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1959-08-04 第32回国会 参議院 建設委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年八月四日(火曜日)    午前十時三十五分開会   —————————————   委員の異動 本日委員内村清次君辞任につき、その 補欠として鶴園哲夫君を議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岩沢 忠恭君    理事            稲浦 鹿藏君            松野 孝一君            武藤 常介君            田中  一君    委員            小山邦太郎君            櫻井 三郎君            田中 清一君            米田 正文君            久保  等君            田上 松衞君            武内 五郎君            鶴園 哲夫君            向井 長年君            安田 敏雄君            小平 芳平君            前田 久吉君            野坂 参三君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    防衛庁経理局工    務官      三宅  穣君    法務省矯正局総    務課長     佐藤 昌之君    法務省矯正局作    業課長     杉田 勝久君    大蔵省主計局法    規課長     小熊 孝次君    建設政務次官  大沢 雄一君    建設大臣官房長 鬼丸 勝之君    建設省計画局長 関盛 吉雄君    建設省河川局長 山本 三郎君    建設省道路局長 佐藤 寛政君    建設省住宅局長 稗田  治君    建設省営繕局管    理課長     佐治  大君    建設省土木研究    所長      横田 周平君    建設省建築研究    所長      竹山謙三郎君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○建設事業並びに建設計画に関する  調査の件  (災害に関する件)  (会計法改正問題に関する件)  (治水特別会計に関する件)  (建設省関係工事執行状況に関す  る件)  (建設省土木研究所及び建築研究所  の研究態制に関する件)   —————————————
  2. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) これより建設委員会を開会いたします。  まず本日の委員長及び理事打合会について申し上げます。本日の委員会議事日程については、お手元に配付いたしました日程案通り行うことに決定し、なお九月の委員会は十日午前十時に開会することに決定いたしました。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 御異議ないと認めます。  なお建設省当局に申し上げておきたいと思いますが、休会中の委員会は月に一回でございますから、しかも事前にただいま申し上げたように、来月十日ということに決定いたしたのでありますから、でき得れば所管大臣が必ずその十日には出席せられる、というように一つお手配を願いたいと思います。   —————————————
  4. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) それでは災害に関する件を議題といたします。  去る七月十一日から十六日の豪雨による被害概況について、河川局長から説明を聴取いたしたいと思います。
  5. 山本三郎

    説明員山本三郎君) お手元昭和三十四年度公共土木施設災害概況というのがございますが、これによりまして、本年の一月からただいままで発生いたしました災害概況、それから七月の災害が特にひどかったわけでございますが、それらについて御報告を申し上げたいと思います。  まずこの一ページには直轄災害月別被害額報告額調べがございます。この直轄災害北海道道路河川等直轄で行います災害と、内地直轄河川災害が入っておりますが、これでごらんいただけますように、北海道は一月から五月までにおきまして、冬期の風浪並びに融雪災害によりまして、三億八千七百万円あまりの被害報告されております。それから内地直轄河川におきましては、七月の豪雨による災害が全部でございまして、これらの総計が四億八千二百万円余りになっておりまして、直轄災害の合計が二百十八カ所でございまして、八億六千九百万円余りになっております。  次が二ページに参りまして補助災害月別被害報告額調べがございます。これによってごらんいただけますように一月、二月、三月の災害は冬期風浪等によるものでございまして、比較的少なかったわけでございます。四月、五月の分が雪解け災害の分でございます。それから六月、七月の分が豪雨によるものでございまして、七月災害が特に数回にわたりまして各地を襲っておりますが、七月の災害が約八十一億でございます。これらを累計いたしますと、一万四千五百十六カ所であって、百十五億三千九百万円に相なっております。これら、直轄補助を合せまして約百二十四億に相なっております。  三ページに参りまして補助災害月別の発生の状況が書いてございますが、先ほど御説明申し上げましたように、一月、二月等は主として海岸地帯に起っております。三月、四月、五月は雪解け災害でございます。それから六月、七月は局地的の豪雨によりまして起ったのでございまして、特に七月の九日からずっと十二日、あるいは十三日から十五日、それから二十二日から二十三日に新潟県あるいは福岡県、山口県あるいは宮崎県等に、また山形県も入っておりますが、局地的の豪雨が強く発生いたしまして、その結果、第二ページの表でごらんいただけますように新潟県が約十六億、それから山口県が十三億八千万、福岡県が十四億八千二百万円と相なっておりまして、十億以上の災害を受けておるのが、北海道を入れますと、一道三県と相なっております。また五億円ないし十億円の県が、秋田県、富山県の二県と相なっておりますが、これらのものの対策でございますが、特に被害の激甚でありました長野、岡山、山口福岡宮崎、佐賀・長崎新潟等の各県につきましては、県当局から査定官をよこして復旧工法等の指導に当ってくれという要求がありましたので、災害の直後に査定官を派遣しております。  それから緊急査定につきましても、準備の完了いたしましたものを逐次査定いたしておりまして、すでに北海道秋田新潟の各県につきましては、第一次の緊急査定を終了いたしておりまして、目下予備金支出方について大蔵省と折衝中でございます。それから岩手県、新潟県につきましては八月一日に査定を終っております。それからまた富山宮崎、鹿児島、福岡山口山形の各県につきましては、八月中旬前後には査定を完了することになっております。  それから七月末までの過去五カ年間の被害の各年についての比較でございますが、本年災は補助災害百十五億でございましたが、一番少いのは三十一年災でございまして七十二億程度でございます。それからその次に小さいので、最近五カ年聞では三十年災害でありまして約百二十億であります。昨年は百五十七億でありまして従いまして本年は平均年度災害が起きておるというふうにお考えいただければ、と存ずる次第でございます。  以上簡単でございますが、災害報告を終らせていただきます。
  6. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 本件に関して御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  7. 田中一

    田中一君 救助法を発動したのはどこです。
  8. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 災害救助法は一町村単位で発動されておりまして、一番多いのが山口県、福岡県でございまして、具体体的に町村幾ら何個所指定されておるということはただいま持っておりませんが、もし御必要ならば調べて御報告いたしたいと思います。
  9. 田中一

    田中一君 対策と現況はどうなっていますか、緊急対策を立てられて……。
  10. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 先ほどちょっと御説明申し上げましたように、非常に急ぐ分につきましては現地査定官が参りまして工法を協議いたしまして、仕事をやることをすでに現地で認めて参っております。  それから緊急査定の終ったものにつきましては、予備金の出るのを急ぎますけれども、そういうのを待っておられませんものですから、出なくてもすでに着手してよろしいということで処置しております。
  11. 田中一

    田中一君 従来の報告人畜まで及んだ具体的な報告があったのですが、今度のは現地の警察からくるような災害情報というのはなかったのですか。
  12. 山本三郎

    説明員山本三郎君) これはこの前の委員会のときに御説明申し上げましたが、今回は今年に入りました全部の災害幾らか、どのくらいの程度かということに主眼を直さましたので、こういう報告でありましたが、各災害ごとにはそういう被害のものはございます。今回の表につけて参りませんでしたが、災害が何回にもなっておりますので、そのつどの災害ごと人畜あるいは住家被害等はございます。もし御必要ならばそれを御報告いたしてもよろしいと思います。
  13. 田中一

    田中一君 金額で表わすだけでは規模がわからないわけですね。これは十億なら十億の災害があったと思いますけれども、具体的に人間がどのくらい死んだか、家がどのくらい流れたかというものがなければ実感としてこないわけだね。それで伺ったのです。
  14. 山本三郎

    説明員山本三郎君) それでは後ほど取り寄せまして御報告いたします。
  15. 米田正文

    米田正文君 今後の災害についてはちょっと私はこれから研究しなければならない問題が一、二あるので、建設省のお考えも承わっておきたいのは、今度の災害建設省から言われているように局地的な豪雨であったために、小災害が非常に多いというのが一つの特徴だと思う。ことに水源山地の山くずれというものが非常に多い。それで現地では盛んに小災害措置、小災害いわゆる十万円、十五万円以下の限度ということを盛んに言っているのですが、前年度災害、前々年度災害等のときでも、あの限度はあれで現行のままいったので、あの限度を下げるというようなことも問題だと思うのですが、ただそれは下げるか下げないかの問題もあるのですが、かりに現行のままいくとしても、何か地方財政、特に市町村財政の問題をこの際もう少しはっきりしてやる必要があるという感じが非常に私は強い。というのは従来起債なりあるいは交付税なりであとの始末をする建前になっておるのだが、実際の現地に行ってみるとそれがはっきりしておらないうらみがある。起債充当率を何パーセントしてやる、そのあと元利補給交付税幾ら見てやるということがどうもはっきりしていない。県もはっきりしていないし市町村に行ってもその点がはっきりしていない。従来の小災害についての措置が明確でないと思う。特に交付税及び起債の点について、これは直接建設省の問題ではないけれども、まあ災害を所管する省として一つその点をもう少しはっきりさしておきたい。そうすると市町村財政計画を立てるにしても安心して立てられると思う。この次でけっこうですけれども一つ自治庁と検討しておいていただきたいと思う。この点が一つ、私自身も調べてみようと思っているのですが、お願いしょうと思うわけです。  それから国道は今度直轄維持にされているために、水害のあった場合には当然その措置建設省地建としてやらなければならない。これは従来国道管理をやっておらなかったので、水害復旧措置というものはまだ確立されておらない。この点は国道維持管理の責任を地建が持つとして、一つ地建にやらせる方途について研究をする必要がある。それでこれも一つ研究願いたいと思う。  それから今度は小災害でがけくずれが各地にあったということは今お話した通りですが、そのために地すべり地帯ではないが住宅移転を行いたい、集団移転をしたいという個所がある。それは地すべり防止地帯に指定したらよかろうという話もしたのだが、いやなかなかそれはむずかしいのだというようなことで、指定地域でなくても移転したいという希望がある、そういうときに対する措置研究を願いたい。  それからやはり住宅問題か、どうもまだその点はっきりせぬが、住宅を山の上の方にどんどん建てるという傾向がある、特に北九州等にある。非常な危険な所に建てる、そうして災害が起きるとわあわあ騒ぐというきらいがある。そういうのはあらかじめそういう危険な所には建てさせないという措置事前に必要じゃないか、という意見も非常に強く出ているので、私どももそういう点についてはある程度事前措置としての規制をする必要があるようにも思う。その点をどうすればいいか、一つ建設省としてお考え願いたい。  二、三のそういう点を実は私もまだ資料をそろえていないので、はっきり申し上げられませんけれども、そういう問題点があるので一つ研究願いたいと思います。
  16. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 先ほどの田中先生お話の、具体的な被害の警察庁の調べでございますが、七月の十三日から十五日までの分につきましてはここにございますが、全体といたしましては、死者が四十五名、このうちで一番大きいのは福岡県が二十名と相なっております。それから負傷者は七十六名でございまして、やはり福岡県が一番多くて五十八名、行方不明が十六名でございまして福岡県が五名、やはりこれは福岡が一番多くなっております。  それから建物でございますが、全壊が百五十七戸でございまして、福岡が八十一戸、山口が二十七戸、長崎県が二十二戸というふうに相なっております。  それから水田の冠水は全部で二万六千七百五十九町歩でございますが、そのうちで一番大きいのが福岡県でございまして、九千八百八十四町歩と相なっております。次が山口県でございまして六千九百六十五町歩、それに続きまして宮崎県が二千六百五十二町歩と相なっております。  それから罹災世帯数は全部で八千六百七十八世帯でございまして、一番大きいのがやはり福岡でございまして一四千五百八十六世帯と相なっております。  それから罹災者概況でございますが、総数が三万四千九百二十八人でございまして、やはり一番大きいのが福岡県でございまして一万七千百九十四人と相なっております。それに引き続きましては山口県でございまして七千八百七十九人ということに相なっております。この分がことしの被害といたしましては一番大きい分でございます。
  17. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) ただいま米田委員質疑に対する建設省側の答弁が、まだまとまってなければ次の委員会において一つ御答弁願います。
  18. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 今の小災害の取扱いでございますが、これは各府県から非常に要望が強いのですね。特に今度の災害町村災害の比率が府県災害に比べて多いということと、それから町村災害でございますので少額の災害が非常に多いのでございますので、私ども非常に心配をいたしまして、この実情調べるとともに、自治庁に今までとった処置、それから今回の災害についてどういう処置をとるかということを話し合おうということで、今具体的に資料を集めつつございます。去年もいろいろ論議されましたけれども、やはりお話のように起債充当率も多少はふやしております。例の国の補助対象になった分の一七%か一六%とかという起債を認めておるわけでございます。それを多少去年はふやした、それから特別交付税でやっておったものを普通交付税でやるようにした、しかしその率はやはり二八・五%くらいだというようなことが実績のようでございます。今回はそれでいくと非常に町村あたりで困るのが出てきはしないか、補助対象になる分は高率の補助になりますけれども、補助対象にならぬ分については町村の負担が重過ぎるとも考えられますので、よく調べまして、自治庁とよく折衝したいというふうに考えております。
  19. 佐藤寛政

    説明員佐藤寛政君) 先ほど米田先生からの御質問でございますが、一級国道直轄指定化につきましては、御承知のように維持費を持っておるわけでございます。従いまして災害等を受けましたときに、取りあえず応急的なことは、ただいまのところ維持費をもってさっそく処理する、そうして片道でも何でも通れるようにしておきましてそうしてその後の復旧につきましては災害復旧を要求するようにしたい、こう思っております。これにつきましては、先ほど先生御指摘のように、今まで大蔵省との間にいろいろ問題がございますので、その点につきましては私は交渉したいと思っておりますが、まとまるに至りましたら御報告を申し上げるようにしたいと思います。取りあえずのところは、維持費をもって片道でも、それからまた大きな車が通れない場合は小さな車を通すだけでも、応急的な交通維持維持費でもってやるように予定しております。
  20. 稗田治

