設、地震あるいは気象あるいは機械あるいは物理等の各方面から検討を加えまして、だんだん問題をしぼって参りまして、今日ただいまの段階では最終的に緊急冷却装置技術的な点を検討しつつある最中でございます。それが済みますれば、安全なものであるというおそらく結論が出るのじゃなかろうかと思います。その結論の出る見通しはまだつまびらかではありませんけれども、割合に近い将来少くとも二週間、三週間以内というふうに御理解いただいていいんじゃないかというふうに考えております。
  13. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 そうすると安全審査委員会というのですか、安全審査委員会検討によって結論が出て、これならば耐震あるいは安全度という点において決定づけられるということと相待ってむろん正式な許可を出すと、こういうことに解してよろしいわけですね。
  14. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) 安全審査の問題と同時に経済的な面等、あるいは規制法に規制してあります運転者の資格の問題等、いろいろ安全審査以外にも検討する事項がございますので、経済性問題等に関しましては、主としては官庁側通産省が主体になりまして大蔵省、それから私ども一緒になってこの点の検討原子力委員会一緒に進めまして、ただいまの段階では経済性に関しましては、まずまず技術の将来の進歩のための準備という点も合せ考慮すれば、このくらいのはやむを得ぬじゃなかろうかというふうな判断に立っておるわけでございます。従いましてもしこの安全審査部会の安全であるという結論が出ました際には、さらにその結論原子力委員会に出しまして、もう一ぺんよく検討した上で、先ほど申しました安全以外の要素ともかね合せまして最終的に許可、不許可を原審として出すという段階になろうと思っております。
  15. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 それからやはり関連しておることなんでありますが、最近日本においでになりました英国原子力公社原子炉安全部長ファーマーという人がおられるわけでありますが、この人がステートメントをこの前たしか九月の初めでありましたか、発表されたことがあるのですが、この人がその声明書を発表したあとにおきまして、日本の一部の新聞あるいはまた外国の新聞等において、相当ファーマー氏自身の学術的な論文に対して曲解をせられていろいろ流布をせられた、こういうことを私ども聞いておる。このことが現地東海村を中心にするあの辺一帯に非常な問題を起して、そうしてとにかく原子力株式会社なんてものができたら大へんなことになるんだ、今のうちから駆逐するようなことを考えなければいけないんだということを盛んに言われていたのでありますが、この点はどうなんですか、真相は。
  16. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) 原子炉の安全の審査の最中に、衆議院の科学特別委員会の方で、ぜひ政府で決定する前に公聴会等を開いて、広く各般の意見を聞いた上で、さらに問題があればつきつめてもらいたいというたっての希望がございましたので、この夏に公聴会を開催したわけでございますが、その際に非常にファーマー氏の論文が問題になりまして、わが方でもかねがねこの現況は知っておったのでございますが、何せ個人の発表の論文でございますので、むしろこの際このファーマー自体を——この方は英国原子力公社工業グループ原子炉安全部長でございますが、その方に直接来ていただきましてそして自分の研究した経過並びに結論等技術的に詳しくローマでこの春発表した論文基礎でございますけれども、その論文の上では真相が確かでありませんので、もっと深いデータをもって日本に来てもらいたいという交渉をいたしました結果、ファーマー氏も喜んで日本に参りまして、そして数日この問題でファーマー氏を中心に、先ほど申しました安全部会専門方たち検討を加えていったわけでございます。その結果ファーマー氏の最終的な結論を申しますと、内容はあとで御説明申し上げますが、結論といたしましては、「東海村は適地である。決して不適当な土地でない。東海村は地点より七百メートル以内に樹木がなくて住宅もない。農業も行われていないので、この種の原子炉発電基地として英国地点よりすぐれている。安全性に関する基準を適用してもすぐれていて明らかに取り入れらるべきである。」というのが最終的な結論声明が出たわけでございます。その出ました道行きを考えてみますと、ファーマー氏の論文というのは、大体三つが要点でございます。最悪的な事故が発生した場合、これはまあ非常にあり得べからざることでございますけれども、まああらゆる悪い条件を考えて、その事故解析をした場合に、核分裂生成物がどういうふうに放散していくであろうか、それが人口分布にどういう影響を及ぼすであろうかというのが、論文中心テーマであったわけでございますが、そこで一つの点として、原子炉地点より四百五十メートル以内はほとんど人の住んでいないのが一番望ましい。それから一マイル以内には五百人以上住んでいないことが望ましいというのが二番目でございまして、三番目には、五マイル以内に一万人あるいはそれ以上の人口中心がないことが望ましい、こういうふうに載っておるわけでございます。そこで今の東海村を当てはめますと、第一の条件は全く問題はありません。第二の条件もほとんど問題がありません。第三の条件で久慈町がこの五マイル以内に入りまして、人口が一万を若干越しておるような関係になっておりますので、これが非常に今問題だというので、日本新聞等ではそれを取り上げたわけでございます。そこでファーマー氏にいろいろ真相を確かめてみますと、決してこの第三の条件は危険だというための条件ではなくて、近くにそういう都市があった場合には放射線の管理上、いろいろ調査をしたり、あるいは通知をしたり等の管理の手数と申しますか、仕事がふえるので、できればそういう地帯にない方が管理上望ましいというので、決して危険というわけじゃないという点が非常に明瞭になったわけでございます。従いまして、その点を現地方たちにも十分御説明をいたしまして、決して誤解のないようにということで、現在いろいろ御説明を申し上げ御納得をいただくように努力しておる最中でございます。
  17. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 通産大臣もお見えのようでございますが、しかし事生命に関する非常な大きな問題なんでございます。いずれまたあらためて御質問申し上げますが、いま一点伺いたいのでありますが、そうするとファーマー氏のステートメントに対する問題というものは、御本人が本年の六月でありますか、ローマで開かれた何か学術会議でやられた論文が問題になってこういうような大きな波紋を描いたのであるか、あるいはまた九月に日本に来て出された声明によって衝動を与えたのか、もしローマにおいてそのファーマー氏が発表されたことを、かりにその一部を、全体でなくその一部だけを取り上げて、そうしてこの全く反対的な立場に立つ人が、これを悪くいえば逆宣伝をするというようなことで、その影響のはね返りというものが、たまたま日本ファーマー氏が来られたときに起きたのがこういう問題、こういうことになると、これは私は国内だけの問題でなく、広く国際的な大きな問題になるわけであります。しかしながら、御承知のように、日本では初めてのことでもありますし、いわゆるこの危険性、いかにこれをなくすか、そうして安心してこれをやれるかということは、これはまあ最大の条件なんでありまして、その点のいきさつはいま一ぺん伺いまして、いずれ私ゆっくりまたあらためてお伺いしたいと思いますから、その点だけ一つ
  18. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) 現在まで、この事故解析によって、人口分布等にどういう影響があるかという研究は、英国米国等にはいろいろございましたのですけれども原子炉の性能、形等によりましてそれぞれ違うわけでございます。従いましてこのコールダーホールの改良型原子力発電所事故解析というものは、英国のみが実際はなし得る条件をもっておるわけでございまして、何と申しましても、この問題に関しましては、やはりローマで開かれました原子炉立地安全国際会議、この六月に開かれたこの会議で発表しましたファーマー氏の論文が一番権威のあるものだというふうに解釈せざるを得なかったのでございます。従いまして、この論文中心にいたしまして、いろいろ解釈等が、資料点等もございましてまちまちであった点は、日本といたしましてもいたし方なかった。あるいは事実とも思います。ただ私善意とか悪意という意味はわかりませんけれども、非常に問題を危険サイドに大きく見る見方と、そうじゃなくて科学的にある程度立証できるものであるならば、一応その結論でこの際満足すべきじゃなかろうかという議論とが、やはり織りなしておりまして、先ほどお話がありましたような紛争が巻き起ったものというふうに解釈いたします。従いましてファーマー氏が参りましてこの問題は非常に明瞭になりましたので、実際の問題といたしましては、理論的にはそれほど、ただいま問題の中心になっておるという事態にはなっておりません。
  19. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 資料について、時間を省く関係から資料一つ要求したいのですが、最近これはイギリスが原子炉を活用しておる点においては一番活発だと思うのですが、各国の原子炉活用状況について、そう詳しいものじゃなくていいと思うのですが、資料一つ出してもらいたい。   —————————————
  20. 山本利壽

