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1959-08-10 第32回国会 参議院 商工委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年八月十日(月曜日)    午前十時四十三分開会   —————————————   委員の異動 本日委員吉田法晴君辞任につき、その 補欠として椿繁夫君を議長において指 名した。   —————————————  出席者は左の通り。    理事            川上 為治君            栗山 良夫君            大竹平八郎君    委員            鮎川金次郎君            井川 伊平君            小林 英三君            斎藤  昇君            岡  三郎君            近藤 信一君            島   清君            田畑 金光君            椿  繁夫君            奥 むめお君   国務大臣    国 務 大 臣 菅野和太郎君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君   説明員    公正取引委員会    委員      中村  清君    公正取引委員会    事務局長    坂根 哲夫君    公正取引委員会   事務局審査部長  竹中喜満太君    経済企画庁長官    官房企画課長  山本 重信君    経済企画庁調整    局長      大堀  弘君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○経済自立発展に関する調査の件  (新聞料金値上げに関する件)  (西欧諸国における為替及び貿易の  自由化に関する件)   —————————————
  2. 川上為治

    理事川上為治君) これより商工委員会を開会いたします。  本日の委員会は、まず新聞料金値上げ問題につきまして質疑を行います。次に、ただいま配付しております西欧諸国における為替及び貿易自由化の進展について、経済企画庁当局より説明を聴取いたすことにしました。  それでは経済自立発展に関する調査を議題といたします。  まず新聞料金値上げ問題について奥委員より質疑の通告がございますから、この際質疑をお願い申し上げます。
  3. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 議事進行について。ちょっと理事会経過皆さんに言わないといかぬのじゃないか。
  4. 川上為治

    理事川上為治君) 速記をとめて。    〔速記中止
  5. 川上為治

    理事川上為治君) 速記をつけて。
  6. 奥むめお

    奥むめお君 新聞代値上げについて質問いたしますけれども公取関係から出席者はだれでございますか。私は委員長出席を求めておりますが……。
  7. 川上為治

    理事川上為治君) 公取からは、委員中村清さん、それから事務局長坂根哲夫君、それから審査部長竹中喜満太君、この三人がきております。
  8. 奥むめお

    奥むめお君 それでは私はまず事務局長に伺いたいと思います。  この問題は、三月の三十日の新聞値上げが一斉に社告されまして、一日から値上げになったことでございます。これを独禁法違反としてその値上げを認めないという、消費者団体決議公取の方へ出されております。そしてそれによってあなた方が強制調査にお入りになったと聞いておりますが、これで間違いございませんか。
  9. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) ただいまの奥委員の御発言の通りでございます。
  10. 奥むめお

    奥むめお君 巷間伝えるところによりますと、その筋からの圧力があって、何か新聞関係圧力があって、あなた方が調べに入った、強制調査に入ったとこう言われておりますが、どっちがほんとうですか。
  11. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) そういう事実は全くございません。
  12. 奥むめお

    奥むめお君 なかったのですか。そうして調査お済みになったのでございますか。
  13. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) 事務局調査は五月一ぱいで完了いたしました。
  14. 奥むめお

    奥むめお君 そうしてそれの報告書はいつできましたか。そうしていつお出しになりましたか。
  15. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) 事務当局公取委員会の方に第一回の委員会の開催をお願いしたのは、六月一日でございます。
  16. 奥むめお

    奥むめお君 それを委員会が何回これを取り上げましたか。そして何日と何日でございましたか。また本式の委員会と、懇談会の形式で取り上げたこともあるとしたら、それも一つ聞かせていただきたい。
  17. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) ちょっと私は今ここに持ってきている資料では、正式の日取りと回数はございません。私の記憶では正式の委員会は十回くらい開かれたと思います。それから委員だけのフリー・トーキングが数回行われたとこう記憶しております。
  18. 奥むめお

    奥むめお君 私が一番問題にして伺いたいことは、四月の一日から始まっておりますこの事件が、ことにあなたの方も五月にお済みになっておる。委員会に出されている。今月はもう八月十日でございますが、ずいぶん長い時間をかせいだものだと思うのでございますが、もう結論が出たのですか、それともまだ出ないのですか。
  19. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) 結論はあともう一、二回委員会を開いていただければ出るのではないか、と私は考えております。
  20. 奥むめお

    奥むめお君 私が申すまでもないことですけれども、この独禁法違反として値上げを認めないという決議から、各地値上げ分不払い運動がずいぶん起っておる。非常に大幅な値上げを突如として出されて、それが各社協定で—これも一つ伺っておきますが、各社協定値上げの相談をきめたと、いろいろ社告を見てもわれわれしろうとでもわかりますが、あなた方はどうごらんになっておるのですか。
  21. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) ただいまの御質問の点が委員会で、法律論構成で一番時間のかかっておる点ではないかと私は考えております。
  22. 奥むめお

    奥むめお君 それを一応承わっておきます。ところで不払い運動が非常に全国的に広がりまして、今ここに私が持っています資料で見ましても、中心的な全国団体で、この中には労働組合もありますけれども婦人団体なんかが非常に多いのでございますが、全国的な団体で二十六団体、東京だけで百九十四団体その中の三割は婦人団体であって、そして町会でもしているし団地でもしておりますし、それから地方団体労働組合も加えた団体と両方で百六十一団体、この中に全国各地で思いがけないところの抗議運動不払いが出ております。今度はそれに対して新聞社配達差しとめをしている。非常にこれは新聞紙はやはり文化生活に欠くことのできないものなのに、それを差しとめられておる。払わないというのじゃない、一方的に値上げを突如として出されて、それからまたそれは公取審議中だからそれがきまるまでは払わないだけ、ということなのに新聞をとめておる。こういう問題があるばかりでなしに、今度は一方で新聞は、値上げによるサービスを紙面の充実と増ページというふうにうたっておりますけれども、今度は新聞労連の労働組合からも非常な労働強化で大へんだ、日曜版ができて大へん困っている。そのほかでも非常に労働強化でつらい、今度は配達の方からは、われわれが聞いておりますところは荷物が重くなっている、そしておまけに不払いの人もあるし、第一重くなって非常につらいという話がいろいろ訴えられておる。これはもう早急に解決して、早くどちらもこれでよかったというふうになることが、私はこれは大へん急ぐべき社会問題でもあるし、また法律上からいってもこれが違反であるかどうかということは、あなた方は消費者を守るただ一つのところなんだから、この法律を守る番人としては、ことに消費生活当該者の非常に困っておるこの窮状を、いつまでもこうして延ばしていらっしゃるということは、非常に私は間違っていると思う。いよいよこれは問題を泥沼に入れるものだと思うのですけれども、これはあなたが先ほどおっしゃいました合議をして値上げをしたのかどうかということが延びている理由だとおっしゃいますけれども、ほかにも理由ございますか。
  23. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) いえ、ほかには理由はございませんで、そういう法律論構成に万全を期するということで、いろいろ委員会議論が重ねられております。
  24. 奥むめお

    奥むめお君 合議であるか合議でないかということだけですか、今問題になって延びていることは……。
  25. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) 法律上の共同行為に該当するかどうか、ということをめぐって議論が行われております。
  26. 奥むめお

    奥むめお君 それでは三月三十日の新聞に大体同じような文面で出ている。値上げしない新聞社はまた各社値上げをすることになったけれども、わが社は値上げをしないと書いてある。それから私どもが入手しています材料からいいましても、その数日前に社告のひな型が各社へ、つまり新聞協会の会に送られたということも知っていますけれども、あなたのその強制調査なさいましたその結果出て来たものはどういうものですか。私はこの委員会にそれを詳しく持って来てもらいたいということを要望しておりましたが、その報告を伺いたい。新聞協会への強制調査と、それからあといろいろお調べになったこと、衆議院通産委員会速記録に出ておりますね、あれなんかの詳しい調査報告を伺いたい。
  27. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) ただいまの奥委員の御質問は、その調べている過程内容報告してほしいということでございますが、それはまあ私どもといたしましては、決定があるまではその内容は外に漏らすわけにいかない、こう考えております。ただ衆議院お話は、いついつ新聞協会調べた、それから何十人の参考人を呼んだという、ただ手続を御報告申し上げた程度でございます。
  28. 奥むめお

    奥むめお君 あなたの方でそれの決が出るまでは発表できないとおっしゃるのですね——。それでは伺いますけれども、あなた自身はこの事件をお調べになっている過程で、この問題はどういうふうに見通しをお持ちになりますか。
  29. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) この法律の三十八条に、事件になりました場合に事実の有無及び法令の適用については、個人としては、職員としては意見の発表ができないという規定がございまして、その見通しとか、あるいはこうなるであろうということを言うことは非常にはばかるわけでございますが、せっかくのお尋ねでございますから、もちろん私ども事務当局としては消費者団体連絡会の要請を受けて調べました以上は、相当いろいろ問題があるであろうということで調べたことは申し上げられると思います。
  30. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 関連してお尋ねいたしますが、今奥委員からいろいろお尋ねがあったのでありますが、本委員会といたしましては独禁法の問題というものには非常な重大関心を持っており、私自身といたしましても本会議の席上代表質問、あるいは独禁法改正問題等について、前後三回にわたって独禁法の問題について政府にお尋ねをいたしたわけで、非常な重大な関心を持っているわけなんであります。従いまして、この問題がいち早く取り上げられたというときに、われわれの方といたしましても、あなた方にその説明の聴取を早くしょうという声がだいぶあった。ところが延び延びになりまして、取り上げられたのは初めてなんです、本日が。そういうわけでございますので、あなたの方で正式にこの席上発表できない点もあるかもしれんから、経過の差しつかえない要点をつまんで要領よく一つ皆さん説明されたらどうですか。それを要求いたします。
  31. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) 本件は、ただいま奥委員からお話のございましたように、四月七日に全国消費者団体連絡会会長中林定雄さんの名前をもって公取に、新聞値上げについては独禁法違反の疑いがあるから調べてほしいという申告がございました。そこでこの申告を受けまして、事務当局部内においていろいろ研究をいたしまして、四月十六日にこの問題を、これはわれわれの役所の中の言い方でございますが、これを事件として取り上げ立件をするということになりまして、四月十八日に、土曜日でございましたが、審査を開始し、当日に日本新聞協会が一番新聞社話し合い場所になっておりますから、日本新聞協会にわれわれの審査官を派遣いたしまして、新聞協会からいろいろの資料を取って参りました。そうしてその資料事務当局部内で検討いたしまして、これによりましてその後在京関係先にまたいろいろ審査官を出して資料を取り、あるいは名古屋、九州、大阪などに審査官を派遣して関係場所を臨検いたしまして供述調書を取ったことになっております。そのほか、五月一日から五月の終りまでには日本新聞協会常任理事者と、それから理事者であるところの各新聞社の役員、それから新聞協会業務部長、それから各社販売担当責任者、それから各社販売店の重立った者、こういう関係人の四十余名を事務局に呼びまして、それから供述を聴取いたしました。一応の調査を完了して委員会に提出して、現在委員会法律論の問題で論議が重ねられておると、こういうことでございます。
  32. 奥むめお

