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政府委員(
増田盛君)
進捗度のおくれております分に関連しまして、ただいま御指摘があり、いろいろ御
意見があったのでございますが、まことにごもっともでございます。第一次
長期計画は、特にここ数年間の実施にかんがみまして、どうしても第二次計画を作らざるを得ない
段階に来ているわけでございます。一応私
どもといたしましては、第一次
長期計画は三十三年度で一応
実績を締めくくりまして、それから第二次計画を発足させたいと、かように
考えているわけでございます。で、われわれの事務的な案といたしましては、残
事業量の大体六〇%ぐらいというところに目安をおきまして、しかも、特にこの
事業を所掌しておられます
農地局あるいは林野庁とも十分打ち合せまして、特に
畑地灌漑等に関しましては具体的な実施地域、これの実施の条件、これの具体的な見通しと、こういうことももう一度はっきり確かめまして、そうして私が先ほど申し上げましたような事情でおくれることのないようにいたしたいと
考えまして、実は現在案を練っておるわけでございます。
なお、実は先ほど申し上げました点にいろいろ
説明の不十分な点がありますから、補足いたしたいと思うのでありますが、いろいろむずかしい点はございますけれ
ども、私
どものやっております
試験研究なり、あるいは
普及事業という面も新しい
畑作地帯の要望である、こういう
畑地灌漑というところに焦点を合せまして、従来よりもやはりこれをより強力にやっていかなければならぬのじゃないかというように
考えておるわけでございまして、この点に関しましては、二、三年前から
畑地灌漑に対する
試験研究というものを相当大きく取り上げておりまして、国におきましても、あるいは県
段階におきましても、いろいろ未解決の問題をこの際、強力な態勢で解決していくと、こういうことを
考えておるわけであります。一例を申し上げますと、国立に関しましては
御存じの
通り農業研究所が、平塚に農業土木部があるのは御承知の
通りでございまして、ここで基礎的な研究をやっておるわけでございますが、これをさらに地域農業試験場の
段階におきまして、より応用的な面に拡充するため、まず
一つは、関東東山の農事試験場栽培第二部、これに関しまして
畑地灌漑の栽培学的な研究を大きく取り上げつつあるわけであります。それに愛知用水公団等の
事業を
一つの刺激にいたしまして、東海、近畿の農業試験場の栽培第二部が誕生いたしまして、ここにおきまして本格的な
畑地灌漑の試験を実施しておるわけであります。この栽培第二部はほとんど全部が
畑地灌漑に関する
試験研究と言っても過言ではないのでありまして、現在四研究室を持ちまして検査しながら研究していくという態勢でやつております。なお府県におきましても、以前から
畑地灌漑に対する
試験研究はやっておるのでございますが、特に応用研究費によりまして総合的な研究をやっておる。
畑地灌漑に関する研究は土木的なものから栽培経営、あらゆる農学に関する分野がこれに向って総合されなければ十二分な力が発揮できないのでございまして、この面は地域的な問題に関しましては応用研究費によりまして、たとえば長野、愛知、群馬、栃木、山形、鹿児島、こういう試験場、それに愛媛大学あるいは愛知用水公団、こういうものが参加しまして、広範に各種の分野から
畑地灌漑に対する
試験研究を推進しておるわけでございます。従いまして、こういう努力を急速に行いますと同時に、ただいま御
意見のありましたように、こう上に立って
農家が受け入れられる
畑地灌漑というもの、これをはっきりできるだけ下から積み上げた形によりまして、私
ども第二次計画案を作りたいということで、現在検討をしておるわけでございます。いずれこの点に関しましては、当該
審議会に
提出しましていろいろ御
審議を願おうかと、かように存じております。