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1959-07-03 第32回国会 衆議院 地方行政委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年七月三日(金曜日)委員長指名で 次の通り小委員及び小委員長指名した。  青少年補導に関する小委員       飯塚 定輔君    加藤 精三君       亀山 孝一君    纐纈 彌三君       田中 榮一君    渡海元三郎君       吉田 重延君    太田 一夫君       川村 継義君    阪上安太郎君       下平 正一君  青少年補導に関する小委員長  飯塚 定輔君     ――――――――――――― 昭和三十四年七月三日(金曜日)     午前十一時十二分開議  出席委員    委員長 濱地 文平君    理事 飯塚 定輔君 理事 纐纈 彌三君    理事 田中 榮一君 理事 渡海元三郎君    理事 吉田 重延君 理事 阪上安太郎君    理事 門司  亮君 理事 安井 吉典君       加藤 精三君    金子 岩三君       亀山 孝一君    高田 富與君       津島 文治君    富田 健治君       三田村武夫君    加賀田 進君       川村 継義君    佐野 憲治君       下平 正一君    中井徳次郎君       北條 秀一君    矢尾喜三郎君  委員外出席者         警察庁長官   柏村 信雄君         警  視  監         (警察庁警備局         長)      江口 俊男君         警 視 総 監 小倉  謙君         警  視  長         (警視庁公安部         長)      石岡  實君         専  門  員 圓地與四松君     ――――――――――――― 七月三日  理事亀山孝一君同日理事辞任につき、その補欠  として田中榮一君が理事に当選した。 同日  理事丹羽喬四郎君六月三十日委員辞任につき、  その補欠として飯塚定輔君が理事に当選した。     ――――――――――――― 七月二日  電気ガス消費税撤廃に関する請願五島虎雄君  紹介)(第七七号)  質屋営業法の一部改正に関する請願外十二件(  高橋英吉紹介)(第九九号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 七月二日  地方財政確立に関する陳情書  (第一二〇号)  地方公務員停年制実施に関する陳情書  (第一二一号)  地方公務員停年制実施対策に関する陳情書  (第一二二号)  三輪自動車税町村移譲に関する陳情書  (第一五八号)  道路交通取締法改正に関する陳情書  (第一六五号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事の互選  閉会審査に関する件  小委員会設置並びに小委員及び小委員長選任に  関する件  警察に関する件   請願  一 遊興飲食税の税率及び免税点改正に関す    る請願松平忠久紹介)(第五号)  二 飛出しナイフ禁止に関する請願加藤勘十    君紹介)(第五六号)  三 鹿屋市の国有提供施設等所在市町村助成交    付金増額に関する請願二階堂進紹介)    (第六四号)  四 大隅地区国有資産等所在市町村交付金増    額に関する請願二階堂進紹介)(第六    五号)  五 電気ガス消費税撤廃に関する請願五島虎    雄君紹介)(第七七号)  六 質屋営業法の一部改正に関する請願外十二    件(高橋英古君紹介)(第九九号)      ――――◇―――――
  2. 濱地文平

    濱地委員長 これより会議を開きます。  この際、理事辞任申し出の件につきましてお諮りいたします。理事亀山孝一君から理事辞任したいとの申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 濱地文平

    濱地委員長 御異議なしと認めます。よって許可するに決しました。  この際、引き続き理事補欠選任に関する件についてお諮りいたします。理事亀山孝一君の理事辞任及び理事丹羽喬四郎君の委員辞任により、現任理事が二名欠員となりました。つきましては、この際その補欠選任を行いたいと存じます。これは、先例によりまして委員長指名に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 濱地文平

    濱地委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。  それでは、田中榮一君及び飯塚定輔君を理事指名いたします。     —————————————
  5. 濱地文平