    奥むめお君 三十九条には秘密保持義務違反の項というのがございますね。ところが一番この問題の被害者ともいうべき購読者が、何にもことにそれを代表してあなた方の方に審査をお願いしております消団連の方も何にも知らない、つんぼさじきに置かれている間に、いろいろ外では公取結論が出ている、あるいは新聞社は白だ黒だというようなことを発表されている。この日刊東洋経済にもそのことが……、あなたもお読みになりましたか。
  33. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) ええ見ておりません。
  34. 奥むめお

    奥むめお君 はっきり出ておりますですね。   結論から先にいうと、公取委は、新聞各社社告を通じて、遺憾の意を表わすことを条件審査を打切ることを決定したというのである。   その社告の大要は次のようなオゴソカなものだといわれる。   一、新聞料金値上げによって、独禁法違反の問題を引き起したことははなはだ遺憾である。   二、値上げ問題はなるべく速かに、新聞各社が自主的に再検討して、その結果を公表する。   三、各社は、今後かかる事態を引き起こさないように、十分注意をする。   そして次に公取委は、この社告をうけて、次のような委員長談話を発表することを予定しているというのである。   一、審査経過の概要。   二、新聞各社社告の要約。   三、公取委としては、この新聞社の誓約を信ずる。またこれが実行されれば、将来違反事態が起こらないのだから、本件は取り上げない。   四、なお各地の裁判所において、係争中の値上げ関係する問題については、新聞各社責任において、解決をはかり、公取委は干与しない。   五、新聞界における特殊指定の不公正な取引方法に該当する新聞販売店があれば、独禁法違反として、厳 重に取締る。   以上のような条件によって、新聞値上げ問題の審査を中止することが、公取委内部において、四日、午前中の担当幹部会議において確認されたというのである。  こういうふうなことが出ておりますが、私どもから言えば、外へ漏れること、秘密漏洩じゃないのですか。  それから新聞協会の現実に中に働いている人が、消団連の本部をたずねて同じようなことを言って、消団連ではどういう態度をこれに対してとりますかと聞きに来ておりますが、これに対して伺います。
  35. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) ただいまのことが外に漏れたとか、こちらから話したというような事実は全然ございませんで、私どもはそういう内容のものが外に漏れるというようなことも考えませんし、四日の担当幹部会で云々というようなことも事実に違反しているように私は感じます。
  36. 奥むめお

    奥むめお君 それじゃもし結末がここに書かれている通りに起ったら、あなた責任をとりますか。
  37. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) それは今申し上げましたように、おそらく公取委員会及び私どもとしてはそういう事実を漏らしたことはございませんから、その責任をとるという問題はちょっとどうにもお答えできないわけです。
  38. 奥むめお

    奥むめお君 それでは事実が偶然に同じようになったといたしますね。そうしたら私ども公取委というものが非常に信頼できないものだというふうに考えざるを得ないのでございますが、まことに残念だと思うけれども、それについてあなたはどういうふうにお考えになりますか。
  39. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) 私先ほど申し上げましたように、まだ委員会正式決定がございませんから、委員会正式決定を待ってそういうことは考えていきたいと考えております。
  40. 奥むめお

    奥むめお君 なおこの日刊東洋経済にはそのあとが続いておりまして、「坂根事務局長は、この事件が起った当初から、仲裁役に立っていた高野善一郎公取委員(現日本短波放送取締役)を通じて、現在、新聞界と折衝中で、目標を今週中としてケリをつける予定だ」と、こういうことがございますか。
  41. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) そういう事実はございませんが、高野さんは私どもの前の委員で、しばしば私のところにおいでになったことはあります。その際、新聞問題はどうだろうかというお話でありますから、私先ほど申し上げましたように、新聞問題は非常に複雑で重大だから、黒になるおそれも十分あるだろうという程度の話はしたことがあるわけであります。
  42. 奥むめお

    奥むめお君 事務局長のおひざもと公取の労組が七月十日に総会を開きまして、非常にこれはゆゆしい要望をしていると思うのでございますが、大へん長くなりますが、読んでよろしゅうございますか。   新聞定価一斉値上げ問題に対して、消費者団体を中心とする一般勤労大衆は、新聞独占資本に対して強いふんまんを抱きつつ、これに対して抵抗を続ける一方、かかる事実は、カルテル行為であって独禁法違反するものとして公正取引委員会申告をしたことは周知のとおりである。公取委はこの申告に基き本件に対して審査を続けてきた。   このような事情からみても本件についての公取委に対する関心は想像以上のものがある。これは一連の大企業の法を無視したカルテル行為に対し、全く無力である消費者大衆独禁法公取委最後の期待をかけたものである。しかして消費者大衆よりかかる使命を信託された公取委本件に対する結論は、公取委の運命をも賭したものといっても過言でなく、我々組合員も亦公取委の適正にして公正なる結論を出すために心から支援するものである。   しかるに本件に対する委員会の処理の状況をみるに、事件着手以来事務局担当官は連日たゆまぬ努力をして証拠の収集につとめ、まれな敏速さでこれを整理したにもかかわらず、委員会審議は、慎重の名のもとに時間を徒過して有効なる法的措置を採ることなくこれを放置している有様である。我々はこれに対して、卒直に遺憾の意を表明せざるを得ない。   さらに本件審査過程にあって、外にあっては、雑誌業界紙等より好ましからぬ情報が流れ、加えて内にあっては委員会審議より担当審査官を締め出した事実は世間の誤解を招く因となるものであって、我我の最も心外と思うところである。かかる事情を考慮し当組合委員会の厳格にして公正な決断を担保するためにも、また公取委内外を納得させるためにも法に規定された審判手続を活用しその過程において委員会の所信を表明すべきことを要求する。  こういうふうなことが、非常に公取委の今活動の状況に対して、述べられておりますですね。これはあなたはどういうふうにごらんになっていらっしゃいますか。
  43. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) それは職員組合として決議を出しておりますが、私は職員組合というよりも、公取事務局に職を奉じている者は、この問題を正正堂々とやってもらいたいと感じている、これは当然であろうと私は考えております。
  44. 奥むめお

    奥むめお君 私から言えば、しかし同じ仕事に協力して、あなた方の調査に非常に協力して一生懸命やっている職員組合が、万やむを得ない心情からこういう決議を行なっている。これに対して事務局長としてのあなた、また委員会はもとより、私はそれに対して誠意を持ってこれを読まなければならぬ、と思うのでございますけれども、それにつきまして、この公取委員会審議担当審査官を締め出した事実ということは、これはどういうことでございますか。
  45. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) これは初めの審査をした事実、経過すべて詳細にとってきました資料についての五、六回の説明が全部終るまでは、もちろん第一線で審査をした審査官は全部入ってきているわけであります。ただ自後法律論になりますと、審査部長審査代表の三審査長それから私どもと、こういうことでございます。
  46. 奥むめお

    奥むめお君 そういうことにつきまして、いろいろこうした情報が流れるのですね。まあ新聞協会あたりからかえって流れていると思いますね。私ども聞いていますのはね、公取はこういう態度できているんだ、大丈夫こっちのものだというようなことを、しかしそれをまた一方から聞きますと、それは圧力があって新聞内容をまあもっと温和にするために圧力新聞社がかけたから、こういうふうに公取がおだやかになっているんだというふうなことも聞くと、われわれ読者からいえば、新聞というものは社会公器として非常に信頼して読んでいる。新聞から知識ももらうしニュースももらうし、ことにそういう新聞であったのが、公取の立場から私は聞いてもらいたいことは、最近値上げ問題が起りましてから四月以降というものは、値上げ問題を一切新聞が扱わぬ。これは公器の資格を失っていると思うのですね。私が知っているだけでも、現に環境衛生関係の業種で今値上げをたくらんでいろいろ問題を起している。あるいはおとうふ屋なんかも中小企業団体法によって今値上げをしようとしている。そのほかいろいろございます。こういうようなことをちっとも取り上げない。自分のことに不利なことが一つ前提にあるからといって、社会公器として今まで一番大切な問題をかくしておる。こういうことが事件解決がおくれるほどそういうことが多くなるのですね。ですから私どもからいえば非常に困った社会問題でもあるし、早く公取が決を出してもらいたい、こういうわけでございます。  それで、じゃもう一つお伺いしますが、事務局長は、この事件を単なる行政事件として扱っていらっしゃるのですか、それとも刑事事件として扱っていらっしゃいますか。
  47. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) 私は、その独禁法規定の命ずるところに従って解釈ができれば、審判開始をし、それで審決という処分によって問題を解決すべきであるし、それから、その法律論委員会において今十分に審議されておりますが、ほかの方法をとれば、あるいは行政的に解決することになるかもしれない、こう考えております。
  48. 奥むめお

    奥むめお君 じゃ最後にもう一つお伺いしますが、新聞の差しどめですね。配達差しどめの問題は、これは独禁法違反だ、またそれに関連するものだとお考えになりませんか。
  49. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) この問題は、今私ども審査部の方に相当数申告と申しますか、提訴と申しますか、参っておりますから検討中でございますが、私個人考えますと、新聞販売店が独自にやった場合、あるいはその地区もしくはかなり広範囲にわたって販売店同士話し合いをした場合、これを分けて考えて、後者の場合はかなり独禁法に触れてくる可能性が強くなるんじゃないか、こう考えております。
  50. 奥むめお

