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政府委員(増田盛君) お手元に配付してありますテンサイ
生産計画に関して簡単に御
説明申し上げます。
第一表を見ていただきますと、これは
北海道に関しまするテンサイの
生産計画でありまして、第二表に
北海道以外の府県の
生産見込みが書いてあります。まず第一表に関して御
説明を申し上げます。これは
昭和三十三年現在のテンサイ
生産の実績を
基礎にしまして最終目標を立てるとともに、三十四年以降三十八年までの五カ年
計画を作成したものでございます。すなわち
昭和三十三年作付面積で申しますと三万五千五百二十八町歩でございます。これを三十八年に五万九千町歩に増大することにしまして年度
計画を立てたわけでございます。反当収量が三十三年の場合には四千二百斤、これが三十八年に四千三百八十斤ということになります。さらに原料のビートの
生産高がそれぞれ年度割りにしましてここに出してございます。そこで、この最終目標でありますところの作付面積七万八千町歩並びに反当収量四千八百斤に関しまして御
説明を申し上げます。大体、目標達成年次はできるだけ短期間に遂行いたしたいと思って検討しておるわけでございますが、現在
北海道庁との話し合いの結果によりますと、十五年くらいが適当じゃないかということになっておりますが、引き続きまして検討しております。その
理由はあとで申し上げます。そして、この目標年次におきます作付面積七万八千町歩に対応する産糖量はおおむね三十万トンということになります。第二表を簡単に御
説明いたしましてから、さらに第一表に関しまして詳細に御
説明をいたします。
次に第二表をごらん願いますと、これは東北地方並びに関東以西のいわゆる西南暖地におきますテンサイ
生産の見通しでありますが、これは先ほど
食糧庁長官の御
説明にありましたように、不確定の要素が多分にあるわけでございますが、しかし、今後十年間にこの
程度の
生産を見込むことはあながち不可能ではないわけでありまして、むしろ最近の情勢によりますと、この
程度のものが確実に達成されるのではないかというふうに
考えられます。すなわち、東北地方におきましては、青森、岩手を中心にしましてすでに
昭和三十一年より試験研究を行なっておるのでありますが、その結果によりますと、現在
北海道で作付されておりますGW系統、特に導入二号に関しましては、
北海道よりも青森、岩手の地帯におきまして反当収量も高いし台糖率もやや高い、こういう試験研究の結果になっております。従いまして、本年度はこの試験研究の結果に基きまして試作に踏み出すわけでございます。両県合せまして約百町歩の試作に対しまして国で助成をするわけでございますが、当面の目標といたしましては、この両地帯に大体一工場を設置いたしまして、栽培面積が六千町歩、反当収量は四千五百斤、産糖量にしまして二万トン、こういうことでございます。ただし、東北の南部畑作地帯を
考えましていろいろ試作もいたしておるのでございますし、試験研究をやっているのでございますが、まだ播種時期、病害等に対する結果が十分に出て参りませんので、今後研究を続ける必要がありますので、宮城、福島等に関しましては今のところ
計画は未定でございます。
次に、西南暖地につきまして御
説明申し上げます。西南暖地は、現在工場設置の
計画のありますのは大分県に一工場、それから岡山県に一工場、それから熊本県に最近一工場設置の動きがございます。その中で大分に関しましては三十四年度にテスト・プラントを作って実際の企業化に踏み出すというふうになっております。岡山の方は一年延びまして、三十五年度より実施する、企業化に移る。熊本に関してはまだ未定でございます。西南暖地に対するテンサイ
生産の特徴といたしましては、
北海道並びに東北地方が畑地を対象といたしておりますのに対しまして、西南暖地は主として水田裏作であります。御存じの
通り西南暖地に対しましては、
昭和二十七年当時から水稲の早期栽培の新しい技術が導入されまして、これによりまして現在急激に早期栽培の作付面積が拡大いたしておりますことは御存じの
通りでございまして、これに対する研究の問題は、この早期栽培をやったあとの裏作として何を栽培するかということでございます。今までは蔬菜あるいは
飼料作付等に力を入れてやってきたのでありますが、やはり過剰
生産の傾向等のいろいろな問題がございまして、そういう点に関しましていろいろ検討中であったのでありますが、今までの試験研究によりますと、ビートが非常に適当している、こういう試験研究の結果が判明しているわけでございまして、とりあえず西南暖地に対しましては水田のあと作としまして、大よそ二万町歩くらいの作付をこの十年間で
考える。さらに一部畑地帯に対しても作付を
考えておる。この場合に、畑地帯の研究もまだまだでございますけれども、一応同じ畑地帯におきましても、中間地帯を
考えるならば十分に栽培ができる試験成績が出ておるのでありまして、両方合わせまして約作付面積が二万三千町歩、反当収量で四千五百斤、産糖量八万トン、従いまして
北海道が三十万トン、
北海道以外の府県におきまして十万トン、こういう
生産計画になるわけでございます。これは
食糧庁長官から先ほど御
説明があった
通りでございます。
そこで、「過去におけるてん菜
生産実績」というのが前後しております。「参考
資料」というのがございますので、一番下のやつは過去におきますテンサイの
生産実績でありますから、これに対しましては一応
説明を省略いたします。
昭和三十三年におきましては、産糖量見込みが十一万トン、「参考
資料」といたしまして、そこに「(1)てん菜
生産目標作付面積の算出
