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1959-03-10 第31回国会 参議院 農林水産委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年三月十日(火曜日)    午前十一時四分開会   —————————————   委員の異動 三月六日委員仲原善一辞任につき、 その補欠として増原恵吉君を議長にお いて指名した。 三月七日委員増原恵吉辞任につき、 その補欠として仲原善一君を議長にお いて指名した。 本日委員重政庸徳辞任につき、その 補欠として横山フク君を議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     秋山俊一郎君    理事            雨森 常夫君            堀本 宜実君            東   隆君            清澤 俊英君            北 勝太郎君    委員            河野 謙三君            関根 久藏君            仲原 善一君            堀  末治君            横山 フク君            大河原一次君            河合 義一君            小林 孝平君            千田  正君   政府委員    農林政務次官  高橋  衛君    農林省振興局長 増田  盛君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   説明員    行政管理庁行政    監理局管理官  三浦 善郎君    農林大臣官房文    書課長     和田 正明君    農林経済局統計    調査部長    立川 宗保君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○農業共済基金法第三十九条第一項の  特別積立金処分等に関する臨時措  置法案内閣送付予備審査) ○海岸砂地地帯農業振興臨時措置法の  一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○農山漁村電気導入促進法の一部を改  正する法律案内閣提出衆議院送  付) ○畑地農業改良促進法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○北海道寒冷地畑作営農改善資金融通  臨時措置法案内閣提出衆議院送  付) ○農林水産政策に関する調査の件  (農林省職員の定員に関する件)   —————————————
  2. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) ただいまから委員会を開会いたします。  農業共済基金法第三十九条第一項の特別積立金処分等に関する臨時措置法案(閣法第一七九号)(内閣提出予備審査)を議題にいたします。  この法律案は、去る三月六日当委員会予備付託となりましたので、ただいまから提案理由説明を聞くことにいたします。
  3. 高橋衛

    政府委員高橋衛君) ただいま議題となりました農業共済基金法第三十九条第一項の特別積立金処分等に関する臨時措置法案提案理由を御説明申し上げます。  農業共済基金は、農業災害補償制度の重要な一環として、この制度の円滑な運営をはかるため、昭和二十七年に設立され、自来会員たる農業共済組合連合会事業不足金融資を行なって参ったのでありますが、農業共済基金資本金三十億円のうち十五億円は政府設立の当初に出資いたしており、残り十五億円は、この基金会員たる連合会が主として農家拠出金を財源として、分割して払い込むことになっておるのであります。今日まで会員はすでに十二億六千三百八十八万円を払い込んで参りまして、その最終回の出資残額二億三千六百十二万円を昭和三十四年三月三十一日までに払い込むことによって出資が終ることとなっておりますが、農業災害補償制度運営の実態にかんがみまして、この際この会員出資のための負担を農家から徴収することなく特別積立金をこれに充当することによって、会員出資を完済することといたしたいのでありまして、この臨時措置に必要である法案提案した次第であります。  すなわち、農業共済基金設立以来特別積立金を積み立てて参りまして、その額が昭和三十三年度において約二億六千七百万円となっており、その処分法律をもって定めることとなっておりますが、ただいま申し上げました趣旨によりまして、今回臨時措置としてこの特別積立金の一部を取りくずし、これを会員の未払い込みとなっている最終回の出資金に充当して処分することができることとするとともに、その処分があったときは、これをもって農業共済基金会員出資払い込みが完済したものとみなすことといたしたのでございます。  以上がこの法律案提案理由でございますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第でございます。
  4. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) この法律案審査は、日をあらためて行うことにいたします。  ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  5. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 速記を始めて。  委員の変更について御報告いたします。  本日重政庸徳君が辞任されまして、横山フク君が選任されました。   —————————————
  6. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 海岸砂地地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法律案畑地農業改良促進法の一部を改正する法律案及び農山漁村電気導入促進法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出衆議院送付)を一括して議題にいたします。  速記をとめて。    〔速記中止
  7. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 速記を始めて。  まず、海岸砂地地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に対して他に御質疑もないようでございますから、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 御異議ないと認めます。それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
  9. 東隆

    東隆君 今提案をされております海岸砂地地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法案に対して、社会党を代表して賛成をいたします。  この法案議員立法として提案をされたのでありますが、過去の成績は決してりっぱなものではないと思うのであります。従って、議員提案法案に対して政府は今後十分に考えることが民主主義の議会においてはこれは当然のことなんでありますが、その点について、国の施策のやり方はきわめて消極的である。この点は非常に是正をしなければならぬと思うわけであります。従って、私は次の問題にも関連をいたしますけれども畑地農業改良促進法の一部を改正する法律案が次に提案をされるようになっておりますけれども、この法案とあわせて将来畑地農業改良促進を強化する、こういうような意味関連した特別法規一つにまとめて、政府畑地農業改良を促進するために強い法律を作り上げていく必要があろう、こう考えるわけであります。従って、今回の延期をするということは、そういう意味を含んでおるのでありまして、従って、関連法規期間を延長して、そうして政府畑地農業改良に対するところの基本的な法案考える、こういうことをこれは要請をしておるのでありますから、その点を一つ十分に政府考えていただきたい、こういうことをつけ加えて、この海岸砂地地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法律案に対して賛成をいたします。
  10. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) ほかに御意見もないようでございますが、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。  海岸砂地地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  12. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。   ━━━━━━━━━━━━━
  13. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 次に、畑地農業改良促進法の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に対して他に御質疑もないようですから、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御意見もないようですから、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。  畑地農業改良促進法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  16. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。   ━━━━━━━━━━━━━
  17. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 次に、農山漁村電気導入促進法の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に対して他に御質疑もないようですから質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようですが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。  農山漁村電気導入促進法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  20. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 全会一致でございます。よって本法律案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。  なお、ただいま可決されました三法案の、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。   ━━━━━━━━━━━━━
  22. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法案内閣提出衆議院送付)を議題にいたします。  この法律案につきましては、去る二月五日の本委員会において提案理由説明を聞いたのでありまして、ただいまから審査を行うことにいたします。  なお、この法律案は、去る三月六日衆議院の本会議において全会一致をもって修正議決され、当院に送付、当委員会に付託されました。ただいまからこの法律案審査を行います。  まず補足説明を求めます。
  23. 増田盛

    政府委員増田盛君) 北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法に関しまして、補足説明いたします。  この法律のねらいは、北海道区域内におきます寒冷がはなはだしい地域、特定の寒冷のはなはだしい地帯と具体的に申し上げますと、畑作地帯でございますが、この地帯に対しまして寒冷地畑作振興地域として指定いたしまして、そこの農業者に対しまして必要な資金を長期かつ低利で貸し付け、それによってその地域における農業者経営の安定をはかるということが目的でございます。御存じの通り北海道畑作地帯におきましては、自然的な条件あるいは経済的な条件等がお互いに作用し合いまして、冷害のつど農業経営が動揺しておるのでございまして、何とかしてこれを安定させたいという声が内外より高かったのであります。政府におきましては、このような事情を考えまして、北海道寒冷地農業につきまして、農林省内に特別な対策室を設置いたしまして、昭和三十二年度におきましては、基本的な畑作営農調査を行なったのであります。この調査の結果によりまして、この寒冷地帯畑作農業の現状を改善して参りますためには、土地条件等生産基盤の整備をはかるということはもちろんでございますが、それと同時に、こういう寒冷地帯の自然的あるいは経済的条件に適合する農業経営確立をはかる、こういうことが痛切に必要と感じられたのであります。以上の見地から北海道畑作営農改善対策要綱を設定いたしまして、昭和三十三年度から実施をするということになったのでございますが、この資金に関しましては、特に農林漁業金融公庫資金を活用するということであります。個々の農業経営対象にしまして、これに公庫融資をして、さらにこれらの農業者に対して営農指導を強化していく、そしてそういうことによりまして農業経営確立をはからんとするものであります。今回はこの措置法律制度として確立し、一そうその推進をはかることといたしたのであります。  次に、その内容に関して簡単に申し上げますが、北海道寒冷地畑作振興地域指定に関しましては、農林大臣一定基準を定めまして、この基準に基きまして北海道知事申請をする、その申請に基いて農林大臣指定する、こういうことになっております。この指定に関しましては、気象条件その他の自然的な条件あるいは経済的な条件を勘案しまして政令によって定めたいと考えております。  次に、この寒冷地畑作振興地域におきますこの制度対象となる農家がどのくらいありますかといいますと、大体四万戸程度農家になるのではないかと思うのでございますが、しかも、四万戸全部が今回の制度によりまして、農林漁業金融公庫よりの融資を受けるのではなくて、その七割程度の者が融資を受けるのではないか、希望するのではないかという観点から、五カ年計画といたしまして、およそ二万八千戸の農家融資対象にいたしております。これに対する全体の公庫融資の額も、大体百二十億程度のものを予定しているのであります。  それから営農改善資金貸し付ける場合の手続に関してでございますが、北海道知事が、寒冷地畑作振興地域区域内の農業者営農改善計画を同知事に提出しまして、その認定を受けた者に対しましては、この営農改善計画に記載されました改善措置を実施するために必要な資金営農改善資金として総合的に貸し付けることになるのでございます。そうしてその貸付金貸付条件等法律に規定してございます。ただいま総合的に貸し付けると申し上げましたが、普通、セット融資と申しておりまして、通常の場合には農林漁業金融公庫貸出は、事業別に貸し出しておるのでございますが、この場合に、今回の法律制度によりましては、ばらばらの貸出ではなしに、まとめて貸す。従いまして、たとえば施設、畜舎、サイロ、あるいは農舎、こういう建物、施設、農機具それから土地改良、あるいは牧野改良もございましょう、こういういろいろの当該農業者営農改善のための必要な資金セット融資として全部まとめて貸し出すというところに非常な特徴がございます。  次に、北海道知事がこの営農改善資金貸し付を受けました農業者に対して手厚い営農上の指導をすることはもちろんでございますが、これに対する必要な規定も設けてございます。また営農改善資金貸付適格人認定期間も定めてございまして、これは昭和三十九年三月三十一日まで五カ年ということになっております。一応五カ年間に目標を置きまして、その間にこの地帯農業経営の安定をはかろうとする趣旨からでございます。  以上が政府提案骨子でございますが、これに対しまして、過般の衆議院におきまして、二つの点におきまして修正があったのであります。一つは、貸付金利率償還期間、また据置期間に関するものであります。すなわち、政府提案によりますと、貸付金利率は「年七分以内」となっておりますのを、「年五分五厘以内」、それから償還期間は二十年以内とあるのでありますが、その償還期間に関しましては同様でありますが、ただし、その償還期間二十年以内という中に含まれております据置期間に関しまして修正がございまして、政府案によりますと「据置期間は五年以内」とありますものを「据置期間は五年とする」というふうに修正があったのであります。  次に、もう一つ修正点は、家畜導入に関する措置についてでございます。これは政府案には入ってなかったのでありますが、特に修正案にはこの点を入れまして「当該営農改善計画に基く家畜導入については、国が所有する家畜貸付、その他の助成措置を講ずるよう努めなければならない。」という趣旨修正があったわけであります。この家畜導入に関しましては、現在の制度は、一つ畜産局が行なっております家畜国有貸付といいます——乳牛と和牛でございますが、この国有貸付制度があります。それからもう一つは、有畜農家創設特別措置法に基く家畜導入でございまして、これに系統資金を利用しまして、農家家畜導入する場合におきまして、政府が必要な利子補給をすることを骨子といたしました法律でございますが、こういう制度があります。その他まだこの家畜導入に関しましてはいろいろな制度があるわけでございますが、こういう当初の政府案といたしましては、家畜導入に関しましては現行制度を活用するという趣旨におきまして、ことさらにこの法律案に入れる必要がないだろうという見解をもちまして入れなかったのでありますが、この点は非常に北海道寒冷地帯におきます営農改善上重要であるから、家畜導入に関する措置をはっきり明文をもって入れる必要があるという御趣旨修正になったわけでございます。  以上をもちまして補足説明にかえさせていただきます。
  24. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) ただいまから質疑を行います。御質疑の向きは御質疑を願います。
  25. 東隆

    東隆君 この政令で定める地域ですね、これはもすでに政府の方でお考えになっておると思うのですが、表現の仕方の何か案はございますか。
  26. 増田盛

    政府委員増田盛君) 政令案としましてはまだまとまった形のものがございませんが、大体考え方を申し上げますと、寒冷という気象条件のため農業経営が著しく制約を受けておるということと、もう一つは、畑作地域であるということを念頭に置きますと、大体四つの要素を考えております。一つは、植物期間でございます。日の最低温度五度以上の日数、これを一つ指標にいたします。第二の指標は農期間積算でございます。すなわち日の平均気温の総和を目安といたします。第三の指標は無霜期間でございます。第四は耕地面積中に占める畑地面積の割合、以上の四つ基準といたしまして地域を定めるのであります。大体現在までの私どもの検討の仕方でございますが、それから判断いたしますと、おおむね昭和三十三年度から実施しております北海道畑作営農改善対策要綱による地域と合致するのではないかというふうに考えております。ただ指定の場合におきまして、この要綱によりますと、どちらかといいますと部落を中心にしたのであります。いろいろ行政上の問題も考えまして、やはりある程度町村区域というものを相当考えなきゃいかぬというふうに考えておりますので、要綱考えました地域よりも多少広がるのではないかというふうに考えております。
  27. 東隆

    東隆君 実は北海道町村区域は非常に広くて、そして緯度相当高い所を含んでおるわけであります。従って、町村区域でもって定められると問題が出てくる所がだいぶあるのじゃないか、こう考えるわけです。それで気象上の調査だのなんだのが行き届いておりませんから、それで大変問題がむずかしくなると思います。そこで、今までおやりになったやり方でもってこぼれるものが相当出てくるのじゃないか、こういう心配をしておるわけであります。しかも、そこから落ちたものの中に、これでもってやっていかなくちゃならぬ地帯、そういう地帯が南の方、そういう方面には相当出てくるので、それの救済の方法考えておいてもらわなければいかぬと思います。緯度が、南の方で五百メートルぐらいの海抜ですね、そういうような地帯なんかも相当ございますから、その点ですね、そういうふうな、平地の場合は何も問題ではないのですけれども、高い所になると相当のものになる、それで無霜地帯、無霜の時期を考えてもこれは全然違います。それから土壌の関係ですね、たとえば泥炭地火山灰地、こういうような所とまた違うわけです、霜のおき方、そういうものも違います。それから付近に川があるとないとでは、これは霜なんというのは非常に違ってくる、そういうややこしい条件が非常にあるので、そういう点を一つこぼさないようにお願いをしたい、こういうことなんです。
  28. 増田盛

    政府委員増田盛君) ただいまの地域指定に関しますいろいろな御意見はまことにごもっともでございまして、私どもも十分考慮いたしたいと思います。たとえば現在すでに出発を見ております要綱等に関しましても、積算温度二千五百度ということで一応押えたのでございますが、これで押えられる地域以外の所でやはり自然的な条件あいるは経済的な条件で同じような所がございます。やはり要綱の場合におきましても、こぼれる所をこぼさないように拾い上げるように努力いたしておりますので、こういう経験等も十分よい教訓にしまして、ただいまお話の点に対しましては私ども十分考慮いたしたいと、かように考えます。
  29. 東隆

