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政府委員(山崎齊君) まず森林開発公団の概要について簡単に申し上げたいと存じます。
森林開発公団が三十一
年度に
事業を開始いたしまして、三十三
年度末までに二十九億三千万円の
事業費をもちまして熊野川流域及び剣山の周辺地域の幹線林道の開設を実施しておるのであります。
事業資金は余剰
農産物特別会計から十億円、
資金運用部
関係からの
資金十九億円、それで残りの三千万円は、いわゆる受益者負担金の
償還、国からの繰入金等の一部を充当して
事業資金としておるのであります。
事業は、三十三
年度末までに予定の三十一路線、延長二百八十八キロのうちで、延長二十八キロを残しまして、約九〇%
事業を終了するという段階に立ち至っておるのでありまして、この残りの二十八キロにつきましても、三十四
年度の上半期には完成する見込みとなっておるのであります。当初三年間にやると
計画しておりました延長の二百五十五キロに対しまして二百八十八キロ実施するということになったわけであります。
次に、借入金の
償還につきましては、三十三
年度末までに四億五千三百万円を
償還する
計画でありまして、また、国からの繰入金は、三十三
年度の末までに三億三千四百万円の繰り入れが行われる
計画であります。一方、県の負担金は、
事業費の一割でありまして、その額が二億九千三百万円、このうちで三十三
年度末までに、これの
利子といたしまして二千百万円が
償還される
計画でありまして、これは確実に
償還されるものと
考えております。また、受益者の賦課金は
事業費の三八%でありますので、金額にして十一億一千万円余になるのであります。これのうちで、三十三
年度末までに
償還されるものが一億七千三百万円の見込でありまして、これも十二月末までに一億四、五千万円がすでに
償還されておりまして、
年度末までには予定の
通り償還が可能であると
考えておるのであります。
で、この地域の開発につきましては、三十三
年度までを第一期といたしまして、第二期の仕事も
考えるということを当初から予定しておったのであります。三十四
年度の第二期の
事業といたしましては、この両地域で路線数にして七路線、
事業費にして六億円を三十四
年度に実施したいと
考えております。この
事業を実施することによりまして、両地域におきます幹線林道の開設は一応終了する見込みとなっておるのであります。
以上が公団の
事業の概要であります
次に、このたび公団で実施いたそうと
考えております関連林道について、概要を申し上げたいと存じます。
昭和三十三
年度以降に開発を要します未開発林は、国有林、民有林を合せまして七百五十五万町歩、全体の面積に対しまして三一%のものが今後開発を要することになっておるのであります。この開発に必要な林道は約十二万キロと
考えられておるのでありまして、これに対しまして、国有林の林道というものは、国有林野
事業特別会計の経費で開設を行いますし、民有林の林道につきましては、それぞれの路線の持つ性格によりまして国庫補助林道、
融資林道、県単その他の林道というふうな施行方法によって、それぞれやる
計画を立てておるのであります。この民有林の補助林道のうちで、いわゆる幹線林道ともいうべき六割補助あるいは五割補助の林道の数は九百七十路線、延長にいたしまして五千二百キロが残っておるのでありますが、一方、従来国有林と民有林とが相接して所在しております地域を開発するための林道につきましては、路線別にそのつど国有林野
事業特別会計、民有林、それぞれの立場から検討いたし、その調整の上で開設せられてきたのでありますが、この場合、開発の必要は大きく存在しながら、両者の伐採年次のズレとか、あるいはまた民有林林道の受益者の負担能力の
関係等から、この両者が協力してやらなければならないようないわゆる地域の森林の
計画的な開発が行われてないというものが残っておるのであります。で、こういうふうな地域を開発いたしますためには、それぞれの立場、方針で林道を開設するのではなくて、一定の方針で
計画的に開設しまして、かつ、民有林のいわゆる受益者負担というものは、その負担能力の生じた時期に徴収するような
措置を講じなければならぬように思うのであります。そこで、このような
措置によって開設を必要とします林道、すなわち関連林道というものは、路線数にいたしまして四十路線、延長にして三百五十キロと予定をされるのであります。
これについてその内容を簡単に申し上げますと、一路線
当りの
平均で見てみますと、この関連林道におきましては、一路線
当りの
平均延長が八・八キロ、工事費が八千万円余、開発の面積が三千町歩、蓄積は百五十万石というふうになるのでありますが、その他のいわゆる一般の国庫補助の幹線林道の九百数十本の
平均を見ますと、一路線
当りの
平均延長が五・五キロ、工事費が三千万円余、開発面積が九百町歩、蓄積は四十万石というふうになるのでありまして、この関連林道は一般のものと比較しまして、その開発効果が非常に大きいと言えるのでありますが、それでも先ほど申し上げましたような理由から、その開発がおくれておるという現状にあるのであります。そこで、国有林の民有林への協力
事業の
一つとしまして、この関連林道の開設を、昭和三十四
年度から国有林野
事業の経費をもちまして実行したいというふうに
考えた次第であります。この関連林道の開設に
当りましては、この設計から開設工事まで一貫して森林開発公団に委託して実施したいと
考えておりますが、そのために
森林開発公団法の一部
改正をお願いしておる次第であります。
何ゆえに開発公団に委託した方がいいかという点について簡単に申し上げますと、国有林におきましては、昭和三十四
年度から生産力増強
計画が全国的に実施される段階にありまして、国有林の林道開設の
事業規模が前
年度よりも約十億円、三十三
年度は二十四億円でありますが、これが十億円
増加するという予定になっておるのでありまして、この新しい関連林道の大きい工事というものを、現在の人員、機構で実施するというのは困難があるということ、また民有林の補助林道におきましても、三十四
年度の
予算は前
年度に比べまして約一割の
増加の見込みでありますし、かつまた、治山
事業も、
事業量は前
年度に比しまして約一九%
程度の
増加を予定いたしておりまして、県におきましても
事業能力はもうフルな
状態にあると
考えられますので、こういう大規模な林道開設の
事業能力はきわめて不十分な
状態にあるということ。もう一点は、一方、森林開発公団の林道
事業が、先ほど申しましたように、順調に進みまして、三十四
年度をもって一応終了する予定でもありますし、またこの関連林道の規模その他は、やはり今まで公団がやった仕事とほぼ同様の規模のものでありまして、公団の能力及び経験からいたしまして、開発公団の現有機構を利用することが最もいいのではないかという
考え方に立って、この公団に委託して実行さすということを
考えた次第であります。で、関連林道は三十四
年度から三十七
年度までの四カ年
計画で実施する
計画であるのであります。
以上が公団の概況並びに関連林道についての概要であります。