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1959-02-24 第31回国会 参議院 農林水産委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年二月二十四日(火曜日)    午後二時三分開会   —————————————   委員の異動 二月十八日委員田中茂穂辞任につ き、その補欠として伊能繁次郎君を議 長において指名した。 二月十九日委員伊能繁次郎辞任につ き、その補欠として田中茂穂君を議長 において指名した。 本日委員仲原善一辞任につき、その 補欠として小幡治和君を議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     秋山俊一郎君    理事            雨森 常夫君            堀本 宜実君            清澤 俊英君    委員            小幡 治和君            柴野和喜夫君            関根 久藏君            田中 茂穂君            大河原一次君            河合 義一君            戸叶  武君            千田  正君            北條 雋八君   政府委員    農林政務次官  高橋  衛君    農林省蚕糸局長 大澤  融君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○繭糸価格の安定に関する臨時措置法  の一部を改正する法律案(内閣送  付、予備審査) ○日本蚕繭事業団法案内閣送付、予  備審査)   —————————————
  2. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) ただいまから農林水産委員会を開きます。  この際、委員の変更についてお知らせいたします。本日仲原善一君が辞任されまして、その補欠として小幡治和君が選任されました。   —————————————
  3. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び日本蚕繭事業団法案、(いずれも内閣提出予備審査)を一括して議題といたします。  これらの二法案につきましては、去る二月五日の委員会におきまして提案理由説明を聞いたのでありまして、ただいまから予備審査を行うことにいたします。  まず、補足説明を求めます。
  4. 大澤融

    政府委員大澤融君) この前に提案説明をいたしまして、私からさらに補足をいたしますことは特にございませんが、参考に、法案の御審議資料といたしまして、臨時措置法の一部を改正する法律案につきましてはお配りしてございますが、目録をごらんになっていただきますと、法律案と、この前御説明申し上げました提案理由説明法案要綱、それから十五ページ以下に新旧の対照が書いてございます。さらに二十五ページから参照条文、それから蚕繭事業団関係の方でございますが、これも同じように一冊にいたしまして、提案理由説明法案要綱、それから参照条文が書いてございます。それから、さらにもう一つ蚕糸業一般情勢」という横書きの表紙がついておりますが、これは後ほど取りそろえてお配りいたしますが、最近の生糸需給状況、三十三年度に入りましての需給状況、あるいはまた三十三年度の国別輸出状況、あるいは輸出保管会社生糸の買い入れの状況、それから最近の生糸相場、繭の生産状況というようなことを参考資料として書いておきましたが、いずれ後ほどお手元までお届けいたします。  私、補足説明といたしまして、特にいろいろ申し上げることもございませんので、この程度にいたします。
  5. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) それでは、ただいまから審査に入ります。  まず質疑を行います。御質疑のある方は御質疑を願います。
  6. 清澤俊英

    清澤俊英君 この事業団法案の中の第一条に、「適正な繭価水準実現を図ることを目的とする。」、こうなっておりますが、「適正な繭価水準」というものはどういうことになりますのか、それを一つお伺いしたいと思います。
  7. 大澤融

    政府委員大澤融君) 第一条の目的のところにございます「適正な繭価水準実現を図る」ということがこの事業団の大きな目的でございます。そこで、しからば適正水準というのはどういうことかと申しますと、たとえば生糸市場で、目先に非常に弱気状態が支配しているというようなときには、ややもすれば繭価が低目に見られるというようなことがあるわけでございます。そうしたような事情にとらわれないで、最近の長い間の糸価推移等、あるいは需給関係というようなものから見て、至当だといわれるところが適正な水準だ、こういうことでございます。目先弱気市場にとらわれて、不当に安く見るというようなものが、逆にいえば適正水準でない、こういうことでございます。
  8. 清澤俊英

    清澤俊英君 その弱気、強気というものを定めるにしましても、あらかじめ定木がなければ、どれが弱気か、どれが強気かということは私にはわかりかねますので、弱気とはどういうことをさすのか。
  9. 大澤融

    政府委員大澤融君) たとえど去年の年末、繭価協定が行われるようなとき、往々にして弱気材料があったわけです。そこで、適正水準とは、しからばどういうところかということになりますが、これは後ほどいろいろ御審議いただくと思いますけれども審議会の議を経て、専門家が寄りましていろいろ議論をして、ここが最も適正なところだ、こういうことが出てくるのであります。
  10. 清澤俊英

    清澤俊英君 そうすると、いま一つあれしておきますが、大体この適正価格というものは、審議会によって決定せられると、こう簡単に解釈してよろしいんですか。
  11. 大澤融

    政府委員大澤融君) 審議会の議を経て理事長が適正な水準をきめていく、こういうことになろうと思います。
  12. 清澤俊英

    清澤俊英君 ここでこれに関連しまして、この蚕糸白書ですか、蚕糸総合基本対策要綱の関連におきまして二十九万俵に生産を押えて、なお、それを中心としまして一万五千町歩減反措置を講ぜられるという、この基本的な考え方はどこから生まれてきたのか、基本線一つ明らかにしていただきたい。
  13. 大澤融

    政府委員大澤融君) 御承知のように、今回の第二次補正予算、それから来年度の通常予算におきまして、桑園整理をするための補助金を御審議願っておるわけでありますが、今年と来年にわたりまして二万九千町歩、そのうち四千町歩改植でございますから、二万五千町歩桑園整理するという目標を立ててやっておるわけであります。これは基本対策要綱の中にも書いてあったかと思いますが、昨年十九万円の糸価、千四百円の繭価ということの維持をめぐっていろいろ問題があったわけでございますが、結局、あのような高い値段が不自然に保たれているということはできないのでありまして、そこで、価格の引き下げその他が行われたわけでありますが、やや価格が落ちついてきました十月以降、十一月、十二月というころの需要のベースから将来を判断いたしますと、大体二十九万俵という程度のものがあれば、今のような状態が維持されていくのではないかという考えから、二十九万俵を目標にいたしまして、現在の十九万町歩あまりのものから二カ年にわたって二万五千町歩桑園整理する、こういう考えです。
  14. 清澤俊英

    清澤俊英君 この二万五千町歩整理して参りますと、二十九万俵という数量が大体該当した数字というわけですか。
  15. 大澤融

    政府委員大澤融君) 二万五千町歩整理いたしますならば、大体今後二十九万俵程度需要をまかなって、価格も平衡を保っていくであろうという見当であります。
  16. 清澤俊英

    清澤俊英君 そうしますと、大体反収、どれくらいの平均収繭を見込まれて二十九万俵出ておりますか。
  17. 大澤融

    政府委員大澤融君) 三十三年度に桑園の面積が十九万七百町歩ございます。そこで、整理目標といたしましては三十三年度中に一万五千町歩、これを整理するわけです。そこで、来年度しからば反当どのくらい見るか、こういう御質問でございますが、今の肥料のやり工合でありますとか、その他の事情から判断いたしまして、反当六十一・二キログラム、貫目にいたしまして十六貫三百二十匁、この程度のものを来年は見込んでおります。
  18. 清澤俊英

    清澤俊英君 そこで、この糸価安定をやっていくといいますことは、根本的に考えました場合、こうするならば将来において輸出なり、国内消化なりが増大するということをお考えにならないで、今日の繭の何といいますか、適正水準をお定めになる目標は、将来の拡大考えないで、一つの繭の価格の安定だけをお考えになるという建前をとられるとき、十六貫三百二十匁あたりの反収で現在はある。そうしますと、これを将来この形において何貫目ぐらいに伸ばしまして、そうして将来もし価格安定によりまして需要拡大を見込まれる場合には、この基準において、生産収繭量を引き上げるような方法で結論を出していかれると、こういう考え方基本になっているのでありますかね。
  19. 大澤融

    政府委員大澤融君) 来年の反収をどう見るかと、こういうことでございますが、これは私ども見方といたしましては、現在の桑の発育状況とか、それから肥培管理状況、こういうものから見まして、先ほど申し上げましたような数量で見ているわけでございます。将来の問題としては、もちろん発育状況ですとか、肥培管理のやり方というものが変ってくれば、反当収量がさらに上る、あるいは下るということは出てくると思います。
  20. 清澤俊英

    清澤俊英君 ちょっと私の質問がくどくなりつつ、少しおわかりにくかったかと思いますが、一面、今、減反をやり、それから収繭量を二十九万俵に減らされる、そうして安定価格を定められる。この安定価を定めるということは、将来においてこの安定価格を定めることによって、需要拡大を見込んで価格を下げる。これから先やっていけばはっきりする。そこでですね、価格が安定するならば需要増大が出てくる。輸出増大してくるし、国内消費増大してくる。こうなりました場合には、今、制限せられました減反をそのままにして、そうして増大していくということになりますれば、十六貫三百匁ぐらいでありまするならば、二十五貫なり三十貫なりに引き上げることによって、それに間に合うから将来は増反しない、こういう建前において価格安定による需要拡大の場合のことを考えておられるかどうか、こういうことなんです。
  21. 大澤融

    政府委員大澤融君) おっしゃる意味は、供給の側では減反をして、反当収量をこういうふうにして何貫目と見ておるが、それに見合う需要がどうだという御質問かと思います。
  22. 清澤俊英