    濱地委員長 次に、請願審査に入ります。本日の請願日程六件全部を一括して議題といたします。  各請願につきましては、紹介議員がお見えになっておりませんので、その紹介説明は省略することといたします。  お諮りいたします。各請願の取扱いにつきまして理事会において協議いたしました結果に従いまして、日程第二ないし第四の各請願は、いずれもその趣旨がおおむね妥当と認められますので、採択の上内閣に送付すべきものとし、残余の各請願は、なお検討すべき点もありますので、その決定を留保することといたしたいと存じますが、このように決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 濱地文平

    濱地委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 濱地文平

    濱地委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。     —————————————
  8. 濱地文平

    濱地委員長 この際、閉会審査に関する件につきまして、理事会の申し合せに基き、各般の事項について順次お諮りいたします。第三十一回国会以来継続して本委員会に付託されておりまする中井徳次郎君外十名提出の地方財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案及び本委員会の今会期中における国政調査事項、すなわち、地方自治に関する件、地方財政に関する件、警察に関する件、消防に関する件、以上各案件につきまして、閉会中もなお審査を行うため、議長に対し文書をもって閉会中の審査申し出をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 濱地文平

    濱地委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。
  10. 濱地文平

    濱地委員長 この際、お諮りいたします。理事会の申し合せによりまして、先刻議長申し出ることに決定をいたしました閉会審査すべき案件が院議により本委員会に付託されました場合、警察に関する件のうち、青少年補導に関する問題の調査のため、小委員十一名よりなる青少年補導に関する小委員会を設置することとし、その小委員及び小委員長選任につきましては、先例によりまして、その指名委員長に御一任願いたいと存じますが、これに対して御異議ありませんでしょうか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 濱地文平

    濱地委員長 御異議なしと認めます。  それでは小委員に    飯塚 定輔君  加藤 精三君    亀山 孝一君  纐纈 彌三君    田中 榮一君  渡海元三郎君    吉田 重延君  太田 一夫君    川村 継義君  阪上安太郎君    下平 正一君 を指名いたします。  また小委員長には飯塚定輔君を指名いたします。  次に、閉会中の委員派遣に関する件についてお諮りいたします。閉会審査のため、実地調査の必要がある場合には、委員派遣を行うこととし、派遣委員の数、その選定並びに派遣地及び期間、その他議長に対する承認申請手続等につきましては、すべて委員長に御一任願っておきたいと存じますが、これに対し御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 濱地文平

    濱地委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。  次に、閉会中における理事、小委員長及び小委員辞任及びその補欠選任に関してお諮りいたします。閉会中におきまして、理事、小委員長及び小委員から辞任申し出がありました場合には、その都度委員会に諮ることなく、委員長においてこれを決することとし、また理事、小委員長及び小委員辞任並びに委員異動に伴う理事、小委員長及び小委員補欠選任につきましては、委員長指名に御一任願っておきたいと存じますが、これに御異議ございませんでしょうか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 濱地文平

    濱地委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。  午後一時まで休憩いたします。     午前十一時十八分休憩      ————◇—————     午後一時三十四分開議
  14. 濱地文平

    濱地委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  これより警察に関する件について調査を進めます。質疑の通告があります。順次これを許します。門司亮君。
  15. 門司亮

    門司委員 この際、警察に聞いておきたいと思いますが、最近新聞等について御承知のように、労働争議に対する警察介入というものが非常に多いように考えられるんだが、この点について警察側として何か指示されたようなことがあるのか。私は指示したとは言えないだろうと思うが、しかしいずれにしても、この私の手元にある材料だけでもかなりたくさん実はあるわけですが、これを一つ一つ話をして進めていくということになると、非常にたくさんあろうかと思います。大体の警察方針を、この際はっきりしておいていただきたいと思います。
  16. 柏村信雄

    ○柏村説明員 警察といたしましては、労働争議につきましては、争議そのもの介入するということは一切しない建前にいたしておるわけであります。ただ、その争議の行われます間におきまして、もし不幸にして不法事犯発生するというような場合につきましては、これは使用者側にそういうことがあろうと、組合側にあろうと、いずれの側に対しましても、厳正にこれを取り締って参るという方針を従来からとっておりまするし、最近こういうことに関して特に方針を変えるというようなこともなく、また従いまして特別の指示をいたしておるということはございません。
  17. 門司亮

