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政府委員(濱野清吾君) 非常に大きな問題でありますから、
次官がお
答えするよりは、直接、長官に将来の機会に御
出席を願っておいて、そうしてお
答えする方が適当かと存じますが、私
どもの
行政審議会の答申を、本年の一月末日に実はいただきまして、そのことによって私
どもは一生懸命
調査をしているわけでございます。しかし、御承知の
通り行政機構の問題はいろいろと長い沿革もあり、さらにまた、
予算がそこに組まれ、そこに定員の配置があって、いわば民間の
仕事とそんなに違わない実際の
仕事を持っておるものでありますから、
各省との折衝等においても相当困難な点がございます。もちろん平地に建物を建てるような、一刀両断にいけばいいのでありますけれ
ども、なかなか今までの歴史と、それから
仕事の
調整などを
考えますと、なかなかその答申案のようなわけにはいかないのであります。私
どもといたしましては、さしあたりこの答申を尊重して、たとえおくれておっても、できるだけこの
国会のうちに
行政の
簡素化を
一つやりたい、こういう決意でもつはら作業中でございます。しかしこういう反面において、
行政管理庁は新しい
機構をどんどん許しているじゃないか、こういうような御
意見でありますが、私は外部から見ると、そういうふうに見られるだろうし、また、そういう御批判をされることももっとものようにも見えますけれ
ども、しかし実際は私はそうでないと思うのです。私も長官も、実はこういうことを
考えているのです。これは
機構や定員の
関係はもちろんありますから、むしろ率直に申し上げた方がいいと思うのでありますが、
行政機構改革というやつは、むやみに人の首を切ったり、
機構を切ったり離したりするようなことが、すなわちほんとうの
意味の
行政改革ではない。私は保守党がやった吉田内閣当時におけるあの
行政機構、
人員の淘汰というような跡を実は見ているのでありますが、あれがほんとうの
意味の、
行政機構、あるいは定員というようなものを減じて、そうして国のためになったかどうかというようなことを今、いろいろ検討しているのですが、私はあれは必ずしもほんとうの
行政機構、行、財政の整理というようなものじゃなかったと、私は実は今日まで疑問に思っているわけであります。そういう理論的根拠は、何といってもこれだけの膨大な公務員と、そうしてこれだけのしかも大きな組織の中に活動していただき、しかも、これだけの大きな
予算を遡行するのでありますから、やはりその必要な面だけにはそれ相応の能力のある、資格のある
人員が必要でありますし、また、
機構上やはり何でもかんでも切ってもいいというようなものじゃございません。従いましてただ
機構を切ったから
行政改革の
趣旨が徹底したとか、効力があったとかと、ただいちずに見られることは、これは
一つ前の歴史を見ていただいて、批判してもらわなくちゃ困るんだ、ですから私
どもは
行政改革をやりますし、
機構の改革もやりますけれ
ども、できるだけその実際に沿った改革をやりたい。それから定員というような問題につきましても、実際に沿って、こうすれば
行政の効率が上るんだというような
方針でいきたい。従いまして
行政機構の
一つの
機関を多くしても、それが非常に
行政の効率が上ってくるんだというならば、これは
一つ国会においても承認していただきたいものだ。定員がふえても、これは正当な
理由があって減らすわけにはいかない、むしろこれだけの定員を増すことによって、その
行政効率が高められるのだという、そういう見通しが大体ついてくるならば、これは
国会の方としては認めてもらいたい。吉田内閣当時のように、人間を天引きで二割切った、一割切ったから、それは
行政改革が成功したんだという、そういう形の上の
行政改革では、効率化ということはナンセンスだ、こういうふうに実は
考えておるわけでございます。従いまして、
国会からごらん下さいますれば、非常にどうも二面においてはふえているし、お前は改革をやると言いながら、一向にどうも逆コースをとっているんじゃないかというおしかりを受けるかもしれませんが、やはり
行政事務であっても
一つの
仕事でございますから、
仕事の効率をもっと上げるという、そういう民間側のいわゆる
仕事と同じように、やはり役所の
仕事も効率の
仕事、こういう見地に立っておるわけでございます。私
どもの生命は、どうせ
政務次官でも大でも一年くらいでありますから、われわれのこの
考え方が一体どう実現するかは、私の時代にはわかりませんけれ
ども、やはり日本の
行政改革、
機構改革、あるいは定員というようなものは、はっきりした
答えが出るように
考えていくことが望ましいことであって、
機構をふやしたからといってこれは議論すべきじゃない。果して
理由があり、効果があるとするならば、早く民間と同じようにその効率と対比してふやしてもしかるべきものだ。定員をふやすのもやっぱり同じ
理由である。ただ、その不必要なところに不必要な人間を遊ばして、そうして国を滅ぼすようなやり方はとりたくない。吉田内閣のやったようなやり方については、私は非常に疑義がある。これは
政府ばかりでない。日本の
官僚がそういう勝手なことをやったのだと思いますけれ
ども、私は真剣にそう
考えて忠実に
管理庁の
仕事をやっていきたいというようなことでありますから、どうぞ
一つ私
どもの気持も御理解願いたいと思います。