    清澤俊英君 需要がどうだということじゃないんです。価格安定をするということは、少くとも、言いかえてみまするならば、価格安定をやって、こういうめんどうな処置をとられることは、将来における蚕糸業拡大中心に見ていられるのか、これを動かぬと見ていられるのか、これを縮まると見ていられるのか。この事業団法でなく、蚕糸総合基本対策要綱をお作りになって、蚕糸基本対策を立てられるとき、将来の蚕糸業というものの拡大が見込まれておるのか、あるいはこのままで拡大させないでいくというのか、あるいはもっと減るんだという考え方でおられるのか。その目標はいろいろあるから、目標をどこに置いて考えておられるのか。
  23. 大澤融

    政府委員大澤融君) 一口に言いますと、減反したところでの横ばい状態が続くのではないか、こういう見方です。そこでたとえば、先ほどおっしゃりましたように、こういうふうな減反をして、この生産をしていければ、それに対応する需要としては、たとえば価格の安定した効果により需要増進もあり、あるいはまた、所得の増によっての伸びも多少は見ていくということで均衡がとれていく、こういう見方をしております。
  24. 清澤俊英

    清澤俊英君 そうすると、ある程度価格安定をやることによって増大が見込まれる、従って、その増大に対しましては、桑園からの収繭量増大をもって充てる、こういうお考え基本である、こういうことなんですな。
  25. 大澤融

    政府委員大澤融君) 三十四年、三十五年にわたりまして二万五千町歩整理をいたしますならば、三十五年度において需要として今から見込まれるものをカバーして、大体均衡はとれる、こういう見込みでやっております。
  26. 清澤俊英

    清澤俊英君 それで、次にお伺いしますのは、最近、生糸値段が約十七万円以上に返っておるようでありますが、この価格は正当なものと考えておられるのかどうか、一つその点お伺いしておきたい。
  27. 大澤融

    政府委員大澤融君) 私ども、今の、先般、年末に十四万円という最低価格をきめましたが、そのときやりましたように、需給均衡状態としては大体十六万円ということを考えて、あのような値段をきめたわけであります。そこで、十六万円水準価格が動くということを考えますと、今のよう価格が異常なものであるということは、必ずしも言えないと思います。
  28. 清澤俊英

    清澤俊英君 これは、私どもはこういうふうに考えておるのですが、最近非常に繭不足をしておるから、当然あり得べき現象ではないかと、こう思われますことは、大体三十三年度の産繭量は約三千百万貫あるようであります。そのうち春繭—糸で五百万貫買い上げですね、それから乾繭でやはり五百万貫だと思っておるのですが、約十万俵、夏秋蚕臨時措置で三百万貫買い上げる。そうしますと、これは約千三百万貫ぐらいのものが、三分の一が一応たな上げになる、こういう情勢でありますから、従って、繭不足の取り合い、その他の市場における品不足というようなことで私は異常価格をやはり呈しておるのじゃないかと思うのですが、ちょっとその点が、蚕糸局長のお考え方と違っておりますが、そうじゃないのだというあれがありましたら、いま少し丁寧に教えていただきたい。
  29. 大澤融

    政府委員大澤融君) 今、清澤先生の言われたたな上げ生糸、繭の量でございますが、春繭につきまして百億のワクで約四万七千俵ぐらいの生糸がたな上げになる。それから繭の形では五十億のワクでたな上げをいたしまして、結局、政府の手に参りますのが、生糸に換算いたしまして約一万二千俵。それから繭不足ということも反映いたしまして、夏秋蚕でたな上げになっておりましたものが約二百七十万貫ほどあるのでございますが、これは元に戻って市場に出て、政府の手にはこないということになろうと思ひます。ですから締めて大体五万七、八千ないし六万俵という程度のものがたな上げになっておるわけであります。
  30. 清澤俊英

    清澤俊英君 市場繭不足をしておって、そうして争奪はなはだしいものがある。それで糸の値が出ておるのじゃないかと、こう考えられるが、そうじゃないのですか。
  31. 大澤融

    政府委員大澤融君) 先ほど、最初に御質問がありましたように、弱含み、強含みという御質問がございましたが、こういう場合には強含みということで今のような値が出ておると思います。
  32. 清澤俊英

    清澤俊英君 それで、強含みもよろしいですが、大体三十二年度から引き続きました買い上げの繭が約五万俵、今言われたのが大体六万俵、十一万俵足らずの糸がたな上げになっておりますことが、将来、糸価安定上、何らかの影響を及ぼすことはありませんでしょうか。
  33. 大澤融

    政府委員大澤融君) 確かに今のような膨大な数量政府の蔵に入っておるということで、これをどういうふうに取り扱っていくかということは、まことに慎重を要することでございます。取扱いが悪いというようなことになれば、糸価に悪影響を及ぼすということにもなろうと思ひます。そこで、私どもこれが取扱いはきわめて慎重にやって参りたい、こう考えております。
  34. 清澤俊英

    清澤俊英君 そこでですね、今まで蚕糸業といいますと、輸出振興が第一対策だと、こういうことが考えられておりましたが、当然輸出振興必要性がありますと同時に、総合基本対策におきましては、国内繭もその対象としておられるのであります。現在の需給状況を見ますと、かえって国内需要の糸が多くなっておる、こういうようなことが考えられますとき、両方を推進していくという場合に、どういう区別した処置をとろうとしていられるのか、一つ、いま少し詳しく教えていただきたい。
  35. 大澤融

    政府委員大澤融君) 確かに、生糸は歴史的に見まして外貨獲得日本貿易の中で非常に大きなウエートを占めております。しかし、昔と今とはだいぶ違っておりますが、国外への輸出ということは、今でも力を入れなければならないと思っております。そこで私どもといたしましては、海外における生糸需要促進宣伝ということには、たまたま業界もその機運が熟しまして、宣伝機関を新しく作るというようなことにも相なっておりますので、予算補助といたしましても、補助金の増額をいたして、政府もこれに対処していくということをやっております。そこで、国内との関係でありますが、輸出に力を入れると同時に、今日のように国内需要というものは非常に伸びてきておる、これを無視してはならないと思います。また、国内に大いに生糸需要受け入れ態勢があるということが、これまた海外に対して貿易を伸ばすという固い基礎にもなると思います。そこで、両者相待って貿易も伸ばし、国内需要も伸びる、そこで生糸も栄えるということになると思いますので、両々相待った手を打っていかなければならない、こう考えております。
  36. 清澤俊英

    清澤俊英君 その点はわかります。手を打たれるということはよくわかりますが、どういうような区別があるか。一口にいえばどういう区別がつけられるか。何らかの区別がつくのかどうか。ただ輸出生糸をどんどん作っていけば、それのうちから国内に使うものもどんどんふやす、こういう行き方なのか。国内糸としては、輸出までの精巧の糸でなくても、そのあとの下の、程度の落ちたものでやっていくというような方針でいかれるのか。一口にいいますれば、自動器械等で精密な輸出生糸を作っていかれる半面、座繰器等によって、少し粗雑ではあるけれども品質のよい、より安い糸を作って増大していくという基本方針を持っておられるのかどうか、こういうことです。
  37. 大澤融

    政府委員大澤融君) 結局、どういう生糸を作るか、どういう繭を作るか、どういう蚕種を作るか、こういうことになろうと思います。そこで私どもといたしましては、需要の面から、どういう生糸、どういう繭、どういう蚕種を作ったらよいかということで、需要の面がよく蚕種にまで反映してくるということをきわめるために、昨年から絹繊維類試験所というようなものを作りまして、蚕糸試験場でも研究しておりますし、それから通産省と一緒になりまして横浜の繊維試験所、これで、むしろ製品面からもそういう研究をしていくということで、今のようなことにこたえて参りたい、こう考えております。
  38. 清澤俊英

    清澤俊英君 その次に、この輸出と並びまして、織物が非常に力強く輸出が伸展をしておりますので、従って、織物となりますと、農林省の手を離れて通産省関係になると思いますが、こういう点で今どんな手を打っておられますか。
  39. 大澤融

    政府委員大澤融君) 今、申し上げましたように、織物原糸との、あるいは蚕種との関係ということも、従来あるいは手の抜けておったところかと思うのであります。そこで、昨年来通産省の方ともよく連絡をとりまして、繊維試験所蚕糸試験場と、片方は原料の方から、片方製品の方からということでの研究を協調しながら進めていく、蚕糸試験場の方におきましては、そのための施設等について、本年度、私、今記憶しておりませんが、予算的措置も講じております。
  40. 清澤俊英

    清澤俊英君 その次にお伺いしたいことは、中共の繭が競争対象として非常に強敵として現われたのでありますが、これに対する根本対策基本対策要綱となり、同時に、安定水準適正価格ということになるのですか。
  41. 大澤融

    政府委員大澤融君) 中共との糸の競争の問題でありますが、御承知のように、ヨーロッパには中共の糸が非常に流れているということです。日本のあれがだんだん悪くなっているということは事実でございます。しかし、これを根本的に考えまして、どういう面で競争するかということになりますと、結局、生産費の安い生糸品質のいいものを安く生産して競争するということでございます。そういう意味で、私ども対策要綱の中でも述べておりますように、よい生糸を、また、需要にマッチした生糸を、コストを引き下げるということで対抗したいと考えております。
  42. 清澤俊英

    清澤俊英君 それが、そういった観点を全部総合して適正水準価格を定めるという、その価格の中にはその点も見込まれておるのでありますか、こうお伺いしておるのです。
  43. 大澤融

    政府委員大澤融君) 御質問意味がよくわからないのですが……。
  44. 清澤俊英

    清澤俊英君 私もちょっと要領を得ない聞き方をしておりますけれども適正価格を、「適正な繭価水準実現を図る」という、その適正価格には当然そういった中共との糸の対抗価格が含まれるのかどうか、こういうことです。たとえば糸価がかりに十六万円にきまって、繭が千四百円にきまったといたしますならば、その千四百円の十六万円という糸価が維持できれば中共相当競争ができる、こういうふうになるのか、こういうことです。
  45. 大澤融

