○阪上委員 警察
当局に質問したい。前回の
委員会で、メトロ社それから主婦と生活、これの労働争議に対して、現実には暴力介入があった、それから警察の不当介入と目される問題があったということでもって質問が行われて、その善処方を
関係当局に要望したのです。そこでわれわれとしましては、そのことに対して警察
当局はまじめにこれを取り上げて善処される
ものと、こういうふうに
考えておった。ところが、この二つの問題につきましても、なお善処されたという形跡がはっきりとわれわれとしては認められない。そればかりでなく、最近になってから、その後この種の問題が各方面に広く行われておるということでもって、社会党といたしましても、大へんこの問題を重大視いたしまして、最近に至りまして、数回
関係者と協議し、かつ現地をそれぞれ実地調査した、こういうような状態であります。
そこできょう私が伺いたいのは、そういった事例の中で、二つばかり例をあげてあなた方のこれに対する善処方の熱意を
一つ伺ってみたい。
一つは、豊島区堀之内百九十九番地、成光電機株式会社、この工場で行われた労働争議は、労働組合側の要求としてはベース・アップ二千円、そのほか労働条件の改善、こういった内容の
ものでありまして、これについては、われわれがどう
考えてみたって不当労働争議とは
考えられぬのであります。こういった正当な労働争議が行われておるさなかに、当該工場においてはロック・アウトを実施した、こういうことなんです。そこで同時に他の第二会社を作りまして、それが新宿区の西落合二丁目五百三十一番地、光陽電機工業株式会社、こういう
ものを作りまして、成光重機工業株式会社の工場はロック・アウトした。こういうことなんです。そこで組合側としては、これに対していろいろとその不当な会社側のやり方に対して宣伝活動を行なった。そこで具体的にいうと、この第二会社に、光陽電機工業の方に参りまして、組合員がいろいろと宣伝活動、ビラ張り等をやっておる。これに対して会社側からは、社長が先頭に立ってこん棒を振り上げて、そうしてPRをやっておるところの労働組合員を殴打した。こういうことがあったわけなんです。これが五月十日。そこで組合側としては、直ちに当該の署であるところの池袋署に対して抗議を申し入れるとともに善処方を要望した。ところが、その公安課長は全くこれに対しては不問に付しておる、取り上げて捜査をしようとしない。こういうようなことがあり、なお七月二十一日には、やはり同様のことがこの光陽電機工業株式会社の方で行われておる。大体会社側の方では百名ほど従業員を動員して、今言ったようなビラ張り等をやっているところのわずかな成光電機の組合員に対して襲いかかって、これを殴打している。そのために負傷まで受けている、こういう事実があるのです。そこでこれに対しても、組合側から強硬に善処方を要望し、暴力者に対する逮捕方を要望したのですが、取り上げようとしない、こういうような事実があるわけです。
いま
一つは、これはもう
一つひどいんですが、川口市の栄町一丁目二百九十番地、富士文化工業株式会社、ここではこまかいことは省きますが、これも要求としましては、賃上げ要求、それから寮の
施設等の労働
施設の改善、ユニオン・ショップ、こういう
ものを要求している正当な労働争議なんです。これに対しまして会社側は、やはりロック・アウトをやっている。これは二月二十日ですが、暴力団が会社側に参加して、そうして組合員を追っかけ回すというような、まあ現在の常識では
考えられないようなことが行われておる。こういうようなことなんです。同じ二十四日には、組合側が、こういった暴力団に対して市民に不当なる行為であるということを訴えるための宣伝車を出したところが、暴力団がこれに襲いかかって、石を投げたり、窓をこわしたり、あらゆる乱暴を働き回っておるそればかりでなく、同じ日に暴力団がこの工場へ通っている通勤者のおりるであろう駅、乗るであろう駅に待機しておって、不法にも郡司洋子、十六才ですが、外十二名の女工員を二月二十日から三月八日まで約二十日間にわたって会社の中で不法監禁をしておる。駅で待っておって、そうしてそれをとっつかまえて、会社の中に監禁しておる。こういうような事例があるわけです。これに対しまして、組合側から強硬に当該県警本部に対して強くこの取締り並びに調査、逮捕方を要求したにかかわらず、けんか両成敗だということを県警本部長は言って全く不問に付して、この問題を取り上げようとしない。このようなことがあると同時に、ロック・アウトに対する
措置として組合がピケを張った場合に、警察官と会社側が一緒になってそのピケを突破しょうとした。しかもその場合に、会社側はその門に電流を通じている。そのために当時現場におった産経
新聞の記者がその電流に感電している。にもかかわらず、そういったことについても何らこれを捜査しようとしない。こういうようなきわめて驚くべき事件があるわけなんです。これに対して、今申し上げましたように、何ら当該警察本部もあるいは警視庁も善処しようとしない。私は、こういった一連の最近の傾向はほかにもたくさん出ているのでありますが、ながめてみると、全くそらおそろしい感じがする。そういうことに対して労働組合等が正当なる団体行動等を行います場合には直ちに暴力行為等取締法の違反であるというようなことをひらめかして、一方にこれだけの明白な暴力行為が行われておるにかかわらず、また警察官の不当介入と目されるような事件があるにかかわらず、これに対して何らの手を打とうとしないというようなことは、全く警察あってなきがごとき
ものであるというように
考えざるを得ないのです。当該責任者である県警本部長がおりませんし、警視総監もおりませんし、中川さんは何でも答えられる立場にあるということですけれ
ども、この問題について詳しく追及するわけにいかないだろうと思いますので、詳しいことについては、次の機会に警視総監並びに県警本部長に来てもらって、この問題についての
当局者のとっておる態度についてはさらに追及したい、こう思っております。こういう
ものはメトロ事件にしましても同様でございますが、はっきりわかっておる不法行為に対して、全然これに対する積極的な解決をはかっていこうとしない警察の態度、ことにたとえば広島で行われた原水爆禁止の世界大会で、右翼団体の暴力団があのような暴威をふるっておるにもかかわらず、これを平気で見ておる。また平気で見ているだろうという想定のもとに彼らが動くような原因をあなた方は作っておるのではないかと思う。しかも国家公安
委員長の閣議における
お話等を
新聞で拝見いたしますと、警察が手抜かっておったのではなくて——全学連もなかなか行き過ぎがあるかもしれませんが、そういった
ものが調査に協力しないかううまくいかないのだ、こういうようなことを言っておられる。私はそうじゃないと思うのです。川口などの事件につきましても、はっきりとそういった暴力行為をふるっておる。パチンコくずれみたいな
もので、望月某という名前まではっきりわかっておる。そんな
ものをなぜあなた方はほったらかしにしておくんだろうか。そういう態度が結局いろいろなふうに今後そういった暴力団を助長して、治安は全く乱れてしまう。こういうふうに
考えざるを得ないのです。そこできようは、こまかい点につきましては、先刻申し上げましたように
関係責任者がおりませんので次の機会に譲りたいと思いますが、最近のこういった事例という
ものはまぼろしでも何でもない。現実にあるのだから、この際警察庁として一体どういう態度で臨まれておるかということを伺いたいのっと、それからえたいの知れない者が簡単に集合して特定の権力とくっついて、そうして臨時に暴力団体を編成して、あらゆる暴力行為を行なっておるということについて、国家公安
委員会の
委員長としては、こういう
ものを、ただ単に警察が一生懸命やっておるのだけれ
ども仕方がないのだ、こんなふうに簡単に
考えられておるのかどうか。この三つにつきましてそれぞれお伺いしたいと思います。