    東隆君 対象農家をほぼ四万戸と予定されて、それの七〇%、それで二万七千戸でしたか、そういうような数字を、実際に五カ年でもってこれを融通する、そうしてその総額を約百二十億を予定しておる、こういうお話でありましたが、非常に数字が少くなってきておるので、二万七千というと、北海道畑作農家戸数のざっと二割までいかないと思うのです。その程度数字になってくるのですが、おそらく今の計画を立ててやる、こういうことになりますると、救われる者が今度はだいぶ中あるいはそれ以上の者にいく可能性があるのじゃないか、こういう心配で、実のところをいうと、負債のたな上げをやって、しかる後にこの法律が出れば問題はなかったのですけれども負債のたな上げをやらないでこの法律が先に出ておりますから、北海道の場合におけるこの資金の融通される先、この法律により恩恵を受ける畑作農家というのは、これは実のところをいうと一定振興計画を立てて、そうしてそれが認定を受ける、こういう農家そのものの試験にパスした者ですね、そこへ資金融通されるわけです。これは資金を貸す方から見ればきわめて安定したやり方だかもしれぬけれども、実は救われない者が相当出るのじゃないか、こういう心配をしておるわけです。その点はどういうふうな方法でもってお考えになりますか、それを救う方法ですね。
  30. 増田盛

    政府委員増田盛君) 対象農家の選び方でございますが、私の方では大体現在安定しておると思われる層はもちろん除外いたしまして、安定している農家を下回るということでございますから、中程度ないしは中程度以下、この農家対象にしまして融資対象にするというのがねらいでございます。ただ、今お話のように、相当負債を負っておるような農家の場合におきましては、やはりこの制度関連しまして、いろいろな負債整理をする対策を講ずる必要があると思うのですが、その点に関しましては農林省としましては、自作農創設維持資金の活用をはかるということで、できるだけしっかりした営農改善計画を立てても、その立てた農家に対しまして、相当負債もあるという場合におきましては、本法律によります公庫融資、それからもう一つは、自作農資金による負債整理、これを並行させまして、それによってそういうような農家を救っていきたい、かように考えております。
  31. 東隆

    東隆君 今自作農創設維持資金と、それからこの法律によるところの資金とを並行させてやっていくと、こういうお話であります。そこで、北海道畑作農家水田農家も入れて約六百五十億ぐらいの負債をしょい込んでいる。一戸当り三十万あるいはそれ以上、こういうような状態になってきておるわけです。経営が大きければ大きいほど、その額は大きくなっている、こう言っても差しつかえないと思いますが、そういうような場合に、この二つ法律を並行さしてやると、こういうわけでありますが、自作農創設維持資金の方は、実はこれの額が少いものですから、目的を達しておらない。それから今回の場合は、これは二万七千戸にしぼってあると、こういうような関係で、どちらかというと、これも五カ年でもってしぼると非常に少い数になる。そうすると、自作農創設維持資金と、それからこの資金とを二つ━━自作農創設維持資金の出る者にはこの資金を出す、それからこの資金が出る者には自作農創設資金を出すと、こういうようなことでもやれば、これは相当の効果が上ると思いますけれども、これは非常に今度は数がもう限定されてくるのですが、今、並行さしてやるというのは、どういう意味ですか。ただ、その二つ法律を任意にやると、こういう意味ですか。それとも、今私が言ったように、あわせて両方の法律による資金の融通をかね合せてやると、こういう意味ですか。
  32. 増田盛

    政府委員増田盛君) 必要な農家に対しましては、両方の資金面で貸し出して、それによって全体として営農改善をはかるということであります。
  33. 東隆

    東隆君 振興計画を立てて、そうしてそれを認可をすると、こういうことになりますので、その中に、負債の問題は、当然これは振興計画の中に中身として出てくるわけであります。そこで、その負債整理については、自作農創設維持資金を出す、それから、営農の振興のためにこの資金を融通すると、こういうふうに相待った計画と、こういうことになりますると、これは相当繁雑な計画にはなるけれども、しかし、どちらか一方がくずれると、これはほとんどその計画が根本的に改訂をしなきゃならぬようなことになろうと思う。そこで、今お話しになった点を十分にいれていく必要があるんですが、自作農創設維持資金の方は、これは農地局の方の関係になっております。これは振興局の関係になるんでございますが、それでその間の話し合いその他の関係は、相当何か了解その他お話は進んでおりますか。その点をお伺いいたします。
  34. 増田盛

    政府委員増田盛君) 私が先ほど述べました点に関しましては、農地局と十分話し合っております。で、この問題に関しましては、何と申し上げましても、やはり農家の個々の事情を最もよく知っておられる道庁の指導の仕方が大事でございまして、現在も、道庁につきましては、やはり私が述べましたように、必要なものに関しましては自作農資金と、それから寒冷地の営農改善資金をあわせて融資をして、それを一体のものとして営農改善をはかっていくという方向で指導しております。なお、道庁で現在指導している指導やり方を見ましても、今言いましたような工合にしまして、両方の資金を同時に使って営農改善をはかっていく、こういう農家がはっきりと出てきておるわけでありまして、これは、私どもが昨年、三十三年度に要綱を出します場合におきましても、そういう農家に関しましては、実は事務上の繁雑等を避けるために、一つ計画営農改善計画を立てる場合に、自作農資金を借りる面からと、それから振興資金を借りる面と、二つあるわけでありますが、これが特定の当該農家に関しまして、二つのものが当然一つであっていいという場合には一つでよろしいということを言っております。
  35. 東隆

    東隆君 今お話しになった点は、負債整理に関する特別立法を私どもは希望いたしておったのですが、それは自作農創設維持資金でもってやるのだ、こういうお考えで進められておるようですが、自作農創設維持資金をどの程度、この法律関連をしてお出しになるのですか。これは実のところを申しますと、今度は百億円になっておるわけですね。それで、自作農創設維持資金がたくさん出ることによって、この営農振興資金というものが、結局受け入れられるという態勢ができてくるわけです。というのは、自作農創設資金によって、高利あるいは短期の資金をそれによって肩がわりをするわけですから、従って、そこに初めて営農を拡大するという計画が立ってくるわけです。そこで、問題は、自作農創設維持資金がどれだけ入ってくるかということが、これが営農資金融資していく方面における信用の限度が高まることになるのですから、そういう意味自作農創設維持資金の額、金融の額というものが、これがこの資金を消化する、何といいますか基本になると思います。それで、その点も非常に大切なんで、私はどの程度自作農創設維持資金を出すのだというように言われているけれども、それはそういう表現をされておるだけで、実は非常に心配をしておるわけです。それで当初、まず百億の中でどれくらい予定をされておるか。それから五カ年後に、もちろん、増額その他の問題は将来の問題でありまして、この資金にマッチしてどの程度考えになっておるか、これを一つ、むずかしい問題ですけれども、お答え願えれば大へん幸いだと思います。
  36. 増田盛

    政府委員増田盛君) 自作農資金に関しましては、御指摘の通り、本年、総ワクが百億でございます。前年度は、七十五億が、実際の実施面におきまして八十二億五千万になる見込みでございますが、そのうち、大体、北海道が七億五千万ほど占めておるようでございます。一割弱でございますが、そういうことになっております。  ただいまお尋ねの点の三十四年度及びそれ以降におきます本法律案によります営農改善資金との関係でございますが、実はこの点に関しましては、なかなかこの制度関連して、それに限ってワクを設定するということが非常にむずかしいわけでございまして、と申し上げますのは、実はこの事業は、要綱によりまして出発しておりますけれども、事業の趣旨が浸透しまして、これがどの程度にどのような形で農業者から上ってくるか、なかなか見当がつかないわけでございまして、いろいろ道庁とも相談しておりますけれども、なかなか確定的な数字が出て参らない、かようなことでございます。従いまして、お話にありましたような、百億の中に含まれる北海道に限る維持資金というものが、実は農地局の方に関しましても、まだはっきりしたものがきまってないわけでございまして、何とも申し上げられないわけでございますが、私どもといたしましては、やはり将来の問題といたしまして、この点に関しまして、この法案の実施状況をも十分に考えまして、できるだけこのワクの中で、本営農改善資金とタイアップして、効果を発揮する維持資金に関しましては、できるだけ金額を確保したい、かように考えております。
  37. 東隆

    東隆君 これは冗談話のようですけれども、三十三年度にもし自作農創設維持資金が、百億のワクがとれるならば、北海道に二十五億出しますよと、こういうような冗談話を実はやっておりましたが、そのときに七十五億しか出なかった。三十三年度には、ワクはとれなかったわけです。そこで私は、自作農創設維持資金が、実のところをいうと、負債整理意味で、ほんとうに自作農を維持する資金に使われるとまだいいと思いますけれども、この資金が、たとえば災害なんかが起きますと、そっちの方面に相当流れていく、これは、災害地帯における自作農維持のために必要なんだから、目的は十分達せられるのですけれども、そういうような場合には、別途に出すべきじゃないか、災害関係のものは。そうしてこの自作農創設維持資金そのものは、やはり計画的なものを立ててやっていかなければ、本物でないのじゃないか、こういう考え方を持つわけです。年々日本の国は災害が多いのですから、従って、自作農創設維持資金という万能薬のようなそういう資金の使い方をされたのでは、負債整理、そうして自作農を維持するという点については、これは非常に無計画資金のワクだろう、こう考えざるを得ないわけです。で、政府が特別に農家負債、漁家の負債、そういうようなものに対して別途の考え方をするのなら、これは、話は別ですけれども、しかし、現行の場合における負債整理の唯一の財源が自作農創設維持資金に限られておりますから、それを中央において、大きくなたを加えて、そうしてよその方に回す、こういうことになれば、これを中心にして営農計画も立てよう、それから借金の整理もやろう、こういうような考え方に立っておる者は、非常に不安な考え方で進むよりいたし方がない。だからこれははっきりと、自作農創設維持資金は、平常の場合におけるところの自作農創設維持資金だ、こういう考え方に立ってもらわんければ、年々起きてくる災害の方面に回してやる、こういうようなやり方は私は間違いだろうと思う。だから、もしそういう方面に回すために予備的に持っておるのだと、こう言うならば、それを別途のものとしてこしらえるか、あいるは、そうでなかったら、いっそのこと負債整理のために別な資金として考える、こういうことにして、その間を明瞭にしておく必要があろうと考えるのですが、この点、政務次官、どういうふうにお考えになるか、これは負債整理を中心にして、特別法を実は社会党の方からも提案をいたしておるわけです。それで機会があるならば審議を願おう、こう考えておるわけでありますから、これに対してもお考えがあろうと思いますから、一つそれを伺っておきたいと思います。
  38. 高橋衛

    政府委員高橋衛君) ただいま御審議を願っております北海道関係の資金融通臨時措置法案に基きまして営農改善計画が承認になりました場合におきまして、その営農改善計画の内容として、当然、ただいま御指摘になりましたような、どの程度負債があり、その負債整理をどうしても必然的に必要とするというような事柄がはっきりして参ると思うのでありますが、そういう場合に、その負債整理と申しますか、そういうような関係で自作農創設維持資金がこれにまず振り充てられるべきであるというお考えについては、私も全く同感でございます。従って、そういうふうな具体的な内容が漸次はっきりして参るにつれまして、その方面により多く自作農創設維持資金が振り向けられるのは、これは当然であろうかと、かように考えておる次第でございます。なお、ただいま自作農創設維持資金のうちで、炭害等の場合におけるところの金融に使われることはどうもおもしろくない、そういうものは別途に考えるべきだというような御意見がございましたが、実は財政投融資全般として、大体、原資がある程度きまっておるわけでございます。従って、やはり各項目のうちにおいて、そういうふうな、つまり災害等の起りましたような場合におけるところの措置もとられるように、それぞれにおいて予定しなければいかぬという状況にあるわけでございます。御承知のように、財政の面については、別途に国の予算に予備費を置き、または予算の補正等の措置をとりましてこれが措置ができるのでありますが、金融面においては、原資がその際に新しく得られるかどうかということについて、必ずしも確実な見通しがないという状況でございますので、やはり当初、財政投融資計画を立てます際において、それぞれの部門において、ある程度そういうような場合を予想して準備することが、これがやはり全体の行政運営の円滑を期する上において、あるべき姿じゃないか、かように考えておる次第であります。
  39. 東隆

    東隆君 私は、自作農創設維持資金は、畑作だけではなくて水田農家ももちろん含んで、これは広範なものなんです。そうして北海道の実情からいっても、水田農実の方が実は資力も大きい、経営も大きい、こういうような関係でしょい込んでおる負債も、あるいは畑作営農よりも多額になっているかもしれない、そういうようなことになって、そうして実情をいうと、この寒冷地畑作営農改善でもって対象になる以外に、負債整理をやらなければならぬものがたくさんあるわけです。そこで、畑作振興に対するものばかりを自作農創設維持資金から持ってきてもこれは相当の額になると思うのですが、そうすると、今度は水田地帯が全然自作農創設維持資金のワクがない、こういうような問題も起きて参りますし、それから災害が起きた場合には、これは北海道では相当来たわけです。三十一年の冷害のときには、自作農創設維持資金がだいぶ入っております。そこで、そういうようなことによって入ってきたものは、これは北海道に入ってきておるのですから、北海道ではこれは解決がつくと思うけれども、しかし、この自作農創設維持資金を当て込んでやっておった他の府県は非常に迷惑している。そこで、そういう意味でこの災害の方に向けるものはやはりこれは別途に考えて、そして自作農創設維持資金そのものの金額というまのは、これはやはり恒常的なものとして考えていかなければ、常にそのワクが減っていって、移動して、そして災害を受けた所はこれはいいかもしれませんけれども、受けない所はこれは今度それだけ減るのですから、非常に不合理のものになる。それでこれは分けてやらなければ、ほんとうの意味における負債整理資金として自作農創設維持資金を当て込むことができなくなってくるわけです。その点を一つ考えていただきたいということです。それからこれにはもう前提として先ほども申し上げたように、やはり自作農創設維持資金によるところの負債の肩がわりその他によって、初めて営農振興に必要なところの資金を借り得るところの余力ができるのですから、その余力のないような、そういうような農家にはこれはなかなか貸せないような形になっていると思う、実際のことをいえば。余力をこしらえてそして入れてくる、そして入れることによって経営を拡大して、そうして負債の償還に振り向けていく、これが負債の償還計画とそれから振興計画との中身になっておらなければならぬ。片っ方は負債の償還に対するところの計画のための資金になるのだし、片っ方においては営農を振興して収入を上げ計画になるのですから、そういう面で二つ並行してやらなければならぬというのはよくわかるのですけれども、それを計画的に出してもらう考え方をやってもらわなければ、せっかく非常にむずかしい計画を立てても、それではだめだ、こういうようなことになるおそれがあると思うのです。それから私の言うのは、負債償還に対するところの資金源ですね、これを恒常的なものにしてもらいたいということです。そのためには、もし現行の自作農創設維持資金をお使いになる。こういうのでしたら、その中から災害関係のものはこれを除いておいてもらう、別々に考えてもらわなければ、はなはだ不合理なものができてくるじゃないか。北海道に関する限りは完全に不合理なものになっているわけです。北海道に七億なんぼ行っておるといいますけれども、しかし、これはやはり伊豆だのなんだのの災害がなければもう少し来たのではないかと思う。そういう点で、この点ははっきりしておかないと、振興局とそれから農地局の間に話し合いが進んでおると、こう言っていましても、同じ財源のものを災害の方へ回してしまえば減ってくるのですから、なんぼ言ってみたってこれはお話にならぬと思う。災害の場合については別途にワクを考える。それから天災融資の関係もあるけれども、あれよりも、一番これがいい資金ですけれども自作農創設維持資金は、長期で金利も安いし、一番いい資金なのですから、これを十分に一つ考えてもらいたい。これは一つ分離をするのだという考え方に立ってもらいたい、こう思うわけです。
  40. 高橋衛

