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説明員(
山本三郎君) お手元に差し上げてありまする
資料によりまして六号、七
号台風及び八月下旬の
災害の
被害状況並びに
復旧対策について御
説明を申し上げます。
第一ページには
台風第六号と
台風第七号の本土を襲いました
状況が書いてございますので、この点につきましての詳しい
報告は省略さしていただきます。
第二ページにそれらの
台風の経路がしるしてございます。
次に、これらの
台風並びに
豪雨によりまして起りました
公共土木施設の
被害状況を御
説明申し上げます。
第三ページに参りまして
台風六号によりまする
直轄の
河川の
災害でございますが、ここに書いてございますように九
河川に
被害を発生いたしております。これらの
総計といたしまして、四十五カ所で二億七千六百五十万円の
被害の
報告に相なっております。
次は四ページ並びに五ページでございますが、これが
台風六号によりまして発生いたしました、
地方公共団体の
復旧すべき
災害の
報告額でございます。ここにごらんいただきますように第一ページで七県、第二ページで十五県でございますが、それらの県を合せまして
補助災害の
総額が、五ページの終りから二行目に書いてございますように二十四億二千万円
余りでございまして、
直轄、
補助を合せますと二十六億九千六百九十五万一千円と相なっております。以上が
台風六号の
公共土木施設の
被害状況でございます。
次は
台風七号でございますが、これは御
承知のごとく、非常に広範囲に
災害を発生いたしているわけでございまして、六ページと七ページ、それから八ページ、九ページにわたりまして、
直轄河川に起きました
災害の
状況をしるしてございます。これでごらんいただきますように、七
号台風の
直轄河川大害は
関東、
北陸、
中部、
近畿等各
地方に広範に及んでおります。このうちで
被害の多かった
河川は、初めから申しますとまず
利根川でございますが、
利根川の
下流部におきましては
計画洪水位を突破している
部分もございまして相当の
被害を受けております。次に順次参りまして七ページの冨士川でございますが、この
河川が非常なる出水を見まして、
上流部の未
改修部分におきまして
堤防が破堤いたしまして、非常な
災害を発生いたしております。
改修の終りました
部分につきましては、多少の
被害はありましたけれ
ども、破
堤等のことは幸いにしてなかったのでございます。次に
中部地方に参りまして
木曾川がございますが、これの
支川と申しますが、
揖斐川のさらに
支川の牧田川という川がございますが、それが
揖斐川に合流する
部分におきまして
堤防が破堤いたしまして、養老町
付近に
浸水をいたしました。次は
近畿地方の淀川でございますが、この
河川におきましても
計画高水位を越すような
水位が参りまして、
堤防、
護岸等には相当の
被害がありましたけれ
ども、危うく破堤を免れたという
状況でございます。
以上のような
状況でございまして、
土木施設の
災害は二百二十四カ所で二十一億五千九百二十万五千円と相なっております。これは第九ページの計というところに書いてございます。
それから十ページでございますが、次は十ページの
砂防設備の
災害でございましてこれは
直轄で行なっておりまする
砂防設備の
被害状況でございましてこれは国の
直轄事業といたしまして
復旧をいたす分でございます。これも
関東、
中部、
北陸の各
地方の
直轄砂防地域に
被害が発生いたしておりまして、その
合計は十九カ所で九千二百五十三万四千円と相なっております。
次は第十一ページでございまして、これは
直轄の
道路の
被害でございまして、計といたしまして六十六カ所、五千六百万円でございます。以上
直轄河川、
砂防、
道路の
直轄の
被害を
合計いたしまして二十三億七百七十三万九千円と相なっております。次は十二ページ以下でございますが、十二ページから十五ページにわたりまして、七
号台風による各
府県の
公共土木施設災害の一覧と相なっておりましてこれは十五ページの一番下から二行目の欄に
補助災害の計というのがございますが、全部で二百四十三億一千六百六十万一千円と相なっております。このうちで特に
被害の大きいのは十三ページの
山梨県、これは現在までの
被害の
報告でございまして、さらに増大するような様子でございますが、六十億一千万円。次は
長野県でございまして五十七億九千九百七万六千円と相なっております。それに引き続きまして十四ページの
滋賀県でございますが、二十七億一千八百万円。その他十億をこす県といたしましては、
