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1959-09-09 第32回国会 衆議院 決算委員会閉会中審査小委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年九月九日(水曜日)     午前十時五十六分開議  出席小委員    小委員長 鈴木 正吾君       押谷 富三君    鹿野 彦吉君       淡谷 悠藏君    小川 豊明君       森本  靖君    山田 長司君  小委員外出席者         農林政務次官  大野 市郎君         農林事務官         (大臣官房経理         厚生課長)   藤波 良雄君         農林事務官         (農林経済局         長)      坂村 吉正君         農 林 技 官         (農地局建設部         長)      清野  保君         農林事務官         (振興局総務深         長)      檜垣徳太郎君         農林事務官         (畜産局畜政課         長)      岡田 覺夫君         食糧庁長官   須賀 賢二君         農林事務官         (食糧庁経理部         長)      家治 清一君         農 林 技 官         (食糧庁業務第         二部輸入業務課         長)      中村健次郎君         林野庁長官   山崎  齊君         農 林 技 官         (林野庁業務部         長)      田中 重五君         農 林 技 官         (林野庁業務部         業務課長)   若林 正武君         農林事務官         (林野庁業務部         監査課長)   槇  重博君         水産庁長官   西村健次郎君         水産庁次長   高橋 泰彦君         農 林 技 官         (水産庁漁港部         建設課長)   瀬尾 五一君         会計検査院事務         官         (第四局長)  石渡 達夫君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 九月九日  小委員神近市子君同日小委員辞任につき、その  補欠として淡谷悠藏君が委員長の指名で小委員  に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十一年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十一年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十一年度政府関係機関決算書      ————◇—————
  2. 鈴木正吾

    鈴木委員長 これより決算委員会閉会審査小委員会を開会いたします。  本日は昭和三十一年度決算中、農林省所管について審査を進めます。  まず、会計検査院当局より説明を求めます。石渡第四局長
  3. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 昭和三十一年度農林省所管事項について御説明申し上げます。  まず、一般会計の方から申しますと、昭和三十一年度の歳出決算額は九百四億四千六百万円でありまして、そのうち国が直轄施行しましたり、または都道府県に委託して施行します土地改良干拓開拓等事業費は百五十億千九百万円、土地改良林道開設漁港修築及び災害復旧等のいわゆる公共事業関係補助費が三百二十億七千九百万円、右の公共事業を除いたいわゆる一般補助は百七十五億千六百万円、次に災害融資金に対する利子補給金十一億六千万円、及び有畜農家創設資金に対する利子補給金二億三千六百万円等であります。  以下各項目について御説明いたします。  まず、九一ページの直轄工事について申しますと、工事費から架空人夫賃名義支払いを起し、別途資金を手元に保有して、ほしいままに旅費、接待費等に流用したり、また請負工事費積算に当りまして機械の償却修理費が砂利、砂の運搬費等の検討が不十分でありましたため積算過大になっているもの等が見受けられました。  次に代行工事について申し上げます。開墾、干拓等工事を国が都道府県に委託実施しておりますいわゆる代行工事全額国費支弁でありますために、ともすれば便乗工事が多いのでありまして、既存の県道または町村道を利用しても営農上支障がありませんのに、ことさら拡幅したりしまして明らかに町村道改修工事と認められますものや、付近に利用可能な道路がありますのに、これと近接して道路を開設したもの等が見受けられましたほか、工事施行疎漏手直しを要するものや、出来高不足しているものがございました。  公共事業について申します。九八ページの地方公共団体及び各種組合等施行いたしますいわゆる公共事業に対する国庫補助金経理等について申し上げますと、工事施行状況やその経理が年々改善されてきましたが、なお工事出来高不足しているもの、疎漏工事と認められるものなど、国庫補助金を除外すべき額が、一工事十万円以上のものが七百三十三工事で、二億六千五百余万円に上っております。しかもこのうち、正当な自己負担をしていないものが五百六十二工事で、二億円ほどになっておりますが、個々案件につきましては説明を省略させていただきます。  次に、災害復旧事業査定額を減額させたもの。一〇九ページの災害復旧事業査定額を減額させたものにつきましては、従前から早期検査と申しまして、補助金交付する前に工事現場検査いたしまして、二重査定災害便乗設計過大等事例がありました場合には、その工事費を減額是正させる措置をとって参りました。また農林省当局におきましてもつ、従来机上査定が主でありましたのを、最近は実地査定に切りかえておりますのっで、相当改善されてきましたが、なお本院の検査の結果、三十一年発生災害につきまして九日六十五工事、これに相当する国庫補助金額一億一千百万円、二十八年、二十九年及び三十年発生災害につきましては六百四十七工事、これに相当する国庫補助金額一億六百万程度のものが減額されました。  次に一般補助事業について申します。一一三ページの国庫補助金経理当を得ないもの。すなわち一般補助について申しますと、これは都道府県市町村等を経由して、末端の事業施行者交付されます新農山漁村建設総合対策農産物増産等補助金対象としております。  この経理内容を見ますと、補助対象外事業を実施したり、補助金をその目的外に使用したり、あるいは精算額過大報告して補助金交付を受けているような事例がございますが、個々案件につきましては説明を省略させていただきます。  次に利子補給金について申します。一二五ページの利子補給金交付当を得ないものについて申し上げます。  利子補給金は二つありまして、一つ災害融資金に対する利子補給金であります。これは天災によって損害を受けた農林漁業者に対し、その経営や施設の災害復旧に必要な資金を農林中金や県信連等組合系統金融機関を通じて低利に貸し出させ、国及び府県がこれに対して利子の一部を補給して被害農林漁業者早期に立ち上らせようとするものであります。  いま一つは、有畜農家創設資金に対する利子補給金であります。これは乳牛役肉用牛、馬及び綿羊を新たに購入する農家に対して、その購入資金農協を通じて貸し出させまして、国が購入農家等に対し利子の一部を補給して、農家が容易に家畜を手に入れることができるようにするのが目的であります。ところが会計検査の結果によりますと、以上の目的に反して、融資金農協等が勝手に自己運転資金に利用したり、あるついは組合県信連定期預金に積み立てていたり、目的外に使用していたり、あるいは規定の利率を上回る利息で貸し付けたりしている事例がございました。  次に特別会計について申し上げます。  まず、食糧特別会計について申し上げますと、昭和三十一年度の決算じりでは、百六十億三千七百万円の損失となっております。これは主として消費者価格値上りを防止いたしますために、米麦売り渡し価格買い入れ原価を十分に見込むことができなかったためであります。  本院におきましては、外国食糧買い入れ及び売り渡し並びに管理等につきまして重点的に検査を実施しましたが、不当事項が二件ほどございまし  一件は、一三六ページの八五七号でありまして、アメリカトウモロコシ購入価格に含まれております海上保険料は、保険事故発生しなかった場合はその半額が輸入商社に払い戻されることになっており、保険事故発生はまれであって、現に三十一年度中この発生がなく、輸入商社保険料の半額に相当する約千六百万円の払い戻しを受けているのであるから、当初からこうした払い戻し金は国に帰属させることとし、輸入商社保険事故に至らない程度事故による損失がある場合には別に国がこれを補償する建前とする方が得策であると認められます。  次は八五八号でありまして、各食糧事務所包装用の古麻袋合計三千百万枚を、米穀卸売販売業者製粉精麦業者に売り渡す際に、市場価格が上昇しておりましたのに、これを考慮することなく、従来の価格売り渡したため、約一億二千万円見当安くなっている事案でございます。  次に、一三九ページの農業共済保険事業について申し上げます。本事業につきましては、三十一年度において、一般会計から共済事業事務費負担金として二十二億九百万円を組合交付しましたほか、共済掛金国庫負担金として八十一億二千百万円を農業共済保険特別会計に繰り入れましたが、決算じりでは八億四千万円の損失となりました。これは一三九ページに記述いたしましたように、主として三十一年産水稲では、収入の再保険料支払いの再保険金に比べて多かったために、差引四億八千七百万円程度利益になり、麦においても同様、差引において七千六百万円の利益となりましたが、春蚕繭と陸稲はそれぞれ被害がありましたので、前者において十二億六千万円、後者において一億一千万円の損失となりましたためであります。  このように、本事業の運営につきましては国から多大の援助を受けておりますので、三十一年度中に、北海道ほか三十三府県の三百十四農業共済組合経理について調査を行いましたところ、不当と認められるものが百六十一組合で、共済金額合計で二億四千八百万円程度でございました。その内容は、従来の通り組合において共済金の全部または一部を支払わないで、未収になっている共済掛金賦課金に充当しましたり、組合の雑費、慰労費等に使いましたり、被害三割未満耕地には保険金を支払ってはいけないうことになっておりますのに、被害三割未満耕地も含めまして、実被害額に、よらないで、耕地面積の大小に応じて支払ったりなどしている事例がありました。  次は、一四七ページの開拓者資金融通特別会計について申し上げますが、これは開拓地において開拓農業協同組合を通じて、開拓者が必要とする経営資金等政府が長期にわたり低利で融通するために設けられたものでありますが、この貸付金の全部または一部を組合員に貸し付けないで、開拓農協旧債償還財源の一部に充当していた事例がありました。  次は国有林野事業特別会計について申し上げます。  二十九年度に発生しましたいわゆる風倒木は約七千万石に上り、そのうち利用可能材は約六千万石でありましたが、この処理は比較的順調に進捗しております。本会計事業損益は三十七億八千五百余万円の利益となっております。  本特別会計につきましては、相当改善されていると認められますが、三十一年度におきましては、一四九ページに掲げました二件がございました。  九〇五号から申しますと、旭川営林局士別営林署におきまして、事実上の買受人である宇佐美某が、旭川駐屯地支部共済組合にまきを納入することになっておりましたところ、その後市価の値上りによって七十万円程度損失を生ずる見込みになりましたので、この損失をカバーしてやりますため、同駐屯地部隊に勤務しております田口、竹田の両名が宇佐美某と共謀しまして、同部隊演習用材購入権限会計隊長に属してにおりますのに、あたかも同駐屯地司令権限があるかのごとく営林署を欺きまして、風倒木二千石程度を向営林署から購入しましたものの、演習用材には全然使用しないで、一般用材として勝手にほかに売却しましたほか、宇佐美某によって五千七百石ほどが不法に伐採された事案であります。  次に九〇六号は、旭川ほか三営林局で、随意契約によりまして日通ほか三会社風倒木百三十九万五千石ほどの運送を請け負わせましたが、鉄道納金につきでましては実費精算払いとして契約するのが通例でありますから、本件契約におきましても、国鉄の貨物通知書により運賃を支払う建前とする方が適当であると認められますのに、こうした方法によることなく、発着諸掛り鉄道納金を含めて契約しており、またトン当り料金石当りに換算して契約するに当って、鉄道納金及び積みおろし料等通運事業料金計算トン数貨車標記トン数によらないで、それよりも減額した一定のトン数運賃を計算することとなっておりますのに、こうした点をほとんど考慮することなく、貨車標記トン数をそのままで計算しましたため、約六千五百九十万円が不経済となっている事案であります。  以上で農林省関係説明を終ります。
  4. 鈴木正吾

    鈴木委員長 大野政務次官より発言を求められておりますので、この際これを許します。大野農林政務次官
  5. 大野市郎

    大野説明員 農林省といたしまして一言申し上げます。ただいま検査院の御指摘通り農林省関係批難事項は、公共事業一般補助事業農業共済などを通じまして、出来高不足疎漏工事事業主体負担不足補助金目的外使用など、経理の当を得ないために、全体で六百二件、六億円余の御指摘を受けておりますことは件数金額におきまして、前年度に比べればかなり減少はいたしておりますものの、まことに遺憾でありまして、申訳のない次第でございます。これらの案件善後処置といたしましては、とりあえず手直し工事補強工事補助金の返還などの是正措置を講じますとともに、責任者に対しては厳重な注意を与え、特に情の重いものに対しましては行政処分を行なった次第であります。  御承知のように、農林省関係事業実施主体は、農山漁村団体などが大部分を占めておりまするので、その経済基盤が脆弱であり、また経理知識が欠除しておりますなどの関係から、なかなか抜本的対策は困難の点もございまするが、まず事業実施主体に対しましては、補助事業内容、条件など主安事項の普及、徹底をはかり、その実施状況につきまして、実態調査及び指導を厳重にし、工事の竣工に際しましては検収事務の厳正を期しまするとともに、特に災害復旧につきましては、努めて現地査定を励行して、あわせて農業土木技術者などに対して技術研修を行うとともに、補助金早期交付など、事務の促進をはかって参ったのでございます。  しかし一方、行政一般に対しまする綱紀粛正が何よりも肝要でありまするので、この点につきましては、なお一そう意を用いまして、不当事項発生を防止するように最善の努力をいたして参る所存でございます。  個々指摘事項につきましては、それぞれ所管の者からお答えをいたさせたいと存じます。
  6. 鈴木正吾

    鈴木委員長 次に、質疑に入ります。質疑の通告があります。これを許します。小川豊明君。
  7. 小川豊明

    小川(豊)小委員 私は毎年検査院から出る決算検査報告を見ているのですが、今ここれで見ても、全部の報告書なるものの約五分の一ページは農林省で占めているわけで、ページ数からいうと非常に多いわけです。しかも今度内容を見ていくと、ほかの関係とは違って、十万だ二十万だというような、はした金とは言いませんが、実に小さい金額が数多くあることはこれは農村の現況を非常に反映している結果だろうと思いまして、注意するよりも、むしろ悲しいことではないか、こういうふうに見ているわけです。  そこで三十一年度は、農林省努力によって、前年に比べて非常によくなっているということは数字に出ているわけですが、しかし一般会計においても、直轄工事代行工事公共事業に対する国庫補助公共事業外国庫補助利子補給金交付などについて、いずれも相当多数の不当事項指摘されておるのであります。これは毎年同じようなことが同じような形で行われておるのでありまして、今、三十一年度分に限って説明を求めましたが、これは全部に関連があるわけです。そして直轄工事代行工事を除いては、いずれも補助金に関するものであって、それが農林省関係批難件数の中で占める比率は九六%か七%になっております。補助金不当事項内容は、架空工事とか、重複査定、非該当補助工事疎漏工事出来高不足設計過大事業主体が正当な自己負担をしていない等々、全く同じ形が繰り返されておるわけであります。  そこで、私は農林省当局にお尋ねいたしたいのですが、これらの不当に扱われた補助金使用状況というよりも、一体どの段階でこういう補助金その他が消えて適正に使われないのであるか。こういう点についてわれわれも研究してみましたが、なかなかよくわからない。どこかの段階でそれが適正に使われないようになっている。ここがどういうふうになっているか、一つ説明願いたい。それから、これに対する行政責任といったようなものは、どうとっておられるのか。また、こういうようなことが起らないようにするには、どうしたらいいのか、という点をまずお尋ねしたいと思います。  それから第二としてはこれも補助金の一種でありますが、例の利子補給金の問題であります。三十一年度の報告の九〇ページにありますように、風水害とか冷害とかの天災によって損害を受けた農林漁業者に対して、災害融資金国庫利子補給が行われている。これについて見ましても、その補給の必要を認めないものが相当多く指摘されているのです。こうした天災は毎年繰り返されているわけです。従って、これに対しては十分関心が持たれていると思うにもかかわらず、この問題が非常に多い。この点……。  それから、肥料工業とか乳牛役牛等に対する利子補給の問題もありますが、これはおいて、今の二点をまず先にお伺いし、次に報告の問題に入りたいと思います。
  8. 大野市郎

    大野説明員 ただいま小川委員の御質疑でございますので、お答え申し上げます。  まず、特に補助事業などについての事故が起きておりますので、この点に対して、どの段階でどうなるかという問題でございますが、実は御承知補助事業に対しての補助金は、大体現実には資材費に使われておりますが、事故実例をいろいろ調査いたしますと、大体案件内容は、実は人件費関係日雇い賃金の問題が多いようであります。これは結局自家労力を提出するので、この点での記録の不備、その他の問題で、現地でいろいろ錯誤が起きておるのでございます。いろいろ案件はございますけれども、一番大きな補助事業の、特に農業関係の問題では、現地提供自家労賃の問題が多い、というふうにお答えさしていただきたいと思います。  それからなお、利子補給その他の問題に当りましても、御承知のように、県が間にあって、県を経由して参る事業が多いのでございまして、県当局現地と折衝して、国としては県経由資金が流れる。そういうルートでございまするので、県の仕事でもありまするので、監査関係でも県と一緒に調査に行くというような形で、直轄事業調査ほど厳格な検査という形を——取扱いの表現において検査でなくて、共同調査のような形でいくような事例がございます。そんなような関係で、事故実例一つずつ見ていきますと、県当局の方での錯誤がもとでそういう事例が起きておることが多いのでございます。毎年幸いに少しずつでも事故が減っておるこーとは御指摘いただいた通りでございますが、この御検査を受けまする昭和三十一年度ごろから非常に監査官機構充実が叫ばれまして、監査官機構昭和三十一年度を契機にして相当に徹底化をはかって参られました。従って、二十二年度に事故が少くなったのも、そういうふうな監査制度機構充実の問題も益があったのではないかと推測されますので、当然監査制度充実が、対策として、行政事務としては先決であるというふうに考えておるのでございます。  しかし、何といたしましても、行政綱紀粛正ということが、終戦以来の世相の激変の結果でありましょうか、その点われわれ観察いたしましても、綱紀粛正が必要であることをますます痛感いたしますので、抜本的な問題としては綱紀粛正に対する厳正な指導が大切である、こういうふうに考えるのでございます。従って、事故を起しました場合の行政責任者に対しましては、その事由によりまして、特に刑事事件などに起訴をせられたような場合、さらに判決があればなおさらでございまするが、免職までの極刑をもって行政の厳罰を課しております。中には譴責あるいは勧告、注意というふうな形で、段階によって信賞必罰を期しておるのでございますし、まだ至らぬ点がございますれば、さらにそういう点で信賞必罰を期さねばならぬ、これが官紀粛正の一番具体的な一つ対抗策である、かように考えて参っておる次第でございます。
  9. 小川豊明

