○
国務大臣(
愛知揆一君) これもまた、この前、時間の
関係もございましたので、非常に抽象的に申し上げたのでございますが、実は今回の今御指摘のこの
問題に関連いたしまして、これは私も、実は私の現在の
立場で、
裁判所判事諸公一同ということで
意見が出ておりますことや、その中に書いてありますことについて、私は何ら言うべきではないと思いますので、これはわざと差し控えさせていただきたいと思いますが、やはり
報酬、
俸給の
問題というものは、ただいまは、たとえば位階勲等であるとか、そのほか名誉なり、あるいはその
職責の
重要性を表示するものはほかに何もございませんから、非常にこの
俸給の
問題というものは重大に扱われるという点については私も同感でございます。それから、
問題を二つに分けまして、今回のこの御
審議を願っておりまする
法律案それ自体については、まあ私
どもとしては、不注意に、ケアレスに
国会に
提出したのではございませんで、ただいまもお聞きの
通り、
法務省といたしましては、
最高裁判所の御
意見があって後に、それまで実は再々
予算関係法律案というので、
閣議でも促進されたのでありますが、相当の時間の余裕を置いて手続が終了いたしましてから出しましたことと、それから
閣議でも、これは一回で
通りませんで、何べんもこれは、いわゆる
判検事の
待遇という
問題、その
重要性ということにかんがみて、相当の議論を尽して、結論として、この
法案を現状においては最善のものとして御
審議をお願いするような手続をとったわけでございますから、この
法案自体についていろいろ陳情書等に書いてありますことは、相当私は誤解もあるように思います。その点は残念に思うのでございますが、これは、
お話をすればわかっていただけるものと思うのでございます。ところが、いま
一つの
問題として、これでいいのかどうかということになりますと、私は、これともうほんとうに並行して、
待遇問題については、
先ほど申しましたような
関係もございますから、どうしてもこれは
考え直さなければいかぬ、相当積極的な案を作るべきだと私
考えておりますが、まだこうやったならばいいというような具体案を持っているわけではございません。
それから、任用資格の
問題でございますが、
判事と
検事の任用資格には、御指摘のように、差のあることはその
通りでございますが、これは、率直に申しますと、実際
問題としては形式的な差異であって、実質的な差異とはなっていないような私は
感じがするのであります。たとえば、
判事補十年以上の在職者は、ほとん
どもうこれは例外なく
判事に任命せられます。換言すれば、
判事補はやがて昇進して
判事に任命されるんだということを言い切ってもいい現状ではないかと思われます。これは
裁判所のことでありますが、わきから拝見いたしておりまして、そういうような
感じがいたします。この点は、
検事が順次昇進してゆくのとどうも実質的に差異がないように思うのであります。しかし、このような
判事任用の現実の姿は、さりとて早急に変更さるべきものでもございませんので、制度的に根本的な変革が加えられない限り、
判事に対する給料について、
検事に対する給料とは特に格差を制度的に設けるということは、
先ほどもちょっと
法律あるいは
憲法の
問題の御
質問のときにも申し上げましたように、特に格差をつけるということはいかがかというのが私の率直な気持でございます。従って、任用の将来の制度をどうするかということは確かに
一つの研究
問題である、これを
俸給の
問題とあわせて、私は将来
問題として
考えるべきではないかという気がいたしますが、今かように直したらどうかという具体案を持っているわけではございません。