    説明員稗田治君) 米田先生の御質疑は二点ございました。最初の地すべり地域でない所で、がけくずれ等によって集団的の移転を希望しておる場合に、それについて国の方で何か施策研究すべきではないかという点でございますが、昨年住宅金融公庫法を一部改正いたしまして、災害復興住宅の場合には移転、補修またはがけくずれの手当等についての融資をする道を開いたわけでございます。ただ問題といたしましては、住宅金融公庫法災害復興住宅、大体公営住宅法の八条の災害と同じ程度のものを取り上げるようになっておりますので、どの程度災害のところまでは国の施策を及ぼすかという点で、いろいろ研究すべき点があるわけでございます。今後とも十分実情に合うように検討いたしたいと思っております。  第二点といたしましては、災害が予測されるような区域に家を建てるのをむしろ抑制して、何か禁止区域かそういうものを設けたらどうかというお尋ねかと思いますが、それは建築基準法におきまして災害危険区域というのがございまして、地方公共団体条例で津波、高潮、出水等による危険の著しい区域災害危険区域として指定することができることになっております。その危険区域建築制限については、禁止またはその他建物制限でございますとか、そういうことを条例として付加するようになっておるようでございます。従いまして地方公共団体の方で今日でも、そういう危険区域を指定しようという手続を踏めば、実施できることになっておるわけでございますけれども、今後なお地方公共団体を十分指導いたしまして、早急に、明らかに危険な区域については、そういうような措置をとるように指導していきたいと思っております。
  21. 米田正文

    米田正文君 河川局長にさっき言った趣旨をもう少しはっきり言っておきたい、交付税の問題の前に起債の問題があるので、起債充当率をうんと上げておかぬことには、あと交付税率が二八・五%だとか何だとかいったところでもとの方が大きくないと小さくなってしまう、だから初め起債充当率をうんと上げることが必要だと思うから、これは特に自治庁によく……、そうして起債率幾らにするということをはっきり言ってもらいたいのだが、昔から自治庁ははっきり言わぬようだが、はっきりせぬとみんなが納得せぬ時代にきておるように思うのだが、その点を特に言っておきたい。  それから道路局長には、今の維持費から出すのはそれはいいのだが、財源的な問題よりも、特に今は国道管理直轄でやり出したのが日が浅いために、たとえば災害復旧のごときは入札をしてそろそろ復旧工事をやるというような性質のものでない、普通の今までの方法ではやれないところがあるという意味で私は言っておる。だから水害のごときはすぐその場で仕事を始めなければならぬようなことがあるから、そういう緊急措置緊急工事が行われるような、地元の要望に応じて早くやれるような措置を考える必要があるという趣旨です、私の言うことは。今度たとえば福岡から小倉の間の国道不通になったのだが、鉄道も不通になったのだが、特にあの国道は非常に交通量の多い重要な所だから、一時間を争うような所だから、そういう場合に従来建設省がきちっとやろうとすると、入札とまではいかぬけれども業者もよく選定して、というようなことになりがちだと思うから、そういうときにどうするかというような実際問題からの管理研究をしてもらいたいという趣旨です。
  22. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) ほかに御質問ありませんか……。   —————————————
  23. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) この際委員の変更について御報告いたします。本日内村清次君が委員を辞任せられ、その補欠として鶴園哲夫君が委員に選任せられました。   —————————————
  24. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) それでは第二の議題会計法の改正問題に関する件を議題といたします。御質疑の方は順次御発言を願います。
  25. 田中一

    田中一君 私が質問しようと思うことは、あなたよく御存じだと思うのですが、第二十四国会に、政府会計法の一部を改正する法律案を提案したわけです。この法律案参議院の先議で参議院全会一致で通し、そうして衆議院に回付され、衆議院継続審議になって二十八国会までこれを持ち越された、ところが第二十八国会衆議院を通過し、それが参議院の再議となったけれども、衆議院解散のためそのまま廃案になってしまったという経緯があるのです。そこでこの問題に対しては政府相当関心をお示しになって何か今会計法全般に対する立案をしているというように聞いておるんです。で少くとも衆議院参議院とも通過した法律がそれがそのまま放置されておる。事務的な時間的な面で廃案になったというこの事態をそのまま傍観しておって、そうして再提出しないということはあり得ないと思うんです。そこでこの法律案に対する大蔵省考え方、同時にまたこれを再提出するかどうかという問題、またこれに関するあなたの方でよりよきものをねらうというならば、そのような考え方一つ報告願いたいと思うんです。
  26. 小熊孝次

    説明員小熊孝次君) お答えいたします。会計法の二十九条の改正案につきましては、ただいま先生の仰せになりましたように二十四国会に提出しました。その後二十八国会におきましてただいまお話のありましたように、衆議院解散のために審議未了となったという経緯をたどっております。われわれの方といたしましては、実は前から現在の国の契約制度というものが相当古い制度でございまして、まあ時代にそぐわない点が多々ある。その点は若干またこれからお話申し上げたいと思いますが、それで検討しておったわけでございますが、何しろこの問題は対民間関係におきましても相当影響のある問題でございますので慎重に検討しておるわけです。それでわれわれが問題にしております点は、現在の契約方式の基本的な問題といたしまして、一般競争原則でありまして、それから指名競争随意契約というものが例外的な措置になっておりますが、実際の運用といたしましては、物品の購入とかそういうものにつきましては一般競争がございますけれども、まあ請負というようなことになりますとほとんど指名あるいは随契、こういうことになっておるわけです。でこういうものは各国の例を見ましてもやはり一般競争原則になっております。ただやり方がやはりある程度の何といいますか、相手方、入札に参加できる者の制限と申しますか、そういうものをある程度相当付しておる。それでそういう入札参加者の資格というものをどう考えるかというような問題をまず検討してみる。それから競争します場合に公告するわけでございますが、この公告方式もなかなか一定しておるわけではございません。国によりましては、何と申しますか、国あるいは業者団体もあるんですが、契約公告を全部集めましたそういう新聞みたいのを出しておる、それによって一般に周知せしめておる、こういうような例もございますが。で国といたしましては、これは競争原則といたしまして、公正な競争による利益を得るということが正しいと思いますが、あまりにも競争々々といっておりましても非常にいろいろ大事な仕事、そういうものになりますと、非常に危険もございますし、また新聞に載せるというようなことになりましても広告料相当高くとられる、時間もかかるというようなことで、そういうような事務的な見地、あるいは仕事の内容というようなことによりまして、相当妥当な線で競争を行なってゆくということが必要であります。こういう点について各国の例もございますし、それから現在財務局財務部に調査を依頼しまして、いろいろな意見あるいは現地における調査をとっておりまして、その集計の報告も私の方の手元に集まっておりまして、そういう点を参考にいたしまして、この契約全体につきましてなるべくすみやかに改正すべきものは改正したい、このように考えております。それでわれわれといたしましては、先ほどの会計法二十九条の前に国会に提出いたしました改正点につきましては、それはそれといたしまして、ただいま申しました他の点と合せまして改正できれば一番いいわけでございますが、ただその他の点につきましても、まだその他たとえば根本的には契約公告というものが、従来から国の契約の申し込みであって、相手方の入札というものは承諾である、そこでいよいよ契約が成立してしまうんだ、というような根本的な法律論でございまして、こういうものをまあ全般的にどう取り入れていくか、各国の例によりましても、まあ日本のような形式、日本のような法律的な考え方というものは比較的少い。公告というものは申し込みの誘因であるというような例が比較的多いわけでございます。そういうものを全般的にどうやっていくかという問題もございますし、あるいは予定価格の積算の問題をどうやっていくか、それから入札保証金と契約保証金というようなもの、これも比較的励行されておる点が少いのでありますが、国によりましては非常に厳格に取っておるところもございます。そういうようないろいろな点を今資料を集めておりますので、それを検討いたしまして、この間の改正点と合せまして、できれば今度の通常国会までに出したい、このように考えております。もちろんその場合に法律事項になるものもございますし、それから法律事項にならないものもございます。つまり今まで申しました点につきまして、いわゆる国の契約制度といたしまして、この際できるだけ妥当なものにして、それで一斉に実施していくという方が妥当ではないかと、このように考えておるわけでございます。
  27. 田中一

    田中一君 今後まああるいは契約法という法律をお作りになるかどうかの問題は、これは政府原案に出すんですから、提案されるのを待っておりますが、過去においてもう提案したところの法律案について、このまま今度の契約法なり何なりの法律案に一緒にして出すつもりでおるんですか。
  28. 小熊孝次

    説明員小熊孝次君) もちろん、かつて出しましたところの会計法の改正につきましては、これは通常国会に出すという方針で進んでおります。しかしできればわれわれといたしましては、相当古い契約制度でございますので、これをこれだけでなしにほかの点も合せて、やはり相当に関係するところがございますので、それを合せて一丸として会計制度の改正を実施していきたい、このように考えております。
  29. 田中一

    田中一君 御承知と思いますけれども、この法律案趣旨というものは非常に歴史的に古い経緯をたどってきたんです。社会党、労農党、自民党、これ全部含めてこの趣旨法律案の成立をかけて提案したこともあるんです。そこで二十九条の改正点の問題に対しては、じゃあ大蔵省は二十四国会に提案したこの提案の理由としては今日までちっとも変っておらない、というように理解していいんですね。
  30. 小熊孝次

    説明員小熊孝次君) 前の提出いたしました会計法の二十九条の改正というものは、その最低落札者をもって契約の相手方とする原則に変りはありませんが、ただその最低落札者の価格をもってしては国の契約というものが完全に履行できないという場合に、これを排除して二番入札者を契約するということでございますので、これはいろいろな経済情勢が変りましても、制度一自体としては結局国のためにならないことでございますので、これは制度自体として提出した当時それから今日の事態におきましてその変化はない、このように考えております。
  31. 田中一

    田中一君 せんだって新聞等で騒がれた東宮御所の入札の場合でも御承知のように、予定価格が幾らか知りませんけれども少くとも一万円で落札した。これに対して現行法ではわれわれの理解では一万円は最低ですから当然これは契約していいと思うのです。また大蔵省も当然一万円でいいということにならざるを得ないと思うのです。ところが当時の大蔵大臣はどういう策をしたか知らぬけれどもそれを辞退させ、そうして五名か六名に一千万円か、何千万円でしたか、大したものじゃないけれども分割して共同施工をさしている。こういう問題に対する大蔵省の見解はどうなんですか。
  32. 小熊孝次

    説明員小熊孝次君) ただいま先生お話のありました例の一万円入札事件でございますが、これは実は政府部内でもいろいろ検討したわけでございます。法律上の検討はいたしたわけでございます。これはその一万円で契約しなければならぬということには必ずしも結論は出なかったわけでございますが、事が事でございますし、それからまあ急ぐことでございますので、そこはあのような処理のやり方で解決するということになったのでございます。法律論としては、それは一万円でも有償であるから請負であるという議論もございますし、いやそれはだれが見たってそれは一部必ず贈与があるに違いない、こちらが競争さしているのは請負価格として幾らかということを聞いて競争さしているのであって、何千万円のものを一万円というのは、これは国にとっては請負契約競争ということも考えられない、こういう議論も成り立つと思いますが、ただそこでいろいろな、事が事でございますので、ああいうような処理の方法になったのでございますが、結論としてはあれが正しいことであったろうと私は考えている次第でございます。
  33. 田中一

    田中一君 何ですか、入札者の意思とか心とか考え方とかいうものが数字に、法律的にあなたが解釈した場合に見えますか。ということは、あなたが今、だれが見てもこれは贈与が含まれているだろうというような推定をして、推測をしているわけですが、少くとも法律にのっとった制度によってその執行者であるところの公務員が、そうした意味の憶測を含んだものでその是非を判断するということがあり得るのですか。
  34. 小熊孝次

    説明員小熊孝次君) それはまあ非常に争いの種には私はなると思います。しかし一つ法律論として議論の対象にはなるということを先ほど申し上げてあります。たとえば裁判所へ行ってそういうことを議論した場合におきまして、それは法律論としては一応の言い分が立つということを申し上げたのであります。ただそれでは問題というものが解決しないわけでございますので、まあああいう処理の仕方になったと思うのであります。ただ今回のような、まあ今回と申しますと語弊がありますか、前の制度、今度の制度によりましても、今度審議未了になった法案によりまして、果してどういうことになるか。根本的にはやはり何と申しますか国が公告をするということが契約の誘因であるというような、申し込みの誘因であるというような方式にすれば相当自由裁量がきくわけです。自由裁量というと語弊がありますが、相当留保ができるわけでございます。各国にもそういう例がございますが、そういう方式一つ考え方だと、このように考えているわけでございます。まあああいう事件もございましたので、この間の案というものはそういう点も十分考慮いたしまして、十分検討した上で提出した、このように考えております。
  35. 田中一

    田中一君 あの入札が高入札で行われたものならば何にも言いません。少くとも建設省はそれまでの指名者の中にその入札者を入れて応札さしたわけです。これは損するとか贈与という問題をあなたは論ずる前に、なぜそうした業者を入れたかということが問題にならなきゃならないのです。十分の一であろうと百分の一であろうと、この人間ならばやれるのだという前提で指名したと思うのです、おそらく。しかしこれは、われわれが考えておるのは、よくあるのですよ、金融の上から半分の値段で入札しようというような人もいるわけですよ。たとえば大きな業者はそこで一億や二億損しても、わきの方でカバーする仕事を持っておれば、なにそんなこと平気で損する仕事をとっております。そこでもって契約をやっております、どんどん。これは何かというと結局中小業者が参ってしまうわけですね。そういう問題もからんでこの二十九条の改正というのは、このままの姿で出そうということになると、また別の面から見た場合には非常に危険を感ずるわけであります。なぜかというと、あなた方は、あなたはそんなことはないでしょうけれども、悪い公務員もおりますからね、話し合いで漏らしてやるということがあるのです。しかしこいつは会計法じゃ縛れません、これは。これは刑事上の問題として見つけたらつかまえる以外にないのです。ただ制度としていつまでもこの現在の方式でやっちゃならぬと思うのです。そこで契約法というものを作るならば、当委員会にその草案の草案でかまいませんから、全貌を明らかにしてほしいと思うのです。草案の草案でかまいません、考え方としてこの方向に向って考えているのだということを示してほしいと思うのです、これはあなたの方の所管ですから。おそらく公共事業を持っておるところの各行政部局は弱っていると思うのです。そうしていながら地方公共事業に対しては、全部建設省昭和二十六年に通牒を出して勧奨しております。妥当な額でないと、まあ一口に言えば、契約をするな、一定の線ですね、これならば仕事が間違いなく完成できるという線で押えろという通牒を出しているのですよ、一面。でありますから、地方工事というのはおおむね突拍子もない安いものとか、あなたがさっき言ったような贈与的な仕事はさしておらないのです。国だけがそれをあえてやっているのです、国だけが。そこで先ほども話したように当時の自由党、民主党、緑風会、社会党、労農党まで入ってああいう法律案を出して、何とか中小企業を守らなきゃならぬという気持から一回、二回となく、重ねて出している。それに応じかねて政府が、もちろんそれもなまぬるいけれども、会計法の第二十九条の改正というのを出してきたわけです。衆議院参議院も通っているのです。ただ時間的な問題でそれは不成立になったというこの現実をあなたはよく知っているはずなんです。でありますからよりよいものを作ろうという意図があるならば、その草案の草案でけっこうです。考え方一つ、今できなければ将来にでも、その部局の方がおまとめになってお示し願いたいと思うのです。
  36. 小熊孝次

