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1959-07-02 第32回国会 衆議院 大蔵委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
本
国会召集日
(
昭和
三十四年六月二十二日)(月 曜日)(午前零時現在)における本
委員
は、次の
通り
である。
委員長
早川
崇君
理事
足立
篤郎
君
理事
押谷
富三
君
理事
小山
長規
君
理事
坊
秀男
君
理事
山下
春江
君
理事
石野
久男
君
理事
佐藤觀次郎
君
理事
平岡忠次郎
君
荒木萬壽夫
君
内田
常雄
君
奧村又十郎
君
加藤
高藏君
鴨田
宗一
君 小西 寅松君
進藤
一馬
君
竹下
登君
夏堀源三郎
君 中村 梅吉君
西村
英一
君 濱田 幸雄君 福井 順一君
福田
一君
福永
一臣
君 藤枝
泉介
君
古川
丈吉
君 細田
義安
君 毛利 松平君
山本
勝市君
春日
一幸
君
久保田鶴松
君 田万
廣文
君
竹谷源太郎
君
廣瀬
勝邦
君
松尾トシ子
君
山下
榮二
君
山花
秀雄
君
山本
幸一
君
横路
節雄
君
横山
利秋
君 ――
―――――――――――
六月三十日
早川崇
君
委員長辞任
につき、その
補欠
として植
木庚子郎
君が議院において
委員長
に選任された。 ――――――――――
―――――――――――
昭和
三十四年七月二日(木曜日) 午前十一時二分
開議
出席委員
委員長
植木庚子
郎君
理事
足立
篤郎
君
理事
押谷
富三
君
理事
小山
長規
君
理事
坊
秀男
君
理事
山下
春江
君
理事
石野
久男
君
理事
佐藤觀次郎
君
理事
平岡忠次郎
君
荒木萬壽夫
君
鴨田
宗一
君
北村徳太郎
君
黒金
泰美
君
進藤
一馬
君
竹下
登君
西村
英一
君
福永
一臣
君
古川
丈吉
君
山本
勝市君
春日
一幸
君
久保田鶴松
君 田万
廣文
君
竹谷源太郎
君
廣瀬
勝邦
君
山下
榮二
君
山花
秀雄
君
山本
幸一
君
横路
節雄
君
横山
利秋
君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣
佐藤
榮作君
出席政府委員
大蔵政務次官
奧村又十郎
君
委員外
の
出席者
議 員
芳賀
貢君
大蔵事務官
(
大臣官房日本
専売公社監理
官)
佐々木庸一
君
大蔵事務官
(
大臣官房財務
調査
官)
村上孝太郎
君
大蔵事務官
(
主計局長
) 石原 周夫君
大蔵事務官
(
主税局長
) 原 純夫君
大蔵事務官
(
理財局長
) 西原 直廉君
大蔵事務官
(
管財局長
)
賀屋
正雄君
大蔵事務官
(
銀行局長
)
石野
信一君
大蔵事務官
(
為替局長
) 酒井 俊彦君 専 門 員 抜井 光三君 ――
―――――――――――
六月二十二日
委員加藤高藏
君
辞任
につき、その
補欠
として久
野忠治
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員久野忠治
君
辞任
につき、その
補欠
として加
藤高藏
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月三十日
委員内田常雄
君、
奧村又十郎
君、
早川崇
君及び
福田一
君
辞任
につき、その
補欠
として
植木庚子
郎君、
北村徳太郎
君、
黒金泰美
君及び
山中貞則
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 ――
―――――――――――
六月二十二日
所得税法
の一部を
改正
する
法律案
(
佐藤觀次郎
君外十二名
提出
、第三十一回
国会衆法
第六号)
所得税法
の一部を
改正
する
法律案
(
平岡忠次郎
君外六名
提出
、第三十一回
国会衆法
第五九号)
厚生保険特別会計法等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、第三十一回
国会閣法第
一六七号) 同月二十五日
昭和
三十四
年産米穀
についての
所得税
の
臨時特
例に関する
法律案
(
芳賀貢
君外二十七名
提出
、
衆法
第一号) 七月一日
退職金
の
課税免除
に関する
請願
(
山下榮二
君紹 介)(第五一号)
鹿屋
市に
国民金融公庫支所設置
に関する
請願
(
二階堂進
君
紹介
)(第六六号)
製塩
に関する
請願
(
岡部得三
君
紹介
)(第六七 号) は本
委員会
に付託された。 ――
―――――――――――
七月一日
外地引揚
に際する預入れ
限度超過金返還
に関す る
陳情書
(第二九号)
関税制度改正
に関する
陳情書
(第三〇号)
市町村
に
揮発油税
の一部還元に関する
陳情書
(第三一号)
為替貿易管理法等改正
に関する
陳情書
(第五四号)
質屋等
の
金利引下げ
に関する
陳情書
(第八七号)
会計年度
の
暦年制実施
に関する
陳情書
(第八八号)
積雪寒冷地帯
における
所得税
及び
固定資産税
の
課税是正
に関する
陳情書
(第八九号)
予約減税制度存続
に関する
陳情書
(第九〇号) は本
委員会
に参考送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件
国政調査承認要求
に関する件
昭和
三十四
年産米穀
についての
所得税
の
臨時特
例に関する
法律案
(
芳賀貢
君外二十七名
提出
、
衆法
第一号)
税制
に関する件
金融
に関する件
外国為替
に関する件
専売事業
に関する件 閉会中審査に関する件 請 願 一
退職金
の
課税免除
に関する
請願
(
山下榮二
君
紹介
)(第五一号) 二
鹿屋
市に
国民金融公庫支所設置
に関する請 願(
二階堂進
君
紹介
)(第六六号) 三
製塩
に関する
請願
(
岡部得三
君
紹介
)(第 六七号) ――
―――――――――――
植木庚子郎
1
○
植木委員長
これより
会議
を開きます。 この際、
一言
ご
あいさつ
申し上げます。 私、このたび、当
大蔵委員会
の
委員長
に、不敏の身をもって、去る三十日選任いたされました。つきましては、
皆様
の御
協力
によりまして、何とかして職責を全うして参りたい、かように念願いたしておる次第でございます。 つきましては、
皆様
の特別なる御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、私のご
あいさつ
とさせていただきます。(
拍手
) この際、
奧村政務次官
より発言を求められております。これを許可いたします。
大蔵政務次官
。
奧村又十郎
2
○
奧村政
府
委員
一言
ご
あいさつ
を申し上げます。 このたび、私、はからずも
大蔵政務次官
を拝命いたしました。まことに未熟な者でありますが、一生懸命努力いたしたいと思います。とりわけ、私は、前
国会
までずっと当
委員会
に所属しておりましたので、
皆様方
の御
意見
やお気持はかなりよく知っておるつもりでございます。いわば
皆様方
の
身がわり
で
大蔵省
へ出向したようなものでありますので、どうぞ、今後とも十分の御同情をいただきまして、お引き回し賜わりますように、お願い申し上げる次第でございます。(
拍手
) —————————————
植木庚子郎
3
○
植木委員長
国政調査承認要求
に関する件についてお諮りいたします。本
委員会
におきましては、
毎会期議長
の
承認
を得まして
国政
に関する
調査
をいたして参ったのでありますが、今会期におきましても、
税制
に関する
事項
、
金融
に関する
事項
、
外国為替
に関する
事項
、
国有財産
に関する
事項
、
専売事業
に関する
事項
、
印刷事業
に関する
事項
、
造幣事業
に関する
事項
、
補助金等
に係る
予算
の執行の
適正化
に関する
事項
の各
事項
について、
国政
に関する
調査
をする
ため
、
議長
に対し
承認方
を要求いたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
植木庚子郎
4
○
植木委員長