    奥むめお君 これは衆議院速記録にも載っておりますので、私読みましたのですけれども、そうしたら、あなたの方に提出している資料には、各新聞店が一緒になって一枚の刷りものにして抗議したことは確かで、共同で出していることをごらんになっておると思うのです。それはどうですか。
  51. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) その問題も、ただいま審査部審査といいますか研究をやっているわけでありまして、何しろ今の本朝来質問を受けております本元の方が、なかなか解決しないで追われておりますから、いずれその問題も慎重に至急に研究したいと思います。
  52. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 一、二点お伺いいたしますが、御承知の通り、戦後の民主主義の三大立法の一つであるこの独禁法という問題は、中小企業を守るため、それから消費者を守るためという意味において、この独禁法に対する関心は先ほど私が申し上げた通りでありますが、そういう意味最後の綱にしておるわけですね。ところが今回こういう事件が出て、事、新聞であるがために新聞には一行もこの問題が載せられていない。ところが実情は今、奥さんからるる申し上げられた通り、まことに日にましにといっていいほど、燎原の火のごとく今この反対運動というものが行われておるというだけに、あなた方当局に携わる者は、それだけ本問題に対しては、むろん真剣にやって下さるとは思うのでありますが、何か私どもこの質疑応答を伺っておると、いかにもお座なり的な感じがいたしてならないんです。そこで私一番基本的なことを伺いたいのですが、例の三月の末ですか、各新聞社が一せいに広告をして、読売新聞は何かおくれたようであります、この問題が果して共同行為になるかどうかということが、おそらくあなたの方の審査の一番の中心だと思うのであります。ところがしばらくして埼玉新聞というローカルの新聞がございますが、埼玉新聞は、とにかく日本新聞協会とは書いてあったかどうか知りませんが、申し合せにより云々というようなことを社告として載せておるるわけであります。こういう意味からいたしましても、これが偶然にその日に各全国の新聞が一緒になったとは、これは考えられない。そういう点についてあなたはどうお考えになられるか、伺いたい。
  53. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) 今、大竹委員の御指摘になっておる点が、公取委員会法律論で一番問題になっておる点でございまして、普通常識的に、そこに話し合いがあれば一応独禁法違反であると考えるわけでありますが、しかし独禁法の第二条でございますか、申し合せカルテル、不当な取引制限という規定がございまして、その規定の各条項に照らして、事務当局に集めたいろいろな資料を検討して、果して該当するかどうかということを現在やっておる、こういう工合にお考え願いたい。
  54. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 本問題について、あなたの方としては積極的に、たとえば新聞協会なら新聞協会事務局に行って、書類を押収するというと語弊がありますが、押収をするとか、共同行為というような問題についての疑点について、そのしかるべき資料を集める努力をされたかどうか、それを伺いたい。
  55. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) 可能な限り集めております。
  56. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 聞くところによると、最初は非常に公取としても積極的に、これは間違いなく独禁法違反だというような能度で臨んでおられたが、最近どうもだんだん態度が何かこうゆるんできたというようなことも聞いておるのであります。これはあくまでも情報でありますが、その点についていかがでありますか。
  57. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) 初めから私ども調べる方は一生懸命になりまして、黒の証拠をつかむつもりでやっておったのでありますが、しかし委員会としては、初めからこれをぜひ黒にしなければならぬ、ぜひ白にしなければならぬということではなくして、法律の命ずる立場で、冷静に客観的立場で議論されておるように私は見ております。
  58. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 大体審査が審決をするのはいつごろでありますか。
  59. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) これは私、事務局長で、積極的にいつということは申し上げられませんが、私がこれまでの経過を見ておりますと、もう一、二回委員会を開いていただけば結論が出るんじゃないか、こう考えております。
  60. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 一、二回と申しますと大体今月中ですか、あるいは今週中ですか。
  61. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) なるべく今週中に出したいんですが、土曜日から委員長がちょっと病気をしておられますから、きょう委員長のお宅へ伺って、病気でもよければなるべく早く出ていただいて、一、二回委員会をやって結論を出していきたいと、こう考えております。
  62. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 これもあくまでも情報でありますが、公取は、つまり行政的な処置によって、法律的措置を行なわないで、何か行政的に警告といいますか、そういうものでまず第一にやっていきたい。それから料金については特に触れない。つまり従来のものもそのまま認めるということになる。従来というのはつまり提出したものを認めるということになるでしょう。それから各新聞社は読者に疑惑の念を起さしたことについて、社告を出して遺憾の意を表示するというような、この三つの点が私どもの耳に入っておるのでありますが、この点についてはいかがでありますか。
  63. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) それは先ほど奥委員に申し上げましたように、委員会の論議過程ではもちろん、現在でも審判開始をすべしという議論もありますし、あるいは警告をすべしという議論もありまして、そういう議論が出たことはあるように記憶しておりますが、それが正式に委員会決定であるとは私は了承しておりません。
  64. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 それから今、奥さんからの質問の中にもございましたが、これは派生的に起きた問題だと思うのでありますが、たとえば各地区で非常に猛運動をいたして、そうして値上げを認めない、中には供託金を六十円納めておるところもあるし、それから各専売店が共同して、そうして共同のビラを張って、そうしてその読者に対してボイコットをやっておるというような例が非常に多いのです。新聞というものは、御承知の通りわれわれの衣食住に次いで大事なもので、毎日、新聞がないということは、われわれの文化生活の上にこのくらい困ることはないのでありますから、これは派生的にできた問題でありますが、こういうようなことは、あなた耳にしておると思うのでありますが、この販売店その他に対して、ボイコット問題に関して、何か勧告とか、その点について注意を与えたとかいう点はございませんか。
  65. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) 今までのところ、そういう勧告などをしたケースはございません。
  66. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 私は最後に要望いたしますが、まだこの審査も二回ほどやられるということでございますが、特に本委員会委員の人たちも同様であると思いますが、問題が問題だけに、また、泣く子と地頭に勝たれないというようなあれにならないで、新聞というものはわれわれの一番の味方なのでありますから、そういう点もよく考えられて、慎重に一つこれはやってもらいたいということを要望いたします。
  67. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 先ほど事務局長お話では、ただいま公取委員会として、正式に結論を出しかねておる点は、共同行為についてまだ確たる結論が出ていない、こういうことでございます。それが結論の延びておる最大唯一の理由のようにおっしゃったのですが、もう一つ、今度の新聞代値上げの幅と申しますか、要するに公正妥当な料金であるかどうかということについては、公取委員会としては触れられないわけですか。
  68. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) 私どもの方は、法律の建前上、物価の幅がどうであるかということについては触れないつもりであります。
  69. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そうしますと、かりにこれが共同行為で、黒であったということになると、新聞料の値上げは認められないことになるわけですね。ところがそうでなかったということになると、これは自動的に認められる、公取としては認めることになるわけです。私はそこに少しギャップがあるような気がするのですが、ゼロから無限大までのような形になるわけです。問題は、資料をずっと私拝見しますと、各社有力紙が全部同じ値上げの率になっております。ところが、おそらく各紙各紙経営内容からいえば、相当なやはり私は違いがあるのではないか、経営にゆとりのある社と、ゆとりのない社とがある。そういうのが一律に値上げをするということが、果して妥当であるかどうか、こういうことになるわけですが、これは公取の権限内にはございませんか、そういうことについてちょっと伺いたい。
  70. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) 私どもの方は、値上げに対して、独禁法上の不当な取引制限、すなわち協定があれば、審判を開いて、審決をもって協定の排除を命ずるわけです。そういたしますと、各新聞社は自由に価格をきめ得るという、自由に競争し得るという立場を設定させる、そういうことが独禁法のねらいでありまして、今栗山委員の言われたところまでは、私は入らないのではないかと考えております。
  71. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 読者の方からすると、やはりそういうところがなかなか割り切れないところだと思います。新聞は天下の公器でありますから、その公器が経営不如意に陥って、そうして廃刊しなければならぬというようなことになれば、これはやはり消費者である読者の責任において公正妥当な料金を払っていく、そうしてその社を経営可能な状態に置くということでなければならぬと思います。ところが、それが若干、公共性を帯びた事業の経営者と消費者との相関的な、有機的な考え方でなければならぬと私は思うのですが、この場合ですと、要するに独禁法に触れればもうだめである、触れなければ自由競争でよろしいというときに、問題として、経営の非常にゆとりのあるところも、また、非常にゆとりのないところも、一律に上げてしまう、で、ますますその社の経営に差等がついていくということは、私はよくないと思うのですが、この点は公取の権限でないとすると、経済企画庁などはどういう工合にそういう問題をお考えになるのですか。
  72. 菅野和太郎

    ○国務大臣(菅野和太郎君) この問題につきましては、経済企画庁でまだ取り上げてないのでございまして、公正取引委員会の方の報告によってこの問題を取り上げていきたいと、こう考えております。
  73. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 公正取引委員会の方でおやりになることはよくわかりました。職務権限の範囲内におけることは……。しかしそれだけでは消費者の方として何だか満足できない問題が残るのではないか。それについては、どういう工合に政府としてやっていく御所存かということを伺っておるのです。
  74. 菅野和太郎

    ○国務大臣(菅野和太郎君) 私どもでは、物価という観点から考えるのでありますからして、今問題があったのは、公正取引委員会の方で、いろいろ皆さんが先ほどから御質問になっておる点が問題になっておると思いますが、その問題によって、今度は物価という観点からこの問題を私どもの方では取り上げてみたいと考えておるので、今の公正取引委員会経過を私どもでは待っておるという状態だと思います。
  75. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 どうも私のお尋ねしているところを十分まだ御了解いただいていないように思いますが、問題は、たとえば今、タクシーが非常に問題になっておりますね。あのタクシーというのは、やはり値段の協定が許されてやっているわけです。民間料金ですからね。ところが、それより安くてもやれるというものについて、やはり法律の建前上いけないということでこれは押えている。これについても、大いに議論があろうと思いますが、それは、やはりその根底に流れておる思想というものは、タクシーという公共の事業で、不当な競争をさせて、消費者である乗客が、過当競争の末思わない事故にあうというようなことがあってはいけない、こういう意味からああいう制度が一応とられているわけです。それが防波堤になって今のようなことになっております。そうすると、新聞料金の方は、一流紙でもやはり経営内容に差等がたくさんあるということになれば、いずれの新聞値上げをする時期には、やはり一応同じような、その経営の不如意のところ、あるいは経営のゆとりのあるところ、そういうところを勘案して、そうして各社が自主的な料金をきめるということが一番好ましいと思うのですけれども、この場合は一律に、まあ大体一流社はなっています。そうすると、一律の料金でないというと、消費者として大へんに工合が悪いというのですね、あるいはタクシーと同じように一律の料金でないというと、新聞の経営の方が過当競争になって、そうして工合が悪いというのか、その辺の見解はどういうことになっておりますか。ちょっとまだよくわからないのですが、経済企画庁にお尋ねしているのですが。
  76. 大堀弘

    説明員(大堀弘君) ただいまのお尋ねのお答えになるかどうかわかりませんが、公定料金で何らかの政府の許認可がかかっております場合には、非常にやはり原価的な見地から一律の料金ということで行われております。新聞につきましては、実は私どもいろいろ検討はいたしておるわけでございますけれども、やはり自由料金でございますので、先ほどまあ大臣からお話がごさいましたように、具体的な措置は講じ得ないわけでございます。われわれの見方から見ますれば、やはり経営によって差もあり得ると思うわけでございますけれども、具体的措置としては行政的な方法がない現状でございますので、御了承いただきたいと思います。
  77. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そういうことであれば、今度の料金を引き上げるという問題もさることですが、引き上げる幅の問題については、これはやはり非常に重要なことだと私は思うのです。それでその引き上げる幅のチェックというものが、ただいまの独禁法の建前からはできないということであれば、やはり共同行為であったかなかったかということについて慎重にかつ厳格に早く結論を出されて、そしてやはり世の中にある疑惑というものを一掃されることが私は一番必要ではないかと、こう思います。ちょうど今中村委員がおいでになっておるようでありますが、中村委員は、今事務局長が答弁に立たれておりますが、中村委員としてはどういうお考えでおられましょうか。
  78. 中村清