    小川(豊)小委員 非常に数多い批難事項その他に対して、努力を払って綱紀粛正をしておられる、これはよくわかるし、ぜひそうありたいと思います。  そこで、私は、ここに指摘されている三十一年度の問題についてお尋ねしたいと思いますが、農林省関係で、やはり現業庁として一番大きなあれを持っていますから、食糧庁でも水産庁でも、あるいは林野庁農地同等、かなりいろいろな問題を包蔵せざるを得ない仕事をなすっておるわけであります。  そこできょうは、食糧庁関係からまずお尋ねしたいと思うのでありますが、この一三六ページの、さっき説明のありました八五七号の「アメリカ産とうもろこしの購入契約にあたり処置当を得ないもの」、こう指摘されているわけです。この点をお尋ねする前に、食糧庁側では、昭和三十一年度の当時において、外米の輸入総量は相トン数あるいは金額、いずれでもよろしゅうございますから、これは三十一年度においてはどのくらい購入しているか。それからこれを輸入するにつついては、登録の輸入商社というものがあるわけですが、その商社は何社あるのか。この商社をきめるに対しても選定の基準というようなものはあると思うわけですが、この基準は一体どういう基準できめられるか。この三項をまずお尋ねいたしたいと思います。
  10. 家治清一

    家治説明員 お尋ねの三十一年度の外国食糧輸入の実績でございますが、ちょっとお時間を拝借いたしまして、数量を……。
  11. 小川豊明

    小川(豊)小委員 総量でいいです。米で幾ら、麦で幾らあるか、それだけわかればいいです。そんなに時間をかける必要はない。
  12. 家治清一

    家治説明員 ちょっと済みませんが、今数冠を点検いたしますから……。
  13. 小川豊明

    小川(豊)小委員 それでは、その次の、輸入商社は何社あるか、そういううとを……。これは農林省当局に申し上げますが、きょうあなた方がここへ御出席になることはわかっているはずで、当然この問題が出ることもおわかりだろうと思う。これは簡単なんです。あなたが日常扱っておることです。従って、このくらいのことはすぐ答弁できなければならぬと私は思う。できでないとすれば、これは仕方がありませんから、あなたの方で調べておいて下さい。私の方は時間の関係で、その先に進みます  ここに、八五七で会計検査院から指摘されている中で、私にもこの点はちょっとわからないのですが、メイズプール料率協定というのは、一体どういう形の協定をさしてメイズプール協定というわけですか、この点を伺います。
  14. 家治清一

    家治説明員 お答え申し上げます。トウモロコシ輸入——当時政府が扱っておったのでございますが、その輸入に当りまして、実はトウモロコシ海上事故というのがなかなか危険率の算定がむずかしくて、外国海上保険会社では実は再保険をしないというふうな状態でございまして、それに対しまして、国内の海上保険会社の方でトウモロコシ事故をある程度予測しまして、各社間でプール料率というものを実は協定したのでございます。それは当時におきましては、保険料率を協定しましたその内容は一応付保価額の二%を保険料率にしまして、そうして三%までに満たない事故につきましては無事故戻し、無事戻しということで保険料率の半分の範囲で戻すということになっているのです。それから三%以上の事故がありましたならば、もちろん約款に基いた保険をしておるのでございます。そういう内容のものをメイズプール料率協定と申します。
  15. 小川豊明

    小川(豊)小委員 ここで会計検査院は、この協定方式によって契約をして、それに対して千六百万円節減することができるにもかかわらず、国にそれだけの損害を与えた、こういうことを指摘されている。これに対してあなたの方の説明書を見ますと、これはやむを得ない、これ以外にやる方法はなかったではないかというような答弁になっているのです。ただ後尾には「なお、慎重を要すると考えられるので、これ等の事実も充分考慮しその合理的な処理方法を更に検討致したい。」とは言っていますが、この前段というものは、このメィズ・プール協定以外にやりようはない、この協定でいくとこのやり方をとらざるを得ないということをあなたの方では説明している。会計検査院の方では、そうではなくて、こういう方式でいったから千六百万円というものは節減できるべきものができないでいる。この食い違い点について、会計検査院の主張が正しいと思うのか、あなた方のものが正しいと思うのか、この点を一つ、はっきり説明を願いたい。
  16. 家治清一

    家治説明員 検査院の方で御指摘になっております事実につきましては、私どもの方は特にその事態について反論するという、それほどのものではございませんでして、結果といたしまして、あの売買契約をやるときに、海上保険を織り込むときにそこまでのことができませなんだことは遺憾でございますけれども、ただ当時の状況としましては、簡単に御了解いただきにくいのでございますが、その要旨は、実は当時そのメイズについての海上保険事故というのはわれわれとしても経験ございませんし、海上保険をやっておる側においても、はっきりした自信のある料率というのはなかったのでございます。  そこで先ほど御説明申し上げましたように、無事故戻しという制度を含めて協定料率ができております。そこで検査院の方の御指摘は、もしも無事故戻しということがあるならば、その無事故戻しになった分は政府がとれるようにして、三%以上ならば別でございますけれども、三%未満で、無事故戻しに対応する一%以上三%未満の間の事故があったならば、それは政府が実費弁償するという契約にしておけば、たまたま三十一年度においては実は事故が非常に少なかったので政府の取り分が多かったのではないか、こういう御指摘でございますが、実は契約する当時の状況からしますと、見通しが立ち得なかったのでございます。無事故戻しの分は政府が取るとしますと、事故が一%以上にございました場合に、それをどの程度政府が持つかということが、もっと多く見込まなければならぬということも考えられますし、ちょっとつかみ得なかった。そういうことで、実はやむなく、つまり政府の方が無事故戻しの金を取るんだといえば、応札する側とすれば、今度はその分のリスクを含めましてよけい高く応札することも考えられますので、そういうことを抑える意味におきまして、一応そういう無事故戻しを政府に取るということでなしにした次第でございます。ただ、そういうようなことが、今後の問題としては相当保険料率とからみまして検討されなければならぬと思いまして、保険会社にも申し入れ、検討されました結果、ことしの二月になりまして、プール保険料率が改正になりまして、二%の保険料率が一%に下りまして、そのかわり無事故戻し制度はやめる、保険料率は下げるということで事態は改善されたのでございます。これは言いわけになりますけれども、当時としては、ことにトウモロコシの海上輸送についてはあまり経験がございませんで、どうしても見通しの上から言いまして、今申し上げましたような観点に立たざるを得なかった点を実は述べておるのでございます。
  17. 小川豊明

    小川(豊)小委員 トウモロコシに対する輸入経験が浅かったからやむを得ずこういうようにした、一応万全の措置をとるためにこうしたと言われるが、トウモロコシというのは別に三十一年度から輸入したものではなくて、その以前からずっと輸入しておったと私は記憶しておりますが、三十一年に始まったのですか。何年ごろから輸入しておったか。こういう事故はどういう形で現われてきておりますか。
  18. 家治清一

    家治説明員 正確には実はお答えする能力がないのでございますが、政府で扱っております回数、数量は非常に少なかったと思っております。民間におきましては戦前においてはもちろんあったのでございますけれども、当時の状態としては、ことに政府輸入という前提で考えますときには、少なかったと記憶しております。それから三十一年度までは政府買い入れしましたけれども、その後はもっぱら民間貿易の方で買っておりまして、政府としてはトウモロコシは扱っておりません。
  19. 小川豊明

    小川(豊)小委員 会計検査院の方にお尋ねしますが、私はこの説明を読んで、あなたの方の指摘が正しいのか、また当時としてはこういう措置をとる以外になかった、これが最善の方法であったのだという答弁の方が正しいのか。今まで会計検査院指摘に対して、大がいどこの省の場合でも、不注意であったとか、あるいは今後改める、こういうことになっておりますが、農林省の場合には、次の麻袋の場合にもそういう点が出てきているのです。そこで、会計検査院がこれを検査した場合に、あなたの方では、この点では農林省側の意見を十分に聞いて、農林省のとった措置がやむを得なかったとするならば、こういうものは出てこなくてもいいはずだ。あなたの方から出たという以上は、やはりあなたの方で、農林省のとったこういう措置はとるべきでなかった、こういう観点に立たれておると思うのですが、これはどうなのですか。
  20. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 今、食糧庁から説明がありましたように、メイズ・ブール協定と申しますのは、そう古い協定ではありませんで、三十年の四月一日の協定になっております。それで、この協定によって食糧庁トウモロコシ輸入しましたのは三十年度分と三十一年度分、二カ年の経験があるのでございます。三十年度分につきましてはそう大した数量は入っておりませんで、四回に分けて入っております。買い入れ数量は約二万二、三千トンぐらいになっておりますが、これが四回に分けて入っておりまして、そのうちメイズプール協定によりまして三%以上のものは保険会社保険をしますが、その保険事故の該当が一件ございました。そして、このメイズプール協定によって三%未満事故、いわゆる保険事故には該当しない事故で、保険料の半分を払い戻しを受けて、そして輸入商社が自分でその損害をカバーする建前のいわゆる三%未満事故、これによって保険会社から払い戻しを受けたケースが一件ございます。四件ありまして、そのうち一件が三%未満事故があった。あとは保険料をまるまるもらったか、あるいは事故が全然なくて、半分払い戻しを受けたものが全然会社利益になっているというような事態になっております。しかし、何分これは三十年度は四件しかございませんで、この四件で全体の傾向をすぐ判断することは、ややちょっと行き過ぎなような感じもいたします。  三十一年度は、この数量がここにありますようにふえまして、五万六千トン、これを十六回に分けてやっております。この十六回のうち、保険事故は、いわゆる三%以上の事故は一件もございません。それから、三%未満の、いわゆる保険事故に至らないで、保険料の半分の払い戻しを受けたケースがたった一回、十六回のうちに一回あっただけなんです。こういうような事態から、検査院としましては、いわゆる全然事故がなくて、払い戻しを受けるケースが非常に多いから、そうした場合には国がその払い戻しを受けて、そうして保険事故に至らない三%未満事故輸入商社において発生した場合には、それを国が計算してその分だけ払ってやった方が得になるのではないか、こういう判断をしたわけであります。これも検査院の強い主張から見ますると、過去五年ぐらいの資料をしさいに調べまして、そうして判断をするのが適当と思いますけれども、何分メイズ・フールの協定が成立しましたのが、先ほど申しましたように三十年四月でありまして、経験も浅いものでありますから、検査院として調査ができる範囲内のデータを集めまして、それによって一つの勧告をしたというふうに考えております。
  21. 小川豊明

    小川(豊)小委員 これは政務次官にお尋ねしますが、この方式は今の御答弁だと改めるようにした、保険料を下げてと言ったが、結局改めるようにしたわけですね。で、今後そういう形で実施していくということが一つの方針として確認されたわけですか。この点をお尋ねして、この問題を打ち切りたいと思います。
  22. 大野市郎

    大野説明員 ただいまのお尋ねの通りでございまして、三十一年度以降は民間で輸入をさせて、政府はタッチいたしておりません。しかも、その方式はお説の通りに一%に減額をされておる次第であります。
  23. 小川豊明

    小川(豊)小委員 私は、なぜこういうことをお尋ねするかと申しますと、三十一年度にはわれわれが非常に有能な官吏だとして信頼し、尊敬しておった細田君が、非常に遺憾なことには、輸入食糧について、一説には九十万円ともいわれ、あるいはもっと膨大な千八十五万円というような贈収賄事件に関係して、それが起っているわけです。そこで、さっきお尋ねした外米等を扱う輸入商社の数はどれだけであるか。そうしてこれの選定する基準はどうであるか。それから数量はどのくらいであるか。これはあなたの方で、もうお調べがついたと思うのですが、その点のあなたの御答弁を願って、さらに詳細な点に入りたいと思います。
  24. 家治清一

    家治説明員 まことに恐縮でございますが、今、係の者に連絡しておりまして、私、直接なにしてないものでございますので、その資料が届きましてから御答弁させていただきたいと思います。
  25. 小川豊明

    小川(豊)小委員 ちょっとおかしいですね。私が調べても、ここにあなたの方で作ったものではないかと思うが、ちゃんと何社々々とすっかり名前が出ておる。番号をふって、これはタイから、これはビルマから、これは台湾から、中国からというふうに、ちゃんと表があるのですがね。こういうものがありながら、あなたの方でわからないというのは、一体どういうわけなんですか。
  26. 家治清一

    家治説明員 今、先生のお持ちになる資料を実は持っておりませんことと、それから御質問のありました三十一年と、それから最近の選定基準、それを正確なものに基いて御答弁したいと思いますので、もうしばらくお待ち願いたいと思います。
  27. 小川豊明

    小川(豊)小委員 それがわからないと、私、質問したくても、今度こっちが困ってくるのです。そこで、こういう事件が起って、これは赤城農林大臣の時代だと思うのですけれども、庁内に対してだろうと思うのですが、告示のようなものが出されて、そういう贈収賄等の汚職に関係した業者は、今後食糧の輸入には携わらせない、してはいけないという告示か何か、そういうものが三十一年か二年の十一月か十二月に出ていると私記憶しておるのですが、そういう告示のようなものが赤城農林大臣から出たあれがありますか。——ここは簡単なことでしょう。大臣から告示が出たか出ないか。昭和三十二年十二月二十七日の読売新聞には、農林省綱紀粛正に関する大臣の布告というものが出ているということを発表されているのです。あなたの方でそんなことがわからないはずがないでしょう。
  28. 藤波良雄

    ○藤波説明員 実際の扱いとしまして、一般的にそういう汚職事件に関係した業者は出入りさせない、こういう扱いをしているということは、私、承知しておりますが、そういうものが告示で出ましたかどうか、今さっそく調べまして御返事いたしたいと思います。
  29. 小川豊明

    小川(豊)小委員 これは、あなた方が出入りさせるとかさせないとかいうことは、あなた方がどうしてそういうことができるか。できないだろう。大臣から告示なり布告なりがあったから、そういうふうになったのではないか。これは細田君の問題直後に、今まで汚職事件などに関係した業者に対しては立ち入りを益しとめる旨の大臣の布告を行うということになっている。そこでこういうことが行われたか行われなかったか。行われたら、どういう布告が行われたか。お尋ねいたします。
  30. 藤波良雄

    ○藤波説明員 はなはだ申しわけありませんが、さっそく調べまして御返事申し上げます。
  31. 小川豊明

    小川(豊)小委員 私の方で調べてみたら、このとき組田君に対する贈収賄といいますか、この関係者というのは、この金額まで新聞で発表されたのが正しいかわかりませんが、中東商店というのは五百三十万円、日綿実業は八十万円、日本糧穀は百万円、大賀倉庫は五十万問、それから金額はわかりませんが豊年麻袋も入っておる。日本飼料畜産も三十万円。私のお聞きしたいのは、この中に東北砂鉄というのが入っておる。それから糧穀検定協会というのが十万円やったと書いてある。そうすると私どもには、糧穀検定協会だとか、砂鉄をとっている東北砂鉄だとか、こういう麻袋会社、これはまあちょっと関係はありますが、こういうものがそれぞれ十万だ、二十万だ、大きくは百万円だというふうに贈賄されたということが伝えられて、これが一千八十五万円、こういっていますが、こういうことがなぜ一体行われるか。どうしてこういうことをしなければならないのか。この点、われわれは非常に疑問に思うわけです。  そこで、これからお尋ねしたいと思うのですが、この点は重要な立場にあられた細田君のあれですから、あなたの方でも、きょうここに三十一年度の決算に臨まれるわけですから、こういうことは当然出ることが予想されるわけで、お調べになっておられると思いますが、知っておられる方から御答弁願いたいと思います。
  32. 鈴木正吾

    鈴木委員長 委員長としてちょっと申し上げますけれども、政府委員はもう少し勉強して答弁してくれないと、会議を進めることも困難になってくると思います。たいてい出ておる問題はわかっておるのだから、その問題についての一応の筋道くらいは勉強して出てくれぬと困るのです。次官も、大臣を通じて一ぺんそのことをよく言うておいて下さい。
  33. 大野市郎

    大野説明員 ただいまの委員長の御注意は十分に部内に徹底させまして、審議のおくれませんように注意をいたす所存でございます。  ただいまの輸入商社の数、選定基準その他の問題も含めまして、至急に資料を取り寄せますので、願わくは、しばらく保留していただいて、別の方面でお進め願えたら幸甚だと思います。
  34. 山田長司

    ○山田(長)小委員 次官からのお言葉がありましたが、ちょっと今の問題に関連して伺いたいことは、保険会社と契約をされておる場合に、保険料金の半額が戻しになるということがきめられていて、無事故だった場合における半金というものが返ってくることになっているが、おそらくこの食糧庁のことだけでなくて、こういう事例がたくさんに農林省の中にあるのじゃないかと思うのです。そういう場合における半額の保険金額というものが、これ以外にある場合に、契約書というものは、だれが一体これを監督して契約が進められておるのか、ちょっと参考に伺っておきたいと思います。
  35. 家治清一