御
異議
なしと認めます。よって、さように決しました。 なお、本
要求書
の
作成
並びに
提出等
の
手続
につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じます。 ————————————— なお、本
要求書
の
作成
並びに
提出等
の
手続
につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じます。
植木庚子郎
5
○
植木委員長
次に、去る六月二十五一日付託せられました
昭和
三十四
年産米穀
についての
所得税
の
臨時特例
に関する
法律案
を
議題
といたします。
提出者
から
提案理由
の
説明
を聴取いたしたいと存じます。
芳賀貢
君。 —————————————
芳賀貢
6
○
芳賀貢
君 ただいま
議題
となりました
昭和
三十四
年産米穀
についての
所得税
の
臨時特例
に関する
法律案
につきましてその
提案
の
理由
を御
説明
申し上げます。
米穀
についての
所得課税
の
特例措置
は、
米穀
の
供出
を促進し、
食糧
の
確保
をはかることを
目的
として、
昭和
二十六
年産米
につき
議員提出
によって立法化されたことに始まり、自来二十九
年産米
まで毎年ほぼ同一
内容
の
法案
が
提出
され、
米穀
の
超過供出奨励金
、
早期供出奨励金
、
供出完遂奨励金等
の
各種供出奨励金
を
非課税
とする
臨時措置
が講ぜられ、
昭和
三十
年産米
からは、
奨励金制度
が
廃止
されていわゆる
米価
の一本化をはかるとともに、
米穀供出制度
にも画期的な
改正
を加え、いわゆる
予約供出制度
が採用されるに及んで、売り渡された
米穀
の代金の一部を
非課税
とする
特例措置
に切りかえられ、同時に
法律案
の
提出
も
内閣
から行われ、今日に至っておりますことは各位のすでに十分に御
承知
のところであります。しかして、その間、本
制度
が
農家経済
の安定と
国民食糧確保
の上に果しました効果には見るべきものがあったのであります。
予約供出制度
の
実施
以来今日までの間、
政府
が、
米穀
の集荷に当り、
農民
の
協力
を得て、ほぼ所期の
目的
を達成しましたのも、実は、
予約米
に対する
減税措置
が陰の力となって強くこれを推進したからであると断定しても過言でないのであります。しかるに、
政府
は、三十四
年産米穀
からこのような
予約減税措置
を
廃止
して従来の
減税相当分
に当る
金額
を
予約加算金
にさらに加算することとし、三十四年度
食管特別会計予算
に、
予約加算
と
減税分
とを合せて
石当り
百七十五円を計上しているのであります。しかして
政府
が本
制度
を
廃止
するに当り掲げているおもな
理由
は、現在の
制度
が創設された
昭和
三十
年産米
当時には、その
恩恵
を受けておった
農家数
はおよそ九十万戸もあったが、その後
税制
の
改正
に伴いその数は漸減し、さらに本年の
所得税法改正
の結果、
所得税納付農家
、すなわち
予約減税対象農家数
はいよいよ大幅に減少して四十四万戸
程度
、
予約売り渡し農家総数
の一三%
程度
と推定されるに至り、この
制度
の
恩典
を受けるものは、もっぱら一部の
上層農家
のみに局限されることとなる
ため
、この際、むしろこれを
廃止
して
予約減税相当額
を全
予約農家
に均霑するように
米価
に加算する方が、
税制
上、
米価政策
上好ましいというのであります。このような
政府
の
説明
は一見もっともらしく聞えるのでありますが、果してその
通り
でありましょうか。本
制度発足
当時の経緯を冷静に顧み、また、
制度廃止
を
理由
づける
ため
に
政府
が
提出
した資料をしさいに検討し、あるいは農村における
課税農家
の
実態調査
の結果を徴しまするに、遺憾ながら
政府側
の
説明
には多くのごまかしと背理を含み、この
措置
の
真意
については全く疑念なきを得ないのであります。 そもそも、
昭和
三十
年産米
から
実施
してきた
石当り平均
千四百円という
非課税措置
の
算定基礎
は、
予約格差
を
石当り
二百円とし、うち百円は
米価
に織り込み、残りの百円は
減税
により実質的に百円の
手取り
とすることとし、それに相当する
非課税分
を五百円とし、また、二十九
年産米
の
奨励金減税
に相当する
実質手取額
を
確保
する
ため
の
非課税分
を八百円、さらに、
米価織り込み
の
格差金
百円、
合計
千四百円として了承されておったことは明らかであります。従いまして、
予約格差
二百円と
各種奨励金
にかわる
減税措置
とは、実質的に別建で
農家手取り
とさるべきものと解されるわけであります。それにもかかわらず、これらの事実を伏せておいて、
富農政策是正
の美名のもとに本
制度
の
廃止
を企てる
政府
のやり方は、
政策
の
歴史的背景
をことさらに無視した暴挙というべきでありまして、われわれはにわかに賛同しがたいのであります。 また、
政府
の
説明
のごとく、
税制改正
に伴って
所得税
を課せられる
予約減税適用農家数
が減少することは事実でありましょうが、しかし、
予約減税
を
廃止
いたしましたならば、
税制改正
によってせつかく
所得税
がかからないことになる
農家
も再び
課税農家
として浮び上りますので、果して
政府
が主張するごとく
予約減税対象農家数
が四十四万戸
程度
に減少するかどうかには
多分
に疑問があるのであります。しかも、
所得税農家数
は若干減るといたしましても、
売渡数量
の点から見ますと、これら
農家
の
売渡数量
はなお相当な比重を占めておる実情であって、かりに
政府
のいうようにそれが全体の三〇%と見込みましても、約一千万石に上るのであります。しかも、これら
農家
はほとんど
米作専業農家
の階層の主体をなしておりますので、もしもこれら
農家
が
税制
上の
恩恵
が受けられなくなりますならば、
予約減税
があってさえ
農民
は税に対しては一種の
恐怖心
を抱いていることは事実でありますから、
課税
の重圧からのがれる
ため
の
自衛的手段
として勢いやみ売りに走る
危険性
が
多分
に予想され、せっかく軌道に乗っております
予約制度
を大きく後退せしめ、ひいては
米穀
の
統制制度
上にも重大な
影響
をもたらすおそれが
多分
に存在するのであります。この場合、
農家経済
はもとより
国民経済
全体に及ぼす
影響
には容易ならざるものがあることは、今さら多言を要しないところであります。 また、
政府
が
予約減税額
として推定する
金額
は、
国税
で十五億円、
地方税
で八億円、
合計
二十三億円でありますが、その
算定
の
方法
や
基礎
の
内容
につきましては、作為的な点、疑問とすべき点が多々指摘されるのであります。
地方税
に対する
影響
について見ましても、
住民税
の
所得割
の
課税方式
では、
所得税額
を
課税標準
とする第一
課税方式
を採用している
市町村
はきわめて小範囲であって、大多数の
市町村
が
所得額
を
課税標準
の
基礎
とする第二
課税方式
または第三
課税方式
を採用しているのが現状であるので、
予約減税
を
廃止
する場合、
地方税
の増税は予想をはるかに越えて重くなり、すなわち、
所得税
を納付しないような比較的零細な
農家
の中にも、
予約減税廃止
によってかえって不利となるものが数多く現われるに至るのであります。この点に関する
政府
の事前の配慮は全く不十分であったといわざるを得ないのであります。 かくいたしまして、
予約売渡農家
の中には、
税制改正
によって、他の
国民
がひとしく
減税
の
恩典
に浴するにもかかわらず、その
恩典
がゼロになるばかりでなく、なおその上に多額の持ち出しをしなければならないものさえ多数生ずるという重大なる結果を招くこととなるのであります。すでに三十四
年産米
についての
農家
の
予備予約
は着々と進行中であります。
農民
が
政府
のいうごとく大多数のものに有利であるというような無責任な
抽象論
を信用して予約したとしましても、その
欺瞞性