    政府委員高橋衛君) 先ほど御答弁申し上げましたように、ただいまの御意見はまことにごもっともでございます。何とかしてそういうふうな災害等によって既定計画がくずされることのないように処置していくことが望ましいということについては、全く東委員と同感でございます。ただ、先ほども申しましたように、財政投融資の原資というものが大体きまっておりますので、年度の経過によって、ある場合には増減することがございます。また財政投融資においては、御承知のように、民間資金との一体的運用ということを繰り返し御説明申し上げておるのでございますが、要するに民間におけるところの資本市場において、たとえば公社債その他のものがどの程度消化されるかという問題によっても、おのずから資金の幅にある程度の変動を生ずることになって参っておるのでございます。そんな関係で、なかなかその辺、災害によるものを完全に別途にしておくというやり方には、ただいまのところ、なっておりませんし、また、そういうふうな方向に行くことがなかなか困難な事情がある次第であります。この財政投融資全般としては、民間の資金との一体的運用ということを申し上げておりますけれども、農林漁業関係の財政投融資については、どうも民間資金の運用ということはとうていこの方面ではなかなか考え得られません。そんな関係上、なおさら資金面が相当窮屈な状況に相なっております。従って私どもとしては、何とかしてその幅が少しでも増していきたいというふうな考え方から、たとえば自作農創設維持資金につきましては、前年度七十五億円のものを百億円に増しまして、そうてし何とか、ただいま御質疑のありましたような仕事が、そういうふうな災害等があった場合においても、支障なく計画通り遂行できるように、今後配慮をもって総額の増額をいたして参っているような次第でございます。今後におきましても、そういうふうな場合を想定いたしまして、できるだけ総額の増額に努めて参りたいと、かように考えておる次第でございます。
  41. 東隆

    東隆君 これで私終りますが、自作農創設維持資金に付帯する計画は、これは改良普及員がおやりになっている。それから今回の場合も改良普及員が相当タッチされる、こう思いますが、これはどういうふうになりますか。
  42. 増田盛

    政府委員増田盛君) 両方とも農業改良普及員が指導いたすことになっております。
  43. 東隆

    東隆君 そうすると、少くとも同じ村内における、末端における計画というものは、一つのものができる、こういう考え方に立ちますので、私は両方を取り入れて計画を立てる、こういうことに考えられると思うのです。そこで、おそらく問題は自作農創設資金のワクですね、貸付するワクは、これは動物のあるときは二十三万円でしたかね。それから一戸二十万円だと思うのです。ところが、これの額が実のところをいうと希望者が非常に多くて、そして一戸当りに対するものが非常に少いわけなのです。こういうようなのが実情ではないかと思うのです。そこで、この額を規定の通りの額に持っていくと、農家の戸数が非常に減じてくる、こういう問題が起きてきますが、根本的に振興計画を立ててそしてやるという意味において、私は相当の金額を北海道はこの計画を進めるにつれて必要とすると思いますが、そういう面についてのいろいろの調査なり、そういうようなものが当然行われなければ九らないと思うのです。従って、それに対しての資金の獲得、そういうような面について一つ特段の御配慮を願いたい、こう思うのです。でなければ、せっかくでき上った法律がただ繁雑な計画を作っただけで、そしてその何割しか資金が生かされない、こういうような形になって、なま殺しのような状態になったのでは、私はほんとうの意味がない、こういうふうに思いますので、この点を一つ十分に御配慮願いたい、こういうふうに思う次第であります。私はこれで終ります。
  44. 仲原善一

    仲原善一君 政務次官にお伺いいたしたいのですが、この法律の適用範囲は、明らかにこれは北海道ということになっておりまして、その限りにおいて、大いに北海道の開発のために賛成するわけでございますが、先ほど指定地域の標準をお考えになった場合に、積算の温度とか、あるいは平均の温度とか、あるいは霜のない期間だとか、いろいろそういう気象的な条件をもとにして指定されるようでありますけれども北海道以外に、たとえば東北、青森であるとか、あるいは高冷地であれば長野であるとか、同じような条件の所が日本にはまだたくさんあろうかと思うのです。そういうものは、今の問題は別として、将来何らかの方策を同様な意味で、政治の均衡というような意味でお考えになる意思があるのかどうか、これは全く北海道だけに永久に限られるのか、その辺のお考えをお伺いいたしたいと思います。と申しますのは、積寒法の場合でも、大体東北なり北陸が中心になってやられたけれども、その条件がいろいろ似通った地域がたくさんありまして、九州の方までも指定になったというような慣例もありますので、そういう意味で将来これを拡充して日本全国の同様な地域に推し進められるべきであろうと思いますけれども、その辺の御意見を承わりたいと思います。
  45. 高橋衛

    政府委員高橋衛君) この法律は、法文にもあります通り北海道に限った法案でございますが、ただいまの御質疑は、こういうふうな趣旨の施策を北海道以外の寒冷地にも何か考える構想はないかという御質疑でございますが、御承知のように、地域法といたしましては、ただいま御指摘のように積寒法について相当広い地域がその対象になっております。また、これは給与面でございますけれども寒冷地手当というものが相当広い地域に適用になっているというような慣例からいたしますれば、やはりこういうふうな種類の措置が、北海道の特殊な地域だけでなしに、他の地域にも将来考えられてしかるべきではないかという御意見はまことにもっともだと私ども考えるのでございます。ただ、この法律の意図しておりますところは、もっぱら畑作地帯で、しかも、特定の条件を備えた地域というようなふうに指定されておりますので、従って、そういうふうな、それに次ぐ所の寒冷地、特殊な条件のもとにある寒冷地というものについて、どういうふうな施策が、どんなふうに表われるかということについては、なかなかこれは将来検討を要する点が多々あろうかと思います。そういうふうな面から将来ぜひ研究して参りたいと考える次第でございます。
  46. 仲原善一

    仲原善一君 関連した問題でございますが、九州の方であれば、九州開発が最近行われますし、四国ではまた何かそういうものができそうに何か運動があるようであります。ところが、この裏日本の山陰の方は、これはまあ日本海方面━━鳥取、島根それから兵庫の日本海方面、福井等も含まれるのでございますが、そういう所の後進地域と申しますか、未開発地域と申しますか、そういう方面についての施策が現在のところないわけでございますが、北海道開発法のただいまの畑作改良のこの法律の第一条を見ましても、寒冷がはなはだしい特定の地域ということになっておりまして、寒冷というのは、とにかく気象条件でありますが、ただいま申し上げました山陰なり、あるいは裏日本の方の気象条件も、日照の面であるとか、それから湿度の面であるとか、非常に特殊な事情がたくさんありまして、未開発になっている点が多々あると思います。こういう地域について、これもやはり政治の均衡と申しますか、そういう意味で将来ですね、ただいまとは申しませんけれども、農林当局におかれまして、特殊なそういう気象条件が開発を阻害する要因になっているような場合は、何か全国的なそういう意味地域に、地域地域に特殊立法ができておる現在、裏日本の未開発地域の開発というような意味で御構想を将来お願いする場合には、お考えができるかどうか、将来の見通しでありますけれども、御意見を拝聴いたしたいと思います。
  47. 高橋衛

    政府委員高橋衛君) 現在各地域にありますところのいわゆる地域立法がどうであるかという問題については、相当検討を要する点があろうかと存じます。しかしながら、それぞれその地域の特殊性に応じて、その特殊性に応ずるところの国としての措置を講ずるという意味において、それぞれその意味があるのであると考えている次第でございます。ただいま御指摘の山陰なり、北陸なりという地帯が日照時間も割合に少い、雨量が非常に多い、湿度が高い、特に本年度のような非常に豪雪のときにおきましては、山林等の被害も非常に大きい、また山林以外におきましても、相当被害があるというふうな面から、何かやはりその地帯地域的な法律を必要とするのではないかという御意見のようでございますが、そういう面については、まだ政府として具体的に何か検討しておるわけではございませんが、そういうふうな点についても今後十分に研究すべきものであろうかというふうに考えている次第でございます。
  48. 雨森常夫

    ○雨森常夫君 ただいまの仲原委員の第一の質問に関連するのですが、たとえば青森、岩手、特に岩手なんかは畑作が多いと思いますが、かような所であって北海道のこの四つ条件に当てはまる所がもし相当あるとすると、その計画を立てていくと、たとえば五カ年計画で三百億もあるいは五百億も要るのだというようなことになると大へんじゃなかろうかと思う。そういう点で農林省はこの振興計画を立てられるこの法案を出されるのに付随してどの地域にどれくらいのことがあるか、北海道のこの救済されると同じような工合にやはり均霑していかなければならぬのでありますから、どれくらいのものがあるだろうかということを御研究になったことがございますか。
  49. 高橋衛

    政府委員高橋衛君) 先ほど来御説明申し上げておるところの、指定される地域についての大体の考え方に従いまして見ますると、ただいま御指摘の青森県または岩手県の北部というような所におきましても、この予算に当てはまる地域は非常に少いというようになっておる次第でございます。
  50. 千田正

    ○千田正君 今御答弁ありましたが、どの程度考えておられるのか、大体同じような条件相当そろっていると思うのですが、寒冷地帯といいましても、東北の岩手、青森あるいはその他の地域もあるのですが、そういう方面については農林省としては考えておるか、やはり同じような振興臨時措置法でも作るということを考えておりますか。
  51. 増田盛

    政府委員増田盛君) 地域の点でいろいろお尋ねが出ているのでございますが、先ほど政務次官から御答弁のありましたように、私が当初に述べました四つ条件政令を定める場合におきましては、あるいは全部四つの要件を満足させる地帯としましては、やはり北海道の中央部並びに東の地帯考えておるわけでありまして、直接内地には該当しないように策定しております。ただ御指摘のように、寒冷地という場合におきましては、やはり内地の特定地域に関しましてもいろいろ問題がありますことは私どもも十分承知いたしておるのであります。ただ今回の法案に関しましては、特に畑地帯であり、寒冷が特にはなはだしく、しかも、農業上の条件が内地とは著しく違って、寒冷が非常にはなはだしいという条件もありますけれども、たとえば経営規模が相当大きくて、相当多数の農業者が畜産特に酪農を中心としなければ生活ができない、経営規模が大きいために農業上の装備も相当高度のものを導入しなければならぬ、それから地方を考えましても、寒冷的な気象と相待って、地方がきわめて減退しておる、こういう特殊の地帯をまず対象にしまして、それによりまして今回の法案を提出したわけであります。ただいまお尋ねの東北地帯におきましても、私どもは特に畑作地帯に対しましては、早急に農林省としてもいろいろ施策を考えなければいかぬと思うのであります。非常に類似した気象条件にあります表東北の北部地帯、これの畑作地帯などはぜひ何らかの方法によりましてここに施策を立てなければいかぬと考えております。しかし、この場合におきましても、北海道と同じような方法あるいは同じような様式の対策でいいのか、そこにやはり表東北北部におきましては、それ相応の地帯の特殊性から来ますところの特殊性があるのじゃないか、かように考えておるわけでございまして、一応今回はそういう点を区別いたしまして、北海道地帯に限ったわけでございます。そこで、表東北の北部に関しましては、三十四年度におきまして、二年前に北海道でやりましたことと全く同じ構想におきまして、畑作地帯営農実態調査を実施いたすことにいたしまして、所要経費を要求いたしております。
  52. 千田正

    ○千田正君 御答弁はけっこうなんですが、とかく文化も東北を通り過ぎて北海道に直行するというようなわけで、取り残されているのは文化だけではなく、東北におけるそうした振興政策も取り残されたような感を深くするのでありまして、今申されたことに対しては、施政方針の演説の中に、三浦農林大臣が適地適産事業を実行するというような意味のことを言っております。農林省の白書にしましても、適地適産の政策を行うのだ、こういうことを掲げている以上は、やはり岩手の北部であるとか、青森の東南部であるとか、国営開墾その他、あるいは開拓等によって相当開墾されておりながら、ほとんど大部分が畑作であり、年々寒冷の自然的な被害等によってしょっちゅう国の何かしらの助成なり保護を受けなければやっていけなかったことを繰り返している今日の実態を十分調査されて、やはり振興政策をそこに一つ基本的に考えていかなければならぬのではないか、そういう点からいきまして、北海道のことはもちろん賛成ですが、さらにそれに引き続いてそういう土地が内地にも相当あるということを認識されて、当局において立法方を考えられんことを要望いたします。
  53. 雨森常夫

    ○雨森常夫君 もう一点お伺いしたいのですが、農家一戸当り貸出の最高限度というのをちょっと……。
  54. 増田盛

    政府委員増田盛君) これは営農類型を大体二つに分けまして、主畜農家の場合には百万円が最高限度、それから混同経営の場合におきましては六十万円が最高限度でございます。
  55. 雨森常夫

    ○雨森常夫君 そうすると、たとえば営農振興計画を立てまして、それがあとの場合に、たとえば八十万円の計画でなければどうしてもその計画はできないというような場合には、六十万円まではほかの条件が整っておったところは貸し出してもらえるが、あとの二十万円はほかから負債するということにならざるを得ないのですが、そういうことになりますと、それに関連して第六条の二項の六号に、「営農改善資金以外のものの額及び調達方法」を記入すること、こうなっておるところを見ると、私の今例にあげました差額の二十万円というものは、ここにかかっていくのだ、計画上。ということになろうかと思うのですが、そうなりますと、実際二十万円ほかから資金を借りることが非常にむずかしい者、いわゆる中以下の農家は借りることができなくなるのじゃないか、それをおそれるのですが、その点はどうなりますか。
  56. 増田盛