基礎」というのがございますから、これに対しまして簡単に御
説明申し上げます。
これは
北海道に関するものでございます。
まず、
北海道の畑地の面積に関してでありますが、これが既耕地と開拓地というふうに二つに分れております。
まず、普通畑面積(A)として
説明してありますが、既耕地で六十五万一千三百町歩、これは備考に書いてあります
通り、既耕地の普通畑面積を算出したものでございますが、全体の畑面積は備考に書いてあります
通り、
農林省の
統計調査部の
調査によりますと、三十二年の
調査でございます。七十三万八千三百町歩あるわけであります。それから樹園地、焼畑、切替畑、牧草畑等を控除いたしますと、普通畑が六十五万一千三百町歩になるわけでございます。開拓地の方は、これは
北海道の第二次五カ年
計画の開拓
計画の数字によっております。この普通畑面積から若干テンサイの作付に不適な
土地を控除したわけでありますが、それが三つございます。
「原因別対象外面積」として、そこに書いてありますが、まず
一つは特殊町村に属する畑でありまして、これがおおむね四万四百四十町歩、特殊町村と申しますのは、都市の近郊地帯の果樹、蔬菜の地帯であります函館とか札幌、こういう都市近郊の地帯、それから純漁村、それからあちこちにあります漁村地帯、それから上川盆地のように大面積の水田が集団しているところに自家用の雑穀あるいは蔬菜を作っているような町村がございます。こういう町村を全部拾い上げますと四十九町村ありまして、現在こういう町村に対しましてはビートの導入が行われておりませんし、こういう町村まで積極的にビートの導入をするというように指導するのは不適当でございますので、これを除きました。
次には不良土壌の畑であります。九万九十町歩。これは土壌が不良なためにテンサイの作付に不適当な地帯であります。内訳としまして、備考にあります
通り、泥炭地、それから粗粒性の火山灰地、それから砂丘地、及び傾斜地、傾斜地は傾斜度十一度ということで限界を引いております。傾斜度十一度以上の傾斜地、こういうものを全部集めますと九万町歩になっておりますので、これをとりました。
それからもう
一つ零細経
営農家の畑であります。これは一応経営面積が二町歩以下、田畑を含めまして二町歩未満の農家の経営する畑がちょうど三万四千四百六十町歩あるわけでございます。こういう二町歩未満の農家に対しましては、現在もほとんどビートの作付が行われておりません。非常にわずかでございます。しかも連作その他の点を考慮いたしますと、田畑合わせて二町歩未満という農家は今度のテンサイの指導から除外するのが適当ではないかということでこれも除外面積に加えまして、以上三つの除外面積を合わせますと十六万四千九百九十町歩になるわけでございます。従いましてこの面積を普通畑総面積六十五万一千三百町歩から差し引きますと、テンサイ作付可能面積が四十八万六千三百十町歩になるわけでございます。開拓地に関しましても同様に計算いたしまして、作付可能地といたしまして六万七千六百十町歩ということでございます。合計いたしますと、既耕地、開拓地両方の合計で五十五万三千九百二十町歩、これがテンサイ作付の可能地面積でございます。これに対しましてテンサイの作付率を出しておるわけでございます。この作付率もそこにあります
通り、既耕地に関しましては一四・二%、それから開拓地が一二・五%、合計一四%となっておりますが、この基本的な
考え方は、一応支庁別に
営農類型に基づきまして、しかもさらに経営階層別に耕地の経営規模によりまして、備考にあります
通りいろいろな
段階に分けまして、それによりましてこの作付率を出しております。これと輪作との関係でございますが、輪作の場合を見ましても、五年輪作から長いので九年
程度の輪作を
考えておりますが、ただいま作付率といたしまして、作物の作付別にさらに詳細に検討しまして、輪作面積の以外に自由畑面積、すなわち輪作によらない自給的な作物—蔬菜とか雑穀、こういうものを毎年々々
一定面積作る場合がございますので、そういうものを全部計算しましてテンサイ作付率として出したわけでございます。それによりまして最後に年々のテンサイ作付面積を出したわけであります。これによりますと既耕地六万九千六十町歩、開拓地八千四百五十町歩、合計いたしますと七万七千五百十町歩、先ほど申し上げました最終目標の七万八千町歩という面積に合致するわけでございます。
なお、参考までに下に不良土壌の種類に関しましてそれぞれ面積を出してございます。
以上でこの
計画の
説明を終りますが、最後にこの
計画を達成するための具体的な施策でございますが、これは現在のテンサイの
価格を
維持していくということが何と申し上げましても基本でございますから、そのほかに土壌改良あるいは
土地改良、すなわち暗渠排水、明渠排水等の排水、それから客土、こういうものを中心といたしました
土地改良、それから心土耕、混層耕、深耕、それから酸性土壌の改良、その他不良火山灰地の改良事業、こういうものを総称しまして土壌改良、こういう事業を推進していく。それからビート耕作のさらに機械化を拡充していくという点を
考えてございます。なお、そのほかに
北海道の畑地農業の多年の念願でありました輪作、酪農、機械、こういうものをテンサイ
生産と関連いたしまして、総合的に
農業経営に織り込む、こういう施策は必要だと思うのでございまして、道庁に関しましても、長い間そういう方向で指導してきたのでありますが、今後新しいテンサイ
生産計画を樹立するに当りまして、
北海道庁をして新しい
段階に即応したテンサイ
生産拡大のための
営農指導要綱をはっきり策定しまして、これに対して予算あるいは
資金面の裏づけもあわせ
考えまして、この
生産計画の実行の完全をはかりたい、かように
考えておる次第であります。