    委員長山本利壽君) それでは、これから第十五号台風による被害状況並びにこの対策に関する問題を議題といたします。なお、最初にお願いいたしたいのでございますが、本日は、池田通産大臣経済企画庁長官おそろいで御出席いただいておりますが、池田通産大臣は午後差しつかえのようでございますから、できるだけ池田大臣に対する御質疑から始めていただきたいと思います。これから順次発言を許します。
  21. 栗山良夫

    栗山良夫君 冒頭に、政府の方から、災害が実際どういう状況であったか、大体概況報告を願わないと質問のしょうがないでしょう。
  22. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 速記をとめて。    〔速記中止
  23. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 速記を始めて。
  24. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 今回の台風は従来のそれと違いまして、かなり大規模でまた今までにあまり例を見ないほどのものでございます。中京地方に対しまして相当損害を与えておるのでありますが、所管の通産関係につきまして鋭意調査をいたしておりまするが、何分にもまだ工場内に近寄れない状態の所がございます。しかもそういう所の被害が大きいのでございます。  個別的に申しますると、問題の電力関係でございまするが、中部電力の、名古屋にございます十五万キロと十四万キロの二つ火力発電所相当被害を受けております。従いまして、他の発電所よりこれを供給するような手配をいたしております。災害によりまして電力需用も非常に激減しております。従いまして、発電ということよりも送電その他の支障を今、回復すべく努力いたしております。家庭の電灯は大体中部地方全体で二百五十万世帯でございまするが、昨夜までに未点灯のところが五十九万世帯くらいございます。電力需用は、工場がそういうふうな被害をこうむりましたために、非常に激減しておりまするから、供給支障を及ぼすというふうなことはございません。しこうして復旧につきましては、配電関係につきまして、関西電力並びに東京電力より資材並びに工員を数百名派遣いたしまして復旧に努めておる状態でございます。  三重四日市におきまして石油関係被害がございまするが、ある石油会社はタンクがこわれたり相当被害を受けております。また機械に水が入りました関係上、精製会社によって違うわけでございますが、モーターその他で十日あるいは一カ月くらい仕事を休まなければならぬ所あるのではないか。石油関係にはかなり影響を与えておるようでございます。  またこの地方の特殊の重要産業でありまする繊維関係におきまして、これまた工場並びに原材料が相当被害を受け、復旧相当の時間を要するのではないかと思います。また窯業関係につきましてかなり被害を受けておるようでございます。  昨日までの調査では、これは十分の調査はできませんが大体の見当といたしまして、愛知県で五百億、これは工業、商業を通じまして五百億円くらいの損害ではないか。また三重県の方につきましても百五十億くらいの損害ではないかという程度に見積られておるのでございます。  災害をこうむった方々復旧に関しまして、復旧資材値上りして、そうして復旧支障を与えてはならないと思いまして、災害関係資材確保に万全を期しておる。たとえば亜鉛鉄板、あるいはくぎあるいはスレート等につきましても、従来の価格よりも三割引くらいの価格で出そうということを関係業者と話し合いいたしまして、たとえば亜鉛鉄板は二百七十円くらいでございますが、それを二百円で出そうくぎなんかにおきましては三割引亜鉛鉄板は五百トン、くぎも千五百たるを準備いたしておりますが、これでも足りない場合におきましては十分補給し得るように手配をいたしております。またその他の物資にいたしましても、災害によって価格の高騰のないように資材確保に万全を期しておるような次第でございます。  先ほど申し上げましたごとく、まだ工場地帯には実地に調査ができないような状況でございまして、十分ではございませんが刻々被害状況を調べまして、これに対する措置をとるように手配をいたしておるのであります。
  25. 近藤信一

    近藤信一君 今大臣から簡単な御報告がございましたが、今度の十五号台風被害の大きいことは、今大臣みずからも言われました通りでございますが、特に四日市、桑名、名古屋南部地帯、それから岐阜県の中津川、多治見、この方面が最も被害が大きいといわれております。特に名古屋南部地帯は、大工場はもちろんのことでございますが、中小企業工場密集地帯であるという関係で非常に大きな損害を受けておる。特にまだ今大臣も言われましたように、中小企業のほとんどが水中にあるというような状態にあるわけなんです。そこで十分なる調査もできないと今大臣も言われましたが、実際十分なる調査もまだむずかしいことは当然でございますが、今一番困っておるのはとりあえずどうして立ち上るか、これが中小企業の一番大きな今の悩みでないかというように考えるのです。これに対するところつなぎ資金とか立ち上り資金、こういうような点について通産大臣はどういうふうにお考えになっておられるのか、この点一つお伺いをいたしたい。
  26. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 調査を進めまして、つなぎ資金その他復興につきましては、できるだけの措置をとりたいと考えております。
  27. 近藤信一

    近藤信一君 特にそこで問題になってくるのは、中小企業人たちは、今まで中小企業三庫に頼っていたわけなんです。ところ普通通り中小企業三庫、中小企業金融公庫、商工中金、また団民金融公庫なりの、こういうところに融資の申し入れをすれば、相当時間がかかる、早くて一カ月なんです。今度の場合はそういうゆうちょうなことは許されないと思うのです。そういう点についてどのような方針をとっておられるのか、お尋ねいたします。
  28. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) これは災害につきまして、被害地の方につきまして、お話通り従来の普通の状態でやっておってはとても復興がおくれて間に合いません。従いまして普通の状態とは違ってそして、たとえば組合その他を結成いたしましてそうして話を早くして、ずっと行きわたるというふうな方法をとりたいと思っております。昨年の伊東市なんかにおきまする災害によっての中小企業復興は、あそこの組合幹部方々業者にかわって責任を持ってやって、そして仕事を早めたという例もございますので、ただいま通産省の係官を向うに派しまして、調査と同時に罹災者の要望等聞きましてそして措置を講じたいと思います。
  29. 近藤信一

    近藤信一君 さらに今も大臣から御説明がごさいましたように、復興資材の問題についてございますが、復興資材は、今大臣は、トタン一枚従来二百七十円という話でしたが、現地では現在千円以上しておるのです。そして物価がもう何倍というほどもはね上ってそれでも手に入らぬと、こういう状態で、このまま放置しておけばどんどんと復興資材値上りをして、天井を知らない値上りになってしまうと思うのですよ。これに対するところの何か今対策は、亜鉛鉄板の問題が今出ましたのですけれども、特に工場復興するためにはそういう資材がうんと要るわけなんで、工場だけでなくて民家がほとんどやられておりますので、それらも奪い合いという状態が出て、ものすごくどんどんと上っているわけなんです。そういう状態に対して何かとる処置というものはないのかどうか、この点をお尋ねいたします。
  30. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) ただいまくぎ亜鉛鉄板スレートのことを申し上げましたが、とりあえず先ほど申し上げましたように五百トン、あるいは千五百たるというのは、二十八日に通産省が決定いたしまして発表いたしております。そしてまた亜鉛鉄板のごときは、大メーカー四社がいくらでもその値段で出すということに話し合いをつけております。そしてまた板ガラス等におきましても、四日市日本板硝子は被害が非常に少のうございまして、滞荷をはき出すと同時にフル運転供給に万全を期しております。また関西あるいは東京の板ガラス相当数量もうトラックで送っている、こういうことでございまして、われわれとしては災害の起りますと同時に、これの復旧に必要な資材は、従来の価格よりも同じかあるいは相当低い価格で十分配給する、ということを公表いたしておるのでございます。ただ現地にそれが実際に着かないということになると困りますので、あらゆる方法で送るようにいたしておるのであります。
  31. 近藤信一

    近藤信一君 今大臣はいろいろと早く善後措置を講ずるというお話でございまするが、実際輸送関係が汽車なんて言っておったらとても間に合わぬと思うのですよ。だから実際今一番早いのは海上輸送の点なんで、やはり現地の物価の値上げを防ぐというのは、現地に早く物が大量に届けばこれは値上りはある程度私は防ぐことができると思います。だからそういう点については、陸上輸送や海上輸送、こういう両面を通じて早く現地資材を送るということをまず考えていただきた。これはまあ通産関係が海上の方までということは、輸送関係は運輸省の関係になりますけれども、こういう点は一つ運輸省とよく連絡をとって早くこれを現地に届けていただきたいと、こう思うわけであります。  それから今まだ水につかっております中小企業、まあ中小企業の方が多いのです、水につかっておる率は。ところが水が引いてもまあ操業を開始するまでには相当期間が必要であると思うのです。  それから今度は資材確保という問題になってくるのですが、この点どういうような考えを持っておられますか。
  32. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 復興資材につきましては先ほど申し上げた通りでございます。一般の消費資材につきましても、全国的の生産能力は相当あるのであります。私はその都度その都度要求に応じましてそれにこたえ得ると思っております。またお話の輸送の関係も海上ももちろん考えまするが、何分にも大量の荷上げをする所がやられておるものですから、今は主として陸上トラックでやっておる状態であります。
  33. 近藤信一

