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小山邦太郎君 時間がもうないようでございますから、ごく簡単にお尋ねいたします。私は蚕糸政策について第三分科会において大体を伺いました。これを繰り返すことをやめたいと思います。ただいま
清澤委員が意見をまじえた御質問の中には、なかなか傾聴すべきことが多い。よく翫味して運営上効果をもたらすようにお願いしたい。ここに私も強い希望を申し述べておきます。
そこで、
政府の去年以来のふらふらした態度で公約
変更があったために非常な迷惑を受けたのは、ひとり
養蚕家だけにとどまらず、
製糸業者も受けている。その
一つの証拠には千四百円で繭を買ったものでなければ、十九万の
生糸は買わないということの一札を、強制にひとしい態度で
政府のバックにより活動しておる輸出
生糸保管会社に入れさせておいて、その買入には無制限ということを言いながら、途中で一方的に制限買入は
変更し、それがために破産に近い
損害こうむった
製糸家さえも出たということに実に遺憾であって、これは深く心にとめておいていただかなければならない。それがためにいろいろ
政府においても御心配になったようだけれ
ども、この痛手はなかなか今日までの御心配くらいでは補い得るものでない。さらにまた、ふらふらした結果の
一つは、先ほど
清澤委員のおっしゃる四月に
政府の委託
生糸を納めるというものを八月にした。これは一面において
糸価をあまり高くしてはとの織物業者に対しての考慮でせっかく需要が喚起されてきたものを阻止するおそれがあるからということでございましょうが、約束したことは約束した
通りに行わしめ、別に
臨時措置法による第六条を発動すれば、
政府が
時価で妥当な
数量を放出し、市場の混乱を防ぐこともできるのに、その道は利用せずにしかも、約束の
変更を一方的にする、こういうようなことが大へんな迷惑をかけておりまするので、この点を私は先日
局長が何と思っておるかお尋ねをいたしたが、半分わかったような、わからないような言葉で濁しておる。深く顧みべきである。
次に、今回の
養蚕の縮小生産方針に対しては、ことに
政府の責任でございます。二割強制はしなかったと言うけれ
ども、とにかく縮小生産により
価格維持に努めたことは事実であって今日あちらこちら桑をどんどん抜いておるのに、繭は高くなり、抜いたものはばかを見たというようなことになっておる。これも一年草でない。三年も経ねば生産効果を示さないような桑については植え付けにしても、抜き取りに当っても、
政府としては慎重を期さなければならない現実にして深刻な反省材料です。ことにこの事業が他の産業と違って、外国を相手にし、しかも、需要量な
ども他競争繊維の影響もあってなかなか測定のできにくいことですから、だれがやってもなかなか困難なことで、結果を見てかれこれ言うというわけじゃありませんが、さればこそこの困難な仕事に当るには腹をすえてやらなければならぬということをこの間も申し上げたのでございます。最初二百五十億になんなんとする勇敢な融資をなすったことは、近来の勇断だと思っておったにもかかわらず、その後ふらふらしたことによって、業界に思わざる
損害をかけたことは、将来のために深く顧みられんことを当局に重ねて申し上げて具体的の質問に入ります。
ただいま
清澤委員からの御質問で、
水準価格決定は運営
委員会でやる、運営
委員会の
最後の
決定は理事長だと。
政府はこれを適当に指導するということになっておりますが、運営
委員の組織という中には、どういうものが入っておるか。私の心配は、この事業の円満にして堅実なる運営を求むるためには、
養蚕家だけでできるものではない。
製糸家だけでももとよりできるものではない。種屋だけでもできない。需要者である機屋もその中に加わって、全体の意見が一致したところで初めて円満な運営ができると思う。繭については
養蚕家が大きな重さを持つことは当然であって、
養蚕家がその主張の
中心をなすはよいが、そこには蚕糸各業界の人も入れるのか入れないのか、これをお尋ねします。なぜそう言うかというと、この
法律を通すには、業界にかなり強い反対があったので、今度私はこの
機関成立については、運営をうまくやって、反対も杞憂であったということにしたい。それには一番大切なこの運営
審議会のメンバーがあまりに片寄ってはいけない。私は、ある意味において、ほんとうに
繭糸価格安定法が適正に動くならばよいのであって事業であるから、もうかることもあり損することもある。ただ問題は騰落の幅が狭くなければ、私安定は求められないと思うのに今日のような幅が広い場合には、やっぱりこの
機関も必要かもしれません。問題は、その
水準価格がどういう程度にきまるのか、きめ方によっては十億ぐらいの金はすぐ飛んでしまう。さればといって、あまり低いところにきめ過ぎたのであっても役に立たない。これはなかなかめんどうなことで、結局はやはり業界全体の議を練って定めることが大事であると思うが、その点いかがであるか。