は今年分の
所得税
及び
住民税
の上にやがて事実となって現われてくるのは必定であります。その場合において、
農民
が
政府
に対して果してどのような感じを持つでありましょうか。そこには重大なる紛争が生じないとも保証しがたいのであります。
政府
の
予約減税制度
を
廃止
しようとする動きないしはその企ては今に始まったことではなく、この
制度発足
の当時から、
財政当局
及び
自治庁側
が、
課税
の
公平化
をたてにとって、本
制度
の
廃止
を強く主張していたことは隠れもない事実でありまして、その
真意
が
米作農家
に対する税の増徴にあったことは否定できないことであります。
政府
は、一方では、一部大
企業者
に対し、
国税
だけでも約八百億円以上に上る
各種
の
税法
上の特典を残してその
利益
を擁護しているにもかかわらず、
農民
に対しては、
既得権
ともいうべきささやかなる
特例措置
をも剥奪して省みないのであります。税の
公平化
の見地からいいますならば、このような租税上の
特例
の
全面的整理
とか、法人と個人間の
課税
上のアンバランスの
是正
とか、その他
国税
と
地方税
、直接税と
間接税
を通ずる
税制
並びに
税務行政
の
根本的改革
こそまず実行いたさるべきであります。それ以前における一方的な
予約税制度
の
廃止
に対し
農民
の大部分が強い不満を抱くのもまことに当然と思われるのでありまして、それがひいては、
農民
の政治に対する不信となり、
予約売渡制度
に対する非
協力
を結果することとも相なれば、それははなはだ悲しむべき事態と申さねばならぬのであります。 以上の観点に立ちまして、われわれは、
昭和
三十四
年産米穀
に対しても
従前通り
の
税法
上の
特例措置
を継続すべきものと認め、ここに
本案
を
提出
した次第であります。 以下、簡単に
本案
の
内容
について御
説明
申し上げます。
昭和
三十四
年産米
について、その
生産者
が、政令で定める日までに
政府
に対し
売り渡し
の
申し込み
を行い、その
申し込み
により締結した契約に基き、
昭和
三十五年二月二十九日までにこれを
売り渡し
た場合は、
昭和
三十四年分の
所得税
については、次の区分に従って、
そのもの
の
売渡米穀
にかかる
農業所得
を
非課税
にすることとしているのであります。すなわち、
昭和
三十四年九月三十日までに
売り渡し
た
米穀
については、
玄米換算正味
六十キログラムにつき八百円、十月十日までに
売り渡し
た分については七百二十円、十月二十日までに
売り渡し
た分については六百四十円、十月三十一日までに
売り渡し
た分については五百六十円、及び十一月一日から翌三十五年二月二十九日までに
売り渡し
た分については四百八十円につき、おおむね前年並みの
非課税措置
を講ずることといたしたのであります。 本
法律案
の
提案
の
理由
及び概要は以上の
通り
であります。何とぞ、御
審議
の上、すみやかに御可決あらんことを切望いたす次第であります。
植木庚子郎
7
○
植木委員長
以上をもちまして
提案理由
の
説明
は終りました。
本案
に対する
質疑
は次回にこれを譲ります。 —————————————
植木庚子郎
8
○
植木委員長
先刻議決いたしました
国政調査
に関する各
事項
に対しまして、ただいま
議長
より
承認
がありましたので、御報告いたします。
税制
に関する件、
金融
に関する件、
外国為替
に関する件及び
専売事業
に関する件につきまして
調査
を進めます。
質疑
の通告がありますので、これを許します。
佐藤觀次郎
君
佐藤觀次郎
9
○
佐藤
(觀)
委員
内閣
は変りましたけれども、
大蔵大臣
が留任されまして、われわれも今まで
通り
のいろいろな
意見
を持っております。 そこで、ただいま問題になっております
米価
の問題について、非常に
影響
が大きいし、現在
米価審議会
などでも非常に問題になっておりますが、それについて
大蔵大臣
はどんな見解を持っておられるのか。まず
米価
のことにつきまして
大臣
の
所見
を伺いたいと思います。
佐藤榮作
10
○
佐藤国務大臣
内閣改造
がございましたが、また留任することになりまして、大へん御迷惑をおかけすると思いますが、何とぞよろしくお願いいたします。 ただいま
米価
についての基本的な
考え方
はどうだという
お尋ね
でございますが、申すまでもなく、
米価
は、
米価審議会
において
答申
し、その
答申
に基いて
政府
が
決定
するということでございます。しかし、今日まで新聞その他に伝えられておりますものがいろいろございますから、それらについて
大蔵当局
はどういうように
考え
ておるかという
お尋ね
だと思います。そこで、私も率直に申し上げますが、ただいま
政府部
内、農林省、
大蔵省
いろいろ折衝中でもありますし、また党ともいろいろ話し合っておるのでございます。しかし、経過的に申しますならば、三十四年の
予算編成
の際に
予算米価
を作定いたしました。その際に、
予算米価
、これが
基幹
をなすものであることだけは御了承をいただいておるのではないかと思います。この
金額通り
、
予算米価そのもの
が直ちに
実行米価
になる、かように申すわけではございません。従って、この
予算米価
をきめます際には、
政府
といたしましていろいろ工夫し、勘案し、この
予算米価
を作っておるのでございます。これを
基幹
といたしまして、今回
米価審議会
においてさらに御
審議
、御
答申
を賜わる、かように
考え
ております。しかる上で
米価
の
決定
を見る、こういう段取りでございます。
佐藤觀次郎
11
○
佐藤
(觀)
委員
今、
同僚議員
の
芳賀
君からも、従来
通り
の
米価
についての
非課税
問題について
法案
が出されましたが、御
承知
のように、これは、供山問題と関係し、
予約制度
と関係いたしまして、非常に重要なものでもあるし、ただいまわれわれのところへも
農業団体
の方からたくさんの
陳情
があり、また今までせっかく続いたこの
所得税
の
臨時措置
が、今年度に限って
廃止
されるということになっておりますが、何がゆえにこういうような
処置
を今まで
通り
とられないのか。これは、
大蔵大臣
から、直接な問題でありますので、御
説明
願いたいと思います。
佐藤榮作
12
○
佐藤国務大臣
米価
につきましては、総体の
金額
が
農民
の、
生産者
の方々に満足がいくかいかぬかという、
総合的価格決定そのもの
にも議論がもちろんあるだろうと思います。ところで、今までの
米価
のきめ方は、
基本米価
であるとか、あるいは時期
的格差
であるとか、
等級格差
であるとか、
歩どまり加算
とか、あるいは
予約奨励
だとかいうような、いろいろな
方法
で総額が
決定
されておるということでございます。ただいま御指摘の
通り
でございます。 そこで、問題をしぼって
予約減税
についての
大蔵省
の
所見
というものを申し上げてみますと、御
承知
のように、前
通常国会
でも問題になったと思いますが、
税法
上の
臨時措置
については、できるだけこれを整理していくという基本的な
考え方
を持ち、幸いにして
皆様方
の御賛同も得たと思います。そこで、たとえば
預金利子課税
を免除しているものについてこれを
課税
にするとか、あるいはまた
利子
の
所得控除
の
問題等
についてもいろいろ工夫をいたしまして、
臨時措置
はできるだけ整理していく、これが
基本的考え
であるということを、実は私お答えしたように思うのであります。そういう
意味
で、
予約奨励
という
意味
の
減税措置
、これは
臨時措置
である、かように
考え
ますと、
臨時措置
はそのときの情勢において十分問題の本質を見きわめ、そしてこれが
いかよう
に取り扱われるか、これを研究すべきだ。そこで、先ほど御披露いたしました
予算米価決定
の際におきましては、一応
予約減税
を
廃止
する、そのかわり、
歳入
の増加を
考え
る
制度
ではないのであるから、これは
農民
に、国が
歳入
として増加するであろうと想定される
金額
を、
予約売り渡し農家