    近藤信一君 いろいろとまだ問題ありますけれども、私もきょう十二時半のあれで帰らなければなりませんので、あと一点ほど簡単にお尋ねしますが、いろいろと生産資材の問題、復興資材の問題それから金融の問題、こういう問題が重なっておるわけでございまするけれども、やはり金融の問題が一番の問題であろうと私は思うのです。先ほども大臣からいろいろ御答弁がございましたが、特に金融は地元の商工会議所なんか、まあ県、市なりから申し出があるでしょうけれども、そういう申し出を待つことなくして、そういう点を早く本省の方で中小企業の金融の問題を十分考えて、そうして中小企業金融公庫なりまた商工中金なりそれから国民金融公庫なり、こういう中小企業三庫に対する弾力性のある、そうして敏速な行動のとれるように一つよく考えてやっていただきたい、こう思うのです。この点一つ要望しておきますが、いろいろと十五号台風の未曾有の被害であるということは大臣も認識しておられますし、私どもも早く中小企業階級の復興のできるように努力をしていただきたい、かように要望しまして私の質問を終ります。
  34. 栗山良夫

    栗山良夫君 私は、経済企画庁長官あるいは通商産業大臣の御所管の仕事と申しますより、岸内閣として今度の十五号台風につきましては災害本部までも設けられた。そうして政府みずから全力をあげて当る、こういうふうに御決定になっておるようでありますから、そういう意気込みの中で通産、経済企画庁の特に所管にしておられる仕事についてどういう工合にお考えになっておるか、これをまず伺っておきたいと思います。でありますから、問題によりましては建設関係あるいは農林関係等々とももちろん関連をする問題、あるいは労働省とも関連をする問題がありますが、その点はよく省内、内閣におきまして緊密な御連携をとっていただいてそうしてちぐはぐのできないように努力を願いたいと思うのです。  まず第一に伺いたいのは、今度の台風の特徴は昭和九年の関西の風水害の例がよくあげられますが、私はあのときの事情もよく承知しております。現地に行っておりますから知っておりますが、規模は同じであったかもしれませんが、非常に困難性を持っておることは、災害地に今日もなお水がついているということであります。このことは、しかもなかなかその排水に対して見通しを持つことができない、という今日の状況であるという点が、非常に困ったことになっておるわけであります。そこでそういう特別な状況にありますので、いろいろ御苦心があられようと思いますが、まず第一に、四日市、桑名、名古屋、半田、この方面の一番悲惨な罹災状況にあります地区が産業地帯であります。そうしてしかもその産業地帯の周辺にある勤労者の家庭というものは全部水没をしている。こういう状況にありますから従って、かりに工場の内部が生産再開されましても、勤労者の方の家庭の生活態勢が整わない限りは、生産再開にならないと思うんです。現に私も二、三見て参りましたが、各主たる工場で今やっていることはどういうことかと申しますと、機械の手入れとかそういうことではありません。罹災した自分のとこの職員の消息を確かめる、また職員に対してのある程度生活、人心の安定を与える、そういうようなことに専念をしているというのが実情であります。多数の犠牲者が出ております。新三菱重工でも何十名の犠牲者が出ている、そうして名古屋製作所あげてその対策に大わらわというような状況でありまして、この労務者の住宅、それから犠牲者の始末、そういうものに手落ちない対策を立てられないと、まず復興の第一歩が進まないと思う、こう考えるんです。こういう点についてどういう工合に通産省なり経済企画庁として、ほかの省の関係のことが多いのでありますが、どうお考えになりますか、まず伺いたい。
  35. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) お話通りでございまして、現地状況を聞きまするとある製綱関係の会社等は四千人のうち、三千人がその工場付近で罹災している。幹部の人はそれの処置に頭を悩ましている、こういうことを聞いております。まあ通産省の所管ではございませんが、これは災害復旧の大きい今度の特色でございまして、こういう点は復興に当りまして十分に考えなければならないという気持を持っている。お話のようにただいまのところ、とにかく実態をつかむということがここ二、三日の仕事でございます。対策はやはり実態をつかんでから各省一致してやらなければいけない。従いまして、内閣といたしましても副総理を委員長といたしまして、強力な迅速な措置をとっていきたいというふうに考えております。
  36. 栗山良夫

    栗山良夫君 それから、水没している住宅、工場の問題もさることでありますが、今度は非常に広範な地域にわたって、とにかく普通の商店、店舗、あるいは個人の住宅ももちろんでありますが、被害を受けていない家というものはほとんどありません。私自身も相当やられているのでありますが、しかもそれは被害の仲間に入らない程度です。だからほとんど被害を受けている。今トタンとか鉛鍍鉄板とか、かわらとかこういう資材のことが問題になりましたが、かりに店舗を少し直すにしても、資材が整っても大工その他の技能者が全然ないんですね、修理のしようがないわけです。ですからこれは建設、労働省などと御連結いただいて、この災害地に向って全国のほかの地区から、建設関係の技能者を何かのかっこうで動員して投入するということが考えられないものか、この点を伺いたい。
  37. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) これは、先ほど申し上げましたように、たとえば配電設備なんかもとても足りませんので、関西あるいは東京両電力会社から百五十名ないし二百名くらいも派しております。電柱その他もみなトラックで送っております。これはわれわれのよく存じておるところであります。従いまして実情に応じまして、ある程度そういう措置をとらなければならぬのではないか。現に今の配電関係はそういうふうにいたしております。
  38. 栗山良夫

    栗山良夫君 電力とかガスとか水道とかいうある一つの組織体が復興に当る場合には、割合に円滑に進むだろうと思います。しかしほんとうの民間の個人企業とかあるいは中小企業は、材料はあるけれども人手がないためにいかんともしがたい。職人がないためになしがたいというような点については、やはり公共団体が中心でやるのでしょうけれども、本省としても全国的な規模で動かさなければできないものでありますから、十分念頭に入れておいていただきたいと思います。  それから第三の問題として非常に困ったことは名古屋港がただいま半身不随に陥っております。従いまして、ちょうど今アメリカ向けのクリスマス用のいろいろな輸出品の船積み時期に当っているわけですが、仲仕もいないし港も半身不随だということで、もしこれが手遅れをいたしますと、名古屋中心とした対外貿易に非常な支障がくるということをおそれておるようであります。この点は通産省の御所管でありますが、時期を失しないように適切な手を県、市、あるいは名古屋商工会議所等と御連絡をいただいて、そうして打っていただきたいと思いますが、そういう情報が入っておりますか。
  39. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) まだ聞いておりませんが、それはもうごもっともなお話でございまして十分措置いたしたいと考えております。
  40. 栗山良夫

    栗山良夫君 それからもう一つは、まだ統計が出ておりませんからわかりませんが、おそらく今度罹災した個人を考えてみまする場合に、その地帯から考えますと、労働者、工場関係の職員、それと農民が大部分だと思います。しかもウエイトは労働者層の方が多いのではないかと思いますが、従ってそういう環境の中で、また工場関係からみましても中京地区のほとんど工場中心地がやられたわけでありますから、それの再開にはなみなみならぬ努力を要すると思いますが、特に全部機械類に海水が入っちゃっておるわけでありますから、これの清掃、分解掃除、その他生産再開までの努力またその日数というものは、なかなか簡単には予測し得ないような状況にあるのではないかと思って心配をいたしております。そこで工場再開に至るまでのいろいろ困難はありましょうが、政府として適切なる指導をせられてそうして一刻も早く生産が軌道に乗るような措置を、これは大局的に進めていただきたい。中小企業個々にばらばらにしておきますと、先ほども申し上げましたようなまさにてんやわんやの状況でありますから、総合的につかむということはできない問題です。で、出先機関が一生懸命おやりいただいておると思いますが、本省の方と直結をせられてそうして大局的なる見地に立って、個々の企業体がすべて同じような歩調で一せいに一刻も早く生産再開の態勢に入り得る、そういう指導をお願いいたしたいと思います。
  41. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) お話通りモーターが海水なんかかかりますと、すぐの復旧はなかなかむずかしうございましてみな巻き返しをしなければなりません。そうしてまた小さいものなら簡単にできると思いますけれども、大きいものは東京に送るかあるいは特別な技術者を向うにやるという、こういうことに相なるんじゃないかと思っております。そういうこともやはり会社側通産省直接な話でやっていく方がいいんじゃないか。何分にもこの地方の産業は繊維関係におきましてはかなり重要なんでございます。たとえば今度被害を受けた中京方面はナイロンで申しますと全国の七五%あります。毛の整理にいたしましても七五%、梳毛紡績にいたしましても五二%、毛織物でも六〇%、漁網でも四二%、窯業はもちろんであります。こういうふうに各産業別に重大性を持っていますので復旧につきましては極力これを急ぎたい。またこういう繊維関係の生産地でありまして、これが被害を受けたために、あるいは繊維関係の暴騰というようなことがあっては困りまするから、他の被害を受けてない地区の封緘した織機について、一つ考えなければならぬのじゃないかというふうなところも今検討いたしております。いろいろな派生的な問題が起って参りまするから、そういう問題をあらゆる場合を考えて適切な措置が早くとれるような態勢を整えておるわけであります。
  42. 栗山良夫

