○
山田節男君 これは
NHKの
テレビジョン放送から
考えても、大体電電公社が三十五年度においては、
日本の領土の大体の銀座
通り、国道と県道くらいの程度まではマイクロウェーブの施設が完備するわけですね。しかしこれだけではいわゆる
放送法の、
NHKの使命である
テレビジョンをあまねく
普及するということは
技術的に不可能なんですよ。一応三十五年度以降において電電公社がマイクロウェーブの施設をして、それを利用する
範囲をのけた難聴といいますか、
テレビジョンの
受信の困難な地域が、これは当然存在するのです。そういうことを予期して、
NHKとしては、いわゆる
テレビジョンの難聴地区、難聴地区というのはおかしいけれども、そういう
受信の到達しない、あるいは妨害されておる点に対する計画はお持ちだろうと思う。お持ちでなければいけないと思う。そこで、従来
放送されておる地域はきわめて弱電な中継局をあっちこっち設置されておる。しかも、これも
日本のような非常に山岳地帯の多いところでは、地形からいって
限度があると思うのです。そうすると、こういう狭い国で、しかも山岳地帯が多いのでありますから、ただ中継所をふやせばいいというのでは、これは
NHKも
一つの
経済的な基礎に立ってやるのでありますから、幾らでも金を使えるわけじゃない。
経済的の制約を受けるということになれば、
テレビジョンの
受信の困難な地域を解消するということについて一体どうするか。これは私見でありますけれども、従来のきわめて弱電のブースター・ステーションでやっていく、これも確かに解決の
方法に違いない。しかし、これも
方法に
限度がある。
経済的にも地理的にも
限度がある。そうすれば私、これは新谷君もおられますが、
ラジオでも難聴地区の解消、たとえば無灯地帯、電気のないところ、電灯線のないところはどうするか、それがいわゆる共同聴取の
一つの
発展の動機になって、いわゆる必要が発明の母となってああいうものが今日できたわけであります。
テレビジョンにおきましても、これは私の知っておる
範囲では、二カ所ばかり現に有線でこれを
受信しております。で、こういうようなことは、将来やはり必要がそういうふうにせしめるのであって、で、
ラジオの場合においては
NHKはほったらかしておって、農業協同組合あるいは
ラジオ共同聴取の特別な組合を作って、そうして
相当な金を使って有線で
受信をやっておる。テレビの場合は、これは当然
NHKが初めから計画しておるならば、そういうことはむしろ自発的に、必要やむを得ないので、そういう
方面でやらせる。これは
NHKからいえば金がかからぬからいいというかもしれぬけれども、やはりしかし、今日まで
ラジオの共同聴取者には、きわめて制限せられて、第一、第二も聞けない、どっちも選んで聞くという選択の自由のない窮屈な
受信をしているのであるから、三カ月二百円は少し高いのじゃないか、多少の割り戻しをしても、
NHKは共同聴取に対しては正規の三カ月二百円をとることは少し過酷であると、こう思う。
テレビジョンの場合は料金も非常に高いので、月三百円ということになれば、そういう場合に、やはり
受信の異常に困難な地域に対して、一体
NHKはどうするかという
態度を、
方針を早くきめて、
NHKがイニシアチブをとって、
NHKが世話をしてやる、こう思うのです。今日もすでに百五十万、これはやがて三百万になるという時期を控えて、共同地区、そういうような
受信の困難な地区に対しては有線
放送でいくのか、あるいはそれはブースターで解決できるのだというように
考えておるのか、こういう点とそれから今のようなむしろ
NHKがイニシアチブをとって、
受信困難地帯に対するテレビの視聴者の数をふやすということについて、
技術的にどういうことをお
考えになっておるか、この点をお伺いしたい。