全体に還元する、こういう
基本方針
をとって今日まで参っておるという状態でございます。
佐藤觀次郎
13
○
佐藤
(觀)
委員
御
承知
のように、
米価
の問題は非常に重要な問題であると同時に、これは
超過供出
の問題について非常にむずかしい問題が起きると思うのです。もしこの
予約減税
が
廃止
されれば、
農家
はそれが
ため
に非常に
地方税
の過重な負担を受ける。これは、
政府
の
説明
では、
超過供出
をやった場合
予約減税
をすると、税の不公平になる、大きな
農家
だけが
利益
を得て、部分的には不公平な
処置
になるというような
説明
ですし、そういう
意見
も一面あるわけです。しかし、
米作地帯
では—私どもの郷里もそうでありますが、米だけに依存をしている
農家
が相当あるわけです。そういう関係で、現在全体の
農家
の約一割くらいが税を納めているのですが、もしこれがなくなると、非常に
地方税
がかさまって、莫大な税金がかかるようになるわけでそれが
ため
に、今度
超過供出
というようなものは、ほとんど皆無にひとしくなるのじゃないかという心配が出ておるのでありますが、こういう点について
大蔵大臣
はどういう
考え
を持っておられるのか。少くとも
政府
の重要な地位を持っておられる
大蔵大臣
として、そういう問題についてお
考え
になったかどうかということも、この際伺っておきたいと思います。
佐藤榮作
14
○
佐藤国務大臣
予約売渡農家
に還元すると申しました場合の国の
歳入
、これは実は
ひとり国
の
歳入
ばかりではございません。
地方
の
財政
の面からも増収になるだろうというものをやはり還元していくという
考え方
でございますから、
国税
、
地方税
合計
したものを骨子として全
農家
に均霑する、こういう
考え方
でございます。また、今
超過供出
云々のお話がございましたが、
超過供出
という問題とはこれは別個の問題でございますし、今は
超過供出
というような
制度
ではなくて、予約
申し込み
制度
ですから、幾らでも
政府
に持ち込まれてけっこうなんであります。
佐藤觀次郎
15
○
佐藤
(觀)
委員
だいぶ
考え
違をして恐縮でありますが、これは
法案
も出ておりますから、いずれまたあとで質問することといたします。 その次は、証券の問題について概括的にいろいろなことを聞きますけれども、これは、先回の
委員会
でも、同僚
委員
からも質問がありましたが、証券界の問題がいろいろと大きな問題になっているわけです。それが
ため
に、
大蔵省
はいろいろな警告を発したり、いろいろな
処置
をされておるようでありますけれども、遺憾ながら誇大広告その他の面で大衆の投機心をあおるような事態が起きておるわけです。こういう点について
大蔵大臣
はどういう見解を持っておられるのか。現在の証券界のあり方でやっていけるものであるかどうかということについての
所見
を承わっておきたいと思います。
佐藤榮作
16
○
佐藤国務大臣
証券業界が活発な動きを示しておる、そういう
意味
で株価が不当に高くなっているのじゃないか、これが経済を時に刺激し、また撹乱するような危険があるのではないかという御心配のようでございますが、私どもも、証券業界のあり方、はっきり申しますならば株価のあり方というものについて、実は絶えず不測の損害を善良な投資家に与えないように注意したり、あるいはまた、経済の仕組みの面から見ましても、いわゆる投機的に資金が流用されない工夫をいろいろいたしておるのでございます。ことに本来証券界
そのもの
は資本市場として育成さるべきものであるし、そういう
意味
においてはどこまでも資力信用というものが大事でございますから、ただいま御指摘になりましたような過当な、また不当な広告等によって投機をあおるような事柄は厳に戒めなければならない。株価の動向
そのもの
についても、ただいま申すような
意味
で留意をし、同時に証券業界が真の資本拡大の方向において
協力
できるように努めるとともに、証券業者
そのもの
の
内容
におきましても、業績と申しますか営業
内容
等もよく気をつけて見ましてこれが証券業者
そのもの
として不信用にならないようにいろいろ留意し、また指導している、こういう状況でございます。
佐藤觀次郎
17
○
佐藤
(觀)
委員
先日
大蔵大臣
にも西原
理財局長
さんにも伺ったのですが、投資信託法というような構想は全然お持ち合せがないのか、この際
大蔵大臣
に伺っておきます。
佐藤榮作
18
○
佐藤国務大臣
証券業界の専門的分野といいますか、それぞれを拡大していく。そこで問題になりますのが、投資信託の分離という問題であります。御指摘のように、
大蔵省
としては投資信託を分離するという
考え方
でいろいろ指導いたしております。すでに大証券会社のうちにはそういう方向で具体的に工夫をしておるものもございますし、また一般の大証券の
考え方
も、今までのような非常に広範な事業経営からやはり投資信託分離という基本線の方向で工夫してみようということを、いろいろ
考え
ているようであります。そういう場合に、信託銀行との関連において、今後の資本市場の育成強化ということに役立つように工夫してみたいものだ、かように思っております。
佐藤觀次郎
19
○
佐藤
(觀)
委員
先日本
会議
の席で同僚の
春日
君からも質問がありましたが、景気論についても
佐藤
大蔵大臣
と池田通産
大臣
との間にいろいろ
意見
の相違がある、こういう情報が一般に信用されておるわけです。その点で
佐藤
大蔵大臣
は消極論だと岸首相に言われると、
大蔵大臣
は大体そういうのがほんとうだということを弁明されておりましたが、しかし、大体
佐藤
大蔵大臣
は景気過熱論という
意見
で、健全
財政
でいくというような方針を立てておられるようであります。そこで最近一般的に景気が上昇したといわれておりますが、この点について
大蔵大臣
はどういう
所見
を持って景気論に対処されるのか、この点を一つ伺っておきたいと思います。
佐藤榮作
20
○
佐藤国務大臣
経済界が成長いたします場合に、やはり健全な成長と申しますか、安定した成長の望ましいことは申すまでもないところであります。この
考え方
においては、池田通産相との間に基本的な相違はございません。過日の本
会議
の席上におきましても、安定なくして経済の成長は
考え
られないということを、はっきり池田君もお答えをいたしておりますし、この点では御心配をいただくような点はないと確信いたしております。ただ、顔が違いますように、表現の仕方はそれぞれ違いますから、その表現の相違を努めて本質的な相違だと御指摘になりますならば、これは言葉の上からやや違いが出て参っておるかと思います。しかし、私どもは、どこまでも経済を成長させていく。それを健全にまた安定の上に成長させていきたい。従って、経済の成長を非常に急いで、インフレを助長したり、あるいは国際収支を悪化させる、こういうようなことはどこまでも避けて参る。これについては閣内に別に変った
意見
はございません。この点だけを御披露いたしておきます。 また、昨年来の景気上昇ほ、ことしになりましても依然として堅実な歩みを続けて参っております。私どもが想定したより以上の成長の過程をたどっておるのではないか、かように
考え
ております。経済の伸展上からは大へん好ましいことだ、かように
考え
ております。しかし、同時に、ただいま申す健全成長という観点に立ちまして、絶えずそのときどきの経済情勢なり
金融
情勢等についても十分私どもは観察を怠らない。絶えず
調査
を進めて参りまして、一そう健全な上にも健全な方向をたどらすように、ただいま努力いたさせておるのでございます。
佐藤觀次郎
21
○
佐藤
(觀)
委員
大蔵大臣
はなかなか表現をうまくして、池田さんと表現の仕方が違うだけだと言っておられますけれども、朝日新聞を見ますと、池田通産
大臣
とは
意見
がだいぶ違う。
大蔵大臣
はこういうところではなかなか如才のない答弁をされておりますけれども、池田さんの
考え方
と
佐藤
大蔵大臣
の
考え方
の間には、ニュアンスだけではなしに、根本的に
考え方
が違うのじゃないかというふうに思われる。そういう点で私たちがはっきり申し上げておきたいのは、現に、通産
