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白木会計検査院説明員 建設省所管の
関係でございますが、まず建設省でやっております河川改修あるいは道路改良、あるいは総合開発
事業といったような直轄工事、それから地方公共団体が
国庫負担金の交付を受けて
実施します
補助工事、この二つの分野を
重点に置いて
検査を
実施いたしておるわけであります。この直轄工事については、
相当現場等についても広範に
検査いたしましたが、特に違法不当として
検査報告に掲げておるものはございません。従いまして、
検査報告に掲げておりますのは、すべて
補助工事の
関係でございます。
補助工事は、御承知の
通り、従来非常に遺憾な点が多かったわけでございますが、最近これを建設省に限らず、全般的に
改善の傾向が顕著でございまして、ここに掲げております
通り、三十一年度の分につきましても、前年度の三十年度と比べて
相当改善の跡が見受けられます。
検査は公共土木施設の災害復旧工事を
中心にしまして、いわゆる事後の
検査と、それから数年来やっております工事完成以前の査定の
検査、この両建で
実施しております。まず事後
検査の分につきましては、この一九四ページの表に掲げております
通り、種目としては、やはり従来
通り、災害に便乗して改良工事を
実施するもの、あるいは工事が非常に粗漏で目的を達していないもの、あるいは設計
通りのでき方になっていないもの、あるいは積算設計が過大であるもの等が出ておりまして、総工事数三十六件、
金額で一千万円というものは
国庫負担金から除外すべきではないか、こういうふうになっております。
なお、二十万円以上のものが地方別に一九五ページ以下に表として掲げてございます。これは前年度に比べていただければわかります
通り、
相当顕著な
改善と言うことができようかと思います。
次に、この災害復旧
事業の査定の
検査の
関係でございます。これは大体その後、二十八年災以後災害が減った
関係もございますが、建設省
当局におかれましてできるだけ実査をおやりになるというようなことで、非常に少くなっております。三十一年災害につきましては、主として一府県の
事業費五億円以上のものを選びまして、北海道外六県について
実施したのでございます。その結果としては、やはり建設省と農林省の二重査定になっておるもの、あるいは便乗と認められるもの、あるいは設計過大というようなものがございまして、私
どもの方から建設省の方へ照会をいたしまして、その結果、
国庫負担金の査定の減額という
措置をとられましたものが四十二工事で五百三十余万円ということになっております。
なお、この査定
検査の際に、二十八年災、二十九年災から三十年災までの分で、未着工その他の
関係のものについて
検査しておりません分を、あわせて査定を
検査したのでありますが、その結果、同様に
当局において減額
是正されましたものが十四工事、
国庫負担金
相当額で五百五十余万円ということになっております。
なお、そのほかに、私
どもとしてはここに不当
事項としては掲げてございませんが、たとえば公営住宅建設
事業というようなものについても、
相当の
検査を
実施したのでございます。その結果は、特定の者に使用させるために
法律の趣旨に反した建設をやっておるもの、あるいは工事材料等に
相当手抜きのあったもの、これが
相当ございまして、これはそれぞれ私
どもの方から直していただいております。
なお、この概説に簡単に記述しておりますが、前年度あるいは前々年度に
指摘しました
補助関係の不当
事項のうち、
当局から
国庫補助の返還または減額をする旨の報告のあったもの、あるいは減額返還にかえて手直しをするという報告を受けておりますものが、果してその
通りになっておるかどうかということを
検査しましたところが、その翌年、三十二年中の
検査ではいずれもまだ一部完成未了、あるいは未着手のものもあったような
状況でございますが、現在ではすべて減額
返納済み、あるいは手直し補強済みという報告を受けております。
簡単でございますが、以上でございます。