    栗山良夫君 それから先ほど近藤君からもお尋ねがありまして、適当に善処をするという御答弁があったようでありますが、当面中小企業中心でやりましょうが、この災害を受けたために運転資金に非常に困っているんですね。ですからこの運転資金のめんどうを具体的に直ちにどうみるかということが一番問題だと思います。そこで適当にめんどうをみようという御答弁ではまだ少しみんなが安心し得ないと思いますが、今日の段階中小企業の三庫初め都市銀行、地方銀行通じまして中小企業関係災害応急対策資金あるいは立ち上り資金について、いろいろ計画が立ってから順次効力を発生してくるでありましょうが、今日ただいま通産省、大蔵省と御相談を願ってそれぞれ適当な措置を考えて地方に動き出せるように指令を願う、そういうようなお考えはありませんか。
  43. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) もう考えがあるだけでなく準備をいたしております。ただここで中小企業関係三庫についてどれだけ金を出すんだと言ってもこれはあまり意味をなしません。しかし言った方がよければ申し上げまするが、その金額は実態に沿うように、今要る必要な金だけは十分準備はいたす覚悟でおります。
  44. 栗山良夫

    栗山良夫君 それはおそらく金額は今御発表になってもあるいは満足し得ない金額かもしれません、あるいは満足するかもしれませんが、おおよそのワクをもしおきめになっていればお聞かせいただきたいと思います。それから同時にわれわれの心配しておりますことは、金の用意ができてもその窓口における手続が非常に厄介で急場の間に合わないということになるわけですね。それですから金の用意をなさると同時に、窓口における手続を可能な限り簡略にしていただいて、そうしてすぐ出していただきたい、こういうことでなければならぬと思いますが、ですからその手続問題までお触れいただけるかどうかですね。
  45. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) これは先ほど申し上げましたように、やはり組合関係なら代表者とか、あるいは地区的に代表者をきめて、そうしてそういう人がみんなの責任を持って代表者として話をしていくのが一番早道じゃないかと思います。従いまして、今金額をどれだけとか言ってもどういう——今なくなられた方はわかっておりますが、中小企業がどの程度、そうしてどういう業種、これも皆目わからないのでございますから、今私の立場として金額幾らということは、私は、あまり申し上げても意味をなさぬ、それはもう十分なことを考えますと、こう申し上げるよりほかにいたし方がございません。ただ方法としまして、先ほど申し上げました、昨年の伊東市における貸付のやり方等々ございますので、私は現地の実情に沿いましてそうして中小企業者に相談して代表者に一括して貸し付ける、そうしてあと個々の人の個々の対策を整備するというような方法等、現地状況によりまして措置いたしたいと存じます。
  46. 栗山良夫

    栗山良夫君 実は火曜日でありましたか、名古屋の商工会議所で中小企業部会が開かれまして、いろいろこの問題を会頭初め寄って相談をされたことを若干聞いておるのであります。もちろん今大臣のおっしゃったように的確な資料はないし、つかみにくかったようでありますが、当面商工中金に対して——これは名古屋市内だけの話でありますが——百億、それからそのほか国民金融公庫、いろいろなものを入れて百億くらいの資金をもらわないと動かないのじゃないか、という話が出たということを聞いております。ですから、今ごく内輪目に見てもそんな程度でありますから、愛知県全体とか三重県まで及べば相当な金額になるだろうと思います。ですから非常につかみにくいことではありますけれども、若干こうずっと業態の整理、地域の整理などをなさって、そしてぬか喜びでないように、実現性のある案をなるべく早く一つ発表していただいて、そしてそれを根拠にしてさらに対策を前進させていく、というようなことのできるように御配慮を願いたいと思います。
  47. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 昨日までにわかりました数字につきましては、愛知県で五百億とこう申しております。このうち工業関係が三百億、商業関係が二百億と相なっております。これは損害額でございます。しこうしてその復興に対して当座の復興資金がどれだけかかるかということは、これはなかなか損害額もわからないし、復興額もなかなかむずかしいと思います。今大蔵省あるいは通産省でいろいろお話をしておるのですが、大体百億程度は要るのじゃないかと、これはほんの見通しでございます。損害額がわからないのに当座の融資額がわかるはずはないと思いますが、まあこういうことも考えておりまするが、要は復興につきまして政府としては万全の方法をとるのだと、これで一つごがまん願うよりほかにないと思います。それで私も直ちに向うへ行って対策を考えるべきでございまするが、これは農林とか建設とはちょっと時期的にあれしますから、少し落ち着いてから実地を調査し、また対策を講ずべく現地に行きたいと考えております。
  48. 栗山良夫

    栗山良夫君 あまり不確定な要素が多い現在でありますから、こまかいことをいろいろ御質問しても効果が上らぬと思いますので、せっかく御努力を要望しておきたいと思います。  特に今度は池田大蔵大臣一つお尋ねをしておきたいと思いますが、今度の災害について予算措置はもちろん講ぜられると思いますが、補正予算はおやりいただけますか。
  49. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 十四号台風までならば大体今の予備費でまかなえると考えております。しかし今度の十五号台風は大へんな被害でございますので、当然補正予算を組まざるを得ぬと思います。臨時国会に出す考えでおります。
  50. 栗山良夫

    栗山良夫君 補正予算の提出時期は、およそいつごろになりましょうか。
  51. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 臨時国会もいつ聞くかそれがまだきまりませんので、この辺は内閣で十分相談しないとお答えできません。ただ問題は、今までの災害はもちろんでございますが、十五号台風につきましての建設関係あるいは農漁関係等々の調査にはかなり日にちを要します。今までの経験によりますと、大体一カ月くらいしないと正確な予算の基礎になる調査はできないのではないかと思っておりますが、しかしそれだからといって復興についての臨時的な金を出さぬというわけにはいきませんから、何といいますか、大体の見込みで今ある金を触通して出しております。予算を組むということになりますると、大体一応の調査をして組むことになりますから、まあ一カ月ぐらいその調査にかかるというのが今までの例であります。従いましてそういうところを考えますと、おのずから臨時国会の目も出てくるのではないか、技術的に。しかしこの問題は内閣で相談いたしましてきめたいと思います。
  52. 栗山良夫

    栗山良夫君 きのうのラジオでは臨時国会を十月二十日くらいの目途で計画されておったようでありますが、それを繰り上げて十五日ころに招集したいというような意味の放送があったようですが、そういう今内閣の意向でございますか。
  53. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) その点は私聞いておりません。私は今、災害に対してのいろいろな調査の点は、経験上あるいは技術的に申しますと、相当時間がかかると、こういうことでございます。しかしこれはまあ調査でございまするから、短い一週間のことはまたどうなるかわかりませんが、技術的にはそのくらいかかるのではないかと考えております。しかしそれがおくれましたからといって、復興につきましての措置は、臨時国会のいかんにかかわらず、これはもうどんどん進めていく考えであります。
  54. 栗山良夫

