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安川参考人 たびたび
おわびを申し上げるようでございますが、
会社がつぶれても
安全性を確保する
構造をとった、これも、私の
気持でありますけれ
ども、むろん、これだけの大きな資本をおろした
会社を、そうわけもなくつぶそうなどということは私は
考えておりません。しかし、
世間では、
最初の
原子炉でやる
発電所である以上は安全第一主義である、少々
経済性は失っても安全を第一にしなければならぬということを唱えられるし、私もこれに対しては同感でありますので、むしろある
程度まで
経済性は失っても、
安全性の方に重点を置く方針で、これまで
安全性について深く考慮を払ったということの表現として私の
気持を申し上げたので、私も、この
会社をつぶそうなどということは、毛頭想像もしておりません。ただ、
会社がつぶれても
民衆に対する
被害は絶対に及ぼさないようなプリンシプルでこの
安全性を
検討したということを申し上げたいためにそういうようなことを申し上げたのは、これも少し
言葉上軽率のそしりを受けても弁明の
余地はないかとは思いまするが、そういう
気持であるということを御了承を願いたいと思います。
それから、ただいま御
質問の
グラファイドの性能についてでありますが、これは
温度だけならば膨張することは昔からわかっておったことであります。強い
放射能に長い門遭遇すると、高い
温度のためにむしろ取締をするという、この現象については、もちろん前から知られておる事実でありますが、ただ、その収縮の
程度がどのくらいかということの
数字上のことが明らかになっておらなかったことは承わっております。それが最近になって、
イギリスのAEAから、こういう
計算が出たという
数字の詳しい実験結果が人手いたしましたので、これだけの
数字がわかった以上は、さらに
耐震構造について
検討を加える必要があるということで、従来の
設計に対して、この与えられたデータを参照して、さらに
耐震構造について
検討を加えていただいたのでありますが、その結果として、従来の原則には大した変更はありませんが、詳細な
設計上の、グラファイイトの組み立ての形であるとか、
グラファイトの格好、たとえば今まで非常な複雑した
構造を必要としていたものを、最近は、六角形の
グラフファイトにすれば、非常に簡単で、膨張、収縮に対応することができるというようなことが、だんだん
検討の結果判明して参りましたので、それらのデータを持ち、また
GECの方でも
相当この
耐震性について研究を遂げておりますので、
日本側と
GEC側と十分
設計について打ち合せをして、もう少し詳細についての
設計に移りたいということで、先月の終りでありましたか、地震、
耐震構造の
専門の方二、三の
権威者に
イギリスに渡っていただきまして、向うの実験も視察をされ、これらの研究の結果も持ち出され研究された結果、非常にいい
耐震構造の成案を得たということで、今日、おそらく二時ごろ羽田に帰朝せられる予定でありまして、今日夕方、新聞記者会見で具体的に発表される予定になっております。おそらく明日の新聞などで御
意見が出るかと思いますので、ちょっとついでに御
報告を申し上げておきます。
それから、さっき、えらいどうも
権威者を抱き込んで、こっちの都合のいいようにしているのではないかというような意味のことを御
質問になったように私は拝聴したのでありますが、もちろん、こういう大事な
仕事でありますので、
耐震構造については地震の
権威者、
構造学の
権威者、できるだけ最高の、
日本におけるこの人はというようないい顧問をお願いして、ぜひ十分な
検討を遂げていただいて
設計に遺憾のないことを期したい、それで、これらの方々に当然お願いしなければならぬということで、何も口どめをするとか、あるいは
会社に都合のいいように顧問をお願いしたというような
気持は、私
どもは全然今までないつもりでありますが、もしそういうようなことでもありましたら、具体的に、こういう人を一体顧問にするということはけしからぬじゃないかということをあげていただけば、また私
ども気づかぬところを十分是正いたしたいと思います。
それから、
地元にいろいろ
パンフレットを出すのはいかぬ、こう言われるのでありますが、実は、
地元の
相当の人から、お前のところの
会社はどうもPR運動が足らぬようだ、だから
地元の人はどうも認識がない、認識がないから、むやみにその
安全性についての不安がある、もう少しお前の方はしろうとにもわかるように、この
安全性についての
知識を与えろという
要求が非常に痛烈にあります。これも無理からぬところで、ただ無
知識でわれわれのやることに信頼しろということは無理な注文でありますのっで、多少おわかりになるように、平易に、もっぱら
安全性について、こういう
装置をしておるから御心配の必要はありませんという意味のことを、最近、実は皆さんの御
注意に従って少しPR運動に向けたような次第で、別に悪い意味で、ごまかそうというような意味で
パンフレットを出した覚えはさらにないと
考えておりますので、これも、またわれわれの
考え違いの点で不都合な点がありましたら、具体的に指摘していただけば十分考慮して是正いたしたいと思います。
それから、先ほどの御
質問にちょっと私はうっかりしてお答えすることを抜かしました。中曽根大臣の新聞で発表されたのと私らの
考えと食い違いがあるというような
お話がありましたが、これも、今、大臣おいでになったので、あとで御発表があるかと思いますが、私は全然そういうことはないと
考えております。さっき御
質問のAGRがいいというようなことを言われたという
お話でありましたが、これはAGRが非常に進歩して、これができれば、従来の
コールダーホールのアドヴァンスド・
タイプよりもさらに優秀な性能を持って、目下ベース・ロード以外には使えないという
原子力発電所が、今度はピーク・ロードにも使うことができるということは、これはAGRでなければならぬということで、
イギリスは将来AGRになるということははっきりいたしております。しかし、
イギリス、でもAGRが実用化するのはまだこれからで、私ははっきりした年数は聞いておりませんが、四、五年かかるのではないか。今私の伺ったところでは、
コールダーホールの隣の、例のやかましいウィンズケールの炉がああいうふうに
故障があった、あれを廃止して、今AGR式の試験炉を置いて、これで十分な研究を遂げて、果してこれが実用化されるということが判明したら、だんだん実用化の方に
技術的に進めていくという順序だということを拝聴しておりますので、なかなかAGRはいいには違いありませんが、これが実用化するのは
相当まだ先のことじゃないか。その間待った方がいいといとことであれば、これはまた問題が別になるのでありますが、
日本の
原子力委員会の
長期計画として、まず、すみやかに
コールダーホールのアドヴァンスド・
タイプを
日本に
導入して、これによって十分な
国民的な
知識、ことに
技術家の養成に資さなければいかぬというような大方針に従ってわれわれはその実行に移っておるのであります。この点については、別に大臣にも御異存はないと私は信じております。
以上、つけ加えておきます。