    説明員中村清君) 本日は佐藤委員長が病気で欠務中でございますので、私かわりに参りました。  ただいま御質問のありました点でありまするが、何分にも事件が重要なる影響力を持ちます問題でありまするから、慎重に検討をいたしたいと、かように考えております。坂根事務局長の申し上げました点は、私どもも同感に存じております。
  79. 岡三郎

    ○岡三郎君 公取の立場というものをどう考えておられるかわかりませんがね、三月の三十一日ですか三十日ですか、一斉に社告をもって値上げを発表してそして値上げに移っていると。こういうことの中から常識的に見て、これは個々ばらばらであるというふうにお考えになっていくということ自体が私は常識的におかしいと思う。一斉に値上げをしたということの事実は間違いないわけですからね。こういう面から見て、公取の方としては、証拠がないからその証拠についてこれを確かめなければ独禁法違反にならないと、こういう見解ですか。
  80. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) ただいまの御質問で、個々ばらばらにやったとは私ども考えておらないのです。ただ共同してやったといいますけれども、不当な取引制限の共同行為の形成の要件がさらにいろいろなエレメントを持っていますから、そのエレメントとわれわれ事務当局調べ事情とを比較して研究したいと、こう申し上げているのです。
  81. 岡三郎

    ○岡三郎君 それで埼玉新聞社告にあるように、申し合せによって値上げをすると、こういう点についてはどういうふうにこれを聴取し、判断しているわけですか。
  82. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) その埼玉新聞社告を十分承知しておりますけれども、今申し上げましたように、申し合せということの内容法律論公取委員会でやっておられる、こういう工合にわれわれは考えているわけでございます。
  83. 岡三郎

    ○岡三郎君 申し合せの内容について、まあ法律的に検討しておるということのそれをもう少し具体的にその内容説明してもらいたいと思うのです。どういう場合には違反になって、どういう場合には違反にならないのか、その見解がそれぞれ分れているような口ぶりですから、そこの点をもう少しはっきりしてもらいたいと思うのです。
  84. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) 本件について特にどうであるということを申し上げるわけにいきませんけれども、この不当な取引制限の規定をお読みになればよくおわかりと思いますけれども、「この法律において不当な取引制限とは、事業者が、契約、協定その他何らの名義を以てするかを問わず、他の事業者と共同して対価を決定し、維持し、若しくは引き上げ、又は数量、技術、製品、設備若しくは取引の相手方を制限する等相互にその事業活動を拘束し、又は遂行することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。」と、こう書いてありまして、このたとえば、抽象的に申し上げまするならば、その「取引の相手方を制限する等相互にその事業活動を拘束し、」ということはどういうことなのか、または「公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限する」ということはどういうことなのかということを、公取の審判事件の場合、あらゆる場合にこういう論議を重ねてやっておりまして、今回この事件が大きいものですから時間がかかっておるようにお考えになられまして、また大きいがゆえに早くやらなければなりませんけれども、いかなる審判のケースにおいても、こういう法律の論議が十分重ねられるからして時間がかかると、こうお考え願いたい。
  85. 岡三郎

    ○岡三郎君 そういう意味ではなくして、公取自体として、内容的に見てですよ、こういう埼玉新聞の申し合せ等の具体的な事実もあって、そうして明確に三月の末に一斉に社告を出して値上げをした、こういう客観的な事実の中に、他の会社を縛るとか縛らないということよりも、共同によって値上げをしたという実態的な事実は、これは明確だと常識的に判断するわけですよ。それをさらに砕いて、これがまだ問題がわからないということを言っていること自体が私たちにはわからぬと思う。だから、最近においては、公取自体のやっておる内容は政治的な取引が多くあるのじゃないかという憶測が生まれているということも事実なんです。そういう中で、一般の大衆に対して、いわゆる購読者に対して具体的に、そういうふうな問題については国会を通してどういう点が論議になっておるのかということを、抽象的にじゃなくて、埼玉新聞のこの申し合せということをどういうふうに解釈するのか、そういうことをこの国会を通して言うことはできないのですか。
  86. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) ただいま申し上げましたような抽象的説明以外にはちょっと御容赦を願いたいと、こう考えております。
  87. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうするというと、七月の衆議院商工委員会においてあなた方が説明しておる内容を聞くというと、近々においてこういうものを最終的に、最終的結論を出す、こういう問題について。ところが、それから一カ月経過しているわけだね。一体、何を公取は今もたもたやっておるのか、こういうふうにいわれてもやむを得ないと私は思う。私が言うだけでなくてだれもがそう思っておる。でなかったら国会を愚弄しておるかどうか。あなた方がいいかげんなことを言っておるということになると思う。七月の衆議院商工委員会で言った言明とあなたの今言った態度とはわれわれ納得できない。その後の一カ月の経過が言えるか言えないか、はっきりしてもらいたいと思う。それは怠慢ですよ。
  88. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) ただいま岡さんの言われましたように、公取委員会の措置が非常におそいのは、まことに申しわけないと思いますが、衆議院商工委員会では、私は答弁いたしまして、公取委員会にお願いして七月の中旬くらいまでに結論を出していただくということを申し上げましたのでございますが、ちょうど七月の初めに委員長がかわられまして、それで委員長説明する時間その他いろいろかかりまして結論が延びておる。従って、非常におしかりを受けるのでございますが、公取としても一生懸命にやっておると、こういうふうに御了解願いたい。
  89. 奥むめお

    奥むめお君 今事務局長が今の不公正な取引についておっしゃられました中に、拘束をすることが必要だというようなことおっしゃっておりますね、あれを読んでいて。私は拘束は、今栗山委員質問にもあったけれども、たとえばうちの会社は、経理がいいのだから、六十円も上げなくてもいいのだ、あるいは読者のことを考えたら三十円でおきたいのだ。現にそう言った大新聞社がありますよ。消団連の者が、各新聞社を歴訪したときに、うちはそんなに上げたくなかった、だけれども、やむなく協定で上げました、と言っておる証拠があります。  そうすると、ある社は、どうしても六十円、いやもっと九十円も上げたかった新聞社もあったかもしれない。つまり六十円上げなければいかんということにきめたこと、これが拘束じゃないですか。違反したものは、罰金をとるとか何とかいうことを、あなたは拘束とおっしゃるのですか。あるいは除名するということをおっしゃるのですか。この二つの問題を伺いましょう。
  90. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) 私どもの従来の解釈では、拘束という中にはペナルティを含んでおる。
  91. 奥むめお

    奥むめお君 何ですか。
  92. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) 罰則でございます。
  93. 奥むめお

    奥むめお君 そんなに上げたくないのだけれども、相手が上げれば、こっちも上げなければならん、そういうふうなことは拘束とならんのですか、いやいや上げても。よそが上げるからこそ、こっちも上げるのですよ。自分は四十円にしておきたい、三十円にしておきたいといっても、それができなかった。これは明かな拘束じゃないですか。
  94. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) そこが、法律的になかなかむずかしい問題でございまして、いろいろ議論になっておると考えております。
  95. 岡三郎

    ○岡三郎君 衆議院で言明した坂根事務局長の言葉、一カ月余たった現在、この間にどうしておくれたか。申しわけないという言葉だけでは、私は納得できない。どうしておくれたか、具体的に。これほど急がれておる重大問題を、もうすぐやりますと言っておきながら一カ月余、それで、委員長が病気になった、あるいは委員長が交代をせられた。交代したのは、とっくの前じゃないですか。ということになれば、どうも、それだけでは納得できないですよ。もうちょっと、具体的に説明してもらいたいと思うけれども、それは納得できれば、私はよろしいということを言うけれども……。
  96. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) 今申し上げましたように、委員長がかわられましても数回のフリー・ディスカッションといいますか、十分審議を尽してもらったのでありますが、その法律論が、まだ固まらないということでなまけておるわけではなくして、何回も何回も委員会は開かれておる。そこで、法律によって議論がたたかわされておる。こう考えております。
  97. 岡三郎

    ○岡三郎君 あと一、二回開けば固まるということは、どういうことですか。今まで五、六回やってきて固まらないことが、あと一、二回やって固まるということは、どういうことですか。
  98. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) だんだんその間の調整がつきつつある、こう考えております。
  99. 岡三郎

    ○岡三郎君 調整がつきつつあるということは、それは法律論じゃないのだね、そうなると。
  100. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) いや公正取引委員会は、委員長及び委員出席されて、議論を尽されて、後は、それは決をとられましょうから、多数決できまると、こう思います。
  101. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうすると私は、竹中審査部長ですか、ちょっとお伺いしたいのだが、なぜ内容的に法律論で、法律論といっても、抽象的な法律論でない。具体的な内容が伴わなければならんということになれば、これに対する取調べということが根本問題になってくるのじゃないかと思う。今のお話でいうと、五月の末に取調べは一段落したと、こういうことになっておりますが、その通りですか。
  102. 竹中喜満太

    説明員竹中喜満太君) ただいまの御質問通り、五月の末に、私ども審査を終りまして、六月の三日に第一日第一回の委員会をやっております。
  103. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうするというと、あなたの方で調査した内容について報告しておると思うのですが、その場合において共同行為についてあなた方の方は、どの程度これを認識して、調査報告しておりますか、その内容を具体的に言ってもらいたい。
  104. 竹中喜満太

    説明員竹中喜満太君) せっかくの御質問でございますけれども独禁法の三十八条に、公正取引委員会の「委員長委員及び公正取引委員会職員は、事件に関する事実の有無又は法令の適用について、意見を外部に発表してはならない。」という規定がございますので、どういう証拠があって、どういう認定をしたかということは申し上げられないのでございます。ただ、疑いがあるというようなことは、私ども十分なにいたしまして、調べて参ったわけでございます。
  105. 岡三郎

    ○岡三郎君 その点について、公取委員の方としては、その後十回、また委員長が交代して数回やられたということで、結局だんだん調整がついてきたということですが、どういうことが調整がついてきたのですか。
  106. 中村清

    説明員中村清君) 公取最後決定が延びておりますることはまことに遺憾に思います。実は委員長の交代その他のことがございまして、委員会におきましても、慎重に審議をいたしておるわけでございますが、最終の結論が出ますことが、非常におくれておりまして、この点は、まことに申しわけないと思いますが、事が、まことに重大でございますので、各委員が、それぞれ慎重に検討をいたしておるわけでございます。  調整という言葉を事務局長は申しましたが、委員会が、いかなる決定決定内容のみならずいつ決定をするかということは、一に委員会がきめるわけでございまして、事務局長その他事務局職員は、直接には関与いたさないわけでございます。事務局長が申されましたのは、大体の推量で申し上げたかと思います。委員会といたしましては、最近の機会におきまして、できるならば結論を出したい、こういうふうに考えております。
  107. 岡三郎

    ○岡三郎君 どうも不得要領で、はっきりわからないが、天下公知の事実について、具体的に内容的にも、われわれから見るというと、まことに、常識的にわかる問題です。それを法文に照らしてどうのこうのという点もわかりますけれども事務局長が答えて一カ月余、事務局長が、そういうことを言うべきでないということを言っておるのは、わからない。しかし一カ月経過した現在においても、ほとんど何も言わないということであれば、あなただって職務怠慢ではないか。申しわけがないという言葉では済まないじゃないですか。公取をやめたらどうですか。
  108. 中村清