    門司委員 そうしますと、最近の争議行為に対して、われわれの考え方から見て警察介入があるということについては、現場におる当該警察署長というか、そういう諸君のものの考え方でこれが行われておるというように解釈して差しつかえないですか。
  18. 柏村信雄

    ○柏村説明員 その個々事件をお聞きしないと、どの場合が現場署長指揮に従ったか、あるいは署長まで至らない警察官によって行われたか、さらにまた本部長等が、特別に相当の事犯が起ることが予想されるというようなものについて、あらかじめ注意を与えるというようなこともあり得るわけでありますので、個々具体的な問題についてでないと一がいには申し上げられないと思います。
  19. 門司亮

    門司委員 そうすると、個々の問題で、もし警察行為がかりに——これは見方によって違うだろうが、われわれとして警察権介入があったというようなことが万一実証されるような場合についての処置は、警察側としては今お話しのようなことで、事実があれば、結局それについては警察庁の意見と異なった警察当局行為というか、ものの考え方、さらに処置については、警察としての何らかの意思表示をされることがあるということに解釈して差しつかえございませんか。
  20. 柏村信雄

    ○柏村説明員 ちょっと今御質問趣旨がはっきりとつかみかねたのでありますが、警察の基本の方針というものについては、先ほど申し上げた通りでございます。従いまして第一線警察といたしましても、この方針にのっとって、個々事件につきまして、不当な介入をするというようなことのないことを私は確信いたしておるわけでありますが、不幸にしてそういうような行き過ぎとかあるいは行き足らずというようなことがかりにありといたしますれば、それは今後注意をして参らなければならぬ問題だと思いますが、現在まで私ども、先ほど申し上げたような方針でおりますし、第一線も原則的にそういう方針にのっとってやっておるものと考えておるようなわけであります。
  21. 門司亮

    門司委員 私どもは、きょうここで今まであった幾つかの問題を全部審議しようとは、時間的にも考えられないのであります。従って、まず冒頭に警察庁に確認しておいていただきたいと思うことは、今の長官答弁によりますと、そういうことはないと確信しておる、もしあった場合にはと、こういうお話があったわけでありますが、われわれの方といたしましては、幾つかあるものを全部一ぺんに出すわけにいかぬかと思いますので、この委員会の済んだあとにでもなろうかと思うが、その幾つかの問題について、事実をあげて一応あなたの方に報告するつもりでおります。従って、事の真相については、あなたの方で一つはっきり調べてもらって、そうして事実については何らかの意思表示をしていただきたい。  私がこういうことを申し上げますのは、どう考えても、最近争議が非常に長引くというような場合に、ときどき労使のいろいろな感情問題その他で問題が起ってくる。その場合の警察官処置というものが、どう考えても一方的過ぎた処置のように見受けられる。こういう事例がたくさんあるわけであります。そのことのために争議が本質的なものから離れて、そうして何か感情的なものが出てくるようになるのであります。大きな争議には少いのでありますが、そういう感情的な問題が介在するのは比較的小さい争議に多いのであります。従って、これは部分的に起る事件であるだけに、警察官介入というものがややともすると私情等によって考えられていはしないかというような面がたくさんある。従って、それらの点について十分われわれの方も一応のリストを出して、そうして警察側のはっきりした態度を求めたいと思いますので、その際は一つぜひ間違いのないように一応の警察側考え方、それから事実についての考え方等について一つわれわれの方にも資料を出してもらいたい、こう考えております。  きょう率直にお聞幸をしておきたいと思いますことは、メトロ交通におけるこの間の暴行事件に関する警察側処置の問題でありますが、この事件は、私が申し上げるよりも、警察当局の方がすでによく御存じだと思いますが、御承知のように長い争議であって、そうして争議の経過からいえば、組合側会社側との間には、大体大阪の団交でもののきまりがつきかけておった。ところが、たまたまそういう時期にあったにもかかわらず、会社側の一方的なものの考え方で、御承知のように組合員が仮睡をしておるそのすきにたくさんの自動車ナンバープレートがはずされた。しかもそのはずす行為についてたくさんの人が暴力をふるった問題でありますが、この事件の概要について、警察側の今日までの取調べ、あるいは今日まで当該警察から警視庁あるいは警察庁報告がされておると思いますが、その報告がされております内容を 私が一応ここで質問をするに先だちまして、この暴力事件に対する警察側のとった処置についての御説明を、警視庁側から一つ承わりたいと思います。
  22. 小倉謙