    説明員小熊孝次君) その考え方がまとまりました場合には御報告いたすことにいたします。
  37. 田中一

    田中一君 通常国会に出そうという気持で立てておるのでしょう、それでこの法律案は三十三年に結局不成立になっておるのです。まあ相当たっておりますが、これぐらいのことは、まとまりますのはいつですか。少くとも通常国会には提案しようというのですね、そういった考え方一つはっきりと示してほしいのです。
  38. 小熊孝次

    説明員小熊孝次君) 先ほど来申し上げておりますように、この二十九条の関係につきましてはまあその一万円事件というような要素がございますし、それからその他のわれわれの考えております各種の契約制度原則を確立せしめるというような考えもございますので、それとあわせてただいま検討中でございます。それで通常国会には法律を要する事項につきましては法律案を提出する考えでございますが、その考え方がまとまり次第御報告することにいたしたいと思います。   —————————————
  39. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) それでは次の議題に移ります。治水特別会計に関する件を議題にいたします。御質疑の方は順次御発言を願います。
  40. 田中一

    田中一君 私は、先ほど委員長からも御注意があったのですが、少くとも暑いさなかにこうして委員会を持っておるのです。建設大臣がどういう重要な公務がおありか存じませんけれども、委員会の開催というものは事前に通告をしているはずなんです。にかかわらず今これから質疑を進めていこうというような問題について、大臣の欠席というものははなはだ不満です。政務次官から一つ、今建設大臣はどこに、どういう重大な職務で行っているか、まずもって御説明を願いたいと思います。今質問しようという治水特別会計設置法の問題に関しては、おそらく政務次官としても答弁にお苦しみになると思うのです。でありますから、政務次官から村上建設大臣の現在の位置何をしているかということの説明ができなければ、官房長から一つ説明して下さい。こういうことは国会に対する軽視です。
  41. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) ただいま田中委員からのお尋ねでございますが、十分大臣に御趣旨を私からお伝えするつもりでございますが、ただいまの御出張はやむを得ない用務でございまして大分の行政視察から福岡災害の視察に参りました。ただいまは国際会議場の会館の問題等も御承知のように重要な問題でございますので、その候補地の関係等につきましては京都、滋賀、その方面をただいま視察中でございます。通常国会までに建設省といたしましては、どうしても方針をきめたいという考えを持っておりますので、やむを得ずただいま出張しているような次第でございます。御趣旨のあるところは十分今後お伝えいたしたいと思いますが、御了承願いたいと思います。
  42. 田中一

    田中一君 私は国際会館の設置がそんなに緊急なものとは考えておりません。従って委員長から今後の当委員会の運営の問題もございますから、これから十分に建設省に申し入れしまして、国際会館の設置の場所、これは滋賀県と京都府と——大津市と京都市といいますか——がけんかしておることはよく知っております。これは参議院委員会をうっちゃっていくような重大なものとは私は認められません。従ってそれほどの重要性があるかどうか、委員長からお調べになって当委員会に御報告願いたいと思います。  そこで今議題になりました治水特別会計の問題は、建設大臣は各所で放送している問題です。たとえば山形県でもこれを放送しました、選挙の最中に。そこで相当な自信がおありと思います。従ってこれに対する考え方、それから決意等を詳細に御報告願いたい。何新聞か知りませんがある業界新聞だと思いましたが、何か相当詳しく報道が出ておりましたけれども、これを一つのアドバルーンとして河川局長あたりが上げたものかもしれませんけれども、新聞にそういうものがどんどん出て、われわれは少しでも治山治水の問題につきましては、党派を別にしてこの完成を期そうというような気持を持っておる当委員会としては、はなはだ不満であるわけです。従って、詳細に、現在考えており、かつまた、建設大臣が各地へ行って放送しておる内容について中間的の報告を願いたいと思います。おざなりな作文の答弁は伺いません。それは、答弁ができないならば、急速に建設大臣の出席を待って伺いたいと思うのです。
  43. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) 治山治水の問題につきましては、建設省といたしましては、明年度の予算要求の重要施策中のうちのなお最重点の重要施策として、ぜひこれを実現いたしたいという熱望と決意をもちまして、現在いろいろと検討いたしておりますわけでございますが、その概要をごく簡単に私から申し上げますると、三十三年度を起点といたしまして、三十七年度まで五カ年計画事業費として三千五百億円を予定いたしておるわけでございます。このうち、国費の所要額といたしましては、治水事業の国庫負担率引き上げを予定いたしまして、昭和三十五年度以降三十七年度までに約二千二百余億円を要することに相なっております。
  44. 田中一

    田中一君 ちょっと御発言中ですが、あなた資料をお持ちならば、資料を配付して下さい。全部配付して下さい。
  45. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) 資料というほどのものは今のところ作っておりませんが、検討いたしておりまする建設省の案は、内部の案としてあるわけです。それを申し上げておるわけでございます。    〔委員長退席、理事稲浦鹿藏君着席〕
  46. 田中一

    田中一君 内部の案でもけっこうです。少くともわれわれは治山治水を一日も早く……。
  47. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) 今私が申し上げておることでございましたら、あとでこれを御配付いたします。
  48. 田中一

    田中一君 あとでなくて先に下さい。説明するならば……。
  49. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) まだここへ用意いたしておりませんので。
  50. 田中一

    田中一君 この問題は前々から、十日も前から申し上げてあるのです。こういう問題で質問したいからその資料をつけて出していただきたいと申し上げてあるのです。われわれは、治山治水事業というものが、予算が減っていって、国土が荒廃していいという前提でもって質問しているのじゃないのです。
  51. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) 一応御説明申し上げまして、あとで申し上げましたことで必要がございましたら、その資料等も差し上げたいと思いますが、今申し上げましたように、三十七年度までに約二千二百余億円を要します。明年度におきましては約五百五十余億円、本年度から百八十余億円、約五割程度の増額となる見込みでございます。この財源措置につきましては、今後の一般歳入の見通し等から考えますると、この五カ年計画を的確に実行して参りまするためには、どうしても特別な財政措置が必要であろうと考えられまするので、ただいま政府低利資金の導入等を骨子といたしまして、既設の、御案内の特定多目的ダム建設工事特別会計を統合いたしました治水事業特別会計の設置等につきまして鋭意検討を進めておるところでございます。  なお、この特別会計の基本的な構想といたしましては、おおむね土地改良並びに道路整備の各特別会計の例に準じたものとしたいと考えておりまして、五カ年計画と合せて、この財源措置の確立をはかりたいと考えておるような次第でございます。  以上申し上げたところが骨子であるわけでございまするが、なお必要な資料等につきまして、具体的に御質問がございますれば、調製して御配付を申し上げたい、かように考えておるような次第であります。
  52. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) そういう案でもあれば、粗案でもいいですが、そういうものは出せますか。
  53. 山本三郎

    説明員山本三郎君) これは、大蔵省に予算要求を出すまでにしっかりした数字は出るわけでございますが、現在考えておる程度資料ならば、刷りまして差し上げたいと思っております。
  54. 田中一

    田中一君 そこで、昭和二十八年九年でしたかな、治山治水五カ年計画というものを策定したのは。あれにのっとって現在出ております新治水事業五カ年計画がございます。この建設の方の新しい五カ年計画の面から見ても、特別会計に持っていくならば、少くとも事業量は伸びるのだ、そしてまた幅のある合理的な、むだのない工事ができるのだというようにわれわれは理解しておるのです。われわれの方の党としてはまだ検討しておりませんが、他の道路整備にいたしましても、ダム特別会計にいたしましても、同じような形の公共事業というものが行われるのじゃないかというような理解の仕方をしておるのですけれども、事が砂防の問題になりますと、これは非常に今までの新治水事業五カ年計画の面から見ても、非常な低い比率をもって計画されておるということを指摘したい。  そこで、一体新治水事業五カ年計画では、三十三年、三十四年、三十五年、三十六年、三十七年と、五カ年間のうちに、今まで計上している予算の面から見ますと、砂防工事だけが非常におくれている。もしもこのままで進むならば、五年目には相当な大きな事業をかかえなければならぬ、この完成をしようとするのには。そこで、そういうふうな配分を一応している点から見て、一体河川局長としては、砂防事業に対してどういう考え方を持っておるのか。そして来年は第三年目ですが、どういう構想を持っておるか、伺っておきたいと思うのです。
  55. 山本三郎

    説明員山本三郎君) この五カ年計画を確定いたしたいという目的は、先ほど先生が御指摘になりましたように、現在のような状況だと、五年たちましても、どういう事業がどういうようにできるかということがはっきりしないわけでございます。さらにまた、来年度の事業が幾らになるかということもわからないわけでございますので、こういうふうな非常に関連のある事業を年度ごとに遂行していかなければならない事業につきましては、五カ年ではどれだけのものができるかということをはっきりするということが非常に必要なわけでございます。それからまた、従来のような伸び率で参りますると、手をつけたものも完成の年度が非常におくれて、資金の効率が非常に悪いというような点から考えまして、事業量も計画に従いまして確定いたしまして、がっちりと事業をやっていきたいという二つのねらいでございまして、その点はただいま先生の御指摘になりましたところと全然同じでございます。  それから砂防事業につきましては、もちろん河川なりダムなりとの計画と調和をとりましてやっていかなきゃならぬわけでございます。特に山地の荒廃等の激しいところにおきましては、小さい渓流といえども、砂防の堰堤をぜひ一本だけはこの期間に入れなきゃならぬというふうなことを考えまして、計画しておるわけでございまして、五カ年間の事業費といたしましては、三千五百億円の中で約八百四十億円程度を砂防に入れたいということに相なっておりまして御指摘のごとく、この総事業額につきましては、砂防の進捗率は、従来におきましては、三十四年度はある程度の伸びを示しましたわけでございますけれども、三十三年度までは非常に伸びが悪かったわけでございまして、三十五年度以降におきましては、砂防事業におきましては、ほかの事業と比較いたしまして、さらにこれを増強いたしまして、三十七年度末におきましては計画通り実施できるように処置したいというふうに考えております。
  56. 田中一

    田中一君 今までのあなたの計画を見ますと、大体三十七年度には三百四十四億の事業を消化しなきゃならぬということになる。私どもが今まで感じ取っておることは、少くとも三百億などという年間予算をとれるような砂防という事業の政府の認識ではないと思うのです。ことに砂防事業は御承知のように林野庁がやっております。林野庁の場合には、特別会計でやっているのが一つと、それから補助工事は県でやっておりますが、その点に対する調整なども、一体どう考えておるのか。ほかの場合には大別されます。しかし砂防だけは、農林省も事業をやっているという現状から見てこれだけの仕事をどういう計画のもとに完遂しようとするか、もう少し具体的に説明していただきたい。
  57. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 要するに農林省でやっております治山事業と、建設省の砂防工事は非常に密接な関連を持っているわけでございまして、三十四年度の予算を決定する際におきましても、この間の調整をよくやってもらわぬと五カ年計画の確立はなかなかむずかしいというようなお話もございましてこの間の調整に主眼を直さまして事務当局間で今日まで努力をして参ったわけでございます。そして川ごとに砂防と農林省の治山との計画の打ち合せをいたしまして、そうして現在までのところは個所別には重複をいたしませんし、さらに砂防の立場からは、これだけの治山はぜひやってもらいたい、治山の立場からもこれだけの砂防は頼むということでできておりまして、砂防の八百四十億に対しまして治山は七百十八億だと思いましたが、がっちりした数字は今多少の違いはあるかもしれませんけれども、七百億円余りの事業費が必要であるということに相なっておりまして、それだけの事業はお互いにぜひこの五カ年間にやってもらいたいということで話し合いはついております。そうして仕事の順序も、現地におきましてお互いによく相談してやっていこうということで進めておるわけでございます。従いまして一番他省と接触の多い治山、砂防の問題は、事務的には一応従来に比較いたしましてずっと向上いたしたというふうに考えておる次第でございます。
  58. 田中一

    田中一君 三十五年度考え方としては、どのくらい要求するつもりでおるのです、事務当局として。
  59. 山本三郎

    説明員山本三郎君) ただいまお話がありましたように、砂防工事はなかなか、山の中でございますし、非常に認識が足りない。先生方も御承知と思いますけれども、府県の当局等におきましても、非常に予算が苦しくなると、砂防工事をまず返そうというようなことを言う県も非常にあるわけでございまして、それらが非常に私ども心痛いたしておるわけでございまして、中にはすでに砂防の予算を返そうと言っておる県も二、三あるわけでございまして、それらの点が非常に私どもといたしましてもやりにくく考えております。しかしそれではいけないというわけでございます。先ほど政務次官がお話がございましたように、補助率を上げまして、ほかの事業ももちろんでございますけれども、砂防工事につきましても国の負担率を上げまして、ぜひその遂行をやっていきたいということに考えておりまして来年度におきましては、大略、事業費といたしまして、全体といたしましては四割五分程度の事業費の伸びにいたしたいと思いますけれども、砂防におきましては、さらに平均率よりも一割以上の倍率で要求したいというふうに考えております。
  60. 田中一