    家治説明員 食糧庁で扱っておりますものにつきましては、ここで御指摘になりましたような無事戻しの制度があるというのは、このメイズ・プールの関係だけでございまして、これも先ほどお答え申し上げまりしたように、ことしの二月から無事戻しというのをやめまして、そして保険料率を引き下げるというようになっておるのでございます。それから、これは保険価格に織り込まれるその保険料金でございまして、直接国の方が保険会社保険契約をするというふうなものではございません。それから、応札するその予定の中に入っておるということがございますので、たとえば輸入商社海上保険会社との間の海上保険約款を直接食糧庁監査するというようなことはしておりません。
  36. 小川豊明

    小川(豊)小委員 それじゃ、次官の方から改めるということですから、今度は倉庫料の問題についてお尋ねしたいと思います。  一体この倉庫料の支払いというのはどういうふうになっておるのか、私にはよくわからない。ここで問題が二つある。一つは倉庫料を早く払ってもらいたいということで、三十一年度にも贈賄事件が起っておる。倉庫料は早く払ってもらうとかおそく払う、一体そういう手心ができるような規定になっておるのか、なっていないのか。  さらに、この支払いに対して、食糧保管協会というのがあります。食糧保管協会というのですから、倉庫業者ではないと思う。倉庫指定業者と指定されておる者が六百くらいある。このうち五百幾らはこの協会に入っておるわけです。この協会の取扱い数量とか価格とかいうものが非常に数字の上に出てくるのです。一体食糧保管協会というのはどういう団体なのか。協会なんですから、倉庫会社でも何でもない。倉庫会社でできた協会で、親睦団体であるか連絡団体であるかは別として、この協会が食糧庁の方から倉庫の保管を依頼をされたり、あるいはその料金を請求したり、支払いを受けたりする資格というものが、一体あるのかないのか。この点はどういうふうになっておるのですつか。
  37. 家治清一

    家治説明員 倉庫料の支払いでございますが、これは上期あるいは下期、それぞれ保管積数に応じまして精算しまして、それを食糧事務所でその積数の確認を行いまして、それが中央へ上って参ります。と申しますのは、食糧庁経理の組織からいいますと、事務費系統は別にして、そういった業務に関する経費は総括して中央の方で支払うということになっておりますので、そのためにそれぞれの倉庫からその月分の精算をした請求書を事務所長の確認を経まして上ってきまして、それを中央で処興する。私どもの考えとしましては、書類が出ました場合にはなるべくすみやかに支払いをするということで、特におくらせるとかいう気持はもちろんありませんし、出てきたらすみやかに支払う、こういうことをやっております。  それで食糧保管協会でございますが、これは食糧を保管する倉庫業者の方々が、今申し上げましたように中央に倉庫料の支払いの手続をするというような関係仕事を自分たちでお作りになった団体にまかして、それでまとめて請求し、まとめて受け取るという方が非常に便利だということでやっておられる。こういうように考えております。
  38. 小川豊明

    小川(豊)小委員 第一点は、倉庫料を早く払ってもらいたいというようなことから贈賄事件が起ったということを調べている。倉庫料というものは今のあなたの答弁でいけば、ちゃんと規定があって、早くもおそくもないはずだ。それを早く払ってもらいたいというので、それぞれに働きかけるということになると、それは規則はそうなっていても、その規則の中に欠陥があるんじゃないかということが考えられる。そこで、どうしてそういうことが一体できるのか。あなたの方に、前渡しとか早期払いとか、そういう規定があるのかないのか、この点が一つ。  いま一つは、そうすると食糧保管協会というのは任意団体であって、別に登記をしているものでも資本金を持っているわけでもなくて、ただ食糧保管の代金を請求する団体だというのか。さらに、どういう人が役員になっているのか。  なぜ私どもがこれをお聞きするかというと、よく各省には外郭団体というものが方々に幾つも作られている。そうして、要りもしないものを作っちゃそこへ補助金を出したり、いろんな業者から金を吸い上げては、おれらがいるからこういうふうに便宜がはかれるのだという外郭団体がたくさんある。こういう外郭団体を整理すべきじゃないか。こういう点から私は聞いている。一体、この食糧保管協会というのはどういう性格を持ち、どういう人が役員になって、どういう仕事をしておるのか。この点、もう一度お聞きしたいと思います。
  39. 家治清一

    家治説明員 第一点の、倉庫料の支払いを意識的に早くしたり、あるいはおそくしたりできるかという点につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、意識的に早くしたり、意識的におそくするということは考えておりませんし、また倉庫保管料について前払いをするということはやっておりません。ただ、手続をできるだけ早くするというのは、これは役人としての務めだと思います。そのできさる範囲内で、できるだけ請求書を早く出してもらえば早く払うというように運営しておるつもりでございます。  それから、食糧保管協会は、もちろん役所の方で作らしたというようなことではございませんで、食糧を扱う倉庫関係の人たちが作られた団体でございます。それに対して食糧庁側補助金を出すというようなことは、もちろんやっておりません。ただ、申し上げましたように、中央に倉庫料の請求をし、支払いを受けるわけでございますので、そういった間の手続の代行というようなことを協会が——そのほか、親睦その他の連絡、そういった仕事もございましょうけれども、今言ったようなことが行なっております機能のおもなものだというように考えます。  それから、理事長は藤沢真苗氏でございます。
  40. 小川豊明

    小川(豊)小委員 理事長だけでなく、役員も聞かしてくれませんか。
  41. 家治清一

    家治説明員 役員は、今ちょっと持っておりませんので、調べて、その上で御答弁申し上げたいと思います。
  42. 小川豊明

    小川(豊)小委員 この食糧庁の扱っておる食糧と、それを保管する倉庫会社関係なんですが、これはたとえば八洲商事という会社の社長は元食糧庁長官の安孫子さんです。大井興業の社長というのは元農林大臣の井野さんです。東洋海運倉庫の社長は、元の農林次官の笹本さんです。東横倉庫の社長は、元農林大臣の森幸太郎さんです。こういうふうに、みんな政治に関係のある——政治に関係があったらいけないというのではないが、みんな農林省の首脳部であった人たちがそれぞれ倉庫を経営して、そこへ保管しておる。こういうことが国民に疑惑を持たれない措置だと言えますか。一体、なぜこういうふうにみんな農林大臣であったり、食糧庁長官であった人に指定をしなければならないのか。もちろん倉庫が完備しておって、資本が充実しておるなら差しつかえないとは言えるでしょう。言えるでしょうけれども、少くとも食糧行政に対する国民の認識から言うならば、こういう行き方はとるべきでないと私は思いますが、これについては政務次官に一つお尋ねします。
  43. 大野市郎

    大野説明員 食糧保管協会の内容につきましては、私もまだ就任浅いものですから、よくわかりませんでしたが、ただ結果的に、たとえば昨今の状況を申しますと、食糧倉庫は実は少し不足になっておりますために、丙地、乙地というふうな工合で、各府県によってランクがありますが、それが結局都会地に近い所の倉庫は高い値段で普通の商品が入ったりするものですから、それらのものを今借りるのに、全国一律の値段で借り上げるなどの関係から、ずいぶん努力を要するような事態が今日はあるのでございます。従いまして、ただいま御指摘の、かつての農林省首脳部関係者が社長になっておる会社が倉庫としてとられておるのはその通りであると思いますが、決してそういうふうな意図で運営すべきものではないと思いますし、今日の状況では不足で、相当無理して倉庫を出してくれと協会に折衝をしておる段階でもございますので、御趣旨のほどをよく体しまして、差別のないように努力をいたします。
  44. 小川豊明

    小川(豊)小委員 古い言葉に、李下に冠を正さずということがありますが、私どもの聞いておるのでは、今倉庫が不足しておるのは承知しておるのです。倉庫が不足しておるから、あなたの方で倉庫を建てるならばそれは当然指定をするようになろうというので、裏面ではこういうつながりがあって倉庫が作られておる。倉庫を作ってこういう人に社長になってもらった方が指定を受けるのにいいから、ということで社長になってもらっておる。これは別に、この方々が倉庫業に関する知識も経験もあるわけじゃない。そういう形がとられておる。だから、今後この問題については、あなたの方では国民の疑惑を招くような措置はとらないように十分に御検討願わなければならない。十万か二十万の補助金を使ったとか使わないとか、それをぎゅうぎゅういじめておきながら、こういう膨大なものに対しては何の措置もとられておらない。この点を私はこの際は申し上げておきます。  それから、食糧庁には内規がございますね。たとえば食管法には、これは内規でなく、食管法十一条の一項には、政府の許可を必要とする、それから二項では、政府以外に売り渡してはならない、これは背骨です。そしてこれを今度、輸入する場合に、指定した業者に対して品質とか価格とかを明示して入札をさせる。それで、それによって政府がこれに割当許可をする。それで初めて業者は輸入する。こういうことになり、これに対して、現品が日本に到着して、そして品質や数量の検査をした上、入札時とその品質が変らない場合はいいが、異なってきた場合は契約に対して拒否ができる。あるいは価格の引き下げが行われる。こういうことになっていると承知しておりますが、これはその通りでございますか。
  45. 家治清一

    家治説明員 お話の通りであります。輸入港において着地検査を行いまして、その結果、たとえばクレームといいますか、品質の落ちるものはそれに応じた措置を、とるということをやっております。
  46. 小川豊明

    小川(豊)小委員 食糧庁では、ほとんど毎週水曜日に、お昼から三時まで外米の扱いについて会議をやってますね。どうですか。
  47. 家治清一

    家治説明員 原則としては、水曜日に買付の公示を行うのであります。その会議とおっしゃる意味は、買付公示のことではないかと思います。
  48. 小川豊明

    小川(豊)小委員 そうすると、これはさっき言いました数量とか品質とか、そういう規格を出して業者を集めて、ここで公示をやるのですから、業者を集めて三時までの三時間の間にここできめるわけでしょう。これはどうなんです。
  49. 家治清一

    家治説明員 こちらが買い入れたいと思うもの、銘柄あるいは数量、そういったものを公示するわけであります。
  50. 小川豊明

    小川(豊)小委員 それは、毎週水曜日にそこで公示してきめるのじゃないですか。それは持って帰らせるのですか。そこで決定するのじゃないのですか。そこのところを、はっきりして下さい。
  51. 家治清一

    家治説明員 ちょっと申しわけないのですが、正確を欠くかと思いますが、買付公示をいたしまして、そこへ関係の業者が出て応札してそれで決定するということになっております。
  52. 小川豊明

    小川(豊)小委員 そんな答弁はだめなんだ。これは毎週水曜日にあなたの方で集まって、そこへ指定業者を呼んで数量や規格等を示して、そこでこれを幾らであれするということをきめているのでしょう。——きめているか、きめてないか答弁すればいいです。
  53. 家治清一

    家治説明員 入札制度でございまして、従いまして、応札して低い方からきめるということになるわけでございます。
  54. 小川豊明

    小川(豊)小委員 入札制度はわかつている。だから、そこでそのときにきめるのかきめないのか、僕はそれを聞いているのです。こういうふうなものだといって書類を持たしてやって、その後にきめるのか、その場できめるのか。その場できめているはずです、僕らの調べでは。
  55. 家治清一

    家治説明員 お話の通り、その日にきめております。
  56. 小川豊明

    小川(豊)小委員 そうすると、ここに問題がある。数量や規格は示されるけれども、いかに経験のある業者でも、三時間ではやりようがないです。膨大な数量を、タイならタイ、ビルマならビルマから持ってくるのですから、三時間ではやりようがない。そこで産地別にどれだけの量、どういう規格のものが必要かということを早く知ることが、業者がこれに入札するについての腹がまえの最も大切な焦点である。そこでこれを早く知りたいための運動というものが、あなたの方に対して猛烈に行われているはずだが、あなたはこれを否定しますか。猛烈に行われているじゃありませんか。そこに食糧庁と業者とのまず第一の結びつきができる。どうです、こういう点は。
  57. 家治清一

    家治説明員 担当部長でございませんので、具体的にそういうことをやっていないとか、あるいはあるとか申し上げられないのでありますが、猛烈に事前察知のために運動が行われているようには、私は聞いておりません。
  58. 小川豊明

    小川(豊)小委員 あなたは担当部長でないというならばこれは仕方がない。担当部長に聞きますが、やみくもに呼び出されて産地、数量、規格等を示されて、三時間で入札できるはずがありません。あなた方だってできません。そこで、これは来週水曜日に行われるものはどこからどれだけのもの、どういうものが買われるかということを知ることが大切なんだ。そこで、あなたの方の担当の者に対して猛烈にそれを知つる運動が行われているということを私は聞いております。あなたは聞いているとは言えないでしょうが、知っていなければ入札できるはずがない。これは次官、農林省が今度はどこのものを幾ら入れるかということを早くキャッチしなければならないという運動が行われていることを、外におるわれわれが知っている。あなたの方はそれは聞いていないというのはわかります。あなたも就任日が浅いようですから、なおけっこうですが、そういう点を留意して、そういうようなことから早く情報を取ることに対する運動が行われているということを頭に入れて、この是正に当ってもらいたい。  それから今度は、指定された登録業者というのはたくさんありますが、これはタイならタイ、ビルマならビルマ、台湾なら台湾というふうに、ほとんど業者がその入れるところによってきめられている。これはある程度、その土地の事情、それから品質やその他の点もあると思いますから必要だとは思いますが、ほとんどきめられている。台湾から入れるときはどの社だ、ビルマから入れるときはどの社だ。たとえばタイから入れるならば、タイの指定を受けているのは十四社となっている。五十社も六十社も指定を受けたものがあるけれども、タイから買う場合にはこれだけの人、ビルマから買う場合にはこれだけの人、こういうことになって、この業者間の話し合いというものがあることをあなたは御存じですか。
  59. 家治清一

    家治説明員 お話のように、地域とものによりましてグローバルの形で指定されているところと、あるいはものによってあるところに十何社というようになっているところっとあるわけでございます。業者間の話し合いというのは、これは先ほど申しましたように、私直接タッチしておりませんので、それは存じません。  なお、ちょっとおわび申し上げたいのですが、水曜日に買付公示をして、即日に入札をやるというように御答弁申し上げたのでございますが、これは間違いでございまして、水曜日には応札で審査決定されるのでございます。買付公示はそれよりも二日あるいは三日ぐらい前に公示をするようでございます。
  60. 小川豊明

    小川(豊)小委員 それはいいのですよ。どこどこに指定するということは水曜日にきめられるのです。三時間できめられるのです。そういうことはできない。できないことをやらせるのだが、早く知っておかなければならないから、これに対する運動が行われて不純なものが入るのですから、注意した方がいいと言っておる。  それから、今度着地検査になっていますね。これは三十年の四月ごろからそうなったと思うのです。そこで、さっき私が申し上げた不良品に対しては値引き等が行われたが、今は違約金制度にかわっておるのではないのですか。これはどういうことになっていますか。規格でない、指定した規格外のものが入ってきた場合の三十年四月以前のこれに対する措置と、三十年後の措置とはどういうふうに変っておりますか。
  61. 家治清一

    家治説明員 着地検査実施前は、実は産地において検査をして、そして船に積み込んだ状態において政府のものになるという形のものであったものを、着までは政府のものでなくて商社の責任であって、着地で検収、検査して政府のものになるというふうに変ったのでございますが、その規格が違った、こちらの検査基準に照らしまして、それよりも劣った場合は値引検収、それからある船積期間を経過したとか、あるいはその船積期間より早積みしたという場合、ないしは一定率以上の夾雑物があったという場合においては違約金——いわゆるペナルティ条項がありまして、それによって徴収をする、あるいは値引きをするということになっております。
  62. 小川豊明

    小川(豊)小委員 この違約金は米でトン当り幾ら、麦でトン当り幾らですか。
  63. 家治清一

    家治説明員 これはその内容によって違うのでございますが、百円あるいは二百円といったような額でございます。
  64. 小川豊明

    小川(豊)小委員 外米はトン当り、たとえば五万、六万としますね。そうすると、政府の許可がなければ入れることができない。政府以外に売ってはならない。ならないものを入れてきても、これはいけないといわれたって売りようがない。持って帰るほか方法がない。こういう状態になっておるわけです。そこで、値引きでなく、違約金という制度になっている。ところが違約金というのは米で石当り大体百円、麦で石当り五十円です。そうすると、この米の中にもみの入ったものもある、石の入ったものもある、水分の多いものもある。入ってきたそれを、違約金百円払えばいいんだ、その方が業者は得だ、こういうことをいっておる。そこで、こういう制度に対して検討する必要はないか。一体トン当り五万、六万もするものを買ってきて、それが規格外であった場合、トン当り百円払えば済むというなら、どんどん百円を払って悪いものを納めて済む。業者をもうけさせておる。米で百円、麦で五十円程度の違約金というものは果してこの輸入の制度に適したものであるかどうか。この点を私はお尋ねしたい。
  65. 家治清一

    家治説明員 これは具体的な事例に当てはめて御答弁申し上げた方がいいかと思いますが、その辺は担当部長が見えましてから御答弁申し上げたいと思いますけれども、一般的に申し上げますと、違約金と品質の悪いものとを消し合うというのではなくて、品質が悪ければ悪いなりに値引きして検収いたしますし、そのほかに違約金をとるものもありましょうし、あるいは品質の関係は今度取り立てていわないで、違約金だけで処理できるようなものもあると思います。これは具体的な輸入について、御趣旨の点をよく体して検討したいと思います。
  66. 小川豊明

    小川(豊)小委員 そうすると、この外米を輸入するに当って、代金の支払いはいつの段階で払うのですか。日本へ着いて検査が済んでから払うのか、その前に払うのか。いつ、どの段階で払っていますか。
  67. 家治清一