    栗山良夫君 それから補正予算と並びまして前回にも例がございましたが、こういう異常大災害のときには対策として特別立法をいたしましたね。各省関係のものをまとめて災害対策特別立法をした例がございます。この前は政府提案であったか議員提案であったか、ちょっと私失念いたしておりますが、特別立法した例があります。今度のは史上最大の災害だといわれておりますが、来たるべき臨時国会には補正予算とあわせて、これらの災害対策としての特別立法をなさる御用意があるかどうか、この点もあわせて伺っておきたいと思います。
  55. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 被害の実情を見まして考うべきことだと思います。この前九州を中心とした災害のときに、特別立法をしたやに記憶しております。多分二十八年ではなかったかと思います。やはり実情を調査の上そういう問題は考えるべき問題であると思います。
  56. 栗山良夫

    栗山良夫君 まあそういう御答弁しかないと思いますが、問題は、前回に劣らない大被害が起きていることは、これは事実でありますから、内閣としては緊急に災害復旧をやるという建前から、この前特別立法をいたしまして施策をした効果は非常に上ったと私は見ております。でありますから今回も前例にならって補正予算を講ぜられると同時に、きわめて簡略強力な行政が行われるように特別措置を講ぜられんことを、私は特に強く要望しておきたいと思います。ちょっと速記をとめて下さい。
  57. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 速記をとめて。    〔速記中止
  58. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 速記を始めて下さい。
  59. 栗山良夫

    栗山良夫君 私は今回のきわめて規模の大きい、そして被害が甚大でありました十五号台風関係いたしまして、その諸施策に万遺漏なきを期する意味において、同僚各議員の御賛成をいただきまして共同決議案を提案いたしたいと思います。まず決議案の案文を朗読いたします。    決議案   最近風水害が頻発し、殊に第十五号台風の如き空前の惨害を見たるはまことに遺憾に堪えない。   政府はこれら風水害に対し予算措置を以て抜本的対策を講ずべきことは勿論なるも、緊急対策として当面被害者救済と災害復旧に万遺漏なきを期すると共に、経済施策として次の諸措置を緊急且つ強力に実施すべきである。  一、金融的措置を速やかに講ずることとし、特に中小企業に対しては政府金融機関のみならず民間金融機関をも督促して、つなぎ資金、立上り資金の円滑なる供給を図ること。  一、復旧建設資材確保に努め、資材の輸送と配給に迅速且つ適切なる措置を講ずること。  一、物価の高騰を極力抑止することとし、暴利の取締を厳にし、生活必需物資の潤沢なる供給を図ること。  右決議する。   昭和三十四年十月一日       参議院商工委員会  提案の趣旨につきましては今さら申し上げるまでもなく、今朝来池田通商産業大臣、菅野経済企画庁長官もおいでいただきまして、質疑応答をいたしました中において十分に表われておると思います。問題は今度の十五号台風中心地でありました四日市、桑名、名古屋、半田は繊維、窯業、あるいはベニア板等を初めといたしますところ日本的な産業の集中地帯であります。従いまして完全に生産が麻痺状態に陥っておりまするので、これを一刻も早く復旧することは国家的な要請でもあると思います。と同時商工委員会には直接関係はないことでありますが、人心の安定上からも内閣として強力なる施策を要請しなければならない点が多々あるわけでありますが、当面当委員会といたしましては経済復旧ということを中心にいたしまして、ただいま読み上げました決議案を提出いたし、御賛成をいただきまして政府の善処を要望いたしたいと思います。
  60. 斎藤昇

    ○斎藤昇君 ただいま栗山君から御説明がありました各派共同提案の決議案につきましては、自民党を代表いたしまして私も賛成をいたすものでございます。  理由は栗山君から詳細述べられましたから重複を避けますが、何といいましてもいわゆる伊勢湾台風は戦後最大といわれておりますが、おそらく日本では有史以来の損害を与えておるものと思います。この決議の趣旨に沿いまして、政府におかれましては一つ最善の努力をしていただきたいと思います。同時に両大臣お見えでございますから、並びに内閣の関係の方にもお願いをいたしたいのでありますが、それはこの決議案の内容にはございませんが、今日まだ生命の危険にさらされておる者が私はおそらく数千人あるだろうと、かように考えておりまするので、経済復興に力を迅速にいたしていただきますと同時に、生命の安全を一日も早く確保していただくように関係閣僚にもお伝えをいただきたいと思います。  以上をもって賛成いたします。
  61. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 私は無所属クラブを代表いたしまして、ただいまの決議に対して賛成をするものであります。  御承知通り、すでに災害が発生いたしましてから五日間になります。五日間にしてなおかつ三重県のごときはその全貌も把握することができない。いまだに屋根の上に水浸しになっておる状況というものが非常に多いというような事態を見ましても、それから最初の第十五号台風というものを、伊勢湾台風に切りかえなければならぬということは、いかに局地的にこの災害というものが深刻なものであるかということを物語るものであると思うのであります。こういう意味におきまして、ただいま商工関係対策といたしまして池田通産大臣より誠意あるいろいろ答弁がございまして、私どももそれに万幅の信頼をもってその復興を願うものでありますが、しかしながらあまりに事態が大きいのでございまするので、政府といたしましても一そう努力をせられて、私どもの希望を要れられんことをお願いいたしまして、賛成の意を表するものであります。
  62. 山本利壽

    委員長山本利壽君) お諮りいたします。ただいま各派共同で提出されました決議案を、本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  64. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) ただいまの御決議はまことに時宜を得た適切なものと思います。政府といたしましては御決議の趣旨を十分尊重いたしまして、万全の努力をはかりたいと思います。  なお斎藤委員お話しになりました、この決議以外の善後措置につきましても、十分意を尽したいと思います。   —————————————
  65. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 池田通産大臣に対する質疑はございませんでしょうか。
  66. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 質問さしていただく前に、大臣の予定は別にございませんですか。
  67. 山本利壽

    委員長山本利壽君) できることならば十二時までにという御希望でございますが……。
  68. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 経済企画庁長官の方はいかがですか。
  69. 山本利壽

