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山中(吾)
委員 名古屋と東京の間というのは、これは
土地の問題、あるいは東海道の
関係において、
政治的に非常に困難な問題があるので、それに巻き添えを食うようなことではいかぬと思う。あそこだけがこの法律の
道路じゃないのです。ことに未開発地域の
東北地域というのは、むしろ優先的に
考えるべき筋合いがたくさんあるわけですから、民間にこういうものができておるのですから、私はぜひ
調査費を計上して、
希望を持たしていただきたい。それから、他の地域と比べましても、東京を中心として東京から名古屋地域という点からいったら、東京から北海道に通ずる
道路というのは、これは非常に重要なものだと思うのです。この調べを見ましても、減価償却その他の計算を見ても、十分に採算がとれて、経済効果からいって、十分の一くらいの
建設費でいけるような結果が出ておりますし、それに基いて、
日本全体の
国土のあり方と
都市のあり方を
考えますと、東京都の人口集中も、ほとんど
東北地域が多いのですね。
九州がその次だと思いますけれども、たとえば昭和二十七年、八年に六十万くらいの人口がいなかから入っておるが、そのうち三十七万くらいな歩どまりで、うちへ帰らないでとどまっておる。上野の駅におりるのが一番多いわけです。それほど
東北地域は産業が開発されていないので、自然に東京に入り込んでくる。首都圏
建設の立場からいっても、この人口増大を阻止するという
意味においても、
東北地域に産業を開発し、その地域を開発するということが、
日本全体の人口
行政という点からいっても、非常に大きい
意味があると思う。そういうふうな観点からいっても、私は、まじめに検討さるべき
政治上の課題であると思います。そういうことも御認識を願いたい。それから、
東北地方と北海道を結ぶというこの縦貫
道路というのは、
国土防衛の立場からも、重要な
意味を持っているのじゃないか。私たちは再軍備は反対でありますけれども、
日本全土を守るという立場からいいますと、産業開発
道路というこの
道路は、同時に防衛
道路にも実はなる。不幸にして、これもわれわれは予想はしないのですが、ソ連とアメリカが戦争をした場合に、これは南は沖縄をアメリカがとり、それに戦略的には北海道をソ連がとる。そういう場合に、一体
東北の
道路というようなものは、これはやはり……(発言する者あり)まじめに聞いて下さいよ。縦貫
道路というふうなものは、そういうふうな
意味もないとは言えない。そういうふうなことを
考えて、東海道というふうなもの、
政治的に争いをしておるそういう現在の中央道とは違って、
東北道というのは、いろいろな
意味を含んでおるのだから、そういうことを
考えて、
大臣はもっと深い認識をこの機会に持ってもらいたい。そういうことを
考えて、防衛隊というふうなものを活用するということも、これは
意味づけられてくると思うのです。その点について、私は
大臣の
識見を聞きたいと思いますが、われわれは防衛隊を
建設隊に全部切りかえるべきだという思想を持っておるのでございますけれども、自民党の方では、そういう思想をお持ちにならない。しかし現在の地上軍は、ほとんど
意味をなさないということもよく承知をされておる。こういう防衛隊を、工兵隊的にこれを切りかえるということの
一つの
方向を含んで、縦貫
道路に防衛隊を活用するというふうなことも、こういう縦貫
道路を
建設する中に、私は
政治を持っていくべきではないかと思うのでありますが、御所見をお聞きいたしたいと思います。