    家治説明員 代金の決済は、日本へ着きまして検査、検収を行なった後でございます。ただ、そのうちの代金の一部を概算払いにするということが規定上も許されておりますし、実行上も概算払いは途中で行なっております。ただ精算、そして支払いの確定は着地で検査、検収してから後でございます。
  68. 小川豊明

    小川(豊)小委員 どういう規定に基いて概算払いをするのか、そして何%を概算払いにするのか。
  69. 家治清一

    家治説明員 概算払いは会計法規の予決令でやると思います。概算の金額でございますが、七割でございます。
  70. 小川豊明

    小川(豊)小委員 七割を概算払いする。——そこで、私はこういうことを懇意な輸入業者に聞いた。というのは、外米は日本に着いて検査を受ける前に、すでに概算払いで代金をもらえるのだから、少しくらい契約条件と違った外米が着いても、安い違約金を払えば済むのだからその方がいい、ということを現に僕に言っておる。こういうことが行われていながら、あなたの方ではそういうことはありません、知りません、ということでは私は済まない事態ではないかと思うのです。もしあるならば、こういうことに対する是正、改正の措置をどうおとりになるかということを、食糧庁の主脳部にお聞きしたい。
  71. 家治清一

    家治説明員 お尋ねの七割概算をもらえるんだから、あと品質の方は違約金で済ませるということでございましたが、着地におきまして検査をし検定をいたしまして、品質を確認し、数量を確認して検収するのであります。検定したものに対しまして価格をきめるのでございますから、従いまして、悪いものがあれば値引きされる。これはそういうことで現に実行しております。それで、さらに違約条項に触れるものは違約金を取るということでございますので、違約金が非常にわずかだから、従って悪い品質のものを持ってきて、もうかるのだという事態はないと思っております。
  72. 小川豊明

    小川(豊)小委員 今まで輸入した中で違約金を取ったのがどのくらいあったか、そしてその違約金はトン当り幾ら取ったか、答弁して下さい。
  73. 家治清一

    家治説明員 今までとっている例を申し上げますと、たとえば米で申し上げますと、その性質によりまして、百円あるいは二百円というのをトン当りとっております。そのトータルは、これはいろいろな事由別にまとめないと実はわからないのでございますけれども、ただ違約金だけで品質の悪いものを全部カバーしておるということではございませんので、その点を申し上げたいのでございます。
  74. 小川豊明

    小川(豊)小委員 これはこれでおきましょう。ほかの委員の質問もあるだろうから、あまりとってはいけませんので……。  次に、麻袋に移りますが、この麻袋は、昭和二十七年だか八年だか、私が当選してきたときにこの麻袋の問題は、国会でも、大蔵委員のときにお聞きしていたんですが、その後これは国会で、本会議でも問題になって、麻袋の取扱いに対する不正というものが追及されている。そうして、その後、これは数次改める、改めるといい、また相当これは改められてもいると思うのです。しかし、いまだに問題を持っている。ここにも指摘されておるのです。そうして、この麻袋についても、はなはだ遺憾ですが、これはこの麻袋について、昭和三十一年一月中に、食糧麻袋株式会社の総務部長の菊地勝太郎から、食糧庁の業務一部加工輸送課の係長をしておる小松皐月といいますこの人に、麻袋の代金を早く払ってもらいたいというので現金を小松に贈られた、こういう事件がある。それから、食糧庁経理課長であった岡村さんも、やはり原料用の麻袋について多額の供応を受けて、麻袋料金の支払いに便宜を与えた。こういうことは新聞にも伝わり、これは事実になっているわけです。そうすると、麻袋の料金は、さっきの倉庫料と同じことなんだ。麻袋の料金を早く払ってもらいたいという運動を、なぜ一体しなければならないのか、こういうことでも、早く払うとかおそく払うとか、そんな手心をする必要はない。適当なものを買ったならば、これは払ってやればいい。期日があるでしょう。期日内に払ってやればいい。それを早く払ってもらいたいという運動のために、数万円の金を食糧庁の輸送課の人に贈賄したりなんかしなければならない。こういうような制度の欠陥はどこに一体あるか。どうしてそういうことができるようになっておるか。どうしてそういうことをしなければならないのか。これを、僕はわからないので、お聞きするのですが、こういう点についての是正は、どういうふうに今なされているか。
  75. 家治清一

    家治説明員 麻袋につきましては、たびたび指摘されましたことは、まことに申しわけないのでございますが、その後の麻袋の扱いにつきましては、もう三十一年以降はあいた麻袋、つまりからのままで政府が麻袋を買うという形はやあまして、結局、直接政府が麻袋代として民間に払うという形を現在とっていないのでございます。もっとも、三十一年ごろにおきまつしては、価格として、その麻袋を別個の価格で一応、たとえば買い入れる際に、その予定価格に織り込むというようなことになっておりました。それから、政府が売るときに、麻袋は別ということで、麻袋についての価格を加算するということで売るというような形になっておりましたりしまして、麻袋というものは若干区別はされておったのでございますが、最近におきましては、先ほど申し上げましたように、あいた麻袋を政府が買って貯蔵するとかというようなことでなくて、バラのものを袋に詰めますような場合には、袋に詰めて輸送するその全体の流れの中の一部として麻袋を入れる。従ってその場合において競争はやはり公正な競争が行われるような仕組みを実は考えておるのでございます。それで、麻袋代を早く政府に払ってもらいたいというようなことは、むしろ直接対政府において現在起きないということでございます。
  76. 小川豊明

    小川(豊)小委員 政府に起るのじゃないのです。政府の役人との間に、その係との間にこういう問題が起っているのです。それでこの麻袋についても、会計検査院指摘は、市価が騰貴する情勢にありながらも、あなたの方で麻袋を安く売った、こういうことを会計検査院はいっておる。あなたの方では、麻袋を高く売ると食糧の値段が高くなるから、麻袋は高く売らない方がいいと御答弁しておる。この点は一体どちらがほんとうですか。麻袋を高く売ると食糧はそんなに値が上るのですか。
  77. 家治清一

    家治説明員 このたびの検査院の御指摘の点、それを決して特別に反論するという意味じゃございません。ただ、あの当時、麻袋の市価が上向いて上っておったのだから、そのときに上っておる状況に応じて、政府の麻袋込み価格といいますか、あるいは麻袋払い下げ価格を上げたらいいじゃないか、その点はごもっともでございます。ごもっともでございますが、実はその当時において関係者が非常に心配しましたことは、麻袋が全体として非常に上ってきておる、それで、もしそれに対して政府の方が順応して高くするということにしますと、麻袋がまた上るであろう。そうしますと、今度は古麻袋の形でまたもう一ぺん政府としては使わなければならないのでございますから、それがため、また買い入れ価格が上ってくるであろう。それで悪循環の形になるのではなかろうかということを心配しました点と、それから、お話のございましたような麦価格を、もし麻袋代が高くなれば麦価格が、かりに麦価格水準を一定といたします場合においては中身の麦価格を引き下げなければならぬ結果になる。そういうようなことを前提にしまして、そこでむしろ需給関係を改善して、麻袋の値上りを防止した方がいいのじゃないかという判断をしたのでございます。ですから、ある意味においてはその見通しの点で結果としましては、そうまでしないで、もう少し何とかできたじゃないかという点も、おっしゃられるとやむを得ないとも思いますけれども、しかし見通しの点でございますので、そのときには、まさに急騰しようとする麻袋価格を押えて、そして麦価も引き上げないようにしたい、こういうことであったのであります。
  78. 鈴木正吾

    鈴木委員長 小川さんにちょっと御相談しますが、御質問の最も当面の係と思われる村田業務第二部長というのをいろいろ尋ねておりますけれども、まだわかりません。そこで中村輸入業務課長がここに見えておるそうでございます。それに御質問になりますか。それから食糧庁長官もお見えになりました。
  79. 小川豊明

    小川(豊)小委員 私は今まで輸入外米の問題について主として質問してきましたが、これは同じく衆議院の農林水産委員会が開かれておるので、そちらへ村田君も行っていると思うから出席を要求したが、いくら探しでもわからない。農林水鹿委員会にも行っていない、ここにも来ていないというなら、どこかほかに行っている。そんなばかな話はない。そっちへ行っているなら、これは仕方がない。どこへ行っているかわからないなんという、そんな話はないですよ。これこれこういう用で、こういうところに行っているから——きょう委員会が開かれているのを知っているはずだ。どこそこに行っているというのなら、私の方もやむを得ないが、どこへ行っているかわからないなんという、そんな答弁はありませんよ。  そこで、またこの麻袋に入るわけですが、あなたの方で一億二千万円が低額となっていると指摘されているのは、結局業者が一億二千万円もうけさしてもらったということなんですね。これは、あなたの方では麻袋を売った場合なんです。すると、今度買う場合には一体どうして買うのですか。米はバラで来るから、あなたの方で麻袋を買って入れるのか。それとも麻袋を入れた価格で買うのか。その場合にはその麻袋の価格というものは幾らに見ているのか、その当時幾らに見ていたのか。
  80. 家治清一

    家治説明員 前段の点、先にお答え申し上げたいと思いますが、食糧庁が麻袋を値上げしないで売ったために一億幾らというものを食糧庁では損をしたのじゃないか、その分はまるまる業者の得になったのかということでございますが、これは結局食糧庁が売る麻袋を引去上げない反面、買うとして価格に織り込みます麻袋の価格も別に引声上げないのでございますから、先ほど申し上げましたように、一応麻袋の回転の格差というものは上げないということでやっておりますので、特別にその扱った業者に一億幾ら利益が生まれたということにはならないと思っております。  それから、当時の麻袋の価格でございますが、これは輸入食糧の場合の中身に加算する価格としましては大型Aが八十九円、Bが七十円、小型Aが六十三円、Bが五十四円。それから売り渡しの場合の麻袋の価格、これは中身加算でございますが、大型の甲が六十四円、乙が四十五円、丙が三十九円、小型の甲が四十六円、乙が三十五円、丙が三十二円というふうになっております。
  81. 小川豊明

    小川(豊)小委員 そうすると、大型のガンニーのAが八十九円、それが甲の場合には六十四円になる。こういう差が出てきているのです。そこで、これはずっと前の話だが、私は農林省が一ぱい持っているあの麻袋を払い下げるということを聞いて、業者にくっついて倉庫に行ってみた。そうしてみたらば、この麻袋はとうてい価格にくっつかない。幾ら最高に入れても、あなたの方の価格にくっつかない。それで買ったのでは合わないということで、非常に厳重にやっておるのだなということを感心して帰ってきた。その後に聞いたところでは、すでにあなたの方では指定して、こういうところに扱わせるのだということがきまっている。だから、ほかの人が行ってみても、それは穴だらけのひどいのを見せられて、これで幾ら、ということになっておる。今度渡される場合にはそれが変ったのが渡されるという。そういうようなばかばかしい、実にずるい仕組みがあるということを聞かされておる。今そういうことはないだろうと思いますが、そこで、麻袋業者とあなた方や食糧庁との間には、さっき私が指摘したように、やはり贈賄が行われ、供応が行われておる、こういうことは当然そこから出てくるのじゃないか、こう考えたわけです。  このことをくどくど言っていても仕方がありませんが、こういう業者と食糧庁の役所とのつながりというものは、外米の輸入の場合にも、麻袋を扱う場合にも、これからまた出てくる日通との関係も、私は問題があると思う。これは、買い入れと、それを保管する倉庫、これを入れる容器である麻袋、これを運ぶ日通、これらの間に問題がある。これは私は失礼だけれども、時間をかけて掘っていけば、幾らでも掘って差し上げられる確信があるのですが、そこまで触れようとは思いません。そこで、こういう業者との関連をもっと正常に戻す決意なり、努力なりを今後払っていただかなければならないわけです。今、私が申し上げていたような問題は、これは全く氷山の一角ですが、日通との関連の問題、輸送の問題に入っていっても、私は事実を持っております。けれども、そこまできょう時間もありませんが、こういう問題に対する次官のお考えを聞いて、一応食糧庁関係の問題は私は打ち切っていきたいと思います。
  82. 大野市郎

    大野説明員 食糧輸入に関しまして、業界との関係に対してもっと細心な注意をして、かつて収賄、贈賄などの事故の起きたようなことを再発しないように考慮をして、その努力をさらにせよというお話でございます。私どもも知らないことが多いのでございますが、組織と担当する実務者との関係の問題なども中にあることでございます。先ほど冒頭に述べました監査機関が三十一年から次第に充実されて参っておりますので、内部の監査の問題でも官房に考査官も置かれておりますので、そういう内部監査の方法を十分に活用いたしまして、実務でございますので、それらの問題に対しての部内監査の強化をいたします。かように取り計らう決意でございます。
  83. 小川豊明

    小川(豊)小委員 長官に一つお尋ねしておきます。いろいろ食糧庁関係では問題があったので、ことに外米の輸入については問題があったので、赤城さんが農林大臣のときに、そうしたいかがわしい問題を起した贈収賄等に関係した業者は、今後指定したり取引したりすることはさせない、こういう布告のようなものを、赤城農林大臣から、どんな通達であったかしらぬが、出されておるということを聞いておりますが、あなたはそれを御存じですか。三十一年の十一月か十二月です。
  84. 須賀賢二

    ○須賀説明員 お答え申し上げます前に、私、去る一日付をもちまして食糧庁長官を拝命いたしました。今後よろしくお願い申し上げます。  ただいま御質疑のありました点につきましては、対商社等の関係につきまして、特別の告示なり、あるいは農林省からの意思表示をいたしましたかどうかにつきましては、目下先ほど御質疑のありました経緯によりまして調べておりますが、赤城農林大臣の御在職中に、三十二年の十二月でございますが、省内全体の職員につきまして吏道の確立について強い御要請があったわけでございます。その御趣旨に従いまして、われわれそれぞれ各段階の職員にもその趣旨を伝え、十分徹底をいたすように取り計らったわけでございます。農林省といたしましてはその趣旨を体しまして、今日まで努力をいたしておるつもりでございます。なお、食糧庁の業務と関連をいたしまして従来とかく御指摘を受けるような事例がありましたことは、私どもといたしまして深く責任を痛感をいたしておるわけでございます。その後十分自粛自戒をいたしまして、こまかく注意をいたして執務いたしておるつもりでございます。私も、今後さらに庁内職員全体の士気を引き締めまして、今後以前のような事態が万が一にも起きることのないようにさらに努めて参りたいと思っております。
  85. 小川豊明

    小川(豊)小委員 決意のほどはよくわかりまして、けっこうだと思います。ただ私は、赤城農林大臣時代にいわゆる綱紀粛正の線に立って、農林大臣として省内に、国民の指弾を受けるようなことがあってはならない、そういういかがわしい業者は今後の取引は停止するようにしろというまでの強い決意のもとにやられたということを聞いておる。ところがその後も調べてみると、やはりそれらの、さっき申し上げた細田君に対して贈賄したと言われるこれらの——みんなこれは日本の有名な輸入業者です。その輸入業者が依然としてここべ入って、やはり輸入業務に当っておる。何もそれをむやみにほじくってとがめるわけではないが、これに対する規制の措置は十分に考えなければならない点である。  そこで食糧庁長官にお聞きするが、この細田君は、私は前から知っておる。実に有能な官吏だと思って尊敬もしておった。信頼もしておった。ところが、この細田君が非常に遺憾なことに一千八十万だ、あるいは九百万円だと言われている贈賄を受けておる。一官吏が八百万円とか九百万とか一千万も贈賄を受けられるということ自体がおそるべきことなんです。そういう中に全く食糧とは関係ない東北砂鉄と、さっき私がお聞きしたのは穀物検定協会がどういう団体であるかよくわからないのでお聞きしたが、こういう協会までが十万円だ幾らだという金を細田君に献金しているというが、贈賄しているというか、やっておる。一体こういう砂鉄会社——穀物検定協会なら幾らか関係があるでしょうが——砂鉄会社という全く関係ないものがあるのですが、一体どういうわけで砂鉄会社食糧庁関係を生ずるのです。十万円も金を出さなければならないような問題が食糧庁と砂鉄会社の間にどうして生ずるのです。
  86. 須賀賢二

    ○須賀説明員 細田茂三郎君の事件につきましては、その個々内容につきましては、食糧庁自体としても、しさいに承知をいたしておるということに実はなっておらないようであります。と申しますのは、細田君といろいろ個人的につき合いのありました方々との間に起きました問題でございますので、そのこまかい内容等は、検察庁当局等でお調べになりましたものによりまして承知をする以外に方法はないわけであります。ただいま御指摘のありました日本砂鉄と細田君及び食糧庁との関係等も、そのような事情で、ちょっと私も推測もつきかねるのでございますが、おそらく細田君と日本砂鉄のどなたか個人的な関係において起きたものでなかろうかと私、推測をいたすわけであります。
  87. 小川豊明

    小川(豊)小委員 これはくどくど言うのはやめますが、私の言いたいのは、あなたは細田君の個人的なと言われたが、細田君個人に十万も百万もやる人はない。食糧庁におるからやっておる。その地位に対して、便宜を与えてもらいたいといってやった。これはわかるでしょう。そこで、糧穀とか何とかいうのは、これは輸入業者だからいいが、砂鉄会社やその他の者がやっておるのは、食糧庁はそれ以上に手を広げて、われわれのわからない仕事をやっておるのかどうか疑いを持ったから、私はお聞きしたのです。  それからいま一点は、こういうふうに細田君に百万だ、あるいは八十万だというような膨大な金を贈賄したという商社が、今なお外米の輸入にあたってはこの中に入って扱っているということは、人がないから、会社がないからそこを利用しなければならない、頼まなければならないだろうということもわかるけれども、これは不可解なことなのです。どこの役所でも、そういう贈賄等があったら、その次にはそこへは出入りできない。ところが、あなたの食糧庁の方は平然と出入りして、さらに業務を続けておる。これを今切れと言うのじゃなくて、こういうことが再び起らないように自省する措置をとるべきではないかということを私は次官にお尋ねして、次官からの答弁を得た。従って、あなたも次官の答弁の線に沿って、今後そういうことをなからしめるようにしてもらいたい。これ以外に私はここでは申し上げません。  その次に林野庁に……。
  88. 鈴木正吾