    委員長山本利壽君) よろしゅうございます。
  70. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 それでは、通産大臣は時間もないようで十分お尋ねできませんけれども、端的に石炭の問題、総合エネルギーの問題、こういうことについてお聞きしたいのですが、石炭の不況対策についてはもう大臣も十分知っておられると思いますので、石炭界の状態についてはくどくどしく申し上げませんけれども日本と世界各国の石炭産業のそれぞれの国の政府の政策を比べてみましても、あらゆる国でやはりコストあるいは生産手段、そういうような方法の違いはあるけれども、それぞれ保護政策をとっておるわけです。日本の場合も保護政策とまではいかぬでも、若干政府は買い上げを通じてなりあるいは金利を安くするとか、こういう点が若干あるけれども、とても諸外国に比して問題にならぬ。そこでこういう状態になって、外国ではそれぞれ石炭と油は不離一体ですから、総合燃料政策の面で油に極めて高率な税金をかけておる、輸入する場合には。日本ではこれは大臣が御承知通り三十三年ですか、三十一年ですか、一〇%の税金をかけるということになっておっても、現在は原油二%、重油が五%しかかけておらぬ。こういう状態ですから、油に対する税金をかけて、石炭と価格の比率を保つというような政策を考えることができるかどうか。そういう点についてまず最初にお尋ねいたします。
  71. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 総合エネルギー対策につきましては日夜想を練っておるのでございまするが、まだ結論を出しておりません。しかしこの問題は早期に片づけなければならない。で、ものの消費ということにつきましていわゆる関税その他課税の問題はいつも出てくる問題でございます。しかし産業政策としては原材料に課税するということはよほど考えなきゃならぬ問題でございます。従いまして関税定率法では一応きめておりまするが、そのときどきの状況によって上げ下げしたりしなきゃなりません。しかし現在におきまして石炭と重油との関係でどういう措置をとるかということはまだ結論は出しておりません。考え一つのアイテムにはなっております。御承知通り、最近も西ドイツにおきましては一キロ三十マルクの課税をいたすべく準備をしておるようであります。きょうから始まります国会に多分提案になることと思いまするが、やはり各国の事情を参酌し、国内の将来のエネルギー対策としていかなる措置がいいか、ということにつきまして検討はいたしておりまするが、まだ結論を出すに至っておりません。
  72. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 今大臣が心配であるから検討中と、こういうことになりますと、それを結論を出せと言ってもそれはりっぱなものを作ってもらわなきゃならぬから、きょうできる、明日できるというふうには私は考えませんが、これは大臣が今おっしゃった西ドイツばかりでなく、フランス、イタリア、イギリスにおいてもそれぞれ保護政策を日本よりもきわめて強力にとっておるわけです。ドイツも今大臣がたまたま三十マルクの問題を提示されましたが、一マルクが八十三円か八十五円ですから、大体二千五百円くらいの税金をかけるということが閣議で決定した。しかしドイツでは三十マルクかける以前に現在すでに十二マルク五というのをとっておるわけです。それにプラス三十マルクですからいかにドイツが石炭産業を守り、国内産業を守るという立場に立って政策を行なっているかということは明確なわけです。ドイツの中央銀行の総裁の、将来石炭というものはだめになるのではないかという意見らしい話を聞きましたが、エアハルト経済相があくまで国内産業を保存しなければならないということで、エアハルトさんというのはドイツの現内閣の実力者ですから、日本でいうとちょうど池田通産大臣に匹敵するので、この人の意見は必ず通るのですから、池田さんのおっしゃることも通ると思うのですが、大体かけるかかけないか、私は何%どうだとかというようなそういう小さなことは聞きませんけれども、現段階の方針としてはどうかということです。将来まで永久にどうかということはお尋ねいたしません。しかし現在石炭業界を救うということになると幾つかの方法があるけれども、さしあたってかけるかかけないかという端的な表現だけでけっこうですから、そこをお尋ねしたいわけです。
  73. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) それが問題でございまするから検討いたしておるのであります。かけるかかけないか、あるいは重油規制をどうするか、それからまたこれは炭鉱離職者に対してどういう措置をとるか、こういういろいろな問題とこんがらかってきておりますので、しばらく時をかしていただきたいと思うのです。
  74. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 次に税金をもしかけたとしても、税金かけただけではなかなか炭鉱の現状というものは救うことができないという結論も出てくるわけでして、そこで高碕さんが通産大臣当時から本年の通常国会——臨時国会の次に開かれる通常国会をさしておると思うのですが、当委員会でしばしば鉱業法は明治三十四年に法律として出たものですから、現在の世相に必ずしもマッチしません。従ってこの次の国会には改正案を提示して大改革をいたします、こういうことをしばしば言明しております。事務引き継ぎの中で池田さんはお引き継ぎになったかどうか私はわかりませんけれども、鉱業法の大改正をやって鉱区の整理統合等をやらなければ、大臣も御承知通り現在の段階ではなかなか炭鉱の回復ということはあり得ないというように私は判断しているのですが、鉱業法の改正に伴う鉱区の整理についての大臣の御見解を承わりたい。
  75. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 高碕前大臣がそういう言明をなさったやに聞き及んでおりますが、専務引き継ぎの中では聞いておりません。鉱業法の改正ということは研究すべき点が多々あるので、今通産省として鋭意検討中でございます。私の考えではこの次の通常国会に間に合いますかどうか、まだはっきりしたことはここでは申し上げられません。検討はいたしているのでござ  います。
  76. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そういうことですと、つまり中身の今申し上げました鉱区の整理統合、鉱業権云々ということは鉱業法によって規定されているのですが、それがやはり中心一つの問題になっているわけです。鉱区の整理統合ということについては大臣はいかにお考えでしょうか。
  77. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 鉱区の整理統合といってもいろいろございますが、今石炭対策といたしまして、非能率炭鉱の整理はいたしております。しかし鉱業法を改正いたしまして、いわゆる鉱業権の整理統合ということになりますと、おのずから問題は変って参ります。これは十分検討を要しなければならぬ問題だと思います。
  78. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 何でも検討検討、研究中という御答弁だけでは、何を質問しても何も中身がないから私はあなたにお尋ねする元気がなくなってしまったが、しかしそういう不親切な答弁でなく、必ずしも私の希望する御答弁でなくてけっこうですが、構想の片りんの一端でも示してもらいたい。それほどやはり炭鉱としては深奥な問題で国内産業の保護というばかりでなく、日本の雇用問題というのは当委員会の管轄議題ではないけれども、やはり国の政策の一端として雇用問題は重大問題でありますから、やはり私は心配するわけです。そこで今言った鉱区の問題とからんで現在膨大な貯炭があるわけです。石炭合理化法の臨時措置法によって石炭が余った場合は買い上げるとか、あるいはいい所に縦坑を下して石炭のコストを安くする、そういう幾多の方法が法案の中身にあるわけですが、しかしその一端として現在ある貯炭を買い上げる、なくなったときに政府はそれを販売してコストの安定化をはかる、こういうような方法は大臣いかがでしょうか。
  79. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 貯炭の増加に伴いまして大手関係で新昭和石炭会社というものをこしらえてある程度の保有はいたしているのであります。しかし政府がみずからの手によってこういう措置をとることにつきましては、私は検討いたしておりません。そういうことは私は今のところとる考えはございません。
  80. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そうすると、政府がやるということについてはお考えを持っておらぬ。しかし新昭和石炭のようなことで大体やっていけるというふうにお考えなのですか。
  81. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 今はそういう方向でいっております。
  82. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 古い話にはあまり触れたくないが、かつて四、五年前あなたが国務大臣をやっておったときここで大いに論争をしたことがあります。あなたは見解の相違だと言って強硬に私たちの意見を突っぱねた、あなたが大臣をやられておるときだったかどうかわからぬけれども、とにかくあなたの手によってというより当時の内閣の手によって決定した予算が、国会が終了後二カ月もたたない六月の二十三日ですか、財政投融資では一五%切るのだ、神武景気が神武景気でなくなったから財政投融資は一五%切るのだ、あるいは実行予算はかくかくだということで、国会で半年も論議して、そうして国会が閉会になって二カ月もたたないうちに大なたを振った。しかし法的には違法でないから何とも言えないけれども、道義的に責任をとるべきだと思う。しかしそういうことで、その当時から炭鉱経営者が石炭はそんなに要りませんよと言うのを、経済企画庁あるいは通商産業省が五千二百万トン要ります、去年あたりは五千六百万トン必要だと、炭鉱経営者が掘りたくないのを政府の政策だと言って無理に掘らせた。その石炭が余った場合、政府が要りませんというのを炭鉱が掘ったというなら炭鉱経営者に責任があるかもしれませんけれども、炭鉱経営者が要らないというものを政府が掘らせた。石炭が余ったら知りませんと、最後には労働者にしわ寄せをして筑豊炭田ではその日の米もみそも、しょうゆもないという状態です。一体だれの責任ですか。一体池田さんのおっしゃられる方向で炭鉱が救われるのなら僕は賛成いたします。必ずしも政府が買うばかりが資本主義国ですから能じゃないのです。しかしながら新昭和石炭で大体五十万トンや百万トンの石炭で現在打開できるという御見解なんですか。そういう御見解ならば、これはそれでけっこうなんですが、そういう点について一つお尋ねいたします。
  83. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 経済は生きものでなかなか波を打つことはやむを得ないのであります。しかし長い目で見てみまして、日本経済はだんだん伸びていっております。従いまして、伸びることを前提にいたしましていろいろ考えなければなりません。しかして特殊の今産業、石炭につきましては、先ほど来お話のありまするがごときエネルギー革命の余波を受けまして、各国とも相当困難な状況であるのであります。従って政府といたしましては、先ほど来申し上げまするがごとき重要産業であり、そうして産業の基幹をなすものでございまするから、これが対策につきましては日夜想を練りまして、できるだけ早い機会に対策を講じたいという考えでおるのであります。単に新昭和石炭の百万トン程度でこれが解決できるとは私は毛頭思っておりません。ただ当座のあれとして民間でそういう措置をとっているのであります。
  84. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 確かに池田通産大臣のおっしゃる通り経済は生きものですから、特に石炭などは五千六百万トン必要だと言っても、それは五千五百万トンしか使わぬときもあり得るということは僕もわかります。しかしまた反面今おっしゃった、世界的に石炭業界というものは、必ずしも好ましい状態に置かれておるとは私は思いません。しかし世界各国の場合においては、政府が一たん計画してやって、そういったでこぼこを政府の責任においてやはり保護政策をとって、従業員を路頭に迷わすようなことはやっておりませんよ。アメリカのように炭鉱労働者が失業したときは三百ドル出しておる、一カ月に三百ドルと言えば十万円です。私はアメリカなみになさい、アメリカの半分になさいということは言いません。日本はアメリカのように遊ばせて金をやることができないことは知っております。しかしでこぼこを起した責任が政府にあるのだから、何とか一つの方法を講じていただきたい。やはり対策を立てなければならぬのじゃないかというふうに考えるわけです。ですからそれを一切研究中、討議中ということで、ひどくなってから、きのう、きょう起きた問題ではなくして一年も半年も前から起きている問題ですから、検討中というのはあまりにむごいのではないかと思いますが、そういうことはどうお考えになりますか。
  85. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 昨年来炭鉱合理化法でいろいろ各方面にわたって離職者が出ておられます。しかして政府は先般も予備費を出しましてこれが当座の対策をいたしておるのであります。しかし今後の石炭業のあり方等を考えますと、今までのような継ぎはぎのあれではお話通り十分ではございません。従って最近の機会をとらえまして、まず第一に離職者に対しての特別の措置をとるべく立法をいたしたいと考えておるのであります。ただいまのところ離職者援護協会というものを拡大いたしまして、そうして離職者に対しての適当な措置をとり、そうして石炭の価格その他の問題につきましては、これも先ほど来申し上げますように検討いたしまして、できるだけ早い機会に政府の方針をきめたいと思います。
  86. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 その離職者対策といっても、国の税金をもって失業保険を払うということは必ずしも好ましいことじゃないのです。やはり離職者対策、遊んでおらなければならぬ、仕事がない、そうすれば結局それに国の税金をもって何がしかの金額を払う、これは再生産に全然使われない金ですから僕は政策としては下の下で、池田通産大臣のように積極的政策をとろうとする人はこういう方法をとらぬと思うのです。そこで私はそれはさておいて、一体石炭は大体どういうことになるものか、うわさを聞くと十万人が減るとか、七万人減るとか、こういう計画を炭鉱経営者あるいは通商産業省の石炭局で、僕は数字を見たわけではないけれども、そういうようなことを計画なさっておるということを聞いてきわめて心配しておる。ですから一体日本の総合エネルギーの中で重油を大体どのくらい使って、石炭をどのくらい使ってそうしてその中に占める石炭対策が将来どうなるのかということがなければならぬ。炭鉱が不景気になって失業者が出れば失業保険を払ってやろうとか、どんどん掘れるようになったからそこらの石炭を掘ってこいという出たとこ勝負というものはあり得ない。私はこう思うのです。ですからその点について池田さん、あなたは当時の政策に参画したかどうかわからぬけれども、基幹産業の五カ年計画か十カ年計画というものがあり、通商産業省の五カ年計画というものがあったはずです。私どもこの委員会でその計画は聞いている。その計画は根底から崩れ去ってしまって、あなた方がわれわれに昨年あるいは一昨年示したものが机上のペーパー・プランになってしまったものか。あるいはやはり厳然として生きておってその生かす過程において、最前おっしゃった経済の波の中で若干現在はだめだ、こういうことになるのか、大体石炭がどういうことになるか、こういうことを一つお尋ねいたします。
  87. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) あなたのお話と全く同じようなことを私は考えておるのであります。ただ結論が出ないというだけでございます。同じ石炭で申しましてもたとえば鉄の増産はもう計画以上にできました。先般の五カ年計画で昭和三十二年に粗鉱千七百万トンといっておったのが三十四年でそれを突破するようになった。そうすると石炭が要るだろう、しかし国内炭の原料炭につきましては予定通り使っておる。そうして産業がどんどん伸びて、あの計画を立てた三十一年の末ごろに比べますると、生産は二、三割伸びている。しかし石炭の消費が減っている。同じ石炭でもいろいろ違いがございまして、これが対策につきましては、あなたが今おっしゃったことと同じように私考えておりますので、なかなかむずかしいのでございます。多分あなたも御研究なさっておると思いまするが、なかなか結論が出ないと思います。石炭ならば石炭のことばかりしか考えないのではなく重油のことも考えなければならない。そうして日本の産業全体のコストということも考えなければなりませんので、そこでまたむずかしくなってくるのであります。しかしむずかしいむずかしいといっていつまでも放っておいてはいけません。まず第一に離職者に対しましても強力な措置をとるよういたしたい、どんな措置をとるか、あるいは失業保険金を少し延ばすというような議論がございますが、これは下の下、やらないよりいいかもしれませんが、これだけでいくものではない、あなたと同じような考えを持って研究いたしておるのであります。
  88. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そこでもう一点お尋ねいたしますが、たとえば石炭は今日こうなったんじゃないから、昨年からの問題でしたが、昨年高碕さんが石炭の今日ある状態を見て、たとえわずかであったけれども、重油五十万キロですか、計画の中より輸入削減をやった。しかし今度どういうことをなさるかわかりませんけれども、たとえば下期の外貨割当で下期の重油の輸入というものは、本年最初に計画された通り通商産業大臣としては実行されるものか、あるいは下期の外貨割当をやったかやらぬか、ことしわかりませんけれども、おそらく十月ですからやったことでしょう。そうしますと、外貨の割当の中で重油は大体どのくらい昨年より多いか少いか、あるいは計画の構想よりも若干削減したものか、そういう点についてお尋ねいたします。
  89. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 三十四年度の下期の外貨予算はきょうから発足いたしますので、九月の二十九日の閣僚懇談会できめました。そうして問題の重油につきましては、御承知通り、生産が伸びていっておりまして非常に需要がふえております。しかし需要がふえた割合にはいわゆる要求通りには増加を認めませんで、相当削っております。しかも繰り越しも適正な繰り越しを削るということで、なるべく石炭をたくさん使ってもらうような措置は従来と変らずに実行いたしております。
  90. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 それから、今度の通常国会ですでに切れるはずになっている重油ボイラー規制法という法がありますね、あれを大臣の見解では、まだ決定しておるかどうかわかりませんけれども、延長するというお考えなのか、それとも、もう年限が来たから、あれはそのまま自然消滅すべきであるという御見解なのか。今の重油ボイラー規制法のあり方についての大臣の御見解を承わりたい。
  91. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 先ほど触れましたごとく、石炭対策の最も重要な問題の一つでございます。私は結論を出しておりません。わが党の政調会の方では、あれをいましばらく延ばすべきではないかというような考えのようでございます。私はまだ結論を出しておりません。
  92. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 先ほどお願いした時間がきておりますから、簡単にお願いします。
  93. 田畑金光

