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井伊委員 上田
本部長が転勤をせられるからは、そのまま返してもらわなければならぬ
といようなことがあり得るわけがない。財団法人としてその目的が掲げられておるのであります。「集団的
警察力を保有し伊予
警察署各種
警察事犯の取締に即応するために必要なる人員を合宿訓練する施策の建設、その
維持管理を後援する。」
というのがこの財団法人の目的であります。ちょうど上田氏が県の
警察本部長でおられるときにこの寄付
行為はなされたのでありますから、上田氏との縁は深いのでありますけれども、
本部長が大阪府の
本部長に栄転されると、それで愛媛県との縁が事実上切れるかもしれませんけれども、この目的は
警察そのものに
関係があるのであって、何も上田氏がおられなければ寄付を取りやめる、この建物を撤回しなければならない
というような事情が起きょうはずはないのであります。これは、実を申せば、これを利用するところの若い
人たちは、寄付者のほんとうの心得
というものをあまり感じてはいない、便利なことだけは非常に感じておりますけれども、その心持
というようなものは
本部長ほど感じていない。
警察当局の
人たちのようには感じていない。その結果は、その中にこの寮を付した
というだけでなく
——古川シンコその人が、若いところの
警察官のほんとうの親となって、そうして何くれとなく世話をしておったのでありますが、その間に多少世話をするところの厚薄はあったでありましょう。そういうことが内部の一つの恨み
というか、そういうようなものとなって、実に評し得ないところの
行動をたんたんやってきた。最も激しいことは、そのうちの、人の
警察官と老人であるところの厚意ある寄付者とが何か
関係があるようなことを言いふらす
というような事態にまでなってきたのであります。それでありまするから、この内部は非常に秩序が乱れて、勝手ほうだいなことをし出したのでありまして、寄付者の心待
というものが少しもくみ取られない。実際は、この古川寮建設後援会の
理事になっておるところの
人たち、上田明中岡寿、小石六郎、岡添貞義、それから伊予
警察署長である田中岩夫、こういうような
人たちは、これは心配しておったでありましょうけれども、下の方の、実際使っておるところの者は、このことについては少しも感謝をしていない。しまいには勝手ほうだいに、物は粗末にする、そしててんてんに人のことを言い合ったり、言いふらしたりしておる。寄付者に対して名誉を毀損するようなことまで言い立てるようにまでなってきた。ここで古川氏が頼みに思ったものは、上田
本部長であります。その人が行ってしまわれるとき、このあとは一体どういうふうにしてこの寮を
維持していくつもりか、寄付したときの心持は、
警察に感謝し、そして自分のなくなった子供の冥福を祈る
というようなことで、これは寄付されておるのです。ところが、こういうような乱脈なことになってくるとどうなるか
ということのために、上田氏に対してその裏情を訴えて、そうしてそのあとのことを、つよく教えてもらいたい
という、そういう願いをかけたわけであります。上田氏はこれに対して非常に苦慮をされまして、今までやりましたところの
警察官十数名に対して、やはり古川氏に対するなだめの気持があったものか、始末書を徴せられたわけです。実はその始末書は心から申しわけなかった
というようなことではなしに、実際はいやいやながら、上の方から言われるから出す
というようなことで、このことが行われたものらしい。その場限りのものであったらしい。そのうちの一人の人は、実は自分は署名も捺印もしていない
ということがまだ明らかになったわけであります。そういう誠意のない始末書のようなものを自分がもらったところで、これは一体どうなるのか、誠意が実に疑わしい
ということを言ったのか、結局上田氏が大阪に行かれた後でありますから、問題が非常におかしくなってきて、その中間におられる
人たちは、そういうことならもうこれはどうにもこうにもならぬから
というので、陳謝をいたしまして、またそこでほんとうの、正式の始末書を出す
というような、そういうことが争われたわけであります。しかし上田氏がいなくなった
ということによって、その後は実は、やかましいばあさんである
というようなことで、このことは少しも静まらない。それから
というものは、いよいよばりざんぼう、悪口を飛ばして、ある場合にはこの人のところに乱暴をする
というよう者が出てきたのであります。この事実は、今述べられますところの、報告によるものでありましょうが、そういうものとは違うのであります。こういうふうにして下の方においては、なに上田
本部長がおるからこそ使ってやるんだ、静かにしていてやるんだ、
本部長がいなくなれば、あんなものは、使うけれども、何もばあさんに悪謝する必要はない、あれは結局財団法人のものじゃな
いかというような気持が、この事件をだんだん悪化せしめ、そうしてこの始末はあちらへいき、こちらへいき、正しい道に戻そうとしておる寄付者の願い
というものとは違って、とうとう去年あたりにおいては、その結末は今おっしゃるような
——これは上田氏がいなくなったから、すなわちこの財団法人は今返さなければならない、そこで解散をした、こういうことに報吉はなっておるようでありますけれども、実際はそういうわけではありません。このことに対しましては、ある場合にはあまりこの寄付者がその点についてたんたん重なるところのその不誠意
というものに対していきり立っていくあまりに、下の方の者から言いつけて、そしてそのうちの一人の
警官の父親が、この者に対して殺してくれると言って刺身ぼうちょうを持ち出して、そうして暴れ回って傷害を与えておるような一件も起きてきておるわけであります。こういうようなことにつきましては、報告はありませんでしょうか、御存じないのでしょうか。