    鈴木委員長 小川君、あなたがさっき質問した村田業務第二部長は出席しておらぬけれども、中村輸入業務課長が出席しておるから、村田第二部長に御質問になる質問を中村君にお聞きになるかどうか。それから、先ほどあなたが御質問になって留保しておる答弁も、大体答弁の用意ができたようでありますから、ここでお聞きになって、林野庁の方にお移りになったらどうですか。
  89. 小川豊明

    小川(豊)小委員 それじゃ、最初に私が質問した三十一年度において輸入したトン数並びに外米の金額、それから登録商社は何社あるか。それから、これをきめる選定基準はどういうふうな基準によって選定されておるのか、この点をお尋ねして御答弁がなかったのですが、この点をお聞きしたい。
  90. 家治清一

    家治説明員 三十一年度におきまする外米の総輸入量は四十三万六千九百九十一トンでございます。それから扱い商社でございますが、これは実数で三十社でございまして、地域的に申し上げますと、これは重複いたしますが、ビルマが十一、タイが十五、台湾が七、アメリカが十四、中国が十四、それから韓国が十六、イタリアが九、スペインが五、エジプトが九、ウルグァイが六、ブラジルが八、ヴェトナムとカンボジアで十四でございます。これは重複いたしますので実数が三十社ということでございます。  それから、商社の当時におきまする指定基準といたしましては、民貿開始以来の米の取扱実績、それから民貿開始以来の当該地域における米の取扱実績、この二つを勘案基準として指定するということであったようでございます。
  91. 鈴木正吾

    鈴木委員長 金額の問題を質問しているんです。輸入の数量と金額を……。
  92. 家治清一

    家治説明員 金額はまだ調べがついておりません。
  93. 小川豊明

    小川(豊)小委員 この選定基準米麦穀類等の輸入の取扱いの実績を基準としてきめられている、こういう答弁でしたね。二点だったと思います。そうすると、これは非常に膨大なものを取り扱うのだから、経験の有無や資本金や、海外に店舗とかそういうものを持っているとか、そういうものを基準にしなくてはいけないのじゃないですか。この点は非常に重要な問題になるが、ただ取扱いの実績があるということだけできめるところに問題が出てきませんか。こういうものは考慮しないのですか、するのですか。
  94. 家治清一

    家治説明員 今申し上げました二つ、つまり民貿開始以来の外米の取扱いの実績と当該地域、タイならタイ、ビルマならビルマにおける取扱実績、この二つと申し上げたのでありますが、当然その中にはその当該地域における店舗といいますか、出先の有無というのが入っておるのでございます。それからなお、その後の改善せられました基準といたしましては、これはもう少しこまかくしぼりまして、当該商社資金の能力、海外における活動力あるいは穀類の輸入実績、それから輸出実績、そういったようなこともあわせて入っております。
  95. 鈴木正吾

    鈴木委員長 ちょっとこの際御相談申し上げますが、今一時五分になっております。これを継続してやるとすれば大体二時ごろまでに一応の質問が終るものかどうか。もしそれ以上続くというならこの際休憩でもした方がよくはないかと思うのですが、いかがなものでございましょうか。二時か二時半には終りたいと思います。もしそういうつもりで継続するのなら、質問者の間で大体時間の割当をきめてやっていただきたいと思います。
  96. 小川豊明

    小川(豊)小委員 それでは継続してやります。  そこで、課長にお伺いしますが、このトン数はわかりましたが、ビルマは十一社で米が幾ら、何で幾らということになってくると、三十一年度に輸入された米麦その他の穀類で総額は一体幾ら輸入になりましたか。総金額ですね。幾ら輸入になりましたか。——それでは、今総額を聞いても、ただ総額を聞いただけで、はっきりしませんから……。せっかくビルマは何社、タイは何社とこうなっておるのだから、これに対して米や麦その他の砂糖とか、そういうものを入れた金額一つ、あとでけっこうですから、お出し願いたい。どうせ三十二年度の決算にまたすぐかかってくるわけですから、その参考のために、これはあとで資料としてお出し願う、こういうことでいかがでしよう。
  97. 鈴木正吾

    鈴木委員長 そういうふうに取り計らいます。
  98. 小川豊明

    小川(豊)小委員 ではそう願います。  村田さんにお聞きしたがったのですが、輸入業務課長さんがお見えになっておるとすれば、ここでまた繰り返すようになって大へんに皆さんに恐縮なのですが、輸入外米に対する——これはもとと違って、着によって検査が行われて代金が支払われるというのが建前になっておるわけですが、これはさっきお聞きすると七割というものは概算払いをすることができるようになっておる。こういうことになるが、これは食糧庁の取扱規則の中で、そうきめられておるのかどうなのか。それから七割というのはどうしてきめられたのか。さらに、七割というものをどうして先に払わなければならないのか、概算払いしておかなければならないのか。この点をお尋ねしたいと思います。
  99. 中村健次郎

    ○中村説明員 お答えいたします。ただいまの概算払いでございますが、今七割概算で払っておるというのは契約できまっております。それから、なぜ概算払いをしなければいけないか、こういう問題でございます。これは当初輸入食糧を買いますのは、着地になります前はBLで買付をしておりまして、BLが到着すれば代金は全部払う、こういう形で荷物はあとから着く、こういう買い方をしておるわけでございます。穀類の取引は大体世界のどこの国でもそういった貿易形態をとっておるのでありまして、商翌慣として、BLが到着いたしますと代金の決済がシッパーとインポーターとの間で行われます。それを着検に切りかえまして、食糧庁が、到着してから検査をして、現品領収書を出して金を払う、こういう形にかえました。そこで、商社といたしましては、BLが到着すればシッパーに金を払う、銀行に金を払わなければなりません。ところが、食糧庁からは、検査が済んで、現品領収書が発行されまして、そして代金をもらう。この間に一カ月ないし二カ月の日にちがかかります。その間、商社としては、その金を借りなければならぬ。これを借りるということになりますと、かなりの金利の負担にもなりますし、それよりは、食糧庁が、それまでは食管会計で、BLが着いたら払うという形をとっておったのでございますから、その形で、概算で当初八割でございますが、八割概算払いをする方が、食糧庁が金利を商社に見るよりも有利であるということもございました。それから、それだけの資金を銀行が商社に融資するということは、その当時の金融事情としては非常に困難だというようなことから、概算払いを大蔵省と相談して決定したわけでございます。その後、金融事情もだんだんと緩和して参りました。そういった関係で、現在では七割というふうに減らしております。
  100. 鈴木正吾

    鈴木委員長 それでは暫時休憩いたしまして、二時、正確に継続審議に入ります。     午後一時十三分休憩      ————◇—————     午後二時十四分開議
  101. 鈴木正吾

    鈴木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。小川豊明君。
  102. 小川豊明

    小川(豊)小委員 午前中食糧関係をお尋ねしましたが、時間の関係でこれで終って、林野関係に移りたいと思います。  指摘事項だけを中心にしていきたいと思いますが、ここで九〇五の場合ですね。駐屯部隊の司令に二千十三石を七十万円かで売り渡して、五千七百五十四石、価格にして二百七十九万四千幾らというものを切られてしまった。伐採されてしまった。こういうことで、これは駐屯地司令がそういうことができる権限があったかなかったかということもありますが、そういうことは別として、実はこの間、委員長と私と淡谷委員とで秋田、青森等の国有林の調査に行ったわけなんです。そのときにやはり細密に立木やその他のものもはかられて、話をお聞きしていると、その処理は万遺憾なくできているので、この通りいくならば間違いないというふうに考えて帰ってきたのだが、やはりやってみるとこういうものが出てくるので、これはだまされて二千石演習用材として払い下げた。ところが片一方で、今度二千石が五千七百石も切られてしまったということは、これは管理の問題になってくるわけです。そこで、切られたのはいつごろで、それを発見したのはいつごろか。もっと早期に発見できなかったか。これだけの木を切るのだから、相当期間があったと思う。この期間に発見できなかったということは一体どういうことか。こういう点、お尋ねしたいわけです。
  103. 山崎齊

    ○山崎説明員 この盗伐が行われましたのは、三十年の十一月から三十一年の三月までの間に行われたのでありますが、この間、正式に売り払いましたもの以外の材が札幌の方面その他地元の工場に売り払われておるらしいという話が、二月から三月ごろ営林署の担当区の耳に入ったのであります。従いまして担当区の員としましては、その伐採しております責任者を呼びまして、自衛隊の用材であるのに札幌方面に出ているというのはおかしいんじゃないかということにつきまして、十分に聞いたのであります。この伐採しております宇佐美というものが、そのときにちようど国有林以外の民有林材を自分は買って、それを札幌の方に出しておるのだという陳述がありましたし、また、それまで札幌方面に輸送されました木材の石数と、民有林から買ったという木材の石数とも大体一致しているというふうなところから、直ちに盗伐でもしているんじゃないかというふうに判定されなかったということが一点。それから、現地におきましても、御存じの通り積雪の時期でありますので、売り払いました立木以外のものが切られておるということを現地で確認するということも実はできなかったというふうな事情で、相当大量のものが盗伐されたということになっておるのであります。雪解けを待ちまして、四月に一部盗伐されておるということがわかりましたし、また完全に雪が解けました六月に一斉調査をやりました結果、五千何百石というものが盗伐されておるという事実を確認されたというふうな経緯になっておるのでございます。
  104. 小川豊明

    小川(豊)小委員 なるほど、これは三十年の十一月に随意契約したのですから、雪がもう相当あったと思います。ところが、あなたの方で、今御答弁を聞くと積雪で調査できなかったというが、切る人さえあるのだから、調査できないということは私はないと思う。切っている人さえあるのですから、調査すればできるはずだと思います。そこでお尋ねしたいのは、一体、国有林の面積というのは幾らあって、そうして国有林を管理している者は何人あって、そうして一人当りの管理する面積というものは出てくると思う。そういう一人当りの担当面積が多過ぎれば、これは何といったって手が届かない、目が届かないということになる。この場合にも、今の御答弁では三十一年の十月ですか、そうすると、一年かかって切っているわけだ。一年かかって切っているんだから、これだけの二百七十九万円というものが伐材されておるのだから、もし民間なら参ってしまう。あなたの方だから差しつかえないが、これが積雪だから発見することが困難だったということはわかるが、できなかったという理由にはならない。切って運び出す人さえあったのだし、これが市場へ出てきてから、おかしいといって調べてみたということでは、私はこの答弁にはならないと思う。この点で、これは一人当りの担当区域が広過ぎておるのかどうか。そういう点から言うと、日本全国に散らばっている国有林のうち、北海道のようなところは特に面積が多くて、管理等が不十分ならば、人をふやさなければならないという問題も出てくるわけですが、この点一つ、御答弁を願いたい。
  105. 山崎齊

    ○山崎説明員 これが盗伐が始まったというように考えられますのは三十年十一月でありまして、明らかにこれだけの数量が盗伐されておるということを、切ったあとの伐痕によって調べるわけでありますが、それが確認されましたのは三十一年六月で、その間七カ月ないし八カ月程度かかっておるという事態になっているのであります。御存じの通り、伐採は大体雪が相当積りますまでの間に伐採を終えまして、雪を利用して搬出するというのが北海道におきます搬出の実態であるわけでありまして、伐採いたしました伐痕の上に雪が数尺も積るというふうな事態になりますので、搬出等の仕事はもちろん継続的にできるのでありますが、それを一々雪を山でどけまして、伐痕に払い下げの極印がほんとうに押されておるかどうかというような点を調査いたしまして、盗伐事件として告発するというようなことになるのには、雪の関係で非常に困難があったというふうに考えておるのでありまして、この点、御了承願いたいと思います。  それから、国有林の管理でありますが、国有林の面積は全国で七百五十万町歩ばかりあるのでありまして、これを第一線におきます三日三十八の営林署によって管理いたしておりまして、その下に国有林の保護、あるいは盗伐、誤伐等の防止というようなことを主体にいたします担当区事務所というものを置いておるのであります。その担当区事務所の数が二千二百三十四、従いまして一担当区事務所あたりの管轄面積は平均にいたしまして三百数十町歩という状況になっているのであります。ただ、北海道におきましては内地と違いまして、担当区事務所の管轄する面積も平均の二倍ないし三倍程度になっておるのが普通であります。そういう面からいたしまして、これの担当区事務所あるいは営林署の増設を今後はかりまして、管理機構充実することが必要なように考える次第でありまして、今後そういう線に向って努力したいというふうに考えておるわけであります。
  106. 小川豊明

    小川(豊)小委員 私も少し山を持っておったし、今でも少し持っていますが、管理というのはなかなか容易でない。これが平均にして一人当り三百町歩というのは事実過重だと思う。それを北海道で六百町歩、九百町歩も一人当り管理させるのは不可能だと思う。この点は、十分あなたの方でお考えになって、管理に対する適正を期さなければならぬじゃないか、こう思います。  そこで、これは盗伐になっておるわけですが、盗伐ですから、処分されればその代金というものは入ってこないことになるわけですね。これを盗伐として処置すれば回収はつかなくなり、二百何十万と評価された金額は当然国庫の損になる、こういうことになりますね。
  107. 山崎齊

    ○山崎説明員 これの盗伐に基づきます国の損害額は二百八十三万円余になるわけでありますが、この盗伐いたしました宇佐美なるものと和解が成立いたしまして、昭和四十二年五月までにこの金額を計画的に国に納めるということになっておるのであります。三十三年から三十六年までの間には毎年十二万五千円ずつを納める。三十七年から三十八年までは毎年二十五万円、三十九年から四十一年までは五十万円、これを毎年十一月限りで分納するということに約束しておるのでありますが、三十三年の十一月までに納めるべき十二万五千円は、約束通り納入になっておるという状況であります。
  108. 小川豊明

    小川(豊)小委員 今の御答弁で、雪が積っていて見ようがない。従って、春、雪解けを待って、切られた跡の伐痕といいますか、そういうのでどのくらい切られたか発見するのだ、こういう御答弁で、さもあろうと思いますが、私が先般、秋田の方に行ったとき説明を聞くと、立木というのは全部帳簿に載っている。そうして一本々々の石数を算出してある。こういうことを聞いて、正確だな、これなら間違いないと思って、非常に喜んで帰ってきたわけです。これでいくと、雪が解けて切られた跡でなければわからないということになってくると、この調査してあるものは一体どういうことになるのか。帳簿でわかるわけじゃないか、こう言えるわけなんですが、木を切って雪の中を運んでいって、ほとんど処分される前に、途中で切られたのを押えることができるだろう。あるいは店舗にあるもの、あるいは搬出中のものを押えることができたじゃないか、こう思うのです。ところが、これができないで、みなそういうふうになってしまっているということは、管理上の点に不可解な点がある。この点をもう一度御説明願いたい。
  109. 山崎齊

    ○山崎説明員 盗伐事犯ということにいたしまして、それの輸送を停止する、あるいは告発するというようなことにつきましては、やはり盗伐しているらしい、そういうふうなうわさをもとにしてやるということには非常に問題があるわけでありますが、この場合におきましては、どうも札幌その他の方面に出ている木材は、営林署が払い下げたものよりは多いというような問題がもちろんわかったのであります。従いまして、当初に申し上げましたように、その宇佐美という本人を呼びまして、札幌の方へ出ておる木材はおかしいんじゃないかという話をしたのでありますが、それに対しまして、やはり民間から買った木材を輸送したのだというようなこと、また現実に輸送した数量というものがほぼ合っていたということ、それからその後三十一年の二月におきましては、さらに札幌の方面その他に輸送されている状態が続いておるというふうな事態がありましたので、当面の営林署長はマル通の鉄道輸送というものを本人に命じて停止させたという措置をとっておるのであります。この停止措置に対しまして、自衛隊の厚生課長営林署に再三出て参りまして、自衛隊の責任においてその問題の処理なり、その他のものをやるから、輸送だけは何とかさしてやってくれという再三の懇請があったというふうな事態からいたしまして、輸送の停止を一時解いたという経緯になっております。
  110. 小川豊明

    小川(豊)小委員 時間がありませんから先へ進みます。私もなるべく簡単にお聞きしますから、答弁もそういうふうに時間に合せてお願いしたいと思います。  次の九〇六、「風害木の輸送契約にあたり処置当を得ないもの」ということが出ております。そこで、随意契約によりというが、これはどうして競争入札ができなかったのか。それから「契約方法が当を得なかったため」となっておりますが、これはどうして当を得なかったのか。この場合、どういう契約をやったからあなたの方で指摘したのか。この点は会計検査院の方にお尋ねしたいと思います。
  111. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 契約方法が当を得ないと申しておりますのは、こうした鉄道運賃が大部分を占めていますような契約は、普通の場合には鉄道運賃につきましては実費であとから精算する、国鉄から貨物通知書がきますが、その貨物通知書を運送人から出してもらって、そしてその貨物通知書によって運賃を支払う。こういう契約にするのが通常になっております。それをこの場合は、そうした貨物通知書による支払いというふうな方法をとらないで、そのほかのいろいろな運送賃等を込みにして一本に契約しております。従って、実際に運送業者が国鉄に支払った鉄道賃と、国が契約の中で鉄道賃として積算をしておる額の間に相当な開き、ここにありますように五千百万円という開差を生じておるというような事態になっております。これは通常の場合のように貨物通知書によって払うような建前をとるのがよろしい、こういうことを言っておるわけであります。
  112. 小川豊明