    田中一君 そこであなた言っておるように八百四十億程度仕事をしなければならないのだというのがこの新治水事業五カ年計画というわけです。そこで三十三年度は七十三億、三十四年度は八十一億、それから三十五年度には、今あなた言ったように、伸びを見ても百三十億程度の要求だと思うのです。八百四十億の仕事をするには三十六年、三十七年、二百万、三百万上というような事業をしなければならぬということになると、私はこれはとても、単なる計算の数字であって実際仕事ができないのじゃないかというような心配を持つわけであります。今のような小さな課でこれを扱うなんということは想像できない。そこでそういう問題に対しても、三十五年度の予算を要求するに当って、河川局長としてはどういう態度をもって臨もうとするのか、伺いたいと思います。
  61. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 砂防事業の来年度の要求の問題につきましては、ただいま府県要望等につきましても具体的にとっておりますので、これも府県要望が出てきませんと、膨大な要求を出しましても、なかなか府県が返すというようなことになると非常に心配なものでございますから、できるだけ負担率を上げまして、しかも府県で、もらった分は完全に消化するという態勢でつけませんといかぬわけであります。  それから事業の施行の問題でございますが、本省の機構を、人間をふやすということも必要でございますけれども、府県の方面におきましても、これらの点につきまして、ずっと従来よりも力を入れてもらわぬとならぬわけでございまして、本省におきましても、砂防課の人員をふやしたいということは要求するつもりでございますが、府県におきましても、この方面に人をふやしてもらいまして施行を十分にやってもらうように努力しなければならぬというふうに考えておる次第でございます。
  62. 田中一

    田中一君 政務次官が言った補助率の引き上げというのは、幾らのものを幾らにしようというものですか。
  63. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) 大体現在までに臨特でやって参りましたところまで引き上げたいと考えております。砂防は四分の三でございます。
  64. 小山邦太郎

    小山邦太郎君 先ほど政務次官のお話で、今年こそはぜひこれを特別会計設置に持っていきたいと、非常に熱意を示されたのでございまするが、昨年においても大臣は同様の熱意を示された。しかもそれが行われなかったというのは、一体おもなる原因はどこにあったのか、その原因を探求することによって今日これを行おうとするには、それらの問題はどういうふうな解決をしようとしておるのか、また解決したのか。聞くところによれば、大蔵省あたりでは特別会計としては返済に充てる見返り財源がない、そういうものを特別会計にすることは非常に困難じゃないかというようなことも一つの反対理由、これが実現しなかった理由の一つでもあったわけです。  いま一つには、先ほど田中委員からのお話の農林省関係、建設ではそれだけの熱意を示しても、農林省の山腹工事とマッチしていかなければうまくいかぬではないか。これらの疑いに対して、十分納得のいくだけの両省の間に打ち合せがついておらなかったというふうに聞いておるのですが、今伺えば大体農林省との関係はよさそうに聞きましたが、この返済財源をどこに求めるか、ここで問題が起きやしないか。  そこで先ほどのお話では何か多目的ダム、すでに特別会計になっておるそれを拡充し、その中に織り込もうという、織り込まれてみてもその事業費をどういうふうな方法で返していけるかという、まあ借り入れでどんどん仕事をする場合に、その財源がどこに求められるのかという見通しはどういうふうについておるのですか、どうですか。言いかえれば、去年熱意は同様にあったにもかかわらず実現しなかったのはどこにあるのか、それを尋ねてそれを解明していかない限りは、今日やはり熱意を持っておっても、その困難がやはり残っておるのではないかとおそれるのです。これを一つ伺いたい。  それからどうしてもこの砂防は先ほど局長からもお話通り、人の目につかない仕事だからいよいよとなるとこいつにしわ寄せがくる。であるから地方負担をうんと減らさなければならぬ。そこに魅力を持たせなければいかぬと思うのですが、今お話を伺うと、臨特程度の一括された負担にしていきたい。これで一応これはいいかもしれませんが、さらに年次計画について三十六年、七年というところへ持ち込んでおる。これはできない相談にまたなりはしないかとおそれるのです。これはどういうわけでそういうふうに向うの方に将来に荷がよけいかかるか。今は人手が足りないというのか、施行する組織が不十分であるからこれよりしようがないというのか。もし組織が不十分であるならば組織を拡充するということが当面すぐ必要ではないか。その拡充には局にするのか部にするのかどういうふうに持っていくのか。これらの点はなかなかよほどの用意をもって臨まなければ、熱意だけあっても、またことしも相当の御努力は願いましても、実現は困難ではないかということをおそれるのです。具体的にその施行組織の拡充等はどういうふうに持っていくか。これは地方にもよく説明しなければならぬことですからなかなか容易なことでない。従って先ほどお話のあった通り、大臣のきょう出席されないことは遺憾ですが、非常な熱意をほんとうに継続的に傾けて組織的にやっていかなければ、またこれは一つの夢に終るおそれがないでもない、こう考えるのでお尋ねする次第であります。
  65. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) 昨年度の特別会計のついに実現を見なかった事情につきましては、ただいま小山委員お話の中にありました通りの事情であると承知いたしておりますわけでございます。その事情のうち、農林省の山腹砂防との関係におきましては、ただいま河川局長からお答え申し上げた通り、幸いに本年度はすでに完全に両省間の調整ができておりますので、この点の難点はなくなったものと考えておるわけでございます。  なお、昨年特別会計ができなかった事情は、港湾特別会計と、二つともこれを作るというようなことは非常に問題であるというようなことも、大きな、できなかった事情と承知しておるのでございまするが、この点は、今年度はすでに港湾特別会計ができておりますことでございますし、私どもとしてはその事情は解消した。ただし、他面いわゆる償還財源等の問題につきましては、この治山治水特別会計は特別な、何といいまするか、償還財源を持っておらないという点が問題でございます。しかし私どもは、この治山治水の五カ年計画を実行いたしますれば、現在年々こうむっております災害によりまする国民の被害、年間二千四百億円というものが、これが相当軽減されまして、一千億程度に軽減される、そういう経済的利益が一方生み出されるということを確信をいたしておりまするので、そういう点も、この特別な償還財源がなければ特別会計ができないということにつきましては、そういう点を十分考えて、政府としては、大局的にこの仕事の必要性を考えていくということが必要ではないかということを強く主張する考えでございます。  地方負担の問題につきまして、今も御意見の通りでございまして、これまた十分考えなければ、本省の一方的な計に終りまして、実際にこれが遂行できないということになりまするので、いろいろの点を考えまして、臨特の線まで地方負担を軽減するということに考えておりまするようなわけでございます。  計画年度割りの問題でございまするが、この点につきましては、経済の将来における伸び等も考え、なおまた、これを遂行する実際の技術者の陣容、その他いろいろな点を考えまして、後年度年度割額を多くするという、従来、月並みのような考え方でございまするが、やはりそういうことに実際問題としてせざるを得ないという考え方を持っておりまするようなわけでございます。なお、詳細な点につきましては河川局長から一つ補足をさせたいと思います。
  66. 小山邦太郎

    小山邦太郎君 今の年次計画は、一般経済力の拡張等と見合せる、それから施行組織の拡充と相待っていく。これは一応ごもっともと思うわけです。しかしながら、この割合が、三十六年、七年へかけられているこの膨大な拡張は、経済の伸びを乗り越えて参る、あるいは経済の伸び以上に、人手がまだ用意できないからここへ持っていこう。それならばそれで、その人手を増すことも、組織を拡充することも、今にしてはっきりした用意がなければ、もうすぐ五年、六年、七年と来ちゃう。五年度の予算要求には、これらの組織の拡充に対して具体的にはどんなようなお考えを持っておられるか。今のお話で、何とか拡充したいという気持はよくわかっております。具体的な問題にはまだ触れておらないのか、これから触れようとするのか。
  67. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) 機構の点でございまするが、本省といたしましては、今のところ、人員の増加は、砂防課につきまして先ほどお話がありました通り、その他の面につきましても人員増加は考えておりまするが、本省についての機構の増加ということは、この治水五カ年計画の実行に関しましては今のところまだそこまで考えておりません。しかし地方におきましては、やはりこれは砂防課の設置、その他機構の点につきましても相当これは考えていかなければならぬのではなかろうか、こんなことを考えておるわけであります。
  68. 武藤常介

    ○武藤常介君 ただいま治水の特別会計の件については、建設省は非常な熱意を持たれていることは私も承知いたしておりますが、ただ、伺っておるうちに、建設省の案としては三千五百億である、あるいは大蔵省は二千五百億である、こういうことをだんだん折衝してある程度のところでおさめる、こういうふうになっておるようでありますが、一体この計画が、まあとにかく治水事業は非常に劣っておるから、とにかくある程度の予算も要求して五カ年間に計画的にやろう、こういうものであるか、それとも、その五カ年計画によりまして、大体国土の保全のために、あるいは御承知のような洪水とかあるいは災害に対して大体完全であるという程度にまで予算も組むのか、その点を私は非常に不安に思うのです。この間、実は道路の五カ年計画の問題に触れました際に、ある県から請願が参りまして、その請願を議する場合に、一方その九州方面では、大体二級国道はその五カ年内に大体舗装が完成するだろうと思って請願したらしいのでありますが、しかも速急にやってくれというのでありますが、当局の答弁によりますというと、きわめてそのうちの少数の部分が施行されると、こういうような答弁でありまして、この治水計画も、計画は立てたが、さて地方の要求から見ると、きわめて小部分の計画であるというような結果に終るような計画なんですか、それとも万全の計画が立てられておるのですか。その点を、これは重大な問題ですから伺っておきたいと思うのですが。
  69. 山本三郎

    説明員山本三郎君) その点につきましては、先ほどお話がございましたように、二十八年の大災害の直後、治山治水基本対策というのが内閣の治山治水対策協議会できめられたわけでございますが、その際の建設省関係の砂防、ダム、河川、海岸——海岸は当時入っておりませんでしたが、全体計画は一兆二千何百億でございました。その後、去る三十二年までに行なった事業が約十%余りが行なっておりました。従いまして千二、三百億程度の事業がこの五カ年計画の前に行われております。従いまして、今回考えております三千五百億をそのまま三十七年度までに実行いたしましても、約四千六、七百億が三十七年度末に行われるわけでございまして、一兆二千何百億に比べますと、約三分の一ぐらいということに相なります。従いまして、治山治水計画にきめられた総事業の約三分の一が三十七年の五カ年計画の末において完成されるということでございますので、どの川もどの川も砂防が万全、河川が万全というわけではございませんで、重点個所で、今着手しておるようなものは個所別に、川は完成しなくても、個所別には効果を発揮させようということに主眼を置きまして計画を立てております。やりかけのような工事はこの期間に完成させまして効果を発揮するようなことにしようというようなことで計画いたしておるようなわけでございまして、全部ができ上るまでにはまだ三倍程度の事業費を入れないといけないということでございます。
  70. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) ほかにありませんか。——ほかに御質問がないとしますと……。
  71. 小山邦太郎

    小山邦太郎君 なおこの組織の問題ですが、今は本省においては本省の組織を分離し、あるいは区分しようということは考えていない。県の方にはそれぞれ拡充を要求しよう、人員は本省でも増そう、こういうようにお話しになっておるのですが、それでは県にはどういうふうな要求をどこにする、それから国ではどれだけの人員を今後どこに増す計画であるか。これらをむしろ伺っておいてその上でわれわれの意見を加えた方がよかろうと思います。その具体的なものをきょうすぐでなくていいから表にしてちょうだいしたいと思います。
  72. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 大体の方向といたしましては、現在砂防課というものが単独にありまして、砂防を専門にやっておる県は、全国の県のうち半分以下でございます。砂防というのは専門の技術を要するわけでございますので、砂防課を作りまして、専門に課長以下がその仕事に専念するということにしなきゃいかぬわけでございますので、県庁の本庁におきましては砂防課はできるだけ多く設置してもらおう。それから現地の土木出張所等で砂防事業をやっておりますけれども、大きな砂防工事があるところは単独の事務所を作ってもらおう。それから出張所等におきましても、砂防の事業の大きいところは、係等を新設いたしましてやってもらおうということでございます。それから本省の砂防課におきましては、砂防事業の拡充はもちろんのこと、最近地すべり等の事業もふえて参りましたので、それらの専門家、あるいは地質等もわかる者がおらなきゃいかぬというような観点から、係等を増設いたしまして、専門的にそういうものをやっていく人をふやすということを考えておりまして、来年度もある程度の人員を要求するつもりでございますが、三十六年、七年につきましても、本省には現地から有能な人を入れまして——定員のワクをとれば現地から入れられますから、そういうような方法を考えたいというふうに考えております。
  73. 小山邦太郎

    小山邦太郎君 ただいまの御説明はきわめて抽象的ですが、もっと具体的なものを、三十五年、六年、七年、事業分量はどんどんふえるのですから、これを消化していくためにはどうしても人を増さなきゃならぬ。またその増し方は、ある県には防砂課がないから、どこにも砂防課を設けようというような平面的な考え方だけではだめだ。地理的な関係で、それはあるいは全然なくても済むところがあるかもしれない。しかし一つの課を持っておっても、その課の人員なんかではとうてい足りない、非常に拡張しなきゃいかぬというような、地方々々の実情をにらみ合わせて案を立てていかないといけない。そういうような案を立てても、予算が伴わなければ実行できない。予算を取るのに、結局どこに属しておるか。その局があまり広ければ、ほかの方にも、予算にも頭を用いなければならない。勢いここをこのくらい減らしたからこちらの方もこのくらいでがまんしようということで、根本的な計画はそっちのけで、政治的な解決に終るおそれがある。だから、どうしてもこれは私は本省においても、相当この組織を根本的に考えなければならないのではないかと思いまするが、一応政府で考えておるところのものを、年次別に、人員の点、あるいは県にどれだけの要求をする、あるいは独立の砂防事務所をどこにどういうふうに設けるということをお示しをちょうだいしたい。これはもう大へん大事なことだと思うのですから、きょうあすでなくてもいいですから、一つ近い間に案を立ててお示しをいただきたい。われわれもほんとうにこれはまじめに検討を加えていきたい、こう思っております。よろしく。   —————————————
  74. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) それでは次の、本年度工事の進捗状況に関する件を議題にいたします。御質疑のある方は順次御発言を願います……。それでは、本年度工事の進捗状況を各局ごとに報告を願います。
  75. 鬼丸勝之