京都府が十五億、
福井県が十二億五千六百万円
余り、
三重県が十七億三千九百万円、それに引き続きまして六、七億から十億範囲に入りますものが、
岐阜県、
静岡県等でございまして
補助災害の
総計は、先ほど申し上げましたように二百四十三億一千六百万円
余りと相なっておりまして、
直轄、
補助を
合計いたしますと二百六十六億二千四百三十四万円と相なっております。
次は十六ページに参りまして、八月下旬の
豪雨によりまして
災害が発生いたしております。主として
北陸の
石川県、
岐阜県、
静岡県等でございますが、これによりまして起りました
災害は、
直轄の
河川におきまして菊川に五百七十九万円、それから
道路、
一級国道におきまして六百万円、
直轄の分が十三カ所で千百七十九万円と相なっております。
次は
補助災害でございますが、富山県が一億四百万円
余り、
石川県が十七億一千四百五十三万一千円、
岐阜県が二億六千三百五十四万三千円、それから
静岡県が、これは二十六日の
災害でございますが、五億五百七十万五千円と相なっておりまして、その他の
府県の少額なるものを合せますと、
補助災害が二十八億一千三百一万二千円と相なっておりまして、
直轄、
補助を
合計いたしますと二十八億二千四百八十万二千円でございます。
以上が
公共土木施設の
災害の
概況でございますが、それに対しまして
建設省の現在までにとりました措置のおもなる事項が十九ページ以下に書いてございます。
第一番目に、七
号台風が非常に大きな
被害を及ぼしたということにかんがみまして、八月十五日に
建設省に七
号台風災害復旧促進本部を設置するとともに、
災害の直後に
建設大臣は
山梨県及び
岐阜県、政務次官は
長野県の
被害状況を視察されました。
次に、七
号台風で非常に大
被害を受けました
山梨県、
長野県、
京都府、
滋賀県、
福井県、
岐阜県、
三重県及び
静岡県に、また八月二十三日の
豪雨災害で非常な
被害を受けました
石川県につきましては、
災害状況の
調査並びに
応急復旧工法の
指導に当らせるために、
現地にそれぞれ係官を派遣いたしました。さらにその後におきまして、
長野県、
山梨県等につきましては、
現地に
査定官をやりまして具体的の
指導に当らしております。
次に、六
号台風に起因いたしまする
大分県、鳥取県並びに七
号台風に起因いたしまする
岐阜県、
茨城県、栃木県、
静岡県、奈良県、和歌山県の各県については、目下
緊急査定を実施中でございます。その他の
府県につきましても、準備の
完了次第
緊急査定を実施いたしまして、おおむね九月下旬には
完了できるというふうに考えております。なお、
査定の
完了に応じまして、逐次終った分から
予備費の
支出をはかるようにしたい。それから
復旧資金といたしましては、各
地方公共団体の
要請に応じまして、
つなぎ融資のあっせんをいたしたい方針でございます。現にやっております。
それから
山梨県知事の
要請によりまして、
災害復旧事業の
計画の立案あるいは
測量等のために
応援の
要請がありました。
付近の
災害の比較的少かった
県知事に
応援の
派遣方を依頼いたしまして、東
京都が五名、神奈川県から六名、埼玉県から六名、愛知県から五名、さらに
茨城県から五名の計二十七名を
山梨県に派遣することができまして、
目下現地におきまして
応援を行なっております。また
長野県知事の
要請によりまして、
北陸地方建設局からは十六名を派遣いたしております。
次に五番目には、
直轄河川の
災害復旧の問題でございますが、これにつきましては
予備費を
支出して
応急復旧をやるわけでございますが、
予備費支出の間に合わぬ間も仕事をやらなければなりませんので、
既定経費を流用いたしまして
災害の
復旧に直ちに着手いたしたわけでございますが、
既定経費からの流用の金額がここにあげてありますように、
利根川外九
河川—富士川、
木曾川等はもちろん入っておりますが四十四カ所に対して、三億一千九百五十一万六千円の立てかえ工事を施行中でございます。
それから表には書いてございませんが、七
号台風によりまする
被害状況でございますが、これは
警察庁の一番
最後の情報と申しますか、でございますがそれによりますと、
死者が
合計いたしまして百七十六名、
負傷者が千五百三十八名、行方不明が六十五名、それから建物の
被害が
全壊三千三百二十三、半壊が一万百三十五、
床上浸水が三万四千四百十三棟、
床下浸水が十一万八千五百二十六棟、それから水田の
流失埋没が四千八百十七
町歩、冠水が五万六千百六十四
町歩等と相なっております。
以上簡単でございますが、
災害の
概況を御
報告申し上げた次第でございます。