大臣
は、設備投資はどんどんやらせていいじゃないか、
大蔵省
はそんなにやかましいことを言わないでいいじゃないか、こういう積極的な
意見
を吐いておられますが、大体、
佐藤
大蔵大臣
は、景気過熱論という立場から非常に消極的な
意見
を持っておられます。この点について、閣内が不統一だというところまでは至っていないかもしれませんが、実際に現われる面は相当そこに開きがあるように
考え
られますけれども、その点については
大蔵大臣
はどういう
考え
を持っておられるのか、伺っておきたいと思います。
佐藤榮作
22
○
佐藤国務大臣
新聞が何と報道いたしましょうと、雑誌で何と書こうと、ラジオで何と
説明
いたしましょうと、ただいまは民主主義の時代でございますから、御自由でございます。ただ関係しております当の本人の私自身は本質的に変りはない、かように
考え
ておりますので、この点をこの
国会
を通じましてはっきり申し上げる次第でございます。
佐藤觀次郎
23
○
佐藤
(觀)
委員
これは水かけ論になるからこれ以上言いませんが、もう一点
大臣
にお伺いしておきたいのは、中央銀行としての日本銀行のあり方についてですが、これはいろいろ議論のあるところでありまして、これはイギリスなどとは違って、日本の状態は過渡的な状態だと思いますが、こういう点について中央銀行の改革というような問題についての御
所見
はあるのかないのか、また今のままでいいのかどうかという点について、一点伺っておきたいと思います。
佐藤榮作
24
○
佐藤国務大臣
ただいま、
金融
制度
調査
会におきまして、この中央銀行のあり方についていろいろ
審議
をいただいております。今日までの
審議
の過程で表面化いたしております議論の非常に大きな点は、この中央銀行の中立性、こういうことが強く一面要望されておる。これについてどういう態度を
政府
がとるかということであろうかと思いますが、
基本的考え
方で理論的に中立性ということが尊重されることは非常に望ましいことだとは思いますが、
政府
自身は、
金融
をも含めて国内政治全般についての責任を負う。これは当然のことだ、かように
考え
ます。かように
考え
て参りますと、この日本銀行の中立性と申しましても、これにはおのずから限度があるのではないか、こういう
意味
で、ようやく中立性の議論についても
審議
会内の大体の議論が終息しつつあるのではないか、かように私は見受けております。いずれにいたしましても、日本銀行が持つ国内
金融
あるいは国際的な関係における機能等から見まして、非常な重要な機能を持つ機関でございますから、そういう
意味
において、十分日本銀行はこの
金融
代表としての国内
金融
や国際
金融
の面において非常にその機能を発揮するようにいたしたいものだと思いますが、
政府
が最終の責任者であるということ、これだけはごうも消すことのできない現実の問題ではないか、政治上の問題ではないか、かように
考え
ますので、この中立論についてもただいま申すような
意味
において限度がある。これを
承知
いたし、また
審議
会もそういう方向で
審議
を進めておられる、かように私了承しておる次第でございます。
佐藤觀次郎
25
○
佐藤
(觀)
委員
こういうことはあまり質問したくないのですけれども、過日日銀の副総裁の問題でいろいろ
意見
があったことは御
承知
の
通り
であります。いろいろ責任は
大蔵省
にあるのですが、しかし、人事の問題まで一体
大蔵大臣
が言うべきであるかどうかという問題については、世上いろいろ議論があります。こういう点について、これは新聞のことだから知らぬと言われるかもしれませんけれども、今度谷口副総裁になられるまでには、日銀の人事としてはかってないいろいろな紛争があったことは御
承知
の
通り
であります。こういう点について、
大蔵大臣
はどういう見解を持ち、どういうふうにされたかということを、この際、初めてのケースでございますので、承わっておきたいと思います。
佐藤榮作
26
○
佐藤国務大臣
日銀法十六条に「総裁及副総裁ハ
内閣
二於テ之ヲ命ズ」という規定がございます。この総裁、副総裁はこの法律に基いて
政府
が任命するというのが本来の建前でございます。しかし、
政府
が任命いたすといたしましても、銀行内部の事情を十分知悉し、特別なことがない限り、普通の状況のもとにおきましては、総裁の意向が尊重されてまず任命される。まことに穏やかな
方法
で任命の
手続
がとられるのでございます。なおこの点についてこういう
制度
のことを御披露するまでもなく御了承がいただけることだと思いますのは、先ほど御披露いたしました日本銀行あるいは
金融
の中立性という観点に立って参りますと、できるだけ銀行自身が臨機に自分で
処置
し得る範囲を拡大していくことが必要ではないか。
政府
はそのこまかい点にまで一々干渉しないというのが望ましいことではないか。いつも
国会
で問題になります公定歩合の引き下げの問題などは、
政府
自身がその問題に責任を持つということよりも、こういうことこそはあるいは日本銀行に全責任を持って処理していただくこともいいというような件も必ずあることだと思うのでございます。そういうように、別に私はそれに賛成だということで申すわけではございませんが、そういう点も議論がある。その他のこまかな点につきましてはできるだけ日銀の自由裁量といいますか、専決にするような
事項
があってよろしい、
政府
が最終的な責任を持ちますのは、やはり人的構成を通じて責任を持つということが、
金融
機関に対しましても望ましい
方法
ではないか、こういう
意味
から、ただいま銀行法の十六条というものは総裁、副総裁を任命する、こういう規定になっておるのであります。かように実は
考え
ております。私どもが扱いましたことについて、いろいろ新聞等では議論や事実の報道が出ておると思います。全部が一致しておるわけでもございますまい。しかし、今回の副総裁任命について、これが一転二転したような事実のあったことは私は否定いたしませんが、ただいま申し上げるようなことで、
政府
自身が特に干渉がましい態度をとる
考え
はない。この点は責任を持ってこの席でも申し上げ得ることであります。
佐藤觀次郎
27
○
佐藤
(觀)
委員
まだいろいろ
お尋ね
したいことがありますが、
予算
委員会
もあるし、同僚
委員
で質問したい者もありますので、あとの問題は次の
委員会
に譲りまして、私の質問はこれで終りたいと思います。
植木庚子郎
28
○
植木委員長
横山
利秋
君。
横山利秋
29
○
横山
委員
ちょうど今から二年ばかり前でありましたか、一萬田
大蔵大臣
に神武以来の景気から不景気になったときの反省を聞きましたときに、
政府
としては二点をあげました。一つは景気観測機能を充実させるということであります。もう一つはそのことが起った場合における調整機能を充実するということであります。これがあのときの
政府
の総合的な反省であって、その二つについて今後十分戒心をするという話でありました。今日
佐藤
さんの質問に対して、あなたは、池田さんと自分とは
意見
の対立はないとおっしゃるけれども、どう
考え
ても辛いはずの池田さんが甘い観測で、名前が甘い
佐藤
さんが辛い観測をしておると
考え
ておるのが世間の常識であります。つまり景気観測について二つの違いがある。そこで今度は調整機能でありますが、調整機能についても、それでありますからどうも二人の言っていらっしゃる点が違うようであります。私は今池田さんのその調整機能について議論しようとは思いませんが、
大臣
の
考え
ていらっしゃる調整機能について一つ御
意見
を承わりたいと思うのであります。 それといいますのは、最近学者や新聞記者の皆さんがやっています総合
政策
研究会が
金融
正常化への提言を行いまして、これが機縁となって、各方面でこの
金融
正常化ということについて非常な議論がされておるわけでありますから、私はあなたにお伺いをしたいわけであります。 第一は、あなたは銀行大会で
金融
正常化を言っていらっしゃるのですが、一体正常化ということは何かということから話を始めないと、ベースが違いそうでありますから、簡潔でけっこうでありますから、