    説明員(鬼丸勝之君) それでは私から総括的な状況の概要を申し上げたいと思います。  本年度建設省の所管の事業の進捗につきましては、かねて早期着工を強く指導いたしておりました関係もありまして、従来に比しまして相当良好な進捗状況を見せております。七月末現在におきまして、直轄補助両方の事業を通じまして約二五%の進捗率となっております。これを直轄補助別に分けて申しますと、直轄事業につきましては三〇%の進捗率となっておりまして、前年度同期に比べまして相当な進捗状況であります。前年度は二四・五%でございまして、約六%の進捗率の上昇となっております。  次に、補助事業につきましては二二%の進捗率を見せておりまして、これは前年度は一九%でございますから、これもやや前年度に比べて進んでおると、こういう状況に相なっております。  なお各局所管につきましては、各局から御説明を申し上げることにいたします。
  76. 佐藤寛政

    説明員佐藤寛政君) 道路事業につきまして進捗の状況を申し上げます。  直轄事業と補助事業を合せまして全体として申し上げますと。この七月末におきます進捗状況は、昨年の一八%に対しまして、全体といたしましては二四・六%、昨年よりはこの程度ならばかなり進捗をいたしておるかと存じます。これを直轄補助とを別に申しますと、国の直轄事業に対しましては、昨年は二二%、本年七月末におきましては三一・一先、直轄の方はだいぶ進捗いたしております。一方府県補助事業の方でございますが、昨年は一五%、本年は一八・一%、昨年に比べますというと本年の方がやや進捗はよい状態でございますが、御承知のように、道路事業は本年度におきましては非常に大きな事業を持っておりまして、直轄もさることながら、地方事業に対しまして、やはり早期着工ということを考えまして、年度当初から鞭撻いたしておったところでございますが、ただいまのところ、この程度でございまして、これはもう少し進捗をやはりさせる必要があるというわけで、先般来督励いたしております。八月中等におきましては、この補助事業におきましても、この数字は昨年と比べますというと、おそらくもっと本年の方が進捗することに相なるということを期待しておるわけでございます。いずれにいたしましても、昨年よりはかなり進捗いたしておる実情でございます。  以上でございます。
  77. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 河川局の所管といたしましては、治山治水と災害関係がございますが、治山治水の全体の進捗率は七月末、要するに四月から七月までの四カ月間におきまして、直轄補助を合せまして二六八%、これは前年度の七月末が二五・三%でございますので、一・五%程度の進捗、いい結果を生んでおります。そのうち直轄が三〇・四%でございまして、昨年が二八・八%でございました。補助関係といたしましては一八・五%でございまして、昨年の同期までは一七・九%でございます。  次は災害関係でございますが、災害関係におきましては、七月末の進捗率は三〇・六%でございまして、昨年の同期におきましては二九・九%でございます。そのうち直轄事業は三九・九%でございまして、昨年は三二・七%、補助事業におきましては、三〇・二%本年、昨年は二九・八%でございましていずれも一%前後の進捗のいい結果を見ておる次第でございます。
  78. 関盛吉雄

    説明員関盛吉雄君) 計画局の関係では、道路整備特別会計に属しております街路部分と、一般の都市計画関係の一般会計分と二つございますが、道路整備特別会計に属しております街路事業につきましては、先ほど道路局長から、道路直轄を除きました補助の進捗率の中に含めまして申し上げてございますので、その直轄率は前年と比較いたしまして一八・一%になっている、前年が一五・五%だったのが本年は一八・一%になっている、こういうことでございます。  道路整備特別会計を除きました都市計画関係は公園と下水でございますが、この進捗率は七月末におきまして八・八%でございまして、前年の同期の進捗率九・一%より若干下回っておりますけれども、これは主として公園関係の直轄でございまして、二千八百万円の金額の設計等の関係でおくれておりますが、予想以上の進捗を期せられるものと考えております。
  79. 稗田治

    説明員稗田治君) 住宅局関係といたしましては、まず補助事業でございますが、七月末現在におきまして、進捗率は一八・七%でございます。前年の同期に比べまして〇・七%ほど上昇しておるわけでございます。  補助事業のほかに、日本住宅公団あるいは住宅金融公庫等財政投融資関係があるわけでございますが、日本住宅公団におきましては、三十四年度事業といたしましては、賃貸が、着工率が四二・三%、分譲が三二・九%、合計いたしまして三九二%でございます。前年度の同期に対比いたしまして二九・三%が前年度の着工率でございましたので、これは一〇%ほど成績を上げておるわけでございます。住宅金融公庫の貸付契約の進捗率でございますが、これにつきましては、ただいま金融公庫の方におきまして書類の審査中の段階でございますので、進捗率につきましてはっきり申し上げることはできないわけでございます。  以上でございます。
  80. 佐治大

    説明員(佐治大君) 営繕局におきましては、昨年の八月末において八%でございまして、本年度は三・七%上りまして一一・七%でございます。これは官庁営繕費でございまして、そのほかに各省におきまして建設省に支出委任をされましたのがございますが、これは集計がややおくれまして、六月末現在で一九・四%進んでおります。官庁営繕はただいま設計がようやく終りかけましてこれから最盛期に入るわけでございます。
  81. 田中一

    田中一君 私は、今各局長から担当する事業の進捗率を伺ったのでありますが、この公共事業は、現段階においては、結論を申しますと、継続費として行なった方がいいではないかというところに持っていきたいような気がするのです。この歴年の予算を見ますと、一番残念なのは、財政法の第十四条の三をはめ込んで繰り越し明許というやつを常に持っているのです。今説明を聞いたところの住宅公団にしても道路公団にしても、すべて繰り越し明許というもので、前年度の予算を次年度へそのまま繰り越して予算規模というものを説明しようとしているのです。これははなはだ国民に対して数字的なごまかしを犯しているのではないかというような気がするわけです。三十三年度から国庫債務負担行為として二十億程度のものをこれは計上しております。こういう形、三十二年度の多目的ダムの特別会計にも国庫債務負担行為に二十八億でしたか計上していると、こうした考え方は、すべて継続費的な性格を持っているのだということを当然言えると思うのです。もしも年度内に事業ができなければ、初めから予算を組まなければいいんです。まあことしは今御説明になったところを見ますと、大体において国会参議院の選挙等があってまあまあ計画通りの結末を見ましたから、一応ここらへきているかも存じませんけれども、毎年予算を余すという傾向が強いのです。  これは政務次官に伺いますが、今度の治山治水の特別会計を持とうとするのも、おそらくこの現在の現状から見てそうしなければほんとうに仕事というものがスムーズにいかない、たとえば用地の問題にしてもとうてい年度内で解決して事業を遂行するなんということが不可能な情勢になっているというような点からも考えられると思うのですが、これに対しては、三十五年度の予算を計上するに当ってどういう考え方を持っていくか、財政法のいろんな、たとえば十四条の二にははっきりと継続費ということがうたってあるのです。これは使っていない。あと、繰り越し明許と、それから国庫債務負担行為でもって多少とも仕事を次年度に繰り越す、長期的な性格を持たしているというのが現状なんです。三十五年度はもういろんなごまかしをやめて、ほんとうに日本の国土を愛し、社会生活というものを平和にさせるには、何と言っても公共事業を完全に消化することのほかにないと思うのです。そこでこの予算を要求するに当って、一つ建設省の態度というものを伺っておきたいのです。これはむろんその面については、建設大臣がおらないでも、省議で相当熱心に考えられているのでしょうけれども、ただ抵抗の強い大蔵省に対していろんな関係から、今度の一番大きな問題として治山治水の特別会計だけをもってこれが実施できる段階になったと言って、それだけで終るものでなくして、ほんとうに日本の公共事業というものを完全に遂行し、かつまた今日の段階では単年度だけの予算じゃなくして、継続費的な傾向になってきているのだから、その点についての予算の努力をしなければならぬと思うのです。それに対する見解を伺いたいと思う。
  82. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) ただいま田中委員の御示唆の点は、十分私どももよくその御趣旨のあるところはわかりまする次第でございましてお話通り、予算がだんだんと継続費的な性格を持ってきておるものが、特別会計の設置等とからんで多くなって参っておりますわけでございます。ことに公共事業の完全実施等のことを考えますると、御趣旨のある点はよくわかるわけでございまするが、予算規模の問題、いろいろの問題がございまするので、十分それらの点もあわせまして検討をいたしまして、予算要求に当りましては省の方針を考えていきたい、こういう段階でございまするので、この点御了承をいただきたいと申し上げる次第でございます。
  83. 田中一

    田中一君 もう少し強い決意がほしいけれども、まあ今の段階ではこのくらいにしておきましょう。  そこで次にくるものは何かと申しますと、われわれが国会でこうして工事の消化率というものを追及して参りますと、自然現場におけるところの、直営工事ならば労働強化の問題が起きてくるのです。それから補助工事等は直ちに飛びつくのは——ここに今委員長に聞きますと防衛庁から三宅工務官、それから法務省から佐藤矯正局総務課長と矯正局作業課長が見えておりますから、一緒にここにおいでになって聞いていただきたいのですが、自衛隊をこれは公共事業に利用する、活用する、言葉はどうでもいいのですが、自衛隊をして工事をなさしめるという傾向、それからもう一つは受役者、受刑者によってこの工事を進捗しようというような考え方を安易に持ちつつあるのです。また一面そういうことをさせるために奔走しているような向きも多々見受けられるのです。まあこれは愛される自衛隊という形に持っていくための苦肉の策かもしれません。自衛官幾ら募集してもなかなか集まらぬから。そこでそういう実態というものは、日本の国民の労働力というものが枯渇した場合にのみ私は使ってもやむを得ぬ場合があると思う。むろん法律の上から見ますと、設置法にははっきりと請負ができるのですが、これはできるのだからいいじゃないかと言いますけれども、何といっても国から月給もらっている兵隊が、安い賃金もらっている、おそらく自衛官も安いと思うのです。それが賃金なしでもって公共事業を行なっているのですから、これは当然地方公共団体は飛びついていく。そうして低賃金でもっていくうこと、あるいは中小業者の企業というもを脅かすというような結果を招くうことになるわけです。最初に防衛庁に伺いますが、この昨年度、三十三年度で防衛庁は幾らの請負をしたかどうか、請負をしたか、その数字をまず伺いたいと思います。
  84. 三宅穣

    説明員(三宅穣君) 三十三年度におきましては、これは委託した分担金で申しますと、一億三千三百万となっております。これをもし一般のいわゆる請負に換算いたしますと、四億二千万の工事になります。
  85. 田中一

    田中一君 それはどういう性格の仕事でもって、どこでやったかというようなことがおわかりと思いますから、それを一つ説明して下さい。
  86. 三宅穣

    説明員(三宅穣君) 地区別の詳しい資料を持って参りませんのでございましたが、大体仕事の性格を申し上げますと、三十三年度におきまして、件数で申し上げますと、整地が百七十件、道路が六十二件、橋梁が八件、除雪七件、その他十一件となっておりまして、合計二百五十八件でございます。道路も、大体路盤の構築などでございまして、表面の舗装とか、あるいは両側の擁壁とか、そういうものは、私どもの方はやっておりませんのでございます。これは地方の業者の方で、あとからまたやっておるわけでございます。
  87. 田中一

    田中一君 私心配するのは、そういう程度仕事であっても、それが全部、地方の中小業者仕事だけなんです。たとえば学校の校庭の整地をしたり、街路の工事を請け負ったり、こういう傾向は、現在防衛庁としては奨励しておるのですか。  私聞くところによりますと、自分の方から進んで働きかけて仕事をするような傾向も最近顕著になってきたというような報告を受けているのですけれども、その点は、防衛庁としてはどういう方針で進もうとしておるのですか。
  88. 三宅穣

    説明員(三宅穣君) その点は、必ずしもそういうことは、私はないと思います。大体部隊の行います根本趣旨は、その部隊の訓練の場として、部隊の訓練に最も適合した仕事を選びまして、非常に予算の少い仕事だとか、そういうものに限ってやっていくと、こういうふうに私ども考えております。
  89. 田中一

    田中一君 道路の問題だから佐藤君に伺いますが、補助工事で、自衛隊に仕事をやってもらいますと、三割程度費用が軽減されるわけです。その際に、余った三割の補助事業費ですね、これは従来とも、その仕事の延びを承認して、余分な仕事をやらしておる。年度外のものを、仕越し工事をやらしておるのだというふうに聞いておったのですが、その点どうなっていますか。補助金の返還を命じますか。それともどういうことに処理しているのです。
  90. 佐藤寛政

    説明員佐藤寛政君) 一般道路補助工事の場合には、自衛隊等に事業をやってもらったケースはほとんどないと私は存じますが、全国を見ますと、例外的なものもなきにしもあらずだと思います。そういう場合には、やはり実費によって精算するようにしておるはずでございます。
  91. 田中一

    田中一君 そうすると、精算して仕事が延びがなければ、返還させるということですか。
  92. 佐藤寛政

    説明員佐藤寛政君) そういうことであります。
  93. 田中一

    田中一君 私が聞いておる範囲では、その仕事の次年度に対する延び、工事の仕越しを認めて、そうして返還をさせないというように聞いているのですが、その点は間違いありませんか。
  94. 佐藤寛政

