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1959-10-10 第32回国会 衆議院 法務委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十四年十月十日(土曜日) 午前十時三十分
開議
出席委員
委員長
瀬戸山三男
君
理事
鍛冶 良作君
理事
小島 徹三君
理事
小林かなえ
君
理事
田中伊
三次君
理事
福井
盛太
君
理事
井伊 誠一君
理事
菊地養
之輔君
綾部健太郎
君
世耕
弘一君 高橋 禎一君 馬場 元治君
三田村武夫
君 大貫 大八君
田中幾三郎
君 三宅 正一君 中村 高一君
委員外
の
出席者
検 事 (
大臣官房経理
部長
)
大澤
一郎
君 検 事 (
大臣官房経理
部営繕課長
)
荻野かく一郎
君 専 門 員 小木 貞一君 ————————————— 本日の
会議
に付した案件
法務行政
に関する件 ————◇—————
瀬戸山三男
1
○
瀬戸山委員長
それでは、これより
会議
を開きます。
法務行政
に関する件について
調査
を進めます。 本日は、
台風
十五号による
法務省関係
諸
施設
の
被害
につきまして、
法務省当局
より
説明
を聴取します。
大澤経理部長
。
大澤一郎
2
○
大澤説明員
命によりまして、ただいまから、
台風
十五号、いわゆる
伊勢湾台風
によります
法務省所管施設
の
被害状況
並びに
復旧対策
について御報告申し上げます。 まず
被害
の
状況
でありますが、
法務省所管施設
の
被害
は、
九州地区
、
北海道地区
を除きまして、本州の全
地区
にわたって
発生
いたしました。特に
愛知
、
三重
、
岐阜
の三県を
中心
といたしまして、大なる
被害
を受けました。ただいままでの
調査
によりますと、その
被害額
は約一億五千五百万円に上っておるのでございます。その内訳といたしましては、
建物
の全
半壊
いたしましたものが三十八棟、
浸水
が六十戸、
庁舎
の外べいの
倒壊
が三千五百七十三間に及んでおります。その他
屋根
、
壁等
に
被害
を受けましたものは無数でありまして、
被害庁
は
検察庁本庁
、
法務局本庁
あるいは
刑務所等
の
本庁
が合せて百七十六庁、それから
支分部局
が四百二十三カ所、
宿舎
が六百三十八戸、こういうふうになっておるのであります。このうち
中心地
でありました
愛知
、
三重
、
岐阜
の
中京地区
では、
本庁
が二十五庁、
支分部局
が百七十一カ所に達しました。その
被害
が約一億五千万円、
建物
の全
半壊
が二十六棟、
浸水
四十八戸、
庁舎
の外べいの
倒壊
が千四百九十四間、全
被害
の約七〇%がこの
東海地区
で起っておるのであります。特に
三重
県では
法務省所管
の全
施設
が、
刑務所
から
登記所
まで含めまして二百十五戸あるのでありますが、このうち
被害
を受けましたものは二百庁に及びまして、ほとんど全
県下
にわたって大きな
被害
を受けたのであります。 これを
組織別
に申し上げますと、
検察庁関係
といたしましては、
本庁
が二十四庁、
支部区検
が百二十五カ所、
宿舎
百二十五戸が
被害
を受けております。その
被害額
が千百七十二万円、中でも
名古屋管内
の
岡崎支部
は
庁舎
の東半分が約五度ないし十度傾斜いたしまして、二階の床が落ちまして、ただいまでも束半分は
執務
が不可能でございまして、危険な
状態
にあります。とりあえず突っ
かい棒
をして持たせておる
状況
でございます。また
津地検管内
の
四日市区検
は
床上浸水
七十センチ、
桑名区検
が約二メートルに達しました。そのために、
浸水
を受けましたものは
証拠品
、記録の一部に
汚損
をしたものがある
模様
でございます。 次に、
法務局関係
では、
本庁
十六庁、
支局出張所
二百六十五カ所、
宿舎
五戸が
被害
を受けまして、
被害額
が約二千万円。最も甚大な
被害
を受けましたのは、
津法務局管内
の
桑名出張所
が
床上浸水
一メートル、
富洲
原
出張所
が約二メートル、
福井管内
の
和泉出張所
が約八十センチ、
名田庄出張所
が約四十センチ、
名古屋管内
の
弥富出張所
が三十センチ、
蟹江出張所
が同じく三十センチの六カ所であります。特に
弥富
、
蟹江
、
桑名
の
出張所
につきましては、
居住室
とも今なお減水せず、
執務
不可能な
状態
でありまして、また
残留職員
の
食糧補給等
も困難になりまして、一時
事務停止
の
措置
をとりまして、
職員
は家族とも引き揚げておる
状況
でございます。なお、
浸水出張所
では
登記簿
の罹災したものあるいは損傷したもの、
回復登記
の
措置
を必要とするものがある見込みでございます。
矯正関係
につきましては、
管区
四庁、
管区宿舎
が五戸、その
被害
が約百二十六万円、
刑務所本所
が五十庁、
支所
三十カ所、
宿舎
三百二十三戸で、その
