○佐野
委員 そこで
会社側の団体交渉の
答弁によっても、それはわかっておったんだ、だから
交番にも
連絡をとった。あるいは陸運事務所に対しては、事後において
処置をするつもりでおったんだ。こういうように、すでに
最初から違法性をやろうじゃないか、そのために多衆の威力を示して、しかも凶器を示してこれをやるんだ、こういう
考え方のもとに
計画が組まれておったのじゃないかという点は明らかだと思います。それに対して
組合員の方からいろいろ陳述が出ているにもかかわらず、これを中心として取り
調べておられない。たとえば凶器を示しているという
——私たちも現地へ行っていろいろな凶器を見て参ったわけですが、バールのごときは五尺からある。あるいはまた工具なんかを振り回している。たとえばピストンは一貫目の重さである。こういう一貫目の重さのものを持って、警備員というマークをつけた者が
組合員を追っかけ回している。あるいはまた馬の口ですか、これは一貫五百目からある。こういう重いものを振り回して、きさま出たら殺すぞ、そこに入っている、あるいは無理をして出ようとする者に対して、これを地下にたたき込む、そのためにけがをさせておるというような現状であるわけで、わずかの狭いあの地帯に二百名にわたるところの
人夫が襲いかかって、四十名しかいない
組合員を
カン詰にする、凶器を振り回してこれを追っかけ回す、こういうようなことは
ロックアウトというものではなくて、まさしく暴力団の労働
争議に対する介入であるということは、
門司委員の指摘された通りであります。こういうことを許しておることから
考えても、あるいはもう
一つ、
トラックを四台、乗用車を三台も連ねて深夜の町を突っ走ってくる。これは当然道路交通取締法によって
警察署長の許可を要するものと思います。にもかかわらず、こういう無許可のもとに
人夫を乗せてやって参るというようなことから
考えて参りましても、先ほど来繰り返して申しておりますが、
会社のやっていることは、正当な労働
行為としての
ロックアウト行為ではない。少くとも暴力をもって労働組合を威圧するのだ、そのために
警察がじゃまだから
警察の了解を求めてやる、こういう
考え方をもって一貫しておるところに暴力
行為が
発生しておる。
署長さんでさえも斎藤さんと言われるどこかの暴力団の親方。あるいはまた目黒の河合のおやじと言われている拳闘クラブのおやじ、こういう人が
指揮者になって、凶器を持った
人夫がやってきておるということから
考えても、これはもう労働
争議としての問題ではなくて、明らかに暴力団によるところの組合に対する威嚇であり、威圧である。こういうことが明らかでありますし、その中において行われている事象を見て参りましても、
暴力行為等処罰に関する
法律に確実に該当するものである。私はかようにも
考えます。たとい
現場にいなくても、東都
自動車協会などというものは、共謀の共同正犯として当然
逮捕すべき性質のものである。しかも凶器はたくさん残置されておる。あるいはまた事務所にあったところの組合の現金が盗まれておる。これは盗難の届出が出て参っておる。けがを現実に与えておる。組合は無抵抗である。四十名のところに二百名が押しかけてきておる。
ナンバー・
プレートをはずすために、かじ屋に行って特殊の器具をわざわざ作ってやっておる。こういうようなことの
計画性を
考えると、その中から窃盗罪、傷害罪、あるいは監禁罪、封印窃盗罪、いろいろな罪名が生まれてくると思います。しかもこれらに対しましてほとんど
取調べらしい
取調べをやっていないということになって参りますと、証拠隠滅のおそれがある、あるいはまた証人を立てて内容をいろいろとくつがえすおそれが十分にある。これはだれが
考えてもそうだろうと思います。だからこそ、
逮捕状を持って、これらの
会社並びに
自動車協会、暴力団の
指揮者、これらのものをやはり共謀の共同正犯として
逮捕して、実はどうなんだ
——組合側からも陳述が出ておりますから、これに基いて厳正な
取調べをされることこそが
警察権としての正当な
行為じゃないか。それをなされてないところに、私は、冒頭に言いましたように、どうもなれ合いが行われておったのじゃないかと思います。そうしてまた正当な労働組合運動に対しまして、免責規定があるにもかかわらず、
暴力行為等処罰に関する
法律が全国的に適用されておって、これは労働
行為でなくて集団威力を示すところの
行為であるというのでどんどん検挙し、
逮捕状を突きつけておるのに、片方において、労働組合法において何ら免責規定がない
会社側の
行為、しかもいろいろの不法
行為、
最初から予期して、
法律を踏みにじってでも組合をやっつけてやるのだという
計画を堂々と立てて、それに基いて行われた
行為に対しまして、私は、
警察当局が厳正な
警察権を発動して
事件の真相をきわめ、
逮捕状を持って、そういう幾多の事犯を犯した者に対して徹底的な処罰をするという厳然たる態度を必要としておるのではないか、かようにも
考えますので、それらに対する見解を
警察庁長官並びに
警視総監からお聞きしておきたいと思います。