    説明員佐藤寛政君) もちろん実費によって精算いたすわけでございますが、その際、予算に余裕が出ましたときには、これを繰り越しするというわけには参りませんので、他のちょうど、その程度の額を必要とするような事業がございますれば、その方を設計変更いたしまして、その方へ増額するというようなことをいたした場合はあるそうでございます。  それから、また特別の場合として、継続事業、たとえば橋のように、どうしても予定通り完成させなければ使い物にならないというような場合には、例外として、その工事で、一応設計変更をして、工事の増量を認めるということも、一、二回あったようでございます。  いずれにいたしましても、仕越し支出というようなあいまいな形をとりませんで、ちゃんと設計変更をして増量するものは増量させるというふうにいたしておるわけであります。
  95. 田中一

    田中一君 では防衛庁は、どこまでも自分から進んで仕事をもらう、演習をもらいに行くということは、今後ともとらないような方針でいこうとするのか、あるいは、どうも公共団体から要求されるから、そういう仕事をするのだという方針でいくのか、設置法によれば、少くとも民間の労働力と競合するような地点では、してはならぬようにわれわれ理解しておるのですが、そういう点は、どういう態度をもって臨んでいるのですか。
  96. 三宅穣

    説明員(三宅穣君) その問題につきましては、昨年からいろいろ建設省の方とも連絡がございまして、私の方も、三十三年の九月に防衛庁の訓令でもって、一項目変更いたしまして、ちょっと読んでみますと、第三条でございますが、当該土木工事等が自衛隊の訓練目的に適合するかいなか、及び事業遂行に障害があるかいなかを問うについての意見、案内図、その他参考となる資料を付して、各幕僚長に提出しなければならないということでございまして、私の方で、申請書を受ける場合に、地元の公共団体その他において全体的な総合判断をいたしまして、ある場合には、地元の建設業協会とも協議いたしましてこれは差しつかえないという状況判断になりますれば、それから防衛庁に参りまして、陸上幕僚長の方で、さらに検討しまして、議論して、長官に参りまして、そこで決済するということになっております。
  97. 田中一

    田中一君 自衛隊が市街地に近いところで作業いたしますと、地元の労働者の賃金というものは低下するのです。これは、必ず低下するのです。労働者を雇用するのは、請負人なんです。ところが、なんといっても自衛隊を使えば実費精算するのだと道路局長は言っておりますけれども、その地元の賃金というものは、必ず落ちているのです。これは、まあ労働者の方から、自分が進んで安くてもいいから使ってくれということになってくるのじゃないいかと思う。自衛隊を使うなら、おれの方を安くてもいいから使ってくれということになるのじゃないかと思うのです。  私は法律でもって、うたっているところの自衛隊の演習として請負いをするということは、特殊の状態の場合、あるいは災害のときとか、緊急な場合とか、あるいは山の中とか、危険な場所とか、そういうところにこそ、例外として仕事をしていいということになっておりますけれども、市街地等で、そうしたような請負工事をすることは、これはあっちゃならぬと思う。労働力は十分にございます。そうしてその失業しているところの労働者を使わないで、自衛隊を使って、ある地方公共団体等がそれだけ仕事ができて、予算が余ったなんということを言っているところもあるのです。そういう点については、非常に今後とも仕事が、進捗率が追い込まれますと、つい自衛隊を使って仕事をしようということになりがちなものですから、一つ今の、一建設省の方とも話し合い、それから、どういう形で本年度の工事を進めていくかという点については、道路局長は、道路にはあまりないだろうといっているけれども、現に道路仕事をしているものは相当あるのですね。これに対して政府としてあなたの方の公共事業を施行するに当っての自衛隊を利用する考え方に対しては、ここで明確に態度をきめてほしい。  ということは、これは全部関連しているのです。私は最初から事業費の繰り越しをしてはならないといっているのです。繰り越しをしないように仕事を進めていこうとすれば、どうしても適格者がない場合には、そういう非常手段をとりがちになるということを心配するわけですから、そういう点については、政府から総括的な答弁を願います。
  98. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) ただいま、だんだんと御意見等ございましたが、建設省といたしましては、全く御意見の通りに考えておりますわけでございますが、一方におきまして、失業対策事業が国として行われ、なおまた、適正な賃金の維持ということが、必要な国の大きな労働政策になっておりまするときに、これを阻害するようなことが行われましては、これは自隊衛の設置の目的、訓練の目的を逸脱しておることと思いますので、そういう点については、自衛隊の方でも、ただいま御答弁がありました通り、十分注意をして進めていただいておるようでありますが、建設省といたしましては、もとよりそういうことのありませんように、今後とも十分、自衛隊の拡充等の問題がありまする場合も考えまして、連絡を密にいたしまして、ただいまの御懸念のないようにいたしたい、かように考えております。
  99. 田中一

    田中一君 次の問題は、受刑者の問題です。最近公共事業並びにダム工事等には、請負人に受刑者を渡して、そうして仕事をするというようなことも、一、二耳にしておりますけれども、こういう点については、法務省でどういうふうに実態を掴んでおるかどうか伺いたいと思います。
  100. 佐藤昌之

    説明員佐藤昌之君) 公共事業関係に受刑者を出役さしております状況を申し上げます。本年の五月末現在であります。  人員は、全国で全部で合計三百五十九名、約三百六十名。それから出役いたしております個所は十二ケ所。それから作業の内容は河川改修、それから水路工事、電源開発、護岸工事、干拓工事あるいは水害復旧、林道開発をいたしております。契約賃金は、大体場所によって、また作業の内容によって異なりますが平均いたしまして三百円程度、それから契約の相手方でございますが、自治体と契約しておる場合、これは長崎の諌早市の水害復旧のときは、これは諌早市と契約しております。それから島根の安来の干拓工事、これも安来の市と契約いたしております。それからなお関東地建あるいは建設省の工事事務所等と契約しておりますところが二カ所ございます。あと一般の請負です。
  101. 田中一

    田中一君 そこで、この監獄法の施行規則第六十六条では、「刑事被告人ハ之ヲ監外ノ作業ニ就カシムルコトヲ得ス」ということになっております。  ところが、これは刑事被告人であって、受刑者の場合には、これは反対解釈でもって、受刑者は、監外作業に使い得るというような見解らしいんです。そうしてこれも本人の身にとれば、青空のもとで作業した方がいいかもしらぬけれども、これは同じようなケースでもって、非常に正常な正しい生活をしておる労働者の賃金というものを脅かす点があるんです。数は五百人といいますけれども、非常な低賃金でやっていることは、もう明らかなんですから、そうすると、地方公共団体は、それに飛びついてやっている、あるいは請負人が、それに飛びついてやっていくということになりがちです。  これを判断するのは何かといいますと、これは簡単に、しいていえば認定でもって仕事ができるわけです。伺いたいのは施行者との契約条件です。どういう条件でやっておるか。それから環境ですね、環境はどういう形で、通勤しているのか、何といいますか、監房から通勤しているのか、あるいは飯場でも作ってやっているのか、それから監督の点は、どうなっておるか、あるいは賃金は、どういう形で支払われておるかという点について、まず参考に伺いたいと思います。
  102. 佐藤昌之

    説明員佐藤昌之君) 工事の契約内容自体につきましては、ちょっと手元資料がございませんが、考え方といたしましては、昭和二十四年の六月に、労働省と法務省の方で協定を結んでおります。その協定は受刑者が工場、事業場等に就労する場合の契約条項等について協定しております。  受刑者を刑務所外のいろいろな事業に就労させるという場合には、失業者その他一般労働者をもって充足することが困難の場合に限って、これは就労するという原則をきめております。なおそういった受刑者を工場、事業場等に就労せしむる場合におきましても、受刑者の就労に対して支払われる金額あるいは賃金でございますが、それから就労時間その他の就労条件は、一般労働者の労働条件に比較して同じ条件にするという原則を立てまして、実際受刑者をある工事に就労させます場合は、公共職業安定所あるいは労働基準監督署に連絡をいたしまして、労働時間、賃金等については、一般労働者との関係を考慮いたしまして、適正な賃金をきめるというような処置をとっております。
  103. 田中一

    田中一君 適当な賃金をきめるというのは当然でしょうけれども、その適当な賃金というのは、どういう形の、どういう額の賃金なんですか。
  104. 佐藤昌之

    説明員佐藤昌之君) 一般職種別賃金の仕訳ですか、この基準に従って、労働基準監督署の、つまり認証をとってやっておれます。
  105. 田中一

    田中一君 そうすると、PWの一般職種別賃金でもらって、それは本人の収入になるんですか。
  106. 佐藤昌之

    説明員佐藤昌之君) これは一般の作業収入といたしまして、国の歳入になるわけです。
  107. 田中一

    田中一君 作業手当というものは監獄法できまっているものを支給するんでしょう。
  108. 佐藤昌之

    説明員佐藤昌之君) 作業賞与金という形で別途本人に対しましては一定の計算によりまして、賞与金として出しております。
  109. 田中一

    田中一君 それは賃金全部を渡すんですか。それとも賃金に見合うものを賞与金として渡すんですか。あるいは監獄、刑務所といいますか、法務大臣が、頭をはねてその人に幾らか渡すんですか。
  110. 佐藤昌之

    説明員佐藤昌之君) 専門的になりますので、作業課長からお答えいたします。
  111. 杉田勝久

    説明員(杉田勝久君) 契約賃金の方は、全部国庫に入るのであります。それから本人に対しまして作業賞与金を支出するわけでありますが、これの平均は、一カ月大体四百九十四円となっております。
  112. 田中一

    田中一君 一カ月四百九十四円ですか。一般職種別賃金では、最低でも、一日四百九十四円くらいとっているんですよ。やはり法務大臣が頭をはねているわけですね。
  113. 杉田勝久

    説明員(杉田勝久君) ただいま申し上げましたのは、構外作業についております者の、一カ月平均の作業賞与金の金額を申し上げたのでございます。
  114. 田中一

    田中一君 ちょっと常識をはずれておりますから——私の質問もおかしいかもしらぬけれども、詳しく説明して下さい。一日四百九十四円でしょうね、一カ月四百九十四円ですか。
  115. 杉田勝久

    説明員(杉田勝久君) ただいま申し上げましたのは、一カ月平均でございます。
  116. 田中一

    田中一君 そうすると、もしそれがあなたの方で、法務大臣が認定して受刑者を使うということになりますと、ますますまじめに社会で働いている労働者の賃金というものは、低下せざるを得ないことになるはずです。これは今危険な場所とか何とか言っておりますけれども、同じように一般社会に働いている労働者も受刑者も、それは受刑者だから、生命の危険を感ずる仕事をさせてよろしいと僕は考えられません。従って、これはもう受刑者に対する法律というものは、まことに前世紀的なものであって通常刑務所といいますのは、刑務所法という法律があるのかと思って調べたところがない、監獄法というものがあって、監獄法でやっているんですね。これはちょっと時代離れがしているような感じがするんですよ。なおかつ、これは国がピンはねをしておるということになりますと、ますますまじめな労働者の賃金というものが侵されるという悪影響を受けるということは間違いないんです。たまたま一年間五百人程度の者だとおっしゃるけれども、私はこれすら考えてもらわなければならぬと思うのです。  これはさっき言った河川もあったし、道路もあったから、これに対して一つ道路局長それを知っているのか知らないのか。それから政府としては、これに対して、どう対処するかという点について、答弁していただきたいと思うんです。
  117. 佐藤寛政

    説明員佐藤寛政君) 先ほどは、自衛隊のことで申し上げましたが、私どもの方の直轄はもちろん、補助事業等で原則として、こういう場合は私はないと思います。これは事業に対しまして、必要経費を予算としてちゃんと見ておるわけでございますから、普通は、直轄なり、また請負工事なり、そういった形でやっておるのでございます。こういうことが多うございますのは、たとえば地方の単独事業などで、非常に無理な事業をやらなければならないとか、予算がないとかいうような場合に、あるいは起るのではないか、それから私どもの方の直轄補助関係で、こういうことが例外、これはきわめて例外的だと思うのでございますが、起りますのは、これはたまたまいろいろな関係でもって、まあ一般人夫がどうしても得られないとか、それから災害等の緊急の場合などでは別でございます、また受刑者の場合には、これは刑務所の方の関係で、ちょうどこの地の利もいいとか……。しかし一般道路事業で、人口の集中している付近で、こういう仕事をやることは、好ましくないので、歓迎はいたさないのでございますが、まあしかし例外的に、こういうことはないとは申せません。その場合には、よく打ち合せをして最も影響のないようにさせているわけでございますが、ほとんどこういうことは、私どもの方では、一般にはないのでございます。きわめて例外的であるわけです。  その場合には、しようがありませんからよく地元と相談いたしまして、関係方面と相談いたしまして、悪影響のないように努めさせているわけでございます。
  118. 田中一

    田中一君 その賃金は、本人の労働力に対する対価としての賃金を、正常に渡さないということに対しては、あなたはどう考えますか。
  119. 杉田勝久

    説明員(杉田勝久君) 先ほど申し上げました賃金の問題でございますが、賃金は職種別賃金によりまして、これに基準をおきまして、そして大体これに見合った賃金をきめているわけでございまして、その賃金は、全部国庫に入ります。従いまして本人の手元には入らないわけでございます。  これとは全然別に手当金を出しているわけでございます。その手当金の平均が四百九十四円というふうに申し上げたわけでございます。
  120. 田中一

    田中一君 防衛庁では、これは賃金というものは全然見ておらぬでしょう。当然国というものは同じ人格ですから、国から賃金をもらっているやつが、同じ仕事をしたからといってそこからまた賃金をもらうということはしませんね。
  121. 三宅穣

    説明員(三宅穣君) 賃金は、私どもの方はとっておりません。
  122. 田中一

    田中一君 河川局長、あなたの方はだいぶ使っているのだよ。私は見たことがある。
  123. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 私も聞いておりますが、この受刑者を使う場合には、非常に労働条件とか収容施設等が厄介なものですから、現地ではなるべく使わぬようにしているわけでございますが、先ほど申し上げましたように災害等がありまして、非常にこの付近で人が得られないとか、自分の農地復旧に忙しいというような場合、あるいはまあ一般の労働者ではできないような仕事がありますときに使っているわけでございまして今のような宿舎をこの付近に作ったり、あるいは水の中へ入るのはいけないとかいうような、いろいろ労働条件がありますから、なるべく使わないようにしておりますが、ほんの特殊の場合といたしまして、今のような、付近で人が得られないとかいうような場合に、ほんのわずか使っているように聞いております。  それで今の賃金の問題でございますが、役所といたしましては、契約によりまして、PWによりましてお払いしているわけでございますが、その分を国庫に入れて、受刑者の方は、飯を食わしてもらったり、着る物を着せてもらっているのですから、全部それを受け取るというのもおかしいじゃないかということもあります。
  124. 田中一

