○矢嶋三義君 お急ぎのようですから、二点だけ伺います。
その
一つは、調達庁の所管
大臣としての左藤
国務大臣に伺います。その
内容は、かつて本
委員会でも取り上げられたのでありますが、終戦後、占領軍が進駐した。その進駐軍によって損害を与えられた、特に人命を奪われ、あるいは負傷した方々に対するところの補償が、御
承知のごとく、過去六回にわたって手直しをされたけれ
ども、その時代によって非常にアンバランスがある。それからいまだに支給をしていない未措置の方もある。よって、それらを十分
調査をして、そして追給すべきものは追給し、さらにアンバランスは是正する、こういうことを基本方針として、あなたも、官房長官も、本
委員会でお答えになりました。
ところが、今までの行きがかり上、調達庁かこれをやっておりますから、実際、
調査をしようにも、主管官庁というものが明確でない。そして
調査をするのに公務員の定員のワクがない。だから
調査をして、そういうことをやりたいといっても、やる課もなければ、
職員もない、こういう
状況であります。承わりますと、来年度の予算編成に当って、定員百五十人、それから千二百万円の予算を
大蔵省に要求して本日まで参ったということを承わっているのでありますが、これはすでに認められたのか。また、認められていなかったならば、所管
大臣として最終的に必ずこれを正式に予算化する決意を持っておられるのかどうか。と同時に、かつて長官は、行政措置で遺
家族に対する補償ができないときは
立法措置をするという
答弁を
国会でなされております。従って、議員の間にもそういう声があるのですが、
立法措置の作業をとりつつあるのか。詳細については、後刻、
調達庁長官に伺いますが、そういう大きな方針について
答弁を求めます。
そしてもう
一つは、具体的に、これと同一の問題ですが、ジョンソン基地で武蔵野音楽大学の学生宮村君が非業の死を遂げた。これに対して調達庁で、この補償について米軍当局といろいろ交渉された点は認めます。ところが、ある計算方式によると、約四百二十七万円になります。しかし、
遺族としては、せめて二百九十三万円
程度の補償はほしいというのを積算いたしております。ところが、調達庁の出先機関としては、
現行法ではマキシマム百五十万円だ、従って、百二十万円
程度ではどうか、相当に圧力と言っては語弊がありますが、そういう角度で
遺族を指導されたようです。この問題については、かつて本
委員会で取り上げられ、私のみならず、
竹下委員、さらに自民党の松岡
委員からも強く
要望されて、そして防衛庁長官並びに官房長官は、請求書に国民感情の現われるような意見書をつけて米軍に出し、十分交渉するということを
答弁されておるわけですが、いかようになったのか、これが
一つ。
それからもう
一つは、かつて防衛庁長官は就任されたときに、防衛庁長官の職務は重大であり転々と長官が交代することは好しくない、自分は滅私奉公したい、かように速記録を残しております。過去において防衛庁長官は平均六カ月で交代いたしております。特に日本の防衛問題は米軍と密接な
関係があることは皆さん御
承知の
通りであるし、また、私は先般十一月一日自衛隊の記念式の際に参加さしていただいたのですが、外国武官との
折衝等を見たときに、防衛庁長官は大へんだなとかように私は思った次第です。おそらく左藤長官としては、党の利益よりも国の利益というものを優先するようにお
考えになっておられると思うんです。ところが、うわさに聞くと、左藤長官は大阪府知事選に立候補される、それについては大阪の左藤会としては、十二月二十一日
決定として報ぜられた点は、左藤さんの決断にまかせる。自分らとしては府知事選に出ることは反対で、防衛庁長官を勤めてもらいたい。しかし、最終的なものは防衛庁長官の決断にまかせるという
決定をしたということを報ぜられております。私は従来の長官の言動から私のために、あるいは党のために国の利益ということをお忘れになるようなお方でないと思っております。従って私は、総理から罷免権を発動されればこれは別でございましょうけれ
ども、それがない限りは、今までの言動からして、左藤長官がみずから自分は府知事選に出たいといって辞表を書くことは万々ないと推察いたしておるわけでありますが、長官の御決意を承わっておきます。明快にこの点はお答え願いたい。