    政府委員増田盛君) ただいま第六条の第二項六号を引用されましての御質問でございましたが、第六号に規定しております「営農改善資金以外のもの」というのは、これはたとえば家畜導入のための資金、農業改良資金それから自作農創設維持資金などの場合もこれに含まれるわけでございます。で、私先ほど申し上げました資金の限度は、もちろん今回の営農改善資金に関する限度でございますが、たとえば混同経営をやる場合に八十万円というお話でございますが、これは一応六十万円ということにしておりまして、この六十万円が限度というのも、実はこの混同経営の場合におきます一定営農の類型を考えまして、これをたとえば家畜あるいは建物、宿舎それから農機具、土地改良牧野改良一定の類型に基きまして、これはこの類型は実は営農実態調査に基いてできておるわけでありますが、それに基きまして詳細な、これは個人別調査を大体やったのでございますが、その上に積み立てて営農類型を立てまして、その上で実は公庫資金を借りる場合は、最高限度八割でございます。従って、八割で押えまして、その八割に相当する額が六十万円ならば大体よろしい。従って、これをオーバーする金に関しましては、たとえば家畜導入であるとか、あるいは農業改良資金だとか、あるいは自作農創設資金の場合もあるでございましょう、そういう場合には、そちらの方で当然貸し得るわけでございますから、そういういろいろな制度をあわせて目的を達成できるということに考えておるわけでございます。
  57. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) ほかに御質疑ございませんか。  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  58. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 速記を始めて。  ここでしばらく休憩いたしまして、午後は一時四十分から再開いたします。  暫時休憩いたします。    午後零時四十三分休憩    —————・—————    午後二時三分開会
  59. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 委員会を再開いたします。  農林省職員の定員に関する件を議題とし、今国会に内閣から送付され、内閣委員会予備付託となっております行政機関職員定員法の一部を改正する法律案に関し、農林省関係について政府当局の説明を聞くことにいたします。  ただいま出席になっております方々は、農林政務次官高橋衛君、行政管理庁行政監理局管理官三浦善郎君、農林省大臣官房秘書課長中西一郎君、同じく農林経済局統計調査部長立川宗保君、同じく大臣官房文書課長和田正明君、この五名の方々が御出席になっております。  行管の方から御説明願います。
  60. 三浦善郎

    説明員(三浦善郎君) それでは今国会に御審議をお願いしております行政機関職員定員法の一部を改正する法律案についての御説明を申し上げます。  今回の定員法におきましては、三十四年度におきますところの新しい事業予定計画に伴います人員の増、事業の増加に伴う所要の人員の増員を行いますとともに、業務の縮小を伴っております部分につきましては、余剰定員を縮減いたしまして、行政機関職員の定員の適正化をはかろうとするものであります。それで、法律案の内容を御説明申し上げますと、今回の改正によりまして、第二条第一項の表における行政機関の職員の定員の合計数が、現在は六十七万四千百四十四人にいたしておりますわけでありますが、これに対しまして大体五千五百十七名増加いたしまして合計六十七万九千六百六十一人ということにいたしておるわけであります。この増員と減員のおもな内容について申し上げますと、まず、増員の内容といたしましては、科学技術庁におきますところの研究所等の年次計画に伴いますところの設備の拡充を行いますことに伴いまして二百三十七人、国立大学の学年進行、学部の増設等に伴いまして六百二十六人、それから郵便の取扱い業務が増加いたしますため、それに伴いまして二千五十五人、それから電気通信施設を特定郵便局で新たに行うようになりますことに伴いまして千九百十七人、道路関係の事業が建設省、北海道開発庁等におきまして増加をいたしまして、これに伴います増が三百八十人等がおもなものでありますが、これらはいずれも業務の増加に伴いまして必要やむを得ないものというふうに考えられるものであります。  なお、事業計画の縮小に伴って減員となりますおもなものといたしましては、逓信省の特定郵便局の電信電話業務を電電公社に引き渡すことに伴います減が五百八十七人、調達庁が現に行なっておりますところの駐留軍施設等の提供業務の減少によるものが三百二十人、農林省統計調査部の職員を新たに実施されることに予定されております国民年金業務に振りかえる分百人等がおもなものであります。  それでこの法律は四月一日から施行するということに予定しておるわけであります。今回の定員法の改正におきましては、昨年は御承知のように定員外職員の定員化の問題を、とりあえずの措置といたしまして、一部分の定員化を行なったわけでありますが、今回は公務員制度の改正に関連いたしまして、根本的にその解決をはかろうということで事務的に目下検討中であるわけでありますが、定員法の提案の時期までに間に合いませんでしたので、今回の定員法の中には定員外職員の定員化の分は一応計上されておらないということになっております。  以上で大体の説明を終ります。
  61. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 本件について、農林省から御説明を願います。
  62. 和田正明

    説明員(和田正明君) ただいま行管の方から御説明のありましたことで大体尽きますが、農林省関係について補足して申し上げます。  いろいろ省内各部局の間での出入りが相当多数ございますけれども、そういう関係は一応捨てまして、主とした点だけを申し上げます。  農林省全体では現在八万一千三百四十八名の定数になっておりますのを、この法案で八万一千二百五十三名、差引九十五名減になることになっております。その差引計算の内容でございますが、第一に、本省関係では増加分といたしましてすでにこの国会に上程いたしまして、参議院の内閣委員会でも御可決をいただきました農林省設置法の関係で、名古屋に農地事務局を新設いたしますので、そのための定員増五名がございます。この五名程度で事務局ができるということではございませんで、御承知のように、現在京都農地事務局の名古屋農地事業所に四百十名ほどの人がおりまするので、今度増加します五名は局長と部長五名、それから官房長に該当いたします者、そういう幹部だけを増加をいたしまして、現在おります職員をそのまま京都の農地事務局から新設されます名古屋の農地事務局に振りかえるということで、幹部定員五名の増加を考えております。  第二の増加は、これも別にこの国会に内閣の方から提案になっております農林漁業基本問題調査会設置法案の関係で、省内大臣官房にその事務処理を取り扱います事実上の事務局を設置します関係の定員増五名がございます。本省関係は以上申し上げました調査会設置法案関係の五名、名古屋の農地事務局の五名、合計十名の増加でございます。  それから別に、先ほど行管からの話もございました統計調査事務所から国民年金業務への振りかえ減百名と、そのほかに輸出品検査所あるいは生糸検査所等の業務運営の合理化に伴います減二十一名がございますので、減員は本省関係で百二十一名、増員が十名で差引百十一名が本省関係で減少になります。その百十一名が差引減少になりますが、その中から外局であります水産庁の方へ十六名振りかえることにいたしてございます。  その振りかえの内容の第一点は、この国会に提案をいたして参議院の内閣委員会でもすでに御可決をいただきました水産庁設置法の一部改正によりまして、漁港部を新設をいたしますので、部長一名、課長一名、現在課長が一名おりますので、課は二つ作りますが、課長としては一名、そのほかに班長も増加いたします関係で漁港部の新設に伴う五名の増加が、それから北海道さけ・ますふ化場の運営強化に伴います増が十名、それから水産講習所拡充に伴います増加が一名、合計水産庁関係で十六名の増加になりますので、先ほど申しました本省の百十一名の減と水産庁の十六名の増とで、農林省全体としては差引九十五名の減になる、そういう形で法案が出されておるわけであります。
  63. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) ただいまの説明に対しまして御質疑の向きは御質疑を願います。
  64. 小林孝平

    ○小林孝平君 この統計調査部関係の一百名余りの減員の理由一つ
  65. 三浦善郎

    説明員(三浦善郎君) お答えいたします。今回の定員法の改正におきまして、統計調査事務所の定員を百人減ずることといたしておりますが、これは今回国民年金制度が新たに発足することになったわけでありまして、その際、この職員は可及的に政府部内の各部面から振り向けて確保をすべきであるという要請がございまして、また他方、統計調査事務所の内部におきますところの事務の執行について、従来から機動力を強化する、あるいは調査方法を充実するというようなことにつきまして検討中でもございましたので、百人程度の減員については、事務に支障のない範囲であると一応考えられるという意味におきまして、今回百人の減員を実施するということに相なった次第でございます。
  66. 小林孝平

    ○小林孝平君 その国民年金の方に振りかえるという問題は別です。いよいよ余ったということがきまったら振りかえるわけでありまして、それはちょっと別で、百名ともかく要らなくなったという理由一つお尋ねしたいと思います。
  67. 三浦善郎

    説明員(三浦善郎君) 年金制度の実施に伴いまして必要な要員を政府部内の各部面から振り向けるようという要請がございまして、その要請に対しまして、統計調査部におきましては、百名程度の減員を行いましても事務の遂行については支障がないであろうということが判断されるということでございましたので、その意味におきまして百名の減員を行うということにいたした次第であります。
  68. 小林孝平

    ○小林孝平君 国民年金との関係はこれは別ですよ、余ったので。そこで、国民年金のその職員はできるだけ政府部内からやるというので、余ったものがあればその首を切らないでそっちに回す、こういう話で、とにかく百名余ったという、その余った理由をお尋ねしておるのです。
  69. 三浦善郎

    説明員(三浦善郎君) 今回の百人の減員につきましては、あくまで国民年金制度を実施しなければならぬということの……。
  70. 小林孝平

    ○小林孝平君 そういうことはわかっている。あなたがあくまでもそういうことを言われるならば、このほかの方を全部検討したんですか、振りかえることを。その制度のあらゆる機関の全部……。(「資料を持ってこい」と呼ぶ者あり)
  71. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 三浦君に申し上げますが、ただいまの質問は、統計調査部の百人を振り向けるというのは、どういう理由かという——ただ国民年金に持っていくという意味じゃなしに、百人を切っても差しつかえないというのはどういう理由か、こういうことを考えておられると思いますから、その意味でお答えを願います。
  72. 三浦善郎

    説明員(三浦善郎君) その点につきましては、統計調査部におきます調査の実施方法につきまして、機動力を充実するなり、あるいは調査方法に検討を加えるなりというようなことも、他面行われつつあるわけでありまして、そういう意味におきまして、百人の減員を行うということは事務の遂行には支障がないというふうに判断されると考えたわけであります。
  73. 小林孝平

    ○小林孝平君 だからその機動力なり、調査方法を合理化するということは、どういうことをやったんですか。その結果、機動力を拡充したために何人、調査方法を整備したために何人、こういうことがはっきりしなければ、そういう腰だめ式なことを言っていては、百人でいいか二百人でいいかわからぬじゃないですか。委員長、その前にこの責任の答弁は、一体だれがやるんですか。行管がやるんですか。農林省がやるんですか。
  74. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) それは両方からやってもらいます。
  75. 小林孝平

    ○小林孝平君 その判断はだれがしたんですか。さっきから聞いていると、百人は国民年金との関係からいくのだ、行管がそういうふうに判断した、こう言われますから、行管があくまでも責任を持って答弁されるんですか。どうなんですか、これは。
  76. 三浦善郎

    説明員(三浦善郎君) これは行政管理庁におきまして決定したいという意味ではございませんのでありまして、政府部内における各機関の合議、打合せの結果、こういうことでけっこうであるということになって決定しておるということでございます。
  77. 小林孝平

    ○小林孝平君 これならば、これは早く農林省から具体的に御答弁がなければわからぬじゃないですか。
  78. 高橋衛

    政府委員高橋衛君) お答えいたしますが、先ほど来行政管理庁からお答え申し上げました通り、今回統計調査部から百名を減員いたしまして、都道府県におけるところの国民年金制度に従事する職員に振りかえるという措置につきましては、今回の国民年金制度の発足に当りまして、政府全体として、できる限り各方面から、職員をこういうふうな方法によって確保したいという要請がありました。一方、農林省といたしましては、統計調査事務の執行について、漸次機動力を充実して参った次第でございます。また、統計調査事務自体の合理化にも努力をして参った次第でございますが、百名程度であれば、何とか従来の仕事に支障なくこの政府の要請に応ずることができるであろうという判断をもって、今回の百名程度の減員に賛成を申し上げた、それでこの法の改正を御審議願っておる次第であります。なお、詳細の点については、事務当局から御説明申し上げることにいたしたいと思います。
  79. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 具体的な点について、補足をして申し上げたいと存じます。統計の業務につきましては、いろいろと各方面からの問題もございまして、漸次仕事の内容を固めて充実をして参っておるわけでありますが、同時に、この仕事の内容をより合理化をいたしまして、仕事をやりやすくし、能率を上げていくということを考えていくことが非常に大切であると考えまして、将来ともその方向で考えて参りたいと思っておるわけであります。そこで、むろんその本旨といたしましては、仕事の内容を効率化いたしまして、仕事の質をよくするという点にあるわけでありますが、今回問題になりました有名、つまり統計調査部の全国の職員一万二千名に対して、百人の振りかえをするということにつきましては、仕事の量を考えて参りますと、昨年に比べまして昭和三十四年は、いろいろな仕事の内部を合理的に進めることによりまして、昨年より約三百人の業務量の緩和をするということを実行することをきめて進めております。そのほか、三十四年の予算案におきましては、従来特に各職員から非常に要望が強うございましたオートバイ、自転車その他の機動力を充実をするということによって、より能率を上げていくということによりまして、本年十月以降、百人の人が国民年金の組織に振りかわるということによっても、昨年の業務量に対比をいたしますと、その仕事の壁は、従来より重くならないということになりますので、諸般の事情から申しまして、今回の百人の定員の振りかえは、業務に非常な支障がないという程度で業務をやれる、そういう意味において、やむを得ないけれどもこれはやっていけることではないか、こういう判断をしておるわけであります。
  80. 小林孝平