    ○田畑金光君 簡単に二、三質問いたしますが、阿部委員の質問で大体私の質問したいという事項も尽きておるわけですが、通産大臣の答弁をお聞きいたしますと、通常国会において政府側の答弁、あるいは臨時国会における政府側の答弁、また今日お聞きしまする問題に対する御答弁も同じところにとどまっておるようにお聞きするわけです。端的にお聞きいたしますが、すでに今大臣お話の中にもありましたように、政府の、与党の政調会等においても石炭鉱業不況対策について具体的な案を一応まとめておるように新聞等で拝見いたしております。おそらくこの案は通産省の石炭局等で考えられておる案と大同小異であろうと、こう判断いたしますが、また御承知のように、社会党といたしましても、当面の石炭不況対策に関する考え方等を発表いたしておるわけです。もはや問題は出尽しておるわけで、具体的に政府がいつそれを実施するか、どういう形でこれを取り上げてやっていくか、という問題に尽きておると思うのです。ことに、ちまたにおいては筑豊炭田のあの深刻な社会問題からして黒い羽根運動等が全国的に起きておるわけです。こういう大きな社会問題に発展して、政府が、しかも政治的なこれに対する裏づけの施策が何も行われていない。こういうことでは怠慢のそしりを免れない、こう思うわけです。  そこで、お尋ねいたしますが、臨時国会が近く開かれるわけです。この臨時国会に政府は石炭の不況対策に対して、当面どういう法律案の上程等を予定しておられるのか、あるいは行政上の措置を準備しておられるのか、まずそれを承わりたいと思うのであります。
  94. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) ただいま考えておりますことは、離職者援護協会というものを法的に一つきめて、そうして失業者対策を講じたい、また援護協会のやります仕事につきまして、予算その他を要することも起って参りますので、そういういわゆる失業者に対しましての対策を主としてまず考えたいということでございます。で、お話の石炭鉱業不況対策といういろいろな考え方がございまするが、要はやはり、石炭の価格がどのくらいになるか、重油がどうなるかということが対策の根本でございます。この点につきましての政府の考え方は、臨時国会には間に合わないのじゃないかと思っております。
  95. 田畑金光