大臣
が今の
金融
が非常に非正常であると思っておられるその状態は何なのか、何を正常化させたいと思っておられるのか、それを明確にしていただきたいのであります。
佐藤榮作
30
○
佐藤国務大臣
まず四点ばかりあげ得るかと思います。第一は、オーバー・ローンの解消であります。銀行の外部負債の縮減ということであります。第二点は、このオーバー・ローンとうらはらをなす問題でありますが、資産構成を健全化するという問題であります。今のオーバー・ローン解消の問題とはうらはらの問題でありますが、預貸率の改善等であります。第三は、金利の低下及び金利体系の
是正
、第四は、
金融
調整
政策
をときどきの情勢に応じて機動的に働かす
ため
の準備預金
制度
その他の
金融
調整操作、この四つに主たる重点を置いて
金融
正常化を進めておるわけであります。
横山利秋
31
○
横山
委員
四点とおっしゃいますが、その四点を
実施
するということについては相当の決意が必要でもありましょうし、その
実施
をし得るような状態、条件は何かということが今度は問題になって参りますと、また今そういうことがなし得る状態なのかどうかについての
意見
の食い違いがあろうと思いますが、それではそれを今なすべきだ、またやれると
大臣
は思っていらっしゃるでありましょうか。そういう背景となる景気の観測をどういうふうに見ていらっしゃるのか。たとえば、ことし一ばいというか、ここしばらく
金融
は緩和を続けていく、だから今それをなすのに一番妥当な状態である、だからするのだ、断固としてこれはやるのだというふうな観点に立っておられるのか。実はそうではないけれども、そういうことが必要なんだから、時があればやりたいのだという理想図を掲げておられるのか、その辺を一つ明確にしていただきませんと、世間の
考え方
が違って参るわけであります。
佐藤榮作
32
○
佐藤国務大臣
いろいろの見方がございましょう。もちろん幾ら理屈がよくても、やれないときにさようなことを言ってもいかぬだろう。ただいまはそういう方向にやり得る時期だということ、これは一応御了承がいただけるのではないかと思います。しかしながら、これをやるにいたしましても、短期間の間にそう簡単に参らない。非常な決意を要すること、これはもう御指摘の
通り
だと思います。しかし、私どもは、あらゆる機会に、ただいま申したような
金融
の正常化方向に指導いたしておりますし、わが党の基本的な
考え方
といたしましては、自由主義、資本主義形態で物事を進めて参りますので、どこまでも自主調整を第一にし、そういう
意味
の積極的
協力
を願っておる。また、そういう
意味
では、多数の
審議
会等を設け、その
審議
会等を通じても十分
意見
の交換をし、現実の問題と合せて御
協力
願っておる、かような状態であります。
横山利秋
33
○
横山
委員
それをやり得るような情勢であることは御
承知
いただけると思うとおっしゃったのですが、どういう
意味
でそういうことをおっしゃったか、私にはよくわからないのです。私がお伺いをしておるのは、そういうオーバー・ローンの解消とか、自己資本の
是正
あるいは金利の正常化等々の点が、今実行し得るような状態にある。その状態というのはどういう状態であるのか。それを一つあなたからお伺いしたいのです。今日の
金融
情勢、景気の情勢はどういうふうに
大臣
として見ておられるのか。実はそれが池田さんとどこが違うのかということが知りたいのですが、それを言わないでも、
佐藤
さんとして今の情勢をどう
考え
ておられるのか、少し展望を聞きたいのです。
佐藤榮作
34
○
佐藤国務大臣
財政
通であられる
横山
君だから御
承知
だろうと思って申したのですが、私どもがあげますのは、第一は、
財政
資金の散超がことしも依然として続いております。また企業資金の需要も一段落ついておる。こういう状況でありますし、日銀の貸し出しも順調に縮減、減少の方向をたどっておる。こういう際にオーバー・ローンの解消をさらに進めたいという
考え方
でございます。
横山利秋
35
○
横山
委員
ここから議論が少し発展しそうでありますけれども、時間もございませんから、具体的な点で一つお話を聞きます。 そういうお
考え
のような状況であるならば、その提言の言っております第一の準備預金
制度
の
実施
について、さらに具体的に入れるようなお
考え
ではなかろうかと思われるわけであります。オーバー・ローンの解消ができそうだ、またそういう状況にあるというならば、今行われている状況からさらに一歩進んで、この際準備預金
制度
の
実施
の段階に入れるのではないか、またそれが妥当ではないかと言っております提言について、
大臣
はどうお
考え
でございますか。
佐藤榮作
36
○
佐藤国務大臣
もちろんただいまの点を私ども指導要領としておりますが、これらのことは、オーバー・ローンの解消について先ほどのような
説明
をしますと、非常に楽観的な
考え方
をしているのではないかというような御批判もあろうかと思いますが、第一は、今設備資金の需要は一段落ついておるというが、必ずふえるだろう、そういう場合に一体どうなるのだというような疑問が出てくる。また今の準備預金
制度
にいたしましても、そういう
意味
の看板は掲げておるが、果してそういうふうにやれるかどうか、こういう点が御指摘にもございますような景気観測という問題と非常にからんでくることなので、だから、私どもの方向としての問題はございますが、やはり
金融
の実情を十分把握し、これに相応して寛厳よろしきを得ないと、これはまた違ってくるだろうと思うわけでございます。
横山利秋
37
○
横山
委員
寛厳よろしきを得ないと、とおっしゃるが、そこであなたのお
考え
が足踏みをしてしまうような感じを持つのです。準備預金
制度
の
実施
というものがどうして今
実施
の段階—法制化もされているのだし、また現在一・五%の日銀預け金を積み立てることも実行中でもあるし、またあなたのおっしゃるような観測をするならば、もう法律も通っているのだから、どうしてそれができないのであるか。そこまではやってはいかぬのだ、ここまでならよろしいというものさしは一体どこなんだ。そこをお伺いしたいと思います。
佐藤榮作
38
○
佐藤国務大臣
そういう点についてはいろいろ議論が出てくることだと思います。御
承知
のようにコール・レートはまだ相当高いところにとまっております。このコール・レートが高いということも一つのポイントなんです。一体今の
金融
の正常化にいたしましても、公定歩合の操作であるとか、あるいは公開市場の操作であるとか、準備預金
制度
、こういうようなものの操作をやはり総合的に
考え
ていかなければならない。そういう点でいずれ総体的の
金融
が動く。その実態をやはりつかまえていかなければならぬ。だから、そういう点で、何も心配はないのだ、
金融
正常化の方向だけでどんどん進めていく、実はこういう簡単なものではないということを申し上げたいのでございます。
横山利秋
39
○
横山
委員
それじゃ、
大臣
にお伺いしますが、あなたは準備預金
制度
を望んでいるのか望んでおらないのかということをお伺いした方が話が早い。事情が許せばすみやかにやりたいと言うのか、それは今検討に値しない問題であるとおっしゃるのか、それを一つ明確にしていただきたい。
佐藤榮作
40
○
佐藤国務大臣
考え方
としては望んでおります。ただいまは預け金等もだんだんふえてきている、こういうことでございますが、直ちにそれを準備預金
制度
として、そこまで持ち上げるについては、なおもう少し公定歩合の引き下げであるとか、あるいは市場操作であるとか、その他のものと関連して
考え
ていく必要があると思います。
横山利秋
41
○
横山
委員
いろいろお伺いしたいのですが、あとがあるそうですから、もう一点だけにいたします。
大臣
が言ってないことで研究会が高く掲げております旗の一つに、預金基準の引き下げの問題があります。公定歩合が三回にわたって引き下げられ、貸出金利もそれに追随して引き下げられたのに、なぜ預金金利が引き下げられないのか、引き下げられないはずはないのではないか、こういうことを
提案