    政府委員大澤融君) それは需要供給その他いろいろな事情から、先ほど申し上げましたように、審議会専門家の方々の議を経て、この値段をきめるわけでありまして、具体的には、中共の糸がどのくらいしているかということと関係はないと思いますが、今申し上げましたように、生産コストを大いに引き下げていくということになりますれば、こういう適正な繭価水準あるいは糸価が形成された場合に、それで中共の糸とも対抗ができるということになるのじゃないかと思います。
  46. 清澤俊英

    清澤俊英君 ちょっとそこが私はわからないのですが、あとで調べてまたお伺いをいたします。  そこで、こうやって繭価水準を定められる場合、非常にこれは繭の方に比重が強くかかって参ると思いますが、われわれが見まするところ、現在の製糸業自体様子等を見ますと、これは操短をやりましたり、あるいはかまを整理したり、いろいろ努力はしておりますが、また、養蚕家減反をやり、価格を、農林省の統計によりますれば、千四百円も千六百円以上もかかります生産費を割った価格に甘んじた基本要綱によって、それに沿うべく努力しておる、こういう場合に製糸業界が、この状態に対してほんとうに蚕糸業一体立場から見ますと、まだ自覚が私は足らないのじゃないか。もっと自覚がありますれば、製糸業自身を整備統制して、健全な事業体系に持っていくということが行われなければならない。そういうことに対しては自主的な動きもないし、農林省の指導もその点は非常に足らない、遠慮しておる点が非常に多いのじゃないか。ことに流通過程におきます清算取引所の問題、あるいは生糸問屋業者輸出業者ですか、問屋業者等があったりして、非常に複雑な段階をもって外国貿易が行われる、その一番の強敵と見られる中共におきましては、御承知通り、これは共産圏貿易として、国がこれを取り扱っておる。大体一本の口でもって物を扱っておる、こういうことに対して、製糸段階から輸出段階に至る間におきまする野放し状態は、これは私は許される問題ではないじゃないか、こう思われます。同時に、そういう状態であって、それがたまたま思惑によったりいたしまして、弱気が出たり、強気が出たり、そうしてそのしわ寄せを全部農民に転嫁せられる、農民はいつの日か安定したる糸価の上に立って生産を続けられるのか見当がつかない、今のままだと私はそういうことを考えます。その最も端的な例は、製糸家がもうけておるかどうか知りませんが、われわれから見ますれば、昨年度の、三十三年度の夏秋蚕が終末を告げる際には、乾繭処理の三百万の方法とか、いろいろなことをいわれましたが、大体においてそれらは大した効果もなく、千円から千百円の間で繭が手放された。今日ではそれが十七万円という糸価で売られている。千円繭でありますれば、大体十四万円の糸価ということが対象になっておるわけでありますが、こういった利益が実際あったかないかは別として、そろばんとして、われわれが尋常科のそろばんとして見られるところによりますれば、価格の安い繭を買って、そうして今日の相場でこれを売っておりますから、非常なもうけが転ってくることは自明の事実です。こういうことが果して私は蚕糸業一体というわれわれの考え方立場に立って正しいかどうか、こういうことに非常に疑いを持つものでありまして、この点について、蚕糸局長はどうお考えになるか、私は、できまするならば、農林大臣からこの点に対してははっきりした御見解をお伺いしたいのですが、まず局長からお伺いしたい。
  47. 大澤融

    政府委員大澤融君) 非常に重要な点の御指摘だと思います。ただ、たとえば貿易の問題にいたしましても、中共が窓口を一本にしておりますので、これに対抗するためには、日本もすぐしなければならぬということには必ずしもいろいろ研究した上で参らぬと思います。問屋にいたしましても、輸出業者にいたしましても、それぞれ分業で存在の理由が現実にはあるものと思われます。しかしながら、これらについてほんとうに理想的な格好はどうなんだというようなことは、私ども蚕糸総合基本対策でも取り上げて、振興審議会中心にしていろいろ練っていただきたい問題の一つ考えております。また、繭を低く売って高い値段に糸をしているが、もうけているかどうかわからぬけれども、そういう状態になっているというようなことは必ずしも望ましい状態ではないと思います。そこで、今御審議願っておりますような、日本蚕繭事業団というようなものが生まれてきました一つの理由がそこにあると思います。私どもそういう考えでやっております。
  48. 大河原一次

    大河原一次君 農林次官に一言お尋ね申し上げたいのですが、さきの国会におきましても、繭糸価格の安定に関する臨時措置法が出され、今回再び臨時措置法の一部改正の問題が出されておるのでありまするが、こういう法案政府当局において考えておられるのは、私は、何かその場限りの、場当り的な考え方が盛られておるように推察できるのでありますが、この内容を見てみましても、将来に対して一体どういう考え方を持っているのか、抜本的な解決策というものを一応頭に置かれた上でこういう法律案が出されているのかどうか。もし抜本的な解決が考えられておるならば、将来に対するところの解決策を一応披瀝してもらいたい、これがまず一点であります。  それから先ほど清澤委員が申し述べられた点でありまするが、需給のバランスを考慮しながら価格を一定の方向にきめる、どちらかといえば、引き下げを行なって需給のバランスをこれによってはかるべきだという考え方でありますが、もしこの場合、価格を引き下げた方向にくぎづけすることによって生産の増強をはかり、あるいはまた消費の増大をはかるというようなことでありまするが、これはややもすると悪循環になる危険があるのではなかろうかと考えております。同時に一面には、こういうことによって、たとえば生産農家、養蚕農家におきましては、たとえば二割の桑園整理が行われていった場合には、結局、価格が下れば下っただけ生産増強の面において、これをカバーしなければならぬという考え方が当然生まれてくる。いわゆる蚕種の掃き立て制限という問題でありますが、掃き立て制限という問題は、どの程度までただいま実行ができるかという点までからんでくるのではないかと思うのですが、この点も具体的に御説明願いたい。
  49. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) ただいま御質問のように、蚕糸価格に対するところの将来見通しをつけた抜本的な対策がいかにもないように思われる、その場限りの措置がとられてきたように思われるという御見解でございますが、この点については、昨年からたびたび政府側の見解を申しました通り春繭に対する対策を立てます際におきましては、なお国際的な繊維事情の動向というものが十分に予知できなかったという点が、ございましたし、また同時に、国内的に見ますると、化繊についてはそれぞれ操短の措置をとっておったような次第でございます。従って、繊維全体として、あるいは十九万円という最低価格の保持をすることによって、生糸需要は何とか、この状態において需給の安定が得られるのじゃなかろうかというような見地から、一応、昨年当初におきましては、そういうふうな措置をとって参ったのでございますが、しかし結果的に見ますれば、これは生糸のごとき国際商品におきまして、しかも、一方において化繊、ナイロンその他の操短は行いましたけれども、しかし、やはり需要そのものはさらに減退いたしております。たとえば前年に対して六割程度需要しかなかったというふうな事実から見まして、繊維全体が断層的な需要の減退を来たしたというふうな事情もございましたために、生糸もそれに引きずられざるを得なかったというふうな事柄からいたしまして需給の安定を欠きまして、結局、市況が非常に弱くなってきた、そういうふうな観点から、全面的にこれらの状況を検討いたしまして、そうして生糸価格を安定状態に持っていくためには、どうしても最低価格を十四万円程度に下げなければならないであろうというふうな観点から、ああいうふうな措置をいたしたような次第でございますが、しからば、今後それでもって完全に安定していけるのかどうか、また、こういうふうな事業団のような施策によって、十分にその目的を達し得るかどうかという問題についてのただいまの御質問でございますが、それらの点については、抜本的な措置といたしましては、蚕糸業振興審議会において、十分に各方面の権威者の方々に御検討願いまして、そうしてこれが対策を立てていきたい、こういうふうに考えておる次第でございまして、とりあえずは昭和三十四—三十五年度におけるところの措置としてこれが最善の措置であろうかと考えて提案をいたしておる次第でございます。  なお、もう一つの御質問の趣旨は何でしたかね。
  50. 大河原一次

    大河原一次君 結局、二割の操業の制限、掃き立て制限の場合、実際においてほんとうに掃き立て制限の実績が得られるかどうかということです。結局は価格が下れば、農家の方はやはり価格が下った面は生産の増強によってこれをカバーしようという、そういう考え方が出てくると私は思うのです。その場合、果して二割の桑園整理であるとか、掃き立て制限というものがどれだけ可能であるかということが疑問であろうと思います。結局、悪循環になったのでは何にもならぬだろうという考え方です。
  51. 大澤融

    政府委員大澤融君) 私からお答えいたします。先生の言われるのは、桑園整理のことと思われますが、先ほど清澤委員の御質問にありましたように、二万五千町歩、三十三年、四年二カ年にわたってやる。その進行状態を見ますと、本年度中に大体一万五千町歩ということを目標にいたしておりますが、一月末の県からの報告によりますと、大体その程度のものの整理が済んだように聞いております。整理ができるのかどうかという御心配と思いますが、進行状況はそのようになっております。
  52. 戸叶武

