○東隆君 今、政務次官のお答えになったことのような
考え方が、私は実は小さい
考え方だと思うのです。というのは、ガソリン税を目的税にして道路をやるという
考え方、これは実は非常にでっかい
考え方なんです。これはアメリカなんかでもや
つておるし、私は、まだ建設
委員をやっておった時分に、実はガソリン税を目的税にすることを実は主張したんでありますが、そのときにはいれられなかった。そういうこともはっきりしておりますが、しかし、そいつをなぜ言うかというと、やはり情勢ががらっと変
つておるんですね。日本の甘味政策を確立する場合に、
消費税の問題は、私は
消費税をかけることによって、
国内で
生産されるものにやはり重きをつけられるべきことなんです。だから、
消費税は
一つゼロにしたらいいじゃないか、それからもし、この小カン練乳だの何だのの
売渡価格を下げるというような問題も、もし必要があるならば、補給をすればいい、
価格の補給ですね、そして
関税一本でもってやればいいじゃないか、
消費税の方も、今度の改訂の内容を見ましても、実に複雑怪奇、その分け方が。こういう複雑なやり方をして、そして
税金をとる役人をたくさんこしらえてみたり、何もそんなにいいことにならぬと思う。これ
一つ、配付された資料をごらん下さればよく分かると思います。実にこまかい
計算をされて、そしてやられておるのです。これの平均が、先ほど出た形に出てくるのでしよう。しかし、こんなふうに分けなくてもいいわけです。
消費税に関する限りはゼロにしてしまえばいいのですから。そして
関税一本でいくと、こういう形をおとりになればいいので、これはもうまるで
税金とりの役人をふやすためにや
つているようなものじゃないですか、そういうふうにも考えられる。これは今まで
消費税をと
つておったが、人がたくさんいるから、そこでその人が仕事のできるように、やはり同じように部類を分けて
税金をとる、そんなふうにしかこれは見られないようになっておるのですね。私はそういうことをやるよりも、
一つ片っ方の方をゼロにしてしまって、そして一本にしてしまって経理をされる方が、そして甘味政策の確立という
考え方から、
国内で
生産されるところの幼稚な産業ですから、それに国が力を注いでいく、こういう態勢に力を注いでいけば、非常に
考え方が強くなってくると、
消費税をとったのでは、少しもうかるようだから
一つ出せ、こういう形になるのであ
つて、これはあまりいい
考え方でないと思う。
それから、日本てん菜
振興会をこしらえて、それの振り当てに、今度は
納付金法という
法律をこしらえてそうして出させる、しかもその
対象になっておるのは
日本甜菜糖、
日甜がその
対象になっておる。これは四十年の過去の歴史、この間に
会社がつぶれたり何かいろいろな難行苦行を尽してここに到達しているのだけれ
ども、これはてん菜臨時
振興措置法ですか、あれによりやっとこさで息をついた。
北海道に入っておる
工場というのは、これは全部か
つて苦労をして……そうして集約的に
栽培をされるような事態にみんな入り込んだのであ
つて、
一つも力を注いでいないのです。
ビートの耕作について
一つも力を入れていない連中が中に入り込んできているわけです。そして、先のもののやったやつをみんな取り上げているのです。だから、今考えなければならぬことは、
北海道でも
ビートが耕作されていない
地帯、それは道南なんですけれ
ども、それは
工場から非常に遠かったものですから、昔は
栽培を勧めておつたけれ
ども、しかし、
工場が遠いとか、採算がとれないからそういう所を切った、そういう所が今そのまま残
つているのですが、そこへ
工場ができようとしてそして例の余剰農産物の金、あれを出そうとした。そしていよいよ設立というような段階にまでいったところが、
芝浦が北見に入って、そして
北連がまた斜里に
工場を作る、こういうことにして三等分するという話になって、それでは道南の方にはやり得ないから、こういうので
台糖が引つ込んだ、そういうような過程をまざまざと私