    田中一君 これは、冗談じゃないですよ。それなら防衛庁がやっているように、全然払わないで、やはり事業量がそれで伸びるように持っていったらいいじゃないか。たかだか五百人程度の者の賃金を、国庫でもらうというのがおかしい。もらわないでもって、事業を伸ばせば、あなたの方で、その方が望ましいでしょう。五百人程度だから例外だとか何とか言っているけれども、その傾向は、結局正常な生活をしている労働者の賃金に非常に悪影響があることなんです。
  125. 山本三郎

    説明員山本三郎君) それは払わないと悪影響があるのではないかというふうに考えられるのですけれど。
  126. 田中一

    田中一君 使うことすら悪影響があるのです。それは事業の伸びというものは——まあ、おそらく監獄には、優秀といっちゃおかしいけれど、優秀な受刑者なんてないだろうけれども、模範的な順法精神に、その監獄においては、獄内においては、法を守っている受刑者に対して慰安の、リクリエーションの意味でもって、これは監外へ出すということは実際に考えられます。実際に、それならば、どこまでもリクリエーションにすればいいわけです。それをやはり賃金を法務大臣がとって別に、そのうちの三十分の一くらいを賞与としてやるなんという考え方は、やはり監獄法という法律が、名称すら監獄法という古いものであって、こんなことを言うのは、ほんとうの質問の趣旨ではないのですよ。私の言いたいのは、使うなというのですよ。使っちゃならぬというのです。  そこで、防衛庁と同じようなケースでありながら、異なっているような、人間を使っているようなことは、建設省としては究極この問題に対して、どういう態度をとっていくか。ことにまた、繰り越し明許をさせないという前提に立って、三十四年度の公共事業を遂行するに当っては、相当な覚悟がなくちゃならぬと思うのです。態度を明らかにしていただきたい。
  127. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) 建設省といたしましては、先ほど法務省の一般方針としてお答えがありましたが、失業者、あるいは一般労務者の充足ができないという場合に限って、囚人を使ってもらうということに考えている次第であります。いやしくも、そうでない場合にこういう囚人を使うということにつきましては、これは希望をしないところでございます。  そういうような方針で将来とも参りたいと思うわけでございますが、なお、この使用された囚人の報奨金等の問題につきましては、法務省におきまして十分検討しまして、適正な一つ措置をとっていただきたいと、かような感を持つわけでございます。
  128. 田中一

    田中一君 私は、今労働力を持つことができない現場においてという表現をしているけれども、まれに、そういうものがあるのであって、あとは全部、社会人の目に触れているところで使っているのです。労働力はあるのです。ただ、賃金がその方が安いからというのが主眼なんです。賃金が安いから、一般職種別賃金があっても、そのうちの最低を押えるわけです。これはむろんPWできめているのですから、その最低を押えて、賃金が安いからということです。そこからそういう者を使う傾向になってきているのです。  でありますから、これはもう、将来の公共事業を遂行するに当って、ことに建設省は、態度を明らかにして、峻厳な態度をもって法務大臣並びに防衛庁長官に対して意思を明らかにしていただきたいと思うのです。あいまいじゃいけません。今日のような社会においては、労働力がないなんということはまれにしかないのです。あとは、低賃金で使えるからというところにねらいがあるのです。それは他の労働者に対するところの賃金に対して、悪影響があるという点を申し上げておるのですから、その点は、今の政務次官の答弁じゃ私は満足いたしません。政務次官の答弁をお願いいたします。
  129. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) 今の私の申し上げようが、あるいは言葉が足りなかったかと思いますが、建設省といたしましては、もとより、こういう自衛隊なり、あるいは囚人なりの使用が、低賃金をねらいとして、一般労働者の賃金を引き下げるというような作用を及ぼすような使用は、これは最も希望しておらぬところでございます。  私どもは、そういうような使用のし方は、従来の防衛庁なり、あるいは法務省なりとの折衝の過程から、ないと信じておるわけでございますが、もし実際上そうでないという、ただいまのお説のようでありますれば、そういうことの行われませんように、十分一つ、さらに折衝いたしましてそういうことのないようにしていきたいと、かように考える次第であります。
  130. 田中清一

    田中清一君 この本年度工事進捗状況というのに関連いたしましてですが、これは、工事じゃないけれども、工事をするがための調査ですが、国土開発縦貫自動車道建設法による中央自動車道に対して、昭和三十二年から、すでに調査費用を国は計上して、そうしてやっておられるようですが、その調査の状況は、どういった方法で進んでおりますか、一応お聞かせ願いたいと思います。
  131. 佐藤寛政

    説明員佐藤寛政君) 本年度で、たしか三年ほど引き続いて調査をいたしておると存じますが、本年度の調査をもちまして、あの国土開発縦貫自動車道の中央道に当る部分——小牧から東京の部分に対しまして、一応路線の位置、事業費並びに経済効果、こういったものの判定がつく程度の概算的な調査は、本年度で終る予定でございます。本年度と申しましても、年度一ぱいかからないで、実はこの九月ごろに一つ格好をつけたいものとして、ただいま最後の取りまとめを急いでおるわけであります。  ただ、申し上げておきますが、これで調査が全部終ったと、こういうわけでございませんで、なお詳しくは、いろいろ調査が要ります。何せ非常に高い山岳地帯でございますので、詳しく考えますと、いろいろ調査することも出て参りますが、先ほども申しましたように、概略、その実物を判断する程度の調査は、本年度をもって一応数字が出る見通しであります。
  132. 田中清一

    田中清一君 本年の二月の国土開発縦貫自動車道審議会のときに御答弁になったことと大体同じ御答弁で、非常に安心いたしましたのですが、それにつけまして去る七月の二十日の毎日新聞の静岡版に、こういった記事が出ております。「庄司県土木部長は十五、十六口神奈川県庁で開かれた愛知、静岡、神奈川三県の東海道高速自動車道建設期成同盟会の結成打合会に出席、このほど帰県した。三県とも期成同盟会結成の体制ができ上ったので、今月末静岡県庁で再び会合、会長などをきめたうえ、八月中旬ごろ結成、九月上旬ごろから政府国会に積極的に働きかけることになった。九月上旬、建設省が東海道高速自動車道路の調査結果を発表、大蔵省と交渉をはじめるので、その前後に地元からの盛り上がりをみせようというもので、」云々、こういうような奇怪なことが出ているのですが、こういったような動きは、ここに書いてある通りのことはあるのですか。
  133. 佐藤寛政

    説明員佐藤寛政君) 私は、そういうことを伺っておりませんです。つい先日、実は中央道を上空から視察するために、岐阜まで行って参りましたが、つい先日でございますが、私は、まだ東海道で、そういう話があるということは聞いておりません。でございますから、私どもの方とは、直接関係なく、地元でいろいろな動きをしておられるのじゃないかと思うのでありますが、これはやはり東海道につきましては、現在の道路が、もうすでに部分的には、御承知のようにもうオーバー・キャパシティ、能力以上になっておる所が、あちこちにあるわけでございます。  先日の日曜あたりは、東海道と申しましても、箱根くらいまでは、もう実に道路が一ぱいになつちゃって、どうにもならない状態でございます。私どもといたしましては、これをそのまま、ほうっておくわけには参りません。従いまして東海道筋を、どうしたら今後の交通対策上適切な処理がとれるだろうか、こういうことは、建設省といたしましても、非常に関心を持っておりまして御承知のように、本年度調査費をもちまして、ただいまいろいろ調査いたしております。しかしこれも、そう簡単な調査で終るわけでもございませんし、ただいまお読み上げになりましたように、九月頃予算を要求するとかというようなわけには参らない。ただいま調査をいたしまして、将来に対する措置を考えておかなければならぬということは、私どもも注意いたしておりまして、ただいま、そういう意味の調査をいたしておるわけであります。
  134. 田中清一

    田中清一君 そうすると、九月に建設省が東海道高速自動車道の調査結果を発表して、大蔵省と交渉を始めるというようなことは、これは誤聞でございますか。
  135. 佐藤寛政

    説明員佐藤寛政君) ただいまやっております調査は、やはり九月の上旬、まあ今年度には、一応何がしかの数字を出す予定でございますが、大蔵省に交渉して予算云々ということは、これは、そういう事実はございません。    〔理事稲浦鹿藏君退席、委員長着席〕
  136. 田中清一

    田中清一君 それじゃ道路局長に、一ぺん私は御注意を申し上げますけれども、こういった静岡県の土木部長なんというのは、相当建設省とつながりのある方ですから、そういった方が、こういったような発表をしないように御注意を願いたいことと、もう一つ今、東海道が非常に飽和状態で、どうにもならんということをおっしゃいました。それは確かでございます。私は、東海道におりますからわかるのですが、これをもう一つ考え直して、それで法律通りました、しかも超党派で社会党の方も、皆同調して通っておる、国法になっておる中央道を、せめて富士山麓の本栖湖付近までこれをやりまして、そして東海道の方の富士からあそこまでの道を少し改修しまして、そしてこれをすれば、バイパスになって、——今混み合っている所は、私の考えておるのは、大体富士川以東でみんな寄ってくるから、ただいまおっしゃった通り箱根、いろいろなことをおっしゃったけれども、箱根だとか、こっちへ来て混み合っておる。混み合っておる所は、そこなんです。それでバイパスのようにしてお使いになることも、一応建設省としてお考えになっていただきたい。  こういうことを御進言というか、ちょっと申し上げておきたい。
  137. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  138. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 速記を始めて。   —————————————
  139. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 時間もたちましたが引き続いて、もう一項目ですから、ごしんぼう願いまして、最後の建築及び土木研究所の研究態勢に関する問題を議題といたします。
  140. 田中一

    田中一君 これは住宅局長御存じの通り建築研究所に、最近あそこに住宅公団の研究室というか、実験場というものが設置された。これは大いにあそこに、あき地もあるからいいと思いますけれども、これはむろん特異な、同じ住宅にしても、特異な研究というものが建築研究所でできないものがあるかしれん。これは一応認めます。しかしながら土木研究所にしても、建築研究所にしても、研究するテーマはあすこにはあるでしょう、あるけれども、政府がこれに対するところの予算ですね、予算をつけないから、やむを得ず住宅公団にしても、道路公団にしても、独自な費用で研究所を作るということにならざるを得ないのです。  そこで伺いたいのは、土木研究所、建築研究所所長が来ておるそうですから、ちょっと前に出て下さい。三十四年度の予算の編成期に当って、私はその点について十分に建設大臣を追及しているのです。それで三十三年度にあなたの両研究所で、国から予算をもらって研究したものと、それから民間並びに他の行政官庁から委託されて研究したものと、最初、金額で一つお示しを願いたいのですが、どのくらいの比率になりますか。
  141. 竹山謙三郎

    説明員竹山謙三郎君) 建築研究所の方から申し上げますが、民間から委託されたものが、金額にいたしまして九百三十三万円ということになっております。件数は二百十六件でございます。それから国から委託されたものでございますが、これは住宅局から委託されております住宅構造実験費、これが大体百万円程度になっております。  件数といたしましては、このくらいでございますが、そのほかに、原子力局あたりから委託されたものがあります。
  142. 横田周平

    説明員(横田周平君) 土木研究所の金額を説明いたします。  三十三年度におきましての土木研究所の国からの予算でございますが、土木研究所費といたしまして一億二千万円、端数があります。それから各地建設局の依頼、これは国の費用でございますが、一億二百万円、端数がございます。それから地方公共団体からのものが三千二百四十万円、合計いたしまして二億五千六百万円。それから民間からのものは合せまして、三千二百七十万円でございます。
  143. 田中一

    田中一君 建築研究所所長に伺いますが、あなたは、予算をつけてやりたいというテーマをたくさん、あなたはお持ちでしょう。国民のために、建築研究所がやりたいというテーマを、たくさんあなたはお持ちでしょうね。
  144. 竹山謙三郎

    説明員竹山謙三郎君) 持っております。
  145. 田中一

    田中一君 民間から九百万幾ら住宅局から百万ですか、比率はもう逆転しておるようですね、百万円でしょう、金に換算して。民間から九百万。  一体建築研究所は、もしも民間のためにするならば、国立の建築研究所になさい。少くとも建設省の付属機関としての建築研究所ならば、たくさんな研究すべきテーマをお持ちなんであるから、これは、当然年次の予算を十分つけて、してもらわなければならない。私が言いたいのは、そのようにあなた方の二つの研究所というものは付属機関というものは、政治の中心からはずれておるのです。いわゆる冷遇視されておる、この現状に対して、一つ率直にあなたの——三十五年度の予算編成期にぼつぼつ入って参りますから、これだけのりっぱなテーマを持っておる従ってこういうことをしてくれれば国民に対してこういうことをしてやるというふうなことを、率直に一つ説明してもらいたいと思う。  きょうはあなたにそういうことを言わしたいためにお呼びしたのです。一つ言って下さい。
  146. 竹山謙三郎