    ○小林孝平君 まず第一点は、業務量の緩和に努力したという点ですが、これは従来の仕事が非常に過重であった、そこで、これをもっと軽減しなければならぬという立場から、この業務量の緩和に努力されたのだろうと思うのです。従来より業務量を緩和した、これは人員整理を前提としてそういうものを考えられたのかどうか、この委員会でも、しばしば当局から説明があったときは、そういう人員整理を前提とした業務量の緩和というような御説明はなかったと思うのです。これは非常に問題であって、こういうことをやるならば、今後すべて事務を合理化するということは人員整理を前提として考えておるということになって、これは単に農林省の統計調査部の問題だけではないと思うのです。これが第一点。  第二点は、同じくオートバイあるいは自転車を拡充した、これでもって機動力の強化なんというのはちょっとおかしいのです。機動力というならば、それでもいいですけれども、これだって、能率が上らないからオートバイをふやしてもらいたい、自転車を買ってもらいたい、こういうことで、この委員会でもしばしば問題になったわけであります。最近は、私は農林委員をやっておりませんからわからないですが、たまたま本日ここに来たら、この議題になっておったわけですが、そうしますと、今までオートバイあるいは自転車を買うということは、これを買えば人間を減らすという前提でこういう努力をされたのか、これは実におかしいと思うのです。もしそういうことならば、オートバイ一台、自転車一台分は一体人間何人整理相当するのか、一つお伺いいたします、自動車は何人。それでなければ、大体百人でいいだろう、二百人でいいだろう、これはもう腰だめであって、こんなことを言ったら、今に自動車一台買ったからこれは百人分減らしたらいいということに私はなりかねないと思う。統計調査部のように、非常に合理的にものを処理しなければならぬところが、こういう考え方でやってもらっては、統計それ自身が安心ならぬということに私はなるのじゃないかと思うのです。従って、もう少し納得のいくように、以上の二点を御説明願いたいと思うのです。私は人間が減ること自身をどうこう言っておるのじゃないのです。こういう調子でやれば、減るときもそうだけれども、ふやすときには、今度は何百人要るのだ、何千人要るのだといって、行政機構が膨張するかもわからない。従って、もう少し減らすにしても、ふやすにしても、納得のいくようにやらなければならぬのじゃないか、こう思うのです。
  81. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 先ほども申し上げたところでありますが、業務の内容を、調査の内容を合理化して、効率を上げていくということは、これはそのこと自体として当然必要であり、ぜひともやらなければならないことでありまして、それは業務を合理化するという、あるいは効率を上げていくということは、その調査の結果の中身をよくするということがねらいである。従ってまた、オートバイあるいは自転車等の機動力の充実ということも、業務の効率を上げまして、そして究極において、統計調査の結果をしっかりしたいいものにしていくということに目的があるわけであります。で、お尋ねがありましたが、少し計数的に申しますと、たとえばオートバイにつきましては、一年間大体六千キロメートルの距離を走ります。従って、それを現在職員は自転車で動いておるわけでありますから、自転車で歩きます時間と対比をいたしますと、年間に直しまして、  一台で五百六十時間の能率が上る、こういうことになります。で、昭和三十四年度は三百十台というオートバイを予算に計上しております。昨年の倍以上のオートバイになりますが、それで換算をいたしますと、その三百十台のオートバイが入りましたことによって、一年間に約二万一千七百日、これを人の単位で換算いたしますと約八十人能率が上るということになります。それから自転車につきましても、同じような測定をいたしますと、自転車は三十四年度予算において八百六十台という自転車が加わりますので、これを計数的に測定をいたしますと、年間で約三十人、合計百十人でありますが、別にこれを百人の減、あるいは百人来十月から百人振りかわるわけでありますから、半年百人ということと比べるつもりはないわけでありますけれども、そのような仕事の能率が上るという判断はできるかと思います。  そこで、先ほどの話に戻るわけでありますが、そういう機動力の充実あるいは業務の合理化ということは、その調査の中身をよくするということにねらいがあるわけでありまして、それ自体が本来の目的に沿うものでありますが、先ほど申しましたように、そこで、そのようなことが行われてたまたま諸般の事情から本年国民年金にごく一部の人が振りかわるということになりますということと、対応といいますか、見比べますと、昭和三十三年に比べまして、先ほど申しましたような前進がありますために、それによって百人が振りかわるということによって昨年よりも業務がより拡充になり、あるいは能率が非常に下るということはそれは避けられるであろう、そういう意味で諸般の事情をかね合せますと、やむを得ないということは言えるのではないか、こう判断をしておるわけであります。
  82. 小林孝平

    ○小林孝平君 また国民年金とからみ合せてお話しになりますけれども、国民年金との関係はこれはまた別ですよ。国民年金に人が要る、その人は新たに採用しないでできるだけ政府部内で配置転換をしてやりたい、こういうことはありましょうけれども、それと今百人の定員の減が適正であるかどうかという判断は全然別なんです。従って、それはお話しになりますけれども、おかしいと私は思う。いたずらに問題を紛糾させるだけであって、少しも前進はしないのです。それでこの人間わずか百人とおっしゃるけれども、わずかでしよう、しかし、その幾らわずかであっても、合理的に納得のいくやり方でなければならぬと思う。今のようなお話であると、この委員会において、立川さんが部長になられる前から長年の間機動力の充実という問題がこの委員会で取り上げられて、これをその期待にこたえると、特にこの問題は全力をあげてやると、こういうことであったのです。その機動力という言葉もややこっけいです。この自転車とか、オートバイとか、こんなことで機動力というのもこっけいだけれども、それでもまだやらぬよりはいいのではないかということで全国の関係者の希望にこたえようというお話であったけれども、私は今の御答弁だと、今まで農林委員会でいろいろ研究されて、努力されるというお話はすべてこれはまやかしであった、これは首切りを前提にそういうことを考えたということになるのではないかと思う。そういう意味合いからこの問題は重大ではないか、そう思うのです。これは今までそういう話は全然なかったのです。このオートバイを充実したら何人首を切る、自転車を何台充実したら何人首を切るという、人を整理してもいいというお話は一度もなかった。もっとこれを充実して、非常に労働過重になっているからそれを緩和し、そしていい統計を作るためにこういうものが必要であるというお話です。今の部長のお話は、これは過去の農林委員会における論議と矛盾といいますか、全然関連のないお話です。従って、私、もう一度過去のこの論議を速記録なりなんなりお調べになってそうして御答弁をいただきたい、こう思うのです。さらに、そういうふうにお調べになれば、今のような御答弁ができないはずでありますけれども、それでもなお、できるということであれば、今六千キロとか、五百六十時間とかいろいろおっしゃいましたけれども、これは今後、日本の全官庁にわたる機動力の問題、人員整理の問題、機構改革の問題と関連いたしますから、重要な資料として、オートバイが一年間に何キロ走って、自転車が何時間走る、何キロ走る、従って、人間は一台について統計調査部では何人減らしていい、建設省のどういう仕事は何人減らしてもいい、こういう一つ精細なデータを行政管理庁から御提出を願いたいと思うのです、これは農林省だけでありませんから。防衛庁では何とかという大砲一台買ったら自衛隊員は何人減らしてもいい、そういう資料を、これは詳細なものを一つ出してもらいたいと思うのです。これはオートバイだけじゃないから、今後すべてそういうことになると思うのです。従って、そういう機動力に関係するものを、詳細な人員整理と関係した資料を一つ御提出願いたいと、こう思いまして、本日これ以上私は質問しても御回答ができないだろうと思いますからやめますが、その資料ができましたら、一つまたあらためてやることにいたします。
  83. 高橋衛

    政府委員高橋衛君) 先ほど統計調査部長からお答えいたしました次第でございますが、政府といたしましても、統計調査事務の第一線が相当に苦労しているということもよく承知いたしておりまするし、また調査事務の内容がさらに改善を要するという点についても、従来より引き続きその事実を認めまして努力をして参った次第でございます。かような見地から、先ほど来お答えいたしておりますように、機動力の充実と申しますか、とにかくもう少し職員が動きやすくして、能率が上るようにするということと同時に、事務内容についても相当に年々検討いたしまして改善を加えてきたような次第でございます。このことと今回の百人の振りかえの問題とは、必ずしも直接の関係はないのでございますが、とにかく国民年金制度を創設するについて、何とか政府部内で現在の公務員の振りかえによってこの仕事をやっていきたいという、政府全般としての要請に農林省といたしてもこの面からどの程度までこたえ得るかということを十分に検討いたしました結果、まあ百名程度の統計調査部の職員を減員することによって、この統計調査部の行なってきたところの仕事の実際の遂行にそれほど支障はない、またこれが非常な負担過重になるというおそれもないという大体の見きわめをつけましたので、こういうふうな措置をとった次第でございまして、ただいまお話のように、オートバイ一台ふえるから何人減らすという、そういうふうな考え方では全然ございませんが、ただ仕事がだんだん充実し、合理化されて参りますると、自然そこにある程度の余裕が出る、その余裕をどういう方向に用いるかという問題と、または、そのかわり他の政府部内のより緊急な仕事に振りかえて働いていただくという考え方とあるのでございますが、その後段の考え方に従って、政府全体としての要請におこたえいたした次第でございます。御了承願いたいと存じます。
  84. 小林孝平

    ○小林孝平君 高橋政務次官は、私が先ほど申し上げていることがおわかりにならぬから、そういうことをおっしゃるのです。この国民年金に振りかわることとこれは別だ、国民年金に振りかえるために政府部内から供出をするというなら、そういうふうにもっと全体について考慮されていますか。農林省だけじゃないのですか、その一番多く出しているのは。そういうことを言ったってだめですよ。それは余ったのは政府部内から振りかえる、こういうことになっているのです。ほかの方はどんどんふやしているじゃないか、農林省だけです。従って、今のあなたの御答弁は答弁になりませんよ、そんなことは。そんなことを言ってごまかそうとしてもだめですよ。そこでこれは調達庁なんかは、こんなものは減るわけですよ。そこで、今のあなたは、そういう御答弁になれば、なお全体についても私は資料を要求しなければならぬ。ですけれども、あなたのおっしゃっていることは間違っているから要求しませんが、この種資料の提出を今要求いたしましたが、そのとき、大蔵省からも一つ御出席を願って十分お尋ねいたしたいと思うのです。委員長、そういうふうにお取り計らい願いたいと思います。
  85. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) かしこまりました。
  86. 三浦善郎

    説明員(三浦善郎君) ただいま機動力の問題につきまして、機動力がどれだけ物理的にふえれば、人間がどれだけ計算上減るかということが計算できるはずではないかという御質問があったわけでございますが、現在、定員の問題の一番むずかしい点がそこになっておるわけでありまして、そういう物理的な計算で計算を積み上げることができないということが一つと、それから各種の業務に全部共通しまして、同じものさしではかることができないということもございまして、現在のところにおきましては、オートバイ一台が人間の行政事務の何人分に当るというような計算は、すること自体がなかなかむずかしいと思いますし、統計調査部につきましてはそういうことだということでございまして、政府部内の各機関全部についてそういうことであるということは、なかなか計算できないというふうに考えております。
  87. 大河原一次

    大河原一次君 先ほど統計部長並びに次官からのお話がありまして、百名程度の減員があっても、結局、調査内容等については別に大した支障はないというような、そういう説明がありましたけれども、しかし、その支障はないということの根拠は明確になっていないと思うのです。機動力をふやした、オートバイ三百台を買ったからというような、あるいはそういうことが何か根拠になっておるようでありまするけれども、私から言わせるなら、そういうことは決して根拠になっていないと思うのです。むしろそういうのは、三百台オートバイをほしいということは、各省の方からそういう要請があったのでありましょう。しかし、それは百名を減員するということが前提でそういう要請をされた問題ではないし、立川さん自身がそういう判断をしたのではないと私は思うのです。従って、むしろ百名を減員しないで、現状のままでオートバイ三百台を買うような、そういう考え方になぜ立っておられなかったかということ、そういう点についてお聞かせ願いたいと思います。もちろん国民年金の方に振り向けるということはわかりますけれども、なぜこっちから供出しなければならなかったかという、そういう理由をもっと明確にお答え願いたいと思います。
  88. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) これは先ほども申し上げたところでありますが、今お話通り、機動力を充実をしますこと、それから業務の内容を合理化してその効率を上げていきたいことは、何も人間を減らすということを目的でわれわれはやってきたわけではないわけであります。これは先ほども申しましたように、調査の内容それ自体をよくするということに本来の目的があり、そのように考えておるということは、繰り返し申し上げるまでもないことかと思います。そこで、本日、当初に今回の定員法の理由がいろいろ説明をされまして、その際にいろいろな各方面からの国民年金への振りかえという要請があって、統計の人を百名振りかえるということについて、そこで現在の情勢において百人、十月以降百人振りかえるということが、すぐ業務が非常にむずかしくなるということになるかと申しますと、それはならない、それは著しく支障を生ずるということはないでやれる、それは一つは今のような努力をいたして参りましたし、今後もいたして参りますということであります。それは単に、その百人以上の、いわば業務の内容が合理化されたり能率が上ったりするわけでありますが、たまたま百人に見合うそういうものがあるというわけではないのでありますが、そういうことでありますので、やむを得ないが、そういう諸般の情勢であるならば、この際は百人の振りかえということもやむを得ないと判断してもいいではないか、こういう結論でありまして、最初申し上げましたように、本来の目的であるか、こうおつしゃれば必ずしも本来の目的ではない、こう申し上げることになろうかと思います。
  89. 大河原一次

    大河原一次君 結局、私の判断から申し上げまするならば、機動力の増強ということが、そのまま結果においては調査内容の充実を効果的にあらしめることができるという、そういう考え方に立っておられると思いまするけれども、しかし、今後、特に農林当局におきましても、今後の農林漁業の問題については、あのような重要政策を発表して、特に今後の世界農業との関連、世界農業センサス等々の、そういう関係において、ますます統計調査というものを重要視してくる。オートバイの疾駆し得る仕事というものはおのずと限度がありますし、内容のおのずから充実ということになると、やはり機動力の増加というだけでは、とうてい効果的な内宮の増強を来たすことは困難であろうと思う。やむを得ない実情ということも言われましたけれども、やむを得ない実情であるならば、別の方から考えていただかなければならぬと思う。いかにも、何かしら私企業が個人個人の利益を追求する、私企業が機械の導入によって人員を整理するという考え方と同じ古思想に立っておられると思うのです。こういう思想は僕は大きな誤まった思想だと思うし、政府みずからが考えておられる農業の重要性を今日あのように強く主張されている立場からいって、今、統計事務を百名減名するということは、私はとうてい納得するところではないのである。こういう点についてももっと真剣な立場から考慮してもらいたいと思います。  それから、いま一点お伺いしたいのですが、これは二十八国会の予算委員会の席上におきまして、当時の石井行政管理庁長官でありますが、この定員法の、特に常勤的非常勤の、これを解消する全面的な定員化をするということには、われわれも十分その点は了承しておる。しかし、そのためには公務員法の改正を行わければならない、こういうことを強く石井長官みずからが言っておりまして、そして三十三年には間に合わないが、三十四年度には公務員法の改正案を出して、そうして御要望に沿いたいという、そういう意思表示が長官みずからなされたわけであります。ところが、今回の事態を見ますると、今回におきましても、この公務員法の改正を行う、いわゆる全面定員化の構想が一つも出されていないのでありますが、この点一つ行管の方からもお聞きしたいと思う。
  90. 高橋衛

    政府委員高橋衛君) 先ほどの第一段の点は、御要望のようでありますけれども、一言私ども考え方を申し上げますと、御指摘のように統計調査の事務が今後農林漁業についての基本問題を根本的に検討しようという際に、きわめて重要な意味を持っておるということについては、全く御意見と同感でございます。従って、その面についてはますます充実をしていきたい、かように考えておるのでございます。ただ、世界センサスの関係は、これは府県の方に委託いたしまして御調査を願うという建前になっておりますので、まあもちろんこれは企画的な仕事は統計調査部の方においてなすべき問題ではありますが、これが直接に職員の事務の分量の増加になるということはございませんが、ただ、こういうふうな今後の農林漁業の政策を遂行するにおいて、この仕事が非常に重要であるということは、私どもそういうふうな立場において絶えず農林省の仕事を推進して参っておるということを特に申し上げておきたいと思います。ただそれにもかかわらず、全体として、近年漸次仕事のやり方もだんだん改善して参りましたし、また重点的にそれぞれその仕事を施行して参りましたので、百名程度振りかえることによっても、なお何とか、私どもの非常に重要だと考えておるところの統計調査事務の仕事をやっていけるというふうに考えておる次第でございます。  第二段の点につきましては、御指摘のように農林省といたしましては、何とか常勤の定員外の職員を定員化したいという意図のもとにずっと引き続き政府部内の関係の省庁とお話し合いを進めておる次第でございます。その点については、なお事務当局からも御説明申し上げることにいたしたいと思います。
  91. 三浦善郎