    小倉説明員 ただいまお話しの件は五月の三十日の事柄であろうと思うのであります。お話にありましたように、当日午前四時十五分ごろに会社側の者数名に率いられました人夫約百名が、トラック三台で原宿営業所に到着いたしまして、直ちに同営業所バリケードを張るとともに、事務所の窓などを板でくぎづけをする。そういうような作業をしておる間に、同所に仮眠しておりました労働組合員との間に紛争が生じまして、そのために労働組合員側及び人夫側双方負傷者が出た、こういうような事案でございます。  この事案発生に際しましては、警察といたしましては、一一〇番からの通報及び原宿署の巡査が、トラックにそういうような人夫が乗っていくのを見ましたというような速報などがありまして、直ちに原宿署の当直の刑事係長以下四名が現場出動をいたしました。また四時三十数分ごろ署長以下署員二十四名、引き続いて機動隊一個中隊が出動をいたしたのであります。しかしながら、この暴力事犯が行われましたのはわずかの時間でございましたので、多数の警察官が到着いたしましたときには、この事犯がすでに終了しておりました。そこで直ちに捜査に着手いたしまして、その場におりました人夫八十八名を即刻原宿署に任意同行いたしまして、取調べを行なったのであります。その中から面通し等によりまして人夫五名、さらにその後判明いたしました一名を傷害事犯事件を処理しておるのであります。人夫の方にも数名の負傷者があったのでありまするが、これはその人夫がよく相手方を覚えておらないというような状況でありまして、現在なお捜査はいたしておる格好でございますけれども被疑者がわからないというような状況でございます。  以上でございます。
  23. 門司亮

    門司委員 それで私はこの事件個々内容に触れます前に、警察側のものの考え方について一応聞いておきたいと思います。  それは警察側のこの事件に対する態度としては、どうも単なる傷害罪というような、いわゆる人夫諸君組合員諸君とが出会いしらにけんかといいまするか、やって、そうして傷害罪が成立するというようなことで捜査が行われているのか、あるいは暴力行為等の取締りというような関係からこの事件に対する捜査あるいは処分をされようとお考えになっておるのか、どちらであるかということを先に聞いておきたい。
  24. 小倉謙

    小倉説明員 当初は暴力行為等処罰に関する事件によりまして取調べを始めたのでございますが、その後よく事情を聞いてみますと、この人夫たちが命ぜられましたのは、ロックアウトのためのバリケードの構築及び自動車ナンバープレートをはずす、こういうことでありまして、乱暴な行為をしてはいけないということを特に念を押されておったということが判明したのであります。従いまして、事件の処理といたしましては暴行傷害で処理いたしたのであります。
  25. 門司亮

    門司委員 私は、問題の所在が実はそこにあろうかと考えております。この種の事件は、御承知のようにどんな者でも他人を傷つけてよろしい、あるいはあれをやっつけてしまえというような指揮命令をしないことは当然であろうと思います。少くとも怨恨関係その他で行う犯罪でもなければ何でもないのであります。こういう集団の行為でありますから。問題になりますのは、そういう警察側態度というものが、起った事件についての究明が実はされておらない。私の調査した範囲におきましても、少くとも私が警察署長に会って話を聞きましたときまでの段階では、この行為に対しては、だれがこれを計画したのか、あるいはだれが現場指揮をしたのか、あるいはだれが人夫の賃金を払ったのかというようなことは調べてない。こういう報告を受けておりますが、これは事実ですか。今警視庁に入っておる報告と違いますか。私が少くとも署長から聞いたのはそうなのです。
  26. 小倉謙

