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矢嶋三義君 あなた方が、私たちは
国民ですが、私たちの
気持もくんで、だんだんと新しい
時代に切りかえて、そういう
空気を作るべく努力されている点は認められます。敬意を表しますがね。しかし、依然として懸念される点があるから御
要望申し上げておるわけです。この前も申し上げたことを繰り返して申し上げますが、私は
正田美智子さんという人にはお会いしたことはないけれども、いろいろな書きもの、あるいは録音放送等を承わって、ずいぶんりっぱな人だと思うのですよ。智のう的にも体力的にも、日本の女性としては全くトップ・レベルのお方だと思う。ああいうりっぱなお方でこなせないようなしきたり、慣習というのは、
天皇御一家の私事については私はとやかく申しません。しかし、国事に、公事に関する限りは、正田さんレベルのお方で、なかなかこなせないで非常に心労をするということは、私はおやめになられたらいいと思います。で昨年の
国会でも私論じましたが、これは
予算面からいっても、その執行状況からいっても、
天皇家の私事と公事とのけじめがなかなかつきかねるところがあると思うのです。あなたたちは国家公務員であるわけですが、
天皇家の私事と公事とはなはだけじめがつかぬと思うのです。あるいは私事の面にもタッチされておられるわけですからね。だから私はこういうことをあなたに御
要望申し上げることは、決して間違っていないと思うから、重ねてその点を
要望申し上げておくわけです。で、私も英国に行った場合に、バッキンガム
宮殿とか、ウィンザー
宮殿の様子を見もし、聞いても参りましたが、私はああいう形の方が望ましいと思っているんです。で、その点注意していただかぬと、新
憲法下の
皇室のあり方が、むしろ昔のように逆戻りするようになっては、最近の
国民の喜びと期待に反する結果になるのであえて私は申し上げたわけです。で、この際に具体的なことを若干申し上げておきますが、それはこの前の、年内の
委員会で言葉等についてもできるだけ新しい
時代に合うように改正をして、でき得べくんば当用漢字も使って、国の法律に基いて教育を受けた
国民ならば読めもするし、理解もできるように、できるだけそういうものに即応するように改めていきたいというあなたの答弁があって、私非常に了としたわけです。その努力のあとも一、二見えますが、いろいろ刊行物を通じて調べてみますと、依然として了解しかねるような点がたくさんあるのですね。私たちは、刊行物を通じて知る以外にないから、私は広く読んでいるわけですがね。そういう点も、この際、
皇太子の御
成婚を機に、私が冒頭に申し上げましたように、新しい
憲法下における
皇室のあり方を規定する画期的な私はこの一年だと思う。こういう時期に、私は検討していただきたいと思うのですが、お答え願いたいと思うのです。私が読んだ中にたとえば殿部なんという職がある。これは受付、案内する男の職員の監督をする人を言う。それから女嬬これは女官を助ける女の職員を女嬬というのだそうで、女官はこの女嬬を依然として家来と呼んでいる。そういうことがあるのか知らぬが、そういうことまで伝えられている。それから
東宮御所に台所を設計図の中に入れたいという願いがあった。
正田美智子さんとしては自分の手料理で
皇太子にサービスしたいという婦人としてのきわめて自然な何だと思う。ところがそういう
東宮御所のところに台所なんか、妃になる人の使うものを作ってはなんだというので設計から落したということが伝えられているが、まさかそういうことはないと思うのですが、そういうことがあるとすれば、新
憲法下における
国民の象徴、
天皇、
皇太子の
扱い方じゃないと思う。新憲法の精神がわかっていないと思う。さっき開会前の雑談で申し上げたのだけれども、旧
憲法下並びにその後の慣習で、
天皇陛下だって御兄弟の宮
殿下が亡くなられてもお見舞にいけないし、お葬式にも参列できないし、それで自分のお子様が
結婚式をされる場合に、父母
殿下はそれに参列できないのが従来のならわしです。今度は
結婚の儀という新しい言葉を使われたわけですが、しかもそれを国事としてやられる。私は人間的に
考えたら、自然に
考えたら、
皇居内でそういう婚礼の儀が行われるとすれば、両
陛下は自分のお子様に当る
皇太子殿下の婚礼の儀に参列なさるのが、私は自然な姿じゃないかと思う。そういうことを君言わんでもいいじゃないかと言うかもしれませんけれども、
天皇家の私事なら言いません。しかし、これは国事として行われると内閣できめられておりますから、われわれも無
関係じゃないわけです。そういう点がやっぱり私は新しい
憲法下における
皇室のあり方という点から再検討を要するのじゃないか。まあ幾つも具体的なものを持っているわけですが、こういうささやかなことを数多くあげるのはどうかと思いますから、この程度にとどめて、私の聞かんとするところはおわかりになったでしょうから、御答弁を願います。