    戸叶武君 今の質問にも関連がありますけれども桑園整理という政府の要請があるが、末端の全養連の会合なんかに出ると、実は私、驚いたのですが、やはり逆のことを言っておる。桑園なんか整理すべきではないと言っておるが、そういうことを取り上げることは問題じゃありませんけれども、今の質問にもまだ十分答えがないようですが、そういう整理を形式上やったとしても、お百姓は金がほしいんですから、結局、増産意欲を持っているわけです。そうすると、桑園整理という形によってだけで増産を食いとめることはできないのではないか。それに対してどういう考えを持っておるのかという質問の要旨だと思います。これは私は、繭の関係桑園ばかりでなく、今のタバコにおいても政府は作付制限をやっている。作付制限をやって、それによってタバコの減反を試みておるんですが、事実上百姓は増産しているんです。増産意欲を押えるつもりかどうか知りませんが、このごろは品質が落ちたという名のもとに価格をたたいているんです。この三、四年間における農家収入の減退というものを考慮すべきであって、この公社の暴利に対してタバコ耕作者は非常に憤激しておるんですが、このタバコにおけるところの矛盾のようなものが、やはり桑園整理の問題にも当然私は起きてくるかと思うのですが、そういうことに対して政府はどういうふうに対処をしていくか、そういうことをもっと明確にしてもらいたい。ただ、政府はこういうふうに桑園だけ整理をすれば、それによって整理された分だけ、ずっと生産が落ちてくるというような形式的な考えだけでは、農民生産意欲というものは押えることはできないんじゃないかと思いますが、それにそういう具体的例はございませんが、タバコにおいてはそういう例が如実にでてきて、その矛盾というものがいろいろな問題を惹起しておるんだから、タバコとは違うけれども、そういう問題はやはりどうしていくか。
  53. 大澤融

    政府委員大澤融君) タバコの例を引いての御質問でございますが、私どもの扱っている桑園整理については、現実に桑を抜いて整理をしてしまったという面積が、蚕が飼えないということになっているものが、一月末で大体一万五千町歩、実績が出ておるわけでございます。ですから、これだけは少くとも減産になるということが考えられます。
  54. 戸叶武

    戸叶武君 これはアメリカでも二割の作付制限をやって小麦の問題で悩んでいるのですが、農民というものは、どこの国でも作付制限されてもいろいろ工夫して肥料をたくさん使うとか、あるいはもっと土壌改良をするとかいう増産の意欲は衰えないんです。それがソイル・バンクの問題でも一つの難点になっているんです。お役所仕事とすれば、これだけ桑を抜いちゃったから、生産はそれだけぐっと減るんだという単純な考え方では生きた農政はつかめないというんです。タバコの問題についても、そういう矛盾が出ているから、タバコと桑とは問題が違うだろうけれども、桑の問題は当然繭に関連して起きるであろう、そういうことに対してはどういうふうに考えているか。お役所の仕事というものは、一万五千町歩なら一万五千町歩を押えた、それだからもう繭はそれだけ従って減るという、この形式的な考え方だけで農政を進めているんだが、そういうやり方は、どこの国でも破綻しているんだから、その問題について、目下考えがあるかないか、それを聞いているんです。
  55. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) ただいまのタバコの例をお引きになって、また米国によるところの作付制限の例をお引きになっての御質疑でございますが、その点は私どもも十分心に置いて考えておる次第でございますが、少くとも桑の木を引っこ抜いた場合におきましては、一年、二年の間には、それほどそれを十分にカバーする程度の増産を来たすということはまず考え得られないのじゃなかろうかという考え方のもとに、また従って、それから後においてそういうふうな事態が当然起ってくるであろうということも、需給の状況または農家経営の他の作物との関係状況等から考えまして、そういうふうな事態もあるいは起り得る場合もあるかと思いますが、そういう点については、先ほど大河原委員の御質疑のありました、つまり恒久的な対策といたしましては、蚕糸業振興審議会におきまして十分議を練って、そしてそれが対策を確立いたしたい、かように考えておる次第でございます。
  56. 千田正

    ○千田正君 私は、さっきから各委員からその問題についてお尋ねしておるので、大体の政府の御見解はわかりますけれども、おそらく減反をあなた方がかりに勧めても、農家のいわゆる換金としての副業、養鶏であるとか、養蚕であるとか、タバコであるとか、これは農業としては何かの、水田やあるいは畑作の米麦というような主要作物以外の何らかの換金作物を得なければ、農家経営はやっていけないのが現在の日本の農業の実態なんです。それで養蚕の方はある程度減反することによって何とか考える、こういうだけでは私はとうてい、将来しからば減反したら養蚕する方のあれが減るか、おそらく私はそう簡単には減らないと思うのですよ。それにはやはりこれと並行して、減反した場合における養蚕のかわりに換金すべきところの作物の指導、こういうものが農林省から並行して打ち出されない限りは、なかなかこの問題は解決できないのじゃないか。あなた方は、繭の値段が安くなって生糸値段が安くなったから、お前たちは苦しくなったから桑の木を植えるのをやめろと、こう言ってみても、しからば、それにかわるところの換金作物は何があるか。何か有利に農家のいわゆる現金収入になるものがあるか、そういう面の指導がまだほんとうの本腰を入れて出てきてないじゃないですか。そういうものがあるならば、この際提示していただきたい。そういうもののない限りは、一応一万五千町歩ぐらい減反したから繭の生産もその程度が減るだろうというふうな簡単な考え法案を通すということは、われわれはそう簡単にこの問題は解決できないのじゃないか、こう思いますが、次官並びに当局から御説明願いたいと思います。
  57. 大澤融

    政府委員大澤融君) この前も千田先生から御質問になった非常に重要な点だと思います。そこで、桑園整理をいたしましたあと、一体どういう作物を植えて、どういう営農をしていくかということは非常に大事な点だと思います。そこで私どもといたしましては、整理した跡については、元来、桑園整理は養蚕農協が中心になって実施するわけでございますけれども、そうしたことも考えまして、県のたとえば改良課でございますとか、あるいは畜産課でございますとか、そういう課と、あるいは市町村のそれぞれの機関、また改良普及員というようなものと連絡をとって、よく跡作の指導はしてくれ、こういうことを私どもも望んでおり、また、そういう指導をしておるわけです。そこで、跡作ですが、この前もお話が出たときにお答えいたしまして、それぞれ適地適作というようなことで、県によっていろいろ違いはございますが、まあ、さしあたり抜いて麦を植えておこう、こういうことで麦を植えておる所もございます。しかし、たとえば一例を申し上げますと、桑園整理いたします場合に、一つ方法として、一列隔畦抜株と申しまして、一列置きに抜く。そしてそこによその作物を植えてもらうということも一つの指導であります。と申しますのは、蚕を飼っている養蚕農家というものの中に、乳牛が入っております農家が約十万戸近くございます。そこに十二万頭近くの乳牛が入っております。そして先生御存じのように、自給飼料の飼料自給度を高めるということを、これは畜産の面で非常に大事なことでございますが、現在三割というような自給度と聞いておりますが、これを七、八割に上げていくということが大切なことで、そこで、こういう乳牛を飼っているような農家におきましては、一列隔畦抜株をして飼料作特を入れていく指導というようなことをやっているのであります。そのほか畜産との関連で、特に畜産局の方を桑園整理したあとに綿羊の導入についての補助をする予算を特別にとって指導していく。その他園芸作物の優良飼料の導入については、改良資金の世話をするとか、それぞれ蚕糸局のワクの中だけでなく、農林省全体としていろいろバック・アップをしていただき、末端におきましても、先ほど言いましたようなことで指導して参る、こういうことでございます。
  58. 千田正

    ○千田正君 それは理想としてはまことにけっこうなんですが、養蚕というのは、あなた方御承知通り、早くいえば、農家の女房たちのへそくり金の根源なんだから、そうすぐやめろといったって、それなら来年から細君のへそくりもなにも、子供のためのあるいはくつ代も出てこない。なるほど、酪農計画の中から草地改良に転換する、草地の増加を考えろ、こうおっしゃられても、そういうことに対する一つの裏づけがある程度はっきり打ち出されてこないと、なかなか農家自体養蚕に一生懸命やっておった女房の諸君が本気になってこれにかかるというには相当の年月がかかる。あるいはこれが果樹に転換して果樹栽培というようなことにしましても、柑橘類の栽培にしても、あいはリンゴその他の栽培にしましても、現在の農林省状況を見ると、果樹栽培なんか、この間も農林大臣に私が質問したのでございますが、海外に相当輸出品が出ているにかかわらず、果樹園芸に関する面においては、農林省では一向に力を入れていない。そういうようなことで、他面には相当強力な線を引いて養蚕の恒久対策を講じなければならないのだが、その曙光だにもわれわれは見出せない。そういう点、ただいまの御説明通りだとするならば、しからば、どういう面にそういう新たなる予算を組んでおられるのか、示していただきたい。
  59. 大澤融

    政府委員大澤融君) 先ほど申し上げましたうちで、綿羊の導入の補助、これは三十四年度実施の中小農家向けの家畜預託事業の一つでございますが、約四千五百万円という新しい予算を畜産局で組んでおります。それから園芸作物優良飼料導入あるいは茶の木の優良種苗導入、これもそれぞれ改良資金で従来なかったものを、前者約千九百万円、後者は約八百万円、さらに酪農経営安定対策ということで、国有家畜貸付対象外の農家に対しての飼料作物の栽培に必要な種子代、肥料代、こういうものについての改良費、これも新規でございますが、約六千七百万円というようなことでやっております。全部が全部桑園整理あとにいくことではございませんけれども、そういうものでございます。
  60. 戸叶武

