○檜垣
説明員 御質問にございました
通り、新農村建設
事業が始まりまして以来、全国に有線放送の施設を助成によりまして設置いたしましたものが、おおむね千四百カ所くらいできておるのであります。御質問の第一点の、元来交通通信の不便なところに設置さるべきものが、かなり町場に近いところにあって、不便なところにないように思われるという御趣旨の御質問と思われましたが、元来のねらいは、仰せの
通り、交通通信の不便な地区ごとに置かせたいという期待に基いたものであります。当初三十一年度発足いたしましたときには、やはり抽象的といいますか、交通不便なところに置く場合に認めるのだという
農林省の態度は、現在と同様だったのでありますが、当時、例の郵政省の有線放送電話に関する法律でしたかたしか、先々年三十二年の八月に
施行せられた法律によりまして、有線放送施設の設置を許可せらるべき
基準が法律によって与えられたのであります。それ以後はその
基準に従いまして、記憶が明確でございませんけれども、電話局の九等局以下——九等局よりも不便な局、そういうような間隔地域、もしくは七等局以下の局であって、普通電話の加入率——加入率といいますのは、そこの住民数と電話の数との比率——が相当
程度低い。数字を忘れましたので、そう申し上げますけれども、そういうような
基準ができたわけであります。従いまして、三十二年設置以降のものについては、それほど交通通信の便益のあるところに設置したという例は、
基準の範囲内にしぼっておりますから、ないはずと考えております。ただ、所によりましては、近所に町があるというような場合に、それが接続といいますか、一部の有線放送線が乗びているために、若干疑惑を受けるような事態を聞いてはおります。
さらに後段の、不便なところに乗っていないじゃないかというお話でありますが、御
承知のように新農村建設
事業というものは、中央からの指定
事業としてやらせるわけではございませんので、新農村建設
事業を実施します地域の協議会におきまして自主的に計画されたものに対して助成をするということでありますから、有線放送に先んじた
事業をやりたいという地域については、有線放送以外の
事業を行うというような結果になっておる事実はあるわけであります。
それから、有線放送施設の有効利用につきましては、
農林省といたしましても、その運営いかんによって実質的な効果が非常に違うという点につきましては、お説と同感に思って参っておるのでありまして、振興
局長名をもって下部にも通達をいたしまして、有線放送の有効利用についての指示を与えて参っております。たとえば、有線放送の有効利用ということのためには、
一つは有線放送運営
委員会というようなものを当該地域に設けて、学校
関係でありますとか、役場
関係あるいは農業
団体関係、婦人代表、青年代表等を加えた人たちによって運営
委員会を設け、そこでプログラムの編成等をやらせるというようなこと。あるいは運用の日誌等の記録によって利用
状況の反省を行わせる、というような点を
指導して参っておるのであります。
また、
農林省は、いわゆる農業普及
事業とりして入っております普及員、あるいは専門技術員等が、
農家に農業に関する技術なり知識の普及をはかる場合には、有線放送の利用によってその効果を上げるようにというような
指導も、別の形において
指導を加えて参っておるのであります。
何しろ、御
指摘のございましたように、一番の問題は、主として
農協が
事業主体になっております
関係もありましそ、日々のプログラムの編成というようなことに相当苦労があるわけであります。その点がやはり有線放送利用の
一つのむずかしさになっておるかと思われるのであります。その点につきましても、現在完全に働いて寄与していると申しかねますけれども、郵政省の
所管の社団法人として全国有線放送協会が発足いたしたのであります。このような
団体が有線放送の放送
内容、そういうプログラムの編成等についての民間
団体としての
指導をやるというようなことについても、期待もいたし、また
農林省としてもできるだけの、素材等の提供について
努力をいたしたいというふうに思っております。また、農業
団体につきましても、
農協中央会を中心にいたしました有線放送に関する協議会を結成いたしておりまして、その辺でも有線放送の有効利用という点について協力を願っておるわけでございます。また、それらの
団体等の活動につきまして、
農林省としても協力を惜しまないつもりで参っておるわけであります。
なお今後も、有線放送の有効な利用というのは十分ではないということは御
指摘の
通りでございますので、種々研究の結果、できる限り本来の
目的を達成するように利用させたいというふうに考えております。