いたしまする研究会の
真意
というものは、私は私なりにまた別の角度を感じておるわけですが、この預金金利の引き下げということが、公定歩合の引き下げに追随して、弾力性ある動き方をすることが望ましいことだという点については、私も理論上はもっともなことだと思われるわけであります。それで、今、この預金金利を引き下げるべきだという
提案
に対しまして、
政府
としてはどういうふうにお
考え
でありましようか。
佐藤榮作
42
○
佐藤国務大臣
預金金利が高くて領金者の
利益
が
確保
される、また融資の貸出金利が下って借りる方は安い金利、こういうことになれば非常にけっこうだろうと思いますが、なかなかそうはいかない。銀行自身も採算を割ってまでというわけには参りませんし、そこで領金金利と貸出金利との間に一つの限界のあること、これは私どもも
承知
いたしておるわけであります。そこで、公定歩合を引き下げ、同時に市中金利もこれに追随していく。もうすでに三回の公定歩合の引き下げによって、この前の引き締め前のあの金利よりも大体融資金利が安くなっている。そういたしますと、預金金利もやはりそろそろ下げなければいかぬのではないか、こういう議論は当然出てくると思います。ただ、この預金金利自身が、領金者の
利益
というだけでなしに、預金金利が高いと、何事によらず経済の
金融
といいますか、
金融
の面において無理がかかるだろう、こういう気持があって、ただいま申すように、貸出金利は下げ、さらに預金金利も下げるのが当然ではないかという議論が実はあるだろうと思います。しかし、この預金金利
そのもの
は、それぞれの国によって特殊な感覚を持つものでありますから、一がいに預金金利は当然低いものだというわけにはいかない、私はただいまのところさように
考え
ております。そこで、できるだけ
金融
機関
そのもの
が経営の合理化をはかってくれて、そして預金者の
利益
も
確保
し、同時に融資を受ける面でも金利を下げていく、そういう工夫を一つしてもらうという、いわゆる純
金融
理論から申しますと、やや異例というか、異例な政治的な
考え方
で、ただいまの預金金利はなるべく下げたくないということで、
金融
面においても御努力を願っておるというのが実情でございます。
横山利秋
43
○
横山
委員
大臣
は何を言っておられるのか、よくわからないのです。最初のことと最後のことと、まるきり百八十度違ったことを言っていらっしゃるので、これでは納得できません。これは記録にも残るのですし、
大臣
の答弁のように前とあととまるきり違って、下げるのがほんとうだと言っておいて、最後には下げたくないというのでは、どういう
意味
だかよくわかりませんから、この提言を一つよく聞いて答えて下さい。「このように預金金利が硬直していることは、金利全般の弾力化を妨げているばかりではない。ひいてこれが銀行の行き過ぎた預金競争や業態拡張競争を一そう助長し、また準備預金
制度
など
金融
政策
態勢の整備をもむずかしくしていることを軽視すべきではない。従ってわれわれは当面預金金利を引き下げることが
金融
正常化推進の
ため
の先決条件と
考え
る。去る二月の公定歩合の引き下げ以来すでに三ヵ月以上過ぎている
ため
、預金金利引き下げの機を失ったとの見方もあるが、われわれは
各種
金融
調節手段の整備と並行してこれが行われるならば決して不自然ではないと思う。」と言っています。そこで、この先決条件だというものの見方であります。あなたの話を聞くと、わしは
金融
正常化をしたいとは
考え
て推進をしておるけれども、預金金利は当面引き下げぬという非常な食い違いがあるわけですね。一つこの提言の預金金利の引き下げの論拠に対して、もう少し明確に整然と御
説明
が願いたいのです。
佐藤榮作
44
○
佐藤国務大臣
先ほどお答えしたので、おそらく聞かれたらわかりにくかったが、速記をごらんになればわかると思います。また御理解なさっていらっしゃるように、理論的な問題では筋の立った預金金利を下げろというその議論はわかるが、今国内の実情におきましては、もう少し貯蓄も奨励したいという気持が
多分
にございます。そういう
意味
で預金金利はなるべく下げたくない、率直に申してそういう
考え方
であります。
横山利秋
45
○
横山
委員
いろいろ
意見
がございます。まだお伺いしたい点がございますか、きょうは時間がございません。他に質問もあるそうですから、一応保留をいたしておきます。
植木庚子郎
46
○
植木委員長
石野
久男
君。
石野久男
47
○
石野
委員
横山
委員
との間の経済に対する
大臣
のいろいろな見解の相違などについて、まだ私も関連して質問はしたいのですが、しかし、きょうは時間がありませんので、私はきわめて局所的な問題として起きておりますひよう害の問題について、一応
大臣
の御
意見
を承わりたいのです。 わが党の代表も、本
会議
の席上でこの問題に触れて、
政府
の善処方を要望しておるのでございますが、ちょうど五月の末から六月にかけまして関東数県にわたりまして非常に大きなひょう害がございました。このひょう害に対する
措置
につきましては、農林省、
大蔵省
ともに、それぞれの関係部署において努力はして下さっていることはよくわかりますけれども、しかし、この際特にお願いしたいことは、この天災による被害農林漁業者等に対する融資に関する暫定
措置
、天災融資の適用方を被害
農家
の方は積極的に要望しておるわけでございます。私どももまたそういうことをぜひ
政府
当局においても
考え
てもらいたいと思いますが、
大蔵省
はこの法の適用につきましてどういうふうに
考え
ておられるか、
大臣
の天災融資法の適用についての腹づもりといいますか、基本的な構想を一つこの際聞かせていただきたいと思います。
佐藤榮作
48
○
佐藤国務大臣
本
会議
で質問を受け、また与党の内部からも非常に強い要望がございます。私どもも、十分
調査
の結果を待ってこれに対する対策をとるということを御返事申し上げました。順次この
調査
がまとまるに従いまして、最初想定されたより以上の甚大なる被害であるということが私どもにもはっきりいたして参りました。この際天災融資法はもちろん発動するということで、近く閣議におきまして
決定
を見まして、罹災
農家
に対する援護
方法
をきめて参るつもりでございます。その詳細等につきましては、明日あたり閣議
決定
をすることでございましょうし、これは与野党ともに強い御要望でございますし、また実情も御要望を実現するのが当然というほどの甚大な被害であるということを私どもも認めて、対策を立てております。
石野久男
49
○
石野
委員
今回のひょう害が非常に甚大であって、
政府
も天災融資法の適用をする腹をきめたということをきょう承わりまして、私ども被害
農家
に対して非常にいいことだと思っております。さっそく一つそういうことを
実施
していただきたいと思います。 この際、そういう天災融資法の適用を受けてとにかく立ち上り、
農家
に再生産の
ため
の腹づもりを気持よくさせるというような状態が出ることが非常にうれしいことですが、それと同時に、関連するいろいろな問題があるわけであります。特に私は、今回のひょう害で関東近県における被害の中に、いわゆる
政府
の
専売事業
にかかわるタバコの面の被害が非常に大きいということも、この際一つ
考え
ていただかなければならないと思っております。タバコにつきましては、先般来、私ども、再三にわたりまして、公社に対する
陳情
もいたしておりますし、またいろいろとそれに対する
処置
もしてもらっております。タバコに関する
処置
の問題につきまして二つほど特に注意していただきたい点があるわけでございまして、この点について一応
所見
を承わりたい、こう思っておるわけです。 その一つの点は、被害を受けたタバコが継続耕作できるかどうかという問題についてでございます。公社当局では、被害を受けて継続耕作のできないものは、なるべく廃耕させようという
意味
のことをしばしば言っておりますけれども、しかし、現地におきましては、指導員の方々がやはりなるべく継続耕作させようという努力をしておるわけでございます。そういう点について公社当局と現地との間に、なるべく食い違いのないようにさせるような配慮をしていただきたいことを一つお願いしたい。それから、もう一つは、タバコの災害補償金の問題につきまして、これをなるべく一筆単位で、早期交付と増額の