    戸叶武君 この桑園の転換ということは、ほかの作物の転換よりは私は深刻だと思うのです。今、私の国では、麻と桑の問題が見通しがつかなくなったので、心ならずも減反しなければならない。それに、転換する場合においては、千田さんが言われたような換金作物としての安定作物を求めておるのです。そういうことに対して、政府は今言っているような考え方では、農民に対して直接満足を与えられないのじゃないかと思うのです。農林大臣の説明においても、三十四年度は桑園転換に伴う営農改善に資することを考慮して綿羊の導入の強化をはかるということのみを強調しておったようでありますが、今言われたように綿羊その他に対しても四千五百万円程度でどれだけのことができるか。これは、山間部等においては、中農以下の人たちが乳牛に飛びつくことよりも、今のように乳価がたたかれているような場合ですから、この小家畜としての綿羊に対する意欲は非常に強いのでありますが、山間部以外においては、綿羊というものの普及というものには私は限界があるのではないかと思うのでありまして、そういう画一的な方針によってではこの桑園転換というものに対する回答にはならないのじゃないかと思うのであります。それで換金作物として今浮かび上っているたとえばビート糖のような問題でも、暖地栽培が成功しておるのです。イギリスでも成功して自給が成り立っているし、イタリーじゃ一昨年から輸出に回っておりますし、日本でも岡山県等においては、四、五県でもって過去三、四年の実験というものは成果を上げているのです。今、タバコも作付制限する、桑も抜け、麻も見通しがつかないというようなとぎに、もっと政府自身がこの斜陽産業に従事しているところの農家の転換に対して、もっと不安感を与えないような私は指導というものがされなくちゃならないのじゃないかと思うのです。茶の木を植えるなんぞということは、簡単に考えておりますが、茶からの収入を得るまでには相当の期間というものも必要なのです。その趣旨は一つも悪くないけれども、当面の転換を余儀なく迫られている農家に対するところの即効薬としては役に立たないのじゃないかと思うのです。たとえば、ビート糖のようなものでもそうかもしれませんが、しかし、果樹栽培から見ればもっと早くこれはできるのです。また、試作段階においては、どこでも、フランスにおいてもイギリスにおいてもイタリーにおいても、国家が保護政策を行なっているのです。タバコなんか以上に砂糖の専売というものは急務なのであって、これらの国々においても、国家が惜しみなき保護政策をもって砂糖自給の態勢としてビート糖のためにテンサイの栽培ということをやっているのですが、日本では製糖会社の圧力に抗しかねて、政府というものが何らこういうことに対して、食糧自給の線からの砂糖問題とも取り組まないし、こういう換金作物の安定作物を求めている農民に対しても、それにこたえることをしていないのですが、蚕糸局なりなんなりは、そういうことには直接関係がないと思うかもしれませんが、蚕糸問題に伴うところの大きな桑園転換というものは、日本農業にとってはきわめて重要なので、一蚕糸局あたりのセクショナルな考え方でもって対処すべき問題ではないのです。もっと農林省全体がこういう問題と直剣に取り組まなければならないのですが、私はきょうは農林大臣にお聞きしたいと思ったのですが、農林大臣の施策の中において非常に簡単に取り扱われているが、これに対してはどういう考え方を持っているか、政務次官並びに蚕糸局長から承わりたい。
  61. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) ただいま御指摘の通り、桑を引き抜いたあとの安定した換金作物をいかに持ってくるかという問題については、先ほど来、蚕糸局長から御説明いたしました次第でございますが、ただいま御指摘のテンサイ糖について政府はもっと力を入れるべきじゃないかという点につきましては、政府といたしましても、全く御意見の通り考えのもとに、本国会に日本てん菜振興会法案並びに臨時てん菜糖製造業者納付金法案の二つを提案いたしまして御審議を願うことにいたしておるのでございます。この両法案によりまして、テンサイの新品種の育成並びに耕種方法の改善に画期的な力を入れまして、そうしてただいま御指摘の通り、たとえば、ヨーロッパの諸国におきましては、フランスにおきましてもイタリアにおいても西ドイツにおいても、テンサイ糖によって砂糖の自給をやっているというような点から、また、そのための相当な助成をやっているという点を考えあわせまして、政府といたしましても、そういうふうな点に大きく一歩を踏み出したいと考えておるのでございます。ただ、ただいままでのいろいろ試験研究段階におきますると、たとえば東北におけるところの青森県並びに岩手県の盛岡以北の太平洋岸等におきましては、大体試作の結果が安定した成績を見せておりますので、その地方については来年度から試作を奨励することにいたしまして、その試作に対しては、ある程度の運賃の補助を、つまり、北海道の工場に製品を運ぶための運賃の補助を計上いたすことにいたしておりまするが、その他の地域については、まだ試験研究段階でございまして、具体的に補助奨励をする段階に至っておりません。しかしながら、これらの点につきましても、ただいま申し上げました日本てん菜振興会の活動と相待ち、また、各府県等においてしておられるところの試験研究の成果によりまして漸次積極的に進めていきたいと、こういうふうに考えている次第でございます。そうして、特にそれが桑園転換のあとの換金作物として、またはそれが畜産と結びついて、農業経営の改善と申しまするか、農家収入の増大に大きく寄与することを私どもは期待をいたしている次第でございます。
  62. 戸叶武

    戸叶武君 この養蚕関係は、政府でも認めているようにすでに斜陽産業です。かつては輸出貿易の首位を占めた時代もあったというが、そういうことは夢物語でありまして、今日では、たしか米の農家収入四九%、あるいは酪農の一二%に対して、五%程度に落ちておると思うのです。しかも、養蚕農家というものが行き詰まった壁にぶつかりながら転換に対して苦悩している姿というものは、これは政府そのものがこの転換に対して明確な方向づけをやっていないところの農政の貧困から来ておるのでございますけれども、こういう換金作物といいますか、農家における収入源としては非常に重要な位置を占めているところの養蚕業者に対して、すぐ金が入るようなものに結びついて考えなければいけないので、私の県等におきましては、換金作物としてはすぐ果樹に飛びついて果樹栽培をやっておりまするが、それだって相当の年月というものを経過しなければ、農家収入の方へは響いてこないのです。そういうものに対して政府の補助というものはきわめて不徹底なので、私はただ機械的なこうこうこれこれのことをやっている、こうやっているというような言いわけ的なやり方でなくて、この転換に際して、たとえば綿羊だ、お茶だなどという形でお茶を濁さないで、そうして果樹栽培なら果樹栽培に持っていくためには、これだけの融資をやるというようなもっと具体的な資金の裏づけをやらなければ、農家自体が立ちいかないと思うのですけれども、この問題に対してどういうふうに具体的の処置を行うつもりでいるか。  もう一つは、私、養蚕はあくまでも斜陽産業であって見通しというものはないのです。私は長い間、中国にもおりましたので、中国における蚕糸業の実態も知っておりますが、日本が占領政策を行なったときにおいては、生産が伸びないような押え方をやっていたのが事実です。私は、中共における今後の産業建設の中において、日本においてもイタリアにおいても競争できないような養蚕の伸びがあると思うのです。化繊に押されるばかりでなく、中共におけるところのダンピングがイタリアを通じて行われているとかなんとか言われたけれども、私はコストの面において太刀打ちができない、競争ができない段階は来ると思うのです。これはいやでもおうでも認めなければならないし、化繊に押される面と中共との価格競争に耐えられない。ただ単なる品種の改良によって増産し、コストを下げるなどという弥縫策では私は対処できないようなあらしの中に直面しているのじゃないかと思うのですが、政府考え方はそういう面には少し甘いと思うのですが、この二点に対する御答弁を願います。
  63. 大澤融

    政府委員大澤融君) 最初の跡作の問題でございますが、先ほど来申し上げておりますように、この問題は、ほんとうに蚕糸局のワクの中だけでは片づかない問題でございます。そこで、果樹を例におあげになられましたが、果樹に対しましては、従来は改良資金で取り扱っておりませんでしたのを、今回からは、先ほど申し上げたような、果樹の苗木についての融資を取り上げる、こういうことに特になっておるわけでございます。  それから中共との関係でございますが、お説のように、ああいう国でございますから、今後、蚕糸業についてもどういう進み方をするかということは注目をしていかなければならないと思うのでありますが、これに対する対抗策としては、先ほど清澤委員からのお話がございましたように、貿易の機構の問題というようなことも一つ研究問題でございましょうし、先ほど来私が申し上げていますように、品質のよいしかもそれが安くできるということが、競争をする上については第一番にやらなければならないと、こういうふうに私ども考えておるのです。
  64. 清澤俊英

    清澤俊英君 先ほど桑園の現在整理が一万五千町歩だと、こういうお話でしたが、これは大体県別にしますとどういうことになりますですか。大体主要県で相当な優良な桑園を持っておってそれが青田になるとかというような、桑園としても有力な桑園が転換せられたのじゃないかと、こう思いますので、わかりましたら、主要転換県と、大体どれくらいの集団的の大きさのものが転換せられたのかというような概略を一つ説明願いたいと思います。
  65. 大澤融

    政府委員大澤融君) たとえば……。
  66. 清澤俊英

    清澤俊英君 たとえばでない、県別で一つ具体的に……。
  67. 大澤融

    政府委員大澤融君) それでは県別の表を、一月末現在のものを後ほど差し上げてもいいと思います。
  68. 清澤俊英

    清澤俊英君 それでは、それは資料でお願いいたします。その資料の作り方は、集団的のものであったならば集団的にして、何に転換したのか。いわゆる瘠地養蚕をやっております、わずか三畝とか、よくよくで一反ぐらいのものが一万五千町歩、わずかの手間によって整理ができたということは考えられませんので、従って、相当大量の桑園地帯が改良せられておると思いますので、その点を一つできるだけ明確にして資料をちょうだいしたいと思います。
  69. 大澤融