どもは見せつけられておるわけです。だから、これから
ビートを
振興させる
地帯は、
東北もそうだけれ
ども、
北海道における道南の
地帯なんかは、これは
東北と同じような形にまでもって進めていかなければならぬ、そこへはもうものすごく金をつぎ込んでやっていかなければ進んでいかない、そういうような所がたくさんまだあるのです。それを
ビートの方から、少しばかり古い
工場が余裕ができるというと、いよいよそれを吸い上げをやる、そういうようなことをやらせるよりも、そういうものにおもに経験を持ったものにもう一度道南の方であるとか、あるいは
東北の方に
伸びていくとか、そういうような機会を与えてやることが、これが進めていくことになるのです。そういうことをやらないで、先ほど言ったように、豆を煮るのに豆のからでもってやるというような、そんなやり方をやって決して私は
ビートは進むとは考えられない。だから、その点ではなはだ
三つの案等も私は意に沿わないことがたくさんある。それで、今の段階で私はなはだ残念だと思うけれ
ども、しかしこの点は、まだ将来もあることなんですから、このままでもって、
東北の方に全然
ビートについて知らないものを入れる
——それは採算がとれるかもしれない、採算がとれるというのは、
政府が
買い上げをすればいいのですから、これはできるかもしれない。しかし、思うように
ビートが入っていくかどうかということになると、これは大へんむずかしい。この点は、
一つ十分に練りかえをしなければならない問題じゃないか、こう思うわけです。この点はほんとうに練りかえをしなければなかなか思うように進まぬのじゃないか。問題は、もうすでに
北海道の中にあるのですから。だれも宗谷の端っこの方に行って
工場を立てるという人はいないのです。また、道南の方のあっちの方に立てようという人はいないのです。ところが、あそこが一番、
北海道の根室といわれておるくらい、非常に気候の悪い、そうして
ビートを当然入れなければならぬ、そういうような所がそのままになって、天北原野の開発問題、道南の方の開発にしてもそうです。そういう開発をしなければならぬ
地帯がみんな残っておるのですから、だから私は
東北の問題と同じように、そういう問題を考えなければならぬ。今、
工場が立っておる所は、これはもうただシロップをこしらえて、そしてそれを粗糖にすればいいという
地帯です。
政府が
買い上げを前提にすればもう喜んでやる所ですから、だからそういう点を
一つ十分に考えていただいて、甘味政策の練りかえを
一つや
つてもらわなければならぬ。そうでないと、ほんとうの
ビート糖業を進めることにならぬと思う。こういう
考え方ですが、こういう点から、私は
関税や
消費税の問題、それから
納付金の問題、それから
振興会の問題、
振興会の問題でも
ビートの方から取り上げて、そうして暖地の方の
ビートの方まで伸ばそうとする、そうだとすると、たった十億くらいの資金でもってや
つていけるはずはないのだ。これはもうものすごく、日本における少くとも水田
地帯を含めた
畑作地帯の大きな改革になってくる。だから、ケイン・シュガーによってまかなわれておったところを今度は
ビート・シュガーによってまかなっていくということですが、ケイン・シュガーの方は、これは野蛮人の、文明改革の
程度の低いところの人がそれをなめておった、やっとこさで日本が
ビート糖をなめるようになったのです。
ビート糖はこのように文化人の生活に入ろうとするときですから、大きな転換期なんだから、私はもっと雄大な甘味政策の確立をしてもらいたい、こういう
考え方を申し上げておるので、これではどっちかというと、非常に小さ過ぎて、そうして農林省の仕事を進めるのに思うようにいかぬ。だから
試験場なんかも、これはもう実に小規模です。そういう
考え方で質問をしておるのですから、はなはだぶしつけなことを言うようですけれ
ども、私はもう一度練りかえをしてもらいたい、こう考えておるのです。今回の場合は、これはいたし方がないでしょうけれ
ども、そういう問題を私は持っております。