    小川(豊)小委員 そうすると、今、会計検査院のあなたが指摘したような方法をとれば、ここで五千百万円というものは国自身運賃で得がとれたのじゃないか、これだけ支払わないで済んだのじゃないか、こういうふうにわれわれは解釈するが、今指摘されていたような、そういう契約というものをどうしてとらずに、こういう結果を生ずるような方法を当時とらなければならなかったのか。この点、御説明を願いたい。
  113. 山崎齊

    ○山崎説明員 二十九年に未曽有の七千万石に達する大量の風倒木が出て参りまして、北海道におきます木材の需給なり価格の安定を期しますために、その風倒木の相当量を内地市場に計画的に輸送いたしまして販売するということを考えたのでありますが、北海道におきますこういう大量の輸送をやるということにつきましては初めてのことでありましたのと、御存じの通り北海道においては、年度の後半におきましては雑穀輸送その他の関係で平年におきましても鉄道輸送というものが非常に逼迫し、困難を来たすというふうな事態になります。それにさらにこの相当大量の風倒木の輸送の七、八割が年度の後半にならざるを得ないというふうな事情も加わりまして、これの円滑な輸送というものをやりますためには、われわれといたしましてまずこの点の研究が必ずしも十分でなかったというふうに反省するわけでありますが、木材の取引というようなものはすべて石というものを単位にしてやられておるということと、それからこの輸送の輻湊しておるとき、しかも数量が相当大量にわたるというような点からいたしまして、積み込み、おろし、あるいは輸送を終りましたあとの港頭にはい積み貯材を必要とする事態になるのでありますが、これらを一本にいたしまして輸送契約という形に持っていった方が事業の実行上便利ではないかというふうに考えましたことと、それから木材の輸送につきましては、それぞれ木材の長さというものとそれを運びます貨車との関連におきまして非常な有利不利が生ずるというような問題もありますし、それらを総合いたしまして石建という線でいった方が、事業実行上の計画量の確保の面からいって、あるいはまた事務の面からいって適当じゃないかというふうな考え方に基きまして、この石建の方法を講じたのでありますが、検査院から指摘がありました通り、木材をトン建で精算払いにするということによりまして実質上運賃というものの軽減が相当はかられたじゃないかという点につきましては、われわれもその通りと思うのでありまして、当時におきますその辺の検討というものが不十分であったという点を十分反省しておる次第であります。
  114. 小川豊明

    小川(豊)小委員 これは膨大な風倒木が出たのですから、それを急速に輸送しなければならなかったという事情は私にもわかります。しかしながら、いずれにしても、これを運んでくるのは鉄道で運んでくるわけです。国有鉄道に支払われた金が一億七千万円で、この中で取り扱っておる日通だけが五千百万円というふうな不当な利益を得ておる。その理由は、トンでいかずに石建でいった、そういうことも一つの理由になっておるようです。私は実は、この政府機関と日通との関係というものに多大の疑問を持っておる。さっきの食糧の輸送の問題でも、あるいはここでも出てきておるように、政府機関と日通との関係というものに多大の疑問を持っておる。そういう点から、あなたの方でこのやり方に対しては反省をしておるというのなら、これ以上申し上げるところもないわけですが、こういうように日通に、しかも急いで運ばせる必要から随意契約でやったかもしれませんが、随意契約でやって、そして五千百万円も日通に不当な利益を得さしめているということに対しては、私はきわめて遺憾であったと言わざるを得ません。  次に、水産庁の問題で一つお尋ねします。これは聞けば三十年度にすでに委員会で取り上げた問題だというので、蒸し返しになるような形で、この点ちょっと恐縮なんですが、私はこの点を、今度は会計検査院に対しても一言申さなければならないと思う。  今、私自身が見ておって、会計検査院からいろいろ指摘されてきております。これを見ると、よく精細に調査はしてあるが、一つ不思議に思うのは、もっと大きな金額のものがわれわれの疑問としてずいぶん浮び上ってきているのにかかわらず、会計検査院の調べの中には小口というか、小さいものはたくさん出てきているけれども、大口のものは出てきていない。何も、出せというわけではない。なければけっこうなんですが、そういうことが多々考えられるにもかかわらず、さっき私がお聞きした食糧行政の中でさえそういう点が考えられる。  そこで、これは三十年度に取り上げたというけれども、水産庁で練習船だとか、あるいは調査だとかいうようなさまざまな船を持っているわけですが、その油を買うのに膨大な収賄をしているという。新聞を見ると、「水産庁の役人の要求に応じて直接彼らのポケット・マネーとして渡した金だけでも五百万円、そのほかにも二千五百万円が同庁職員の旅費や委員会費として藤川から支払われた。」藤川というのは石油会社ですが、石油を買うためにこういう膨大な金を収賄している。しかもその収賄に当って、この事件の調査に行っている会計検査院の人までがこの中に入っているとしたならば——日本の経理を明確にして粛正していくのは、あなたのところの会計検査院よりほかにないはずです。その会計検査院からなおかつそういうことが出たということは、これは非常に遺憾千万なことであって、一体われわれは何をどこで信用したらいいか、こういうことになってくる。この点は蒸し返し的で非常に恐縮ですが、委員会でもこれに対しては厳重な注意を発しているということですが、その後の問題というか、水産講習所や本庁等で重油等を買うのにどういうような買い方をしているのか。買い方として、こういうような金額を収賄して買えるような制度、組織になっているのか。これは一体どういうことなのか。そういうことがどう是正されたか、その点を、今度は水産庁の方からお聞きしたい。
  115. 高橋泰彦

    ○高橋説明員 お答えいたします。三十年度にそのような事故が起きましたことは大へんに遺憾でございました。そこで、二度とこういうようなことのないようにやり方の改善を加えたということでございますが、その詳細はちょっときょう承知しておりませんが、そういうことが絶対起りませんように注意して参っておるように存じております。
  116. 小川豊明

    小川(豊)小委員 これは、起らないのは非常にけっこうです。しかし、それは注意しているから起らないというよりも、これを一係や何かのところでそういうことのできないように制度化する、組織を改めていくことが必要じゃないかと思うのです。ただ注意だけをしているというなら、絶えず監視をしていなければならない。そういう総合監査をして、でき得ない、できたとしてもすぐ早期に発見できるということが改善だと思う。  私がお聞きするのは、こういう不祥事のあったことに対して、あなたの方ではどういう改善の措置をとったかということをお聞きしておるので、注意をしているということでは私には納得いかないので、不満なんです。どういう措置をとられたかということをお聞きしておるわけです。
  117. 高橋泰彦

    ○高橋説明員 御指摘通りでございまして、やり方に多少疎漏の点がありましたので、事務のやり方もその後改善を加えた次第でございます。ただ、ただいまその詳細は申し上げることはできないのでございますが、その事務の具体的なやり方については、後刻、機会を得まして御報告申し上げたいと思います。
  118. 小川豊明

    小川(豊)小委員 事務を処理する機構を改めていかなければ、ただ注意だけでは、また起る。従って、私はそれをどう改めたかということをお聞きしたわけだが、あなたは、きょうここへいらっしゃるのに、そのことは一応こういうふうに機構を改めて、今後なからしめるまうに努力したということが答弁できないというのは、遺憾です。やはりそんなことは、後刻も何も、内部の機構を改めて、今後こういう不祥事をなからしめるということで来たわけですから、それをあなたがここで答弁できないということになると、これは私としては納得いきませんし、遺憾だと思います。ただ、ほかの方の時間もありますから、きょうの質問はやめます。
  119. 鈴木正吾

    鈴木委員長 山田長司君。
  120. 山田長司

    ○山田(長)小委員 午前中も小川委員から農林省不当事項について、件数や何かについても言われましたが、参考までに、農林省御当局も知っておると思いますが、批難事項として会計検査院指摘している注意を参考までに申し上げてみます。  二十九年度に、批難事項ニ千二百四十六件中、農林省が千三百三十八件、半分以上です。それから三十年度のときが、二千百八十五件中、九百八十九件。それから三十一年度が千百二十八件中、六百二件です。これが農林省批難事項で、さらに三十二年度も二十三年度もこのような状態で来ておるのじゃないかと思われます。  ただいま、林野庁批難事項報告書に載っておる二件について、小川君がいろいろ質問されたわけですが、林野庁の造林補助、このことについての批難事項というものがあまり指摘されて出ていないのです。造林の補助についての調査は、どんなふうにされておるかということを、一応長官に伺っておきたいと思うのです。  それからもう一つは、各府県補助金で出ている総額、それから各府県別に出ている補助金、おわかりでしたら、一応ここでお知らせ願いたいと思います。
  121. 山崎齊

    ○山崎説明員 造林の補助金の総額につきましては、詳しい、こまかいところまでは現在資料を持っていないのでありますが、国費にしまして約三十億円というものが補助金として各府県に支出されておるのであります。これは各県がそれぞれの個人の造林の実績というものを調査いたしまして、それに対して補助金を支出するという形で、一般の公共事業と同様な方法で補助金の支出をいたしております。  それから、各府県別にこの補助金がどの程度いっておるかという点につきましては、ただいま各府県別内訳を持っておりませんので、早急に一覧表を提出いたしたいというように考えております。
  122. 山田長司

    ○山田(長)小委員 それでは、ただいまの各府県別の状態というものは、いずれ他の機会に譲りたいと思います。  そこで、この補助金の額は、各府県において森林組合にどんなふうに配付されておるか。
  123. 山崎齊

    ○山崎説明員 この補助金は、各個人が造林いたしました場合に、最小のものでも、大体二反歩程度のもの以上を補助の対象といたしておるわけでありまして、その年に造林された各個人々々の実績をもとといたしまして、それを森林組合が集計して、代理受領という形で受領する場合が、かなり多いという現状になっておるのであります。
  124. 山田長司

    ○山田(長)小委員 会計検査院の、こういう森林組合が杉やヒノキを植えた場合における調査の仕方は、どんなふうに現地でやられているか、会計検査院の担任の方に伺いたい。
  125. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 お答えいたします。検査院でいろいろ補助の関係を見まして、検査報告に補助の関係は特にこまかい数字をたくさんあげてございますが、それでもなお検査院が見ております農林省関係の補助と申しますのは、補助のうちのほんの一部にすぎない状態になっております。それで、農林省関係の補助が全部で目の数にして三百十ありまして、その二百十のうちで検査院検査をしておりますのは八十二日、三九%になっております。それで従来、大体災害復旧とかそのほかの、末端において間違いの多い補助をねらい撃ちして検査をやっている次第でございます。今御質問の造林事業の補助につきましては、まだ検査院としては従来全く手をつけてない部門になっておりまして、補助が末端においてどういうふうに使われているかというようなことは、今後の検討に待ちたいというふうに存じております。
  126. 山田長司

    ○山田(長)小委員 毎年三十億からの補助金が年間に出ているのに、造林事業についての調査が、今お話を伺いますと、ほとんどされておらないような状態である。私は場所を指摘するつもりで申し上げているわけではないのですが、末端の森林組合で配付されている金額の状態について、ふに落ちない点がありましたので、一体どういう事情でこの金額を分けているのか。これは町村合併以前のことでございますが、一つの郡で、少ないところは六十五万、多いところは二百十万、こういうふうな形で、何カ町村かに配付されている状態です。このことも、今伺ってみて了解ができたのですけれども、三十億からの補助金が出ている森林組合について、会計検査院調査せずにいるということであれば、ずいぶん理解できない点です。これはどうして手が回らなかったのか。手の回らなかった理由を一つ伺っておきたいと思います。
  127. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 手が回らなかったと申しますか、現在の陣容でできるだけフルに活動いたしまして、見られる範囲において見ておるのでありますが、さっき申しましたように、補助の科目が非常に多い。その多い科目の中で科目の数にしますと三九%ばかり見ておりますが、その中で金額の多いものをピックアップしてやる。大体においてそういうねらいで見ておるのでございます。科目においては三九%でありますが、その科目の含んでいる金額は全体の補助金の七六%を占めております。  今の山林関係で申しますと、治山事業関係が、三十三年度の数字ですけれども、三十五億八千五百万円という数字になっております。これは検査院としても注意して見ております。その次が、今お話の造林事業ですが、造林事業は、三十三年度決算で申しますと、二十四億四千七百万円ということになっております。その次が林道の補助で、十九億というような数字になっておりまして、林道の方が金額は少いのですが、林道の方が、われわれのいろいろな関係資料によりますと、どうも問題が多いというように判断をしまして、そして林道に重点を置いて、ここ一両年やっておるわけであります。そのうちに造林の方まで手を伸ばしたいという意向は持っております。
  128. 山田長司

    ○山田(長)小委員 これに関連しまして、四月一日の緑の羽根の運動には、小中学生を動員されて、これが赤い羽根と同じように運営がなされております。この配付の状態は、力の入れ方によって町村なり、あるいは学校なりに配付する金額は相違すると思いますが、これは何らか林野庁指導されているものか、いないものか。それから、その金はどう使用する目的で集められているのか。これらを伺いたいと思います。
  129. 山崎齊

    ○山崎説明員 緑の羽根の募金につきましては、国土緑化推進委員会が中心になって、これの運動を進めておるのでありまして、林野庁としてはこれに直接の関連は何もいたしていないのでありますが、最近におけるこれの募金の総額は、大体五千万ないし六千万程度であろうかと記憶いたしております。この集められたものの中から、いわゆる緑の羽根の代金というものに一部がもちろん支払われるわけでありますし、また募金に当りました学校等にも少額のものが、いわゆる奨励金の形で入るということになるのでありますが、大部分のものはいわゆる公園とか、あるいは街路樹とか、あるいはまた学校の校庭等に樹木を植えるという仕事に使われておるというのが実態であると考えております。
  130. 山田長司

    ○山田(長)小委員 聞くところによると、これらの集められた金が造林計画の中にも回っているのではないかと言われている。この点は確かめておるわけでないので、今の長官のお答えで、あるいはほかに使われていないかもしれぬが、この点はあなたの方ではどういうふうに見ておられますか。
  131. 山崎齊

    ○山崎説明員 この緑の羽根の募金が、いわゆる林野庁でやっております計画的な造林補助等を中心にして援助してやっておるわけでありますが、これの一部分として使われるというようなことは絶対ないというふうに考えておる次第であります。
  132. 山田長司

    ○山田(長)小委員 そうあれば問題はないわけなんですが、全国的に広範な範囲でありますから、それがやはり町村のボスによって植林事業に回されているというようなところがあるやに伺っているのであります。緑化推進本部等で、最初の目的と反するようなことで金が集められている個所があるとするならば、これはゆゆしい問題だと思うのでありまして、一つこの点は、やはり緑化推進本部なるものは林野庁が監督する立場であるのではないかという気がするのですが、十分注意をしていただきたいと思うのです。  それから、この造林計画で補助金が出ておるわけでありますから、杉やヒノキの苗代というものが、所により、品種により、いろいろ違うと思いますけれども、今日何万本も何十万本も杉の苗が、あるいはヒノキの苗が植えられているところの実際の状態というものは、これはなかなか調べ切れるものではありませんけれども、会計検査院等で奥山に入って調べるということは並み大ていのことではないのですが、実際に森林組合のボスの言うことを聞き、あるいはそれらの人たちの息のかかっている人と、かかっていない人とでは、かなり補助金に相違があるようです。これは私は実際に知っていて言っているわけなんですけれども、最初林野庁なり政府が補助を出している補助の趣旨と全然違った形で末端に行くと使われているわけなんで、これの調査が足らずにあるとするならば、ほしい人があっても、山をから坊主にしておくというような事態があるわけなんです。こういう点、林野庁監査の衝に当る者でも、さらに会計検査院等においても、こうやって三十億からの補助が出ていながら、補助金をもらって植えたくても、植えることができずにいるというような個所があるわけなんですから、こういう場合に、森林組合報告をさしてはいると思うのですけれども、どういう方途で公平を期するための努力がされているのですか。
  133. 山崎齊

    ○山崎説明員 造林につきましては、補助という制度と融資という制度の両建でいっているわけでありまして、本年の例で申し上げますと、一般の私有林で個人が造林いたします場合に、その面積の最低限を二反歩というふうにきめておるのでありますし、また森林の大所有者というようなものにつきましては補助金制度によらないで、融資の制度を使って植えてもらう。あるいはまた市町村有林等につきましても、年々十町歩以上程度計画的に造林するような町村に対しましては、補助金制度によらないで融資の制度で造林していただく。こういうふうに大きい線を決定しまして進んでいるのであります。  補助をするかしないかという点につきましては、先ほど申し上げました基準があり、それから県の関係者もおり、あるいは地方事務所もありますし、また全国に二千数百名の林業改良指導員というものも配置いたしておりますので、そういう者がそれぞれ伐採された跡地について、当該年度にそれぞれの人が造林する計画があるかどうかというふうな点を調査いたしまして、そういうものを積み上げて、造林の補助金をどの地区にはなんぼ出すというふうな大きい計画を立てるわけであります。そういうものに従いまして、今度は実行されました結果を再調査いたしまして、当初の計画と実行との差があれば、そういうものを修正いたしまして、補助金を現実に出していく、というふうに進めているわけであります。
  134. 山田長司

    ○山田(長)小委員 そうしますと、各町村における毎年の植林計画という形のものに補助がいくということになると、全然植林の計画のないところには毎年々々同じような額の補助金はいかないことになるわけですね。
  135. 山崎齊