    政府委員大澤融君) それでは一月末までの整理の面積の県別の表と、それから後段言われたものは、県別はなかなかむずかしいので、例示として一つ差し上げることにいたします。
  70. 清澤俊英

    清澤俊英君 それでは資料でお願いいたします。  その次にお伺いしますのは、事業団法と非常に関係が深いと思いますのでお伺いしますが、先ほど明らかになりましたのは、春繭において予算措置がとられましたものが五万俵、大体五百万貫だということになっております。ただいまの御説明によりますと約一万二千俵、こういう数字が出ておりますが、この一万二千俵、百二十万貫の乾繭はどういう方法乾繭せられておったのかということと、いま一つは、先ほどこれも明らかになりましたが、夏秋蚕に対しまする乾繭三百万貫に対しましては、これはほとんどない、こういう御説明であったのですが、これはほとんどないのですか。たしか、こちらで養連の梶原君からお伺いしましたときは、全体を乾繭したことになっております。夏秋蚕の全蚕繭を一応乾繭したことになっておりますが、そのうち三百万貫の、閣議決定かの措置によったものが二百七十六万貫、これの乾繭を完了した、こういうお話であった。それが全然ないということは、これは一体どういうことなのか。まずその二つから明らかにしていただきたい。
  71. 大澤融

    政府委員大澤融君) 前段の春繭の保管は、これは営業倉庫あるいは農業協同組合の倉庫あるいは製糸工場にある倉庫、こういうようなところに保管されておったわけです。それから三百万貫がなくなったと、こういうお話でございます。同時に、何かすべてのものが乾繭保管されておる、こういうお話ですが、いわゆる共同保管されておるものでなくて、ほんとうの意味で共同保管されてたな上げにもっていこうというものは、年末にあの法律が通りまして、十二月末に締めて約二百十三万貫あったのです。そこで、これはその後、先ほどもお話がございましたように、製糸が、ひく繭がないということで繭の値段が上っております。政府へ持ってきても、これは御承知のように一貫目千二百円で買うということで共同保管をしておるわけでありますが、市場価格がそれ以上になれば、市場に当然出ていくということでなくなった、こういうことでございます。
  72. 清澤俊英

    清澤俊英君 いま一つ夏秋蚕が予算措置としては、生糸換算五万俵—いや、春です。こういう予算です。
  73. 大澤融

    政府委員大澤融君) 春です。
  74. 清澤俊英

    清澤俊英君 そうすると、五万俵というと五百万貫ですね。ところが、実際乾繭は一万二千俵の約百二十万貫と、こうなりますから、だいぶ予算を残したわけです。これはどういうわけでこういう現象が出てきたのかお伺いしたい。非常に困っているとき、どういうわけで、こういう現象が出てきたか。
  75. 大澤融

    政府委員大澤融君) これは御承知のように、春のときには臨時措置法は百億円を限度として生糸を買う、五十億を限度として繭を買う、こういう保管会社の買い入れ限度でございます。じゃ、幾ら繭を売り込んでくるかということは、売り込む側の事情できまることでありまして、五十億一ぱいでなければならぬということではないので、ああいう数字になっておるわけであります。
  76. 清澤俊英

    清澤俊英君 そこで問題になりますのは、現在この法案を通しまして、買い上げを千円になった場合には全部この処置で買い上げてくれと、それからまあ最低価格は保証できると思いますが、もしそれまでにいく過程において、十億の予算で、買い入れ金でやっていくのでありまするから、どれくらいまでの繭を一応乾繭しようと、こういうことになりますのですか。十億円の元金で、借入金もつくわけですが、どのくらいの数量までこれは一応の保管をしていくことになりますか。
  77. 大澤融

    政府委員大澤融君) これは十億の資本金があれば、いろいろ計算があると思いますけれども、一応五十億円の金が動かせるということになれば、生産量を三千万貫として、約一割のものはこれで動かしていけるということになろうかと思います。
  78. 清澤俊英

    清澤俊英君 それで問題になりましたのは、この夏秋蚕のときに二百七十万貫がそれ以上の値段になったから保管はもう要らないで全部売り払ってしまったと、こういうことですが、その二百七十万貫というものは乾繭保管という形をとったものだけがそういう甘い汁を吸うことができたのですか。
  79. 大澤融

    政府委員大澤融君) 乾繭保管しておったからこそ、そういうことで引き取られていったものだと思います。
  80. 清澤俊英

    清澤俊英君 そうしますと、閣議決定において、三百万貫の乾繭たな上げすると、それらのことや夏秋蚕等の生糸のたな上げ等が影響して、この人たちだけは政府買い上げ以上の利益を得ることができたが、他の者はほとんど大部分、御承知通り、福島の一部が千二百円で売ったり、繭価協定をやって、それから長野は千百五十円くらいですか、あとの大部分は千百円に満たない繭価協定をして全部放しているのです。しかも、その相手はどうだかといえば、私のところに参考資料も来ておるようでありますが、一応その全額が委託乾繭という形で全養連はとったと、全養連はそういう形をとったと、従いまして、購繭資金は製糸会社から借り入れて、そうして一時養連が代払いしておったのだと、繭は製糸会社のものでなく、こういう形が残されている。そういう形が残されてきた場合に、実際取り扱われた全体の形を見まするならば、千二百円に満たない非常に安いもので繭の現実の取引が行われている。一部の者だけが、だれがこれは千二百円以上に売ったか。これは一つ農林省の権威にかけて、各県割当でどこの県でどのくらいのものが千二百円以上の繭価で処理ができたか、各県別の数量と、以上で売れた場合なら売れた場合の価格だけを一つ調べて資料として提出してもらいたい。各県別でこれは農林省の権威として出してもらいたい。これは非常に私は不公平のものがここに存在すると思うんです。一部の者だけが、千四百円で売れたか千三百円で売れたか知りませんけれども、それだけの者はよかったが、あとの者は全体の措置として引き取られましたことが、今、言ったように製糸会社から一応金は借りてきたんだ、借りてきて代払いしているこの繭は製糸会社のものでないのだ、こういう養連の説明であったものが、さあっと瞬間のわずかの間に団交が行われて、わしは不当ではないと思います。あの当時の価格としての団交の価格は不当であるとは申し上げません。そういうものがぱっときまる、きまった瞬間において糸はぐんぐん上って現在十七万円に達している。これじゃ農民に納得せいということは私はできないと思います。私は農林大臣がおられたら農林大臣に、一体こういうものに対してどうお考えになるか。私は、製糸会社から実際もうけがあるならば、ある程度までは涙金ぐらい出さして、そうして返してやるぐらいのことは考えられてもいいと思うが、製糸家としましても、一昨年の秋以来の大混乱の中でそれだけの余裕を持つかどうかということも非常に考えられますので、そう強くは申し上げません。それぐらいのことは調べておいでですか。
  81. 大澤融

    政府委員大澤融君) 誤解があってはなんだと思いますのであえて申しますが、先ほど来、共同保管と申しましたものは、あそこで、去年三百万貫を限度としてああいうことをするというふうに申しました場合に、ほんとうの意味での共同保管をしていくものについては、ああいうことをするんだ、こういうことでございまして、そういう意味の共同保管が大体三百万貫限度であろう、集まったところで、先ほどから数字がありましたように、二百十何万かになったのでありまして、そのほかのほんとうの意味の共同保管をしなかったものとあのものとがそういう区別が出てきたということは、先生が言われるように必ずしも不公平だということはなかろうかと私は思います。
  82. 清澤俊英

    清澤俊英君 私は、それが非常にこの法案と関連してめんどうなことがある。この間も二十日の日に局長とこの点でやり合いましたが、この点は非常にめんどうだと思います。そうでしょう。養蚕農協は現実の乾繭能力というものはないのだ、六十万貫ぐらいしかない。これはあなたの方で発表せられた通りであります。だから、大体が委託乾繭である。しかも、限度がきまっているのである。今の法律でも一割、この間は三百万貫、これらも大体一割、そうするとこの間の現象とこの法律で行われる効果というものに対して大してそう変りはない。ただ変りますところは、千円になった場合、これは無限大に買ってくれるのですか。千円になった場合には、千円を割らないところまで一応買ってもらえるんだというように、説明をそういうふうに私は解釈しておりますが、そこが変っている。そうしますと、千二百円なら千二百円の繭価、十六万円と千二百円の繭価というものを維持すると申しましても、維持は一部の者にいってしまう。あとの者は上ったときは、何か知らぬうちに、がさがさとものが解決して何らその恩沢を受けない、これだけのものがこの蚕繭団体法の動きました上の効力になって現われるのじゃないか、この間の例……。
  83. 大澤融

    政府委員大澤融君) それは県単位に繭価協定が行われているという実際上の背景の上で現実の、あるいは不公平といえば不公平ということがあるのかもしれませんが、分配の問題になろうかと思います。そこで今度の事業団ですけれども考え方といたしましては、実現された繭価協定と同じものは、たな上げしたものについては補償してやろうということで、繭価協定を有利に展開して参る、こういう考え方でございますから、県単位に繭価協定が行われるというような場合に、どの繭をどうたな上げしてやるかということは、その県の事情でいろいろありましょうし、ある一部について非常に高い値段実現されたというような場合には、組合内部の問題として、分配の問題として解決のつくことじゃないかと思います。
  84. 清澤俊英

