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政府委員(竹内
壽平君) ただいま御
指摘のように、本件の被告人の一人であります
鈴木書記長から、二月六日付
質問状の書面が静岡地検の太田検事あてに、書留内容証明郵便をもって郵送されました。その書面が同月七日受け付けられておることは事実でございます。その内容の要点は、今も御
説明がございましたように、二月四日地検の玄関前において発生した、全逓静岡地方本部の旗一流が通行人の一般人によって破損せしめられた
事件につきまして、
鈴木氏が右の一般人を現行犯人として逮捕し、地検の
検察官に引き渡そうとしたところ、同庁の事務官においてこれを拒否し、しかもその拒否は、太田検事の指揮命令によるものであるということであるが、これらの事実関係について回答を求めるという趣旨のものでございました。それで、二月四日の
状況につきまして、検察庁の報告によりますと、大体次のような
状況であったようでございます。
その目は、約二百名の組合員等が、抗議と称して、地検の玄関前に押し寄せて参りましたので、地検の職員がその侵入を阻止しておりましたところ、たまたまその際、一般人による全逓の旗の破損
事件が発生いたしたのでございます。そこで、労組員側は、右の犯人を直ちに静岡中央警察署に引き渡したようでございます。その後に、右
事件の申告を
検察官に申し立てるためであるというふうにして、入庁を要求したのでございます。しかし、当時玄関において役所の警備に当っておりました職員は、そのような申し出に対しまして、それを口実にして大挙して入庁をはかろうとするものであろうという判断をいたしたようでございまして、しばらく待ってくれと言って制止して、その
検察官の指揮を受けたのでございますが、その間約五分であります。その後に、
検察官が
鈴木書記長らを入室させまして、
検察官において、この全逓旗を、提供されました証拠品として、これを領置する。それから、被害調書の作成等成規の手続による調べをいたしたものでございます。全逓旗の破損
事件につきましては、被疑者は深谷勇吉という者でございますが、これは、御
指摘の
通りです。その身柄は、その場で静岡の中央警察署に引き渡されておりますので、当署において取調べの上、一応釈放しているようでございますが、なお、現在その者について捜査中のようでございます。証拠品は検察側に出すのだということでありましたので、証拠品の領置、被害の申告は、検察庁において今申しましたように被害調書を作っておる。この間
鈴木書記長らの現行犯逮捕を妨害するとか、あるいは現行犯人の引き渡しを受けることを拒否するといったような意思や行動がなかったことは、今申し上げましたところによっておわかりいただけると思います。しこうしてこの
状況は、まことにみんなのいる前で行われたことでございますし、明白でありまして、地検では、あらためて回答をする必要はないという判断をいたしておるようでございます。
なお、二月十日に、全逓の静岡地本執行
委員中島二郎さんほか一名の方が、右
質問状に対する回答を要求して検察庁に参られましたので、太田検事が中島さん等に面談をいたしまして、当日の
状況を、私が今申しましたような趣旨の
状況を
説明をいたしまして、
質問状についてのお答えをする必要を認めないから、あらためて回答はしないというふうにお伝えをしてあるそうでございます。右のような
事情でございまして、明々白々の事柄であり、かつ、検察庁としましては、そのような現行犯人について特殊な扱いをしたわけでも何でもないということは、これは明白なことだという立場に立ちまして、あえて
質問状に対する回答はしなかった。また、する意思もないということでございます。