    ○山崎説明員 先ほど申し上げましたように、県のそれぞれのルートによりまして調査いたしまして、植林するという計画がなければもちろん補助金を出すという計画もしないということは当然のように考えております。
  136. 山田長司

    ○山田(長)小委員 私は実際に知っているから申し上げるのですが、どうしてもこれらの問題については会計検査院当局でやはり現地調査をしていただく必要があると思います。どういう報告に従うものかわかりませんが、山と林がほとんど目に見えるところにしかない町村に、毎年同じような金額が、百万円にはなっていませんけれども、補助金がいっているところがあるのです。そんなに毎年々々樹木が植えられるはずがないから、やはり何かそこに蓄積しておいて支払いをしてやるというようなことがあるのではないかと思うので、今伺ったわけなんですけれども、これはやはり当局でも一つお調べになっていただきたいと思うし、会計検査院当局一つお調べになっていただきたいと思います。どうも、批難事項の中にないという結論が出ているので、私も非常に不思議に思って、造林計画のことを今伺ってみたわけなんですが、会計検査院調査をしたことがないということではちょっと話にならないわけなんです。どうか日本の緑化運動のためにも、これは御調査を願いたいと思うのです。
  137. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 今の山田先生からのお話、ごもっともでございまして、われわれといたしましても書面検査で計数上の交付金額等はチェックしておりますが、やはりそうした問題は、現場にいて交付を受けた団体が、交付の趣旨に従ってうまくやっているかどうかということは現場に行かなければわかりませんので、今後におきまして、できるだけこうした補助につきましても現場の実際の調査をいたしたいというふうに考えております。
  138. 山崎齊

    ○山崎説明員 先ほど先生からお話のありましたような事態がありますことは、われわれとしてもまことにゆゆしい問題のように考えますので、林野庁にもこの補助金等の適正な運用に関する監査官というようなものも置いてこの適正を期しておりますので、そういうものもすぐに動員いたしまして十分なる調査を行いたいというように考えております。
  139. 山田長司

    ○山田(長)小委員 次に私が伺いたいのは、新農山漁村建設の問題です。いろいろ見るべきものが新農山漁村建設の中にあるには相違ないと思うのですが、いろいろ補助金を出している中に仏作って魂入れずのようなものがあるように印象づけられる一つの問題が、有線放送の問題です。それらのことの批難事項は見受けられないのですけれども、私が最初のねらいは非常におもしろいと思っておったのは、むしろ都市や町に近いところじゃなくて、一応非常に不便な個所にこの設置がなされれば、文化的にも恵まれないところであるから、これを使って非常に有効なことが起り得るのじゃないかと思ったところが、大体われわれの知っている範囲では、あってもなくてもよいような、都市に近いところや町に近いところに設けられておるような感じがするのです。基本的に補助金は、たとえば有線放送の場合などに、どういうところへ出したものか。何か基本的なものがあったら、一つお知らせ願いたいと思います。
  140. 藤波良雄

    ○藤波説明員 振興局は午前中出ておりましたが、農林水産委員会の方に行っておりますので、すぐ連絡いたします。
  141. 山田長司

    ○山田(長)小委員 それじゃ、これでけっこうです。
  142. 鈴木正吾

  143. 淡谷悠藏

    淡谷委員 さっき小川委員が質問されました検査報告の一三六ページ、八五七号、「アメリカ産とうもろこしの購入契約にあたり処置当を得ないもの」、この問題について若干質問申し上げたいと思うのです。  この問題につきまして、農林省はしばしば、トウモロコシは何か特別な事情で災害の評価がだいぶむずかしいというようなことを言っておられましたが、トウモロコシに関して特別な理由というのは、どういうことでございますか。具体的にお伺いいたしたいと思います。
  144. 家治清一

    家治説明員 お答え申し上げます。午前中の私のお答え申し上げ方が悪かったのかと思いますので、お答え申し上げたいと思いますが、トウモロコシの海上運送の場合の危険の判定がむずかしいというので、申し上げ方が悪かったのでございまして、実はトウモロコシについては海上運送中の危険が非常に高いものとされておるようでございます。それで実は、海外の保険会社が再保険を引き受けないというような事態であったのでございまして、それで三十年以来国内の保険会社の間でその保険の料率をきめるためのメイズプール協定が行われたのでございます。その際に、やはり大体において非常に危険率の高いものであるということがわかったわけでございます。その料率をきめる際に、危険率が高いことを前提として保険料率は割合高くきまったのだと思いますけれども、無事戻しという考え方を入れた。その無事戻しという無事というのはどの程度の率であるかということは、予測はなかなか困難であります。こういうことを申し上げたつもりでございます。
  145. 淡谷悠藏

    淡谷委員 この危険率の高いという理由を聞きたいのです。あとの処置はわかりますが、どうしてトウモロコシ危険率が高いのか。
  146. 家治清一

    家治説明員 トウモロコシは水分の吸収性といいますか、吸湿性が非常に大きいので、その輸送中の、ことに長距離の海上輸送になりますと汗蒸れといいますか、そういった事故がほかの穀物に比べまして非常に大きいと聞いております。そういうようなことが理由だと思います。
  147. 淡谷悠藏

    淡谷委員 トウモロコシ以外にメイズプール協定というものをやっておるものがありますか。
  148. 家治清一

    家治説明員 メイズプール協定はもちろんトウモロコシを前提としてだけの協定でございまして、今私承知しておりますのでは、それを使っておるのはトウモロコシだけと思っております。もし間違っておりましたならば、あとで訂正させていただきます。
  149. 淡谷悠藏

    淡谷委員 この協定の当事者はどことどこになっておりますか。
  150. 家治清一

    家治説明員 料率の協定は、日本の海上保険会社間の協定であります。それに基いて料金を納め、海上保険を付するのは保険会社輸入商社の間の契約でございます。
  151. 淡谷悠藏

    淡谷委員 この報告に基きますと、トウモロコシ購入価格の中に海上保険料が含まれておるようであります。そうなりますと、結局保険料を支払っておるのはどこになりますか。価格の中に含まれておるといたしますと、この保険料は結局どこが払っておることになりますか。
  152. 家治清一

    家治説明員 形式的には、その織り込み予定価格の中に、海上保険を付することによってその料率を織り込んでありますが、支払い商社保険会社であります。実質的には、御承知のように現実にこちらが予定価格を作り、それに基いて契約いたします際には、計算算入しておるのでありますから、実質的には政府がその保険料を負担しておると申してよろしいかと思います。
  153. 淡谷悠藏

    淡谷委員 そうなりますと、国会に対する説明書がどうも合わない。この説明書の五七ページを引いてみますと、この二行目に、「当然国庫で商社に対し損害を補填する等何等かの救済措置を講ずる必要がある。」と申しますが、この無事戻しの際は、たとい三%以内の損害があったといたしましても、これに相当するような保険料はすでに国家が払っておる。そうしましたら、払った保険料から半分返されたならば、当然最後の支払者である国家にこの半分が返ってきてもいいように思います。何か農林省では、商社にやるのが当りまえのような説明をつけておりますが、その理由はどういうことになっておりますか。
  154. 家治清一

    家治説明員 今も実質的には保険料は国が負担しておると申し上げたわけでありますが、このリスクを全部政府が持っておるのかと申しますと、そうではございませんで、三%以上の保険事故がありましたら、それに対応して保険金が支払われますが、三%未満事故でありますならば、リスクは商社が持つのでございます。それで、その発生事故が非常に少くて、検査院で御指摘になったように三十一年度は非常に少かったものだから、無事戻しで一%の金が商社に返ったわけでございます。そうしますと、なるほど政府としては、その事実だけ見ますと、あらかじめそういう場合には政府の方へ返せ、こういう契約を結んでおいてしかるべきじゃなかったか。それはもっともでございますが、ただ、その契約、これは御承知のようにお互いの双務契約でございますので、こちらがそういう無事戻しを全部政府で取り上げるのだというように条件を、もしつけるといたしますと、その時点においては、三%以内どれくらいの率が少くて済むかということはまだはっきりしませんので、そういう場合においてはむしろ相手方の方からは一%以上三%未満、その間の事故が起ってくればどうしてくれるのだということになると思うのでございます。それで一%から三%の間の事故が起りますと、これは無事戻しがありましても、より以上の損が商社側の負担になるはずでございますので、これをもし無事戻しをもらった金を政府に全部納めるのならば、それじゃ一%から三%の間のリスクは政府も持ってもらいたい、こういうような話になるかと思いますし、また現実にそんなことを契約しないといたしましても、入札に参加する際においては、その分を含めて当然にある程度リスクを加算した価格の申し出があるということを実は予想したものでございますから、それでプラス、マイナスいろいろ考えますときに、あの当時の時点におきましては、検査院の御指摘のようなやり方は、実はよう踏み切れなかったのでございます。
  155. 淡谷悠藏

    淡谷委員 検査院にちょっと伺いますが、この報告書では、損害発生しなかった場合には、保険会社から保険料の半額を払い戻しをすることが前提になっておるようですが、その三%未満事故発生を条件にして無事戻しをやるということは、検査院がお気づきの上での御指摘であったかどうか。
  156. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 その点はメイズプール協定をよく検討しまして、十分に知って、言っているのでございます。
  157. 淡谷悠藏

    淡谷委員 三%の損害が生じた場合に、半分の保険料を返してもらうことと、従来通りやっておるのと、どっちが国家の利益になりますか。その点の御検討がありましたか。
  158. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 これは午前中の審議のときにもちょっと申し上げましたけれども、メイズプール協定が三十年四月一日の協定でありまして、実績としては三十年度と三十一年度と、この両年度のトウモロコシの購入について適用されたにすぎない。これは新しい事実です。それで、三十年度を検討しますと、三%以上のいわゆるメイズ・プールによるところの保険事故保険会社商社損害を払う事態が一件ありました。三十年度はこれを全部で四件に分けて購入しておりますが、四件のうち一件は保険会社保険金を払っております。それから一件につきましては、今の三%未満事故が一件ありまりして、メイズプール協定によって、保険料の半分によって輸入商社がその損害を自分でカバーしております。それから、あとの二件につきましては全然損害がなかった、そしてこれは無事戻しの一%をそのまま商社がもらって、結果において利益をしているというふうになっております。それから三十一年度は、当該年度ですが、当該年度の実績をそのままつかまえて、契約がまずいじゃないかという批難をするのは、ちょっと酷な感じもするのでありますが、三十一年度の実績を見ますと、三十一年度は十六回に分けて契約しております。その十六回のうち、保険会社が払った事故は一件もない。それから、全部無事戻しを受けておりますが、その無事戻しを受けた中で三%未満損害があったのは一件しかない。あとは全然損害がないというような事態になっております。従って、こうした事実から見て、その保険事故がなくて無事戻しを受けるような事態につきましては、それは国がその戻し金を受けて、そして保険事故に至らない、いわゆる三%未満事故についてはそう回数も多くないから、そのつど国がその損害を計算して、実際にあった損害の額だけを国が輸入商社に払ってやればいいじゃないか、こういうことを検査院は考えたのであります。
  159. 淡谷悠藏

    淡谷委員 三%の損害があった場合は、計算したらわかるでしょうが、大体この保険料との差がどれくらいできるのですか。農林省の方にお聞きでしたいのです。
  160. 家治清一

    家治説明員 実額では計算してみないとちょっとわかりませんが、たとえて申しますと、百万円のものを保険にいたしました場合に、二%の保険料率でございますので、二万円の保険料を支払う。そのときに三%の事故があったとすれば、三%未満でしたら当然に保険会社は払わないわけでございますから、三万円以内の損害であれば保険会社からは一万円の返りがあるだけでございます。それで、もし政府が全部リスクを負うとしますと、一万円もらって三万円損するので、結局二万円の損、こういうことになるわけであります。それで、三%の事故が起るか、それとも三十一年度の実績のように一%に満たないような事故なのか、その辺の判断によって違うように思います。三十一年の実績の上に立って考えますと、検査院のおっしゃる通りでございまして、無事戻しの分は政府でもらって、もしそれ以上損害が出た場合には政府が払うんだ、こういっておいた方がよかったかもしれません。当時はそういうように三%に近いのか一%に近いのか、見当がつきませんのでしたので、それで無事戻しは一応商社側の責任だというふうにしたのでございます。
  161. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは新しくやられた方法でございますから、今後の契約については十分その点を御研究の上で、国損をもたらさないようにやっていただきたいと思います。  もう一つは麻袋の問題ですが、さっき小川委員の質問に答えられまして、麻袋を安く売ったのは、麻袋の価格の上昇を考慮してというか、なるべく上らないためにというふうに考えたらしいのですが、政府売り渡しました麻袋の数の三千百八万五千九百五十六枚というのは、一体市場に出ております麻袋のどれくらいになっておりますか。
  162. 家治清一

    家治説明員 約で申し上げますと、大体六〇%くらいになります。
  163. 淡谷悠藏

    淡谷委員 この麻袋の価格が需要と供給の関係で上下するものであれば、六〇%の分量を持っておるということは確かに上り方を押えるはずのものなんです。それがどうしても押えることができなかったという原因を、どう検討されておりますか。見込み違いの根本的な原因はどこにあったと思いますか。
  164. 中村健次郎

    ○中村説明員 これは、新袋をなるべく使わないで、古袋をできるだけ使いたいということで需給計画を立てまして、ぎりぎり必要な量を新袋で注入していく。こういう操作をやっておりますので、その新袋の注入が、その点に重点を置いた関係で、麻袋の需給が苦しくなった、こういうことでございます。
  165. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それでは午前中の経理部長の答弁と違ってくるわけです。経理部長の方では、これだけを安く売ったのは、高く売ると麻袋の値段が上るから安く売ったというのですが、少くとも価格操作でやれば、価格操作ができるくらい大量に出さなければ価格の上に影響を及ぼさない。あなたの方は、そうではなくて、なるべく需給をととのえるためにやりたいということになれば、答弁が違ってきますがね。よく打ち合せて、御答弁願います。
  166. 中村健次郎

    ○中村説明員 今申しましたのは、麻袋の需給事情が苦しくなったという原因を申し上げたわけでございます。それで、もちろんこういう需給事情を緩和しなければ、幾ら政府が安い値段で売りましても麻袋は値段が上ってくる。従って、かりに市場価格が上っておるからということで政府が高い値段で麻袋を売りますと、需給が逼迫しておりますと、政府買い入れる麻袋の、回収麻袋の値段を上げざるを得ないという状況に追い込まれますので、その後におきましては、新袋を三十一年度に約五百三十五万袋注入いたしておりますし、三十二年度には五十九万袋、三十三年度に約二百三十万袋、本年の注入予定は四百三十万袋、こういう適量の新袋を注入することによって、麻袋の価格に変動がないように需給の調節をはかるということでございます。
  167. 淡谷悠藏

    淡谷委員 そこで、買い入れ価格売り渡し価格との間に、大型のところでA、B、甲、乙と分けて、八十九円に対する六十四円と、二十五円の差ができる。それから七十円に対する四十五円と、二十五円の差ができるというのは、あらかじめ予定された価格ですか。それとも、結果は予定に反して高くなったということになってくるのですか。
  168. 中村健次郎

    ○中村説明員 これは予定された格差でございます。
  169. 淡谷悠藏

    淡谷委員 結局、これくらいの値上りは初めから予想されておったんだということですか。
  170. 家治清一

    家治説明員 政府買い入れ価格売り渡し価格に、お話のように二十五円なりの格差をつけておりますのは、これは政府が買って物を詰めて、そして一ぺん用を済ませて、それからまた買い入れるという循環の過程においてつかまえた価格でございますので、要するに政府の使用する価値といいますか、それが価格差になっておるわけでございます。
  171. 淡谷悠藏

    淡谷委員 そうすると、ここに書いてありますように、修繕なんかしたためにできた手間賃というようなことになりますか。
  172. 中村健次郎

    ○中村説明員 そういったものがみな入ってくるわけであります。
  173. 淡谷悠藏

    淡谷委員 そうすると、この会計検査院指摘は間違っているというふうにあなたの方はごらんになりますか。安く売りつけたのは、あくまでも会計検査院検査が間違っている、あなたの方の主張が正しいんだという結論ですか。
  174. 家治清一

    家治説明員 会計検査院の御指摘が間違いだというふうにきめつけるわけではございません。ただ、もちろんある程度食糧庁でコントロールできますけれども、時間の推移につれて考慮しなければならぬのはそうだと思いますが、ただ当時の情勢としては、売り渡し価格を上げれば、もっと上って、先ほど輸入業務課長からお示ししましたように、需給が逼迫しているときでございますので、また循環して買う方が高くなるということで、結局は売り渡し価格に影響してくるという心配を持っているわけであります。それで私どもとしましては、時価よりも低いところに押えて、需給の緩和と同時に価格を一応安定さしたいということで措置をとったという弁明でありまして、一がいに検査院の御指摘が誤まりだということを申し上げるわけではございません。
  175. 淡谷悠藏