    小倉説明員 当時会社の者が現場に行っておりましたのは、私の方の調べでは八名と聞いております。そしてその八名の中の中心の者が、先ほど申し上げましたようにロックアウト及びナンバープレートをはずすということについて人夫指示をいたしておるのでございます。その暴力事犯発生でありますが、これは私の方の調べでは、ロックアウトのためのバリケードを築く作業をしておる。それからナンバープレートを取りはずす作業をしておる。その間、仮眠中の組合員との関係もありまして、その事務所の窓などを板でくぎづけする。こういうようなことで、仮眠中の組合員が一斉に飛び起きて、そのくぎつけされた板を破って外に出て、それをとめようとした人夫窓ワクを投げるというような行為もあったりして、双方もみくちゃになって、先ほど申し上げたような暴力事犯になったのであります。私の方の取調べでは、暴行傷害という点につきましては、現場における偶発的な事件である、こういうふうに考えております。
  27. 門司亮

    門司委員 その点がどうも警察側態度がはっきりしないのです。事件内容は、多少まだこれから私からも聞きますし、また同僚からも具体的な内容に触れて聞くことがあろうかと思いますが、問題になりますのは、御承知のようにロックアウトをするという場合の争議行為というものが、従来あそこにパラ線の針金はなかったのにそれをこしらえだということ、それからナンバープレートを取りはずすということ、もう一つの重大な問題は、仮眠をしております従業員出入りができないように窓口に板を打ちつけるという行為ですね、これは一体ロックアウト行為であるかどうかということなんです。言いかえますと、行為としては明らかに一人の人間拘禁するということになるんですね、外に出られないのですから。そういう行為を単なる労働争議ロックアウトというように警察が解釈しておることは、私はおかしいと思うのです。どこの会社でもそうでしょう。一応会社営業を中止する、仕事はしないから組合員諸君も入ってきてもらっては困るというような場合に、門を締める。同時に門扉の内側に、それを越えて入ってくるような人がある場合に備えるような行為は、私はロックアウトに付随した一つ行為と言えるかもしれないと思う。しかし問題は、そうだからといって、仮眠している者のところへ行ってくぎを打ちつけるという行為は、すでにあらかじめ、ここから出てくれば一つ暴力行為というか衝突が起るであろうということを予期してやったことであろうと思う。また予期しなければならないはずなんです。そういうものが予期されなければ、仮眠している諸君が幾らここへ出てきても何も問題は起らぬのである。出て行かなければ問題はない。だから出てこないようにくぎで打ちつけてしまって、運転手諸君が外に出られないように拘禁してしまおう。そしてその間にナンバープレートをはずしてしまおうという計画的な仕事なんですね。私は、この行為自身というものは、争議行為を逸脱した会社側の陰謀に基く暴力行為とみなすのが正しいと思う。単に出会いしらにけんかしたものではないと考える。でありますから、この仮眠しております諸君場所を、窓から出られないようにくぎづけにしたという行為は、警察側は単なるロックアウト行為だと認められるのかどうか。私ども考え方では、明らかに人を拘禁したし、監禁した仕事だと考える。くぎづけにしてありますから、私はそう解釈するのですが、警察側は、いや人間拘禁ではないというように解釈されておるかどうか、この点を一つお聞かせを願いたい。
  28. 小倉謙

    小倉説明員 この点は取調べをいたしたのでありますが、不法監禁になるかどうかという点、これはよく事情調べますと、こちらで作業をしておる側の板の打ちつけをやったのでありまして、裏側の窓はあいておって、そこからの出入りは一応自由であるというような状況であったのであります。
  29. 門司亮

