○木下
友敬君 どうも
厚生省というのはたくさんのお役人がおって研究をし、仕事をしておられるけれ
ども、どうもほんとうのことはわかっていらっしゃらない。貧しい私
どもが調べた結果について私の方から
一つかわって御
説明をしておきます。
これは、私は、
昭和三十四年の一月基金本部から発表された資料に基くものですが、
昭和三十三年五月と十月との
診療報酬を比較した資料が発表されたのです。これは同一医療機関について同じ医療機関について旧
診療報酬(五月)と新
診療報酬(十月)とを比較してどれだけ増減があったかを示した統計資料なんです。この統計には時期的の誤差の問題もございますけれ
ども、ほかにも統計学的にまたいろいろな難点もございますけれ
ども、ともかく全体的な傾向を知るためには直接の比較としては妥当なものと私
どもは考えて、この基金本部からの発表を採用して
お話を申すわけです。
基金の
調査の結果は、今すぐ表を持って参ってお配りしますけれ
ども、まだ間に合いませんから、言葉で申し上げて
あとで資料を差し上げることにしますが、基金
調査の結果は
あとで差し上げる第一表の
通りでございます。すなわち、入院につきましては、甲表の増加率は乙表より上回っておりますけれ
ども、外来では甲表は病院、
診療所ともに乙表より下回るばかりか逆に減収となっておるのです。しかし、これはいわゆる算術平均でございますから、
内容をより正確に知るためには個々の増減がどのような形で分布しているかを見る必要がございます。
そこで、第(1)図、第(4)図をごらんただきますが、これは旧
診療報酬をゼロ線といたした場合の甲表、乙表それぞれの増減について
都道府県を単位にとった度数分布を示す図でございます。甲表の病院、これは第(1)図でごらんいただくとわかりますが、これは入院の分は全部が確実にプラスとなっております。最低四%から最高二六%の増を示しておりますが、外来の分は全体の傾向として大半が減収となり、最低が一四%のマイナスとなっておるのです。つまり、甲表病院では入院はすべて増収だけれ
ども、外来はほとんど減収という特異な傾向を示している。そこで、今度は乙表病院を表の第(2)図でごらんいただきますと、入院の分は九〇%以上が増収となり、最高は二二%のもの、約五%のものは減収となっております。外来も同様に九〇%近くのものがプラスで、最高は一八%の増収を示しておるのです。このように乙表病院では甲表病院と違って入院、外来ともに均等にプラスとなり、安定した姿を示しておるのです。甲表
診療所、これは第(3)図でごらんいただきますが、これは入院、外来とも、その増減は全く不安定で、著しい混乱状態を示している、大幅にふえるものがある半面におきましては、はなはだしい減収を示すものもございます。大勢としては全体的に減収の傾向を示しておる。これに引き比べまして、乙表の
診療所、第(4)図でございますが、これは入院、外来ともに九五%のものが増収を示し、甲表
診療所の混乱状態とは対照的に、安定した姿を見せておる。以上申しましたことで御理解いただけるかと思うのですが、乙表の方が安定しておる、甲表の方は非常に増したところもあるが、非常に減収になったところもあるというので、非常に不安定な状態にあるということなんです。このことは非常に大事なことでございまして、ある報道機関などでは、乙表が九一%もあるというのは日本
医師会がその会の職制をもって統制したというようなことをいっておるものもございましたが、これは全くの間違いでございまして、収入のことでございますから、どんなに
医師会がいいましても、収入の減ることに賛成する人はございません。私
どもはやはり乙の方が利潤が幾らか出て、よりいいから取ったと考えておりますが、
厚生省はこういう点についてどういうような見解を下されるか、きょうお尋ねしましたが、言を左右にしてその点には全然触れておられない、これは非常に遺憾なことだけれ
ども、まあこの
委員会というものは
一つざっくばらんで、私が最初申し上げましたように御
相談申し上げたいと思っておったというのですから、よりよい厚生行政をやっていくためには、われわれの言うことも
一つ考えに入れるというつもりで、野党のわれわれが言えばいつも虚を突かれるとか、欠点をさらけ出すために、われわれが発言しているようにお考えにならないで、われわれの言うことも
一つ採用していくところがあれば採用していくというようなつもりで、ざっくばらんのところを
一つほんとうは言ってもらいたいのです。実際私が申しましたように、
あとでお配り申しますように、ほんとうに乙表の方が実績において安定した成果を収めておるということを私はあらためて見直してもらいたい、こういうことを申し上げておきます。これ以上の問題についてはお尋ねしましてもお答えがないようでございますから……。そこであらためてお尋ねしますが、以上私が申しましたことに少しヒントを求められてお答えが願いたいのです。それでは一体あの点数の
改正があった結果、あれは八・五%増すという意図でやられた
改正でございましたが、ほんとうに八・五%増したかどうか、これは一般
医師の場合とそれから歯科
医師の場合とどういう結果になっておるか、これはもうわかっておるはずです。基金でも統計は出ておるのですから、これから調べていくというのではなくして、現実に八・五%増した、あるいはそれ以上増した、これは一般と歯科
医師に分けて御答弁願いたい。