    淡谷委員 麻袋問題は大へん複雑ですし、もう時間も迫っておりますから、これ以上追及いたしませんけれども、とにかく、単なる需給関係だけで麻袋の合理的な価格を作ろうということ自体が非常に軽率だったと思うのです。やはり政府が安く売っても、思うように安くならないというところに麻袋問題の非常なうまさがあったろうと思うのです。その点も十分考慮されて、一つこのあと慎重な扱いをやっていただきたい。  そこで、私、会計検査院の出されました報告の最初の方に戻って二、三御質問申し上げたいのです。検査報告で見ますと、八七ページのまん中ごろに「公共事業に対する国庫補助経理について」という項目の中に「大部分は事業主体が正当な自己負担をしていないものであって、そのうちには国庫補助以下で工事施行しているものさえ見受けられた。」という一項がございます。これは非常に注意を要することである。地方に行ってみますと、ほとんどこれが普通になっておる。農林次官にも、一つお答えを願いたいのですが、いわば災害等の予算等の場合には、とうてい負担にたえられないけれども、やらなければならないのであります。災害を受けた場所の農民たちが、自分たちの手間を出して、それを自己負担に充てておるような場合がしばしば見受けられる現象なんです。  それで、これを見ますと、九一ページの「直轄工事経理がびん乱しているもの」の中にもありますが、「架空の人夫賃等の名義により支払に立てるなどの方法により」というのがあります。これは直轄主事の方は違いましょうけれども、この前の方の、自己負担の十分なやり方をしていないという中には、こういう地元の人夫賃などを出して何とか補てんしている例は見当らなかったでしょうか。これは一つ会計検査院からも、農林次官からも、御説明を願いたいと思います。
  176. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 負担不足事例が非常に多いのですが、特に農林の補助につきましては、事業主体が非常に小さいところがやっておりまして、土地改良区とか、あるいは農業協同組合とか、さらに消費者の団体とか、そういうような小さいところがやっておりまして、そういうところに検査に行きました場合に、どうも記録が十分ない。それで、工事は一応できているが、その工事の経費を使ったという証明がどうしてもできないという場合が非常に多い。そういう場合には、検査に行きましたときに、とっさに乗り込んでいきますと、相手方も小さい団体でありますし、おそれをなして十分なことが言えないという場合が非常に多いのでありまして、そういう場合には、検査の現場では説明ができない部分はそのままにしておきまして、あとからよく思い出してもらう。そうして県の職員等ともよく相談をして、帳簿の不十分な分については、後日、地元の労力を使っておるという証拠を持ってきてもらう。証拠のありますものを、実際に使ったというふうにして、負担をした金額の中に含めてあります。お百姓さんが口が下手なために、負担が足りないというような窮地に陥れられるということのないいように、先方の資料によりまして、できるだけ注意をしてやっておるつもりでございます。
  177. 大野市郎

    大野説明員 ただいまの例でございますが、これは淡谷議員も御存じの通りに、小さな団体に参りますと、部落総出で事故防止をする場合があります。それで、私どもも現地でその実情を見聞するのでありますが、午前中は兄貴が出たが、午後は弟が出たという工合で、確かに労力は提供しているのではあるけれども、記録するのを怠った。あるいはちゃちな記録はあったろうけれども、それを清書するときにその原本がなくなった。きれいな記録はあとで作ったものであろう、というような問題が起きて非常に困った、というような訴えを受けるわけであります。全部そうではなくて、中には確かに不当な例も、指摘通りあると思います。しかし係争になるのを見ると、その部分があるわけであります。しかしながら、いずれにしましても、国費の補助を受けて使用するのでありますから、農林省としましてはこれに対して原始記録を残すようにという指導をいたしております。これはできないことはないので、そういうふうにして、係争の起きないような指導をいたしている次第でございます。
  178. 淡谷悠藏

    淡谷委員 農林次官にも十分御考慮願いたいのは、農林省会計検査院から受ける指摘事項は非常に数が多いのであります。しかも、その金額が非常に小さいということは、私は農林当局だけ責めるのは少し無理じゃないかと思うのです。これは、今のいろいろな災害工事でも、その他の公共事業などでも、非常に零細なものが多いのであります。今の農村には、現実に適当でないやり方がしばしば見受けられる。どうしてもこういう不当事項を出さなければ工事の遂行ができないというような場合に、しばしば私はぶつかるのでありますが、農政上もそういう点を御考慮されるような考えがあるかどうか、一つお聞かせ願いたいと思います。
  179. 大野市郎

    大野説明員 事業の遂行上、会計経理の面は厳格の上にも厳格であるべきものだと思います。従いまして、従来そういうふうな、非常に紙一重の事例を幾多見ますけれども、農政振興の上からいきますなら、経理は正確であるべしという原則は曲げるわけには相ならぬと思います。その意味で、御趣旨とあるいは違うかもしれませんが、団体指導者、主宰者に対しまして、懇切丁寧にそういう御指導をいたす所存でございます。
  180. 淡谷悠藏

    淡谷委員 経理はむろん厳格にやってもらわなければ処置がないのですが、経理を厳重にやると仕事ができず、仕事をやろうと思うと経理がどうしても合わなくなってくる、という矛盾にぶつかることはございませんか。私は、その点は単に事業だけでなくて、貸付の面などでも考慮すべきものが多々あると思います。これは農林次官としてどうお考えになっておりますか。農政上のことで何か感じませんか。
  181. 大野市郎

    大野説明員 これは農林省自体の考えかどうか、そういうことの相談をまだいたしませんが、私が実際上の実務を見聞いたしまして感じますことは、農村は経済基盤が弱い、経理知識が少いということを、私どもがうたい文句で使います。しかし、その経営主体の指導者あるいは主宰者という人は、そうばかりではないはずです。そこで、ただそういううたい文句に、甘やかされて農家が、あるいは農家事業というものが、ある程度しようがないのだという形でいくことは、やはり邪道じゃなかろうか。これはやはり努力をして、そういう経理面の克服をすべきものだというふうにいつも実は思っております。ただ、現実に書式とか取扱いの方式とかいうもので、官庁事務になれない諸君が多いのでありますから、書式の簡素化とか手続の簡素化という研究は大いに続けなければならぬ、こういうふうに分けて考えております。
  182. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは直接この問題とは関係があるようで、ないような問題ですから、深くは申し上げません。  会計検査院にお聞きしたいのは、農業団体で融資を受けたものを、実際受け取るべき末端に渡さないで、中間で停滞している例がたくさん指摘されておりますが、これはどういう団体か。具体的に何かデータができておりますか。
  183. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 ここに「利子補給金交付当を得ないもの」、災害融資金に対する利子補給金、それから有畜農家利子補給金と分けて、この代表例が一二八ページに一、二、三とずっと書いてございます。そうして、主としてこれは農業協同組合が県農連とか、北海道信連、こういうところから借りた金を被害農家に貸し付けていないで、自分の経費に使っているというものが大部分でございます。
  184. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これはやはり一つ団体の中にこういう傾向が著しく現われてくるとしますと、さっき農林次官にお話をしましたけれども、何らか農政上の欠陥と、もう一応虚心坦懐に考えてみて、中間で停滞しないように農政上からのお考えを願いたいということを申し添えておきます。  それから、米着工の工事が二十九年度分十四カ所ありましたのが三十二年九月末には一カ所、三十年度分の三十四カ所が十六カ所かかって、なお残りの十三カ所と十八カ所が着手ができなかったものがあるように報告されております。三十年度が十八ヵ所、二十九年度は十三カ所、これは一体着工する見込みがあるでしょうか、検査院の方から見ますと。
  185. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 ここにあがっておりますのは、二十九年あるいはそれ以前のものが現在どうなっているかという報告でありますが、最近の新しい資料について申しますと、今御審議願っております三十一年の検査報告に上っております不当事項が六百二件ございますが、この中で大体よく是正されておりまして、現在におきましては是正が済まないのが十二件。この十二件も、たとえば手直しをすると申しますものの、その業者が廃業してしまって手直しが実際できない。それで、手直し工事にかえて補助金を返還するように考慮中だというふうなものが大部分でありまして、手直しをしたいという意思は十分にあるようであります。
  186. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それから九一ページの「直轄工事経理がびん乱しているもの」の中に、接待費として三十一万八千円を出しているということがあげられておりますが、この接待費の内容はお調べになりましたか。
  187. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 接待費の内容は、ただいま手持ち資料ではちょっとわかりませんが、三十一万八千円ということになっております。
  188. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは、接待と経理の紊乱との間に因果関係があるようにお認めですか、それとも、これは全然当りまえの接待費とお考えになりますか。
  189. 石渡達夫

    石渡会計検査院説明員 この接待費も関係があると思いますけれども、この全体の二百五十九万円を別途に保有したものです。この全体の経費の使途を見ますと、このうちの大きい部分は、旅費あるいは補償費、それから食糧費、宿舎借り上げ料、こういうような費用に払われておりまして、これは予算があれば、当然予算科目の中から出していたであろうと思われるような経費であります。でありますから、こうした小さい事業所の予算の配分等につきましても、やはり必要な経費は予算から正規に出せるように考えてやる、こうした考慮が必要だろうと思います。  なお、この中の国損、正規の予算からほどうしても出しにくいと思われます経費をピックアップしますと、大体四十一万六千円ばかになっております。これはどうもよろしくないという経費で、そのほかの経費は予算があれば正規の予算科目から出し得た性質のものではないかと思います。
  190. 淡谷悠藏

    淡谷委員 きょうは時間がありませんから、一々詳しいことはお聞きしませんけれども、今のこの項に関するこまかい資料をお出し下されば大へん調査に役立つと思いますから、信濃川左岸農業水利事業所の経理紊乱の詳しい資料をお出し願います。  最後に一項。これは林野庁、防衛庁の関係ですが、自衛隊の衣川という人間が、自分に権限がないのに、司令の権限で伐採させたというふうに見えます。これは林野庁としては権限外でしょうけれども、自衛隊の方で、こういう司令権を侵したようなことに対して、何か行政処分をしたような事実がございますか。
  191. 山崎齊

    ○山崎説明員 自衛隊の側におきましても、それぞれの責任者に懲戒処分はしたしように聞いております。その内容につきましては、われわれの聞きました範囲では、衣川という司令には訓告、田口業務隊長には停職、それから竹田という厚生課長は減給、というふAな処置をとられたように聞いております。
  192. 鈴木正吾

    鈴木委員長 先ほどの山田委員の御質問にお答えすべき人であった振興局の檜垣総務課長が今お見えになっておりますから、あのときの質問をもう一ぺん繰り返していただきたいと思います。
  193. 山田長司

    ○山田(長)小委員 新農山漁村建設の仕事がかなり各地において進められているわけでありまして、いろいろあると思うのですが、その中の一つとして、農村に有線放送というのがあり、相当数各地に設けられているようであります。それで補助に当っては、当然不便なところに設置されることと思われるのが、町や市の近くに設けられておって、実際上ほしいところにないというようなことと、これを有効に使ったならばかなりいろいろ業績を上げられると思うけれども、仏作って魂入れずのような感じで、必ずしも有効に使われていないという感じがしますものですから、これらについて、その後何らかの方途が講ぜられているのか、いないのか、伺いたいと思って質問したのであります。
  194. 檜垣徳太郎

    ○檜垣説明員 御質問にございました通り、新農村建設事業が始まりまして以来、全国に有線放送の施設を助成によりまして設置いたしましたものが、おおむね千四百カ所くらいできておるのであります。御質問の第一点の、元来交通通信の不便なところに設置さるべきものが、かなり町場に近いところにあって、不便なところにないように思われるという御趣旨の御質問と思われましたが、元来のねらいは、仰せの通り、交通通信の不便な地区ごとに置かせたいという期待に基いたものであります。当初三十一年度発足いたしましたときには、やはり抽象的といいますか、交通不便なところに置く場合に認めるのだという農林省の態度は、現在と同様だったのでありますが、当時、例の郵政省の有線放送電話に関する法律でしたかたしか、先々年三十二年の八月に施行せられた法律によりまして、有線放送施設の設置を許可せらるべき基準が法律によって与えられたのであります。それ以後はその基準に従いまして、記憶が明確でございませんけれども、電話局の九等局以下——九等局よりも不便な局、そういうような間隔地域、もしくは七等局以下の局であって、普通電話の加入率——加入率といいますのは、そこの住民数と電話の数との比率——が相当程度低い。数字を忘れましたので、そう申し上げますけれども、そういうような基準ができたわけであります。従いまして、三十二年設置以降のものについては、それほど交通通信の便益のあるところに設置したという例は、基準の範囲内にしぼっておりますから、ないはずと考えております。ただ、所によりましては、近所に町があるというような場合に、それが接続といいますか、一部の有線放送線が乗びているために、若干疑惑を受けるような事態を聞いてはおります。  さらに後段の、不便なところに乗っていないじゃないかというお話でありますが、御承知のように新農村建設事業というものは、中央からの指定事業としてやらせるわけではございませんので、新農村建設事業を実施します地域の協議会におきまして自主的に計画されたものに対して助成をするということでありますから、有線放送に先んじた事業をやりたいという地域については、有線放送以外の事業を行うというような結果になっておる事実はあるわけであります。  それから、有線放送施設の有効利用につきましては、農林省といたしましても、その運営いかんによって実質的な効果が非常に違うという点につきましては、お説と同感に思って参っておるのでありまして、振興局長名をもって下部にも通達をいたしまして、有線放送の有効利用についての指示を与えて参っております。たとえば、有線放送の有効利用ということのためには、一つは有線放送運営委員会というようなものを当該地域に設けて、学校関係でありますとか、役場関係あるいは農業団体関係、婦人代表、青年代表等を加えた人たちによって運営委員会を設け、そこでプログラムの編成等をやらせるというようなこと。あるいは運用の日誌等の記録によって利用状況の反省を行わせる、というような点を指導して参っておるのであります。  また、農林省は、いわゆる農業普及事業とりして入っております普及員、あるいは専門技術員等が、農家に農業に関する技術なり知識の普及をはかる場合には、有線放送の利用によってその効果を上げるようにというような指導も、別の形において指導を加えて参っておるのであります。  何しろ、御指摘のございましたように、一番の問題は、主として農協事業主体になっております関係もありましそ、日々のプログラムの編成というようなことに相当苦労があるわけであります。その点がやはり有線放送利用の一つのむずかしさになっておるかと思われるのであります。その点につきましても、現在完全に働いて寄与していると申しかねますけれども、郵政省の所管の社団法人として全国有線放送協会が発足いたしたのであります。このような団体が有線放送の放送内容、そういうプログラムの編成等についての民間団体としての指導をやるというようなことについても、期待もいたし、また農林省としてもできるだけの、素材等の提供について努力をいたしたいというふうに思っております。また、農業団体につきましても、農協中央会を中心にいたしました有線放送に関する協議会を結成いたしておりまして、その辺でも有線放送の有効利用という点について協力を願っておるわけでございます。また、それらの団体等の活動につきまして、農林省としても協力を惜しまないつもりで参っておるわけであります。  なお今後も、有線放送の有効な利用というのは十分ではないということは御指摘通りでございますので、種々研究の結果、できる限り本来の目的を達成するように利用させたいというふうに考えております。
  195. 山田長司

    ○山田(長)小委員 今の問題は批難事項一つありますけれども、そのことを伺うのではなくて、有線放送の問題についてもう一つ伺いたいのです。かなりこういうことについての地方の農村の人たちの出資がふえておったというようなことから、粗製乱造品も入っておるようです。最近では、そういうものも見受けられなくなってはきておりますけれども、せっかく設備をされたものが、案外簡単にこわれてしまっている事実なんかも各地に見受けられるわけです。こういう場合に、農林省としては将来どういうふうな育成指導がなされるものか。張られておる線などについても、かなりちゃちなものがあるようですから、必ずいろいろ故障が起ってくることは事実です。これは決算批難事項にあることを伺うわけではないのですが、参考にこの際伺っておきます。
  196. 檜垣徳太郎

    ○檜垣説明員 有線放送の保守管理の問題で、せっかく設置した施設がこわれるというような事例があるという御指摘でありますが、若干そういう事例も耳にいたしております。主として、初期に設置をいたしたものに例が多いように聞いておるのであります。有線放送の事業は、それ以前にすでに自主的に行なったものもありましたけれども、当初の間は、確かに器材等に若干不備な点があったことを認めざるを得ないように思われます。現在では、設置に用います器材等は農業団体の系統利用という形で、相当確実な銘柄のものが用いられるようになってきておるという意味で、特にそういう不備な、あるいは不完全な資材のために不測の害を受けるというようなことは、今後はなかろうと思っておるのであります。なお、先ほど申しました全国有線放送協会は、これらの保守管理に関する指導の任にも当るということを看板にいたしておるのであります。私ども、直接に一度補助いたしましたものについて今後どうしてやるかということ、なかなか名案がないわけでありますが、府県のっ電波関係の職員等にそれの巡回的な指導等を仰ぐことによって、できる限り耐用年限も長くし、また部分的な損傷を早く補修させるというようなことによって、農家の負担をできる限り僅少にとどめるように努力したい、そういう方向で指導して参りたいと考えております。
  197. 鈴木正吾

    鈴木委員長 ほかに御質疑はありませんか——。小川君。
  198. 小川豊明

    小川(豊)小委員 さっきの水産庁の問題ですが、次長さん、聞くとまだ次長さんになられて日が浅い、こういうことでしたが、官庁の物品というものは、三十万円以上の購入には競争入札することになっておるとわれわれは承知しておる。さっき申し上げたこの船舶用燃油を、これは一億のものを一東洋石油だけから随意契約で買っていたところに問題がある。私のお聞きしたかったのは、そこでこういうのはやめさせて、ほかの会社を入れたとか、あと同社か指定するものをきめたとか、随意契約でなく、やはり競争入札によって入れるような措置をとったとか、そういうくらいの答弁は私はあるだろうと思っておったが、それを聞けなかったのです。従って、それはどういう措置をとったかということは、あとでもよろしゅうございますから、お聞きすることにして、きょうはもう時間も過ぎましたし、ここで、農林省関係の当決算委員会としての質疑は一応きょうで打ち切って、終了するようにしたい、こう思うわけです。
  199. 鈴木正吾

    鈴木委員長 昭和三十一年度決算中、農林省所管に関する事項に対する質疑はこれをもって終了いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時八分散会