    清澤俊英君 この間の三十三年度の夏秋蚕ではそれが解決つかぬ。同じ仕組みだ。同じ仕組みでいって解決つかない最大の原因は、養蚕団体が乾繭量を持たないということです、自己乾繭量を。従って、製糸家に預託をしておる。預託乾繭をしてもらう。これはしばしばその当時から御質問をして伺ったのですが、法律をもって強制的に製糸家乾繭施設を提供させることができるかできないか、これは憲法上の問題としてなかなかむずかしい、こういうことでありますので、生繭を持ったものは最大の処置として三十三年度の夏秋蚕対策方法よりないだろうと思う。あれが最大の方法なんです。それ以上出ない機関をもって同じような格好のものを作って果して効果がどれまで上るだろう、こういう疑問がある、こういうのです。
  85. 大澤融

    政府委員大澤融君) むしろその乾繭施設の、あるいは乾繭能力という点での限界があるという、こういう御質問だと思いますが、この点は考え方によっちゃあると思いますが、製糸と協力をするということがこの事業団の運営については必要な点ではなかろうかと思います。
  86. 清澤俊英

    清澤俊英君 私は協力を製糸家はしていないと思うのだ。この乾繭した分だけは相当高く買っていった。相当高く買うということは、買う能力があると、こう見ていい。価格上買っていく能力を持っている、こう見ていいと思います。しかるに、現実の繭価協定は、千百円以内が大体の協定の標準だろうと思う。長野県のごときがようやく千百五十円でしたか、千五十円でしたか、まあ長野県がちょっとよろしゅうございますが、聞きますと田原君のおります福島県だけが千二百円で大体繭価協定が郡で行われた、こういう線が出ておるだけで、あとは全部千円足らず、幾らも足を出しておらない。これじゃほんとうに問題がどこにあるのかということは私どもは疑問を持たざるを得ない。と申しますことは、なお、それを裏書きするがごとく、三十三年度の春繭のいわゆる共同保管分百二十何万貫の交換落札が行われました際には、非常に安く、これはまあ価格を発表するなというのですから、私は価格は申し上げませんが、農林省の方がより御承知でありますが、非常に安い製糸費で落され、欠損の見込まれる価格でこれを競落され、その後はまた代替糸を納めますためには、十七万円台の高い糸を買入れ手当をして納入している状態である。最近の新聞を見ましても、多分これの引きかえ糸のために十七万円の価格は出ているだろうと、非常に安い価格で落しておいて、非常に高い糸をつり上げてまで買っていくところに、私は何かそこにもうけがあるのじゃないかと思う。そうしますと、そこには私は製糸家の良心というものを、実際農林省考えていられるように甘く考えるわけにはとうていいかないのです。これからこの非常に困難な蚕糸業を軌道に乗せて、需要拡大もできるよう、蚕糸業の発展もできるようということまで考えようとするわれわれとしましては、あまりに相手がどうもはっきりし過ぎないのじゃないかと、こう思う。農林省もその点にはあまりつき方が足らぬのじゃないか、こういう感じがしますが、どういうふうにお考えになりますか。
  87. 大澤融

    政府委員大澤融君) 製糸家の協力ということが必要だけれども製糸家にそういう協力の態度があるかどうか、こういう御質問かとも思いますが、そういうものは、製糸家と申しましてもいろいろいるわけでございますから、そういうふうになっていくように私どもは期待をしているわけであります。
  88. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 他の委員から私がお伺いしようと思ったことをほとんどお聞きになりましたので一点だけ伺いたいと思いますが、先般、この法案説明のときに、説明の理由の中で、蚕糸業が産業として安定をするというその基盤を持つためには基本的な対策を講ずる必要を認める、そのために糸の最低価、繭の最低価を改訂すると、こういうことなんですが、糸と繭の最低価格を改訂したのか、これからするのか。するとすればいかなる方法でこれを改訂するのか。改訂をする目安をどの辺に落ちつけるという意思を持っているのか、それを伺いたいのですが、これは農業の総生産の、かつては輸出の大宗ともいわれた養蚕が斜陽産業とかいろいろいわれますが、現在三%程度だと思っておりますが、若干、はしたがあるかもしれませんが、とにかくそこまで下ってきた。そういうことで十九万円、千四百円というものを割って、それがために前年度は相当の金額を出しましたね。二百数十億の政府が金を出して一応価格の維持をはかろうとしたが、この提案理由説明の中にも、「実需要の減退を防止することができず、」と書いてありまするように、その金を出したけれども、これを食いとめることができなかったと告白をしている。ですから、私はこれは重大な問題だと思うのですよ。そこで、これは平たくいえば、蚕糸業というものの桑園の今度は整理をする、あるいは一方、わずかな新植も認めるのだろうと思いますが、そういうことをしながら、だんだんとこれを減していこうという腹なのか。一体、その根本的な政策というか、政策というよりか、むしろこれの将来の見通しというものを一体どういうふうに立てて、基本的にものを考えてこの政策を割り出しているのかということなんですよ。これは大切だと思う。それが一点。  今のに関連して全部申し上げておきますが、そこで、去年の臨時措置法を制定された、あの当時においては、十四万円あるいは十五万円という値段だった。今は十六万円、十七万円という価格をしておるように新聞あたりで見ますが、これがどういう理由で上ってきたのか。将来、こういう強気だとか弱気だとか表現されますけれども、そういう商売用語で強気だとか弱気だとかいうことだけでこれを判定することは私はまずいと思うのですよ。もっと確固たる見通しというものがなければならぬ。それがためには生産費というものが、外国との生産費対比がどういうふうになっておるかということから類推をし、そうして世界の需要供給の原則の上に立って価格を決定するという運びにならなければならないと思う。端的に、今、十六万円、十七万円ということに上ってきた理由というものを一つお述べをいただきたいと思います。
  89. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) 第一点の将来の見通しをどういうところに置いて措置をとるつもりであるかという点でございますが、その点については、先ほど大河原委員の御質疑にもお答えした次第でございますが、なるほど、三十二年から三十三年にかけまして、繊維全体として非常な需要の減退があったのでございます。数字を申し上げますと、人絹糸、梳毛糸というふうなものの需要が、昭和三十二年の六月から三十三年の九月までに、三十二年の六月を一〇〇といたしますと、三十三年の九月には六四、五七というふうに非常な減退を示しておるのであります。これに対しては生糸需要の減退はまだそれに及ばないという程度で六九という数字になっております。それからいま一つは、今年度からさらに本格的と申しますか、相当に製糸業者その他の方々の努力もお願いいたしまして、市場の獲得のために宣伝その他のことについても力を入れてやることに相なっておるのでありますが、そういうふうな効果がどういうふうにして現われてくるか、また、内需方面についても同様な努力をいたして参っておるのでありますが、それが今回のたとえば価格の低落に伴ってどういうふうな変化を示していくかというふうな点について、なかなか先の見通しをつけることが困難な事態にあるのであります。あるいは一説をなす人は、生糸は何といっても繊維界の最もぜいたく品である。従って、これは宣伝のいかんによっては、十分にさらに需要を増し得るのだというようなことを言われる方もあるのであります。また、その他の繊維の新しい用途の研究というものを進めることによって何か新しい需要も喚起できるのではないかというふうなことを言っておる方もございますし、そういう観点からなかなかはっきりした見通しがつけにくいというところから、とりあえずここ一両年の間の応急施策をいたしたい、そうして抜本的な恒久策としては、先ほど来申し上げておりますように、蚕糸業振興対策審議会におきまして十分御審議を願って、そうしてまた同時に、価格が低落いたしました状態において需要がどういうふうに変っていくかという動向も十分に見きわめた上で、それらの点について対策を立てたい、かように考えておる次第でございます。
  90. 大澤融

    政府委員大澤融君) 最近の糸価の動きについての御質問だと思います。その前に先般、年末でありますが、十九万円という最低値を十四万円に改訂いたしましたことはお話の通りでございます。そこで、最近の値段の動き、大体一月末、二月の初めごろから徐々に上ってきているわけですが、これはまあいろいろ原因があると思います。一つは、昨年の繭を製糸がいわばひき過ぎたといいますか、いわば一生懸命にひいて、そのために製糸がひく繭が少し足りなくなってきたというようなことも一つございますし、あるいは御承知のように、春繭の交換入札ということをやったわけでございますが、交換の生糸政府に持ってくるというために、生糸を横神の市場で買いあさるといいますか—ということ、このために、ああいう取引場の相場が私は上っていったと、あるいはしかし、根本的には糸価水準を下げて、糸価が実勢価格に見合ったものになって形成されてきたということで、需要がだんだん伸びてきたということが大きな原因だと思います。また、そうしたことを背景にしての思惑というようなものも、それはもちろん多少はあると思います。そうした事情で多少の値上りを見ておりますが、昨年価格をきめましたときに、まあいわば十六万円水準というようなことを頭に置いてああいう値段考えられておるわけでございますが、そうした程度から見れば、この程度のぐれがあるということは、先ほどお答え申し上げましたように、必ずしも糸価が非常に悪化してきたというふうには言えないと思うのであります。
  91. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 私はどうも最低糸価あるいは最低繭価水準を改訂したら産業界が安定するという考え方が根本に立っているということは、これは少し的違いだというふうに考える。そうしてまた、今の次官の御説明を聞きましても、見通しは困難だ、非常にはっきりしにくい問題だと、これは私の方がよくわかる。世界市場を持っているのだから、なかなか日本の一局面だけでは、それは私は困難だと思う。ところが、こういう水準を改訂して、その水準を下げた、そうしてそこに需給のバランスをはかったことが安定にならないのと同様に、私は多年作物である桑というものを整理できるかできぬか知りませんよ、先ほど、なかなか整理するといったって現実にはむずかしい問題だというお話もございました。私もそれに賛成をする。二割も掃き立てを制限するといっても、繭は計算以上に出てきたりするのですから、これは私はたとえ一万五千町歩ですか、今現在整理さしたと言われても、果してそれがどうか。その報告だけが真実にその畑が桑から他の作物に変ったか、それは私はわかりません。おそらくできていることでしょう。だが、この見通しのはっきりしない、非常に見通しの困難だという、この事情を前に控えながら、この多年作物であるこれは二年、三年というものは収繭量が非常に少いのですね、植えていきまする過程には。ですから、こういうようなものを他の方途において講じなくても、抜本的なつまり桑園整理に向けてこいつを持ってきたということは、少しやはり問題があるのじゃないか、こういうふうに私は一応考えるのであります。結局、桑というものが養蚕の基礎になるという点から考えてみると、そういうことを考えますが、その点についてはどうお考えになりますか。
  92. 大澤融