    説明員(三浦善郎君) 御説明申し上げます。定員外職員の定員化の問題につきましては、先ほども定員法の改正の問題で若干触れました通り、公務員法改正に伴いまして定員外職員の問題を根本的に解決したいという方針のもとに、公務員制度の改正その他につきまして政府部内の各関係部局におきまして検討を進めて参っておったわけでありますが、定員法案を国会に提案いたしますまでの期間には、公務員法の改正の内容につきまして残念ながら結論を得ることができませんでしたので、今回の定員法の中には定員外職員の定員化の分が計上されておらないというようなことに相なったわけであります。ただ、定員外職員の定員化の問題につきましては、従来からここ数年来、国会におきましても絶えず促進の御要望を受けておりまして検討はいたしておるわけでありますが、そういう意味におきまして公務員法の改正を行なって、公務員の範囲の明確化を行うという点につきましての公務員法の改正がおくれたために、今回の定員法改正の中に定員外職員の定員化が盛り込まれなかったということに結論として相なってしまったわけでありまして、この点はなお検討を続けまして、なるべく早急に結論を得て、問題を具体的に御審議願う段階に持ち上げて参りたいというふうに考えております。
  92. 大河原一次

    大河原一次君 先ほど、前段の高橋次官のお言葉よくわかりまして、私はそれを期待いたしておるわけでありますが、今の行管の方のお話、これは今回は定員化の問題が、公務員法改正という問題が出されなかったということでありますが、私はこれについて、もちろんこの定員外の定員化という問題は当然行管の主管として行わなきゃならぬと思うのですが、たまたま聞くところによりますると、何か人事院等の方からこれに対する介入があって、そして今回間に合わなかったのだというようなことを、たまたま私は仄聞しておるわけでありますが、人事院との関係はどういうふうになっておりますか、差しつかえない限りお聞かせ願いたいと思います。
  93. 三浦善郎

    説明員(三浦善郎君) 国家公務員法案の改正の内容点につきましては、公務員制度調査室の方で引き続きずっと検討して参っておるわけでありますが、行政管理庁の方におきましては、その公務員法改正のうち、公務員の範囲に関する部分については協議を受けまして承知いたしておりますが、その他の部面につきましては、人事院その他とどういう交渉をしておるかということにつきましては、行政管理庁の方としては承知いたしておりません。
  94. 小林孝平

    ○小林孝平君 先ほど高橋政務次官がお話しになりました点、私はさっぱり納得できません。私は先ほどから申し上げておるように、もう質問やめようと思ったけれども、あなたがそうおっしゃったからしますが、この国民年金への振りかえの問題で、これは別だと言っているのです。あなたはそれに関連させてまたお話しになっております。そういうふうに、そういうことを重ねて言われるなら、各省はどういうふうに検討したのか、それを具体的にお尋ねしたいのです。農林省はそういうふうに検討したが、では、大蔵省の国税庁は少しも減っていない。国税庁の方はこれを減らす余地がないのかどうか。その他の省においても、減っているのは農林省その他ちょっとありますけれども農林省だけなんです。私は農林省の職員が減るとかどうとかというので言っているのではないんです。そういうことをからみ合わせるのがおかしいというのに、重ねて、繰り返し繰り返しそれをおっしゃるなら、では、国税庁の問題は、これは全然余地がないのかどうか。それから、そういう点を詳細に、またこれは先ほど申し上げましたように、大蔵省からも来てもらってお尋ねをしなければならぬと思うんです。そういうあいまいな答弁でもって、ごまかすというと悪いけれども、乗り切っていこうとするところに私はいろいろの矛盾が出てくるんではないかと思う。そこで、農林政務次官は、農林政策は非常に重要だから、その御期待に沿うと言うけれども、こんなに各省どこも減らさないのに、農林省だけ減らされている、こういうことであなたに期待ができますか。どうもできないんじゃないかと思うんです。言われることは実に元気がいいけれども、そんなことではだめじゃないですか。どこも減っていないのに、農林省だけ減らされている。しかも、それはオートバイをふやしたから減したなんという、そんなことであなたに重要な農林政策の今後の遂行を期待するわけにはいかぬと思うんです。あなたは大いに抱負経綸を述べられましたけれども、もっと合理的に、減らすなら減らすでいいんです、百人で悪ければ二百人でもいいけれども、こういうために減らすんだ、各省は検討したけれども、減らす余地はないんだ、農林省にはありました、こういう説明をすればはっきりします。そうすれば、そういう御説明をなされば、あなたに今後の農林政策をまかしても大丈夫のような気もしますが、今のような御答弁では、ちょっとたよりないのではないかと思いますがね。御答弁は要りませんです。そこで、私は先ほど申し上げましたような資料を一つそろえて御提出願いたいと思います。御答弁は要りません。
  95. 清澤俊英

    清澤俊英君 先ほど小林君が資料の提出について、物理的にそういうものができないという行政庁のお話でしたが、ほんとうにできないのですか。いま一度出せないなら出せないと、はっきりして下さい。
  96. 三浦善郎

    説明員(三浦善郎君) お答えをいたします。そういう計算につきましては、従来政府部内の行政職員の数の算定と関連いたしまして、そういう計算は従来したこともございませんし、一般的基準として、そういうものがどういう格好で出るかということにつきましては、できるということを確信を持ってお答えすることができません。
  97. 清澤俊英

    清澤俊英君 統計調査部長、あなたは五百六十人オートバイと自転車で減らされてきている。相談しないで大体行政庁はできるとかできないというのはおかしいと思う。それはあとでいいですよ。あなたは出せますか。
  98. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 私が先ほど申し上げましたのは、小林委員から、機動力の充実ということによってどういう工合に能率が上るということになるか、こういうようなお尋ねでございましたから、それを私ども考え方で測定をいたしますと、オートバイを充実をいたしますことによって、これだけの能率は業務上、上りますということを申し上げたわけであります。従って、先ほど申しました通り、その能率を上げるということは、人を減らすという目的ではない。それは調査の効率を上げて、内容をよくするためである、そういうねらいでこれを充実するものであるということは申し上げ通りでございます。
  99. 清澤俊英

    清澤俊英君 私らは少くとも、この問題をお伺いしていることは、百人減らしてこれから先の仕事に差しつかえあるかないかを重点としてお聞きしているのである。能率が上るとか上らぬとかという問題じゃない。だからこれが必要だと思うんです。従業員がオートバイ一台について、なるほど一台は六千キロ走りますか知らぬけれども、使いまする者は三百六十人、大体現在で一人の検査員が、一日足で歩こうと、自転車であろうと、自動車に乗ろうと、現在与えられたる機動力をもって一日大体どれだけ働いているか、それはどれだけくらい平均して動いているのか、それをまずお伺いしたい。自転車で何時間走るか、歩いたら大体平均何時間くらい歩いているのか。ただ六千キロという一年間の走行キロだけでは問題になりません。
  100. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) これはオートバイを使います内容は、仕事によって、あるAの人が使ったりBの人が使ったりいたしますけれども、かりに仮定の計算としまして、オートバイを一年間ある特定の人が使う、こういたしますと、まあ六千キロ走る。で、あと何時間で一キロ走るかという総時間を計算いたしまして、一年間の働く日数で割りますと、一日どれくらいの時間走るかということが計算上は出て参るわけであります。
  101. 清澤俊英

    清澤俊英君 この計算の出し方が間違いじゃないかと、こう言うんです。一日の仕事の量分のうち、とにかくに連絡して歩く量が、八時間のうちなら大体二時間であるとか一時間であるとか、三百六十五日、郵便配達じゃない、郵便配達ならオートバイでやれば能率は上るということは納得できるわけです。少くともある場所へ行って、それから降りて調査をする、また帰ってくる。時によると一日に二キロか四キロしか走らぬこともある。それが自分の使用していたところの機動力と対比して、それがどれだけ違いがあるか、それが三百六十人しか使われない。それで五百六十時間云々して百人減らしますというような、こんなずさんなことで減らしたら、大へんな問題が出やしないかと思います。私はそう思うのであります。それはやはり政府部内のことでありますし、いろいろ上から押しつけられたらこういうこともしなければならぬだろうけれども、そんなことに負けていてもらってはわれわれとしてはかなわぬということなんです。そんな計数は、私の見ました計数では、オートバイをこれだけふやしました、自転車をこれだけふやしましたというようなことは絶対出ない。行政庁、私の言うことはどうです。あなた方はこういう計算までしてやったのか。農林省一つ出してくれ、まあ時によりますれば非常勤ででもなんででも埋め合せができるから、何とか一つこれを出してくれというような話でやったんじゃないかと思われる。そうでもなければこれは受け取れません。何ら科学的基礎はない。高橋さんどうなんです。そんなことをごまかしてもらってはかなわぬと思うんです。
  102. 高橋衛

    政府委員高橋衛君) 先ほど小林委員は回答は要らぬというお言葉でございましたので、回答という形で申し上げる次第ではございませんが、もちろんこの百名の減員ということは、政府全体としてその御要請がなければ、これを農林省が積極的に持ち出すことはなかったであろうということはお答え申し上げていいかと思いますが、それはそれといたしまして、先ほどお答え申し上げておりますように、農林省自体として、しからば、この百名の振りかえをすることによって、統計調査事務にほんとうに支障を生ずるかどうか、どの程度の影響があるかという点については、十分しさいに検討いたしました次第でございます。先ほど来繰り返し申し上げておりますように、なるほどオートバイ一台ふやしたことによって直接これだけすぐくるのだというような調査事務につきましては、的確なそろばんというものはそう出てくるものではございません。しかしながら、オートバイを置くことによって能率化ができるということは、たとえば今までデータを集めるのに十軒ぐらいしか回れなかったのに、それが二十軒回れる、または三十軒回れるというようなことについては、確かにその通りでございますので、それからまた仕事のやり方自体につきましては、これは年々内容のやり方について絶えず検討いたしまして改善を加えて参っております。そういうふうな関係から、この際百名を振りかえるということによりまして、われわれの調査事務の内容が非常に危なくなるとか、または非常に困った状態になるというふうなことはないというふうに大体確信をいたしましたので、この措置農林省としても賛成いたしたような次第であります。
  103. 清澤俊英

    清澤俊英君 今の問題は私は納得しませんが、先ほどから言われているうちに、いろいろ事務の内容を整理してだんだんよくなっている、どういうものをどういうふうに整理せられたか、具体的に一つやっていただきたい。それが一つと、いま一つは、表面に現われました三十三年度までやっておられたうちで、取扱い事務として減るのは、さきの説明によりますと、輸出検査あるいは生糸検査それから機動力の充実と、この三つで御説明になったのです。そうすると輸出検査で大体何人減らされるか、生糸検査で何人減らして間に合うのか、これを一つまずお伺いしたい。その次、逐次やっていきます。
  104. 和田正明

    説明員(和田正明君) お答えを申し上げます。先ほど申し上げましたように、事務合理化によって二十一名の減員をいたしましたわけでありますが、その内訳は、生糸検査業務で十名、それから輸出品検査業務で一名、それからあとの十名は、従前官房にとりあえず組んでございましたものを、先ほど申し上げましたサケ、サケ、マス業務の内部で振りかえした、そういうことでございます。
  105. 清澤俊英

    清澤俊英君 おかしいじゃないか、十一名を官房で組んであったものを回すということは。(「それは二十一名だよ」と呼ぶ者あり)
  106. 和田正明

    説明員(和田正明君) 清澤委員の御一質問は、先ほど私の申し上げました二十一名が、生糸検査なり輸出業務の減員があるが、その内容は何かというお尋ねであったと思いますので、お答え申し上げたのでありますが、輸出検査につきましては、先般来、御承知のように、輸出検査所の組みかえをいたしまして、輸出検査の一部を民間の検査に振りかえました。それから生糸検査所につきましても、検査方法を変えますとか、あるいは検査の件数が減りますとか、そういう関係がございましたので十名を減らしまして、合計十一名、そのほかに本省から振りかえてさけ、ますふ化場へ振りかえるということを申し上げました。先ほど申し上げましたように、本省関係では百二十名の減に対して十名増があるから百十一名、そのほかに水産庁に十一名増があるというふうに申し上げましたうちの十名が、ただいま申し上げましたのが水産庁への官房からの振りかえでございます。
  107. 清澤俊英

    清澤俊英君 私は、統計の事務の方で聞いているのです。統計事務百名減らされたと言われるから、それで差しつかえないと言われるから、その理由として、生糸検査所で十名、輸出で一名、あとは合理化と機動力とをまぜたもので約八十何名を減らされる、こう言うのだから、その内容を詳しくお聞きしているのです。統計が百名減っておる。九十五名減っておる。統計が百名減るのですよ。統計を百名減らしてよろしいという根拠を聞いているのです。これは統計の方と関係ないのですか。
  108. 高橋衛

    政府委員高橋衛君) 関係ないのです。
  109. 清澤俊英

    清澤俊英君 関係ないものを説明するなんというのはおかしいです。さっきははっきりそう言っておられる。
  110. 高橋衛

    政府委員高橋衛君) そう言っておりません。
  111. 清澤俊英

    清澤俊英君 ちゃんと書いてある。それならそれでよろしい。
  112. 小林孝平

    ○小林孝平君 委員長、今の清澤さんの話などあなた聞かれておるのだから、ちょっと整理されたらどうですか。清澤さんの質問に答えていないで別のことを答えているのですよ。だから、委員長、黙っていないで……。
  113. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 今の清澤君の質問は、輸出とかなんとかということを聞かれたから……。
  114. 小林孝平

    ○小林孝平君 清澤さんは多少誤解されて聞かれたのですよ。そのことをわかっているのだから、委員長政府委員に注意したらいいですよ。
  115. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 質問がそういうことであったから、それに対する答えであるから私は正しいことをしておられると思ったのです。
  116. 小林孝平