    説明員竹山謙三郎君) ただいまのことにつきまして、それでは私の感想を率直に述べさせていただきます。  実は、建築の方の事業と申しますのは、土木関係とは非常に違いまして、大部分が一般の民間の事業でございます。そこで私どもも、できるだけ一般の民間の技術に対しまして私どもの一研究の成果を導入し、全般のレベルを上げたいということで、非常に力を注いでいます。そういう意味におきまして、実は毎年非常に民間から、多くの委託研究の注文が参ります。  ところが、建築関係では、全国に公立の研究機関が民間建築といたしまして、わずかに一つでございます。鉱工業関係全部をもって百七十くらいの公立の研究機関がございます。そのうちで建築がわずかに一つ。そういうことから、非常に私どもの研究所に全部殺到して参るのであります。私どもといたしましては、この一般の民間の技術をレベル・アップするということは、非常に重要な仕事だと思っておりますので、むしろ私どもの研究所に、そういったような技術指導を専務とするような部門を設けるとか、そういったようなことによりまして大いにそういう方のサービスをいたしたいと思いますし、なおもう少し大きく申しますならば、全国に、そういうような研究機関、試験機関を設けまして、その方でも、そういうことを大いにやりたい、これを理想といたしております。  現在の現状では、民間の一般の試験委託希望、あるいは技術指導の要望にこたえるためには、非常に微弱であるということは、私どもの努力が足らないためもあって、非常に遺憾だと思いますが、しかし、おかげさまでこの数年間、その点徐々に、非常に好転しているように私は考えますので、なおこの勢いをさらに続けて、今後の発展を期したい、こう考えております。
  147. 横田周平

    説明員(横田周平君) 土木研究所長でございますが、土木研究所の実情を申し上げます。  近年、公共事業の非常な量が増して参りましたので、土木研究所の研究試験内容は、この数年急激に増大して参りました。その実情を認めていただきまして、予算の事情といたしましては、非常にめんどうをみていただいているわけでございます。ただ建物が三十数年を経過いたしました本所と赤羽の分所におきましては、試験研究の量が非常に多くなりましたものですから、その研究所の空間を非常に酷使いたしまして、研究内容の方が、建物施設を上回るというような現状でございまして、こういうふうな施設の改善方、あるいは将来の研究所員の増大に伴います宿舎の問題、それから研究の発表におきましての印刷物関係の経費が足りない、あるいはせっかくの研究の結果につきまして、現場に技術指導を行いたいのでありますが、これが旅費の制約でなかなか、せっかくのいい研究も、普及徹底方において欠けるところがあるというような点が、二、三苦しい点がございますのですが、研究所の業績といたしましては、順調に伸ばさしていただいている、予算上の御配慮も非常にいただいておると、感謝している次第でございます。
  148. 田中一

    田中一君 道路公団でも、別に自分の研究所を持とうという、今度は首都高速道路公団も、おそらく独自の研究所を持とうとしている。しかし道路に関する構造令、改正になったですね。これは、何も首都高速道路公団の道路構造とか、建設省が所管する高速道路の構造、道路公団が主宰するところの有料道路の構造というものは、全然別のものじゃないのです。同じものなんです。そうして、まだまだ技術の前進するはずのものです。なぜ同じような研究を、あっちでもこっちでも競合してやっているか。建研の場合には、とにかくほかにないからこっちへくる。東京都も研究所を持っています。  私は、実際に年々、これは申し上げているのですけれども、どうして日本の、ことに建設省が持っているところの付属機関の技術家、これを活用して、国家的な立場から発明をどんどんさせればいい。発明を無料にして国民に開放するというような気持がないと、ただ建研に行けば、国費をもって研究したものでもって学位をとるのが落ちです。これが、せめてのよりどころなんです。そんなことでは、日本の技術が伸びるもんじゃない。全く建築技術なんというものは、大自然に常にさらされて、もうとどまるところがないような前途があるわけなんです。  私は今の住宅公団が自分の実験的な設備を持つなんということ、道路公団、各種公団が、また別にそういう機関を持つということに対して一体建設省は、建設大臣は、どういう考えを持っているか、そして三十五年度の予算をいよいよ原案を作るというこの際に、どんな考えでこれに対処するか、伺っておきたいのです。
  149. 竹山謙三郎

    説明員竹山謙三郎君) ただいまの住宅公団の試験室の問題につきまして、ちょっと御説明が足りない点がございますので申し上げます。  実は、私の方の研究所では、実験的に鉄筋を引っぱって切るとか、コンクリートをつぶすというようなルーティン・ワークのようなものは、外に流す、その技術的な研究をするというのをまず第一の主眼にしております。そして住宅公団関係では鉄筋を切るとか、コンクリートをつぶすというかなり機械的にできるような仕事が非常に多い。現在住宅公団関係から私の方に非常に委託がございますが、かなりそれが含まれております。  ところで、そういう試験を委託いたしますと、本来の研究ということが、かなり手がさかれまして、そういったような機械的にできるような試験は、住宅公団で試験場を別に持って、そこでやってもらいたい、こういう希望を前々から持っておりまして、大体、ただいまのお話住宅公団の研究所を作るというのは、そういった筋合いからのものでございます。
  150. 田中一

    田中一君 それは今、あなたの方で予算が少いから、そこまで手が回らないということなんでしょうか。
  151. 竹山謙三郎

    説明員竹山謙三郎君) 今申し上げたのは、本来の研究的なものでございますね。あと研究は、もう完了して、それをルーティン・ワークに流すようなものにつきましては、地方の公立の研究所というようなところ、あるいは公団というようなところ、そういう試験場で大いにやって、もらいたい、こういうように考えております。
  152. 横田周平

    説明員(横田周平君) 同じ件でございますが、土木研究所の方の系統といたしましての試験研究でございますが、田中先生の試験という場合と研究という場合が、二つ分けて考える必要があると存じます。私どもの方での材料試験、あるいは土質試験につきましては、やはり地方々々からの申し込みが殺到しておりまして、引き受けかねるような場合も出ておるのでございますが、土質、あるいは材料試験につきましては、地方建設局、あるいは工事事務所の材料試験室の方の強化をやっていただいておりまして、現在試験基準を作っておりまして、地理的な有利もございますので、できるだけ早く工事する現場に行かないと間に合いません点も勘案いたしまして、むしろ地方建設局、それから大きな工事事務所につきましては、材料試験設備の補強をはかって、その統制を私どもの方でとるようにやっております。  研究ということにつきましては、道路公団、あるいは地方建設局の研究課題とダブったりするようなことがありませんように、技官室において、統制をとっていただいております。
  153. 田中一

    田中一君 先だって、私、きのう帰ってきたんですが、視察に参りますと、片品川の支流の柿平というところで、砂防の模型実験をやっておる流砂の観測などに、アイソトープを使ったり何かやっておるのです。土木研究所は、道路が主なのですか、あなたの方は。砂防なんかやっていないのですか。
  154. 横田周平

    説明員(横田周平君) 砂防研究室がございまして、砂防の方の研究をやっております。
  155. 田中一

    田中一君 そうすると、片品川のあの実験はあなたの方の所管ですか。
  156. 横田周平

    説明員(横田周平君) 関東地方建設局の砂防事務所で行われております。
  157. 田中一

    田中一君 あれは、やはり理論研究ではないのですか。ああしたものは、あなたの方の所管でないという考えなのですか。
  158. 横田周平

    説明員(横田周平君) あの研究を始めましたときには、私実は土木研究所におりませんでしたので、その経過につきましては、わからないのですが、研究につきましては、地方建設局において積極的にやられる場合、それから私どもの方でやる場合と、地方建設局の方で積極的におやりになるものは、ダブらないように、私どもは地方建設局でやっていただくように、おそらく研究のテーマごとに分けたものと思われます。
  159. 田中一

    田中一君 そうすると、お二方とも、現在の予算で十分でございます。手一ぱいでございます。これ以上両研究所は伸びませんというような気持なのですか。何だか知らないけれども、あなた方の言っていることは……。だから首を覚悟でおりなさいというのです。そのくらい、学者なら学者らしく良心的にものを言いなさい。
  160. 竹山謙三郎

    説明員竹山謙三郎君) 私の意見といたしましては、一番最初に申し上げましたように、非常に不十分であると思っております。そして今後、大いにその方を発展させるべく努力いたそうと思うし、本省の方にも努力して、がんばっていただこうと思っております。その点は、全然変っておりません。  ただ、先ほどちょっと試験室の方のことを申し上げましたのは、その内容に、ちょっと誤解があるといけませんから申し上げたのでございます。
  161. 横田周平

    説明員(横田周平君) 田中先生から御鞭撻をいただいて、まことに恐縮でございますが、ただいま土木研究所といたしましては、稲毛に道路の世界的な水準の研究室を作るべく努力いたしまして、土地の関係で、前年度つきました予算を本年に繰り越しまして、全部で六億数千万円にわたる試験室を作らしていただくことになっております。土地の問題は、近々解決いたすめどがございますが、私どもといたしましては、当面その研究室を拡充するのに最大限の努力をいたしたいと思っております。
  162. 田中一

    田中一君 私はしろうとですが、しかし現場を歩きますと、数々の問題が転がっていると思うのです。ところが、これはもう全く何年かという間、参議院の当委員会研究費を出せということに対して、常に各党各派一致でもって要求しているのです。ところが全然それは伸び方が低い。そうして、うまいことを言って、関東地建とこちらとが話し合いのもとに便宜的に研究しているというのは嘘です。こっちに、土研の方に力がなくて、道路なら道路で一ぱいでできないから、向うはやむを得ずやるのであって、そんなものは、国土計画というものは、どこでやっても同じなんです。  私はこの際、相当所長が現在やっておるところのテーマをお調べになりまして、そういう研究が足りないで、さいの河原でそれこそ毎年々々災害があって、災害があると、悪い言葉で言えば、そこに選挙区を持っている人たちはしめたと言うのです。今度解散があっても、心配がないからと言うのです。地元の請負人は、永久的の築堤ができると困る、たまにはこわれてくれなければ、商売にもならぬと言う。これは言い方が極端ですけれども、そうしたような悪い印象を受ける場合がある。  ですから私は、やはり完全な治山治水を行うには、研究所を総合的なりっぱな機関にして、そして旅費もないというようなことを言わないで、どんどん現場の指導にも出させて、そして勧告もする。あらゆる面において強化しなければならぬと思う。政務次官、一つ三十五年度の予算編成に当っては、あと一年間は大丈夫ですから、大臣とともに、どういう態度をもってそれに対処しようとするのか、約束しておいて下さい。
  163. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) ただいま田中委員からの御意見の点は、私もまことにごもっともに存ずる次第でございます。往々研究所を作る際には、熱心にこれが設置をいたしますが、しかしながらそのあとの活用ということを怠りがちのことは、私も地方団体の責任者を経験いたした者といたしましてこれは現在の行政担当者の欠陥だろうと思っております。大臣にも御意見の点をお伝え申し上げまして、来年度の予算要求につきましては、できるだけの努力をいたしたいと考えております。
  164. 小山邦太郎

    小山邦太郎君 田中さんの先ほどの質問で、ロの自衛隊の参加する工事について、これは土木業者の圧迫や、あるいは労務者の賃金低下の素因をなすようになってはいけないという心配が起るであろうということに対して、それはかまわないと言うことは言えないから、ごもっとものことであるから、注意すると御答弁になっているのは当然と思います。しかしながら、私は今の日本の土木事業は、量としてはどんどんふやさなければいけないと思う。積極的に言うならば、職業安定所や労働基準監督署あるいは地方公共団体もしくは土木業者の属している業界、これらの同意の得られるような、山奥の仕事もあろうと思う。そういうものは、やはり自衛隊の協力を願うということは、国家全体の上から見てけっこうなことじゃないかと、私は思うのです。  この点は、どうなっているのですか、ただ何でもかんでもそうだ、だから自衛隊はあまり出ないというように、消極的追い込んでしまっていいのかどうか、私は、仕事の性質によって業界の同意も得られ、労働者のために心配する基準局その他の団体の同意も得られるような場合、たとえば奥地の砂防であるとか何とかというものに対して、砂防に限りませんけれども、むしろ労力不足に悩んで、なかなか仕事が一〇〇%いかないという場合には、積極的に自衛隊の労力をこの方面に振り向けてもらうということは、国家の大局から見て、土木計画を一〇〇%遂行する上に、私は大事なことじゃないかと思う。それはどういうものですか。業者を圧迫したり、労賃の低下の素因をなすようなことを十分要心してやるならば、私はそう消極的にばかり考えないで、この方面にある程度予算をやっても、積極的にやったらどうか、行き当りばったりでは、自衛隊の方でも困るでしょう。ちっとも計画性がなくて、これらは、私わからないで質問するわけですが、一方地方によっては、ぜひともしてもらいたいが、委員会で、ああいう質問があり、政府も、それに対してああいう答弁だから、そんなよけいなことはしないというふうに、消極的になりすぎてもいかぬと思うから、これについては、御研究を煩すことが非常に大事なことと思う。  労務者の圧迫、これはもちろんいけない、労働政策遂行を妨げたり、失業対策の遂行を妨げたりすることのないように、もちろん戒めなければなりませんが、そうでない場合で、手の及ばないところは、自衛隊の手を借りて仕事を伸ばすということは、私は大事な措置ではないかと思うのです。  それらを一つなお研究をわずらわしたいと思うのですが。
  165. 田中一

    田中一君 これは討論する場所ではないから、何も言いませんが、私の発言に対して、誤解があったのではないかと思うので、ちょっと申し上げますが、受刑者のレクリエーション、それから自衛隊の演習も、これは、法律のワク内にあるのです。それを私は否定しているわけではないのです。それを悪用してはいかんというのです。その点は一つ、誤解のないように願いたい。
  166. 小山邦太郎

    小山邦太郎君 誤解しているのではなく、そういうふうになっては困ると思うのです。
  167. 田中一

    田中一君 それは、そういう答弁をするのは、悪用しているから、そういう答弁をしているのです。
  168. 大沢雄一

    説明員(大沢雄一君) 先ほど私から申し上げましたのは、一般方針として申し上げました次第でございましてただいま小山委員から御指摘になりましたような特殊な場合、どうしても労務を得られない、その必要があるというような場合に、自衛隊なり何なり使用するということは、これは好ましいことであると思うわけでございます。  その点は決して否定しているわけではございません。
  169. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) ほかに御発言ございませんか……。  本日の日程は、これで終りました。あす、道路視察をいたしますから、御参加願います。ついでに申し上げますが、来月十日に委員会を開きます。  本日は、これで散会いたします。    午後一時四十二分散会