    政府委員大澤融君) 最初に、お言葉を返すようではなはだ恐縮でございますが、私どもは先ほどまあ清澤委員にもお答えいたしましたように、大体二十九万俵ベースというようなことを頭に置いて、二十九万何がしの桑園をそれに応じてこの程度は減っていってしかるべきものであるというふうな考え方でやっておるわけでございます。
  93. 戸叶武

    戸叶武君 この法案を見ても、論争を見ても、政府価格政策というものが、私は資本主義経済のもとにおいては、生産農民を保護するというよりも、業界にほんろうされていく傾きがあるのじゃないかと思うのです。これは今の日本政府が行なっている不徹底な価格政策にその欠陥があるのでありまして、清澤さんがいろいろな資料を要求しているのもそうだと思います。    〔委員長退席、理事堀本宜実君着席〕 表面の理由は、この繭価の問題をめぐって、生産農民の収入を減らさないために防衛しているがごとき法案に見えるが、少くとも繭糸価格の安定をめぐっての内容というものは、今まで強力な力を持っているところの、たとえば片倉製糸のような、郡是製糸のような、そういう生糸業者の圧力というものが非常に強くて、全養連のごときも、率直に申して生産農家の擁護というよりも、その業者の下部機構のような性格すら持っているのじゃないかと言って、これを農民からつき上げられている面もあるのでありますが、私は、こういう不徹底な価格政策を行なっていく過程においては、国家が相当な金を出しても、その金は業者のふところの方へ多く入ってしまって、生産農家の方には落ちてこないのじゃないか、その不徹底な統制の過程におきまして、保護を名として業界が太って生産農民の方はやせていくというような結果も招来するのじゃないか、これは一つのテスト・ケースですけれども、この運営の面におきましては、具体的なやはりデータをわれわれが取り寄せて、これを審議しないと、そこにはきわめて不明朗なものが感ぜられてならないのです。  それからもう一つ、この国際市場対象としての商品でありまするが、日本におけるこの国際市場への進出の努力というものが非常に足りないので、イタリアの成功というようなものも、玉繭の面において非常に成功し、化繊が伸びてきた今日において、生糸の持っている持ち味、この本物の真珠とにせ物の真珠との違いほどじゃないにしても、化繊と違った本物の生糸という感じを粗野な形においても出すような製品ができて、それが夜会服とか、あるいは洋服とか、あるいはベッドの上に敷くカバーとか、いろいろなものに工夫されているが、日本ではよい製品を高く売るということだけに終始して、生糸におけるところのいろいろな工夫というものがマンネリズムに陥っているのではないかという点が一点。  それからもう一点は、生糸は日光光線に対して割合に弱くて変色することが非常に欠点で、ネクタイその他におきましても問題点がありますけれども、そういうものに対する染色の問題が、イタリアにおいてもフランスにおいてもドイツにおいても相当研究されているが、日本においては染料の研究というものが非常におくれているので、やや、このごろは取り戻したといわれますが、この生糸中心としての染料に関して、何か政府がそういうことに援助して化学的な工夫というものをやっているかどうか、そういうことを具体的に私はこの際承わりたいと思います。
  94. 大澤融

    政府委員大澤融君) 生糸の消費の工夫がマンネリズムに陥っている、こういうお話でございますが、私ども生糸の新しい用途の開拓という意味で、先ほども申し上げましたが、新しい宣伝機関ができるわけでありますが、そのできる前に、中央蚕糸会の中に新しい生糸の用途の開拓ということをやっていくための組織を作って仕事を始めております。    〔理事堀本宜実君退席、委員長着席〕 今までの考え方のようではない、新しい用途としてデザインがたくさん出てきたのを審査いたしまして、それを普及して参るというようなことが出てきております。それから今仰せのございました黄変の問題とか染色の問題でございましたか、黄変の問題は、これは長いことかかって試験場で研究しておりますが、いまだ解決の方法はないのでございますが、なお引き続いて力を入れてやっております。また染色ですが、これは染料というようなもの自体は、私どもの方で扱う限りのものでないのでございますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたように、絹繊維物におきまして、むしろたとえば染色をした場合に、糸によって色にむらができる、あるいは同じ染料を使っても色が変ってくるということがあるそうでございまして、そうしたことのないような原料を供給するというための研究を特に力を入れてやっております。
  95. 清澤俊英

    清澤俊英君 私は最後に、きょうの質問はこれで終りますが、この次にまただいぶ研究してするかもしれませんが、私はこういうふうに考えているのです。三十三年度繭が非常にたな上げされて参りまして、そうして繭不足が三十四年度に持ち越される、そういう形の中で一応糸の値段は十四万幾らかかっております。農民はもうこの糸の値上りにあまり関心を持たないと思う。従って、現実において一万五千町歩の現在転換整理ができた、転換整理はおそらく先ほど皆さんが言われる通り、局長の考えられる通り、このあとの転換整理はちょっとむずかしいのではないか。しかし、私どもが今関知しているところでは、実際の蚕期へ入りましての掃き立てがどうなるかわかりませんが、大体三割五分ぐらい極端な人は掃き立てを考えているそうです。そうしますと、結局、今年の十七万円の糸を維持したということは、春から以来の措置を計算して見ますと、大体二割強のたな上げ措置等によりまして、市場に糸が足らなかった、繭が足らなかった、これが十七万円を大体維持する、こう考えていいだろう。それがそういう形で三十三年がいきますと、大体三十四年は桑園整理しないで持ちそうです。そうして三十五年になりますと、逆に今度は掃き立てを増大すると、糸価は、おそらく私は三十四年度は相当な糸価を維持するのじゃないか。そこに非常な危険性がある。危険性が出て、また農林省はいろいろなとんぼをとられるのではないかと思いますので、そういうような見通しを一つこの次の委員会までに、確信をもって報告の資料を集めてお答え願いたい。私はそう見ている。このままいきましたら、三割ぐらいの掃き立て量をぱっとやめなければならぬ。現に一万五千町歩整理した、この三割の減産ということになりますと、繭の全体の生産量は二千五、六百万貫ぐらいになるのじゃないか。三千万貫として三割としますと約一千万貫ですから、大へんな話なんです。そうすると非常な糸価を呼び出してくる危険性がありますので、やはりこういう危険性があるというならば、これは私らのような局地調査をやっているところの農民に今年の掃き立てばどうかと聞いてみると、大体三割ぐらい掃き立てをかげんしていけばいいという返答なんです。それから全般の諸条件はそういう形はとらぬかもしれませんが、とったら大へんだと、こういうふうに思います。
  96. 大澤融

    政府委員大澤融君) 先ほども申し上げましたように、桑園をあれだけ整理いたしまして、それから現状での桑の発育状況あるいは農民肥培管理をどのくらいやっているかというような状況を押えて、春繭は最近、先ほど申し上げたような反当収量ということが予想されるわけです。そこで、その反当収量に面積ということで、私どもは来年の収繭量を二千八百万貫少々、こういうふうに予想しておるわけでございまして、先生方、局地的に農家に当られて、三割あるいは四割掃き立て制限をするというふうなお話を聞かれて、少しどぎつく響いているのではないか、そういう感じもいたします。私どもはそういうふうに考えます。
  97. 清澤俊英

    清澤俊英君 その点ですが、実際二千八百万貫ぐらいの収繭を見ておられるところへ、三割制限する全部じゃないでしょうけれどもそういう声さえある。従って、三割制限するくらいなら肥培などは相当、今後も要らないかもしれません。こういうことになるのじゃないですか。そういう減産も見込まれるので、そういう傾向を十分察知して、確信のある指導をしてもらいたい。もう私は、ことしは値段は大丈夫だからお作りなさいということは絶対言いません、去年こりごりしましたから。
  98. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  99. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) それじゃ、速記をつけて下さい。  予備審査は、大体この程度で尽きたのじゃないかと思いますが、衆議院が通過しまして、本付託になりました場合には、事情に特別の変化のない限り、大体討論採決をして上げたいと存じます。そういうことでよろしゅうございましょうか。    〔「それでいいです」と呼ぶ者あり〕
  100. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) それじゃ、ただいまの御懇談によりまして、この法案審査は、この程度とし、衆議院を通過して本付託の上は、事情に特別の変化が起らない限り、直ちに討論採決を行います。  本日は、この程度において散会いたします。    午後四時十三分散会