被害
が七千二十九万六千円、
少年院
の本院で三十五庁、分院一カ所、
宿舎
百四十九戸、その
被害
が約四千七百万円、
少年鑑別所
二十二庁、宿命二十四戸、その
被害
が約三百七十七万円、
婦人補導院
一庁、その
被害
が五万円でございますが、特に
大阪刑務所管内
の
堺支所
の外べい六十六間
倒壊
、
百間破損
、
岐阜刑務所
の外べいの
倒壊
が百六十間、
名古屋刑務所舎房
一棟百三十三坪が
傾斜半壊
、
管内
の半田、豊橋両
支部
の外べい
全壊
、
三重刑務所管内
の
伊勢支所
の外べい
全壊
、その他の外べいの
倒壊
、破壊を含めまして千五百四十八間に及びまして、一時
治安
上憂慮せられたところがあったのでございます。
応急措置
を講じましたが、早急にこれを復元する必要があると考えております。
少年院関係
では、
豊ケ岡農工学院
の
建物全壊
百二十八坪、その他
屋根
などを含めまして九百万円に上りました。
愛知少年院
は、
外さく
五百八十間が
倒壊
、その他の
施設
も
倒壊
もしくは
半壊等
がございまして、
損害
が二千万円の多額に上ったのでございます。なお、
収容者等
につきましては、幸い
死傷者
は一名もございませず、逃走その他の事故も皆無でございまして、非常に平穏でありまして、ただ
食糧入手等
に一時困難をきわめましたので、他の
管内
から
急送手続
をとりまして、この点も無事に急場を切り抜けたのでございます。 その他
地方更生保護委員会
、
保護観察所
につきましては、十庁が
被害
を受け、その
被害額
約十五万円。なお、
観察所所管
の
更生保護会
の
施設
約二十八カ所、五百六十万円の
損害
を受けておりまして、また、
保護観察対象者
中に罹災した者が相当ある
模様
でございますが、まだ詳細な
調査
はできておりません。 公安
調査
庁につきましては、二庁と、
宿舎
二戸、
損害
約二十二万円。
入国者収容所
、
入国管理事務所
につきましては、
本庁
、
港出張所
三カ所、
宿舎
三戸が
被害
を受け、
被害額
約三十五万円となっております。
法務研究所支所
につきましては、一庁が軽微な
被害
を受けたのでございます。 以上の
被害
に対しまして、
被害発生
と同時に、
名古屋高等検察庁
に
法務関係
の
災害復旧対策本部
を設けまして、
本省
から
営繕課長外
九名の技官を派遣いたしまして、最も
被害
の大きかった
愛知
県を
中心
といたしまして、
被害状況
の
調査
並びに
復旧対策
に当っているのでございます。とりあえず各
庁手持ち
の
予算
のあるところでは、それによりまして
応急復旧
をなさしめました。その他の分につきましては、
本省
から
予算
約千百四十一万円を応旧
復旧費
に充てまして、とりあえず目下のところ
執務
に支障のない程度に
応急措置
をとったのでございます。 次に、
事務費関係
につきましては、
三重
、
愛知地区
について
調査未了
の
地区
もございますが、概算九千九百万円、約一億の
被害
になっているのであります。その内容は、
施設関係
の
備品消耗品等
の
流失汚損
、その
復旧費
に約五千万円、
法務局関係
の
出張所
の
罹災登記
の
回復登記
の
復旧費
が六
庁分
、
矯正関係収容者
の
被災警備
、
防疫等
の
対策費
が九百五十万円、
更生保護会施設復旧費
及び
対象者罹災救助費
が約四百万円、
罹災各所
の
復旧応援人件費等
約九百万円等でございます。
調査報告
のまとまり次第、
予備費要求
をいたす準備中でございます。 以上が大体の
被害状況
並びに
復旧対策
についての概要でございます。 次に、
災害
に伴います
治安状況
と
対策
について付言さしていただきたいと思います。
災害発生
に伴いまして、
東海地区
では一時主食、野菜、
建築資材等
の価格が急騰いたしました。
暴利
、
売り惜しみ等
の行為の見られるおそれもありました。なおまたこの
種事犯
に加えまして、深夜に
浸水家屋等
をねらっての
あき巣
、ど
ろぼう等
の悪質な
事犯
の
発生
も見ましたので、
名古屋高検
及び
管内地検
では
警察関係
と密接な連絡をとりまして、
暴利取締本部
あるいは
水上パトロール等
を実施いたしまして、その取締りを強化いたしまして、万全の
措置
を講じておる次第であります。 なお、最後に、御参考までに
当事関係職員
の
愛知
、
三重
、
岐阜
三
県下
の
罹災状況
については、別紙に記載しておきましたが、
罹災者総数
千三百四十五人、これらの
職員
に対しましては、
共済扶助等
によりまして救済の
措置
を講じつつある次第であります。 以上、概略申し上げましたが、資料を提出いたしましたので、それによって御承知おき願いたいと思います。
瀬戸山三男
3
○
瀬戸山委員長
以上で
被害状況
の
説明
を終りましたが、御
質疑
がありましたらこの際許可いたします。——御
質疑
もないようでありますから、本日はこれにて散会いたします。 午前十時四十二分散会