    説明員中村清君) いやそういう意味ではございません。私どもなるべく早く結論を出した方がいい、こう思っておるのでございます。  おくれたことは、まことに申しわけないことでございますが、しかし職務怠慢というわけではない。鋭意私どもは、研究し、検討いたしておるのでございます。結論を出すというところまでいっていないということを御了承願いたいと思います。
  109. 岡三郎

    ○岡三郎君 それは、のれんに腕押しみたいなことばかりで、そこまでいっていないということを言うが、事務局長は、あと一、二回やれば、これが結論が出る、あなたはそれについて、どう思いますか。
  110. 中村清

    説明員中村清君) それくらいに出したいと思っております。
  111. 岡三郎

    ○岡三郎君 出したいということであれば、それはまだ、あと一、二回で結論を出そうというのではないのですか。
  112. 中村清

    説明員中村清君) それは、まだきまったわけではございません。
  113. 岡三郎

    ○岡三郎君 事務局長は、それはどう考えるのですか。
  114. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) ただいま中村委員の御意見を申されましたが、これは、委員会決定をすることでございまして、中村さんが委員会決定をされることで、一、二回で終らなければ、それはやむを得ません。しかし私どもは、大体、もう一、二回くらい開いていただければ、結論を出していただける情勢ではないかと思います。
  115. 岡三郎

    ○岡三郎君 日刊東洋経済に出ておる「新聞値上げ問題にたいする公取委の態度決まる」「お膳立整った公取新聞界の妥協劇」と書いてありますが、この内容について、ここで一々読む必要はないとしても、遺憾であるとして新聞社新聞紙上に弁明をして、大体行政的にこの問題を処理しようという形が出ておるが、これについてあなたはどういうふうに考えますか。勝手にそういうものが出て、勝手に書いた。こういうふうに考えますか。日刊東洋経済というれっきとした……。
  116. 中村清

    説明員中村清君) この問題につきましては、先ほど事務局長からお答えをいたしました通りでございまして、私どもといたしましては、そういう方針を今決定したということではないのであります。その点は、一つ御了承願いたいと思います。
  117. 岡三郎

    ○岡三郎君 私は決定したかどうかということは、まだ決定はこれからだということだから、そういうことを聞いているのではなくて、この内容について心に思い当られることが、委員としてありますか。
  118. 中村清

    説明員中村清君) この問題は、実は中に入っておりますが、私どもは、事件のありますごとに、各方面の方から意見があります場合は、率直にこれを承わることにいたしておりますが、この新聞事件につきましても、そういういろいろな意見は申して来られる方もあるのであります。おそらくそういう方から、あるいは出ておるのではないか。私どもでは、まだまだ再三申し上げます通りに、意見を決定しておるわけではありません。  そういうことをどこから言う者があるかということについては、まだ、どこから出たかは詳細に聞きませんし、また知らない、こういう状況でございます。
  119. 岡三郎

    ○岡三郎君 それも、また公取としては怠慢ですな。日刊東洋経済というのは、これは微々たるものではない、れっきとしたこれは業界新聞の形をとっているわけです、情報、ニュースを出す。そういうところでいいかげんな問題として、これを書くわけにはいかぬと思う。やはり書いたものは、ある程度責任を持っていると思うのです。  そういうふうなものが出たときに、公取としては、はなはだ迷惑だろうと思うのだが、こういうものを、事務局を通して調べたことはないのですか。
  120. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) その日刊東洋経済の記事は、先ほど奥委員から承わって、私は知ったわけであります。
  121. 岡三郎

    ○岡三郎君 いや、そんなことを聞いているのではない。結局、こういう記事が出て困ったなとは思わなかったのですか。
  122. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) 先ほど質問にございましたように、公取委員会決定が延びておりますから、各方面からいろいろな情報が入っておりまして、大体等質の情報で、困ったとか困らないとかいうようなことは考えておりません。
  123. 岡三郎

    ○岡三郎君 こういう情報が出たから、あと一、二回で何とか格好を練り直さなければならないというので延びているのではないかと、私は考えているのですが、これは私の臆測になりますが、そうすると結論は、私は今、一番社会で大きな問題になっているタクシーの個人営業の問題についても、なかなか結論を出さんで、ぐずぐずしている。だんだんと世論は、今の陸運当局はおかしいのではないか、なんかこう、うしろの方で取引をしているのではないかというふうな疑惑の眼を非常に注いでおる。この公取の問題に対しても、公取は、一般の世の多くの人々が、どう考えているかということはわかっていながら、一月以上も、衆議院で答弁してから延びているということの中から、何かこう裏で取引しておるのではないかという印象が非常に強いわけです。その取引の印象の中に、こういう記事がぽんと出てくると、まさしくこれはやっておるのだろうというふうにとられるのは、これまた常識です。従って私たちは、先ほど来言っておりますけれども公取が、あと一、二回でこの結論を出すということについて、大体委員長が病気であるから、なかなか今のところは、はっきりしないと、こういう言葉だけで、まことに遺憾であるという言葉だけで、ここで逃げておられるが、初めに帰って、こういうふうな形の中で罰則の方の取り決めがどうなっているかというようなことは、大体巧妙に仕切れば、証拠がなければ、そんなことはだれにもわかりっこないのです。だからあなた方が見て、これは協会が、一せいに社告をもって値上げに踏みきって、しかもその中において埼玉新聞のように、申し合せによってという記事が出ている。これは明らかに共同行為によってやられているということは、大体わかっているわけです。そういう問題を三月も四月もかかって、さらに衆議院の方で言われてから、なおかつ結論が出ないということ自体、これは公取委員の方に申したいのだが、こういうふうなことで、一体公取委員会というものが、法律の建前を、あなた方の職責を遂行する上において、あなた方、これでいいと思っているのかどうか。申しわけないという言葉ですまされる問題では私はないと思う。どうですか、中村さん。
  124. 中村清

    説明員中村清君) 先ほど来たびたび申します通り、事、重大なことでありまして、従って各委員の個々におかれまして、十分に検討し、調査をする必要がございまして延びているのでございます。早い方が、もちろんけっこうなのでございますけれども審議のため、研究調査のために時期が延びますことは、やむを得んわけであると考えております。  なお、本日、各先生方の御意見のありました点は、十分に参酌いたしまして、最も近い機会に、委員会決定をいたしますよう、私どもも各委員と話をいたしたいと、かように考えております。
  125. 奥むめお

    奥むめお君 中村委員に伺いますが、なんとしても、これだけ重大な、及ぼすところ大きい問題をいたずらに延ばされているのは、公取委員が怠慢だとしか思われない。あるいは何か政治的な裏があるのだろうとしか考えられない。  公取の怠慢に、お灸をすえるような罰則はないのですか。何かございませんか。
  126. 中村清

    説明員中村清君) その点は、私どもからなんとも申し上げることはできないのでありますが……。
  127. 奥むめお

    奥むめお君 あるのか、ないのかということを聞いているのです。
  128. 中村清

    説明員中村清君) それは、公取は独立して仕事をしているということになっておりまして、直接の罰則というものはないと思います。
  129. 奥むめお

    奥むめお君 それじゃ中村さんは、委員長代理でいらっしゃいますから、一ばん委員会に対してはお詳しいと思うし、また私どもからいえば、ずっと前に購読者代表がお訪ねしたときにも、非常に事態を心配してくださった。ですから、きっときょうも、皆の話を聞いてくださって、いろいろ思いあたっていらっしゃることもあると思って、私は将来を期待するわけですが、今委員会で、何か先ほど事務局長の話を聞くと、共同して行なったかどうかということがきめ手がないのだと、おっしゃるのですね、私の言葉でいえば。きめ手がないのだと——きめ手がないのでございますか。どうしてないかということを、少し詳しく委員会の様子を聞かしてもらいたい。どこが、きめ手がないのか。  十分調べたとおっしゃって、あれだけ強権発動に近いような調べ方をなさったところを見れば、何か自信があればこそ、お調べになったのだと思われるのだけれども、どういうことなんですか、委員会が延びて動かないということは。
  130. 中村清

    説明員中村清君) 実は、当初この事件申告がありまして、調査に着手いたしまして以来、法の照らすところによりまして、最善の努力をいたしてきたと確信いたしております。ただ、ただいまお話しありましたように、相互に拘束するという条文の規定もありますし、また理論的に申しまして、拘束というものが、カルテルその他の制限が必要であるという理論もあるわけでございます。まだもやもやと、きめ手がないというよりは、いま少し煎じつめて考えたい。そのために委員会決定が延びている、かように御了承願いたいと思います。  実は、消費者の方々の意向も、私どもは十分に承知いたしているつもりでございます。この事件の処理については、最善を尽したい、かように考えているのでございます。御了承を仰ぎたいと思います。
  131. 田畑金光

    ○田畑金光君 今、問題に関連してお尋ねしますが、衆議院委員会における速記録をちょっと見ましても、また本日の質問を聞いておりましても、事務局長の答弁と委員としての中村さんの答弁とは、ニュアンスというか、いささか違ったような印象を受けるわけです。  それは衆議院の場合においても、事務局長の答弁を見ますと、七月中旬ごろまでには審決が出るであろう、しかし当時の委員は、なるべく早く出したい、こういうような食い違いがあるわけです。ところが今の答弁を聞いておりましても、事務局長の答弁は、あと一、二回すれば審決が出されるであろう。ところが、中村さんの話は、もっとじっくり一つ慎重にやっていきたい、こういうようなことを言っているわけで、食い違いがあると見るわけです。  委員会というのは、ことに公取委委員というのは、常勤の委員だと承知しておりますが、常動の委員で、しかも高給取りで、皆さん方は非常に地位、身分を保障されるような立場に置かれるわけです。にもかかわらず、常時この機能を発揮すべき委員会というものが、この重大な問題に関して、このようにじんぜん日を送っておるということは、われわれだけというわけでなくて、国民全般がこう見るのは当然だと思うのです。こういう重大な問題に関して、今申し上げたように、御両所の答弁というものは、確かに食い違っておると、こう見るのでございますが、それはどうなんですか、一、二回で結論が出るというなら、常勤委員会でもありまするし、委員長が、また今度は病気で少し休んでいるからというような話も先ほどございましたが、これだけの重大な問題であり、しかも公正取引委員会は、これは重大な問題であって、早く結論を出さぬと公衆に迷惑をかけるという前提を認めるならば、これはもっと早急に結論が出るものと考えるわけですが、この点は、中村さんもう一度、明確な答弁をお願いしたいと思います。
  132. 中村清