    ○田畑金光君 そうしますと、今度の臨時国会には炭鉱離職者の援護協会を出す点に尽きるわけですか。さらにその構想あるいは予算等について、どういう裏づけのもとで、今お話しの擁護協会を考えておられるのか。それによって先ほど申し上げた炭鉱地帯における深刻な社会問題等について、どのような積極的な解決策というものがそれから生み出されるのか、この辺一つ承わりたいと思うのです。
  96. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 具体的にこういう問題、ああいう問題ということは、まだはっきり申し上げられませんが、離職者に対しましての対策、従いまして、援護協会を作るとか、あるいはその援護協会がどういう事業をするとか、あるいは石炭不況によりまして地方団体が非常に困っておるとかいうふうな当座の問題は、臨時国会で一つ解決をしたいという気持でございます。
  97. 田畑金光

    ○田畑金光君 そういたしますと、総合燃料対策というものが次の通常国会を予定して考えておられるのかどうか。さらに、先ほどの質問の中にもございましたが、重油と石炭との関係の問題であるとか、あるいは外貨割当の問題であるとか、特に当面問題となってきますのは、重油ボイラー設置規制法を存続するかしないかという問題、これはもう来年期限がくるわけで、すでに重油を使う側からは、この法律案の廃止を強くわれわれの方にも陳情してきておるし、また石炭業界としては、当然この法律の存続を希望するわけでございます。与党の石炭鉱業不況対策を見ましても、重油ボイラー設置規制法はなお三年間存続を必要と認める、こういうようなこと等も出ておるようでございますが、この問題に関しましては、これは非常に重要な問題で、ことにこの法律を存続するかしないかということは、一番将来石炭の需要先である電力業界等から見ましても大きな問題であろうと、こう考えておりますが、この点に関して先ほど御答弁ございましたけれども、通産当局としては、どの程度内部において検討なさっており、またいつごろそれに対する方針を出される予定であるのか、今度の通常国会等におきましては、この法案について取扱い方を提案されるつもりであるかどうか、あらためて承わりたいと思います。
  98. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) ボイラー規制法は三十五年の十月でございますから、当然次の通常国会にどうするかということをきめなきゃなりません。しこうして、この問題が石炭対策の最も重要な事柄でございますので、通常国会に他の石炭対策と関連いたしまして結論を出したいと思います。
  99. 田畑金光

    ○田畑金光君 金利の問題あるいは財政投融資の問題、こういうことになると思うのですが、最近海運界の不況に伴い、海運界業からは強く利子引き下げの要請がなされ、与党としても利子引き下げやむを得ないだろうと、政調会等で結論を出しておられるようです。造船利子補給の問題等も海運業界としては期待しているようですが、その前に開銀等の利子引き下げを強く政府当局に申し入れておるようで、これに関し通産大臣といたしましても、いろいろ検討されているように聞いておりますが、この点はどういう方針でおられるのか、承わっておきたいと思います。
  100. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 船舶会社に対しまする開発銀行の融資の金利につきましては、一応閣僚懇談会では方針はきめたようでございますが、具体的にどうするかということはまだきまっていないようでございます。佐藤大蔵大臣が帰られてから結論が出ることと思います。私は、たまたまその経済閣僚懇談会に列席いたしておりまして、船ということもそうかもわからぬが、石炭業というものはもっと困っておるのだ、石炭に対しまする融資にも、金利につきましてとくと検討を願うということは、同僚閣僚に申し入れております。私といたしましては、たとえば従来開発銀行からの融資の利子九分に対しまして、二分五厘は軽減するような格好をしておりますが、債務者たる炭鉱業者はやはり九分払って、二分五厘は炭鉱整理の方に使う、こういうふうな格好になっておりまして、実質的に炭鉱業者は軽くなっていないというふうな点等々につきまして検討を願うべく、大蔵大臣に申し入れておる次第であります。従いまして、炭鉱業者の経営ができるだけ合理化されるように、通産大臣としては努力いたしたいと思います。
  101. 田畑金光

    ○田畑金光君 今、通産大臣からの御答弁で理解できますが、海運界に対して利子の引き下げあるいは利子の補給等がなされるなら、当然同じく基幹産業でありまするし、また今日、企業の合理化等の問題が取り上げられておりますが、今日の炭鉱経営の大きな一つの険路というものがこの高金利にあるわけですから、そういう面において、利子の引き下げが炭鉱においても同様にこれは検討さるべきであるのではなかろうかと、こう思うのです。三十三年の財政資金の借入残高を見ましても、これはもとの復興金融金庫からの分も含め、あるいは現在の開発銀行等からの借入金を入れますと二百七十億前後に上っております。また昨年のこれはやはり九月でございますが、市中銀行からの炭鉱の借入額を見ましても、相当な融資額になっているわけです。でありますから、やはりこの金利の引き下げの問題というものは、海運界と同様に、今後の炭鉱経営上、一つの大きな問題になっているわけで、この点は一つ通産大臣が今お話しのように、海運界だけでなく、炭鉱においても同様に一つ政府の中で十分検討されるように期待したいと、こう思うのです。  それと関連してもう一つお尋ねしたいことは、炭鉱整備事業団で、御承知のように四百三十万トンの買い上げをすでに立法化されておるわけで、軌道に乗っておりますが、仕事をやっておりますが、来年度も、また次の通常国会等にも、新聞の伝うるところによれば、さらに買い上げを考えなければならない、こういうことを通産当局では検討しておられるようですが、この点はどういうことになっておりますか。
  102. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 総合的石炭対策の一連の問題でございますので、まだ結論を出しておりません。
  103. 田畑金光

    ○田畑金光君 結論を出していないということは、次の通常国会には総合的にそういう問題も結論を出して、法の改正等はその機会に待ちたいと、こういう意味なんですか。
  104. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) その通りでございます。
  105. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 田畑君、できるだけ簡潔にお願いいたします。
  106. 田畑金光

    ○田畑金光君 それでは、いろいろ質問がございますが、お答えが非常に抽象的でばく然として、まだ検討中ということで、非常に不満です。しかしまた石炭問題については後日の機会にさらに詳細にやりたいと思いますから、きょうはこの程度で終りたいと思います。
  107. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 十二時半になりますから、私、最後に、端的に一つだけお尋ねしておきたいのですが、さいぜんいろいろと大臣から御答弁をいただきましたが、全部、援護法にしても、あるいはまた合理化法の問題にしても、あるいは関税の問題にしても、考慮中あるいは研究中というお答えなんで、ばく然として何ら得るところがない。ただいま田畑委員の質問に対しても同様なんですが、考慮中、検討中といういろいろな案件は、あす、あさって直ちに出ぬとしても、大体、十分、今後開かれる国会において政府の明確なる対策が出るものと、こういうように期待し、理解してもよろしゅうございますか。
  108. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 通常国会には、私の結論を出したいと思っております。
  109. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 その次に、さいぜんお尋ねいたしました重油に対する外貨の割当ですね、昨年の下期より多いのか少いのかという数字、あるいはまた、将来ますます石炭界が悪くなっていくのですから、そうすると、割り当てしておっても、一昨年やったように、実は四百五十万キロ割り当てたのだが、百万キロ切りますということも、大臣は心の中で考慮されておるものかどうなのか、その二点について、最後にお尋ねしたい。
  110. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 昨年の下期よりもちろん多いのでございます。これは経済の生産拡大によりましてやむを得ざること、当然のことと考える。しかし要求通りに伸びるだけ伸ばす、必要な分だけやるということでなしに、必要最小限度に極力とどめるように、押えるということでございます。額はふえましたけれども、ふえ方は実体よりもふえることを少くするようにいたしております。
  111. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そこで、昨年より伸びるということは、経済の成長率が伸びておるからエネルギーの消費部門が伸びるのは当然で、その点は理解できる。ただ、そこで、石炭を使ってもいい産業が、安易な方法として重油を使うということはないでしょうね。石炭を使うことができても……。経済の成長率が伸びてエネルギー消費量が伸びたから当然だということでなしに、重油を使う、あるいは重油を使用してもよろしいという種目は、やはりふえるということはないでしょうね。
  112. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) ボイラー規制法で押えておりますし、またそれで力の及ばないところは輸入重油を押えるということでやっておるので……。だと言って、絶対必要量も、これも輸入しないというわけにもいきませんので、最小限度の、最小限度というと語弊がございますが、極力予算上押えるようにいたしております。
  113. 山本利壽

    委員長山本利壽君) それでは、質問の通告も終ったようでございますから、本日はこれをもって散会いたします。    午後零時三十一分散会