    ○小林孝平君 あなた、ちゃんと聞いておれば、清澤さんがちょっと誤解されて質問されたので、よくあなた聞いておれば、今のような答弁はないんですよ。
  117. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 少し私も誤解をしておるかもしれませんが、その際はお許しを願いたい。  先ほど機動力の説明をいたしましたときに、具体的な計数に入りまして、私どもの大体判断をしておるところを申し上げまして、多少誤解を生じたような感じも私としてはいたしますので、業務の方はあらかじめ筋道を申し上げておいた後に具体的なことを申し上げたいと思いますが、これは従来も業務の合理化、効率化ということを考えて参りましたが、将来といえども十分にその点を努めて参らなくてはならないと、こう考えておるわけでありますが、そのこと自体はむろん常に必要なことでありまして、常に努力をしていかなければならないと思います。そこで、昭和三十四年度ではどういうことになるだろうかと、こうなりますと、一つは、ことし新しくふえるという仕事があります。それから一つは、昨年に比べますと業務はことしはなくなっちゃった、終ったということ。それから、そこでそのふえる業務といいますと、本年度は一九六〇年の農業センサスの集落の調査農林省が直接にいかしますので、その仕事がありますし、それから作付動向の調査をいたしましたり、あるいは牛肉、豚肉の生産費調査をやったりという仕事がございます。新しくこれは昨年より比べればふえるわけであります。これに反しまして、昨年に比べますと、全然なくなってしまう、減ってしまう、あるいは中止されるという仕事は、臨時畑作調査でありますとか、あるいは沿岸漁業の臨時調査でありますとか、また農家あるいは農村動態調査でありますとか、そういったような仕事があるわけであります。そのほかに、これは仕事としては続いておるのでありますが、従来の仕事の内容をずっと合理化、簡素化するということを考えて参りますものに、面積調査でありますとか、あるいは農家経済調査でありますとか、いろいろなことがございます。ふえるもの、減るもの、そういうものを全部見比べますと、仕事の量においては、昭和三十三年に比べまして三十四年はより合理化されて、仕事の分量は減ずるということになるわけであります。ただ、先ほども申しましたように、仕事の内容を合理化、効率化していきますことは、それによって本来の目的としては当然仕事の中身をよくするということがねらいでありまして、それを追及していくのが本旨であるということを申し上げておきたいと思います。
  118. 東隆

    東隆君 先ほどの政務次官のお話を聞いておりますと、政府の要請でもって減員をすると、こういうようなことだと、こういうお話ですが、もしそうだとすると、私は相当これに対しては抵抗があったろうと思います。各部局で非常に抵抗があったろうと思うのですが、私はそのうちの抵抗の一番弱いところに実はこの数字が出ておるのではないかと、こういう気がして仕方がないのです。そこで本来ならば、この減員をする場合に、どこから減員をするかということをしさいに各部局について調査をして、そうしてそこから数字が出てこなきゃならぬと思うのです。上からもし与えられた数字だとすれば、そういうような努力をされんければならぬと思うのですが農林省はそういう努力をされましたか。頭から統計の方に百名と、こう振り当てたのですか。それとも、各部局をしさいに調査をして、そうしてそこから選び出すようにおやりになったのか。私はその点は非常に大切だろうと思うのです。それは、今までの整理をやる場合にどういう問題が起きてきたかというと、地方の方に事務所を持っておる関係のもの、たとえば食糧庁の関係の食糧事務所ですね、それから、統計のやはり末端の方の部面、そっちの方に相当の人数がいるわけなんですが、そういうような面にしわ寄せになっているのです、今までのいろいろなこういう定員を減すような場合にですね。そして、結局減員の問題が起きた場合に、しわ寄せされるところは、そういうようなところがいつもしわ寄せされておる。今回は食糧事務所の方は減員になっておらぬようでありますけれども、統計の方は、これはものすごく来ておるわけなんです。だから私は、やはり各省間の振り合いだのなんだのいろいろな問題があったろうと思います。仕事の簡素化の問題は、これは率先、みんなが各部局でもってやらなければならない仕事です。そうだとすると、しわ寄せを何も統計の方に持っていく必要がないと、そういう問題があろうと思うのです、上から数字をぶっつけられたとした場合に。そういう点をもう少し考えていただきたいことと、それからもう一つ、もし上から割り当てられた数字だったら、やはり一つ各部局に割り当てて、そうして内部においてやはりある程度の操作ができると思う。部局の中で操作ができると、そういう問題も起きてくると思います。で、これはおそらく統計の関係の方で抵抗が弱かったからそこに来たのじゃないかと思う、率直にいえばね。これはいつでありますか、二十四、五年ごろですか、一番初めに統計部長を安田さんがやっておった時分、あのときに、実のところを言うと、統計関係は非常に数字をこまかくそろえて、そうして統計関係はある程度数字を確保することができた。それから以後において統計に大なたがふるわれてきたわけです。私は、仕事が減ったとは思わない。まだまだ広げていかなければならぬ面がたくさんあると思う。たとえば災害関係の調査なんかは、これは現にふえてきておる。それから、先ほどお話しになった農業センサスの問題、これもふえてくる。それから、サンプルなんかも、これはもう実にお粗末なとり方です。今おそらく部落単位くらいの数字が統計は必要でしょう。ところが、郡単位くらいのものしか━━平均かなんかわからぬのじゃないですか。だから、これは実際に統計の中身をしさいに見ていけば、まるでかすみを通してながめるような数字が出てきておるのであって、きちっと町村単位くらいまではっきりした数字をつかむことができない形になっておる。それを基礎にして、共済関係の問題だのなんだのみんなそれでもってはじいておる。そういうふうな点を考えてみると、これは統計の関係を充実をして、もっと小さく分けて、そうして仕事の分量をふやしてやっていかなければならぬのが、これが統計の仕事です。そいつが、はなはだもって政府考え方は、国際連合の統計の数字を出せばそれでもって事が終るようなことを、これは実際のことを言うと、以前そういう答弁をしたことがあるのですからね。だから、統計に対するものの考え方が非常に違うのです。そうして実際において、たとえば食糧庁におけるところの統計がある。その統計は、たとえば検査数量であるとか、あるいは出回り数量であるとか、そういうような数量をしさいに調べてあるのですけれども、しかし、政府はそれを発表をしません。発表をしないのです。そういうように、的確な数字が世間に発表されることをおそれるのかどうか、それは知らないのですけれども、しかし、統計そのものに対する考え方が、これは非常に違っておると思う。私は、そういうような点、統計を軽んずる考え方が今の政府にあるんじゃないか、こういう点も考えられるわけです。もし統計を非常に尊重するんだったら、私は、縁の下の力持ちをやっておるような、そっちの方面をもっと充実するだろうと思います。それを全然やらないのですから、これは弱いところにしわ寄せをしておる、こういうふうに判断をせざるを得ないと、私はこう考えておるのです。そういう面はございませんか。
  119. 高橋衛

    政府委員高橋衛君) 農林政策を立案をし、実施する上におきまして統計がすべての基本になるという点、従って、統計調査の仕事が非常に重要であるという点については、ただいまの東委員の御意見と全く同感でございます。単に国連に形式的な数字を出すというふうな、そういうふうな無責任な考え方でなしに、われわれ国民の休戚にかかるところの政策の基本を作るのだという趣旨をもって、統計調査の仕事を年々改善をしていただいて参っておる次第でございます。従って、統計を軽んずるとかいうような考え方は毛頭持っておりません。たまたま今回統計調査事務に百名の減員、それからその他が二十一名でございますかの減員というのが、減員の面では農林省全体として出て参っておるのでございますが、これは先ほど来申し上げております通り、もちろん統計につきましても、できるだけデータを多数とるということ、またその一つ一つのデータがより正確度の高いものをとるということが必要であることは、これは十分承知いたしておりますが、しかし、これにつきましても、集計されました結果の誤差等の観点から見まして、おのずから限度のある問題でございますので、われわれとしては、大体の大勢が察せられるという程度のものを要求し、それを少しでも誤差の少いものに改善していくという努力を絶えずやって参っておる次第でございまして、まあそういうふうな点から、ただいまお話のように特に統計調査を軽んずるとか、またはここにしわ寄せしたというふうな考えは毛頭ございません。
  120. 東隆

    東隆君 統計事務所の末端の事務所は一体全国に幾つあるのですか。
  121. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 各都道府県に統計調査事務所というのがございまして、北海道は四カ所置いてありますから、全国で四十九カ所になります。
  122. 東隆

    東隆君 それから町村、その他三カ町村ぐらいに一つずつ何か出張所ですか、そういうのがありますが、その数はどれくらいになりますか。
  123. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 全国で八百五十ほどあります。
  124. 東隆

    東隆君 その事務所のうちで、一番人数の少いのは何人ですか。
  125. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 出張所としてごく人数が少いのは、一番最小の単位では約五人くらいの所があると思います。
  126. 東隆

    東隆君 五人くらいなのは、どれぐらいあるのですか。
  127. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 手元に材料は持っておりませんけれども、五人ほどのものは、ごくりょうりょうたるものであると思います。平均をいたしますと、たしか十五人くらいになるはずでありますから。
  128. 東隆

    東隆君 八百五十に十五を掛ければ、ほぼ地方の数字が出るわけですね。私はここで百名の減をやる場合に、これは私どもは百名を減じてもらいたくはないのですが、百名を減ずるという場合に、一体どこを中心に減ずるのですか。本省関係を中心にするのですか、地方の県の場合を減ずるのですか、それともその末端のものを減ずるのですか、これは問題だろうと思うのです。私は末端のものを減じられたらこれは大へんだろうと思うのです。これは一体どういうふうな考え方でもって減ずるのですか。おそらくオートバイが三百何台流れてくるが、これは末端の方に流れると思うのですが、そうすると一番実は最初から要求しておったのは北海道が要求しておったのですが、ことしは割当をほしいけれども、もらいたくないというなにが出てきましょうし、それから以前のやつを計算に入れられると、北海道は一番犠牲になるおそれがあるのですが、(笑声)そこで問題は、これは笑いごとではなくして私は非常に心配しておるのです。これは減してもらいたくないのですよ。減してもらいたくないのだけれども、こういう数字になって出てきておるものですから私は非常に心配しておるのです。しかし、北海道を減さないということになると府県の方が減らされるのですから、これは同じ問題になってくるので、いずれにしてもこれはむずかしい問題です。だから引き受けた本部の方で減じて、そうしてその分をなるべくよその方に回すとか、農林省から減らされるのは困るから、よその方から減してもらうことができればそれが一番いい方法なんです。その点、私は末端からは減じないのだと、こういう確約を一つしていただかないと、これは五人くらいな所で事務の簡素化をやったとかなんとかいって、仕事の分量が減ったから人を一人供出せいなんていわれたら、これは大へんなことになります。区域が実に広い所で、そうしてサンプルなんかだって、実に気の毒なあれでもってとっているでしょう、そういうような所を減らされたらこれは大へんです。末端から減らされたらこれは大へんなことになる。この点は一つ百名減ずるというような困った事態が起きたときには、末端からは減らしませんと、こういうふうに一つお答えを願いたいと思いますが、どうですか。
  129. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 答えをすでにおっしゃったわけでありますが、大体四十九の事務所に、一事務所三百人くらいの人がおるわけでございます。そこで、全国で百名ということになりますと、一つの事務所の管内から二人とかせいぜい三人とかいうことになりますものですから、その人を本省、地方を通じましてどこから減らすかということは、これからよくさらに研究を加えて、ことしの十月でございますから、十分研究を加えていかなければならないと思いますが、要は、今、東委員のおっしゃいましたように、業務の執行に支障を来たしてはならないわけでありますから、支障を来たさないような配慮でやるというつもりでございます。
  130. 東隆

    東隆君 先ほど面積の調査それから経営の、農家経済の調査、こういうような面で合理化をやったと、こういうお話でありますが、農家経済の調査を担当しておる面なんか、これはもう実のところを申しますと、実に苦しんでやっておるのです。そうしてその方面にりっぱな機械だのなんだの入っているとも考えませんし、はなはだしいところは、からだを悪くしたのも相当いるわけです。そういうような調査も、おそらくあるのじゃないかと思うのです。それで、それほど労働が強化されているような面を合理化をされたと、こんなようなお話をされたのですけれども、私はそう合理化されておらぬと、こう見ておるのです。で、お話をされたところから見ると、農家経済の調査をやる面だとかそっちの面がどうも犠牲になるような気がするのですが、これははなはだなんですけれども、そういう面こそ、縁の下の力持ちのまた力持ちみたいな仕事をやっております。その面を、力がないといって、抵抗が弱いからといってそこを減らされたら、これはもう非常に問題になると思う。これをお考えを願いたい。それから統計調査全体がそういう性質を持っておる。それで、私も統計の方の考え方は先ほど申し上げましたけれども、現に北海道の場合には、統計事務所のうちでおそらく札幌の統計事務所がこれは全国で一番悪いんじゃないですか、統計事務所は。そして合同庁舎ができているんだけれども、その中によう入り得ない。それぐらい虐待をされている。で、大蔵省関係のなにはいち早く合同庁舎の中に入っている、そういう関係を見ますと、はなはだもってこの統計関係は気の毒だと思う。これは、前にスイスかどこかでなくなった村田さんの時から、もう私は主張し続けてきておる、解決がつかないでいるのですが、これは北海道に今例をあげたのですけれども、これは全国の姿です、統計に関する限り。私は統計の関係の人が普通の農林省の各局の関係の人と同じふうに待遇されておると思わぬのです、実際のことを言うと。だから、もう少し、ここの縁の下の力持ちをする者を優遇して、そして朗らかに仕事ができるような態勢を整えていくことを、私は当面農林省の中心になっている人が考えなければならぬ。統計部長もその点を一つ、そんなにはいはいというふうな形でもって引き受けて、そして理屈にもならない理屈をつけて減員をするような、そんな理屈をやる必要はないのです。ほかの方でそういうことはできないというのですから、行管の人がもうすでにそういうことはできませんと、こう言っている。小林君の資料要求に対しては、おそらくできないでしょう。そういうような場合に、何もそういうこじつけのための条件をつけて、そして言いくるめる必要は私どもないと思う。そうでないですか。私は、この際統計の方はどうも圧力でもって何ともいたし方なくて百名出された、これは一つ何とかして別な方に振り当てたい、これが私の本心でありますと、こう一つおやりになったらどうです。私はそれはなかなか言えないという事情もわかりますけれども、しかし、この問題は将来の計画を立てたり、いろいろなことをやる場合の基本になるところなんですから、非常に大切しなけりゃならない。これは一つ農林省の方はもう少し態度をはっきりして、そうして行管の方にもう一回ぶつかって考え直すことが必要だろうと、こう思うのですが、政務次官私の意見、間違っておりますか。
  131. 高橋衛

    政府委員高橋衛君) 統計調査事務がいかに重要な仕事であるかという点につきましては、先ほど来しばしばお答え申し上げました通りでございます。なお、私自身も地方に参りました際に、統計調査事務所または食糧事務所、営林署等を回って見ておるのでありますが、その間、統計調査事務所の庁舎なり設備なりが非常に、何と申しますか、悪くて、そういうような面で非常にお気の毒な状態にあるということは私は事実現認しておりまして、これは何とか一つ少しでもよくしてやる方途を講ずべきであるということを強く至るところで感じて参っておる次第であります。しかしながら、ただいまのせっかくのお言葉ではございますが、私どもといたしましては、もちろん国民年金制度創設に伴うところの要請がありましたことによって、この振りかえ処置を農林省といたしましても賛成いたした次第でございます。これによって私どものこの大事な統計調査事務が非常に困難な状態になるというふうには考えておりませんので、そのことをお答え申し上げたいと思います。
  132. 清澤俊英