    説明員中村清君) ただいまのお言葉で、私と坂根事務局長との間に、少し意見の違いがあるのではないかというお言葉のようでございますが、私は、そうではないと考えます。委員会の意見を決定するにつきましては、もう言うまでもなく、私一人、あるいは委員長一人できめられる問題ではないので、おそらく事務局長お話も、あと一、二回で終る程度の段階にきておるのではないだろうかという何といいますか、推測とか、そういうことがあるのではないかと思います。  私も、私自身委員会全体の意向を申し上げることはできないのでございます。私といたしましては、最も近い機会に結論を出すように努力をいたしたい、かように考えておりますので、一、二回ということを、私は申しませんでしたけれども、そう違いはないと考えておりますことを御了承願いたいと思います。
  133. 田畑金光

    ○田畑金光君 そうすると、中村さんも、事務局長の答弁と同じく、まあ回数にすると一、二回で結論を出し得るのだ、ことにあなた自身は、委員ですし、あなた方が、合議の中で重要な発言や裁決の促進について役割を果しておられるわけだから、事務局長よりも、むしろ委員皆さん自身が、この問題については、このような見通しを持って進めておるのだと言われることが、これは当り前と思うのです。ところが事務局長の方では、一、二回と明確に答弁されるが、しかもこれは、衆議院の答弁を見ても、そうです。むしろ委員の諸君が、これは引き延ばしにかかっているように、少くとも答弁を聞く限りにおいては、印象づけられるわけで、この点は、どうなんです。
  134. 中村清

    説明員中村清君) 私は具体的には、一、二回ということは申し上げていなかったのでございまするが、別に引き延ばす考えはないのであります。最も早い機会に、結論を出したい、かように申し上げたつもりでございます。
  135. 田畑金光

    ○田畑金光君 そのことは、具体的に申しますと、大体今週中に、あるいはおそくとも来週中には結論が出せるであろう、結論に到達するであろう、合議制の判断が出るであろう、こういう意味に解釈してよろしいでしょうか。
  136. 中村清

    説明員中村清君) 実は、委員長が今病気をいたしておりまして、なおもう一人の委員も、入院中でございまして、委員が、あと三人おるのでございますが、非常に急いでおるのでありますけれども、この重要な問題を、委員三人で決定するということは、どうかという感じを私自身も持ちます。なお病気の人に、無理に来てもらうとか、病床に行って御相談をするということも、いささかどうかと思いますが、そういう事情もありますので、もう少しはっきりと時間を申し上げることは差し控えさせていただきたいのでありますが、できれば、今週中にも決定を出したいものだと、こういう希望を持っておる次第であります。
  137. 田畑金光

    ○田畑金光君 先ほどの事務局長の答弁の中にも、できれば今週中、今、中村さんのお話にも、できれば今週中、こういう言葉がございましたので、私は、それでこの点は了承することにしまして、今週中に結論が出せるように、欠席しているとか、どうとか言われましても、委員合議制でございますし、おそらく全員の出席ということなのかどうか—過半数の出席構成し、合議制だと、こう考えますが、それはとにかくといたしまして、どんなにおそくても、一つ今週中には結論を出して、この問題に関し、世間も非常に混乱をきわめているので、皆さん方の責任を果してもらいたい。こう考えます。  それからもう一つ、私は先ほど事務局長の答弁で、いささか解釈に苦しむというよりも、われわれの常識からいって、判断のしがたいのは、共同行為の事実があったかどうか、この問題に関しまして独禁法の第三条でございましたか、お読み上げになったわけです。しかしもうすでに、先ほど来指摘されているように、共同行為があったであろうということは、委員会の中にも、事務局の中にも、そういう前提のもとに、捜査に乗り出されたわけで、しかも先ほど来引例されている埼玉新聞社が、うかつにも、申し合せにより——申し合せによりというのは、明らかに共同合議であり、共同行為を明確に、これ自身訴えているわけで、私は、この点について、今さらあれやこれやと、ここで論議する必要はないと思うのでございます。これは明確だと、こう思うのです。にもかかわらず、先ほど事務局長が読み上げられた、事業者が、他の事業者と共同して対価の決定、維持、引き上げ、その他の行為をして、相互にその事業活動を拘束し、または遂行することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を制限する云々ということは、どっから見ても、これは百パーセント、もう私は該当していると、こう見られるわけです。これはもちろん今後この問題が黒と出ても、あるいは高裁、あるいは最高裁まで行くということを考えれば、皆さんの方としても、証拠を十分収集しておこうと、こう配慮されるとは考えますが、考えますが、しかしそれにしては、あまりに時間をかけ過ぎている、日をかけ過ぎている、そういうことを私たちは見たとき、どうも問題が政治的によろめいてきておるのじゃないか、こういう印象を強く受けておるし、そのことが心配でならないのですが、この点一つ中村さんから、委員として—委員長代理もやっておるようでございます。し、こういう審判に関しては、絶対そういうことはない、あなた方は、政治的な圧力等については、あくまでもはねのけて、われわれはやるのだという気持で、この問題に取り組んでおるのかどうか、あらためて一つ、心がまえを承わっておきたいと思います。
  138. 中村清

    説明員中村清君) お答えいたします。  もちろんこの問題につきましては、確かにそうでありますが、私ども独立の立場に置かしていただいておる委員の者は、いかなる圧力団体、あるいは政治的の権力、その他いかなる権力にも影響されず、独立して良心の命ずるままに最善の意思表示をするということが、私たちの任務であります。その点は、常に私どもは各委員とも肝に銘じて仕事をいたしておる次第であります。お言葉のございました点は、どうか御安心を願いたいと思います。  なお、先ほど五人の委員の中で、三人おればいいじゃないかというお言葉がございましたが、それは、そういうふうなお考えもありましょう、確かに。しかしながら三人で差しつかえないといたしましても、実際におきましては、できるならば、多数が集まりまして決定をいたしたいという希望でありますの、できるならば、私は今週中にやりたいと思っておりますが、その点について、もう一度各委員の意見を調整していきたいと考えます。
  139. 田畑金光

    ○田畑金光君 非常にきれいな御答弁でございましたが、どうも今までのやり方を見ると、中村さんの答弁をすなおに承わるわけにはいかないのです。  しかし、これから心改まって、各委員からの強い注意もあったし、警告もあったので、心改めて、そういう気持になろうとおっしゃるならば、すなおに受けたいと思っておりますが、四月の十七日に、公取委委員長がおやめになった、先ほど事務局長お話を聞きますと、四月十六日に、いよいよ消団連申告を取り上げて乗り出すことになった。そうして四月十八日から審査を開始した。今度は、一番大事な委員長がやめたということは、これはちょっと解せないのですが、これは、どういうことなんですか。中村さんから一つ
  140. 中村清

    説明員中村清君) 前委員長が、いかなる事情でおやめになりましたかは、私その辺の事情は、あまりよく知らないのでありますが、しかし御病気でありましたようで、御病気でおやめになったのじゃないかと私は思っております。
  141. 田畑金光

    ○田畑金光君 公取委委員長ともあろう重要な職責にある方が、しかも中村さんは、委員長代理もやっておられたし、承われば数名のわずかな委員の間で、委員長が、いかなる理由でやめられたかは存じないと言って、答えられぬようじゃ、やはりこれは、疑惑の中にあったなと判断するよりほかにないのです。ここらあたりに、そもそもこの問題の発端がある。この問題の取扱いが、このように長引いている。世間では、やはり政治的な圧力で、これは結局いいかげんに終るなと、こう見ておるわけです。  そういうようなことをわれわれが見たときに、迷惑を受けておるのは、ほんとうに文字通り消費者であり、国民大衆一般なんです。この問題が発端となって、新聞をとめられたところもあるし、やはりこの法の正当な発動を要求して、新聞配達をとめられても、なおかつ、あなた方の審決が早く下ることを希望して、正当な主張が通るであろうことを見通して、多くの方々が待っておる情勢も各地にあるわけです。  そういうことを考えたとき、私はあれやこれやと、多言をいたしませんが、公取委員長のやめたといういきさつの事例を見ても、その後新聞業界の代表者が、政府与党に対する働きかけ等が、雑誌等にある記事を見ましても、われわれは、この問題に公取委がどのように取り組み、どのように法律の番人として一貫した、信念の強い、そうして法に忠実な態度において結論を出すかということが、独禁法自体、あるいは公取委という制度自体の将来に、一つ大きく影響するということを考えられて、きぜんたる態度で、これからは一つ頑張ってもらいたい、こう希望しておきたいと思います。
  142. 中村清

    説明員中村清君) ただいまの御鞭撻のお言葉は、つつしんで拝聴いたしましたが、ただ一言申し上げておきたいことは、長沼前委員長は、決して政治的の圧力、そういうことでやめた点は、ないことは事実でございます。  これは、実はいろいろデマを聞いておりまして、まことにけしからぬことだと思っておるのであります。前委員長は、もう二月ごろから、すでに辞意を表明せられておりましたので、発令は、四月になりましたけれども、そういう事情でありまするから、決してそういう政治的の圧力云々ということは、絶対にないのでございます。その点は御了承願いたいと思います。
  143. 島清

    ○島清君 各委員諸君の御質問を承わっておりますと、むしろ独禁法違反の事実は明確であるが、公取委の方で審決を出すのを渋っておるのじゃないかというむしろ糾弾的な御意見であったように、私ども拝聴いたしておるのであります。  そこで、奥委員の御質問の中に、拘束という言葉は、自分のところは値上げをしなくてもよろしいのだ、しかしながら同一事業体の共同行為としてのつき合いからしても、どうしてもやはり申し合せに従わなければならないのだ、だから明らかにこれは共同行為であり、独禁法違反ではないかという御意見のようでございましたが、それに対して、拘束ということは罰則を伴うものである、だから罰則を伴わない限り、拘束にならないのだ、という事務局長の御見解のようでございましたが、これは、私は非常に危険な解釈のように拝聴いたしておるのであります。  それは、拘束という法文の解釈にも、低い解釈と、それから高い解釈の幅があると思うのです。高い解釈からいたしますれば、終局的に罰則的ということがあり得るかもしれませんが、低い解釈からいたしますると、私は罰則を意味しないで道徳的な拘束、そうしてその共同行為を余儀なくされるのだという情勢というものがあり得ると思うのです。私は、大学を出ましてから二十五年たっておりますので、学びました刑法学的な解釈は、ちょっと旧式に属しますけれども、私は経済法の解釈といたしましては、なかんずく独禁法の解釈といたしましては、その独占事業が共同行為をすることによって、国民の正常なる生活を害するという事態があった場合には、私はこれを取り締るということが法の精神だと思うのです。  ですからこれが、共同謀議が、どこそこで、だれがどういう発言をして、だれが賛成をして、だれが署名をして云々という刑法学的な解釈をもってするということが、私には、忠実に国民の正当なる経済発展に寄与するという、この独禁法の解釈といたしましては、非常に危険なような気がするんです。  そこで、事務局長がそういう解釈であれば、中村委員も、そういう解釈であるか。それは公正取引委員会としての全体的な統一された解釈であるかどうか。もしそうであるとするならば、政府も、そういうような解釈であるかどうかを明確に承わっておきたいと思います。
  144. 中村清