処置
をしていただきたいということ、これは耕作者の方が要求していることでございます。これは従来のように地域で一つにか
ため
てということでなしに、やはり—ひょう害というのは、もう
大臣
も御
承知
と思いますけれども、ひょうの通る一つの道がございます。ですから、とにかくその通った道だけが被害があってすぐ隣はそのまま残るという、実に差の激しいものでございます。こういう問題につきましてやはり被害に対しては一筆単位で被害査定をするということでやりませんと、これはとても被害者のめんどうを見てやるということはできないのじゃないかということから、この一筆単位の交付ということと増額ということについての
考え方
をぜひ一つとっていただきたいという要望でございます。そういう点についての御
所見
を一つ承わりたいと思います。
佐藤榮作
50
○
佐藤国務大臣
継続耕作の問題につきましては、過去においてもいろいろ問題が起きたことがございます。今回のひょう害のように天災融資法を発動するといたしますならば、十分それらの点も勘案いたしまして、現地の耕作者と現地におります駐在員との間で、そこは十分話のつくようにいたしたいものだ。また、一筆単位云々の問題につきましては、非常に事務的な扱いのものでございますから、御
意見
をよく伺っておきまして、専売当局に対しましては御
意見
のあるところを伝えることにさせていただきたいと思います。
石野久男
51
○
石野
委員
もう一点。これは特に監理官に
お尋ね
しておきたいのですが、被害
農家
の作付転換とか、樹勢回復その他いろいろ肥料、農薬等に対しまして、農業再生産促進に必要な経費に対する助成の
措置
、こういう問題がございます。これは他の耕作物は農林省とかその他にあれしますけれども、専売に関しましては、特にこれは大蔵監理官がどうも上に乗っかっておって、なかなかにらみを強くきかしているようでございます。これではちょっと困る—困るのではないけれども、一つもう少し同情的な立場で公社と話し合いをしてもらいたい。公社の方の言い分を聞くと、どうも監理官がうんと言わないから、やりたいこともやれないのだということを盛んに言われるわけです。これは一つ監理官の方で実情をよく把握されてとにかく耕作者というのはタバコで税の収納に対してはお役に立つ働きをしているところですから、こういう人々に対しては、なるべく転換の
措置
を講ずる
ため
の
処置
をしてやっていただきたい。ことにタバコの場合は、継続耕作にしても廃耕にしても、今までの耕作の性質が性質でございますから、ほかに転換することが非常に困難でございます。従ってやはり監理官がそういう高い立場からにらみをきかして、何もかも全部
大蔵省
の見解によって査定を締めていくということでは困りますから、ぜひ一つあたたかい
処置
をしていただきたいと思うのだが、監理官は今度のひょう害に対してどういうような
考え方
でこれを見ておられるか、一つ御
所見
を承わっておきたいと思います。
佐々木庸一
52
○佐々木
説明
員 監理官になりましてまだニヵ月でございますので、不勉強の点は、
石野
先生のお話の趣旨をよく体しまして、今後勉強を続けていきたいと思います。 —————————————
植木庚子郎
53
○
植木委員長
続いて、日程に追加して
請願
を
議題
といたします。 本会期中付託になりました
請願
は、一、
退職金
の
課税免除
に関する
請願
、一、
鹿屋
市に
国民金融公庫支所設置
に関する
請願
及び一、
製塩
に関する
請願
の三件でありますが、この際、
紹介
議員の
説明
並びに
政府
当局の
意見
聴取を省略しまして、直ちにその採否を決したいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
植木庚子郎
54
○
植木委員長
御
異議
なしと認めます。 お諮りいたします。
鹿屋
市に
国民金融公庫支所設置
に関する
請願
につきましては、その趣旨がおおむね妥当と思われますので、採択の上
内閣
に送付すべきものと決するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
植木庚子郎
55
○
植木委員長
御
異議
なしと認めます。よって、さように決しました。 なお、本
請願
に関する
委員会
報告書の
作成
並びに
提出等
の
手続
につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
植木庚子郎
56
○
植木委員長
御
異議
なしと認めます。よって、さように決しました。 —————————————
植木庚子郎
57
○
植木委員長
閉会中審査事件申し出の件についてお諮りいたします。 本
委員会
において審査中の
所得税法
の一部を
改正
する
法律案
(第三十一回
国会衆法
第六号)、
所得税法
の一部を
改正
する
法律案
(第三十一回
国会衆法
第五九号)、
厚生保険特別会計法等
の一部を
改正
する
法律案
並びに
税制
に関する件、
金融
に関する件、
外国為替
に関する件、
国有財産
に関する件、
専売事業
に関する件、
印刷事業
に関する件、
造幣事業
に関する件、
補助金等
に係る
予算
の執行の適正に関する件の十一案件につきましては、閉会中もなお審査並びに
調査
をいたしたいと存じますので、
議長
に対しその旨を申し出たいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
植木庚子郎
58
○
植木委員長
御
異議
なしと認めます。よってさように決しました。 なお、申し出書の
作成
並びに
提出等
の
手続
につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じます。 —————————————
植木庚子郎
59
○
植木委員長
また、ただいま議決いたしました閉会中審査案件が付託になりました場合、各地に
委員
を派遣して実情を
調査
いたしたいと存じますので、
議長
に対し
委員
派遣
承認方
を申請いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
植木庚子郎
60
○
植木委員長
御
異議
なしと認めます。よって、さように決しました。 なお、
承認
申請書の
作成
並びに
提出等
の
手続
につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じます。 —————————————
植木庚子郎
61
○
植木委員長
次に、小
委員会
設置の件についてお諮りいたします。 閉会中審査の
ため
、小
委員
十八名よりなる
税制
並びに税の執行に関する小
委員会
、小
委員
二十名よりなる
金融
及び証券に関する小
委員会
、小
委員
十三名よりなる
国有財産
に関する小
委員会
、及び小
委員
十二名よりなる
専売事業
に関する小
委員会
の四小
委員会
を設置いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
植木庚子郎
62
○
植木委員長
御
異議
なしと認めます。よって、さように決しました。 なお、小
委員
及び小
委員長
の選任につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
植木庚子郎
63
○
植木委員長
御
異議
なしと認めます。それでは、後刻
委員長
において
指名
し、公報をもってお知らせいたします。 なお、小
委員
及び小
委員長
の
辞任
並びに
補欠
選任等につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
植木庚子郎
64
○
植木委員長
御
異議
なしと認めます。よって、さように決しました。暫時休憩いたします。 午後零時二十一分休憩 ————◇————— 〔休憩後は
会議
を開くに至らなかった〕