    清澤俊英君 少しこまかしいことをお伺いしたいと思います。先ほどから、今年廃止になるという農村実態調査、農業実態調査、畜産センサス、いま一つ何かありましたが、四つほど事業をやめる、これは全部やめるのですか、統計事務だけは残るのですか、この点だけお伺いしておきたい。それから新しくできます四つの事業、農業センサスを中心にして出ます新しいものは事業対象がどうなるか、それから農業センサスは全部落を中心にしてやりますならば部落数がどれくらい、この両者において人員をどう見ておられるか。そのほかにまだ、先ほどから言われる事務の整理促進というのですから、たとえば今まで計算をこういうふうにやっておったが、電気計算機を使ってこうするとかいうような具体的の整理事項がありましたら、それをみんなお知らせしていただきたい。  その次にお伺いしておきたいことは、これは始終地方へ参りますとこういうことを言うのですね。どうも本省側は机上の事業量を与えられるが、その机上事業量のようには地方は全くいきません。いろいろの事情でいきません。人がおらぬとかなんとかいうことで、なかなかそう本省で与えられたごときペーパー・プランでは履行できなくて、少くとも二割五分くらいのものは余分におのおのやっておる。そういう状態を認識しておられるのかどうか。それからいま一つは、オートバイも自転車もくれないだろうが、全逓がやっておりますように、これは全部役所持ちでただ乗って歩けばいいような形になるものかどうか。たとえて申しますれば、ガソリンの代金はどうするのか、これの補修はどうなるのかというような点についてお伺いしたい。以上御答弁をお願いします。
  133. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 昨年やりました沿岸漁業臨時調査、それから緊急畜産センサスは昨年度限りのものでありますから、これは昭和三十四年も三十五年もやらないわけであります。それから臨時畑作調査というのを昨年いたしましたが、これは名の通りの臨時の調査でありまして、来年も再来年もやりません。世界農業センサスは、農家調査は全部都道府県に委託をしまして、統計調査部の職員の調査対象外としております。部落の調査だけは統計調査部の職員で直轄で調査をするつもりでおるのですが、全国で約十六万ほどの部落を調べる予定にしております。それから、いろいろ統計調査事務所の現場の仕事をやっておる人たちが、ただいま清澤委員の御指摘のような感情を持っておることはかなりな個所で事実であろうと思います。ただ私どもは業務を計画をして、従来そのような問題がありましたところはなくするようにしながら仕事を進めていく考えを持っておりますが、その際に一つ問題がありますことは、たとえば、ある水稲の坪刈りをやるという場合にも、Aの県ではたとえば八十の仕事の量でできる、ところが、Bの県では百かかる、Cの県では百十かかるというような違いがあるわけであります。全国一律一体には参りません。そこで、その辺のことをよく実態に即しながら仕事を実行していく。先ほどの機動力を充実するというようなことは、そういうことに関連をして仕事をやりやすくするというねらいを持つわけであります。従来のいろいろありました仕事の実行上の問題を一つ一つ解決をしていくつもりでおります。これはなかなかかけ声だけかけてもいきませんので、具体的に一つ一つこれを解決し、あれを解決するというやり方でいかなければならないと思います。三十四年度についてはそのような仕事を取り進めるという考え方でおります。
  134. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) あれは、ガソリンやなんかは……。
  135. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) オートバイ、自転車は、これは政府の、農林省の予算で買いまして、そして統計調査事務所の出張所にこれを備え付けるということであります。オートバイのガソリンも農林省で買いまして、これの経費を事務所に渡しまして、そこで買い入れて使うと、こういうことにしております。
  136. 清澤俊英

    清澤俊英君 修理費はどうなんですか。
  137. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) これも十分とはいきませんが、農林省の予算に計上をいたしました。これを配付をして、その修理費に充てるということをやって参ります。
  138. 清澤俊英

    清澤俊英君 それから足らなくなる場合もありますですね、そういうことも予想できますね。
  139. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) これは足らないという場合には、足らないという個所もある程度あろうと思いますが、そのような場合には、修理をされないでかなり放置されておる自転車もありますので、その修理費の充実についてはさらに心がけて参りたいと考えております。
  140. 清澤俊英

    清澤俊英君 それはおかしいね。修理費がなくて置いてあると使われぬということなんです。使うなということなんです。そうなりませんか。
  141. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 修理費が不足でなかなか修理に事を欠くというような事例もあるようでありますから、当然修理費を増額をして充実していくという努力をせねばならぬと考えております。
  142. 清澤俊英

    清澤俊英君 それでは使う者には損をかけないで、いつでも使われるように修理費を農林省が持つと、こうお考えになっておる、こういうことなんですね。
  143. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 建前として当然そういう工合に努めていかなければならないと考えております。
  144. 清澤俊英

    清澤俊英君 今の十六万部落ですか、各部落といいますと、非常なへんぴな山の中まで入っていかなければならぬ、こういうことが想像できますが、場合によりますればオートバイもきかないし、バスも行かないし、というような所も相当あって、私は非常に手間がかかるんじゃないか、そういうものを控えておって、増員こそ考えられるが、逆に減員してほんとうにうまくこれはやれるんですか。そういう計算が出ますか。私ども農林省をいじめるわけではありませんが、大蔵省なり農林大臣なりに一つ考え直してもらうためには、そういう無理なことをして、今農業基本調査をやって、農業の壁にぶつかっている、その壁を破ろうとしたり、曲り角に来ておるものを方向をとるために二カ年の予算を立ててここに調査をする、こういう段階において、その基本をなす統計事務にそういう考えでありましたら、私は全く悲観せざるを得ないと思うのです。全農民に対して悲観せざるを得ないと思う。一番基本の大事な人間が何だかわからない数字の方で減っていく。だれが常識的に考えましても、もっとふやさなければならぬと、こういうときに減らしていく。私ども農林省内に五名の事務官の増員で農業基本調査を行われて、大体の仕事は農林省が中心になって行うんだと、こういうふうに基本調査自身については承知しております。そうしてみますれば、それに付帯した臨時の調査だけでも私は大へんなものだと思う、調査に必要なものが。それに対して要員として従事していく必要のあるものを何で減らしていくか。その上、市場調査というようなものも加わっていけば、被買収農地問題の調査等、いろいろ調査を必要とする問題がたくさんある。そこへもってきてすぐ行ってやらなければ、やる基礎条項もないということであったらこれは一体どうしますか。私はあなた方と幾ら言ってもしょうがないから、この次は農林大臣を出して下さい。農林大臣一つこの点についてとことんまで話し合ってみますから。本気になって基本調査をやるのかやらないのかということなんです。巷間伝えられるところによると、基本調査はできないのだから、二カ年ひっぱり出していいかげんで突っ放すんだということであれば大問題です。そうとられても仕方がないのです。だから私どもは決して部長や農林大臣や次官をいじめようとも考えていないし、何もしておらないのだ。どうも割り切れないものがあるから科学的に納得さしてくれと言っておる。納得するには、これだけ減るのだ、減るについてはこれこれの基本調査をやって、これぐらいの人員を見ておって、これだけ減るのだからこれだけだ。今度新しいものをやると対象集落、部落は幾つあるのだ、これに対してはこういうこれだけの事業をやるのだから、これだけの人間が要るのだ。差引バーで、あるいはこれだけ減るのだからと、こういうものをいただかなかったら私どもは納得できない。あらゆる調査が今ここに出てきております。漁業制度調査会だとか、何が出てくるかまだわからぬ。いろいろの調査が出てくるかもしれない。その基本をなす統計調査部長が単に国民年金の新設のために、これも大事かもしれないけれども、その方に皆ごまかされて局面を回してしまう。現在、共済も問題になっておる。願わくばわれわれは村落までおろしてもらいたい。旧村落までおろしてもらいたい。人がないからおろされないと言って、不便をしのんで郡段階でとめている。それが問題になって、いろいろの問題を起しているのだ。せっかくの共済問題などが、共済制度などがやめなければならないというようなものができている。現実の状態において減らすとは私は全く納得できない。納得できないならば、納得させるような科学的のものを出していただきたい。委員長、ただいま私が申しましたやつについて、農林省のそれを出せますか。出していただきたい。三十三年度までの事業でやめたものを、これに対してはこういう単位事業をやって、これだけの人間が今まで使われておったから、これがこうなるから、これで何名。今度は、三十四年度には、これこれ四つのものが大体ふえる。ふえるについては、これは単位農家が幾つ、聚落部落が幾つ、大体平均、これの調査にはどれくらい要るから、これでは相殺どれだけどうというものを一つ出していただきたい。資料を要求します。
  145. 高橋衛

    政府委員高橋衛君) 先ほど来しばしばお答えいたしましておりますように、その統計調査の仕事のみならず、その他の仕事についても同様でございますが、毎年仕事の内容の検討をいたしまして、これが事務の能率化をはかってきておりますし、また、そのために必要な物的施設等についても年々これは充実をはかって参っておるような次第でございます。もちろん、その一つ一つについて、こうごうというようなことはなかなか出て参るものじゃございませんが、しかし、大体の、全体としての仕事のやり方その他の面から考えまして、この程度の振りかえはあっても、統計調査の仕事については遺憾のない基礎資料をつとめることができるというふうに考えましたので、これに対して同意をいたしたような次第でございます。
  146. 清澤俊英

    清澤俊英君 私は資料の要求をしておるのです。出すのか出せないのか、そういうケースのものは……。と申しますることは、人がするのです。これは機械がするわけではありません。末端における働く者ができませんと言っておるのじゃないか。無理だと言っておるじゃないか。あなた方、能率を上げて……できるできると言っておるが、一番働いておる人間は、これではできませんと言っておる。それはどうして解決するのです。その解決方法はありますか。どこかに穴が出るに違いない。労働強化をしていくか、しからずんば非常勤をふやして型なりのものをちょこちょこ固めてしまうか、その二つ以外にないということです。実際問題は、それでいいか悪いかということです。それらの資料を一つ御迷惑でもぜひ部長作ってください。これは作られぬことはないです。単位農家もあればなにもするのですから、今までやってきてある。大体それを予算でやってきたのですから、過去のものをなくして何人、これからするものを何人、単位農家幾つあるからどれだけのものがあるから、どれだけの人がこうするのだ。これは大蔵大臣だろうと、時によりますと総理大臣も来てもらって話してもらわなければならぬ。一体大体、人のできないものをするというのは、これはむちゃな話だ。
  147. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) ただいまの資料要求に対して……。
  148. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) 清澤委員お話はなかなか非常に技術的に難問題でございまして、なかなかつとめていくことが非常に手数がかかると思いますが、いろいろ大局的な仕事の内容、それから改善の方向、それから従来十数年にわたって仕事をやってきております。そういうような諸経験から判断をいたしますと、大体の判断は間違いなくできると考えております。
  149. 清澤俊英

    清澤俊英君 そこなんですよ。諸経験から判断すればできる、こう言われておるが、それは部長さんや本省の机に向っておる人はそれができるかもしれませんが、実際働いている人ができません、もっと人をふやしてもらわなければならぬと言っておる。そこのところはどう片づけるか。だから、それは議論になりますから、われわれとしてはどっちがほんとうか、一つそれを資料でもって、数字をもってある程度まで明らかにしてもらいたい。それからさっきのものは口でもって納得できません。おおむねのところはない、こういう程度なんです。私らは白紙なんです。あなた方は合理化でもってやれるのだ、こう言ったって、やれないというものをしょうがないじゃないか、どうしてくれるか。
  150. 立川宗保

    説明員(立川宗保君) いろいろ仕事の内容が従来と同じで、従来と変えないということではなしに、十分合理的に進めねばならないところは合理的に進めて参りますし、たとえば昭和三十四年度からでありますが、面積調査の標本単位の中から作業調査の標本を麦についてはいたすとか、あるいは農家経済調査におきましては、出張所において農家の日記を毎日書きまして、それを月に集めて、月のまとめを年に直すという過程を合理化する、いろいろなことをやるわけでございます。そのような、それぞれの仕事を直すということでありますので、従来かりにここは非常に大へんであったということが昭和三十四年度にはだいぶ仕事をこなせて、そうして、より重要なといいますか、新しい行政の仕事をやる余裕が、先ほどのセンサスとか、そういう余裕が生まれてくる、こういう工合に実行することに考えておりますので、その辺の諸般の判断からいたしまして大丈夫だということを十分見きわめがつくわけであります。
  151. 清澤俊英

    清澤俊英君 私の言うているのは、その判断でなく、今も聞きますと、またしても妙なものが出てきた。町村にこれだけのものを出させて、日記のようなものを出させて、それでやっていくのだ、そういう統計が何か残るのですね。集計統計が何か残るのだ、それは残っていくのだ、みななくてはならないのだ。そうすると、それができなくなったのだ、そういうふうに町村がやることによってこれが手間が何人ぐらい減る、これでどれくらい減る。残っているものがこれだけいるのだ、こっちでこれだけ減る、今度新しい仕事はこういうこととこういうことで、これだけ人間が要るのだ、こういうものを出してくれ。そうすると、ここで百名要らぬでよろしいというものが弁解なんです。私はそのほかになお、そういった事業分量だけの差引だけでなく、実際上、今まで二一天作の五と手ではじいておって、紙に書いて、そろばんをおいたものを電子計算機でぱっぱっぱっとやったら、こういうようなことでこれだけ減る、これを事務の能率化で減らされると思います。そういうものがあれば、どれぐらい減らされるか。今のオートバイと同じだ。オートバイの問題だ。私は大体、一日事業のうち何時間ぐらい、何キロぐらいを自転車で今まで走っておったが、大体交通量がどれくらいあったか、それでいかなければうそだ。それでいくと初めて何人減るということと、どれぐらい減るということが出るので、オートバイの性能一年間六千キロ、何で割るか知りませんけれども、それでぱたぱたと割りまして、五百八十二日か何か出まして、八十人減らされるというような話では、これはとても私らには納得いかないですよ、そういうそろばんの基礎では。
  152. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 立川部長に申し上げます。今、清澤委員の要求しております資料、これはこまかくやればずいぶん時間がかかるのじゃないかと思いますが、可能な範囲において、できるだけ早く要領のいい資料を整えて御提出を願いたいと思います。できないことまでは要求いたしませんが、できる範囲において一つ御提出をいただくようにお願いいたします。  私からも本件について要望いたしておきますが、各委員がさっきからしばしば述べられました通り、この農林漁業という問題は、最近非常に重要化されまして、農林漁業の基本問題の調査会などを作ってやろうという段階にまで来ておりまして、これらの資料が今は統計を基礎としてやらなければならぬことは申すまでもないことでありますし、従来とかく日本の統計資料というものがずさんであったために、非常な経済上の食い違いを来たしたこともこれは事実であります。従いまして、この事業は非常に重要な事業でありますので、ここに百人を減員をしたというがために、今後この事業にいろいろ支障を来たすようなことがあっては大へんだと思いますが、農林省当局は支障は来たさないということを先ほどから言われております、しかしこれは実際やってみないと、果して支障を来たさないでゆくかどうか確信が持てないわけでありますので、この点は十分注意をされまして、統計がずさんなことにならないように、また仕事の上にいろいろな支障の起らないように万全の注意を払っていただきたい、かように私からも要望しておきます。この問題は、本日はこの程度にいたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後四時十三分散会