    説明員中村清君) 共同行為については、何らかの拘束力が必要であることは、これは一般に行われておる原則でございます。  先ほど罰則の問題で、事務局長がお答えをいたしましたが、そのときには、ペナルティという言葉を使われました。そうして罰則ということを言われたのであります。罰則と申しましても、いろいろ範囲が広いわけでありますが、最も典型的な場合を事務局長が申し述べたものと思うのでございます。  何らかの拘束力は、必要なことは明らかでありますが、これは、各場合場合について検討しなければなららぬ問題でありまして、結局は、審決例によって決定するより仕方がない、こういうことに相なろうかと思うのであります。
  145. 島清

    ○島清君 そうすると、拘束ということは、罰則を伴わないような拘束もあり得る、こういうふうな私流の解釈に御同感ということなんですか。そうではなくして、拘束ということは、必ず罰則を伴うものであると、こういうことなんですか。  それで事務局長が、何か外国語を使っておられたので、独禁法に外国語があるかと思って調べてみたんですが、外国語はないですね。(笑声)ないものは、なるべく使わぬ方がいいと思います。
  146. 中村清

    説明員中村清君) 実は拘束力の問題が、公取委員会といたしましては、常にいかなるケースにおいても最も重要なポイントになる場合が多いのであります。私は、罰則といっても、その罰則の範囲が広い、罰則のごときものは、なければならない。しかしその範囲は広い、こういうふうに解釈しているのであります。  しかし委員会が、すべてそういうふうに解釈しているのかというと、決してそうではないのでありまして、最終決定は審決によって示されるわけでありますが、従来は、やや罰則に重きを置ていたということは事実でございます。
  147. 島清

    ○島清君 民主主義の原則について、お尋ねをしたいと思います。  それは、民主的な団体を運営いたしまする場合には、少数意見は尊重されますけれども、少数意見者は、多数意見に同調しなければならないというのが民主主義の原則なんです。そこで、ここに一つの事業者が、一つの事業者団体を作っておる。今、岡委員が指摘されたように、自分のところの企業体では、そんなにべらぼうに上げる必要はないのだ。これが、かりに二社あったといたしましょうか。三社の方がいや百五十円上げたいんだという場合には、どうしてもやっぱりその民主主義の原則で運営いたしまする場合には、反対であっても、上げる必要はなくても、少数意見を保留しながらも、それに同調しなければならない。  これすなわち民主主義的な拘束を受けるわけです。この民主主義的な拘束を受けるということと独禁法の中の拘束とは、私はこれはある一定の条件においては、同様に解釈しても、誤まりはないと思うのです。おそらく私は経済行為をいたしまする場合には、すべてこういうようなケースというものが出てくると思うのです。罰則というものは伴わないから、拘束にならないんだという解釈でいきますと、私はこの独禁法を不当な経済行為に適用いたしまして、国民の正当なる経済行為を守っていくことはできないと思うのですが、その点いかがでございますか。
  148. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) ただいまのお話は、拘束の範囲が広いという、まずポイントがあると思います。  それは私が先ほど申し上げましたように、従来の判決なり、それから審決の最も典型的なものは罰則を伴う。たとえば事業者団体協定を破ったならば、団体から除名するという協定があれば、これはもちろん強い拘束力でございます。  それから今、島委員が御指摘のような点は、あるいは相互に、そういう何か拘束されるというような場合が出れば、あるいは独禁法でも論議できるのではないかと考えておりますが、その拘束というものを従来の判例なり審決によって、本件については十分委員会で、そういうものを先例におきながら議論されておる段階である、こう考えておる次第であります。
  149. 島清

    ○島清君 少しじみな議論で、大へん恐縮でありますけれども、拘束というものを主観的に解釈をされるか、客観的に解釈をされるかという問題だと思うのですが、民主主義的な運営をいたしまする場合には、主観的には拘束をされても、客観的な罰則行為がないという場合に、それは拘束にならないかという問題ですね。しかしながら、私は主観的にどうあろうと、客観的に共同行為として、ここに一つの具体的な事実がある、これは岡委員指摘されたように現われてくると、その主観のいかんにかかわらず、私は客観的には、共同行為として断定されて差しつかえないのじゃないか、こういうふうに思うわけです。  だから、拘束というものをどのように解釈しておられるか、その解釈の仕方を御説明願いたい。
  150. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) そういう議論もありますし、拘束は、客観的に出た結果を拘束と見るか、それからお互いが相互に拘束しておる主観的なものを見るか、いろいろそこに、議論がある、私は、そう考えております。
  151. 島清

    ○島清君 議論は分れようが、そっちの方は、どうなんですか。
  152. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) 私は、委員会の一員ではございませんから、委員会議論されておる責任のある意見は申し上げられませんが、私は、拘束というのは、ある意味ではやはり典型的に近い格好で罰則を伴うものがあるのが、カルテルの本質ではないか、こう考えております。
  153. 島清

    ○島清君 政府の考え方は、どうなんですか。
  154. 川上為治

    理事川上為治君) 速記をとめて。    〔速記中止
  155. 川上為治

    理事川上為治君) 速記を始めて。
  156. 島清

    ○島清君 それは、まあそれでよろしゅうございます。  後日明確にしていただきたいと思いますが、時間も経過しておりますので、私は、これ以上質問いたしませんけれども、先刻、岡委員の御質問に対して、今までの調査なり、その経過について、内容的な質問をいたしましたところが、何か事務局の方が、この独禁法において、事務局の者は、それを話してはいけないことになっておるから答えられませんということでありましたが、委員会の運営について希望を申し上げておきたいことは、国会で委員会に出られて、それで御説明ができないような方においでいただいて、私ども質問するというようなその不見識な委員会の運営というものは、自今一つ、お互いに反省してみたいと思うことが一つと、それから公取の諸君に申し上げておきたいことは、その事業自体の秘密に関する限りにおいては、秘密主義をとっておりますけれども、そうでない限りにおきましては、公開主義をとっておりますのが、独禁法の精神なんですね。ですからこの新聞値上げということは、ここで皆様方が、ある程度報告されましても、朝日新聞でどうであるとか、読売新聞でどうであるとか、事業内容にわたる秘密にわたることは、ここで触れないわけでございますから、私は、いささかも答弁をちゅうちょされる理由はないと思っておったわけなんですが、まあおありだとすれば、いたし方ございませんけれども、今後は、そういうことのないように一つ、すなおな気持で御答弁をいただきたいものだと、これだけ希望しておきます。
  157. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 先ほどの中村委員最後の御答弁を伺っておりますというと、また少うし問題がぼやけておるようでありますから、私はもう一度、確認しておきたいと思います。  それは、先ほど来の質疑を通じて明らかになったことは、事務局長が述べられたように、あと二回ぐらいの委員会結論を出したい、共同行為の判定が、今まだできないので、それのみが残っておるから、あと二回ぐらいの委員会を経て結論が出せる予定である、しかも、その二回というのは、でき得れば、今週中ぐらいを予定したい、こういうお話でありました。それで一応、われわれ了承をしておったところが、中村委員最後に、共同行為の判定云々の問題でなくて、委員の病気の問題にすりかえられちゃったですね。三人ではできぬ—委員長も病気、もう一人も病気だから、それで困っているんだと、こういうお話でありましたが、あと二回ぐらいで、今週中ぐらいには一応結論が出せるという説と、委員が病気だから、ちょっと困っておるという説と、これはどういう工合に調節なさるわけですか。
  158. 中村清

    説明員中村清君) あるいは言葉が足りなかったかもしれませんが、私も、今週中ぐらいには結論を出したいという考えでおるわけであります。ただ、急に委員長が、けさ診断書が届きまして、あと四、五日というのが、土曜日の診断書に書いてございました。ですから、今週中には、あるいは出るかと思うんです。もう一人の委員は、実は長期の病気でございます。まあ委員長が出てこられますれば、四人あれば、あるいはまたやれるということになると思うのであります。別にすりかえたとか、そういうことではないのであります。私どもの立場というのは、全部委員がそろう間——三人ではどうかという意見になるかもしれぬということを、一応心配があったのであります。しかし、なるべく早くやれば、こういうことは起らないのであります。御了承をお願いしたいと思います。
  159. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 問題が、ここまで皆さんが熱心に質疑をして、最後の一応確認をしたいという委員諸君の熱心な質疑なんですから、すりかえる意思ではないとおっしゃったけれども、今のお話を聞けば、事実上すりかわっておるから、そういうことでなくて、もしすりかえる意思がないということならば、もう少し丁寧に、ほんとうの意見を述べられたらいいと思うんです。  たとえば、委員が五人おって、二人病気だから困っておるとおっしゃった。ところが、今の御説明によりますと、委員長の病気は、突然病気になられて四、五日でなおる。それから、もう一人の委員は、長期の病気だからできない。そうおっしゃるならば、それならば五人の委員だから、委員長が全快すれば、四人で、二回ぐらい開いて結論を出しましょうと、こうなる。しかも、その二回というのは、五日で今週は終っちまいますよ。そうすれば、今週中に結論を出すということは間違いで、かりに委員長が全快されても、来週になる、一週間に二回やれば。  それだから、あなたの答弁は、一番委員会の実情と内容を御承知になっておる、委員の健康状態を御承知になっておる方としては、それは、非常に不親切だ、この委員会に対して。もう少し、あとでまた、この委員会で、あなたは何かサボったとか、何とかいう議論が出ないように、しょうじきに言っておかれる必要がある。その点はどうなんです。
  160. 中村清

    説明員中村清君) 先ほども、申し上げることが徹底を欠きました点があるのでございますが、土曜日に委員長の診断が出まして、四、五日ということでございます。そうしますと、まあ水曜日ぐらいには、お出になるかと私は思っております。四、五日というのですが、どういうことになりますか、その関係考えておるわけであります。  別にすりかえたとか何とか、そういうことではないのであります。最善を尽してやるということでございます。
  161. 岡三郎

    ○岡三郎君 せっかく竹中審査部長出てきておられるから聞いたんですが、あなた、なかなか私が質問しても答えないけれども、答えられないんだからといっても、ほんとうにあなたのところはポイントなんだよ。どういうふうに拘束する条件があるかどうかということについて、全然わからないわけだ、われわれにとっては。  で、あなた方が、この問題をいよいよ調べるということに当って、聞くところによるというと、立入調査というようなことをしなかったというけれども、それはほんとうなんですか。
  162. 竹中喜満太

    説明員竹中喜満太君) 先ほど事務局長からもお話がありましたように、私の方としましては、四月の十八日に新聞協会に臨検検査をかけまして、そのとき審査官が十名参りまして、必要な書類を押収しております。それから、その他福岡、大阪でも、そのようなことを行なっておりますし、東京の中でも、地方紙の団体などに対して、臨検検査をかけて、必要な書類を押収しております。
  163. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうすると、私は概括的に抽象的に聞くが、あなた方のやった行為については、落度はなかった、十分やったという確信がありますか。
  164. 竹中喜満太

