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増田説明員 コンニャクの
価格に関連しましては、御
承知の
通り最近きわめて
低落いたしております。まずこの
暴落の
原因でございますが、おそらく
暴落といっても過言じゃないと思いますが、これにはやはりいろいろな
原因があるわけでございまして、この
原因をどうつかまえるかということによりまして、それぞれそれに適当した
対策が打ち出されなければならぬと思うのであります。そこで、まず第一に、近来におきます
コンニャク価格の高騰に伴いまして
作付面積が急激に増加しておるということだと
考えます。特に、現在の市況を反映しております直接の
原因になりました三十三年産の
コンニャクイモの
生産に関しましては、
面積もふえ、しかも反収も近年まれに見るほど非常によかったのであります。それに反しまして、第二に、
暖冬による
消費の停滞がこれの
消費の面から
暴落の
原因になっておるのじゃないかと
考えるわけであります。さらに、第三番目には、
生産の増大に伴いまして前年度よりの
持越量が相当あるわけであります。これは、三十二年から三十三年、三十三年から三十四年という
在庫量の
持ち越しを見ますと、相当ふえております。次に、第四の
原因といたしましては、この
コンニャクに関連しますいろいろな
段階におきまして、これの
流通経路があまり近代化されておらない。従って、そこにいろいろな
関係業者の
思惑による
価格操作が作用する余地があるわけでありまして、どうもこういう
思惑による大きな
価格の
動きがあるのではないか、こういう点も
考えられるわけであります。さらに、最後に、いろいろな
農産物価格に対しましてマイナスの面があったにしましても、これをささえる
農民の力が結集されておればここまで
暴落しなかったと思うのでありますが、非常によくやっておる県もありますけれ
ども、
農協の
販売面がほとんどといっていいくらい組織化されていないところもあるわけでありまして、完全に組織化されているところもあり、完全に
農協の
系統組織が
コンニャクに関しましては何もしておらないというところがあるわけでありまして、全体といたしまして全国的なこういう
系統組織の不完備、これが作用しまして、
価格がだんだん下って参りますと、
生産農家にとっては売り急ぐ
傾向が出てくる。これはやむを得ざるところでありますけれ
ども、この
低落にさらに売り急ぎが拍車をかける、こういうことになったのではないかとも思います。
こういうのが大体私
どもの見ております大ざっぱな今回の
暴落の
原因でございますが、最近は若干持ち直しておるようでありますが、これに対する
対策も県々によっていろいろ
事情があると思うのであります。しかし、共通的な点を
考えますと、何と言いましても、
コンニャクは
国民生活上きわめて大事な
必需品で、
農業の分野から見ましても非常に大事なものでございますから、少くともこれは
生産農家と
農協の
系統組織の間においてはっきりルートに乗せるということであります。すなわち、
共販体制を確立するということであります。これをやらなければ絶対に今後の事態に対処することができないだろうと思います。しかも、
共販の
体制を確立するためには、いまだ
県営検査を励行しておらない。あるいは
県営じゃなくてもいいのでありますが、権威ある
検査によりまして
共販体制を
バック・アップしなければできないわけでありまして、この主産地の中では、この
県営検査する現在まだ未
実施の県がある現状でありますので、特にこの点が強調されなければならぬと思います。こういう
共販体制を至急確立するということ。それから、これに伴いまして、それぞれ必要に応じまして
信連——場合によりましてはその背後におきまして
農林中金が必要な
資金を流すということになるだろうと思うのでありますが、こういう
資金によりまして
流通の
段階は整えて参りたい、かように
考えております。
なお、この
流通関係以外の面でありますが、私
ども現在いろいろ検討中でございますが、大体
関係者の諸情報を総合しますと、やはり
生産過剰ということが争うことができない事実でございまして、
山間部に
生産されておりました
コンニャクイモが、現在では
平坦地帯に進出しまして、きわめて
作付面積が膨大になっておりますので、最終的に長期的な
対策といたしましては、どうしてもこの
作付面積を縮小しなければいかぬじゃないか。これに対する
対策といたしまして、全般的に
流通段階を含めまして、先日主産県約十五、六県の県庁の
担当者並びに
経済連あるいは県の
中央会、こういう方々の
担当者を集めまして
振興局におきまして
協議会を開催いたしたのでありますが、大体その方向は基本的な問題としましては今申し上げた点に尽きておるわけでありまして、これを各
県ごとにいかに早急に
実施に移し、しかも全国的にこれをいかにして結集していくかという問題にかかっておるのであります。何分にも
統計資料もきわめて不完備ありまして、
作付面積等に関しましても、制度の点から言いましても、桑の
間作などをしておるものが見のがされがちでありまして、実際の
数字よりも最近におきまして
作付面積がふえておるのではないかと思われる節がありますし、
需要の面に関しましても、人によってまちまちでありまして、なかなか
自信のある
需要のつかまえ方ができない。こういう点で、
対策の樹立に関しましていろいろ困難な面がございますが、まず基本的な面に関しましてわれわれが努力を続ける、そうして県並びに団体を
指導する、こういうことであろうかと存じます。