    門司委員 裏側の窓があいておると言われますが、裏側の窓はかなり高いがけなんです。裏側の窓から実際は出られないのです。出るには骨が折れるのです。私は現場に行って見たのですが、裏側から出られるからいいのだというならば、何のために一体七分板を持っていって打ちつけたのかということなんです。出られるところがあるならばみんなあけておいていいということなんです。これは明らかに拘禁をする、少くとも暴行を働く、ナンバープレートをはずしてしまう間に人間が出てこないように拘禁をする目的だったということに間違いないと私は考える、それ以外に考えられない。裏側から出られるから表を締めてもよかったのだという今のあなたのお話はどうにもならない。この行為は明らかに会社側ロックアウト行為範囲を越えたいわゆる人を拘禁した行為とみなすことが正しいと私は思う、またそうでなければならぬと思う。今の御答弁については、もう一応現場をよく調べてもらいたいと思う。ことに人の寝ておる場所でありますから、それをわざとくぎづけにしたということは、明らかに人を拘禁する目的でやったことに間違いがないというように解釈する方が私は正しいと思う。従ってそういう中から出てきた事件というものは、単に傷害罪だけということで取り締られたということの方が少しおかしいと私は思う。同時にこの行為は偶発的なものでもない、会社側は明らかに計画をいたしております。これは四カ所で行われたのであります、横浜、横須賀、目黒、原宿と四カ所の営業所で同時刻に行われておる。だから少くとも会社側には計画性があったことに間違いがない。あなたが言われますように、偶発的に起った問題だとしても、偶発的に起ったよって来たる原因というものは会社側で計画されておる、そしてそれを指揮しておる人がいる。同時に人夫はただで使ったわけではない、金を払った事実がある。人を集めさせた事実もある。一体そういう行為警察側調べられておらない、わからない。ただ人夫がけんかしたのだということだけでこの問題を始末されようとするところに問題があると思う。私どもが先日参りましたときには、署長さんは五月三十日に起った事件調べてなかったという、なぜ一体こういうことを明らかにされないか。事件の概要というものが明らかにされておらない。そこで私は、冒頭に暴力事件の概要について警察側の今日までの態度を聞いたのであります。警察側はどうしてこういう事件が起ったかという事件の概要を大体知らないのです。これは通りすがりに何か言い合ってけんかして起した傷害罪じゃないのです。だから傷害罪としての取扱いができるのか、あるいは団体としての暴力行為関係が出てくるのか、さらには皆さんも御承知のように、場合によっては凶器所持等の罪でありますか、刑法の二百八条ノ二の二項の罪というようなものも、凶器を持っておりますから考えられるようであります。事実上警察に押収されている凶器はたくさんあるでしょう。あの凶器を持っておるということは、目的ナンバープレートをはずせばよろしいというのに、かけやを持っているでしょう、バールを持っているでしょう、いろいろなものを持っている。これははっきりした凶器なんですね。こういうものを持っている者が百人以上も集合しているのです。なぜ明らかにこういう法律に照らして、そういうもののよって来たる原因を調べられないか。だからこの際重ねて聞いておきますが、警察はそういうよって来たる原因というようなものについて、一体今後十分調査されるお考えがあるかどうか。これがわからぬと、どう考えてもこの事件の解決にはならぬのであります。どうしてああいう事件が起ったかということは、結局暴力団があそこヘナンバープレートをはずしに行った、そして従業員とけんかした、そしてこういう事件になったということになっていると思う。それを偶発的な事件警察が考えておるところに問題がある。これを計画し、いわゆるロックアウトのためにそういう行為をすることの計画をし、現場指揮して、賃金を払って、さらにその人夫を集めた人がある。そういうことがずっと明らかにならなければ、この事件捜査の完璧性は期せられないと考える。だからこれから先、そういう事件を明らかにすることのために、会社側のそういう計画をした者あるいは今申し上げましたような、現場指揮をした者あるいは給料を払った者、さらに頼まれて人夫を集めた者、こういう者等について調査をされる御意思があるかどうか、もう一ぺん答弁して下さい。
  30. 濱地文平

    濱地委員長 本会議関係で、当局の答弁及び残余の質疑は次会に行うことといたしまして、本日はこれにて散会いたします。     午後一時五十三分散会      ————◇—————     〔参照〕 請願に関する報告書     〔別冊附録に掲載〕