    説明員竹中喜満太君) 私どものやりましたことに対して、落度があったかないかということを伺われておりますが、私どもといたしましては、その出た証拠が、十分か十分でないかは別としまして、できるだけのことは、十分やったと思います。
  165. 岡三郎

    ○岡三郎君 それは、もちろんそうです。それは当然だがそのときには、五月一ぱいで全部一応調査を打ち切ったというが、今の状態でいうと、八月まで続いておるわけですな。そうすると、あなた方の調査というものは、その期間について見ると、あまりにもその後の時間がかかっておるということから見て、もうちょっと、時間的に余裕を持ってやる必要があったというふうに考えませんか。
  166. 竹中喜満太

    説明員竹中喜満太君) 審査部といたしましては、四月十八日に新聞協会を臨検検査いたしまして、その後、各紙を臨検検査し、あるいは参考人の出頭を求めまして、供述調書をとりまして、五月一ぱいで十分ということで六月三日の委員会に、これを報告したわけであります。
  167. 岡三郎

    ○岡三郎君 だから、そのときに、あなた方は埼玉新聞については、どういうふうにこれを調べましたか。
  168. 竹中喜満太

    説明員竹中喜満太君) 先ほど来、埼玉新聞社告が問題になっておりますが、常識的に考えれば、まさにあれで、共同行為の事実が立証できるということを考えてよろしいと思います。私どもといたしましては、ああいう記事は、非常に参考にはなりますけれども、私どもの審決なりなんなりは、東京高等裁判所あるいは最高裁判所に係属いたしますので、万全を期して、十分の資料がない限りは、軽々に判断することはできないと思います。
  169. 岡三郎

    ○岡三郎君 十分な資料というと、どういうこと——もっと各社において、共同行為の事実がほしいということはわかるが、しかし、埼玉新聞としても、れっきとした新聞なんですから、その新聞が書いたという事実、これはいいかげんなものとはだれも考えない。高等裁判所へ行こうが、どこへ行こうが、一つの大きな新聞がきちんと書いたものについて、これを明確にすればいいと私は思うんだが、しかし、その他、先のことを考え調べるということもいいでしょう。  しかし、具体的に出た事実の中で、あなた方自体は、共同行為の事実は、これで明確だというふうに判断したのでしょう。
  170. 竹中喜満太

    説明員竹中喜満太君) 私どもとして、そういう御質問に対して御答弁申し上げるのは、非常にしにくいのでございますけれども委員会報告する以上、私どもの方としては、黒の証拠、白の証拠、あらゆる証拠をあわせまして、報告するわけでございます。最終決定は、これは私どもの関知するところではありませんで、委員会決定することになっておりますので、私どもとしては、相当の疑いを持って報告しておったということは申し上げることができると思います。
  171. 岡三郎

    ○岡三郎君 埼玉新聞の申し合せによる、こういう具体的な事実問題をこれを取り調べられたと思うんですが、そのときに、どういう方を取り調べられたか、その取り調べられた方、そういう人々は、肯定しておりましたかどうか。
  172. 竹中喜満太

    説明員竹中喜満太君) 埼玉新聞の問題なんでございますが、私どもといたしましては、先ほど申しましたように、埼玉新聞にこう出ているから、これでもう足りるということではなしに、埼玉新聞のその記事の裏づけですね、集めて、どういうことをしたかということを、私どもは特に重点を置いて調べをしておるわけであります。その点は、十分調べておると思います。
  173. 奥むめお

    奥むめお君 最後に、私は確認をしておきたいことがございますので、事務局長に伺います。  公取が、一週間内外でおきめになる態度、これに対する見解をきめなさるとして、私、きょう一日の答弁を聞いておりまして、あなた方、一体何のために、公正取引委員会というものは、だれのために働いているのだということを非常に疑問を深くしましたですね。消費者を守るただ一つ法律だと、われわれは一生懸命思って、今まで期待を持っておりました。だけれども、態度は、非常に不親切ですね。まるで鼻の先に水をかけたような答弁ぶりでございますね。ちっとも誠意が感じられない。ことにたくさんの購読者が、現に新聞配達されないで困っている。また、先ほど申し上げたように、編集の方でも配達の方でも因っている。こういう問題に対して、もっと公取というものが、独禁法を守る立場からなさるなら、もっと説明の仕方もあったろう、また報告のものも、まだあるはずだと思って、これは私は、非常に心外に思います。  しかし、それはそれといたしまして、あなた方の態度がきまったときに、あるいはその過程で、消費者の心が、全体と言えないでしょうが——代表になるより仕方ないでしょうが——代表に対して、あなた方は、経過報告をなさいますか、どうなりますか。
  174. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) もちろん委員会が、態度を決定いたしますれば、その決定内容につきましては、消費者団体連絡会代表の方に来ていただきまして、御説明申し上げたいと思います。
  175. 奥むめお

    奥むめお君 それは、今までいつでもそういう慣例ですか。ほかの問題……。
  176. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) そういう慣例はございません。
  177. 奥むめお

    奥むめお君 それでは、大へんおくれて、世間が皆知ってから、ぽかっと発表なさることもあるし、あるいは相手方にお話をなさると同時に発表なさる手もあるし、その前に発表する手もありますが、どうなさいますか。
  178. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) 普通は、審決、勧告あるいは同意審決の場合は、同意審決を相手方にするとともに、あるいは提訴者の方にも、一緒にするというようにしております。  しかし、提訴者に、特に説明をすることを義務づけられておるわけではございませんが、大ていその先とか、前後は別といたしまして、提訴者には、一応の事情説明いたします。
  179. 奥むめお

    奥むめお君 私は、それはぜひ、そうしてほしいと思います。第一新聞社の方には、非常に委員会内容が漏れておりますね。それは、あなたがいろいろな方にお会いになっていることをお認めになっていらっしゃるように、親しい人もあるでしょうし、仕事の関係もあるでしょうが、新聞社の方には、いろいろ漏れております。消費者団体、つまり購読者の方には、何にもつんぼさじきでわからないですね。これは誠意を持って、この法律消費者を守る法律だという建前を生かしていただきたいと思います。  それからいま一つは、委員会の中に、いろいろ意見が分れることもあり得ると思いますけれども、そういうときは、どうなるのですか、多数決できまるのですか、それとも、まとまってきまるのですか。
  180. 中村清

    説明員中村清君) そういう場合には、多数決できまります。
  181. 奥むめお

    奥むめお君 そうすると、少数意見というものは、あるわけでございますね。
  182. 中村清

    説明員中村清君) それはあります。
  183. 奥むめお

    奥むめお君 それじゃ、そのときに、少数意見も発表してもらいたい。
  184. 中村清

    説明員中村清君) そういう際には、発表しない慣例でございます。
  185. 奥むめお

    奥むめお君 それじゃまた、その問題は、時間もないから……。  もう一つ新聞配達どめにつきまして、私ども消費者団体としても、最高検の方に、あるいは東京の検事局の方に訴えております、手続をとっておりますね。そうすると、これを公取の方にも、どうぞ早く、緊急停止命令を出してもらいたいということを出しておりますね。これはどういうふうに処分して下さいますか。
  186. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) それは、先ほどお答えいたしました、至急に、審査部の方で結論を出していただきまして、委員会と相談してやりたいと思います。
  187. 奥むめお

    奥むめお君 それじゃその結果が出ないと、これは取り上げられないということなんでございますね。
  188. 坂根哲夫

    説明員坂根哲夫君) そうでございます。   —————————————
  189. 川上為治

    理事川上為治君) この際委員の変更について御報告いたします。  本日、吉田法晴君が辞任され、椿繁夫君が選任されました。   —————————————
  190. 川上為治

    理事川上為治君) 次に、西欧諸国における為替及び貿易自由化の進展について、経済企画庁当局より説明を願います。
  191. 山本重信

    説明員(山本重信君) 栗山委員から御要求がございました西欧の通貨交換性に関連いたします資料をお手元に配付してございますので、ごく簡単に御説明を申し上げたいと思います。  資料を御要求の趣旨は、昨年の暮れ、西欧で大幅の通貨交換性が実施されたのでございますが、その後の動きがどういうふうになっているか、こういうことでございます。  この資料の第一ページには、「従来の経緯」というので、通貨交換性が実施されるに至った経緯を簡単に書いでございます。  それから二ページから、「通貨交換性の回復とその後の動き」ということで、昨年の十二月二十九日にイギリス初め西欧の十五ヵ国が通貨交換性を回復いたしましたその後のいきさつを書いてございます。要点は、四ページの終りから五ページになりますが、為替の面におきましては、今年に入りましてから、西独が資本取引、居住者取引についても完全自由化を断行いたしまして、フランスでも、資本取引を大幅に自由化する。またそのほかの国におきましても、旅行者に対しまする外貨割当、それから海外送金の制限等について、大幅な緩和をいたしたことであります。  それからその次に、貿易の面の自由化の進行状況が五ページ以後に書いてございます。本年に入りましてから、ドル地域からの輸入の自由化が著しく進みまして、イギリス、西独、フランス、イタリア、オランダ、ノルウエーなどが、ドル貿易自由化をほぼOEEC内自由化の水準に近いところまで実施いたしている。その状況は七ページ及び八ページの表で明らかでございます。  それから最後に九ページ以降には、この自由化政策によりまして、西欧諸国に、どういう効果があったかということを、かいつまんで書いてございますが、要は、西欧の各国の通貨に対する信頼が非常に高まった。それによりまして、貿易の拡大、経済発展が、さらに進められているということでございます。  なおこの資料は、大へんに簡単でございますが、実は経済企画庁におきまして、世界経済の現勢という資料をただいま作成いたしておりまして、二十日過ぎにはできると思いますが、その中に、比較的詳しくこの間のいきさつが述べてございますので、印刷ができ次第、御配付申し上げたい、こう考えております。
  192. 川上為治

    理事川上為治君) 何か、御質問ございますか。
  193. 田畑金光

    ○田畑金光君 今の世界経済白書は、いつごろ印刷してでき上るのですか。
  194. 山本重信

    説明員(山本重信君) ただいまの予定では、二十日ちょっと過ぎになるかと思います。
  195. 田畑金光

    ○田畑金光君 まあ、でき上りましたら、一つすみやかに、手元まで送付していただきたいと思います。
  196. 山本重信

    説明員(山本重信君) 承知いたしました。
  197. 川上為治

    理事川上為治君) ほかに、御質問がございませんでしたら……。
  198. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 この質問は、次回に、私保留いたします。
  199. 川上為治

    理事川上為治君) では次回は、格別の問題がございませんでしたら、先ほども申し上げました通り、九月の三十日及び十月の一日の両日にわたって開く予定であります。  本日は、これをもって散会いたします。    午後零時四十九分散会